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JPH0679545B2 - コンニヤクマンナン含有可逆性ゲル - Google Patents

コンニヤクマンナン含有可逆性ゲル

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Publication number
JPH0679545B2
JPH0679545B2 JP61049778A JP4977886A JPH0679545B2 JP H0679545 B2 JPH0679545 B2 JP H0679545B2 JP 61049778 A JP61049778 A JP 61049778A JP 4977886 A JP4977886 A JP 4977886A JP H0679545 B2 JPH0679545 B2 JP H0679545B2
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JP
Japan
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gel
konjak
mannan
xanthan gum
konjac
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JP61049778A
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茂 鳥羽
裕乃 吉田
武彦 常田
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Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加熱時半固体状〜液状で冷却時固体状の物性
を呈するコンニャクマンナン含有可逆性ゲルに関する。
〔従来の技術〕
(1) コンニャクマンナンのゲル化 伝統食品であるコンニャクは、概略的には、コンニャク
イモ又はコンニャク粉を水で膨潤させ、練り上げ、石灰
等のアルカリ剤を添加混練し、加熱処理することにより
製造されており、コンニャクマンナンのゲル化により特
有の粘弾性を有する。
一方、コンニャクの有する問題点としては、(1)アル
カリ処理による特有のコンニャクアルカリ臭が発生す
る、(2)離水し易い、(3)凍結耐性がない、(4)
製造に熟練を要する、特に、アルカリ剤の添加、混和に
熟練を要し、反応が急激に進行することにより、成型、
加工適性が低い等が知られており、アルカリ臭の緩和、
離水の防止、凍結耐性の付与、製造作業の改善等を目的
として多くの検討が加えられてきた。かかる改善は、大
別して、アルカリ剤添加量の減少或いはアルカリ剤添加
後の中和処理、脱アルカリ処理等によるアルカリ臭の緩
和(特開昭49−1752、特開昭55−26882、特開昭56−144
070、特開昭57−166965特開昭58−36366、特開昭58−51
866他)カラギーナンその他の離水防止剤の添加による
離水防止(特開昭48−22650、特開昭49−75759他)、サ
イクロデキストリンとカラギーナンの併用による凍結耐
性の付与(特開昭58−216662)等に代表されるが、この
他にも、改善に向けて、数多くの研究が報告されてい
る。
これらの研究は、ほとんど例外なく、アルカリ処理によ
ってのみ、コンニャクのゲル形成が行われることを前提
としている。即ち、コンニャクに関する限り、アルカリ
処理は必須と考えられ、事実、コンニャクマンナンのゲ
ル形成に関し、アルカリ処理によらない例は以下を除き
存在しない。
例として、特開昭49−1754には、カラギーナンの併用に
より、アルカリ処理することなく、ゼリー強度の良好な
コンニャクが得られることが開示されている。しかしな
がら、後述の実験例で示される如く、カラギーナンとコ
ンニャク精粉との配合物(配合比3:2)のゲルは、カラ
ギーナン(水溶液は単独でゲル形成する)単独のゲルに
比べ、K−カラギーナンで、ゲル強度が約2/3に、I−
カラギーナンでは約1/10に低下する。
また、中性以下のpHで可逆性コンニャクが得られる旨の
知見が特開昭58−116651に記載されているが、該方法
も、pH上昇の最下限を+0.2に設定する一方、上限はpH1
0であり、コンニャク粉濃度が4%の場合でも、水酸化
ナトリウム、炭酸カルシウム等のコンニャク凝固用アル
カリを併用しないとペースト状の弱いゲルしか得られな
い。
(2) コンニャクマンナン含有可逆性ゲル コンニャクマンナンに加水し、膨潤させたゾルにアルカ
リ処理して得られるコンニャクマンナンゲルは、常温時
及び高温時においても強固で弾性に富んだ凝固状態を示
す非可逆性ゲルである。
これに対し、温度変化により、液状〜凝固状を示す可逆
性のコンニャクマンナンゲルとして、上述の特開昭58−
116651の他、特開昭59−203467に記載の可逆性コンニャ
クが知られている。
(イ) 特開昭58−116651 常温で、液状〜ペースト状を呈し、60℃以上でコンニャ
ク様の凝固状を呈する熱可逆性コンニャク。
製法:コンニャクイモ又はコンニャク粉−(加水膨潤)
−(触媒添加)−(混和**)−(70℃以上に加熱処
理) *触媒 クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リ
ンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
コハク酸ナトリウム等又はこれらの混合物を単独で或い
は炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムと組合せて使用 ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリ
ン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸ナト
リウム、メタリン酸カリウム、リン酸(1〜3)ナトリ
ウム、リン酸(1〜3)カリウム、リン酸(1〜2)ア
ンモニウム等又はこれらの混合物を単独で、或いは、炭
酸カルシウム又は炭酸マグネシウムと組合せて使用 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、亜硫酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム又
はこれらの混合物 **pH:触媒添加前のpH+0.2〜pH10以下 (ロ) 特開昭59−203467 常温で、半固体状〜固体状を呈し、凍結前より10℃未満
において液状〜ペースト状〜半固形状を呈する熱可逆性
コンニャク。
製法:コンニャクイモ又はコンニャク粉−(加水膨潤)
−(触媒添加)−(混和)−(50℃以上に加熱処理)
−(中和又は脱アルカリ処理) *上記(1)と同一の触媒 **pH10.01〜12.20 (3) キサンタンガムのゲル化 キサンタンガム水溶液は単独ではゲルを形成しないが、
ガラクトースとマンノースを構成成分とする多糖類であ
るガラクトマンナン系ガム質であるローカストビーンガ
ムと併用することにより強いゲルを形成することが知ら
れている。しかしながら、同じくガラクトマンナン系ガ
ム質であるグアーガムと併用すると、著しい増粘作用を
示すが、ゲル化までは行われないことも同様に知られて
いる。
一方、グルコースとマンノースを構成成分とするグルコ
マンナンであるコンニャクマンナンとキサンタンガムを
併用する場合のゲル化に関する知見、報告は全く存在し
ない。即ち、上述の如く、コンニャクマンナンのゲル化
には、アルカリ処理が必須と考えられており、従って、
キサンタンガムとコンニャクマンナンの併用系において
も当然の如く、アルカリ処理が行われている(特公昭55
−45173、特開昭58−216662)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、従来のアルカリ処理によるコンニャクマンナ
ンのゲル形成に由来する下記の問題点を解決することを
目的とする。
(1)アルカリ性:従来のコンニャクは、アルカリ性
(pH11以上)であり、一般の食品が中性〜弱酸性である
ことから、大きな使用制限となっている。
(2)アルカリ臭:特有のアルカリ臭を有するため、食
用に供する際に、アク抜き等のアルカリ臭緩和処理が行
われる場合が多い。また、例えば、各種の風味、香味料
を添加しても、アルカリ臭により、風味、香味が損なわ
れ易い。
(3)離水,凍結耐性:離水が多く、凍結すると更に離
水が増大し、凍結耐性を欠く点が、保存食品、冷凍食品
へのコンニャクゲルの使用を阻む最大の要因になってい
る。
(4)製造加工適性:製造には、熟練を要し、かつ、成
形は、急速なアルカリ反応によるゲル化の進行が粘性の
高いコンニャクゲルへのアルカリ混和と併行的に行われ
るため、連続的な製造や成形に対する適性を欠く。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、コンニャクマンナンとキサンタンガムとの併
用により、上記の問題点を総合的に解決する。即ち、ア
ルカリ処理を伴わずに、コンニャクマンナンを強固でか
つ安定なゲルにすることにより、アルカリ臭、強いアル
カリ性のpH、離水、凍結耐性、製造加工適性に関し、従
来のコンニャクマンナンゲルの包含する問題点を一挙に
解決し得たものであり、常温〜40℃以下では凝固したコ
ンニャク様であるが、50℃以上で液状〜ペースト状〜半
固形状を呈し、前記従来の熱可逆性ゲルとは異なる熱可
逆性を有するコンニャクマンナン含有可逆性ゲルであ
る。
尚、このゲル化は、摩砕処理によって更に促進され、よ
り強固なゲルを形成する。従って、適当な条件を選択す
れば、加熱工程を採らなくとも摩砕のみでゲル化するこ
とも特徴である。摩砕に使用する機器は特に問わない
が、市販のミキサー、ジューサー、ホモジナイザー、フ
ードカッター、スピードニーダー、ロボクープミキサー
等を用い、5秒〜10分処理すれば充分ゲル化する。摩砕
の時期も問わないが、例えば、加熱と組合せる場合好ま
しくは加熱の前に行う。
〔実験例1〕コンニャクマンナンと他の多糖類との相互
作用 併用する多糖類として、K−カラギーナン、I−カラギ
ーナン、寒天、微小繊維状セルロース「MFC」(ダイセ
ル化学工業(株)製)、結晶セルロース「アビセル」
(旭化成工業(株)製)、グアーガム、ローカストビー
ンガム、タマリンドガム、アラビアガム、ペクチン、ア
ルギン酸ナトリウム、プルラン及びキサンタンガムを使
用し、コンニャクマンナン:他の多糖類=100:0〜0:100
の配合比率で、濃度2.0%となるよう加水膨潤し、90
℃、30分間加熱後、冷却(20℃)した際の物性を測定し
た。
物性の測定:不動工業(株)レオメーター(NRN−2002
J)を使用し、プランジャー(直径10mm球体)の球部全
体が試料に入りきった時点のチャート上の値から硬さ
(g/cm2)を求めた。試料は保型性のあるものは30mmφ
×30mmの大きさに切り、保型性のないものは、30mmφ×
30mmのカップに入れ測定に供した。
結果は第1図及び第2表に示すように、併用によるゲル
形成の観察されたのは、キサンタンガムのみであった。
カラギーナン又は寒天の併用系は、カラギーナン又は寒
天の単独系に比べて、ゲル強度が著しく低下し、従っ
て、併用によるコンニャクマンナンのゲル化は行われな
い。その他の多糖類との併用系においては、配合比率の
如何にかかわらず、ゲル形成は行われない。
本発明で使用するコンニャクマンナンとしては、コンニ
ャクイモ、コンニャク粉、精製コンニャクマンナン等、
グルコマンナンを含有するものであれば、いずれも、使
用可能であるが、好ましくは、精製度の高いコンニャク
粉又はコンニャク粉より抽出精製したコンニャクマンナ
ンを用いるようにする。同様に、キサンタンガムについ
ても、その種類の如何を問わず、使用可能である。
〔実験例2〕コンニャクマンナンとキサンタンガムとの
配合比率及びpH コンニャクマンナン((株)群馬グルコマンナン製):
キサンタンガムの配合比率を中性域(pH6.6)及び酸性
域(pH3.7)で100:0〜0:100に変化させ、各比率におけ
るゲル強度を測定した。
製造条件:(1) 実験例1と同一 (2) 実験例1における条件と同一であるが、膨潤し
たコンニャクマンナン粒子を摩砕処理した後加熱処理。
ゲル強度:硬さ(g/cm2)として、実験例1と同一条件
で測定。
結果は、第2図に示すように、コンニャクマンナン:キ
サンタンガムの配合比率は中性域(pH6.6)では80〜20:
70〜30(重量)前後で最高のゲル強度が得られ、この比
率でゲル化が最高に達する。一方、第3図に示すように
酸性域(pH3.7)ではコンニャクマンナン:キサンタン
ガムの配合比率が60:40〜40:60で最高のゲル強度が得ら
れる。このようにゲル形成に要するコンニャクマンナン
とキサンタンガムの配合比率はpH、更には摩砕処理の有
無により変化するが、一般的にコンニャクマンナン:キ
サンタンガムの配合比率が95:5〜5:95であればゲル化が
行なわれる。より好ましいゲルを得るには、中性域、弱
酸性域(pH5〜8)ではコンニャクマンナン:キサンタ
ンガムの配合比率が80:20〜70:30、酸性域(pH3〜5)
では両者の比率が60:40〜40:60を用いるのがよい。
更に膨潤したコンニャクマンナン粒子を強制的に摩砕す
ることにより、より強固なゲルが得られ、かつ、コンニ
ャクマンナンに対するキサンタンガムの配合比率を、摩
砕処理を採用しない系よりも高めたゲルの取得が可能で
ある。
〔実験例3〕加熱条件 コンニャクマンナン:キサンタンガム=75:25の配合比
率で、実験例1と同一の製造条件で加熱温度のみを変化
させ、ゲル強度(硬さg/cm2として測定)を測定した。
第4図に示すように、加熱温度は、50℃以上で硬さの増
大がみられるところから、50℃前後でゲル化が開始する
ものと推察される。
本発明のコンニャクマンナン含有可逆性ゲルの製造にお
ける加熱温度は、加熱時間、配合比率、pH、摩砕等の処
理の有無その他の条件により、その下限が異なるが、70
℃以上の加熱が冷時安定なゲルの取得上好ましい。
〔実験例4〕温度変化によるゲルの状態移動 実験例3と同一の配合、製造条件で得たゲル(pH6.6)
について、加熱によるゲルの状態移動をゲル強度により
測定した結果を第3表に示すが温度50℃以上では、硬さ
の減少がみられる。
本発明のゲルは、温度45℃付近で可逆的に変化する。即
ち、温度40℃以下では固体状であり、温度約50℃以上に
加熱すると、本固体状乃至は液状に変化し、再度の冷
却、加熱によっても、同様の柱状の変化を呈する。
〔実験例5〕ゲルの破断強度 実験例3と同一の配合、製造条件で得たゲル(pH6.6)
及び対照としてアルカリ処理により得たコンニャクゲル
について、温度20℃における破断強度を測定した。
(対照の製造法) コンニャクマンナンを2%濃度となるように加水膨潤さ
せ、ゲル化剤としてコンニャクマンナンに対して5%の
水酸化カルシウムを水に懸濁させて加え、直ちに均一混
合する。そして、90℃30分間加熱後冷却してコンニャク
ゲルを得た。
(破断強度の測定条件) 前述のレオメーターを使用し、30mmφ×30mmの大きさの
試料をプランジャー(直径7mm球体)にて貫入し破断強
度を求めた。
第5図に示すように、本発明のゲルは、常法により得ら
れるコンニャクゲルに比べ、破断強度が大であり、又、
破断するまでの距離が長いことから非常に弾力に富むゲ
ルである。
〔実験例6〕離水及び凍結耐性 実験例5と同一配合、製造条件のゲル(試験区並びに対
照の2種類)について、温度44℃又は−25℃での保存下
における離水率を測定した。離水率は次の式により求め
た。
結果は、第4表及び第5表に示すように、温度44℃(温
度44℃、4日間の保存は、温度10℃、45日間の保存に該
当)の苛酷な条件下における保存、並びに、−25℃の凍
結下における保存のいずれにおいても、本発明のコンニ
ャクゲルは離水率が低い。就中、凍結〜解凍の繰返しに
よる離水率の増大がなく、高い凍結耐性を示す。
本発明のコンニャクマンナン含有ゲルの製法について
は、コンニャクマンナン粒子が十分に膨潤する条件下で
加水分解及びキサンタンガムの添加を行い(従って、キ
サンタンガムの配合は、加水の前後等を問わない)、好
ましくは70℃以上に均一に加熱後、冷却を行うもので、
以下に述べる如く、併用するその他の成分、目的とする
食品の種類等に応じ、最適の条件設定をすれば足りる。
本発明のコンニャクマンナン含有ゲルは、必要に応じ、
調味料(グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウムその他
のアミノ酸、アミノ酸塩、5′−リボヌクレオチド類、
食塩、塩化カリウム等)、酸味料(各種有機酸、ビネガ
ー類)、甘味料(蔗糖その他の糖)、ソルビトール、マ
ルチトールその他の糖アルコール、アスパルテーム、ア
セサルファム、サイクラメート、サッカリン、サッカリ
ンナトリウム、ステビオサイド、グリコシルステビオサ
イドその他)、その他の呈味料、各種エキス類(動植物
エキス、HAP,HVP、酵母エキス等)、フレーバー、香辛
料、等の風味料、着香料、ビタミン類、その他の栄養強
化成分、各種の医薬成分、着色料の中から選ばれた1種
以上を併用することができ、更に、蛋白質(大豆たん
白、小麦たん白、乳たん白、卵たん白、魚肉たん白、畜
肉たん白等)多糖類(でん粉類、各種糊料、セルロース
等)及び油脂の中から選ばれた1種以上を組合わせるこ
とにより、各種の物性を有するゲルを得ることが可能で
ある。(保存料その他の各種の品質改良剤の加配が可能
なこともいうまでもない。) 次に、本発明のコンニャクマンナンゲルについて、食品
としての利用例を挙げるが、これらに限定されるもので
はない。
(1) 常温〜チルド温度でゲル状で食用に供される食
品: ゼリー、ババロア、プディング、ムース、ヨーグルト、
チーズ、玉子豆腐、豆腐、ソーセージ、テリーヌ、はん
ぺん、かまぼこ、玉子焼、和菓子、餡、ジャム等。
(ゲル形成用組成物として配合する等) (2) 加熱して液状〜半固形状で食用に供される食
品: スープ、メルティングタイプのチーズ等。
(3) 固体〜ペースト〜液状が共存する食品: シュウマイ、ギョウザ、小龍包、その他の食品の肉又は
脂肪代替物(細断したゲル状で添加する等)、粒状ゼリ
ー含有飲料(粒状ゼリーとして添加)、ハム又は人造ハ
ムにおける肉又は脂肪代替物(適当な形状で又はインジ
ェクション液として添加)等。
〔発明の効果〕
コンニャクマンナンとキサンタンガムとの併用による本
発明のゲルは、(1)熱可逆性を有し、加熱時、液状〜
半固体状で、冷却時、(半固体状〜)固体状を呈する、
(2)アルカリ処理を経ずにゲル形成されることから、
アルカリ臭がない、(3)酸性〜中性で安定なゲル物性
を呈し、一般食品へ広く適用できる、(4)保存時にお
ける離水が少なく、特に、冷凍耐性が優れている等の、
従来のアルカリ処理によるコンニャクマンナンゲルでは
得られない、独自のかつ優れた効果を奏する。従って、
コンニャクとしての既知の食品イメージの範疇を越え
て、低カロリー、整腸作用等の健康食品イメージを具備
した新しい高付加価値食品として提供可能であり、その
有用性が明らかである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(尚、実施例において、コンニャクマンナンはKm、キサ
ンタンガムはXnと略す。) 参考例1〔コンニャク様食品〕 Km22.5g、Xn7.5gを水1000gに膨潤させ、50分後にミキサ
ーで摩砕して(1000rpm,2分)やや柔らかいゲルを得
た。これを型に入れ、100℃で30分間蒸しを行った。そ
の後、冷却すると、非常に弾力に富んだコンニャク様の
食品を得た。この食品は、アルカリ臭が全く無く、44℃
に保存しても離水せず、又、凍結による変化はほとんど
認められなかった。
実施例1〔ゼリー(ゼリービーンズタイプ)〕 Km25g、Xn25gを水550gで膨潤させ、途中β−カロチンを
1g添加した。これをミキサーで2分摩砕し、水あめ400g
を加えて30分程ゆっくり煮溶かし、アスコルビン酸10
g、クエン酸0.3g、分岐鎖アミノ酸(ロイシン、イソロ
イシン、バリン)7gを加えまぜ、レモンフレーバーで着
香した。熱いうちにバットに厚さ約1cmに流し入れ、一
晩放置して型からとり出し、3cm×3cm程に切ったアミノ
酸強化ゼリーを得た。これは、従来の寒天やペクチンで
つくるゼリーに比べ保水性が高く、保存中の表面への水
分浸出等に由来するいわゆる“なき”現象もみられなか
った。
実施例2〔ゼリー(プディングタイプ)〕 Km2g、Xn2gを200gのグレープフルーツ果汁と水300gに膨
潤させたのち、ミキサーで1分摩砕処理を行い、加熱し
て約465gの溶液に煮つめた。甘味料(味の素(株)製
「Pal Sweet 1/60」)18g、クエン酸0.24g、グレープフ
ルーツフレーバー0.1gを加え、ゼリー型に流し、冷やし
固めた。
このゼリーは非常に低カロリーであり、室温においても
ゼラチンゼリーのように融解することなく、寒天ゼリー
に比べ弾力に富んだ食感を有するとの評価を得た。
実施例3〔ジャム〕 Km1.2g、Xn0.8g、クエン酸0.15gを水300gで膨潤させ、
ミキサーで1分摩砕し、いちご50gを加え煮熟して仕上
り300gにした。その中に甘味料(味の素(株)製「Pal
Sweet 1/60」)を48g加え、室温で50℃程に冷却後、ミ
キサーで軽く破砕しジャム様の低カロリーなスプレッド
を得た。
参考例2〔和菓子(くず桜)〕 Km3.6g、Xn1.2gを水300gで膨潤させ、ミキサーで1分摩
砕し、砂糖40gを加え煮溶かした。この中にあん10gを丸
めて浸漬してとり出し、そのまま冷却して、くず桜を得
た。
得られた食品は、従来のくずでんぷん、じゃがいもでん
ぷんの併用でつくるくず桜に比べ弾力に富む新規な食感
であるが、外観、食感、風味のいずれも和菓子として十
分満足できるものであった。また、製造工程では扱いや
すく熟練を必要としない、蒸すことを行わないので工程
が簡略である等の評価を得た。
参考例3〔シューマイ〕 Km1.8g、Xn0.6gを水190gで膨潤させ、ポークエキス4g、
MSG0.5gを加え、ミキサーで2分間摩砕処理をした。ケ
ーシングチューブに詰めて加熱し、冷却後ミンチしたも
の80gに豚ひき肉(赤身肉)120gを添加し、ねぎ20g、し
ょうが10gをみじん切りにしたもの、水30g、しょうゆ18
g、酒15g、じゃがいもでんぷん22g、ごま油12g、塩3g、
こしょう少少を加え十分に混練した。
このあんをシューマイの皮で包み蒸したところ、Km−Xn
ゲルの半固形状のものが点在し、ジューシー感、食感と
もすぐれた低カロリーなシューマイが得られた。また、
本シューマイを冷凍保存後、加熱解凍したところ、非凍
結品と品質に変わりがなく、食感、風味共に良好であっ
た。
参考例4 〔ハンバーグ〕 Km2.4g、Xn0.6gを水185gで膨潤させ、ビーフエキス4g、
ウスターソース5g、MSG0.5gを加え、ミキサーで1分摩
砕した。次いで、ケーシングチューブに詰めて加熱し、
冷却後ミンチにかけた。
牛赤身ひき肉90g、豚赤身ひき肉90gに塩3.5gを加えよく
混練し、玉ねぎみじん切り100gを炒めたもの、パン粉25
gを牛乳50gに浸したもの、および卵1個を加えた。これ
にミンチしたKm−Xnゲルを120g加え、こしょう少々、ナ
ツメッグ少々を入れ、混合してハンバーグ型に成型し焼
き上げた。
Km−Xnゲルを添加することでカロリーを約30%低下させ
ることができ、ジューシー感に富んで、凍結保存も可能
なハンバーグを得ることができた。
参考例5〔メルティングチーズ〕 Km3.4g、Xn1.1gを牛乳300gで40分膨潤させ、ミキサーで
1.5分間摩砕した。コーンスターチ15g、食塩6g、大豆油
10g、シュガーエステル0.5g及びキャロットパウダー0.4
gを加え、絶えず撹拌しながら90℃で15分間加熱した。
最後にチーズフレーバー0.1gを加え均一に混合し、シー
ト状に延ばし固め、低カロリーメルティングチーズ様食
品を得た。
参考例6〔マーガリン〕 Km1.92g、Xn0.48g、食塩2.1g、キャロットパウダー0.4
g、MSG0.2gに水140gを加え、撹拌下40分間膨潤させた。
次に、水添脂(味の素(株)製「ハイトーン10」)15
g、シュガーエステル1.0g、バターフレーバー0.1gを加
え、室温においてホモジナイザー中で5,000rpm5分間摩
砕及び乳化を行い、マーガリン様乳化物を得た。得られ
た製品は、1kcal/g以下の低カロリーで、パンに塗り易
く、口溶けの良いスプレッドであった。
参考例7〔スパゲッティ〕 Km12g、Xn4gを水500gに膨潤させたのち、ブレンダーで
2分間摩砕し、強力粉「カメリア」(日清製粉製)100
g、リン酸化でん粉「ネオビスC−6」(日食加工製)1
00g、食塩6g及び天然黄色着色料を加えよく混練する。
この生地を2.4mm径に押出成形し、10分間蒸煮してスパ
ゲッティ様食品を得た。このものは、通常のスパゲッテ
ィに比べてカロリーは約1/2であり、なめらかなのどご
しと適度な弾力を有していた。
【図面の簡単な説明】
第1図はコンニャクマンナンと他の多糖類の相互作用、
第2図はpH6.6におけるコンニャクマンナンとキサンタ
ンガムとの比率並びに摩砕の有無による物性(硬さ)の
変化、第3図はpH3.7におけるコンニャクマンナンとキ
サンタンガムの比率による物性(硬さ)の変化、第4図
は加熱温度による物性の変化、第5図は本発明のゲルと
従来法によるコンニャクマンナンゲルの破断強度をそれ
ぞれ示す。 第1図中1……K−カラギーナン、2……I−カラギー
ナン、3……寒天、4……キサンタンガム、5……セル
ロース「MFC」、6……グアーガム、7……ローカスト
ビーンガム、8……セルロース「アビセル」、9……ペ
クチン、10……タマリンドガム、11……アルギン酸Na、
12……プルラン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンニャクマンナン及びキサンタンガムを
    60:40〜40:60の比率で含有するpH3〜5の加水物を摩砕
    後70℃以上に加熱し、若しくは摩砕とともに70℃以上に
    加熱し、次いで冷却して得られるコンニャクマンナン含
    有可逆性ゲル。
  2. 【請求項2】pH3〜5でかつコンニャクマンナン及びキ
    サンタンガムを60:40〜40:60の比率で含有するpH3〜5
    の加水物を摩砕後70℃以上に加熱し、若しくは摩砕とと
    もに70℃以上に加熱し、次いで冷却して得られるコンニ
    ャクマンナン含有可逆性ゲルを含有する食品。
JP61049778A 1985-03-08 1986-03-07 コンニヤクマンナン含有可逆性ゲル Expired - Lifetime JPH0679545B2 (ja)

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