JPH066786B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
薄膜形成装置Info
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- JPH066786B2 JPH066786B2 JP62060149A JP6014987A JPH066786B2 JP H066786 B2 JPH066786 B2 JP H066786B2 JP 62060149 A JP62060149 A JP 62060149A JP 6014987 A JP6014987 A JP 6014987A JP H066786 B2 JPH066786 B2 JP H066786B2
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- Japan
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- plasma
- plasma generation
- chamber
- generation chamber
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料基板上にスパッタリングにより各種材料
の薄膜を形成するための装置に関するものであり、特に
高密度プラズマを利用して各種薄膜を高速度、高効率で
連続して長時間安定に形成するための新規な薄膜形成装
置に関するものである。
の薄膜を形成するための装置に関するものであり、特に
高密度プラズマを利用して各種薄膜を高速度、高効率で
連続して長時間安定に形成するための新規な薄膜形成装
置に関するものである。
従来から、少なくとも1種類以上のガスを原料として、
プラズマ中でそのガスを分解して基板上に堆積、或は反
応させて、膜を形成する、いわゆるプラズマ化学気相堆
積(P−CVD)法や、ブラズマ中で薄膜形成要素とし
てのターゲットをスパッタして膜を形成するいわゆるス
パッタ装置は、各種材料の薄膜形成に各方面で広く用い
られている。
プラズマ中でそのガスを分解して基板上に堆積、或は反
応させて、膜を形成する、いわゆるプラズマ化学気相堆
積(P−CVD)法や、ブラズマ中で薄膜形成要素とし
てのターゲットをスパッタして膜を形成するいわゆるス
パッタ装置は、各種材料の薄膜形成に各方面で広く用い
られている。
又スパッタ装置においては第5図に示す様なターゲット
1と基板2とを向かい合わせた通常の2極(rf,d
c)スパッタ装置がもっとも一般的で、ターゲット1と
薄膜を付着させる基板2を有する真空槽4はガス導入系
及び排気系からなり、真空槽4の内部にプラズマを発生
させターゲツト1をスパッタするものである。
1と基板2とを向かい合わせた通常の2極(rf,d
c)スパッタ装置がもっとも一般的で、ターゲット1と
薄膜を付着させる基板2を有する真空槽4はガス導入系
及び排気系からなり、真空槽4の内部にプラズマを発生
させターゲツト1をスパッタするものである。
一方、第6図に示したスパッタ装置が文献:Japanese J
ournal of Applied Physics,Vol.23,No.8,August,1984,
pp.L534-L536に示されている。本装置は、マイクロ波に
よる電子サイクロトロン共鳴を用いた高密度プラズマに
よる円筒状ターゲット12のスパッタと、磁界発生用電磁
石8の発散磁場によるプラズマ輸送とを組み合わせて、
基板2上に薄膜を形成させるものである。
ournal of Applied Physics,Vol.23,No.8,August,1984,
pp.L534-L536に示されている。本装置は、マイクロ波に
よる電子サイクロトロン共鳴を用いた高密度プラズマに
よる円筒状ターゲット12のスパッタと、磁界発生用電磁
石8の発散磁場によるプラズマ輸送とを組み合わせて、
基板2上に薄膜を形成させるものである。
第6図に示したマイクロ波放電と発散磁場によるプラズ
マ輸送を組み合わせた従来の薄膜形成装置は、電子サイ
クロトロン共鳴(ECR)による高効率、高密度プラズ
マ生成を可能とし、数eVから数十eVまでの低エネル
ギーイオンの引出しと、高電子温度による高活性プラズ
マの実現を両立させる方法であり、良質の種々の薄膜の
低温生成を可能とする優れた装置である。しかも、10-4
〜10-5Torr台での低ガス圧放電が可能であり、プラズマ
生成用の電極や熱電子放出用のフィラメント等を用いて
いない無電極放電の形態をとるため、各種反応性ガスを
用いた連続した長時間安定な膜形成も可能である。
マ輸送を組み合わせた従来の薄膜形成装置は、電子サイ
クロトロン共鳴(ECR)による高効率、高密度プラズ
マ生成を可能とし、数eVから数十eVまでの低エネル
ギーイオンの引出しと、高電子温度による高活性プラズ
マの実現を両立させる方法であり、良質の種々の薄膜の
低温生成を可能とする優れた装置である。しかも、10-4
〜10-5Torr台での低ガス圧放電が可能であり、プラズマ
生成用の電極や熱電子放出用のフィラメント等を用いて
いない無電極放電の形態をとるため、各種反応性ガスを
用いた連続した長時間安定な膜形成も可能である。
しかしながら、上述の薄膜形成装置では、形成膜材料と
して金属や他の導電性材料を堆積させようとすると、そ
の膜は、目的の基板上のみばかりでなく、石英等により
構成されたマイクロ波導入窓にも付着してしまい、結果
として、プラズマ生成用のマイクロ波が、そのマイクロ
波導入窓で反射されてしまい、プラズマ生成が困難にな
ってしまうという問題点があった。このように、上述の
装置は、種々の優れた特徴を有するにもかかわらず、導
電性材料膜の長時間安定形成ができないという大きな問
題点があるために、対象材料やその膜の厚さが限定され
ていた。
して金属や他の導電性材料を堆積させようとすると、そ
の膜は、目的の基板上のみばかりでなく、石英等により
構成されたマイクロ波導入窓にも付着してしまい、結果
として、プラズマ生成用のマイクロ波が、そのマイクロ
波導入窓で反射されてしまい、プラズマ生成が困難にな
ってしまうという問題点があった。このように、上述の
装置は、種々の優れた特徴を有するにもかかわらず、導
電性材料膜の長時間安定形成ができないという大きな問
題点があるために、対象材料やその膜の厚さが限定され
ていた。
従って、本発明の目的は上述したような従来の問題点を
解消し、目的の基板上にスパッタリングで導膜を連続し
て長時間安定に形成することのできる薄膜形成装置を提
供することにある。
解消し、目的の基板上にスパッタリングで導膜を連続し
て長時間安定に形成することのできる薄膜形成装置を提
供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明の薄膜形成装置は
プラズマ生成室と、プラズマ生成室に結合され、内部に
基板ホルダーを有する試料室とを備えたガス導入口を有
する真空槽と、プラズマ生成室の外周に設けられ、プラ
ズマ生成室の側壁と平行に磁界を形成し、かつ基板ホル
ダーに向って拡散する磁界を形成する磁石と、一端がマ
イクロ波導入窓を介してマイクロ波導波管に結合され、
他端がプラズマ生成室に磁石によってプラズマ生成室内
に形成される磁束と直角方向に結合されている真空導波
管とを備え、プラズマ生成室は真空槽内に導入したマイ
クロ波が共振するマイクロ波空洞共振器を形成する径お
よび長さを有するプラズマ生成室と、プラズマ引出し窓
と基板ホルダーとの間にスパッタリングのためのターゲ
ットを備えたことを特徴とする。
プラズマ生成室と、プラズマ生成室に結合され、内部に
基板ホルダーを有する試料室とを備えたガス導入口を有
する真空槽と、プラズマ生成室の外周に設けられ、プラ
ズマ生成室の側壁と平行に磁界を形成し、かつ基板ホル
ダーに向って拡散する磁界を形成する磁石と、一端がマ
イクロ波導入窓を介してマイクロ波導波管に結合され、
他端がプラズマ生成室に磁石によってプラズマ生成室内
に形成される磁束と直角方向に結合されている真空導波
管とを備え、プラズマ生成室は真空槽内に導入したマイ
クロ波が共振するマイクロ波空洞共振器を形成する径お
よび長さを有するプラズマ生成室と、プラズマ引出し窓
と基板ホルダーとの間にスパッタリングのためのターゲ
ットを備えたことを特徴とする。
本発明の薄膜形成装置によれば、プラズマが磁束の直角
方向に拡散することはないため、マイクロ波導入窓がプ
ラズマにさらされることが防止される。よって、従来の
ように磁界と直交する位置にマイクロ波導入窓が設置さ
れている場合と比較して、マイクロ波導入窓の汚れを著
しく低減させることができる。また、マイクロ波導入窓
がプラズマ生成室の側壁よりも外側に設置されているた
めに、プラズマの一部が真空導波管方向にしみ出すこと
によるマイクロ波導入窓の汚れが低減される。さらに、
マイクロ波導入窓は試料室から直接見えないようにすれ
ば、スパッタリングでターゲットから飛び出す粒子のマ
イクロ波導入窓への付着を防止でき、導電性の薄膜もス
パッタリングにより長時間の形成が可能となる。
方向に拡散することはないため、マイクロ波導入窓がプ
ラズマにさらされることが防止される。よって、従来の
ように磁界と直交する位置にマイクロ波導入窓が設置さ
れている場合と比較して、マイクロ波導入窓の汚れを著
しく低減させることができる。また、マイクロ波導入窓
がプラズマ生成室の側壁よりも外側に設置されているた
めに、プラズマの一部が真空導波管方向にしみ出すこと
によるマイクロ波導入窓の汚れが低減される。さらに、
マイクロ波導入窓は試料室から直接見えないようにすれ
ば、スパッタリングでターゲットから飛び出す粒子のマ
イクロ波導入窓への付着を防止でき、導電性の薄膜もス
パッタリングにより長時間の形成が可能となる。
以下、図面に基づき実施例について説明する。
第3図に、本発明の薄膜形成装置の磁束方向の磁束密度
分布図の例を示した。
分布図の例を示した。
第3図の黒丸は、同じ図面に示した本装置の位置に対応
する磁束密度Bを示す。一方、プラズマ生成室11へのマ
イクロ波の進入方向である真空導波管10方向は、その真
空導波管10の方向が電磁石8によって発生する磁束方向
に対して直交しているため、プラズマが磁束を横切って
磁束の直交方向に拡散することはなく、真空導波管10中
にプラズマが拡散してゆくことがない。
する磁束密度Bを示す。一方、プラズマ生成室11へのマ
イクロ波の進入方向である真空導波管10方向は、その真
空導波管10の方向が電磁石8によって発生する磁束方向
に対して直交しているため、プラズマが磁束を横切って
磁束の直交方向に拡散することはなく、真空導波管10中
にプラズマが拡散してゆくことがない。
第4図に薄膜形成装置におけるプラズマの生成状態図を
示す。第4図(A)は本発明の薄膜形成装置のプラズマ生
成状態図であり、第4図(B)は真空導波管10を磁束と平
行な方向に設け、マイクロ波導入窓を単にプラズマ生成
室から離して設置した場合のプラズマ生成状態図であ
る。第4図(A),第4図(B)において点群はプラズマを示
し、点群の密度の濃い部分はプラズマ密度が高いことを
示している。第4図(B)において、単に真空導波管10を
用いたのみの場合には、その真空導波管10の内部でEC
R条件の磁束密度を満足され、そこで、プラズマが発生
するために、マイクロ波の電力がプラズマ生成室11中に
有効に供給されず、不均一なプラズマが生成されてしま
う。それと同時に、真空導波管10からマイクロ波導入窓
方向にも発散磁場が形成されているため、プラズマは基
板方向ばかりでなく、そのマイクロ波導入窓方向にも加
速されてしまう。これに対して、第4図(A)における本
発明の構成においては、真空導波管10が電磁石8により
形成される磁束方向に対して直交してプラズマ生成室に
結合されており、プラズマが磁束と直交して拡散するこ
とはないため、結果としてプラズマはマイクロ波導入窓
方向に加速されることはない。
示す。第4図(A)は本発明の薄膜形成装置のプラズマ生
成状態図であり、第4図(B)は真空導波管10を磁束と平
行な方向に設け、マイクロ波導入窓を単にプラズマ生成
室から離して設置した場合のプラズマ生成状態図であ
る。第4図(A),第4図(B)において点群はプラズマを示
し、点群の密度の濃い部分はプラズマ密度が高いことを
示している。第4図(B)において、単に真空導波管10を
用いたのみの場合には、その真空導波管10の内部でEC
R条件の磁束密度を満足され、そこで、プラズマが発生
するために、マイクロ波の電力がプラズマ生成室11中に
有効に供給されず、不均一なプラズマが生成されてしま
う。それと同時に、真空導波管10からマイクロ波導入窓
方向にも発散磁場が形成されているため、プラズマは基
板方向ばかりでなく、そのマイクロ波導入窓方向にも加
速されてしまう。これに対して、第4図(A)における本
発明の構成においては、真空導波管10が電磁石8により
形成される磁束方向に対して直交してプラズマ生成室に
結合されており、プラズマが磁束と直交して拡散するこ
とはないため、結果としてプラズマはマイクロ波導入窓
方向に加速されることはない。
実施例2 第11図は本発明の薄膜形成装置の一実施例であるスパッ
タ装置の構成概要図であり、第2図は第1図に示した本
発明のスパッタ装置の斜視断面図である。真空槽4は真
空導波管10、プラズマ生成室11及び試料室9からなる。
またその真空槽4にはマイクロ波導入窓6を通して順に
マイクロ波導波管7、更に図示しない整合器、マイクロ
波電力計、アイソレータ等のマイクロ波導入機構に接続
されたマイクロ波源からマイクロ波を供給する。真空導
波管10は、プラズマ生成室11の周囲に配置した磁界発生
用電磁石8によって発生する磁束方向に対して直交する
ようにプラズマ生成室11に結合される。実施例では、石
英ガラス板を用いたマイクロ波導入窓は、試料室9より
直接見えない部分に設置した。マイクロ波源としては、
たとえば、2.45GHzのマグネトロンを用いている。
タ装置の構成概要図であり、第2図は第1図に示した本
発明のスパッタ装置の斜視断面図である。真空槽4は真
空導波管10、プラズマ生成室11及び試料室9からなる。
またその真空槽4にはマイクロ波導入窓6を通して順に
マイクロ波導波管7、更に図示しない整合器、マイクロ
波電力計、アイソレータ等のマイクロ波導入機構に接続
されたマイクロ波源からマイクロ波を供給する。真空導
波管10は、プラズマ生成室11の周囲に配置した磁界発生
用電磁石8によって発生する磁束方向に対して直交する
ようにプラズマ生成室11に結合される。実施例では、石
英ガラス板を用いたマイクロ波導入窓は、試料室9より
直接見えない部分に設置した。マイクロ波源としては、
たとえば、2.45GHzのマグネトロンを用いている。
試料室9内でプラズマ引出し窓16と基板ホルダー15との
間には、負の電圧を印加できるプラズマをとり囲むよう
なターゲソトが備えられているか、或はプラズマに面す
るように配置された少なくとも一枚の平板状のターゲッ
トが備えられている。プラズマ生成室11にAr等のガスを
導入し、プラズマを発生させ、その粒子によりターゲッ
トをスパッタし膜を基板2上に堆積させる。
間には、負の電圧を印加できるプラズマをとり囲むよう
なターゲソトが備えられているか、或はプラズマに面す
るように配置された少なくとも一枚の平板状のターゲッ
トが備えられている。プラズマ生成室11にAr等のガスを
導入し、プラズマを発生させ、その粒子によりターゲッ
トをスパッタし膜を基板2上に堆積させる。
プラズマ生成室11及び真空導波管10はプラズマ生成によ
る温度上昇を防止するために、水冷される。図示しない
ガス導入系がプラズマ生成室11に直接接続される。その
プラズマ生成室11の外側で、電磁石8による磁束方向に
は基板2をおき、基板2の上にはプラズマ3を遮断する
ことができるように図示しないシャッタを配置してい
る。またその基板ホルダーにはヒータを内臓しており基
板2を加熱することができる。さらに基板2には直流あ
るいは交流の電圧を印加することができ、膜形成中の基
板バイアスや基板のスパッタクリーニングを行うことが
できる。
る温度上昇を防止するために、水冷される。図示しない
ガス導入系がプラズマ生成室11に直接接続される。その
プラズマ生成室11の外側で、電磁石8による磁束方向に
は基板2をおき、基板2の上にはプラズマ3を遮断する
ことができるように図示しないシャッタを配置してい
る。またその基板ホルダーにはヒータを内臓しており基
板2を加熱することができる。さらに基板2には直流あ
るいは交流の電圧を印加することができ、膜形成中の基
板バイアスや基板のスパッタクリーニングを行うことが
できる。
プラズマ生成室11は、マイクロ波空洞共振器の条件とし
て、一例として、円形空銅共振モードTE113を採用し、
内のりで直径20cm高さ20cmの円筒形状を用いてマイクロ
波の電界強度を高め、マイクロ波放電の効率を高めるよ
うにした。プラズマ生成室11の下端、即ち、基板部へ通
じる面には、プラズマ引出し窓16として10cm径の穴があ
いており、その面はマイクロ波に対する反射面ともな
り、プラズマ生成室11は空洞共振器として作用してい
る。
て、一例として、円形空銅共振モードTE113を採用し、
内のりで直径20cm高さ20cmの円筒形状を用いてマイクロ
波の電界強度を高め、マイクロ波放電の効率を高めるよ
うにした。プラズマ生成室11の下端、即ち、基板部へ通
じる面には、プラズマ引出し窓16として10cm径の穴があ
いており、その面はマイクロ波に対する反射面ともな
り、プラズマ生成室11は空洞共振器として作用してい
る。
プラズマ生成室11の外周には、電磁石8を配設し、これ
によって発生する磁界の強度をマイクロ波による電子サ
イクロトロン共鳴(ECR)の条件がプラズマ生成室11
の内部で成立する様に決定する。例えば周波数2.45GHZ
のマイクロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度875
Gであるため、その磁束密度875Gがプラズマ生成室11
の内部のどこかで実現されている。
によって発生する磁界の強度をマイクロ波による電子サ
イクロトロン共鳴(ECR)の条件がプラズマ生成室11
の内部で成立する様に決定する。例えば周波数2.45GHZ
のマイクロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度875
Gであるため、その磁束密度875Gがプラズマ生成室11
の内部のどこかで実現されている。
次に、本発明のスパッタ装置を用いてAl膜を形成した
結果について説明する。試料室9の真空度を5×10-7To
rrまで排気した後、Arガスを毎分30ccのフロー速度で導
入しプラズマ生成室11内のガス圧を5×10-4としてマイ
クロ波電力100〜500W、円筒状のAlターゲット12に投入
する電力を100〜500W、磁場勾配を発散磁場勾配として
膜を形成した。このとき試料台は加熱しないで常温で膜
形成をおこなった。この結果、60〜300nm/minの堆積速
度で長時間連続して安定に効率よくAl膜を堆積でき
た。第6図に示した従来の装置では300nm/minの堆積速
度でAl膜を形成した場合、わずかに2分間しか連続し
て膜形成ができないのに対して、本発明装置を用いれ
ば、10μm以上の厚さのAl膜を連続して安定に形成で
きた。
結果について説明する。試料室9の真空度を5×10-7To
rrまで排気した後、Arガスを毎分30ccのフロー速度で導
入しプラズマ生成室11内のガス圧を5×10-4としてマイ
クロ波電力100〜500W、円筒状のAlターゲット12に投入
する電力を100〜500W、磁場勾配を発散磁場勾配として
膜を形成した。このとき試料台は加熱しないで常温で膜
形成をおこなった。この結果、60〜300nm/minの堆積速
度で長時間連続して安定に効率よくAl膜を堆積でき
た。第6図に示した従来の装置では300nm/minの堆積速
度でAl膜を形成した場合、わずかに2分間しか連続し
て膜形成ができないのに対して、本発明装置を用いれ
ば、10μm以上の厚さのAl膜を連続して安定に形成で
きた。
このときのイオンの平均エネルギーは10eVから30eVまで
変化し、基板方向に飛来するAl粒子のうち約15%がイ
オンであった。
変化し、基板方向に飛来するAl粒子のうち約15%がイ
オンであった。
本発明の薄膜形成装置は、Al膜の形成のみならず、ほ
とんどすべての薄膜の形成に用いることができ、また導
入するガスとしてほとんどの反応性ガスを用いることが
でき、それにより反応スパッタも実現出来る。
とんどすべての薄膜の形成に用いることができ、また導
入するガスとしてほとんどの反応性ガスを用いることが
でき、それにより反応スパッタも実現出来る。
また、本発明の装置の実施例では、ターゲツトに対して
特に磁場を印加していないが、ターゲット表面に適当な
磁束を交差させてターゲット表面に電子を効率よく拘束
することによりマグネトロン放電と組み合わせてより高
速のスパッタ装置として用いることもできる。
特に磁場を印加していないが、ターゲット表面に適当な
磁束を交差させてターゲット表面に電子を効率よく拘束
することによりマグネトロン放電と組み合わせてより高
速のスパッタ装置として用いることもできる。
以上説明した様に、本発明は、プラズマ生成に電子サイ
クロトロン共鳴によるマイクロ波放電を用い、磁場強度
がゆるやかに変化する発散磁場勾配により試料室方向に
プラズマを加速して低いガス圧中で高効率の低温膜形成
を実現するものであり、従来の方法では導電性膜を連続
して長時間安定に形成することが不可能であったのに対
して、本発明では、マイクロ波導入窓を有する真空導波
管を、プラズマ生成室内の磁束に対して直交する向きに
接続し、かつ、真空導波管を用い、マイクロ波導入窓を
試料室から直接しみだしや、スパッタ粒子のマイクロ波
導入窓のくもりを除去でき、膜の導電性によらずスパッ
タリングにより連続して膜形成を可能とするものであ
る。更に、粒子のエネルギーも数eVから数十eVまでの広
い範囲で自由に制御でき、高活性なプラズマを用いてい
ることから、この装置を用いて、損傷の少ない良質の膜
を低基板温度で高速度、高安定に形成することができ
る。
クロトロン共鳴によるマイクロ波放電を用い、磁場強度
がゆるやかに変化する発散磁場勾配により試料室方向に
プラズマを加速して低いガス圧中で高効率の低温膜形成
を実現するものであり、従来の方法では導電性膜を連続
して長時間安定に形成することが不可能であったのに対
して、本発明では、マイクロ波導入窓を有する真空導波
管を、プラズマ生成室内の磁束に対して直交する向きに
接続し、かつ、真空導波管を用い、マイクロ波導入窓を
試料室から直接しみだしや、スパッタ粒子のマイクロ波
導入窓のくもりを除去でき、膜の導電性によらずスパッ
タリングにより連続して膜形成を可能とするものであ
る。更に、粒子のエネルギーも数eVから数十eVまでの広
い範囲で自由に制御でき、高活性なプラズマを用いてい
ることから、この装置を用いて、損傷の少ない良質の膜
を低基板温度で高速度、高安定に形成することができ
る。
本発明ではECRに必要な磁場を電磁石によって得てい
るが、これを種々の永久磁石やヨークを用いて、あるい
はそれらを組み合わせて形成しても全く同様の効果をも
つことは明らかである。
るが、これを種々の永久磁石やヨークを用いて、あるい
はそれらを組み合わせて形成しても全く同様の効果をも
つことは明らかである。
第1図は本発明の薄膜形成装置の一実施例であるスパッ
タ装置の構成概要図、 第2図は第1図に示した本発明の薄膜形成装置の実施例
であるスパッタ装置の斜視断面図、 第3図は本発明の薄膜形成装置の磁束方向の磁束密度分
布図、 第4図(A)および(B)は薄膜形成装置におけるプラズマの
生成状態概要図、 第5図は2極スパッタ装置の構成図、 第6図は従来のスパッタ装置の概要図である。 1…ターゲット、 2…基板、 3…プラズマ、 4…真空槽、 5…磁束、 6…マイクロ波導入窓、 7…マイクロ波導波管、 8…磁界発生用電磁石、 9…試料室、 10…真空導波管、 11…プラズマ生成室、 12…円筒状ターゲット、
タ装置の構成概要図、 第2図は第1図に示した本発明の薄膜形成装置の実施例
であるスパッタ装置の斜視断面図、 第3図は本発明の薄膜形成装置の磁束方向の磁束密度分
布図、 第4図(A)および(B)は薄膜形成装置におけるプラズマの
生成状態概要図、 第5図は2極スパッタ装置の構成図、 第6図は従来のスパッタ装置の概要図である。 1…ターゲット、 2…基板、 3…プラズマ、 4…真空槽、 5…磁束、 6…マイクロ波導入窓、 7…マイクロ波導波管、 8…磁界発生用電磁石、 9…試料室、 10…真空導波管、 11…プラズマ生成室、 12…円筒状ターゲット、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹之内 好明 東京都大田区西六郷1丁目29番13号 有限 会社大日真空研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−133636(JP,A) 特開 昭60−135573(JP,A) 特開 昭61−87869(JP,A) 特開 昭59−93874(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】プラズマ生成室と、該プラズマ生成室に結
合され、内部に基板ホルダーとスパッタリング材料で形
成されたターゲットとを有する試料室とを備えたガス導
入口を有する真空槽と、 前記プラズマ生成室の外周に設けられ、前記プラズマ生
成室の側壁と平行に磁界を形成し、かつ前記基板ホルダ
ーに向って拡散する磁界を形成する磁石と、 前記プラズマ生成室と前記試料室との間に配置されたプ
ラズマ引出し窓と、 一端がマイクロ波導入窓を介してマイクロ波導波管に結
合され、他端が前記プラズマ生成室に前記磁石によって
前記プラズマ生成室内に形成される磁束と直角方向に結
合されている真空導波管とを備え、 前記プラズマ生成室は前記真空槽内に導入したマイクロ
波が共振するマイクロ波空洞共振器を形成する径および
長さを有し、 前記マイクロ波導入窓が、前記プラズマ生成室の内側か
ら外側に向って離れた位置に、かつ、前記試料室から直
接見えない位置に配置されていることを特徴とする薄膜
形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62060149A JPH066786B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 薄膜形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP62060149A JPH066786B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 薄膜形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS63227777A JPS63227777A (ja) | 1988-09-22 |
JPH066786B2 true JPH066786B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=13133806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62060149A Expired - Lifetime JPH066786B2 (ja) | 1987-03-17 | 1987-03-17 | 薄膜形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH066786B2 (ja) |
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-
1987
- 1987-03-17 JP JP62060149A patent/JPH066786B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63227777A (ja) | 1988-09-22 |
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