JP2552701B2 - イオン源 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、試料基板上に各種材料の薄膜を形成し、ま
たは薄膜表面のエッチングまたは表面改質をするための
イオンを引き出す装置に関するものであり、特に高密度
プラズマによるスパッタリングを利用して各種イオンを
高電流密度、高効率で連続して長時間安定に引き出すた
めの新規なイオン源に関するものである。
たは薄膜表面のエッチングまたは表面改質をするための
イオンを引き出す装置に関するものであり、特に高密度
プラズマによるスパッタリングを利用して各種イオンを
高電流密度、高効率で連続して長時間安定に引き出すた
めの新規なイオン源に関するものである。
[従来の技術] 従来から、プラズマ中で生じたイオンをグリッド等の
引出し機構を用いて引き出すいわゆるイオン源は、各種
材料および薄膜のエッチングまたは加工に各方面で広く
用いられている。中でも第22図に示す様な熱電子放出用
フィラメントを備えたカウフマン型イオン源がもっとも
一般的に用いられている。カウフマン型イオン源は真空
槽4の内部に熱電子放出用のフィラメント15を有し、こ
のフィラメント15を陰極として電磁石8によって発生し
た磁界中で放電を起こさせることによりプラズマを発生
させ、このプラズマ中にイオンを数枚の引出しグリッド
からなるイオン引出し機構14を用いてイオンビーム1と
して引出すものである。
引出し機構を用いて引き出すいわゆるイオン源は、各種
材料および薄膜のエッチングまたは加工に各方面で広く
用いられている。中でも第22図に示す様な熱電子放出用
フィラメントを備えたカウフマン型イオン源がもっとも
一般的に用いられている。カウフマン型イオン源は真空
槽4の内部に熱電子放出用のフィラメント15を有し、こ
のフィラメント15を陰極として電磁石8によって発生し
た磁界中で放電を起こさせることによりプラズマを発生
させ、このプラズマ中にイオンを数枚の引出しグリッド
からなるイオン引出し機構14を用いてイオンビーム1と
して引出すものである。
従来のカウフマン型イオン源に代表されるイオン源は
プラズマ生成用の熱電子をフィラメントを用いて取り出
しているため、そのフィラメント材料がスパッタされ不
純物として引出されたイオンに含まれてしまう。さらに
プラズマ生成用ガスとして酸素等の反応性ガスを用いた
場合には、反応性ガスがフィラメントと反応し、長時間
連続したイオン引出しができないという大きな欠点があ
った。しかも引出されるイオンはAr等のガスを原料とし
たものに限られていた。金属イオン源として、アンテナ
型マイクロ波金属イオン源があるが、スパッタによるア
ンテナの消耗により長時間連続してイオン引出しができ
ず、しかも大面積にわたるイオン引出しができない。
プラズマ生成用の熱電子をフィラメントを用いて取り出
しているため、そのフィラメント材料がスパッタされ不
純物として引出されたイオンに含まれてしまう。さらに
プラズマ生成用ガスとして酸素等の反応性ガスを用いた
場合には、反応性ガスがフィラメントと反応し、長時間
連続したイオン引出しができないという大きな欠点があ
った。しかも引出されるイオンはAr等のガスを原料とし
たものに限られていた。金属イオン源として、アンテナ
型マイクロ波金属イオン源があるが、スパッタによるア
ンテナの消耗により長時間連続してイオン引出しができ
ず、しかも大面積にわたるイオン引出しができない。
また従来のイオン源においては、プラズマ中のガスや
粒子のイオン化が十分でなく、しかもプラズマに投入さ
れた電力の殆どが熱エネルギーとして消費されてしま
い、投入電力にしめるプラズマ形成(電離)に用いられ
る電力の割合が低いという欠点があった。
粒子のイオン化が十分でなく、しかもプラズマに投入さ
れた電力の殆どが熱エネルギーとして消費されてしま
い、投入電力にしめるプラズマ形成(電離)に用いられ
る電力の割合が低いという欠点があった。
スパッタを利用したイオン源としては電子サイクロト
ロン共鳴(ECR)を利用したマイクロ波放電によるスパ
ッタ型イオン源(特開昭62−224686号)が提案されてお
り、高効率のイオン源として種々の特徴を持っている。
ロン共鳴(ECR)を利用したマイクロ波放電によるスパ
ッタ型イオン源(特開昭62−224686号)が提案されてお
り、高効率のイオン源として種々の特徴を持っている。
スパッタを利用して、大電流イオン源を実現するには
プラズマ密度を高密度に高効率に保つ必要がある。その
ためには、ターゲットから放出される二次電子(γ電
子)を効率的に閉じ込めることが重要であるが、上記の
技術では、この二次電子が閉じ込めが不十分で、高エネ
ルギー電子のエネルギーを有効にプラズマに伝えること
ができず、大電流スパッタ型イオン源技術として十分と
は言い難い。
プラズマ密度を高密度に高効率に保つ必要がある。その
ためには、ターゲットから放出される二次電子(γ電
子)を効率的に閉じ込めることが重要であるが、上記の
技術では、この二次電子が閉じ込めが不十分で、高エネ
ルギー電子のエネルギーを有効にプラズマに伝えること
ができず、大電流スパッタ型イオン源技術として十分と
は言い難い。
[発明が解決しようとする課題] イオン源として望まれる条件をまとめると、 (1)大収量(大イオン電流)であること、 (2)不純物が少ないこと、 (3)イオンのエネルギーが広い範囲にわたって制御で
きること、 (4)不活性ガスのみでなく金属イオン等の各種イオン
も取り出せること、 が上げられる。
きること、 (4)不活性ガスのみでなく金属イオン等の各種イオン
も取り出せること、 が上げられる。
しかしこのような条件を満足するイオン源はこれまで
実現されていない。
実現されていない。
本発明は従来の欠点を改善し、上記各条件を満たし得
るイオン源を提供することを目的とする。
るイオン源を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明イオン源は、ガ
スを導入してプラズマを発生させるプラズマ生成室と、
プラズマ生成室に結合され、プラズマの軸方向にマイク
ロ波を導入するためのマイクロ波導入窓と、プラズマ生
成室の端部に設けられたイオン引出し機構と、プラズマ
生成室内部の両端部に設けられたそれぞれスパッタリン
グ材料からなるリング状の第1のターゲットおよび筒状
の第2のターゲットと、該第1および第2のターゲット
にそれぞれプラズマ生成室に対して負の電圧を印加する
少なくとも1個の電源と、プラズマ生成室の内部に磁場
を形成し、かつ第1および第2のターゲットの一方から
でて他方に入る磁束を生成する磁界形成手段とを具え、
リング状のターゲットの中央からマイクロ波が導入され
ることを特徴とする。
スを導入してプラズマを発生させるプラズマ生成室と、
プラズマ生成室に結合され、プラズマの軸方向にマイク
ロ波を導入するためのマイクロ波導入窓と、プラズマ生
成室の端部に設けられたイオン引出し機構と、プラズマ
生成室内部の両端部に設けられたそれぞれスパッタリン
グ材料からなるリング状の第1のターゲットおよび筒状
の第2のターゲットと、該第1および第2のターゲット
にそれぞれプラズマ生成室に対して負の電圧を印加する
少なくとも1個の電源と、プラズマ生成室の内部に磁場
を形成し、かつ第1および第2のターゲットの一方から
でて他方に入る磁束を生成する磁界形成手段とを具え、
リング状のターゲットの中央からマイクロ波が導入され
ることを特徴とする。
[作 用] 本発明は、高い活性度の高密度プラズマを発生させ、
そのプラズマを用いたスパッタを行い、生成イオンの反
応性や得られる膜の導電性がそのイオン引出しの障害と
ならず、低エネルギーイオンを高速度、高効率に連続し
て引き出せるものである。すなわち本発明は、磁場中で
電子サイクロトロン共鳴(ECR)によりプラズマを生成
および加熱し、その高密度プラズマを利用したスパッタ
を行い、数eVから数keVの低エネルギーイオンの引出し
と、高活性なプラズマの生成を両立させる。マイクロ波
がプラズマ軸方向から導入されるので、マイクロ波の導
入効率が高い。
そのプラズマを用いたスパッタを行い、生成イオンの反
応性や得られる膜の導電性がそのイオン引出しの障害と
ならず、低エネルギーイオンを高速度、高効率に連続し
て引き出せるものである。すなわち本発明は、磁場中で
電子サイクロトロン共鳴(ECR)によりプラズマを生成
および加熱し、その高密度プラズマを利用したスパッタ
を行い、数eVから数keVの低エネルギーイオンの引出し
と、高活性なプラズマの生成を両立させる。マイクロ波
がプラズマ軸方向から導入されるので、マイクロ波の導
入効率が高い。
しかも電子をプラズマ中に反射するターゲット配置を
とるため、高速スパッタひいては高電流密度イオン引出
しが実現できる。
とるため、高速スパッタひいては高電流密度イオン引出
しが実現できる。
また、周囲にヨークを設けた真空導波管を用いた場合
には、真空導波管方向へのプラズマの生成と加速を制御
し、真空導波管の使用を可能とし、その結果、マイクロ
波導入窓への導電性材料膜の付着によるマイクロ波の反
射が無視でき、金属イオンを連続して長時間安定に形成
することも可能である。
には、真空導波管方向へのプラズマの生成と加速を制御
し、真空導波管の使用を可能とし、その結果、マイクロ
波導入窓への導電性材料膜の付着によるマイクロ波の反
射が無視でき、金属イオンを連続して長時間安定に形成
することも可能である。
[実施例] 以下に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明によるイオン源の実施例の断面図であ
る。プラズマ生成室11はプラズマ生成部11Pおよびター
ゲット保持部11Sからなっている。プラズマ生成室11に
はプラズマを生成するためのガスが導入口11Aから導入
されるようになっている。またプラズマ生成室11には一
端部にマイクロ波導入窓6が結合されている。マイクロ
波導入窓6は、さらにマイクロ波導波管7に接続され、
さらに図示しない整合器、マイクロ波電力計、アイソレ
ータ等のマイクロ波導入機構に接続されたマイクロ波源
から、プラズマ生成室11にマイクロ波が生成されるプラ
ズマの軸方向に供給される。本実施例では、プラズマ生
成室11内に設置されたターゲットから直接見えない部分
に配置されたマイクロ波導入窓6には石英ガラス板を用
いている。マイクロ波源としては、たとえば2.45GHzの
マグネトロンを用いている。
る。プラズマ生成室11はプラズマ生成部11Pおよびター
ゲット保持部11Sからなっている。プラズマ生成室11に
はプラズマを生成するためのガスが導入口11Aから導入
されるようになっている。またプラズマ生成室11には一
端部にマイクロ波導入窓6が結合されている。マイクロ
波導入窓6は、さらにマイクロ波導波管7に接続され、
さらに図示しない整合器、マイクロ波電力計、アイソレ
ータ等のマイクロ波導入機構に接続されたマイクロ波源
から、プラズマ生成室11にマイクロ波が生成されるプラ
ズマの軸方向に供給される。本実施例では、プラズマ生
成室11内に設置されたターゲットから直接見えない部分
に配置されたマイクロ波導入窓6には石英ガラス板を用
いている。マイクロ波源としては、たとえば2.45GHzの
マグネトロンを用いている。
プラズマ生成室11の一端部にはイオン引出し用グリッ
ドが設けられている。本実施例ではグリッドは2枚の多
孔グリッド14Aおよび14Bからなり、各グリッドはターゲ
ット保持部11Sの底部に取付けられ、グリッド14A,14Bに
はそれぞれ電源14C,14Dからプラズマ生成室11に対して
負の電圧が印加される。これらグリッド14A,14Bおよび
電源14C,14Dでイオン引出し機構14を構成する。プラズ
マ生成室11の内部の頂部にはリング状のターゲット16
が、グリッドの近傍には円筒状のターゲット13が設けら
れている。
ドが設けられている。本実施例ではグリッドは2枚の多
孔グリッド14Aおよび14Bからなり、各グリッドはターゲ
ット保持部11Sの底部に取付けられ、グリッド14A,14Bに
はそれぞれ電源14C,14Dからプラズマ生成室11に対して
負の電圧が印加される。これらグリッド14A,14Bおよび
電源14C,14Dでイオン引出し機構14を構成する。プラズ
マ生成室11の内部の頂部にはリング状のターゲット16
が、グリッドの近傍には円筒状のターゲット13が設けら
れている。
ターゲット13および16のプラズマ生成室への取付け方
法を第2A図および第2B図に示す。図示するように、ター
ゲット13は水冷可能な金属製支持体13Bに取外し可能に
固定され、支持体13Bはねじ蓋13Cによってプラズマ生成
室11の側部の壁11Bに固定される。支持体13Bと蓋11Bと
は絶縁体13Dによって絶縁されている。同様にターゲッ
ト16は水冷可能な金属製支持体16Bに取外し可能に固定
され、支持体16Bは絶縁体16Dを介してねじ蓋16Cによっ
て壁11Cに固定される。支持体13Bおよび16Bのそれぞれ
の突出端部13Eおよび16Eは電極を兼ね、直流電源13Aお
よび16Aからターゲット13および16にプラズマ生成に対
して負の電圧を印加することができる。プラズマ生成室
11には正の電位を印加するのが好ましい。プラズマ生成
室側のグリッド14Aにはプラズマ生成室11に対して−数
十から−200Vの電圧を印加しておくと、グリッドに加速
されたイオンがグリッド上に堆積した膜を取除く効果が
ある。
法を第2A図および第2B図に示す。図示するように、ター
ゲット13は水冷可能な金属製支持体13Bに取外し可能に
固定され、支持体13Bはねじ蓋13Cによってプラズマ生成
室11の側部の壁11Bに固定される。支持体13Bと蓋11Bと
は絶縁体13Dによって絶縁されている。同様にターゲッ
ト16は水冷可能な金属製支持体16Bに取外し可能に固定
され、支持体16Bは絶縁体16Dを介してねじ蓋16Cによっ
て壁11Cに固定される。支持体13Bおよび16Bのそれぞれ
の突出端部13Eおよび16Eは電極を兼ね、直流電源13Aお
よび16Aからターゲット13および16にプラズマ生成に対
して負の電圧を印加することができる。プラズマ生成室
11には正の電位を印加するのが好ましい。プラズマ生成
室側のグリッド14Aにはプラズマ生成室11に対して−数
十から−200Vの電圧を印加しておくと、グリッドに加速
されたイオンがグリッド上に堆積した膜を取除く効果が
ある。
プラズマ生成室11の外周には、少なくとも1個の電磁
石8を設け、これによってプラズマ生成室内で磁界を発
生する。その際、マイクロ波による電子サイクロトロン
共鳴(ECR)の条件がプラズマ生成部11Pの内部で成立す
るように各構成条件を決定する。例えば周波数2.45GHz
のマイクロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度875Gで
あるため、電磁石8は例えば最大2000Gまでの磁束密度
が得られるように構成し、その磁束密度875Gがプラズマ
生成部11Pの内部のどこかで実現されている。プラズマ
生成部11Pの内部でECRによって効率よく電子にエネルギ
ーが与えられるだけでなく、この磁場は生成したイオン
や電子を磁界に垂直方向に散逸するのを防ぎ、その結
果、低ガス圧中で高密度プラズマが生成される。
石8を設け、これによってプラズマ生成室内で磁界を発
生する。その際、マイクロ波による電子サイクロトロン
共鳴(ECR)の条件がプラズマ生成部11Pの内部で成立す
るように各構成条件を決定する。例えば周波数2.45GHz
のマイクロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度875Gで
あるため、電磁石8は例えば最大2000Gまでの磁束密度
が得られるように構成し、その磁束密度875Gがプラズマ
生成部11Pの内部のどこかで実現されている。プラズマ
生成部11Pの内部でECRによって効率よく電子にエネルギ
ーが与えられるだけでなく、この磁場は生成したイオン
や電子を磁界に垂直方向に散逸するのを防ぎ、その結
果、低ガス圧中で高密度プラズマが生成される。
プラズマ生成部11Pは、マイクロ波空洞共振器の条件
として、一例として、円形空洞共振モードTE113を採用
し、内のりで直径20cm,高さ20cmの円筒形状を用いてマ
イクロ波の電界強度を高め、マイクロ波放電の効率を高
めるようにするのが望ましい。
として、一例として、円形空洞共振モードTE113を採用
し、内のりで直径20cm,高さ20cmの円筒形状を用いてマ
イクロ波の電界強度を高め、マイクロ波放電の効率を高
めるようにするのが望ましい。
円筒状ターゲット13とリング状ターゲット16は、円筒
状ターゲット13とリング状ターゲット16の面に電磁石8
による磁束5が流入するように、しかもその磁束がター
ゲットのうち一方のターゲットから出て他方のターゲッ
トに入るように設置してある。
状ターゲット13とリング状ターゲット16の面に電磁石8
による磁束5が流入するように、しかもその磁束がター
ゲットのうち一方のターゲットから出て他方のターゲッ
トに入るように設置してある。
プラズマ生成室は水冷可能とするのが望ましい。ター
ゲット13および16の側面をプラズマから保護するため
に、プラズマ生成室の内面にはシールド11Dおよび11Eを
設けることが好ましい。
ゲット13および16の側面をプラズマから保護するため
に、プラズマ生成室の内面にはシールド11Dおよび11Eを
設けることが好ましい。
プラズマ生成室11内を高真空に排気した後、ガス導入
口11Aからガスを導入してマイクロ波を導入し、ECR条件
で放電を生ぜしめ、高密度プラズマを発生させる。プラ
ズマ中のイオンをイオンビームとして引き出すことがで
きる。ターゲット間の磁束はターゲット表面から生成さ
れた二次電子(γ電子)が磁束に垂直方向に散逸するの
を防ぎ、さらにプラズマを取り込める効果をもち、その
結果低ガス圧中で高密度プラズマが生成される。
口11Aからガスを導入してマイクロ波を導入し、ECR条件
で放電を生ぜしめ、高密度プラズマを発生させる。プラ
ズマ中のイオンをイオンビームとして引き出すことがで
きる。ターゲット間の磁束はターゲット表面から生成さ
れた二次電子(γ電子)が磁束に垂直方向に散逸するの
を防ぎ、さらにプラズマを取り込める効果をもち、その
結果低ガス圧中で高密度プラズマが生成される。
第3図に、第1図に示した本発明の実施例における磁
束方向の磁場強度分布の例を示した。
束方向の磁場強度分布の例を示した。
ここで本発明のイオン源における高密度プラズマ生成
の原理を第4図により詳細に説明する。
の原理を第4図により詳細に説明する。
プラズマ生成室の上端内面には水冷されたリング状の
ターゲット16を配置している。
ターゲット16を配置している。
プラズマ生成室の内部側面にはプラズマを囲むように
水冷された円筒状のターゲット13を設置している。
水冷された円筒状のターゲット13を設置している。
円筒状ターゲット13とリング状ターゲット16は、円筒
状ターゲット13とリング状ターゲット16の面に、プラズ
マ生成室の外周に設置された電磁石による磁束が流入す
るようにし、しかもその磁束がターゲットのうち片方の
ターゲットから出てもう片方のターゲットに入るように
設置してある。
状ターゲット13とリング状ターゲット16の面に、プラズ
マ生成室の外周に設置された電磁石による磁束が流入す
るようにし、しかもその磁束がターゲットのうち片方の
ターゲットから出てもう片方のターゲットに入るように
設置してある。
以上のようにして生成された高密度プラズマに面した
円筒状ターゲットに負の電位を印加することにより、高
密度プラズマ中のイオンをその円筒状ターゲット13とリ
ング状ターゲット16に効率よく引き込み、スパッタをお
こさせる。円筒状ターゲット13とリング状ターゲット16
に引き込まれたイオンがターゲット表面に衝突すると、
ターゲット表面から二次電子(γ電子)18が放出され
る。このγ電子18はそれぞれのターゲットが作る電界で
加速され、それらターゲット表面に走る磁束5に拘束さ
れ、スパイラル運動しながら相手のターゲットに高速で
移動する。相手のターゲットに達したγ電子18またその
ターゲットが作る電界で反射され、その結果γ電子18は
両ターゲット間にスパイラル運動しつつ閉じ込められる
ことになる。このγ電子の往復運動はそのエネルギーが
磁束の束縛エネルギーより小さくなるまで閉じ込めら
れ、その間中性粒子との衝突やプラズマとの相互作用に
より電離を加速する。
円筒状ターゲットに負の電位を印加することにより、高
密度プラズマ中のイオンをその円筒状ターゲット13とリ
ング状ターゲット16に効率よく引き込み、スパッタをお
こさせる。円筒状ターゲット13とリング状ターゲット16
に引き込まれたイオンがターゲット表面に衝突すると、
ターゲット表面から二次電子(γ電子)18が放出され
る。このγ電子18はそれぞれのターゲットが作る電界で
加速され、それらターゲット表面に走る磁束5に拘束さ
れ、スパイラル運動しながら相手のターゲットに高速で
移動する。相手のターゲットに達したγ電子18またその
ターゲットが作る電界で反射され、その結果γ電子18は
両ターゲット間にスパイラル運動しつつ閉じ込められる
ことになる。このγ電子の往復運動はそのエネルギーが
磁束の束縛エネルギーより小さくなるまで閉じ込めら
れ、その間中性粒子との衝突やプラズマとの相互作用に
より電離を加速する。
さらに、円筒状ターゲット13やリング状ターゲット16
からスパッタされた、殆どが中性の粒子の一部分は、電
子温度の高い高密度プラズマ中でイオン化される。その
結果、ターゲット材料のイオンが形成される。プラズマ
が活性であるため、10-5Torr台のより低いガス圧でも放
電が安定に形成できる。
からスパッタされた、殆どが中性の粒子の一部分は、電
子温度の高い高密度プラズマ中でイオン化される。その
結果、ターゲット材料のイオンが形成される。プラズマ
が活性であるため、10-5Torr台のより低いガス圧でも放
電が安定に形成できる。
プラズマ生成室内のイオンはイオン引出し機構14で選
択的にプラズマ生成室外に引き出され、数十から数keV
の低エネルギーイオンが得られる。
択的にプラズマ生成室外に引き出され、数十から数keV
の低エネルギーイオンが得られる。
本発明のスパッタ型イオン源では、前述のようにプラ
ズマのイオン化率が高いため、ターゲットから放出され
た中性のスパッタ粒子がプラズマ中でイオン化される割
合が高い。このイオン化されたターゲット構成粒子がま
たターゲットの電位で加速されて、またターゲットをス
パッタするいわゆるセルフスパッタの割合も極めて大き
くなる。即ち、プラズマ生成用ガス(例えばAr)がごく
希薄な、あるいはガスを用いない場合でも上述のセルフ
スパッタを接続し、ひいては高純度のイオン引出しも実
現できるという特徴ももっている。
ズマのイオン化率が高いため、ターゲットから放出され
た中性のスパッタ粒子がプラズマ中でイオン化される割
合が高い。このイオン化されたターゲット構成粒子がま
たターゲットの電位で加速されて、またターゲットをス
パッタするいわゆるセルフスパッタの割合も極めて大き
くなる。即ち、プラズマ生成用ガス(例えばAr)がごく
希薄な、あるいはガスを用いない場合でも上述のセルフ
スパッタを接続し、ひいては高純度のイオン引出しも実
現できるという特徴ももっている。
第5図は第1図に示したイオン源を利用した薄膜形成
装置の一例の断面図である。イオン引出し用グリッドを
挟んで試料室9がプラズマ生成室11と結合されている。
試料室9とプラズマ生成室11とは絶縁するのがよい。試
料室9にはガス導入口9Bからガスを導入することがで
き、排気系9Aによって高真空に排気することができる。
試料室9内には基板2を保持するための基板ホルダ2Aが
設けられ、基板ホルダ2Aとイオン引出しグリッド14A,14
Bとの間に図示しない開閉可能なシャッタが設けられて
いる。基板ホルダ2Aにはヒータを内蔵して基板を加熱で
きるようにするのが好ましく、また基板2に直流あるい
は交流の電圧を印加して膜形成中の基板へのバイアス電
圧の印加、基板のスパッタクリーニングが可能なように
構成するのが望ましい。
装置の一例の断面図である。イオン引出し用グリッドを
挟んで試料室9がプラズマ生成室11と結合されている。
試料室9とプラズマ生成室11とは絶縁するのがよい。試
料室9にはガス導入口9Bからガスを導入することがで
き、排気系9Aによって高真空に排気することができる。
試料室9内には基板2を保持するための基板ホルダ2Aが
設けられ、基板ホルダ2Aとイオン引出しグリッド14A,14
Bとの間に図示しない開閉可能なシャッタが設けられて
いる。基板ホルダ2Aにはヒータを内蔵して基板を加熱で
きるようにするのが好ましく、また基板2に直流あるい
は交流の電圧を印加して膜形成中の基板へのバイアス電
圧の印加、基板のスパッタクリーニングが可能なように
構成するのが望ましい。
引出したイオンのエネルギーは主にプラズマ生成室11
とイオン引出しグリッド14A,14Bに印加する電圧の相対
差である加速電圧により制御することができる。なお、
本図および以後の実施例においては、グリッド14A,14B
に負電圧を印加する電源14Cおよび14Dの図示を省略して
ある。
とイオン引出しグリッド14A,14Bに印加する電圧の相対
差である加速電圧により制御することができる。なお、
本図および以後の実施例においては、グリッド14A,14B
に負電圧を印加する電源14Cおよび14Dの図示を省略して
ある。
次に、第5図に示した装置を用いてAlと窒素イオンを
引出し、AlN膜を形成した結果について説明する。
引出し、AlN膜を形成した結果について説明する。
第6図にターゲットでの放電特性の一例を示す。ここ
でリング状ターゲット16に印加する電圧は−500Vに固定
し、マイクロ波電力は300Wおよび80Wに、ガス圧は3mTor
rに固定している。リング状ターゲット16と円筒状ター
ゲット13に印加する電圧は第6図の例における様にそれ
ぞれ異なっている場合でも十分高密度のプラズマ生成が
実現できる。またその電圧が同じ場合、即ち両ターゲッ
トを電気的に接続した場合でも同様の高効率プラズマ生
成ができる。試料室9の真空度を5×10-7Torrまで排気
した後、窒素(N2)ガスを毎分1ccのフロー速度で導入
しプラズマ生成室内のガス圧を2×10-4Torrとしてマイ
クロ波電力100〜500W、円筒状のAlターゲット13に投入
する電力を300〜600Wとして膜を形成した。第7図にこ
の時のイオン引出し特性の一例を示す。このとき試料台
は加熱しないで常温で膜形成を行った。この結果、0.3
〜5nm/minの堆積速度で長時間連続して安定に効率よくA
lN膜を堆積できた。
でリング状ターゲット16に印加する電圧は−500Vに固定
し、マイクロ波電力は300Wおよび80Wに、ガス圧は3mTor
rに固定している。リング状ターゲット16と円筒状ター
ゲット13に印加する電圧は第6図の例における様にそれ
ぞれ異なっている場合でも十分高密度のプラズマ生成が
実現できる。またその電圧が同じ場合、即ち両ターゲッ
トを電気的に接続した場合でも同様の高効率プラズマ生
成ができる。試料室9の真空度を5×10-7Torrまで排気
した後、窒素(N2)ガスを毎分1ccのフロー速度で導入
しプラズマ生成室内のガス圧を2×10-4Torrとしてマイ
クロ波電力100〜500W、円筒状のAlターゲット13に投入
する電力を300〜600Wとして膜を形成した。第7図にこ
の時のイオン引出し特性の一例を示す。このとき試料台
は加熱しないで常温で膜形成を行った。この結果、0.3
〜5nm/minの堆積速度で長時間連続して安定に効率よくA
lN膜を堆積できた。
本発明のイオン源は、Alと窒素イオンの引出しによる
膜形成のみならず、ほとんどすべてのイオンの引出しと
膜形成に用いることができ、また、導入するガスとして
窒素に限らずほとんどのガスや反応性ガスを用いること
ができ、それにより反応スパッタも用いた化合物膜の形
成も実現出来る。またターゲットに各種化合物や金属の
ターゲットを用いることによってほとんどの材料のイオ
ンを引き出すことができる。
膜形成のみならず、ほとんどすべてのイオンの引出しと
膜形成に用いることができ、また、導入するガスとして
窒素に限らずほとんどのガスや反応性ガスを用いること
ができ、それにより反応スパッタも用いた化合物膜の形
成も実現出来る。またターゲットに各種化合物や金属の
ターゲットを用いることによってほとんどの材料のイオ
ンを引き出すことができる。
実施例2 第8図は本発明のイオン源の他の実施例の断面図であ
り、第9図は第8図に示したイオン源を用いた薄膜形成
装置の断面図である。
り、第9図は第8図に示したイオン源を用いた薄膜形成
装置の断面図である。
本実施例においては、マイクロ波導入窓6は真空導波
管10を介してプラズマ生成室11に係合される。リング状
ターゲット16の中央部からプラズマ生成室11に接続され
た真空導波管10の周囲には、その真空導波管内の磁束を
吸収し、かつプラズマ生成室と真空導波管との接続部分
で磁界強度を急峻に変化させる様にヨーク19を設置して
いる。
管10を介してプラズマ生成室11に係合される。リング状
ターゲット16の中央部からプラズマ生成室11に接続され
た真空導波管10の周囲には、その真空導波管内の磁束を
吸収し、かつプラズマ生成室と真空導波管との接続部分
で磁界強度を急峻に変化させる様にヨーク19を設置して
いる。
第10図に、第9図に示した実施例における磁束方向の
磁場強度分布の例を示した。
磁場強度分布の例を示した。
第11図について本実施例におけるプラズマ増殖機構を
説明する。
説明する。
生成された高密度プラズマに面した円筒状ターゲット
に負の電位を印加することにより、高密度プラズマ中の
イオンをその円筒状ターゲット13とリング状ターゲット
16に効率よく引き込みスパッタをおこさせる。円筒状タ
ーゲット13とリング状ターゲット16に引き込まれたイオ
ンがターゲット表面に衝突すると、ターゲット表面から
二次電子(γ電子)18が放出される。このγ電子18はそ
れぞれのターゲットが作る電界で加速され、それらター
ゲット表面に走る磁束5に拘束されスパイラル運動しな
がら相手のターゲットに高速で移動する。相手のターゲ
ットに達したγ電子18はまたそのターゲットが作る電界
で反射され、結果としてγ電子18は両ターゲット間にス
パイラル運動しつつ閉じ込められることになる。このγ
電子の往復運動はそのエネルギーが磁束の束縛エネルギ
ーより小さくなるまで閉じ込められ、その間中性粒子と
の衝突やプラズマとの相互作用により電離を加速する。
に負の電位を印加することにより、高密度プラズマ中の
イオンをその円筒状ターゲット13とリング状ターゲット
16に効率よく引き込みスパッタをおこさせる。円筒状タ
ーゲット13とリング状ターゲット16に引き込まれたイオ
ンがターゲット表面に衝突すると、ターゲット表面から
二次電子(γ電子)18が放出される。このγ電子18はそ
れぞれのターゲットが作る電界で加速され、それらター
ゲット表面に走る磁束5に拘束されスパイラル運動しな
がら相手のターゲットに高速で移動する。相手のターゲ
ットに達したγ電子18はまたそのターゲットが作る電界
で反射され、結果としてγ電子18は両ターゲット間にス
パイラル運動しつつ閉じ込められることになる。このγ
電子の往復運動はそのエネルギーが磁束の束縛エネルギ
ーより小さくなるまで閉じ込められ、その間中性粒子と
の衝突やプラズマとの相互作用により電離を加速する。
さらに、円筒状ターゲット13やリング状ターゲット16
からスパッタされた、殆どが中性の粒子の一部分は、電
子温度の高い高密度プラズマ中でイオン化される。その
結果、ターゲット材料のイオンが形成される。プラズマ
が活性であるため、10-5Torr台のより低いガス圧でも放
電が安定に形成できる。
からスパッタされた、殆どが中性の粒子の一部分は、電
子温度の高い高密度プラズマ中でイオン化される。その
結果、ターゲット材料のイオンが形成される。プラズマ
が活性であるため、10-5Torr台のより低いガス圧でも放
電が安定に形成できる。
プラズマ生成室内のイオンはイオン引出し機構14で選
択的にプラズマ生成室外に引き出され数十から数keVの
低エネルギーイオンが得られる。
択的にプラズマ生成室外に引き出され数十から数keVの
低エネルギーイオンが得られる。
金属イオンを引き出す場合、マイクロ波導入窓が曇る
と、長時間にわたってプラズマ生成ができない。それに
対して、マイクロ波導入窓を単にプラズマ生成室から離
して真空導波管を使用しただけでは、第12図に示した様
に、その真空導波管の中でもマイクロ波の共鳴磁界が実
現してしまうため、その真空導波管内でプラズマが生成
され、不均一な濃いプラズマ柱21が生成されてしまう。
また、マイクロ波の導入方向にも発散磁界が形成される
ため、そのマイクロ波導入方向へもプラズマが加速され
てしまい、有効なマイクロ波の供給はできない。
と、長時間にわたってプラズマ生成ができない。それに
対して、マイクロ波導入窓を単にプラズマ生成室から離
して真空導波管を使用しただけでは、第12図に示した様
に、その真空導波管の中でもマイクロ波の共鳴磁界が実
現してしまうため、その真空導波管内でプラズマが生成
され、不均一な濃いプラズマ柱21が生成されてしまう。
また、マイクロ波の導入方向にも発散磁界が形成される
ため、そのマイクロ波導入方向へもプラズマが加速され
てしまい、有効なマイクロ波の供給はできない。
第13図は本発明の他の実施例の断面図である。マイク
ロ波導入窓6が導電性材料膜の付着により曇らないよう
に真空導波管10を接続し、その真空導波管の周囲をヨー
ク19で囲んである。このような構成によって真空導波管
内の磁束を吸収し、かつ真空導波管とプラズマ生成室と
の境界で磁界強度を急峻に変化させることにより、真空
導波管内でのプラズマ生成とマイクロ波導入方向へのプ
ラズマの加速を制御している。第13図にはプラズマ生成
状態をも示した。
ロ波導入窓6が導電性材料膜の付着により曇らないよう
に真空導波管10を接続し、その真空導波管の周囲をヨー
ク19で囲んである。このような構成によって真空導波管
内の磁束を吸収し、かつ真空導波管とプラズマ生成室と
の境界で磁界強度を急峻に変化させることにより、真空
導波管内でのプラズマ生成とマイクロ波導入方向へのプ
ラズマの加速を制御している。第13図にはプラズマ生成
状態をも示した。
ヨークを用いた場合、必要な磁界強度を得るに必要な
電磁石に流す電流が少なくてよいという利点もある。本
実施例ではヨークがない場合18A必要な電流が、ヨーク
設置の場合には8.5Aで十分であった。
電磁石に流す電流が少なくてよいという利点もある。本
実施例ではヨークがない場合18A必要な電流が、ヨーク
設置の場合には8.5Aで十分であった。
プラズマ生成室11中に設置された円筒状ターゲット13
やリング状ターゲット16からスパッタされた粒子のう
ち、イオン化されない中性の粒子は磁界や電界の影響を
受けず、そのターゲットからほぼ直進して飛来する。こ
のため、マイクロ波導入窓6をターゲットから直接見え
ない位置に設置することにより、マイクロ波導入窓6の
スパッタ粒子による曇りも防止することができる。この
ようにして、引出しイオンの種類や生成膜の導電性によ
らず、またその膜厚にもよらず、さらにマイクロ波導入
窓が曇ることなく、ほとんどイオンを連続して長時間安
定に引き出すことを可能としている。
やリング状ターゲット16からスパッタされた粒子のう
ち、イオン化されない中性の粒子は磁界や電界の影響を
受けず、そのターゲットからほぼ直進して飛来する。こ
のため、マイクロ波導入窓6をターゲットから直接見え
ない位置に設置することにより、マイクロ波導入窓6の
スパッタ粒子による曇りも防止することができる。この
ようにして、引出しイオンの種類や生成膜の導電性によ
らず、またその膜厚にもよらず、さらにマイクロ波導入
窓が曇ることなく、ほとんどイオンを連続して長時間安
定に引き出すことを可能としている。
第13図に示したイオン源を第8図に示したと同様の試
料室に結合して薄膜形成装置とした。
料室に結合して薄膜形成装置とした。
本装置を用いてAlイオンを引出し、Al膜を形成した結
果について説明する。
果について説明する。
第14図にターゲットでの放電特性の一例を示す。ここ
でリング状ターゲット16に印加する電圧は−500Vに固定
し、マイクロ波電力は300Wおよび80Wに、ガス圧は0.3To
rrに固定している。リング状ターゲット16と円筒状ター
ゲット13に印加する電圧は第14図の例における様にそれ
ぞれ異なっている場合でも十分高密度のプラズマ生成が
実現できる。またその電圧が同じ場合、即ち両ターゲッ
トを電気的に接続した場合でも同様の高効率プラズマ生
成ができる。試料室9の真空度を5×10-7Torrまで排気
した後、Arガスを毎分1ccのフロー速度で導入し、プラ
ズマ生成室内のガス圧を2×10-4Torrとしてマイクロ波
電力100〜500W、円筒状のAlターゲット13に投入する電
力を300〜600Wとして膜を形成した。第15図にこの時の
イオン引出し特性の一例を示す。このとき試料台は加熱
しないで常温で膜形成をおこなった。この結果、1〜10
nm/minの堆積速度で長時間連続して安定に効率よくAl膜
を堆積できた。
でリング状ターゲット16に印加する電圧は−500Vに固定
し、マイクロ波電力は300Wおよび80Wに、ガス圧は0.3To
rrに固定している。リング状ターゲット16と円筒状ター
ゲット13に印加する電圧は第14図の例における様にそれ
ぞれ異なっている場合でも十分高密度のプラズマ生成が
実現できる。またその電圧が同じ場合、即ち両ターゲッ
トを電気的に接続した場合でも同様の高効率プラズマ生
成ができる。試料室9の真空度を5×10-7Torrまで排気
した後、Arガスを毎分1ccのフロー速度で導入し、プラ
ズマ生成室内のガス圧を2×10-4Torrとしてマイクロ波
電力100〜500W、円筒状のAlターゲット13に投入する電
力を300〜600Wとして膜を形成した。第15図にこの時の
イオン引出し特性の一例を示す。このとき試料台は加熱
しないで常温で膜形成をおこなった。この結果、1〜10
nm/minの堆積速度で長時間連続して安定に効率よくAl膜
を堆積できた。
実施例3および4 第16図および第17図に本発明の他の実施例の断面図を
示す。
示す。
第16図は第1図の実施例における電磁石8を2個の永
久磁石16および17で置き換えたイオン源を、第17図は第
8図の実施例における電磁石8を同じく2個の永久磁石
16および17で置き換えたイオン源である。これらの実施
例も、第1図および第8図の実施例と同様に動作する。
永久磁石16,17にさらにヨークを組合せて用いることも
可能である。
久磁石16および17で置き換えたイオン源を、第17図は第
8図の実施例における電磁石8を同じく2個の永久磁石
16および17で置き換えたイオン源である。これらの実施
例も、第1図および第8図の実施例と同様に動作する。
永久磁石16,17にさらにヨークを組合せて用いることも
可能である。
実施例5−8 第18図ないし第21図にそれぞれ本発明のさらに他の実
施例を示す。
施例を示す。
第18図および第19図は、それぞれ第1図および第8図
の実施例におけるターゲットに印加する電圧を高周波電
力としたものである。すなわち第18図,第19図に示した
様にrf発振器22からrf電力を整合回路23を通してターゲ
ットに投入しても同様な効果が得られる。しかもこの場
合、ターゲットに導電性がない場合でも安定なイオン引
出しができる。
の実施例におけるターゲットに印加する電圧を高周波電
力としたものである。すなわち第18図,第19図に示した
様にrf発振器22からrf電力を整合回路23を通してターゲ
ットに投入しても同様な効果が得られる。しかもこの場
合、ターゲットに導電性がない場合でも安定なイオン引
出しができる。
第20図および第21図は、それぞれ第5図および第9図
に示した薄膜形成装置に補助磁石20を設けた例である。
補助磁石20を設けることにより電磁石8による磁界分布
を変化させ、ターゲットの侵食分布を制御することがで
きる。補助磁石20は第16図〜第19図に示した各実施例と
組合せて用いることもできる。
に示した薄膜形成装置に補助磁石20を設けた例である。
補助磁石20を設けることにより電磁石8による磁界分布
を変化させ、ターゲットの侵食分布を制御することがで
きる。補助磁石20は第16図〜第19図に示した各実施例と
組合せて用いることもできる。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明は、電子サイクロトロン共
鳴により生成されたマイクロ波プラズマを利用したスパ
ッタを用いて、低いガス圧中で高効率のイオン引出しを
実現するものであり、イオンの種類や、よれによって得
られた膜の導電性や膜厚によらず、連続して長時間安定
なイオン引出しを実現することができる。
鳴により生成されたマイクロ波プラズマを利用したスパ
ッタを用いて、低いガス圧中で高効率のイオン引出しを
実現するものであり、イオンの種類や、よれによって得
られた膜の導電性や膜厚によらず、連続して長時間安定
なイオン引出しを実現することができる。
第1図は本発明のスパッタ型イオン源の実施例の断面
図、 第2A図および第2B図はターゲットの取付けを示す詳細断
面図、 第3図は第1図に示したイオン源の実施例における磁束
方向の磁場強度分布図、 第4図はターゲット間での高密度プラズマ生成機構を説
明する図、 第5図は本発明のイオン源を用いた薄膜形成装置の断面
図、 第6図は本発明のイオン源の実施例における放電特性の
一例を示す特性図、 第7図は本発明のイオン源の実施例におけるイオン引出
し特性の一例を示す特性図、 第8図は本発明のイオン源の他の実施例の断面図、 第9図は第8図に示したイオン源を用いた薄膜形成装置
の一例の断面図、 第10図は第9図に示した本装置における磁束方向の磁場
強度分布図、 第11図は第10図に示した装置における高密度プラズマ生
成機構を説明する図、 第12図はヨークを用いず真空導波管のみを用いた場合の
プラズマ生成状態図、 第13図は本発明のイオン源においてヨークを用いた場合
のプラズマ生成応対図、 第14図は本発明のイオン源の実施例における放電特性の
一例を示す特性図、 第15図は本発明のイオン源の実施例におけるイオン引出
し特性の一例を示す特性図、 第16図および第17図はそれぞれ本発明のイオン源の他の
実施例の断面図、 第18図ないし第21図はそれぞれ本発明のイオン源を用い
た薄膜形成装置の断面図、 第22図は従来のカウフマン型イオン源の断面図である。 1……イオンビーム、 2……基板、 3……プラズマ、 4……真空槽、 5……磁束、 6……マイクロ波導入窓、 7……マイクロ波導入管、 8……磁界発生用電磁石、 9……試料室、 10……真空導波管、 11……プラズマ生成室、 12……プラズマ加速方向、 13……円筒状ターゲット、 14……イオン引出し機構、 15……熱電子放出用フィラメント、 16……リング状ターゲット、 17……永久磁石、 18……高速二次電子(γ電子)、 19……ヨーク、 20……補助電磁石、 21……濃いプラズマ柱。
図、 第2A図および第2B図はターゲットの取付けを示す詳細断
面図、 第3図は第1図に示したイオン源の実施例における磁束
方向の磁場強度分布図、 第4図はターゲット間での高密度プラズマ生成機構を説
明する図、 第5図は本発明のイオン源を用いた薄膜形成装置の断面
図、 第6図は本発明のイオン源の実施例における放電特性の
一例を示す特性図、 第7図は本発明のイオン源の実施例におけるイオン引出
し特性の一例を示す特性図、 第8図は本発明のイオン源の他の実施例の断面図、 第9図は第8図に示したイオン源を用いた薄膜形成装置
の一例の断面図、 第10図は第9図に示した本装置における磁束方向の磁場
強度分布図、 第11図は第10図に示した装置における高密度プラズマ生
成機構を説明する図、 第12図はヨークを用いず真空導波管のみを用いた場合の
プラズマ生成状態図、 第13図は本発明のイオン源においてヨークを用いた場合
のプラズマ生成応対図、 第14図は本発明のイオン源の実施例における放電特性の
一例を示す特性図、 第15図は本発明のイオン源の実施例におけるイオン引出
し特性の一例を示す特性図、 第16図および第17図はそれぞれ本発明のイオン源の他の
実施例の断面図、 第18図ないし第21図はそれぞれ本発明のイオン源を用い
た薄膜形成装置の断面図、 第22図は従来のカウフマン型イオン源の断面図である。 1……イオンビーム、 2……基板、 3……プラズマ、 4……真空槽、 5……磁束、 6……マイクロ波導入窓、 7……マイクロ波導入管、 8……磁界発生用電磁石、 9……試料室、 10……真空導波管、 11……プラズマ生成室、 12……プラズマ加速方向、 13……円筒状ターゲット、 14……イオン引出し機構、 15……熱電子放出用フィラメント、 16……リング状ターゲット、 17……永久磁石、 18……高速二次電子(γ電子)、 19……ヨーク、 20……補助電磁石、 21……濃いプラズマ柱。
Claims (3)
- 【請求項1】ガスを導入してプラズマを発生させるプラ
ズマ生成室と、 該プラズマ生成室に結合され、プラズマの軸方向にマイ
クロ波を導入するためのマイクロ波導入窓と、 前記プラズマ生成室の端部に設けられたイオン引出し機
構と、 前記プラズマ生成室内部の両端部に設けられたそれぞれ
スパッタリング材料からなるリング状の第1のターゲッ
トおよび筒状の第2のターゲットと、 該第1および第2のターゲットにそれぞれ前記プラズマ
生成室に対して負の電圧を印加する少なくとも1個の電
源と、 前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成し、かつ前記第
1および第2のターゲットの一方からでて他方に入る磁
束を生成する磁界形成手段とを具え、 前記リング状のターゲットの中央からマイクロ波が導入
されることを特徴とするイオン源。 - 【請求項2】前記マイクロ波導入窓が真空導波管を介し
て前記プラズマ生成室に結合され、かつ前記真空導波管
の周囲に、前記磁界形成手段によって発生された磁界を
吸収し、前記真空導波管内の磁界強度を低下させ、前記
真空導波管と前記プラズマ生成室との境界で磁界強度を
急峻に変化させるヨークが設置されていることを特徴と
する請求項1記載のイオン源。 - 【請求項3】前記マイクロ波導入窓が前記第1および第
2のターゲットの面から直接見えない部分に設置されて
いることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン
源。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63044215A JP2552701B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | イオン源 |
US07/307,312 US4911814A (en) | 1988-02-08 | 1989-02-07 | Thin film forming apparatus and ion source utilizing sputtering with microwave plasma |
KR8901399A KR920003790B1 (en) | 1988-02-08 | 1989-02-08 | Thin film forming apparatus and ion source utilizing sputtering with microwave plasma |
EP89102164A EP0328076B1 (en) | 1988-02-08 | 1989-02-08 | Thin film forming apparatus and ion source utilizing sputtering with microwave plasma |
DE68915014T DE68915014T2 (de) | 1988-02-08 | 1989-02-08 | Gerät zur Bildung dünner Schichten und durch Mikrowellen-Zerstäubung arbeitende Ionenquelle. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63044215A JP2552701B2 (ja) | 1988-02-29 | 1988-02-29 | イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01219161A JPH01219161A (ja) | 1989-09-01 |
JP2552701B2 true JP2552701B2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=12685323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63044215A Expired - Fee Related JP2552701B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-02-29 | イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (6)
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---|---|---|---|---|
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JP4992885B2 (ja) * | 2008-11-21 | 2012-08-08 | 日新イオン機器株式会社 | プラズマ発生装置 |
US9245761B2 (en) | 2013-04-05 | 2016-01-26 | Lam Research Corporation | Internal plasma grid for semiconductor fabrication |
JP6124709B2 (ja) * | 2013-06-28 | 2017-05-10 | 住友重機械工業株式会社 | マイクロ波イオン源 |
US9147581B2 (en) * | 2013-07-11 | 2015-09-29 | Lam Research Corporation | Dual chamber plasma etcher with ion accelerator |
JP6150705B2 (ja) * | 2013-10-15 | 2017-06-21 | 住友重機械工業株式会社 | マイクロ波イオン源 |
-
1988
- 1988-02-29 JP JP63044215A patent/JP2552701B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01219161A (ja) | 1989-09-01 |
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JPH0652719B2 (ja) | 薄膜形成装置 |
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