JPH0649573A - 高硬度ロール材 - Google Patents
高硬度ロール材Info
- Publication number
- JPH0649573A JPH0649573A JP40946190A JP40946190A JPH0649573A JP H0649573 A JPH0649573 A JP H0649573A JP 40946190 A JP40946190 A JP 40946190A JP 40946190 A JP40946190 A JP 40946190A JP H0649573 A JPH0649573 A JP H0649573A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll material
- alloy
- hardness
- roll
- high hardness
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ３０〜６０重量％のＣｒを含有するＮｉ−Ｃ
ｒ合金にＢおよび／またはＡｌを添加し、さらに所望に
よりＭｏ，Ｎｂ，Ｓｎ，ＴａおよびＦｅの１種以上を添
加してなる高硬度ロール材。 【効果】 耐食性とともに、優れた硬度を有する耐摩耗
性ロール材が提供される。メッキ用コンダクターロール
等として有用なロール材となる。
ｒ合金にＢおよび／またはＡｌを添加し、さらに所望に
よりＭｏ，Ｎｂ，Ｓｎ，ＴａおよびＦｅの１種以上を添
加してなる高硬度ロール材。 【効果】 耐食性とともに、優れた硬度を有する耐摩耗
性ロール材が提供される。メッキ用コンダクターロール
等として有用なロール材となる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、高硬度ロール材に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は、Ｐｂ，
Ｚｎ，Ｎｉ等の金属メッキ処理用のコンダクターロール
等に有用な、耐摩耗性に優れた高硬度ロール材に関する
ものである。
するものである。さらに詳しくは、この発明は、Ｐｂ，
Ｚｎ，Ｎｉ等の金属メッキ処理用のコンダクターロール
等に有用な、耐摩耗性に優れた高硬度ロール材に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術とその課題】従来より、自動車用鋼板、構
造用材、その他の広範囲な用途に、Ｐｂ，Ｚｎ，Ｎｉ等
の金属の電気メッキ、あるいは溶融メッキを施したもの
が広く使用されてきている。これらのメッキ処理の工程
においては、電気化学反応処理のために、合金製のコン
ダクターロールが使用されてきており、通常、このよう
なコンダクターロールとしては、メッキ鋼板の表面を平
滑に処理し、しかもロールの摩耗を抑えるためにインコ
ネル等の合金が使用されてきている。
造用材、その他の広範囲な用途に、Ｐｂ，Ｚｎ，Ｎｉ等
の金属の電気メッキ、あるいは溶融メッキを施したもの
が広く使用されてきている。これらのメッキ処理の工程
においては、電気化学反応処理のために、合金製のコン
ダクターロールが使用されてきており、通常、このよう
なコンダクターロールとしては、メッキ鋼板の表面を平
滑に処理し、しかもロールの摩耗を抑えるためにインコ
ネル等の合金が使用されてきている。
【０００３】しかしながら、このような従来のロール材
の場合には、メッキ処理時の鋼板表面の平滑性が満足で
きるほどには得られず、またロール材の摩耗、そして腐
食が大きいという欠点があった。このため、従来のロー
ル材においては、そのライフサイクルが短く、メッキ処
理コストの低減化の制約要因となっていた。
の場合には、メッキ処理時の鋼板表面の平滑性が満足で
きるほどには得られず、またロール材の摩耗、そして腐
食が大きいという欠点があった。このため、従来のロー
ル材においては、そのライフサイクルが短く、メッキ処
理コストの低減化の制約要因となっていた。
【０００４】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来のロール材の欠点を改善し、平
滑な鋼板表面を得ることができ、しかもロール材の耐摩
耗性、さらには耐食性にも優れた、メッキ用コンダクタ
ーロール等として有用な高硬度ロール材を提供すること
を目的としている。
されたものであり、従来のロール材の欠点を改善し、平
滑な鋼板表面を得ることができ、しかもロール材の耐摩
耗性、さらには耐食性にも優れた、メッキ用コンダクタ
ーロール等として有用な高硬度ロール材を提供すること
を目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、３０〜６０重量％のＣｒを含有
するＮｉ−Ｃｒ合金にＢおよび／またはＡｌを添加して
なることを特徴とする高硬度ロール材を提供する。ま
た、この発明は、さらに上記組成の合金にＭｏ，Ｎｂ，
Ｓｎ，ＴａおよびＦｅの１種以上を添加した高硬度ロー
ル材をも提供し、これらのロール材のための合金粉末
と、その粉末焼結によるロール材を好ましい態様として
提供するものでもある。
を解決するものとして、３０〜６０重量％のＣｒを含有
するＮｉ−Ｃｒ合金にＢおよび／またはＡｌを添加して
なることを特徴とする高硬度ロール材を提供する。ま
た、この発明は、さらに上記組成の合金にＭｏ，Ｎｂ，
Ｓｎ，ＴａおよびＦｅの１種以上を添加した高硬度ロー
ル材をも提供し、これらのロール材のための合金粉末
と、その粉末焼結によるロール材を好ましい態様として
提供するものでもある。
【０００６】この発明においては、ロール材としての高
硬度品を提供するために、そのための合金としてＮｉ−
Ｃｒからなることを基本とするが、この場合のＣｒ含有
率は３０〜６０％としている。Ｃｒ含有率が３０％未満
の場合には、ロール材の耐食性が劣り、腐食によってロ
ール材表面に損傷が生じ、メッキ鋼板に凹凸や損傷がも
たらされる。ロールのライフサイクルの向上が難しくな
る。一方、Ｃｒ含有量が６０％を超える場合には、所要
の硬度が得られず、摩耗によってメッキ処理鋼板に凹凸
を与え、平滑性の付与が難しくなるばかりか、ロールと
してのライフサイクルが短くなり、生産コストの低減化
を困難とする。
硬度品を提供するために、そのための合金としてＮｉ−
Ｃｒからなることを基本とするが、この場合のＣｒ含有
率は３０〜６０％としている。Ｃｒ含有率が３０％未満
の場合には、ロール材の耐食性が劣り、腐食によってロ
ール材表面に損傷が生じ、メッキ鋼板に凹凸や損傷がも
たらされる。ロールのライフサイクルの向上が難しくな
る。一方、Ｃｒ含有量が６０％を超える場合には、所要
の硬度が得られず、摩耗によってメッキ処理鋼板に凹凸
を与え、平滑性の付与が難しくなるばかりか、ロールと
してのライフサイクルが短くなり、生産コストの低減化
を困難とする。
【０００７】このため、この発明のロール材において
は、Ｃｒ含有量を３０〜６０重量％とする。また、この
Ｎｉ，Ｃｒ以外に、この発明においては、第３添加成分
としてＢおよび／またはＡｌを添加することを特徴とし
てもいる。このＢ，Ａｌは、ロール材の硬度向上のため
に必須の元素成分であり、合金の結晶粒界において強度
向上に大きく作用する。
は、Ｃｒ含有量を３０〜６０重量％とする。また、この
Ｎｉ，Ｃｒ以外に、この発明においては、第３添加成分
としてＢおよび／またはＡｌを添加することを特徴とし
てもいる。このＢ，Ａｌは、ロール材の硬度向上のため
に必須の元素成分であり、合金の結晶粒界において強度
向上に大きく作用する。
【０００８】Ｂとしては、通常は、１０重量％以下、よ
り好ましくは５％以下の割合で添加し、また、Ａｌにつ
いても、通常は５％以下、より好ましくは３％以下程度
の割合で添加する。いずれのものも、ＢとＡｌとの合計
量は１５％以下とするのが好ましい。それを超える場合
には、靭性が低下するので好ましくない。また、さらに
この発明のロール材においては、Ｍｏ，Ｎｂ，Ｓｎ，Ｔ
ａ，Ｆｅの１種以上のものを添加するが、これらと上記
Ｂ，Ａｌとの合計量も１５重量％以下とするのが一般的
に好ましい。これら第４成分も硬度向上および耐食性向
上にとって重要である。
り好ましくは５％以下の割合で添加し、また、Ａｌにつ
いても、通常は５％以下、より好ましくは３％以下程度
の割合で添加する。いずれのものも、ＢとＡｌとの合計
量は１５％以下とするのが好ましい。それを超える場合
には、靭性が低下するので好ましくない。また、さらに
この発明のロール材においては、Ｍｏ，Ｎｂ，Ｓｎ，Ｔ
ａ，Ｆｅの１種以上のものを添加するが、これらと上記
Ｂ，Ａｌとの合計量も１５重量％以下とするのが一般的
に好ましい。これら第４成分も硬度向上および耐食性向
上にとって重要である。
【０００９】ロール材としての以上の合金は、合金成分
を溶解し、ガスアトマイズ法、遠心噴霧法等によって粉
末とし、これをホットプレス、ＨＩＰ等の手段によって
焼結して成形することが好ましい。粉末焼結によって、
優れた硬度、そして耐食性の良好なロール材が実現され
る。このロール材は、メッキ処理工程におけるコンダク
ターロール等として極めて有用なものである。
を溶解し、ガスアトマイズ法、遠心噴霧法等によって粉
末とし、これをホットプレス、ＨＩＰ等の手段によって
焼結して成形することが好ましい。粉末焼結によって、
優れた硬度、そして耐食性の良好なロール材が実現され
る。このロール材は、メッキ処理工程におけるコンダク
ターロール等として極めて有用なものである。
【００１０】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明の高硬度ロール材について説明する。
明の高硬度ロール材について説明する。
【００１１】
【実施例】表１に示した通りのこの発明のロール材合金
と、比較合金とを、各々噴霧法によって粉末成形し、３
２下の分級品によってＨＩＰ法によって所定のロール材
に成形した。この時のＨＩＰ条件としては、実施例１〜
３の場合には1050℃×1200気圧×２時間とし、それ以外
の場合には、1200℃×1200気圧×２時間とした。
と、比較合金とを、各々噴霧法によって粉末成形し、３
２下の分級品によってＨＩＰ法によって所定のロール材
に成形した。この時のＨＩＰ条件としては、実施例１〜
３の場合には1050℃×1200気圧×２時間とし、それ以外
の場合には、1200℃×1200気圧×２時間とした。
【００１２】得られたロール成形品について、ＨＩＰ後
と、さらにエージング（ＡＧ）（800℃×５時間ＡＣ）
後にその硬度（ＨＢ）を評価した。また、以下の条件下
におけるパルス通電腐食減量（ｇ／ｍ2 ）を評価した。 ・Ｚｎメッキ模擬液 Ｆｅ（ＳＯ4 ）3 ・ｘＨ2 Ｏ ７５ｇ／ｌ Ｈ2 ＳＯ4 ２２ｇ／ｌ Ｈ2 Ｏ 残部 ・電流密度 ２６０Ａ／ｄｍ2 ・パルス 0.2秒ＯＮ−0.5秒ＯＦＦ ・時 間 ８時間 ・温 度 ５０℃ その結果を示したものが表２である。
と、さらにエージング（ＡＧ）（800℃×５時間ＡＣ）
後にその硬度（ＨＢ）を評価した。また、以下の条件下
におけるパルス通電腐食減量（ｇ／ｍ2 ）を評価した。 ・Ｚｎメッキ模擬液 Ｆｅ（ＳＯ4 ）3 ・ｘＨ2 Ｏ ７５ｇ／ｌ Ｈ2 ＳＯ4 ２２ｇ／ｌ Ｈ2 Ｏ 残部 ・電流密度 ２６０Ａ／ｄｍ2 ・パルス 0.2秒ＯＮ−0.5秒ＯＦＦ ・時 間 ８時間 ・温 度 ５０℃ その結果を示したものが表２である。
【００１３】この表２の結果から明らかなように、この
発明のロール材においては、耐食性とともに、その硬度
が優れ、耐摩耗性が良好であることがわかる。もちろ
ん、この発明のロール材は、これらの実施例に限定され
るものではない。様々な態様がさらに可能である。
発明のロール材においては、耐食性とともに、その硬度
が優れ、耐摩耗性が良好であることがわかる。もちろ
ん、この発明のロール材は、これらの実施例に限定され
るものではない。様々な態様がさらに可能である。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したよ
うに、耐食性とともにその硬度に優れた耐摩耗性ロール
材が実現される。メッキ用コンダクターロール等のロー
ル材として有用であって、そのライフサイクルは延長さ
れ、生産コスト低減に大きく寄与する。
うに、耐食性とともにその硬度に優れた耐摩耗性ロール
材が実現される。メッキ用コンダクターロール等のロー
ル材として有用であって、そのライフサイクルは延長さ
れ、生産コスト低減に大きく寄与する。
Claims (4)
- 【請求項１】 ３０〜６０重量％のＣｒを含有するＮｉ
−Ｃｒ合金にＢおよび／またはＡｌを添加してなること
を特徴とする高硬度ロール材。 - 【請求項２】 請求項１の合金に、さらにＭｏ，Ｎｂ，
Ｓｎ，ＴａおよびＦｅの１種以上を添加してなることを
特徴とする高硬度ロール材。 - 【請求項３】 粉末焼結してなる請求項１または２の高
硬度ロール材。 - 【請求項４】 請求項１または２の合金からなる焼結用
ロール材粉末。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40946190A JPH0649573A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 高硬度ロール材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40946190A JPH0649573A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 高硬度ロール材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0649573A true JPH0649573A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=18518797
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP40946190A Pending JPH0649573A (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 高硬度ロール材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0649573A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011162803A (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-25 | Daido Steel Co Ltd | 耐摩耗性及び耐高温腐食性に優れた肉盛溶射用粉末合金 |
| WO2019189531A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-03 | 日立金属株式会社 | Ｃｒ－Ｎｉ系合金、Ｃｒ－Ｎｉ系合金でなる急冷凝固成形体、合金粉末、粉末冶金成形体、鋳造成形体、Ｃｒ－Ｎｉ系合金の製造方法およびＣｒ－Ｎｉ系合金を用いた機械設備、配管部材 |
| WO2019189532A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-03 | 日立金属株式会社 | 耐摩耗性部品 |
| WO2020196879A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 日立金属株式会社 | 合金組成物および合金組成物の製造方法、並びに金型 |
-
1990
- 1990-12-28 JP JP40946190A patent/JPH0649573A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011162803A (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-25 | Daido Steel Co Ltd | 耐摩耗性及び耐高温腐食性に優れた肉盛溶射用粉末合金 |
| WO2019189531A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-03 | 日立金属株式会社 | Ｃｒ－Ｎｉ系合金、Ｃｒ－Ｎｉ系合金でなる急冷凝固成形体、合金粉末、粉末冶金成形体、鋳造成形体、Ｃｒ－Ｎｉ系合金の製造方法およびＣｒ－Ｎｉ系合金を用いた機械設備、配管部材 |
| WO2019189532A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-03 | 日立金属株式会社 | 耐摩耗性部品 |
| JPWO2019189531A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2021-04-08 | 日立金属株式会社 | Ｃｒ−Ｎｉ系合金、Ｃｒ−Ｎｉ系合金でなる急冷凝固成形体、合金粉末、粉末冶金成形体、鋳造成形体、Ｃｒ−Ｎｉ系合金の製造方法およびＣｒ−Ｎｉ系合金を用いた機械設備、配管部材 |
| JPWO2019189532A1 (ja) * | 2018-03-28 | 2021-04-08 | 日立金属株式会社 | 耐摩耗性部品 |
| WO2020196879A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 日立金属株式会社 | 合金組成物および合金組成物の製造方法、並びに金型 |
| JPWO2020196879A1 (ja) * | 2019-03-27 | 2021-09-13 | 日立金属株式会社 | 合金組成物および合金組成物の製造方法、並びに金型 |
| US11932921B2 (en) | 2019-03-27 | 2024-03-19 | Hitachi Metals, Ltd. | Alloy composition, method for producing alloy composition, and die |
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