JPH0641351Y2 - コネクタのロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ステーを利用して不完全ロックを未然に防止
できるようにしたコネクタのロック装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のロック装置として、第8,9図のように、
雄型ハウジングＭの外周壁に係止突起２および解錠用押
圧部３を有するロッキングアーム１を立上り基部４によ
り上下に変位自在に設け、雌型ハウジングＦの雄型ハウ
ジングＭを受け入れる套体部５には上記アームの進退す
る収容室６に係止孔７を設けてなる係止部８を形成し、
両ハウジングの嵌合により係止突起２を係止孔７に係合
させ、両ハウジングをロックするようにしたものがあ
る。図中、９は端子収容室を示し、図示しない雌または
雄ターミナルが挿着されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

コネクタはワイヤーハーネスなどの接続に使用されてい
るが、従来のようなロック構造では、第９図のように嵌
合時に不完全なロック状態のまま看過されるものもあ
り、また、自動車の走行時における振動によって宙吊り
状態の電線が激しく揺動し、ボデー等への衝合によりロ
ッキングアーム１が撓み、電線の張力と重なって、ロッ
クが解除されるおそれがある。さらに、上記の振動や揺
動によってコネクタのガタツキや接触不良が生じ、不快
な異音の発生原因ともなる。

本考案の目的は、不完全なロックを未然に防止すると共
に使用時にロックが解除されるおそれがなく、電気的接
続の信頼性が高いコネクタのロック装置を提供するにあ
る。

考案の構成 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本考案にあっては、雄型ハ
ウジングの外周壁に係止突起を有すると共に立ち上がり
基部を介して上下に変位するロッキングアームを設け、
雌型ハウジングの套体部に前記ロッキングアームが進退
するアーム収容室と前記係止突起と係合する穴または凹
部とからなる錠止部を設け、両ハウジングの嵌合により
前記ロッキングアームと錠止部が係合して互いにロック
されるコネクタにおいて、前記ロッキングアームに通孔
を設け、雌型ハウジングに可撓性係合子を設け、前記両
ハウジングの嵌合ロック状態において、前記ロッキング
アームの通孔にコネクタ固定用のステーを挿通し、前記
可撓性係合子とコネクタ固定用のステーに設けた穴とを
係合する構成を採用した。

以下、本考案を実施例を示す図面に基いて具体的に説明
する。

〔実施例〕

第１図に本考案装置の分離状態の斜視図、第２図に同上
の嵌合状態の斜視図、第３図に同上の作用状態の要部断
面図を示した。なお、従来例と同様の構成部分には同一
符号を用いて説明を一部省略する。

第１図において、雄型ハウジングＭの外周壁にコネクタ
固定用のステー12に対するコ字状のガイド枠10を設ける
と共に、ロッキングアーム１の立上り基部４に通孔4a
（第３図参照）を開口してある。ガイド枠10は解錠用押
圧部３をも受承できるようにその真下に設けるのが好ま
しい。

一方、雌型ハウジングＦには、その錠止部８の出口部に
おいて該ハウジングＦの後方にのびる可撓性係合子11
（第３図参照）を設け、該係合子11にはステー12の穴12
aと係合する係止爪11aを突設する。この係合子11はステ
ー12に対する係止部を構成する。また、係合子11は前記
通孔4aおよび解錠用押圧部３とガイド枠10間の空間Ｓと
共にステー12に対する差込部を構成する。

ステー12は金属板または合成樹脂製であり、自動車のボ
デー、フレーム、パネル、電気接続箱のような電気機器
の器壁など所望の部位に取付けて、コネクタを固定する
ためのものである。ステー12の後方両側縁にはストッパ
ー12bを突設し、その穴12aに前記係合子11の係止爪11a
が嵌合した位置で止るようにするのが好ましい。

上記構成において、雄型ハウジングＭを雌型ハウジング
Ｆの套体部５に完全に嵌合すれば、従来例と同様にロッ
キングアーム１の係止突起２が錠止部８における段部
７′（第３図）に係合してロックされる。そして、前記
差込部を構成する空間Ｓ、通孔4aおよび係合子11はほぼ
面一状態になる。

この状態で、ステー12を空間Ｓから差込み、通孔4aを貫
通させると、第２図のようにストッパー12bがガイド枠1
0に当接すると共に、その穴12aに係合子11の係止爪11a
が係合しロックされる。

これに対して、第３図のようにロッキングアーム１が下
方に撓んで、係止突起２が段部７′に係合しない不完全
な嵌合ロック状態では、解錠用押圧部３とガイド枠10間
の前記空間Ｓ（即ち差込部）は閉塞されるから、ステー
12の差込みができず、作業者は嵌合を完全に行わなけれ
ばならない。

従って、両ハウジングF,M間の不完全な嵌合ロックを未
然に防止できる。そして、ステー12の差込みにより、ロ
ッキングアーム１の下方への撓み（変位）が阻止され、
ステー12が外されない限り、両ハウジングの解錠は行わ
れない。

第４図ないし第７図は他の実施例を示し、ハウジングに
対するステーの差込構造を強固にしてロック保持力を大
にしたものである。

第４図に示す雄型ハウジングＭでは、ロッキングアーム
１の解錠用押圧部３にステー12に対する通孔3aが設けら
れている。そして、雌型ハウジングＦにおける錠止部
８、すなわちアーム収容室６の上壁両側にステー12に対
するガイド溝13が形成されると共に前記上壁にスリット
6aを開設することにより可撓性係合子11が形成されてい
る。

この場合には、解錠用押圧部３の通孔3aとガイド溝13と
がステー12に対する差込部を構成し、ガイド溝13とその
溝底の係合子11が係止部を構成する。

従って、第６図ａのように両ハウジングF,Mの完全な嵌
合ロック状態で差込部を構成する通孔3aとガイド溝13と
が連通し、第６図ｂのようにステー12を差込んで、ステ
ー12と両ハウジングF,Mのロックが可能となる。

第７図のように、ロッキングアーム１が下方に撓んだま
まの不完全なロック状態では、ステー12の差込みができ
ず、改めて嵌合をやり直す必要がある。

考案の効果 以上説明したように、本考案のコネクタのロック装置
は、雌型および雄型ハウジングが嵌合してそのロッキン
グアームと錠止部とが係合した完全なロック状態ではじ
めてステーの差込みができるようにしたので、不完全な
嵌合ロックはここでチェックされ、また、ステー差込み
によりステーと各ハウジング間が重ねてロックされるの
で、ステーから外れぬ限りロックが解除される心配がな
く、安定な電気的接続状態が得られる。さらに、コネク
タは自動車のボデーや電気接続箱などの電気機器の器壁
に固定されたステーに係止されるから、従前のような宙
吊り状態が解消し、ハウジング間のガタツキや異音の発
生も防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す分離状態の斜視
図、 第２図は同上の嵌合ロック状態の斜視図、 第３図は同上の作用状態を示す要部断面図、 第４図は本考案装置の他の実施例を示す分離状態の斜視
図、 第５図は同上の嵌合ロック状態の斜視図、 第６図a,bはそれぞれ同上のステーによるロックの直前
とロック後を示す要部断面図、 第７図は同上の不完全嵌合ロック状態を示す要部断面
図、 第８図は従来のコネクタのロック装置を示す要部断面
図、 第９図は同上の不完全嵌合ロック状態を示す要部断面図
である。 Ｆ……雌型ハウジング、Ｍ……雄型ハウジング、１……
ロッキングアーム、２……係止突起、３……解錠用押圧
部、４……立上り基部、５……套体部、６……アーム収
容室、７……係止孔、８……錠止部、10……ガイド枠、
11……可撓性係合子、12……ステー、13……ガイド溝、
3a,4a……通孔、11a……係止爪。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 斎藤 仁 静岡県榛原郡榛原町布引原206―１ 矢崎 部品株式会社内 (72)考案者 阿部 公弘 静岡県榛原郡榛原町布引原206―１ 矢崎 部品株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−160674（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】雄型ハウジングの外周壁に係止突起を有す
   ると共に立ち上がり基部を介して上下に変位するロッキ
   ングアームを設け、雌型ハウジングの套体部に前記ロッ
   キングアームが進退するアーム収容室と前記係止突起と
   係合する穴または凹部とからなる錠止部を設け、両ハウ
   ジングの嵌合により前記ロッキングアームと錠止部が係
   合して互いにロックされるコネクタにおいて、 前記ロッキングアームに通孔を設け、雌型ハウジングに
   可撓性係合子を設け、前記両ハウジングの嵌合ロック状
   態において、前記ロッキングアームの通孔にコネクタ固
   定用のステーを挿通し、前記可撓性係合子とコネクタ固
   定用のステーに設けた穴とを係合することを特徴とする
   コネクタのロック装置。