JPH06414Y2 - 板ガラスの曲げ成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えば自動車のリヤウインドを成形する装置に
関する。

（従来の技術） 最近の自動車用ウインドガラスとして深曲げ形状のもの
或いは複雑な形状のものが要求される場合ばあり、斯か
る形状に板ガラスを成形するには、自重法によることは
困難なので、一対の型間でプレス成形するようにしてい
る。

具体的には特公昭４１−１５４２９号に開示されるよう
な吊りプレス法、実開昭６２−１２９０３３号に開示さ
れるようにプレスロールを収納するための凹部を形成し
た下型を用いる方法、更に特開昭６２−２７０４２９号
に開示されるように、水平状態で搬送されてきた板ガラ
スを凸型で吸引し、その下方に下型を臨ませてプレス成
形する方法等が知られている。

（考案が解決しようとする課題） 板ガラスの上縁をトングによって吊り下げる吊りプレス
法にあっては、板ガラスにトング跡が付き、下型上又は
リングモールド上に板ガラスを移載するためのプレスロ
ール収納凹部を有する型を用いて成形する方法にあって
は、該凹部の跡が板ガラスに転写され、更に曲げ成形す
る前の板ガラスを凸型にて吸収する方法にあっては、強
く吸引しなければならないので凸型に貼着したクロス
（断熱材）の跡が付いたり、型離れ及び型当り不良を生
じやすい。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本考案は、加熱炉の下流端に成形
ゾーンを設けた成形装置において、この成形ゾーンの直
前に移載ゾーンを、成形ゾーンの下流側で加熱炉の外部
に急冷ゾーンを設け、これら各ゾーン間をリングモール
ドが往復動し得るようにした。

（作用） 加熱炉内を水平状態で搬送されてきた板ガラスは移載ゾ
ーンにおいてリングモールド上に受け渡され、このリン
グモールドごと板ガラスはプレス成形型間に投入され、
成形後の板ガラスはリングモールド上に載置された状態
で加熱路外の急冷装置に搬入される。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

第１図（Ａ）乃至（Ｆ）は第１実施例に係る成形装置の
構成及び作用を示す断面図であり、成形装置は加熱炉１
の下流端に成形ゾーン２を設け、この成形ゾーンの直前
に移載ゾーン３を設け、成形ゾーン２の下流側で加熱炉
１外には急冷ゾーン４を設けている。

加熱炉１内には板ガラスＧを水平状態で搬送する搬送ロ
ーラ５…を配設し、成形ゾーン２には昇降動する凸型６
及び凹型７を設け、凸型６については下面の成形面にて
成形後の板ガラスＧを吸着し得るように図示しない真空
ポンプにつながっている。また凹型７についてはその上
面全面を成形面としている。

また移載ゾーン３と成形ゾーンとの間にはこれらのゾー
ン間を往復動する第１のリングモールド８を配設し、移
載ゾーン３には第１のリングモールド８内に収まる方法
の昇降ローラ９を配設している。ここで第１のリングモ
ールド８の形状は最終製品形状よりも浅い形状とし、予
備成形を行うようにしている。

更に加熱炉１の出口１０は扉１１を上下することで開閉
され、成形ゾーン２と急冷ゾーン４との間には前記扉１
１を開とした状態でこれらゾーン間を往復動する第２の
リングモールド１２を配設している。この第２のリング
モールド１２は最終製品形状をしている。

また急冷ゾーン４には上下に圧気源とつながるボックス
１３，１３が設けられ、これらボックス１３，１４は成
形後の板ガラスＧ表面にエアを噴出するノズル１５，１
６を備えている。

以上の如き構成からなる成形装置の作用を以下に述べ
る。

先ず加熱炉１内を搬送ローラ５…によって水平状態で搬
送されて加熱された板ガラスＧは移載ゾーン３に入り、
第１図（Ａ）に示すように上昇位置にある昇降ローラ９
上に送り出される。すると第１図（Ｂ）に示すように昇
降ローラ９が下降して第１のリングモールド８上に板ガ
ラスＧを受け渡す。

次いで第１のリングモールド８は第１図（Ｃ）に示すよ
うに板ガラスＧを載置したまま凸型６と凹型７間に入り
込み、この間に板ガラスＧを予備成形する。そして第１
図（Ｄ）に示すように凸型６と凹型にて板ガラスＧをプ
レス成形する。

この後、第１図（Ｅ）に示すように第１のリングモール
ド８は移載ゾーン３に戻り、凸型６は成形後の板ガラス
Ｇを吸着したまま上昇し、凹型７は下降し、更に第２の
リングモールド１２が凸型６と凹型７間に入り込む。次
いで、第１図（Ｆ）に示すように移載ゾーン３にあって
は昇降ローラ９が上昇し、また凸型６によって吸着され
ていた板ガラスＧは吸着状態を解除されて第２のリング
モールド１２上に移され、第２のリングモールド１２ご
と急冷ゾーン４のボックス１３，１４間に臨む。この後
は第１図（Ａ）に示したようにボックス１３，１４のノ
ズル１５，１６から噴出するエアによって板ガラスＧは
急冷強化される。

第２図は別実施例を示す断面図であり、この実施例にあ
っては、１つのリングモールド２０によって移載ゾーン
３から急冷ゾーン４に至るまで板ガラスＧを支持するよ
うにしており、したがって、凸型６は板ガラスＧを吸着
する必要がなく、その成形面には吸着用の穴を設けてい
ない。

（考案の効果） 以上に説明したように本考案に係る成形装置によれば、
凸型及び凹型の双方とも全面で板ガラスを成形できるの
で、従来のような吊り跡、或いはプレスロール収納凹部
の跡がつくことがなく、更に第１実施例にあっては第１
のリングモールドによって予備成形ができるので深曲げ
或いは複雑な形状の板ガラスを精度良く成形することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）乃至（Ｆ）は本考案に係る曲げ成形装置の
構造と作用を示す断面図、第２図は別実施例を示す断面
図である。 尚、図面中、１は加熱炉、２は成形ゾーン、３は移載ゾ
ーン、４は急冷ゾーン、６は凸型、７は凹型、８，１
２，２０はリングモールド、９は昇降ローラである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱炉の下流端に板ガラスを曲げ成形する
   成形ゾーンを設け、この成形ゾーンの直前に板ガラスの
   移載ゾーンを設け、また成形ゾーンの下流側の加熱炉外
   に急冷ゾーンを設け、これら各ゾーン間をリングモール
   ドが往復動するようにし、更に前記移載ゾーンには上昇
   位置にて搬送ローラから板ガラスを受取り、下降するこ
   とでリングモールド上に板ガラスを受渡す昇降ローラを
   配置したことを特徴とする板ガラスの曲げ成形装置。
2. 【請求項２】前記リングモールドは移載ゾーンと成形ゾ
   ーンとの間を往復動する第１のリングモールドと成形ゾ
   ーンと急冷ゾーンとの間を往復動する第２のリングモー
   ルドからなり、また成形ゾーンに配置される凸型は成形
   後の板ガラスを吸着し得る構造となっていることを特徴
   とする請求項（１）に記載の板ガラスの曲げ成形装置。