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JPH0629745A - 位相ロック・ループ用部分パルス・ハイト型基準周波数発生回路 - Google Patents

位相ロック・ループ用部分パルス・ハイト型基準周波数発生回路

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Publication number
JPH0629745A
JPH0629745A JP3358558A JP35855891A JPH0629745A JP H0629745 A JPH0629745 A JP H0629745A JP 3358558 A JP3358558 A JP 3358558A JP 35855891 A JP35855891 A JP 35855891A JP H0629745 A JPH0629745 A JP H0629745A
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zero
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JP3358558A
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Toshio Hori
敏夫 堀
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INTAANIX KK
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相ロック・ループを駆動する基準周波数発
生回路を有するものとして、従来に比してより一層ハー
ドウェア処理による高速処理化が可能でかつコストの低
減化に有効な位相ロック・ループ用部分パルス・ハイト
型基準周波数発生回路の提供を目的とする。 【構成】 小数点分周可能な出力信号をもとに基準入力
信号をHighレベル周期を検出するHighレベル周
期検出器42、Lowレベル周期を検出するLowレベ
ル周期検出器43、ゼロ・クロス期間を検出するゼロ・
クロス期間検出器44などで合成したデジタル信号を発
生させるコントロール部40と、上記コントロール部4
0からのデジタル信号をアナログ変換し、不要なノイズ
成分を除去してから再度デジタル信号に変換するアナロ
グ部50とで構成され、上記アナログ部50からの出力
信号を位相ロック・ループへ入力させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相ロック・ループの
基準入力信号を発生させるための位相ロック・ループ用
部分パルス・ハイト型基準周波数発生回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】位相ロック・ループ(PLL)を用いた
周波数シンセサイザは、高精度の固定基準周波数発生器
を使用し、その周波数確度のままでほぼ任意の周波数を
発生させる手段として、多くの分野で利用されている。
そして、高精度な基準周波数発生器として、周囲温度,
回路負荷,電源電圧の広範囲な変動などに対して一定値
を保つことが要求されるような場合には、いわゆる水晶
発振回路にTTL−ICやCMOS−IC等を組み合わ
せたものが多く用いられている。しかしながら、このよ
うな周波数シンセサイザは位相ロック・ループ内の分周
器を可変して希望出力周波数を得るようにしているた
め、分周比によりループ・ゲインが変化しまたセトリン
グ・タイムが大きく変化する。また、速いセトリング・
タイムで安定性を得ることは難しいため、通常オーバー
・ダンピングで使用してさらにこのような組み合わせで
は任意の周波数を自由に得ることは難しいため、通常は
極度に高いクロック源を用いる必要があった。
【0003】図9に位相ロック・ループを用いた周波数
シンセサイザの従来例を示す。すなわち、周知のように
位相ロック・ループは位相比較器(PC)1,低域フィ
ルタ(LPF)2,増幅器(A)3,電圧制御発振器
(VCO)4等より構成されるが、この位相ロック・ル
ープを用いた周波数シンセサイザにおける電圧制御発振
器4の発振周波数fO は、下記のようになり、分周回路
5,6のそれぞれの分周比m,nにより、水晶発振回路
7からの単一の発振周波数frに基づいて種々の発振周
波数を得ることができる。
【0004】
【数1】
【0005】従来の位相ロック・ループを用いた周波数
シンセサイザでは、高速セトリングの要求がなかったた
め、分周回路6における分周比nと分周回路5における
分周比mの組み合わせで任意の周波数を発生させてい
る。しかし、位相ロック・ループの安定性およびセトリ
ング・タイムが位相ロック・ループ内の分周回路5の分
周比mによって変化するという問題もあった。
【0006】このため近年は、図9に示したような水晶
発振回路7である固定周波数源に代わって、安定な可変
周波数源を用いて周波数シンセサイザを実現する方法
が、例えば米国特許第4965533号や米国特許第5
028887号等によって提案されてきている。すなわ
ち、安定な可変周波数源としてのダイレクト・デジタル
・シンセサイザ(DDS)による基準周波数発生であ
り、このダイレクト・デジタル・シンセサイザによって
位相ロック・ループを駆動するようにした周波数シンセ
サイザ、いわゆるDDSドライブ型周波数シンセサイザ
の出現である。
【0007】図10にDDSドライブ型周波数シンセサ
イザの従来例を示す。このDDSドライブ型周波数シン
セサイザは、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ10
の次段に、位相検波器11,ループ・フィルタ12,電
圧制御発振器(VOC)13およびこの電圧制御発振器
13と位相検波器11間を接続する固定分周器14より
なる位相ロック・ループが接続された構成とされてい
る。しかし、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ10
に要求される周波数ステップが小数点分周動作になるた
め、デジタル回路だけでは希望周波数が発生できなくな
る。
【0008】図11は図10のダイレクト・デジタル・
シンセサイザ10をより詳細に示したブロック図であ
り、これを図12に示したようにアキュームレータ(累
積器)30aとレジスタ30bで構成された累算回路3
0を4ビットにした簡略化モデルとして説明すれば次の
ようになる。すなわち、fCL=16MHZ クロックで使
用した場合、位相増分値Δθをバイナリデータとしてア
キュームレータ30に設定すると、基準周波数fR は、
【0009】
【数2】 で与えられる。
【0010】そこで、任意の周波数を得るには、この位
相増分値Δθを可変させればよいことになる。これは言
わばアキュームレータ分周器とも言えるもので、図13
にその分周のメカニズムとその出力波形である鋸波を示
す。この図13から明らかなように、位相増分値Δθに
よって増分値/クロックが異なることがわかる。
【0011】従って、その位相増分値Δθを24°から
44°まで変化させた場合、図11に示すサインLUT
(ルック・アップ・テーブル)31の出力波形は、図1
4に示した階段状正弦波のデジタル値が得られる。そし
て、位相増分値Δθを22.5°として、発生波形を基
準にしたクロック・シフトの状態を示すのが図15であ
る。
【0012】このアキュームレータ分周器は、あくまで
も周期関数発生器として働き、そのアキュームレータ出
力である階段状鋸波のデジタル値をサインLUT31通
過させて、正弦波のデジタル・データ値を読み出す。
【0013】次に、その正弦波のデジタル・データ値を
次段のD/Aコンバータ32に加えてアナログ波形に変
換し、かつアナログ変換された出力信号を次段の高次L
PF(高次低域通過フィルタ)33に与え、スムージン
グ(補間)を行うと共にクロック周波数成分を除去す
る。
【0014】この高次LPF33からの出力は、次段の
高域通過フィルタ(HPF)34に与えられ、先のD/
A変換時の量子化エラーおよびその他の誤差による帯域
内ジッタを除去する。そして、この高域通過フィルタ3
4からの出力は、再度デジタル信号に変換するために、
次段に接続されコンデンサCおよびアナログ・ボルテー
ジ・コンパレータ35aよりなる高ゲインのAC結合コ
ンパレータ35に与えられ、このAC結合コンパレータ
35からの出力信号がダイレクト・デジタル・シンセサ
イザ10の基準周波数出力fR となり、位相ロック・ル
ープを駆動することとなる。
【0015】この場合、AC結合コンパレータ35のゲ
インが高いほどジッタを少なくでき、また整数分周N=
64とした場合の図11におけるA点,B点,C点,D
点(A点のMSB)の各出力波形は図16で示される波
形となる。さらに、小数点分周N=7.2とした場合
は、同様に図17で示される波形となり、スタート点と
最終点がシフトするのと同時に一周期毎に波形が異なっ
てくるのであるが、図18で示すように図12における
MSBビット出力は5周期毎に同じシーケンスを描くの
で、周期性は存在することがわかる。従って、このまま
では各周期毎に周波数が異なってしまい、基準周波数f
R としては使用できないので、これを補正するために一
度サインLUT31、D/Aコンバータ32を用いてア
ナログ信号に変換する。そして、このアナログ信号は後
続の高次LPF33によってクロックが除去されると同
時に位相連続性のある信号とされ、さらにその信号を後
続の高域通過フィルタ34を通してジッタを軽減した後
に、再びデジタル信号へ戻すためにAC結合コンパレー
タ35を通して周波数基準信号を発生させる。このよう
に動作する従来のDDSドライブ型周波数シンセサイザ
は小数点分周も可能であるため、任意の周波数を発生さ
せることができることとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
したダイレクト・デジタル・シンセサイザ10では、発
生周期にかかわらず、累算した位相値をもとにサインL
UT31から正弦波のデジタル・データ値を読み出して
D/A変換を行う。しかし、この変換を行うD/Aコン
バータ32には高速高分解能のものが必要になるので、
コストが増大するという問題がある。なお、アキューム
レータ分周の場合の周波数精度とアキュームレータ30
のビット幅の関係は、
【0017】
【数3】ビット数=INT〔0.5+ LOg 2(1/周波
数精度)〕
【0018】で与えられるため、周波数精度を1ppm
(10-6)とすると、アキュームレータ30のビット幅
が20ビットとなる。また、D/Aコンバータ32の出
力波形は階段状正弦波となるので、D/Aコンバータ3
2の後には高性能な低域通過フィルタである高次LPF
33が必要となる。しかして、近い将来には限られたサ
ンプル・パルスを用いて基準周波数をダイレクト・デジ
タル・シンセサイザにて発生し、位相ロック・ループを
高安定で周波数切り換えるセットリング・タイムが1m
S以下を要求されるようなデジタル・セルラー電話、デ
ジタル・コードレス電話あるいはデジタルPBX等の普
及が予測される。
【0019】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、位相ロック・ループを駆動する基準周波
数発生回路として、従来に比してより一層ハードウェア
処理による高速処理化が可能でかつコストの低減化に有
効な位相ロック・ループ用部分パルス・ハイト型基準周
波数発生回路の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、小数点分周を可能にするために位相アキュームレ
ータのMSB出力信号をもとに基準周波数信号のHig
hレベル周期を検出するHighレベル周期検出器、L
owレベル周期を検出するLowレベル周期検出器、ゼ
ロ・クロス期間を検出するゼロ・クロス期間検出器など
で構成したコントロール部と、 上記コントロール部か
らのコントロール信号でゼロ・クロス期間のデジタル信
号をアナログ変換し、その信号をゼロ・クロス期間に与
えると共にHighレベル周期にフルー・スケールを与
えかつLowレベル周期にゼロ値を同様に与えて部分パ
ルス・ハイト信号を発生させ、その信号から不要なノイ
ズ成分を後続の低域通過フィルタで除去してからアナロ
グ・コンパレータを通して再度デジタル信号に変換する
アナログ部とで構成され、上記アナログ部からの出力信
号を後段の位相ロック・ループへ入力させることを特徴
とする。また、基準周波数信号を受けると同時に自己の
発振出力波形との位相を比較し、その誤差を小さくする
方向に発振出力周波数を制御させることにより、基準周
波数にロックまたは追従動作を行う位相同期ループの基
準周波数発生回路において、与えた基準周波数に対応し
た設定値である位相増分値Δθを累算する位相アキュー
ムレータと、この位相アキュームレータにおける累算結
果である出力値のMSBビット出力からHighレベル
周期を検出するHighレベル周期検出器、Lowレベ
ル周期を検出するLowレベル周期検出器およびゼロ・
クロス期間を検出するゼロ・クロス期間検出器と、上記
位相アキュームレータにおける累算結果である出力値の
MSBビットを除く下位ビット出力から位相余り値の抜
き取りを行う位相余り値抜き取り器と、上記位相余り値
抜き取り結果の出力と上記位相増分値Δθとを元にL→
H、およびH→Lのゼロ・クロス信号を発生させるスィ
ッチ手段と、ゼロ・クロス期間内の真のゼロ・クロスを
基準とした前データまたは後データをスケーリングする
スケーリング器と、上記ゼロ・クロス期間の前データま
たは後データをスケーリング器に入力し、その出力をア
ナログ信号に変換するD/Aコンバータと、上記D/A
コンバータによって変換されたアナログ信号出力をゼロ
・クロス期間に与えると共にHighレベル周期にフル
ー・スケールをかつLowレベル周期にゼロ値を同様に
与えて部分パルス・ハイト波形出力信号を発生させ、こ
れをクロック・ノイズのない正弦波とする低域通過フィ
ルタと、上記低域通過フィルタからの出力信号が入力さ
れ、この出力信号の低調波成分を除去する高域通過フィ
ルタと、上記高域通過フィルタからの出力信号が入力さ
れ、これを基準周波数信号としてのデジタル信号に変換
するコンパレータとよりなり、上記基準周波数信号を基
準周波数として位相ロック・ループに出力することによ
り位相ロック・ループの駆動を行うことを特徴とする。
また、D/Aコンバータの前段に波形発生のサンプル数
に応じてパイプライン遅延を行うデジタル回路手段を備
えることを特徴とするか、D/Aコンバータの前段に3
系列のバッファを備えさせ出力イネーブル信号で各信号
系列を選択できるようにしたことを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、発生させるべき基準周波数に
対応した設定値である位相増分値Δθを位相アキューム
レータに与えると、アキュームレータ分周出力として階
段状鋸波としてのデジタル信号が発生される。そして、
位相アキュームレータ出力のMSBビット出力から、H
ighレベル期間であるかどうかの検出を、同様にLo
wレベル期間であるかどうかの検出を、同じくゼロ・ク
ロス期間の検出を行う。さらに、位相アキュームレータ
出力のMSBビット出力を除く下位ビット出力を、上記
したゼロ・クロス期間の検出値により位相余り値を抜き
取って記録・保持する。それを、引き算器で演算された
結果の値(at180°H→L)または位相余り値(a
t0°or360°L→H)そのもののいずれかを選択
して、スケーリング器でスケーリング値として出力さ
せ、ゼロ・クロス期間内にその値をD/Aコンバータに
与える。
【0022】そして、このD/Aコンバータからの出力
信号はゼロ・クロス期間に与え、Highレベル周期に
フルー・スケール、Lowレベル周期にゼロ値を同様に
与えて部分パルス・ハイト波形出力信号を発生させ、そ
の信号が急峻な低域通過フィルタに入力されてクロック
・ノイズのないきれいな正弦波として出力され、かつ高
域通過フィルタに入力されて低調波が除去され、コンパ
レータにより基準周波数信号としてのデジタル信号に変
換されて位相ロック・ループに入力され、位相ロック・
ループを駆動することとなる。また、D/Aコンバータ
の前段にパイプ・ライン遅延回路手段を挿入配置した場
合には、次段のD/Aコンバータのスピードを緩和する
ように働く。
【0023】
【実施例】次に、本発明の好ましい一実施例を添付図面
を参照して説明する。図1は本発明の基本構成を示すブ
ロック図で、大別するとコントロール部40とアナログ
部50に分けられる。すなわち、コントロール部40は
発生させる基準周波数に対応した設定値として位相増分
値Δθが入力される位相アキュームレータ41が設けら
れ、その後段にはHighレベル周期検出器42,Lo
wレベル周期検出器43,ゼロ・クロス期間検出器44
が接続されている。また、これとは別に位相アキューム
レータ41の後段には位相余り値抜き取り器45(VCC
=後データ)が接続され、かつ位相余り値抜き取り器4
5の出力と上記位相増分値Δθとの引き算器(Δθ−V
ACC =前データ)46が接続されている。47はスケー
リング器(VACC /Δθ)であり、Highレベル周期
およびLowレベル周期のアナログ電圧とゼロ・クロス
期間に与える前データまたは後データのアナログ電圧の
スケーリングを合わせるためのものである。アナログ部
50はコントロール部40のHighレベル周期検出器
42,Lowレベル周期検出器43,ゼロ・クロス期間
検出器44からの出力信号によって制御されるスィッチ
(SW1 〜SW3 )が設けられており、またSW1 〜S
3を介して入力される入力信号を受けるバッファ51
を有し、このバッファ51の後段には低域通過フィルタ
(LPF)52,高域通過フィルタ(HPF)53,コ
ンパレータ54が接続されている。55はD/Aコンバ
ータでありスケーリング器47および基準電圧源VREF
の値をデジタル−アナログ変換してSW3 へ出力する。
次に、コントロール部40の動作を図2に示す回路図を
参照しつつ説明する。なお、図3はコントロール部40
の内部における出力波形のタイミング図である。発生さ
せるべき基準周波数に対応した設定値として位相増分値
Δθを、累算器であるアキュームレータ(ALU)41
aとレジスタ41bから構成された位相アキュームレー
タ41に与えて分周出力を得る。このアキュームレータ
分周出力なるデジタル信号のMSBビットの波形を、イ
ンバータ400で反転させたものが図3Aで示した波形
となる。そして、このMSBビット出力をインバータ4
00で反転させてDフリップ・フロップ(D−FF)4
01,エクスクルーシブ・オア(EX−OR)ゲート4
02,インバータ403,アンド(AND)ゲート40
4で構成されたHighレベル周期検出器42で、Hi
ghレベル期間信号なる出力信号を生成する。このHi
ghレベル期間信号は図3Dで示した波形となる。同様
にMSBビット出力を元にインバータ400,Dフリッ
プ・フロップ(D−FF)401,エクスクルーシブ・
オア(EX−OR)ゲート402,ノア(NOR)ゲー
ト405で構成されたLowレベル周期検出器43で、
Lowレベル期間信号なる出力信号を生成する。このL
owレベル期間信号は図3Eで示した波形となる。
【0024】さらに、同じくMSBビット出力を元にイ
ンバータ400,Dフリップ・フロップ(D−FF)4
01,エクスクルーシブ・オア(EX−OR)ゲート4
02で構成されたゼロ・クロス期間検出器44で、ゼロ
・クロス期間信号なる出力信号を生成する。このゼロ・
クロス期間信号は図3Cで示した波形となる。図3Bで
示した波形は、上記MSBビット出力をインバータ40
0で反転させさらにDフリップ・フロップ(D−FF)
401により、システム・クロックの1クロック分遅延
させた波形となることを示す。また、図3Fで示した波
形は上記アキュームレータ分周出力のMSBビットを除
く下位ビット、すなわち(MSB−1)ビット〜LSB
ビットまでの波形を示す。そして、上記ゼロ・クロス期
間信号をトリガー信号として、上記アキュームレータ分
周出力のMSBビットを除く下位ビット出力信号をDラ
ッチ45に取り込みVACC 信号としている。
【0025】ところで、アキュームレータ分周出力は図
6で示されるゼロ・クロス周期期間の終了時に(H→
L)または(L→H)にMSBが変化するが、そのゼロ
・クロス期間内の真のゼロ・クロス(0°、180°)
とゼロ・クロス期間の始まりおよび終了時とどれだけズ
レでいるかを示したのが図7の表である。図7の表はΔ
θが50°の時の例を示すものであるが、この表から最
初の周期の0°の場合のゼロ・クロスはズレがないの
で、そのままHighレベルに立ち上がるが、180°
の場合のゼロ・クロスはMSBビット反転の前である2
0°の位置になることがわかる。180°に真のゼロ・
クロスが存在する場合、150°→200°とクロック
が進むので30:20の前/後デュティ比となる。(H
→L)クロスの場合には前データ(Δθ−VACC )なる
演算結果を出力する引き算器46の出力信号を選択しス
ケーリング器47へ入力することとなる。スケーリング
器47では30:20の場合には30/50の振幅レベ
ルとしてスケーリングし、このスケーリング値をゼロ・
クロス期間中だけ次段のD/Aコンバータ55へ入力す
るようにしておく。
【0026】2周期目の0°の場合のゼロ・クロスは図
7の表から40°進んでいることがわかるが、この場合
クロック内の前/後デュティ比は10:40となるが、
(L→H)クロスの場合は後データ(VACC )信号を選
択しスケーリング器47へ入力することとなる。同様に
スケーリング器47では10:40の場合には40/5
0の振幅レベルとしてスケーリングし、このスケーリン
グ値をやはりゼロ・クロス期間中だけ次段のD/Aコン
バータ55へ入力するようにしておく。すなわち、(H
→L)クロスの場合は前/後デュティ比の前データをス
ケーリングしてゼロ・クロス期間中次段のD/Aコンバ
ータ55に与え、(L→H)クロスの場合は前/後デュ
ティ比の後データをスケーリングしてゼロ・クロス期間
中次段のD/Aコンバータ55に与えることとなる。さ
らに、Highレベル期間中は“H”レベルデータを、
Lowレベル期間中は“L”レベルデータをこのD/A
コンバータ55に与えることとなる。
【0027】かくしてアナログ部50のD/Aコンバー
タ55に入力される波形は図8で示したような波形とな
り、前データは引き算器46で前データ=(Δθ−後デ
ータ)として作っている。図8の信号はD/Aコンバー
タ55で、デジタル−アナログ変換されて次段の低域通
過フィルタ(LPF)52へ入力され、さらに次段の高
域通過フィルタ(HPF)55へ入力されることとな
る。これらの2段のフィルタ52,53で不要な成分が
取り除かれた後、コンパレータ54へ入力され、基準周
波数信号としてのデジタル信号fR に変換されて、図示
しないが後段の位相ロック・ループを駆動することとな
る。
【0028】なお、図1に示したようにD/Aコンバー
タ55の負担を軽減させるためにHighレベル周期検
出器42、Lowレベル周期検出器43からの信号を直
接アナログ・スイッチに与え、それにゼロ・クロス期間
検出器44、スケーリング器47の各器とD/Aコンバ
ータ55から与えられるアナログ信号を足し合わせて部
分パルス・ハイト波形を発生させることもできる。各ス
イッチSW1 〜SW3およびD/Aコンバータ55の動
作タイミングに合わせるために、パイプ・ライン遅延を
行わせるためのデジタル回路手段であるDラッチ410
〜417を挿入配置してD/Aコンバータ55のサンプ
リング・レートを緩和させるようにしてもよい。また、
アナログ部50は図1に示した構成の他、図4に示すよ
うに、D/Aコンバータ55の前にバッファ500〜5
02を3系列備えさせ、出力イネーブルで各信号系列を
D/Aコンバータ55に選択的に入力させるようにして
もよい。この場合には、Highレベル周期検出器42
はHighレベル期間を示す信号を出力するので、この
出力信号が“1”の時はD/Aコンバータ55の入力ラ
インには全ビットを“H”レベルにするデジタル信号を
与える。なお、正確にはHighレベルが2n −1のレ
ベルになるので2n −(2n −1)の誤差がHighレ
ベルに含まれる。このためHighレベルでは1ビット
増しMSB=1とし、MSBを除いた下位データをオー
ルゼロとして対応させる。Lowレベル周期検出器43
はLowレベル期間を示す信号を出力するので、この出
力信号が“1”の時はD/Aコンバータ55の入力ライ
ンには、全ビットを“L”レベルにするデジタル信号を
与える。
【0029】さらに、ゼロ・クロス期間検出器44はゼ
ロ・クロス期間を示す信号を出力するので、この出力信
号が“1”の時はD/Aコンバータ55の入力ラインに
はスケーリング器47から出力されたスケーリング値な
るデジタル信号を与えることとなる。なお、図6からわ
かるようにHighレベル期間、ゼロ・クロス期間、L
owレベル期間、ゼロ・クロス期間が順次繰り返されて
いくので、これらの期間が同時に存在することがない。
従って、上記Highレベル周期検出器42の出力信
号、Lowレベル周期検出器43の出力信号、ゼロ・ク
ロス期間検出器44の出力信号が同時に“1”となるよ
うな事態は発生しないので、D/Aコンバータ55の入
力ラインにはHighレベル期間には全ビットが“H”
レベルを、Lowレベル期間には全ビットが“L”レベ
ルを、ゼロ・クロス期間にはスケーリング値とを順次選
択的にD/Aコンバータ55に入力されることとなる。
【0030】
【発明の効果】上述したように、本発明における位相ロ
ック・ループの基準周波数発生回路は、従来のように位
相アキュームレータの後にサインLUTを使用していな
いのでLUTを参照するという膨大な容量のROMが必
要なく、また高速高分解能のD/Aコンバータを必要と
しないため、コストの低減化を図りつつ容易に位相ロッ
ク・ループを駆動する任意の周波数を発生させることが
できる。また、デジタル値である信号とアナログ値であ
る信号を順次選択的に切り換えて部分パルス・ハイト波
形を発生させるので、発生周波数の各周期の面積を全て
等しくでき、後続のフィルタ群に経由させてジッタのな
いきれいなコンパレータ出力波形を得ることが可能であ
る。このように、本発明に係る位相ロック・ループ用部
分パルス・ハイト型基準周波数発生回路は、発生周期に
少ないサンプリング・パルスしか利用できない基準周波
数の発生の補償技術を提供するものであるためたいへん
重要な技術であり、近い将来高安定で周波数切り換える
セットリング・タイムが1mS以下を要求されるような
デジタル・セルラー電話、デジタル・コードレス電話、
デジタルPBX用途等に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明におけるコントロール部の一実施例を示
す回路図。
【図3】コントロール部の内部における出力波形のタイ
ミングを示す図。
【図4】本発明におけるアナログ部の他の実施例を示す
ブロック図。
【図5】小数点分周時のアキュームレータ分周器出力の
MSBビット出力波形図。
【図6】アキュームレータ分周器出力信号において各周
期を定義する説明図。
【図7】各ゼロ・クロスと目標ゼロ・クロスとのズレを
示す図。
【図8】部分パルス・ハイト型の出力波形を示す図。
【図9】従来の位相同期ループを用いた周波数シンセサ
イザのブロック図。
【図10】従来のDDSドライブ型周波数シンセサイザ
を示すブロック図。
【図11】図10におけるダイレクト・デジタル・シン
セサイザの詳細を示すブロック図。
【図12】図11のアキュームレータ部分を4ビットに
簡略化した説明図。
【図13】アキュームレータ分周のメカニズムを示す
図。
【図14】図10におけるダイレクト・デジタル・シン
セサイザのクロックを基準にした発生波形を示す図。
【図15】発生波形を基準にしたクロック・シフトを示
す図。
【図16】整数分周の場合の波形図。
【図17】小数点分周の場合の波形図。
【図18】小数点分周の場合のMBS出力波形図。
【符号の説明】
40 コントロール部 41 位相アキュームレータ 42 Highレベル周期検出器 43 Lowレベル周期検出器 44 ゼロ・クロス期間検出器 45 位相余り値抜き取り器 46 引き算器 50 アナログ部 52 低域通過フィルタ 53 高域通過フィルタ 54 コンパレータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小数点分周を可能にするために位相アキ
    ュームレータのMSB出力信号をもとに基準周波数信号
    のHighレベル周期を検出するHighレベル周期検
    出器、Lowレベル周期を検出するLowレベル周期検
    出器、ゼロ・クロス期間を検出するゼロ・クロス期間検
    出器などで構成したコントロール部と、 上記コントロ
    ール部からのコントロール信号でゼロ・クロス期間のデ
    ジタル信号をアナログ変換し、その信号をゼロ・クロス
    期間に与えると共にHighレベル周期にフルー・スケ
    ールを与えかつLowレベル周期にゼロ値を同様に与え
    て部分パルス・ハイト信号を発生させ、その信号から不
    要なノイズ成分を後続の低域通過フィルタで除去してか
    らアナログ・コンパレータを通して再度デジタル信号に
    変換するアナログ部とで構成され、 上記アナログ部からの出力信号を後段の位相ロック・ル
    ープへ入力させることを特徴とする位相ロック・ループ
    用部分パルス・ハイト型基準周波数発生回路。
  2. 【請求項2】 基準周波数信号を受けると同時に自己の
    発振出力波形との位相を比較し、その誤差を小さくする
    方向に発振出力周波数を制御させることにより、基準周
    波数にロックまたは追従動作を行う位相ロック・ループ
    の基準周波数発生回路において、 与えた基準周波数に対応した設定値である位相増分値Δ
    θを累算する位相アキュームレータと、 この位相アキュームレータにおける累算結果である出力
    値のMSBビット出力からHighレベル周期を検出す
    るHighレベル周期検出器、Lowレベル周期を検出
    するLowレベル周期検出器およびゼロ・クロス期間を
    検出するゼロ・クロス期間検出器と、 上記位相アキュームレータにおける累算結果である出力
    値のMSBビットを除く下位ビット出力から位相余り値
    の抜き取りを行う位相余り値抜き取り器と、 上記位相余り値抜き取り結果の出力と上記位相増分値Δ
    θとを元にL→H、およびH→Lのゼロ・クロス信号を
    発生させるスィッチ手段と、 ゼロ・クロス期間内の真のゼロ・クロスを基準とした前
    データまたは後データをスケーリングするスケーリング
    器と、 上記ゼロ・クロス期間の前データまたは後データをスケ
    ーリング器に入力し、その出力をアナログ信号に変換す
    るD/Aコンバータと、 上記D/Aコンバータによって変換されたアナログ信号
    出力をゼロ・クロス期間に与えると共にHighレベル
    周期にフルー・スケールをかつLowレベル周期にゼロ
    値を同様に与えて部分パルス・ハイト波形出力信号を発
    生させ、これをクロック・ノイズのない正弦波とする低
    域通過フィルタと、 上記低域通過フィルタからの出力信号が入力され、この
    出力信号の低調波成分を除去する高域通過フィルタと、 上記高域通過フィルタからの出力信号が入力され、これ
    を基準周波数信号としてのデジタル信号に変換するコン
    パレータとよりなり、 上記基準周波数信号を基準周波数として位相ロック・ル
    ープに出力することにより位相ロック・ループの駆動を
    行うことを特徴とする位相ロック・ループ用部分パルス
    ・ハイト型基準周波数発生回路。
  3. 【請求項3】 D/Aコンバータの前段に波形発生のサ
    ンプル数に応じてパイプライン遅延を行うデジタル回路
    手段を備えることを特徴とする請求項2記載の位相ロッ
    ク・ループ用部分パルス・ハイト型基準周波数発生回
    路。
  4. 【請求項4】 D/Aコンバータの前段に3系列のバッ
    ファを備えさせ、出力イネーブル信号で各信号系列を選
    択できるようにしたことを特徴とする請求項2または3
    記載の位相ロック・ループ用部分パルス・ハイト型基準
    周波数発生回路。
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