JPH0624880A - 金属−セラミックス複合体及びその製造方法 - Google Patents
金属−セラミックス複合体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0624880A JPH0624880A JP17642892A JP17642892A JPH0624880A JP H0624880 A JPH0624880 A JP H0624880A JP 17642892 A JP17642892 A JP 17642892A JP 17642892 A JP17642892 A JP 17642892A JP H0624880 A JPH0624880 A JP H0624880A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tungsten
- metal
- copper
- layer
- layers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 繰り返し耐熱衝撃性に優れた信頼性の高い金
属−セラミックス複合体及びその製造方法を提供するこ
とである。 【構成】 金属−セラミックス複合体は、アルミナまた
は窒化アルミニウムセラミックス基板と、該セラミック
ス基板の表面上に重ねて形成された少なくとも2層の互
いに焼結密度の異なるタングステン金属層とを備えてお
り、前記タングステン金属層のタングステン粒子間隙に
は、銅あるいは銅合金が含まれている。 【効果】 周囲の温度変化や繰り返し熱衝撃が加わるよ
うなヒートショックやヒートサイクル環境下でも、物性
の異なる界面で発生する熱応力を緩和でき耐久性及び信
頼性に優れたものである。
属−セラミックス複合体及びその製造方法を提供するこ
とである。 【構成】 金属−セラミックス複合体は、アルミナまた
は窒化アルミニウムセラミックス基板と、該セラミック
ス基板の表面上に重ねて形成された少なくとも2層の互
いに焼結密度の異なるタングステン金属層とを備えてお
り、前記タングステン金属層のタングステン粒子間隙に
は、銅あるいは銅合金が含まれている。 【効果】 周囲の温度変化や繰り返し熱衝撃が加わるよ
うなヒートショックやヒートサイクル環境下でも、物性
の異なる界面で発生する熱応力を緩和でき耐久性及び信
頼性に優れたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属−セラミックス複
合体及びその製造方法に関する。
合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、耐熱性、耐摩耗性、絶
縁性等に優れた性質を有しており、種々の用途に用いら
れている。これらの用途によっては、セラミックス部材
と金属部材とを複合化した金属−セラミックス複合体が
必要となる場合がある。例えば、ロケット及び航空機の
外壁材、エンジン部材等、耐熱性と放熱性とを兼備しな
ければならない用途へ適用される材料として、金属−セ
ラミックス複合体が考えられている。
縁性等に優れた性質を有しており、種々の用途に用いら
れている。これらの用途によっては、セラミックス部材
と金属部材とを複合化した金属−セラミックス複合体が
必要となる場合がある。例えば、ロケット及び航空機の
外壁材、エンジン部材等、耐熱性と放熱性とを兼備しな
ければならない用途へ適用される材料として、金属−セ
ラミックス複合体が考えられている。
【0003】このような金属−セラミックス複合体とし
ては、セラミックス粒子またはセラミックス繊維を金属
中に分散して作製した複合体や、金属とセラミックスと
を接合した複合体等が知られている。
ては、セラミックス粒子またはセラミックス繊維を金属
中に分散して作製した複合体や、金属とセラミックスと
を接合した複合体等が知られている。
【0004】アルミナ、酸窒化アルミニウム、窒化アル
ミニウム、窒化ホウ素並びにこれらの複合体セラミック
スは、熱伝導性、電気的絶縁性に優れ、機械的特性にも
優れていることから、ICパッケージやパワーダイオー
ド等の発熱部品を搭載する半導体実装用基板として、銅
等の金属回路板をこれらセラミックスに接合した複合体
が使用されている。
ミニウム、窒化ホウ素並びにこれらの複合体セラミック
スは、熱伝導性、電気的絶縁性に優れ、機械的特性にも
優れていることから、ICパッケージやパワーダイオー
ド等の発熱部品を搭載する半導体実装用基板として、銅
等の金属回路板をこれらセラミックスに接合した複合体
が使用されている。
【0005】銅板とこれらセラミックスからなる複合体
は、例えば、特開昭60−177634号公報に開示さ
れるような、活性金属を含有するろう材により接合する
方法や、特開昭56−163093号公報に開示される
ような、銅板と表面酸化処理してなるセラミックス基板
とを銅の融点以下Cu−Oの共晶温度以上で加熱して接
合する方法等により製造された接合複合体である。
は、例えば、特開昭60−177634号公報に開示さ
れるような、活性金属を含有するろう材により接合する
方法や、特開昭56−163093号公報に開示される
ような、銅板と表面酸化処理してなるセラミックス基板
とを銅の融点以下Cu−Oの共晶温度以上で加熱して接
合する方法等により製造された接合複合体である。
【0006】また、 空こうを含む高融点金属をもって
表面処理した窒化アルミニウム系基板に銅又は銅合金を
加熱により直接接合した高熱伝導性絶縁基板及びその製
造方法が開示されている(特開平3−137069号公
報参照)。
表面処理した窒化アルミニウム系基板に銅又は銅合金を
加熱により直接接合した高熱伝導性絶縁基板及びその製
造方法が開示されている(特開平3−137069号公
報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
金属−セラミックス複合体においては、セラミックスと
金属板の熱膨張率の差が大きいため、周囲の温度変化や
繰り返し熱衝撃が加わるようなヒートサイクルに対して
は、発生する熱応力により、金属板とセラミックスとの
間に剥離が生じやすく、またセラミックス部材の内部に
割れが発生し、接着強度、気密性、電気絶縁性が低下す
るなどの欠点があるため信頼性の高い部品として使用す
るには不適当であるという問題があった。
金属−セラミックス複合体においては、セラミックスと
金属板の熱膨張率の差が大きいため、周囲の温度変化や
繰り返し熱衝撃が加わるようなヒートサイクルに対して
は、発生する熱応力により、金属板とセラミックスとの
間に剥離が生じやすく、またセラミックス部材の内部に
割れが発生し、接着強度、気密性、電気絶縁性が低下す
るなどの欠点があるため信頼性の高い部品として使用す
るには不適当であるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、前述したような従来技術
の問題点を解消し、繰り返し耐熱衝撃性に優れた信頼性
の高い金属−セラミックス複合体及びその製造方法を提
供することである。
の問題点を解消し、繰り返し耐熱衝撃性に優れた信頼性
の高い金属−セラミックス複合体及びその製造方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による金属−セラ
ミックス複合体は、アルミナまたは窒化アルミニウムセ
ラミックス基板と、該セラミックス基板の表面上に重ね
て形成された少なくとも2層の互いに焼結密度の異なる
タングステン金属層とを備えており、前記タングステン
金属層のタングステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金
が含まれていることを特徴とする。
ミックス複合体は、アルミナまたは窒化アルミニウムセ
ラミックス基板と、該セラミックス基板の表面上に重ね
て形成された少なくとも2層の互いに焼結密度の異なる
タングステン金属層とを備えており、前記タングステン
金属層のタングステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金
が含まれていることを特徴とする。
【0010】本発明による別の金属−セラミックス複合
体は、アルミナまたは窒化アルミニウムセラミックス基
板と、該セラミックス基板の表面上に重ねて形成された
少なくとも2層の互いに焼結密度の異なるタングステン
金属層とを備えており、前記タングステン金属層のタン
グステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金が含まれてお
り、さらに、前記タングステン金属層の上に重ねて接合
された金属板を備えていることを特徴とする。
体は、アルミナまたは窒化アルミニウムセラミックス基
板と、該セラミックス基板の表面上に重ねて形成された
少なくとも2層の互いに焼結密度の異なるタングステン
金属層とを備えており、前記タングステン金属層のタン
グステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金が含まれてお
り、さらに、前記タングステン金属層の上に重ねて接合
された金属板を備えていることを特徴とする。
【0011】本発明による金属−セラミックス複合体の
製造方法は、アルミナまたは窒化アルミニウムのシート
を準備し、該シート上に粒径あるいは焼結性の異なる複
数のタングステンペーストを所定の厚さに印刷し積層し
た後、焼結することにより、アルミナまたは窒化アルミ
ニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数のタ
ングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金属層
のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱によ
り侵入形成させることを特徴とする。
製造方法は、アルミナまたは窒化アルミニウムのシート
を準備し、該シート上に粒径あるいは焼結性の異なる複
数のタングステンペーストを所定の厚さに印刷し積層し
た後、焼結することにより、アルミナまたは窒化アルミ
ニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数のタ
ングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金属層
のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱によ
り侵入形成させることを特徴とする。
【0012】本発明による金属−セラミックス複合体の
別の製造方法は、アルミナまたは窒化アルミニウムのグ
リーンシートを準備し、該シート上に粒径あるいは焼結
性の異なる複数の所定の厚みのタングステンシートを積
層した後、焼結することにより、アルミナまたは窒化ア
ルミニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数
のタングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金
属層のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱
により侵入形成させることを特徴とする。
別の製造方法は、アルミナまたは窒化アルミニウムのグ
リーンシートを準備し、該シート上に粒径あるいは焼結
性の異なる複数の所定の厚みのタングステンシートを積
層した後、焼結することにより、アルミナまたは窒化ア
ルミニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数
のタングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金
属層のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱
により侵入形成させることを特徴とする。
【0013】本発明によれば、前述の製造方法におい
て、前記タングステン金属層のタングステン粒子間隙に
銅あるいは銅合金を加熱により侵入形成する前に、ニッ
ケルメッキを行うことにより、前記タングステン金属層
上および層内のタングステン粒子表面にニッケル層を形
成させたり、または、前記タングステン金属層の上に金
属板を重ねて、加熱して接合させることもできる。
て、前記タングステン金属層のタングステン粒子間隙に
銅あるいは銅合金を加熱により侵入形成する前に、ニッ
ケルメッキを行うことにより、前記タングステン金属層
上および層内のタングステン粒子表面にニッケル層を形
成させたり、または、前記タングステン金属層の上に金
属板を重ねて、加熱して接合させることもできる。
【0014】
【実施例】次に、添付図面に基づいて、本発明の実施例
について本発明をより詳細に説明する。
について本発明をより詳細に説明する。
【0015】添付図面の図1は、本発明の一実施例とし
ての金属−セラミックス複合体の断面構造を模式的に拡
大して示す図である。図1に示すように、この実施例の
金属−セラミックス複合体は、セラミックス基板層1の
上下両面に、タングステン−銅合金層3および5と、銅
および銅合金層2および4とを有してなっている。そし
て、この実施例では、タングステン−銅合金層3は、4
つの層3A、3B、3C、3Dからなり、タングステン
−銅合金層5も、4つの層5A、5B、5C、5Dから
なっている。
ての金属−セラミックス複合体の断面構造を模式的に拡
大して示す図である。図1に示すように、この実施例の
金属−セラミックス複合体は、セラミックス基板層1の
上下両面に、タングステン−銅合金層3および5と、銅
および銅合金層2および4とを有してなっている。そし
て、この実施例では、タングステン−銅合金層3は、4
つの層3A、3B、3C、3Dからなり、タングステン
−銅合金層5も、4つの層5A、5B、5C、5Dから
なっている。
【0016】タングステン−銅合金層3および5は、タ
ングステンと銅の成分含有率が、層3A、3B、3C、
3Dまたは5A、5B、5C、5Dの間において、段階
的または連続的に変化させられており、その組成勾配
は、任意に選択が可能なものとされている。すなわち、
タングステンと銅の有する熱膨張係数、熱伝導率、ヤン
グ率、密度、電気伝導度等を任意に変化させることがで
きる。また、タングステン−銅合金層3および5におけ
るタングステンと銅との界面に、ニッケルを介在させる
と、両者の接合をより強固なものとすることができる。
このような構造とすることにより、特に、ヒートショッ
クやヒートサイクルに対し、物性の異なる界面で発生す
る熱応力を緩和でき耐久性及び信頼性に優れたものとす
ることができる。
ングステンと銅の成分含有率が、層3A、3B、3C、
3Dまたは5A、5B、5C、5Dの間において、段階
的または連続的に変化させられており、その組成勾配
は、任意に選択が可能なものとされている。すなわち、
タングステンと銅の有する熱膨張係数、熱伝導率、ヤン
グ率、密度、電気伝導度等を任意に変化させることがで
きる。また、タングステン−銅合金層3および5におけ
るタングステンと銅との界面に、ニッケルを介在させる
と、両者の接合をより強固なものとすることができる。
このような構造とすることにより、特に、ヒートショッ
クやヒートサイクルに対し、物性の異なる界面で発生す
る熱応力を緩和でき耐久性及び信頼性に優れたものとす
ることができる。
【0017】後述するような具体的実施例からも明らか
なように、本発明は、このような金属−セラミックス複
合体の製造方法をも提供するものであるが、これらの本
発明の金属−セラミックス複合体及びその製造方法は、
本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、完成されたもので
ある。すなわち、本発明に使用されるセラミックスは、
アルミナまたは窒化アルミニウムからなり、各種のセラ
ミックスの中で、熱伝導率が高く、また放熱性が高い。
これらに使用されるセラミックス基板には、不可避不純
物の他、焼結助剤が含まれていてもさしつかえない。
なように、本発明は、このような金属−セラミックス複
合体の製造方法をも提供するものであるが、これらの本
発明の金属−セラミックス複合体及びその製造方法は、
本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、完成されたもので
ある。すなわち、本発明に使用されるセラミックスは、
アルミナまたは窒化アルミニウムからなり、各種のセラ
ミックスの中で、熱伝導率が高く、また放熱性が高い。
これらに使用されるセラミックス基板には、不可避不純
物の他、焼結助剤が含まれていてもさしつかえない。
【0018】例えば、アルミナに対しては、MgO、C
aO、SiO2 、Y2 O3 、BaO、Cr2 O3 、等が
あげられ、窒化アルミニウムに対しては、CaO、Ba
O、SrO、CaCO3 、BaCO3 、SrCO3 、ア
ルミン酸カルシウム、Y2 O 3 、La2 O3 、CeO2
等があげられる。
aO、SiO2 、Y2 O3 、BaO、Cr2 O3 、等が
あげられ、窒化アルミニウムに対しては、CaO、Ba
O、SrO、CaCO3 、BaCO3 、SrCO3 、ア
ルミン酸カルシウム、Y2 O 3 、La2 O3 、CeO2
等があげられる。
【0019】これらのセラミックス基板は、プレス成形
法、静水圧成形法(CIP)、シート成形法、押し出し
成形法、鋳込み成形法、射出成形法等のセラミックスの
一般的な粉末成形法によって成形される。成形体は、通
常、最適な焼結温度にて焼結される。
法、静水圧成形法(CIP)、シート成形法、押し出し
成形法、鋳込み成形法、射出成形法等のセラミックスの
一般的な粉末成形法によって成形される。成形体は、通
常、最適な焼結温度にて焼結される。
【0020】タングステン−銅合金層は、前述の実施例
のごとく、前述したように、セラミックス成形基板ある
いは焼結体の基板の上下両面に形成されてもよいし、片
面のみに形成されてもよい。また、原料粉末の粒度や焼
結性及び焼結助剤の選択により、焼成にてセラミックス
基板となるセラミックス粉末成形体(グリーン成形体)
上、あるいは両側にタングステン層を形成し、同時焼
成、同時焼結される。また、焼結されたセラミックス基
板上(もしくは両側)に、タングステン金属層を形成
後、焼成を行い焼結させる。
のごとく、前述したように、セラミックス成形基板ある
いは焼結体の基板の上下両面に形成されてもよいし、片
面のみに形成されてもよい。また、原料粉末の粒度や焼
結性及び焼結助剤の選択により、焼成にてセラミックス
基板となるセラミックス粉末成形体(グリーン成形体)
上、あるいは両側にタングステン層を形成し、同時焼
成、同時焼結される。また、焼結されたセラミックス基
板上(もしくは両側)に、タングステン金属層を形成
後、焼成を行い焼結させる。
【0021】これらのセラミックス基板上のタングステ
ン金属層は、粒径、焼結性の異なる原料を選択し、これ
らを積層することにより、制御された気孔率を有し、か
つ、気孔率が段階的、連続的に変化する複数の積層され
たタングステン金属スケルトン層が形成でき、このスケ
ルトン中に銅を含浸することにより、タングステン−銅
の組成が段階的、連続的に変化するタングステン−銅金
属層が形成できる。
ン金属層は、粒径、焼結性の異なる原料を選択し、これ
らを積層することにより、制御された気孔率を有し、か
つ、気孔率が段階的、連続的に変化する複数の積層され
たタングステン金属スケルトン層が形成でき、このスケ
ルトン中に銅を含浸することにより、タングステン−銅
の組成が段階的、連続的に変化するタングステン−銅金
属層が形成できる。
【0022】また、タングステンスケルトン層を形成さ
せた後、ニッケル層をタングステン金属上に、例えば、
ニッケルメッキのような手法で形成させることにより、
タングステン金属と銅金属の界面における両者の接合を
強固なものとすることができる。なお、銅、銅合金とし
ては、30重量%以下の割合で、他の金属あるいは非金
属成分が添加含有されていてもよい。
せた後、ニッケル層をタングステン金属上に、例えば、
ニッケルメッキのような手法で形成させることにより、
タングステン金属と銅金属の界面における両者の接合を
強固なものとすることができる。なお、銅、銅合金とし
ては、30重量%以下の割合で、他の金属あるいは非金
属成分が添加含有されていてもよい。
【0023】また、前記したタングステン−銅層は、耐
熱衝撃性を向上させるために、タングステン−銅の組成
が段階的、連続的に変化する金属層を3層以上有するこ
とが好ましい。また、最表層は、はんだぬれ性等の良好
な銅、銅合金層を有するのが好ましい。
熱衝撃性を向上させるために、タングステン−銅の組成
が段階的、連続的に変化する金属層を3層以上有するこ
とが好ましい。また、最表層は、はんだぬれ性等の良好
な銅、銅合金層を有するのが好ましい。
【0024】アルミナ、窒化アルミニウムのセラミック
ス基板との接着強度を高める目的で、これらの基板成分
(アルミナ、窒化アルミニウム)の他、焼結助剤、フラ
ックス成分等の非金属無機成分が30重量%以下でタン
グステン金属に含有されていてもよい。
ス基板との接着強度を高める目的で、これらの基板成分
(アルミナ、窒化アルミニウム)の他、焼結助剤、フラ
ックス成分等の非金属無機成分が30重量%以下でタン
グステン金属に含有されていてもよい。
【0025】焼結密度の異なる複数のタングステン金属
層の形成方法としては、粒度、焼結性を制御したタング
ステンペーストを順次印刷積層するか、タングステング
リーンシートを順次、例えば、熱圧着により、シート積
層する等の方法により形成される。
層の形成方法としては、粒度、焼結性を制御したタング
ステンペーストを順次印刷積層するか、タングステング
リーンシートを順次、例えば、熱圧着により、シート積
層する等の方法により形成される。
【0026】前述したような本発明の金属−セラミック
ス複合体は、金属層あるいは金属面に回路パターンを形
成することにより、半導体実装用回路基板として有用な
ものとなる。
ス複合体は、金属層あるいは金属面に回路パターンを形
成することにより、半導体実装用回路基板として有用な
ものとなる。
【0027】図2は、本発明の別の実施例としての金属
−セラミックス複合体の断面構造を模式的に拡大して示
す図である。図2に示すように、この実施例の金属−セ
ラミックス複合体は、図1に示したような複合体のタン
グステン金属層3および5の最上層3Dおよび5Dの上
に、金属板6および7を重ねて接合してなるものであ
る。この金属板としては、銅あるいは銅を主体とする合
金が望ましいものであり、タングテン金属層3Dおよび
5D上に銅層2および4を形成する際に同時に接合する
か、もしくは、Ag−Cu−Ti系の活性金属ろう材を
用いることなどにより接合される。
−セラミックス複合体の断面構造を模式的に拡大して示
す図である。図2に示すように、この実施例の金属−セ
ラミックス複合体は、図1に示したような複合体のタン
グステン金属層3および5の最上層3Dおよび5Dの上
に、金属板6および7を重ねて接合してなるものであ
る。この金属板としては、銅あるいは銅を主体とする合
金が望ましいものであり、タングテン金属層3Dおよび
5D上に銅層2および4を形成する際に同時に接合する
か、もしくは、Ag−Cu−Ti系の活性金属ろう材を
用いることなどにより接合される。
【0028】次に、本発明のいくつかの具体的実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0029】(具体的実施例1)
【0030】平均粒径1.0μm、1.8μm、2.4μm、
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記アルミナグリーンシ
ートと同一組成のアルミナ粉末(純度94%、残部Ca
O、MgO、SiO2 )を10内部重量%と、テルピネ
オール及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加
し、3本ロールミルで混練し、タングステンペースト
A、B、C、Dをそれぞれ調製した。一方、アルミナ粉
末に6重量%のフラックス成分(CaO、MgO、Si
O2 )を含有する原料粉体に、メタクリル酸エステル樹
脂を加え、ドクターブレード法により成形した厚さ0.8
mmのアルミナグリーンシートを45×45mmに切断し
た。
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記アルミナグリーンシ
ートと同一組成のアルミナ粉末(純度94%、残部Ca
O、MgO、SiO2 )を10内部重量%と、テルピネ
オール及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加
し、3本ロールミルで混練し、タングステンペースト
A、B、C、Dをそれぞれ調製した。一方、アルミナ粉
末に6重量%のフラックス成分(CaO、MgO、Si
O2 )を含有する原料粉体に、メタクリル酸エステル樹
脂を加え、ドクターブレード法により成形した厚さ0.8
mmのアルミナグリーンシートを45×45mmに切断し
た。
【0031】このグリーンシートに対し、その上下両面
に前述のタングステンペーストA、B、C、Dを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストA、B、C、Dを印刷
積層したアルミナグリーンシートを得た。この印刷積層
グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で1600℃に
て焼成した。得られた構造体は、アルミナ基板の両面に
4層のタングステン層を有するもので、タングステン層
の表層から第3層に至る層は、下層よりも上層の方が気
孔率が大きいポーラス層を形成し、かつ気孔率が段階的
に変化する傾斜構造を有していた。
に前述のタングステンペーストA、B、C、Dを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストA、B、C、Dを印刷
積層したアルミナグリーンシートを得た。この印刷積層
グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で1600℃に
て焼成した。得られた構造体は、アルミナ基板の両面に
4層のタングステン層を有するもので、タングステン層
の表層から第3層に至る層は、下層よりも上層の方が気
孔率が大きいポーラス層を形成し、かつ気孔率が段階的
に変化する傾斜構造を有していた。
【0032】得られた構造体のタングステン層上に銅粉
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
【0033】(具体的実施例2)
【0034】平均粒径1.0μm、1.8μm、2.4μm、
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記窒化アルミニウムグ
リーンシートと同一組成のAlN粉末(純度96%、残
部4%Y2 O3 )を10内部重量%と、テルピネオール
及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加し、3
本ロールミルで混練し、タングステンペーストE、F、
G、Hをそれぞれ調製した。一方、AlN粉末(平均粒
径1.9μm)に4重量%のY2 O3 (平均粒径1.2μ
m)を添加して、メタクリル酸エステル樹脂を加え、ド
クターブレード法により成形した厚さ0.8mmの窒化アル
ミニウムグリーンシートを45×45mmに切断した。
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記窒化アルミニウムグ
リーンシートと同一組成のAlN粉末(純度96%、残
部4%Y2 O3 )を10内部重量%と、テルピネオール
及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加し、3
本ロールミルで混練し、タングステンペーストE、F、
G、Hをそれぞれ調製した。一方、AlN粉末(平均粒
径1.9μm)に4重量%のY2 O3 (平均粒径1.2μ
m)を添加して、メタクリル酸エステル樹脂を加え、ド
クターブレード法により成形した厚さ0.8mmの窒化アル
ミニウムグリーンシートを45×45mmに切断した。
【0035】このグリーンシートに対し、その上下両面
に前述のタングステンペーストE、F、G、Hを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストE、F、G、Hを印刷
積層した窒化アルミニウムグリーンシートを得た。この
印刷積層グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で17
50℃にて焼成した。得られた構造体は、窒化アルミニ
ウム基板の両面に4層のタングステン層を有するもの
で、タングステン層の表層から第3層に至る層は、下層
よりも上層の方が気孔率が大きいポーラス層を形成し、
かつ気孔率が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
に前述のタングステンペーストE、F、G、Hを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストE、F、G、Hを印刷
積層した窒化アルミニウムグリーンシートを得た。この
印刷積層グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で17
50℃にて焼成した。得られた構造体は、窒化アルミニ
ウム基板の両面に4層のタングステン層を有するもの
で、タングステン層の表層から第3層に至る層は、下層
よりも上層の方が気孔率が大きいポーラス層を形成し、
かつ気孔率が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
【0036】得られた構造体のタングステン層上に銅粉
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
【0037】(具体的実施例3)
【0038】Ag粉末(平均粒径1.5μm)72重量
%、Ti粉末(平均粒径20μm)2重量%、Cu粉末
(平均粒径1.5μm)26重量%をアトライターにて粉
砕混合後エチルセルロースとテルピネオールを含有する
ビヒクルを加え、3本ロールミルで混練し、Ag−Cu
−Ti活性金属ろう材を調製した。前述の具体的実施例
1および2で得られた構造体の上下両面にこのAg−C
u−Ti活性金属ろう材を印刷塗布し、銅板0.2mm厚を
重ねて900℃の真空中でこれを接合して金属−セラミ
ックス複合体を得た。
%、Ti粉末(平均粒径20μm)2重量%、Cu粉末
(平均粒径1.5μm)26重量%をアトライターにて粉
砕混合後エチルセルロースとテルピネオールを含有する
ビヒクルを加え、3本ロールミルで混練し、Ag−Cu
−Ti活性金属ろう材を調製した。前述の具体的実施例
1および2で得られた構造体の上下両面にこのAg−C
u−Ti活性金属ろう材を印刷塗布し、銅板0.2mm厚を
重ねて900℃の真空中でこれを接合して金属−セラミ
ックス複合体を得た。
【0039】(具体的実施例4)
【0040】平均粒径1.5μm、2.1μm、3.0μmの
それぞれ粒径の異なる3種類のタングステン粉末(純度
99.9%以上)に、メタクリル酸エステル樹脂を加え、
ドクターブレード法により成形した厚さ200μmのタ
ングステングリーンシートa、b、c、を調製した。実
施例1で得られたアルミナシート(厚さ0.8mm)の45
×45mm上に前述のタングステンペーストAを約30μ
mの厚さで印刷後、乾燥して、前述のタングステングリ
ーンシートa、b、cをアルミナグリーンシートの上下
両面に重ねて熱圧着した。このグリーンシート積層体を
N2 −H2 混合ガス中で1600℃にて焼成した。得ら
れた構造体は、アルミナ基板の両面に4層のタングステ
ン層を有するもので、タングステン層の表層から第3層
に至る層は、下層よりも上層の方が気孔率が大きいポー
ラス層を形成し、かつ気孔率が段階的に変化する傾斜構
造を有していた。
それぞれ粒径の異なる3種類のタングステン粉末(純度
99.9%以上)に、メタクリル酸エステル樹脂を加え、
ドクターブレード法により成形した厚さ200μmのタ
ングステングリーンシートa、b、c、を調製した。実
施例1で得られたアルミナシート(厚さ0.8mm)の45
×45mm上に前述のタングステンペーストAを約30μ
mの厚さで印刷後、乾燥して、前述のタングステングリ
ーンシートa、b、cをアルミナグリーンシートの上下
両面に重ねて熱圧着した。このグリーンシート積層体を
N2 −H2 混合ガス中で1600℃にて焼成した。得ら
れた構造体は、アルミナ基板の両面に4層のタングステ
ン層を有するもので、タングステン層の表層から第3層
に至る層は、下層よりも上層の方が気孔率が大きいポー
ラス層を形成し、かつ気孔率が段階的に変化する傾斜構
造を有していた。
【0041】得られた構造体のタングステン層上に銅粉
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加後、三本ロール
ミルで混練調製した銅ペーストを30μmの厚さで印刷
した後、1150℃に不活性ガス中で加熱した。タング
ステン層の気孔中へは、銅が含浸したタングステン−銅
合金が形成されており、かつ上層から下層に至るに従い
タングステン−銅の銅含有量が減少するタングステン−
銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有していた。
【0042】(具体的実施例5)
【0043】平均粒径1.0μm、1.8μm、2.4μm、
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記アルミナグリーンシ
ートと同一組成のアルミナ粉末(純度94%、残部Ca
O、MgO、SiO2 )を10内部重量%と、テルピネ
オール及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加
し、3本ロールミルで混練し、タングステンペースト
A、B、C、Dをそれぞれ調製した。一方、アルミナ粉
末に6重量%のフラックス成分(CaO、MgO、Si
O2 )を含有する原料粉体に、メタクリル酸エステル樹
脂を加え、ドクターブレード法により成形した厚さ0.8
mmのアルミナグリーンシートを45×45mmに切断し
た。
3.0μmのそれぞれ粒径の異なる4種類のタングステン
粉末(純度99.9%以上)に、下記アルミナグリーンシ
ートと同一組成のアルミナ粉末(純度94%、残部Ca
O、MgO、SiO2 )を10内部重量%と、テルピネ
オール及びエチルセルロースを含有するビヒクルを添加
し、3本ロールミルで混練し、タングステンペースト
A、B、C、Dをそれぞれ調製した。一方、アルミナ粉
末に6重量%のフラックス成分(CaO、MgO、Si
O2 )を含有する原料粉体に、メタクリル酸エステル樹
脂を加え、ドクターブレード法により成形した厚さ0.8
mmのアルミナグリーンシートを45×45mmに切断し
た。
【0044】このグリーンシートに対し、その上下両面
に前述のタングステンペーストA、B、C、Dを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストA、B、C、Dを印刷
積層したアルミナグリーンシートを得た。この印刷積層
グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で1600℃に
て焼成した。得られた構造体は、アルミナ基板の両面に
4層のタングステン層を有するもので、タングステン層
の表層から第3層に至る層は、下層よりも上層の方が気
孔率が大きいポーラス層を形成し、かつ気孔率が段階的
に変化する傾斜構造を有していた。
に前述のタングステンペーストA、B、C、Dを約40
μmの厚さで印刷後、80℃で乾燥するプロセスを順次
繰り返し、タングステンペーストA、B、C、Dを印刷
積層したアルミナグリーンシートを得た。この印刷積層
グリーンシートをN2 −H2 混合ガス中で1600℃に
て焼成した。得られた構造体は、アルミナ基板の両面に
4層のタングステン層を有するもので、タングステン層
の表層から第3層に至る層は、下層よりも上層の方が気
孔率が大きいポーラス層を形成し、かつ気孔率が段階的
に変化する傾斜構造を有していた。
【0045】得られたタングステン層上に無電解にてニ
ッケルメッキを施し、タングステン金属上にニッケル金
属層を形成させた。こうして得られた構造体のタングス
テン層上に銅粉末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加
後、三本ロールミルで混練調製した銅ペーストを30μ
mの厚さで印刷した後、1150℃に不活性ガス中で加
熱した。タングステン層の気孔中へは、銅が含浸したタ
ングステン−銅合金が形成されており、かつ上層から下
層に至るに従いタングステン−銅の銅含有量が減少する
タングステン−銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有
していた。また、タングステンと銅の界面には、ニッケ
ル層が存在しており、タングステンと銅との界面で両者
を強固に保持した構造を成していた。
ッケルメッキを施し、タングステン金属上にニッケル金
属層を形成させた。こうして得られた構造体のタングス
テン層上に銅粉末(平均粒径3μm)にビヒクルを添加
後、三本ロールミルで混練調製した銅ペーストを30μ
mの厚さで印刷した後、1150℃に不活性ガス中で加
熱した。タングステン層の気孔中へは、銅が含浸したタ
ングステン−銅合金が形成されており、かつ上層から下
層に至るに従いタングステン−銅の銅含有量が減少する
タングステン−銅組成が段階的に変化する傾斜構造を有
していた。また、タングステンと銅の界面には、ニッケ
ル層が存在しており、タングステンと銅との界面で両者
を強固に保持した構造を成していた。
【0046】(本発明の実施例と比較例との対比)
【0047】Ag粉末(平均粒径1.5μm)72重量
%、Ti粉末(平均粒径20μm)2重量%、Cu粉末
(平均粒径1.5μm)26重量%をアトライターにて粉
砕混合後、エチルルロースとテルピネオールを含有する
ビヒクルを加え、三本ロールミルで混練し、Ag−Cu
−Ti活性金属ろう材ペーストを調製した。得られた活
性金属ろう材ペーストを用い、寸法36×36mm、板厚
0.635mmのアルミナ基板の両面に印刷し、0.2mm厚の
銅板を重ねて900℃真空中にてこれを接合した銅接合
アルミナ基板を比較例として用意した。
%、Ti粉末(平均粒径20μm)2重量%、Cu粉末
(平均粒径1.5μm)26重量%をアトライターにて粉
砕混合後、エチルルロースとテルピネオールを含有する
ビヒクルを加え、三本ロールミルで混練し、Ag−Cu
−Ti活性金属ろう材ペーストを調製した。得られた活
性金属ろう材ペーストを用い、寸法36×36mm、板厚
0.635mmのアルミナ基板の両面に印刷し、0.2mm厚の
銅板を重ねて900℃真空中にてこれを接合した銅接合
アルミナ基板を比較例として用意した。
【0048】これに対し、比較例と同寸法となるように
本発明の実施例3の方法で得られた銅板を接合した銅−
タングステン合金−アルミナ複合体(金属−セラミック
ス複合体)を用意し、比較例の銅接合アルミナ基板とと
もに繰り返し熱衝撃試験機に投入し、−55℃に30分
保持後、150℃に加熱し、30分保持する一連の工程
を1サイクルとしてこのサイクルを繰り返す熱衝撃試験
に供した。なお、試験温度の保持は、大気を冷却あるい
は加熱し、試験体が投入されている試験機に低温または
高温の空気を送り込むことにより調節した。この結果、
比較例の銅接合アルミナ基板は、50サイクル後に基板
に割れが発生したが、本発明の金属−セラミックス複合
体は、500サイクル後も割れの発生は認められなかっ
た。
本発明の実施例3の方法で得られた銅板を接合した銅−
タングステン合金−アルミナ複合体(金属−セラミック
ス複合体)を用意し、比較例の銅接合アルミナ基板とと
もに繰り返し熱衝撃試験機に投入し、−55℃に30分
保持後、150℃に加熱し、30分保持する一連の工程
を1サイクルとしてこのサイクルを繰り返す熱衝撃試験
に供した。なお、試験温度の保持は、大気を冷却あるい
は加熱し、試験体が投入されている試験機に低温または
高温の空気を送り込むことにより調節した。この結果、
比較例の銅接合アルミナ基板は、50サイクル後に基板
に割れが発生したが、本発明の金属−セラミックス複合
体は、500サイクル後も割れの発生は認められなかっ
た。
【0049】
【発明の効果】本発明の金属−セラミックス複合体は、
前述したような構造であるので、特に、周囲の温度変化
や繰り返し熱衝撃が加わるようなヒートショックやヒー
トサイクル環境下でも、物性の異なる界面で発生する熱
応力を緩和でき耐久性及び信頼性に優れたものである。
前述したような構造であるので、特に、周囲の温度変化
や繰り返し熱衝撃が加わるようなヒートショックやヒー
トサイクル環境下でも、物性の異なる界面で発生する熱
応力を緩和でき耐久性及び信頼性に優れたものである。
【図1】本発明の一実施例としての金属−セラミックス
複合体の断面構造を模式的に拡大して示す図である。
複合体の断面構造を模式的に拡大して示す図である。
【図2】本発明の別の実施例としての金属−セラミック
ス複合体の断面構造を模式的に拡大して示す図である。
ス複合体の断面構造を模式的に拡大して示す図である。
1 セラミックス基板層 2 銅および銅合金層 3 タングステン−銅合金層 4 銅および銅合金層 5 タングステン−銅合金層 6 金属板 7 金属板
Claims (10)
- 【請求項1】 アルミナまたは窒化アルミニウムセラミ
ックス基板と、該セラミックス基板の表面上に重ねて形
成された少なくとも2層の互いに焼結密度の異なるタン
グステン金属層とを備えており、前記タングステン金属
層のタングステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金が含
まれていることを特徴とする金属−セラミックス複合
体。 - 【請求項2】 アルミナまたは窒化アルミニウムセラミ
ックス基板と、該セラミックス基板の表面上に重ねて形
成された少なくとも2層の互いに焼結密度の異なるタン
グステン金属層とを備えており、前記タングステン金属
層のタングステン粒子間隙には、銅あるいは銅合金が含
まれており、さらに、前記タングステン金属層の上に重
ねて接合された金属板を備えていることを特徴とする金
属−セラミックス複合体。 - 【請求項3】 前記タングステン金属層は、そこに含有
された銅あるいは銅合金とタングステンの含有率が、層
間において段階的または連続的に変化している組成構造
を有する請求項1または2記載の金属−セラミックス複
合体。 - 【請求項4】 前記タングステン金属層のうちの最上層
の表面に銅あるいは銅合金層が設けられている請求項1
または2または3記載の金属−セラミックス複合体。 - 【請求項5】 前記タングステン金属層のタングステン
と銅との界面には、ニッケルが含有されている請求項1
または2または3記載の金属−セラミックス複合体。 - 【請求項6】 前記タングステン金属層には、アルミ
ナ、窒化アルミニウム及びこれらの焼結助剤あるいはフ
ラックス成分等の非金属無機成分が30重量%以下の割
合で含まれている請求項1から5のうちのいずれかに記
載の金属−セラミックス複合体。 - 【請求項7】 アルミナまたは窒化アルミニウムのシー
トを準備し、該シート上に粒径あるいは焼結性の異なる
複数のタングステンペーストを所定の厚さに印刷し積層
した後、焼結することにより、アルミナまたは窒化アル
ミニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数の
タングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金属
層のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱に
より侵入形成させることを特徴とする金属−セラミック
ス複合体の製造方法。 - 【請求項8】 アルミナまたは窒化アルミニウムのグリ
ーンシートを準備し、該シート上に粒径あるいは焼結性
の異なる複数の所定の厚みのタングステンシートを積層
した後、焼結することにより、アルミナまたは窒化アル
ミニウムセラミックス基板上に焼結密度の異なる複数の
タングステン金属層を形成せしめ、該タングステン金属
層のタングステン粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱に
より侵入形成させることを特徴とする金属−セラミック
ス複合体の製造方法。 - 【請求項9】 前記タングステン金属層のタングステン
粒子間隙に銅あるいは銅合金を加熱により侵入形成する
前に、ニッケルメッキを行うことにより、前記タングス
テン金属層上および層内のタングステン粒子表面にニッ
ケル層を形成させる請求項7または8記載の金属−セラ
ミックス複合体の製造方法。 - 【請求項10】 前記タングステン金属層の上に金属板
を重ねて、加熱して接合させる請求項7または8または
9記載の金属−セラミックス複合体の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17642892A JPH0624880A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 金属−セラミックス複合体及びその製造方法 |
US08/146,086 US5561321A (en) | 1992-07-03 | 1993-07-02 | Ceramic-metal composite structure and process of producing same |
PCT/JP1993/000918 WO2004074210A1 (ja) | 1992-07-03 | 1993-07-02 | セラミックス-金属複合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17642892A JPH0624880A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 金属−セラミックス複合体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0624880A true JPH0624880A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16013534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17642892A Pending JPH0624880A (ja) | 1992-07-03 | 1992-07-03 | 金属−セラミックス複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0624880A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0874399A4 (ja) * | 1996-08-20 | 1998-11-25 | ||
CN103658904A (zh) * | 2012-09-04 | 2014-03-26 | 核工业西南物理研究院 | 一种钨铜复合块真空钎焊连接工艺 |
JPWO2016098723A1 (ja) * | 2014-12-16 | 2017-11-30 | 京セラ株式会社 | 回路基板および電子装置 |
FR3061989A1 (fr) * | 2017-01-18 | 2018-07-20 | Safran | Procede de fabrication d'un module electronique de puissance par fabrication additive, substrat et module associes |
US11147851B2 (en) | 2016-12-05 | 2021-10-19 | Safran | Method of fabricating an electronic power module by additive manufacturing, and associated substrate and module |
CN114736005A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-07-12 | 中国电子科技集团公司第四十三研究所 | 钨金属化-多层氧化铝黑瓷基片及其制备方法 |
-
1992
- 1992-07-03 JP JP17642892A patent/JPH0624880A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0874399A4 (ja) * | 1996-08-20 | 1998-11-25 | ||
CN103658904A (zh) * | 2012-09-04 | 2014-03-26 | 核工业西南物理研究院 | 一种钨铜复合块真空钎焊连接工艺 |
CN103658904B (zh) * | 2012-09-04 | 2016-01-20 | 核工业西南物理研究院 | 一种钨铜复合块真空钎焊连接工艺 |
JPWO2016098723A1 (ja) * | 2014-12-16 | 2017-11-30 | 京セラ株式会社 | 回路基板および電子装置 |
US11147851B2 (en) | 2016-12-05 | 2021-10-19 | Safran | Method of fabricating an electronic power module by additive manufacturing, and associated substrate and module |
FR3061989A1 (fr) * | 2017-01-18 | 2018-07-20 | Safran | Procede de fabrication d'un module electronique de puissance par fabrication additive, substrat et module associes |
WO2018134495A1 (fr) * | 2017-01-18 | 2018-07-26 | Safran | Procede de fabrication d'un module electronique de puissance par fabrication additive, substrat et module associes |
JP2020505788A (ja) * | 2017-01-18 | 2020-02-20 | サフラン | 電子パワーモジュールを付加製造によって製作する方法並びに関連する基板及びモジュール |
US11594475B2 (en) | 2017-01-18 | 2023-02-28 | Safran | Method of fabricating an electronic power module by additive manufacturing, and associated substrate and module |
CN114736005A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-07-12 | 中国电子科技集团公司第四十三研究所 | 钨金属化-多层氧化铝黑瓷基片及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5561321A (en) | Ceramic-metal composite structure and process of producing same | |
JP5023165B2 (ja) | セラミックス回路基板 | |
KR100200902B1 (ko) | 다층세라믹 소결체 및 그 제조방법 | |
JP2579315B2 (ja) | セラミツクパツケ−ジ | |
US5614043A (en) | Method for fabricating electronic components incorporating ceramic-metal composites | |
JP6724481B2 (ja) | セラミック基板及びその製造方法 | |
JPH02197189A (ja) | 窒化アルミニウム回路基板及びその製造方法 | |
JPH06329481A (ja) | セラミックス−金属複合体およびその製造方法 | |
JPH05286776A (ja) | 金属−セラミックス複合構造体及びその製造方法 | |
JPH0624880A (ja) | 金属−セラミックス複合体及びその製造方法 | |
JP3193305B2 (ja) | 複合回路基板 | |
JP2011088756A (ja) | 低温焼結セラミック材料、低温焼結セラミック焼結体および多層セラミック基板 | |
JPH07245482A (ja) | セラミック回路基板及びその製造方法 | |
JP2772274B2 (ja) | 複合セラミックス基板 | |
JP5585649B2 (ja) | 金属ベース基板およびその製造方法 | |
JPH06329480A (ja) | セラミックス−金属接合体およびその製造方法 | |
JP3121769B2 (ja) | 窒化ケイ素多層基板およびその製造方法 | |
JPH05163072A (ja) | 多層セラミック焼結体の製造方法 | |
JP3658539B2 (ja) | 窒化アルミニウム多層基板 | |
JP4406150B2 (ja) | 窒化アルミニウムメタライズ基板および半導体装置 | |
JP3688919B2 (ja) | セラミック多層配線基板 | |
JP3709062B2 (ja) | 窒化アルミニウム質配線基板およびその製造方法 | |
JP3198139B2 (ja) | AlNメタライズ基板 | |
JPH1065336A (ja) | 低温焼成ガラスセラミックス多層配線基板とその製造方法 | |
US20200199029A1 (en) | Logic power module with a thick-film paste mediated substrate bonded with metal or metal hybrid foils |