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JPH06206893A - 新規なジサッカライド誘導体 - Google Patents

新規なジサッカライド誘導体

Info

Publication number
JPH06206893A
JPH06206893A JP5222449A JP22244993A JPH06206893A JP H06206893 A JPH06206893 A JP H06206893A JP 5222449 A JP5222449 A JP 5222449A JP 22244993 A JP22244993 A JP 22244993A JP H06206893 A JPH06206893 A JP H06206893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activity
compound
reaction
lipid
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5222449A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Kodama
亨 児玉
Masayuki Saito
雅之 齊藤
Tomohiko Ogawa
知彦 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP5222449A priority Critical patent/JPH06206893A/ja
Priority to CA002148824A priority patent/CA2148824A1/en
Priority to AU62196/94A priority patent/AU679970B2/en
Priority to EP94909291A priority patent/EP0668289A4/en
Priority to PCT/JP1994/000376 priority patent/WO1995007285A1/ja
Priority to US08/433,354 priority patent/US5654289A/en
Publication of JPH06206893A publication Critical patent/JPH06206893A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式に示すジサッカライド誘導体、および
その立体異性体、並びにその塩、またはそれらを有効成
分として含む医薬組成物。 【効果】 上記化合物は、強いマイトジェン活性、アジ
ュバント活性、多クローン性B細胞活性化(非特異的感
染防御)活性、ナチュラルキラー活性、抗腫瘍活性、抗
ウイルス活性等の多様な生物活性を持ち、従来のリピド
AおよびリピドA誘導体において見られたマクロファー
ジからの腫瘍壊死因子(TNF)やIL−1等のいわゆ
る炎症性サイトカインの産生を誘導する活性が殆ど見ら
れないことから、免疫賦活剤、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤
のほか、敗血症、慢性関節リューマチ等の治療・予防用
剤等としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、多様な生物活性を有し、
かつ致死毒性および発熱原性が非常に弱く低毒性である
という特性を有する新規なジサッカライド誘導体および
その塩に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種グラム陰性菌の細胞壁外膜に含まれ
るリポポリサッカライド(LPS)は、リピドAと呼ば
れる糖脂質に各種の糖類が結合したものであり、以前か
ら内毒素の主成分であることが知られている。LPSは
生体の各種免疫機能促進活性を有することが知られてお
り、その主たる活性発現部位はリピドAにあることが明
らかにされており免疫調整作用および抗腫瘍作用の他、
多様な生物活性を有することが認められている。
【0003】リピドAの化学構造は大腸菌を初め各種グ
ラム陰性菌において明らかにされてきた("Structure o
f the lipopolysaccharide from an E. Coli Heptose-l
essMutant", Marcha R. R., Jiunn-yann T., Israel
B., and H. Gobind Khorana,The Journal of Biologic
al Chemistry, vol. 254, No.13 p5906-5917(1979))。
その中で大腸菌由来リピドAについては完全に化学合成
がなされ、各種誘導体も化学合成されている。その結果
一部合成されたリピドA誘導体については腫瘍壊死因子
(TNF)誘導作用およびマイトジェン活性において大
腸菌由来リピドAと同等または同等以上であることが認
められている(特開昭59−48497号)。
【0004】しかしながら大腸菌由来リピドAおよびリ
ピドA誘導体については発熱原性、壊死毒性活性等の好
ましくない作用が認められることから、さらに広範囲に
誘導体の合成研究が行われた(特開昭61−22758
6号)。またリピドA様活性を有する単糖構造を基本骨
格とするものを初め種々の置換基による修飾、置換基導
入部位の検討が詳細に行われ各種類縁体も合成され、生
物活性、免疫活性および毒性について調べられたが
(「リピドA類似体の生物活性」,小川裕示,木曽真,
長谷川明,代謝,第26巻,No.5,p15〜27,1
989、「合成リピドAとその誘導体」,本間遜,免疫
薬理,第8巻,No.4,1990,p25〜32)、3
位,3′位および4′位の水酸基が遊離であるような化
合物に言及した例はなく、未だ医薬品として実用化しう
るものは開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記の理
由からリピドA類似体のうちでより低毒性でより強い有
用活性を有する化合物が強く望まれている。
【0006】本発明は、強いマイトジェン活性、アジュ
バント活性、非特異的感染防御活性、抗ウイルス活性、
免疫賦活作用等の種々の有用な生物活性を有し、かつ発
熱原性および致死毒性等の有害作用がほとんどなく、特
に医薬品等として有用である新規なジサッカライド誘導
体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトの口
腔内に常在しており、現在歯周病の原因と考えられてい
る細菌の一つであるPorphyromanas(Bacteroides) ging
ivalisの細胞壁外膜中に含まれるLPSがマイトジェン
活性等を有し、同時に致死毒性および発熱原性が非常に
弱いことを見いだした。さらに、LPS中の活性発現部
位を調製後精製し、構造解析を行い、鋭意研究の結果、
本発明の活性化合物はグルコサミンβ(1−6)ジサッ
カライドの構造の1位にリン酸基がエステル結合をした
ものを基本骨格とし、2位のアミノ基に3-hydroxy-15-m
ethylhexadecanoic acidがアミド結合し、2′位のアミ
ノ基に3-hexadecanoyloxy-15-methylhexadecanoic acid
がアミド結合していることを見いだした。本発明の化合
物の構造は、従来のリピドA誘導体と大きく異なり4′
位にリン酸基を持たず、3位および3′位の水酸基が遊
離のままである点に特徴がある。したがって本発明の化
合物は式;
【化1】 で表されるような構造を有することが推定される。また
本願化合物は強いマイトジェン活性、アジュバント活
性、多クローン性B細胞活性化(非特異的感染防御)活
性、ナチュラルキラー活性等多様な生物活性を有する一
方、従来のリピドAおよびリピドA誘導体においてみら
れたマイクロファージからの腫瘍壊死因子(TNF)や
IL−1等のいわゆる炎症性サイトカインの産生を誘導
する活性が殆ど見られないことを見いだした。したがっ
て従来、リピドAおよびリピドA誘導体において問題と
なっていた致死毒性および発熱原性等の有害作用を示す
ことなく、免疫賦活剤として有用である。さらには大腸
菌のリピドAが誘導するIL−1の産生を抑え、さらに
IL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)の
産生を誘導することを見いだしたが、これらの活性は、
強い非特異的感染防御活性を有することと併せて、大腸
菌等グラム陰性菌の感染によって引き起こされる病態、
特に敗血症、あるいは敗血症性ショックの予防・治療用
剤として有用である。また、IL−1の産生を抑え、さ
らにIL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1r
a)の産生を誘導することは、IL−1自身の異常産生
状態になっていると考えられるような病態、例えば慢性
関節リューマチ等の治療用剤としても有用である。さら
に、ナチュラルキラー細胞を活性化し、抗腫瘍活性を有
することを見いだした上、抗ウイルス活性を有すること
も明らかになった。抗腫瘍活性からは、抗腫瘍剤として
の有用性が考えられ、抗ウイルス活性と併せて強い非特
異的感染防御活性を有することからは、抗ウイルス剤と
しての有用性がある。このような特性から、本願発明化
合物である新規なジサッカライド誘導体またはその塩
は、医薬用担体および/または希釈剤と配合してなる医
薬組成物として特に有用であると期待される。
【0008】なお、本化合物には種々の立体異性体が存
在し得るが、単離されたこれらの異性体および異性体混
合物は、いずれも本発明の技術的思想に包含される。
【0009】本願発明の化合物は微生物源より調製し、
精製して使用することができる。
【0010】さらに種々の化学合成法により製造するこ
とも可能である。
【0011】以下に各製造法による具体的な製造例を示
す。
【0012】(1)微生物を用いた製造例 本願化合物を微生物により製造する場合には、前記〔化
1〕により示される本願発明の化合物を生産することが
できる微生物であればいずれも使用できるが、例えばPo
rphyromanas(Bacteroides) gingivalis(ATCCカタ
ログ番号33277)等を使用することができる。
【0013】培養に使用される培地は液状または固状で
よいが、通常は液状培地による嫌気静置培養が便利であ
る。培地は本願発明化合物生産菌が生育して本願発明化
合物を生産するものであればどのようなものでもよい。
培養温度、培養期間、培養の液性等の条件は、本願発明
化合物の生産量が最大となるように適宜選択、調節され
得るが、好ましくは嫌気的条件下に25℃〜40℃、好
ましくは37℃にて、12〜36時間、好ましくは26
時間培養され、その培地のpHは6.0〜8.0、好ま
しくは7.3に維持される。
【0014】上記条件で培養することにより本発明化合
物が生産、蓄積される。培養物を濾過または遠心分離し
て菌体を回収し、目的物の分離、精製を行う。菌体から
のLPSの分離、精製には化合物の化学的特性に基づく
種々の手段を用いることができる。例えば熱フェノール
−水抽出法にて抽出し、各種酵素処理後に遠心して精
製、溶媒分画、各種樹脂を用いたカラム法を使用し、こ
れらを適当に組み合わせることによりLPSを分離、精
製することができる。
【0015】次に精製を繰り返したLPSまたは粗LP
Sを弱酸加水分解する。弱酸加水分解は、本願発明化合
物が遊離する方法であればどのような方法でもよく、好
ましくは0.05〜0.2規定の酢酸を用い、90℃〜
110℃、2〜3時間の反応でよい。反応物から目的物
の分離、精製には本願発明化合物の化学的特性に基づく
種々の手段が採用できる。すなわち、溶媒分画法、各種
樹脂を使用したカラム法等が用いられ、これらを適当に
組み合わせることにより本願発明に係わる物質を分離、
精製することができる。
【0016】(2)化学合成法を用いた製造例 適当な保護基で適当な位置を保護したN−グルコサミン
誘導体を配糖体結合形成反応によってジサッカライド誘
導体とし、これを脂肪酸によるN−アシル化、還元末端
1位のリン酸化後、脱保護する。または所望の脂肪酸に
よってN−アシル化された保護N−グルコサミン誘導体
を配糖体結合形成反応によってジサッカライド誘導体と
し、これをリン酸化後、脱保護基を行うことによっても
合成することができる。
【0017】上記の説明にしたがって得られた本発明化
合物は、リン酸基部分で塩を形成しうる化合物であり、
公知の方法により容易に塩に変換することができる。そ
のような塩の例としては、例えばナトリウムまたはカリ
ウムのようなアルカリ金属の塩、カルシウム、マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩および
薬学的に許容されるアミン塩、等が含まれる。非毒性ア
ミン類の塩としては、テトラメチルアンモニウムのよう
なテトラアルキルアンモニウムの塩、およびメチルアミ
ン塩、トリエチルアミン塩、シクロペンチルアミン塩、
ベンジルアミン塩、ピリジン塩、ピペリジン塩、ジエタ
ノールアミン塩、リジン塩、アルギニン塩のような有機
アミン塩等が例として挙げられる。このようにして得ら
れた本発明化合物であるジサッカライド誘導体またはそ
の塩は、治療または予防の目的で用いる医薬組成物とし
て通常全身的あるいは局所的に経口または非経口で投与
される。投与量としては、年齢、体重、症状、投与方法
等により異なるが、通常成人ひとり当たり1回につき
0.01mg〜100mgの範囲で1日1回から数回、経口
あるいは非経口で投与される。勿論投与量は種々の条件
で異なるので、上記投与量より少ない範囲で充分効果の
ある場合もあるし、逆にこれらの範囲を超えて投与する
必要のある場合もある。本発明による経口投与のための
固形医薬組成物には、錠剤、散剤、顆粒剤等が含まれ
る。このような固形組成物においては、少なくともひと
つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、ブトウ糖、微結晶セ
ルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、
さらに不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、ステアリ
ン酸マグネシウムのような潤滑剤や、繊維素グルコン酸
カルシウムのような崩壊剤を含有していてもよい。錠剤
または丸剤は、必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシ
プロピルセルロース等の胃溶解性あるいは腸溶解性物質
のフィルムで被覆してもよいし、また2以上の層で被覆
してもよい。さらにゼラチンのように吸収されうる物質
のカプセルであってもよい。経口投与のための液体医薬
組成物は、薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁
剤、シロップ剤等を含み、一般的に用いられる不活性な
希釈剤としては、例えば精製水、エタノール等を含む。
不活性な希釈剤以外に、補助剤として湿潤剤、懸濁剤
等、さらに甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤等を含有し
ていてもよい。また、経口投与のための組成物には、常
法により処方されるスプレー剤も含まれる。本発明によ
る非経口投与のための注射剤組成物としては、無菌の水
性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤等が含まれ
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留
水および生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁
剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、オリーブ油等の植物油、エタノール等の
アルコール類、ポリソルベート80(登録商標)等があ
る。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化
剤、分散剤のような補助剤を含んでもよい。これらは、
特定の濾過や、殺菌剤の配合または照射によって無菌化
される。これらはまた、無菌の固体組成物を製造し、使
用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用す
ることもできる。非経口投与のための組成物としては、
このほか公知の方法により処方される外用液剤、軟膏の
ような塗布剤、および座剤、ペッサリー等も含まれる。
【0018】また本願化合物は強いマイトジェン活性、
アジュバント活性、多クローン性B細胞活性化(非特異
的感染防御)活性、ナチュラルキラー活性等多様な生物
活性を有する一方、従来のリピドAおよびリピドA誘導
体においてみられたマイクロファージからの腫瘍壊死因
子(TNF)やIL−1等のいわゆる炎症性サイトカイ
ンの産生を誘導する活性が殆ど見られないことを見いだ
した。したがって従来、リピドAおよびリピドA誘導体
において問題となっていた致死毒性および発熱原性等の
有害作用を示すことなく、免疫賦活剤として有用であ
る。さらには大腸菌のリピドAが誘導するIL−1の産
生を抑え、さらにIL−1レセプターアンタゴニスト
(IL−1ra)の産生を誘導することを見いだした
が、これらの活性は、強い非特異的感染防御活性を有す
ることと併せて、大腸菌等グラム陰性菌の感染によって
引き起こされる病態、特に敗血症、あるいは敗血症性シ
ョックの予防・治療用剤として有用である。また、IL
−1の産生を抑え、さらにIL−1レセプターアンタゴ
ニスト(IL−1ra)の産生を誘導することは、IL
−1自身の異常産生状態になっていると考えられるよう
な病態、例えば慢性関節リューマチ等の治療用剤として
も有用である。さらに、ナチュラルキラー細胞を活性化
し、抗腫瘍活性を有することを見いだした上、抗ウイル
ス活性を有することも明らかになった。抗腫瘍活性から
は、抗腫瘍剤としての有用性が考えられ、抗ウイルス活
性と併せて強い非特異的感染防御活性を有することから
は、抗ウイルス剤としての有用性がある。
【0019】このような特性から、本願発明化合物であ
る新規なジサッカライド誘導体またはその塩は、医薬用
担体および/または希釈剤と配合してなる医薬組成物と
して特に有用であると期待される。
【0020】以下、本願発明に関する化合物について実
施例に基づき詳細に説明するが、本発明を以下に記載す
る特別な態様に限定することを意図するものではない。
【0021】
【実施例】
実施例1微生物源からの製造 Porphyromanas(Bacteroides) gingivalisを160リッ
トルのGAMブイヨン(日水製薬株式会社製)培地(p
H7.3)で嫌気的に37℃で26時間培養した。培養
完了後培養液の遠心を行い菌体を回収し、凍結乾燥によ
り乾燥菌体100gを得た。この乾燥菌体を熱フェノー
ル−水抽出法にて抽出処理して粗LPSを得た。すなわ
ち100gの乾燥菌体に3.5リットルの蒸留水を加え
68℃に加熱し、別に68℃に加熱した90%フェノー
ルを加え68℃にて20分間撹拌し、氷冷後遠心して水
層を分取後、再度3.5リットルの蒸留水を加え抽出操
作を繰り返した。得られた水層を合わせ、蒸留水に対し
て十分透析後、濃縮し凍結乾燥を行い粗抽出物12.4
7gを得た。
【0022】粗抽出物10gを1リットルの蒸留水に懸
濁し超遠心沈渣をヌクレアーゼP1(ヤマサ醤油株式会
社製)およびプロナーゼ(カルビオケミカル製;米国)
酵素処理を二度づつ繰り返し、蒸留水で超遠心沈渣の洗
浄を二度繰り返し、凍結乾燥を行い粗LPS画分250
mgを得た。粗LPS画分250mgを50mMトリス塩酸緩
衝液(pH7.4)に懸濁後、セファロース4Bカラム
クロクトグラフィー(内径1.5cm、長さ90cm)に供
し、排除体積画分を分取後、エタノール沈殿を行い、蒸
留水で二度洗浄後凍結乾燥を行った。LPS画分110
mgを得た。LPS画分を0.1規定の酢酸で105℃、
2.5時間弱酸加水分解を行い、反応物を遠心後、遠心
沈渣を得た。この画分をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム/メタノール/水/トリエチルア
ミン=30/12/1.5/0.1)で精製を行い、
4.5mgの本発明化合物を得た。
【0023】実施例2構造解析 上記、実施例1で得られた化合物の物理化学的性質を検
討したところ、以下の結果が得られた。
【0024】(1)糖分析および脂肪酸分析; ア.グルコサミンβ(1−6)ジサッカライド構造の1
位にリン酸基がエステル結合したものを基本骨格とし、 イ.2位のアミノ基に3-hydroxy-15-methylhexadecanoi
c acidがアミド結合し、 ウ.2′位のアミノ基に3-hexadecanoyloxy-15-methylh
exadecanoic acidがアミド結合し、 エ.4′位にリン酸基を持たず、 オ.3位,3′位および4′位の水酸基が遊離のままで
ある。
【0025】(2)分子式;C62119172 P (3)呈色反応;硫酸反応に陽性、ディットマー・レス
ター反応に陽性、ニンヒドリン反応に陰性、TTC反応
に陰性である。
【0026】(4)物質の色、形状;白色粉末 (5)質量スペクトル;ネガティブFAB−MS−M
S、M/Z 1193(M−H),937(M−2H−C1531
COO) (6)NMRスペクトル; 1H−NMR(300MHz,CD
Cl3 +MeOD+D2O)δ:0.81(12H,d)、0.8
2(3H,t)、1.1-1.6(72H,m,CH2 ,CH)、2.2
-2.5 (6H,m,CO−CH2 )、3.1-4.3(13H,
m)、4.46(1H,d)、5.15(1H,m)、5.45(1H,
m) 以上の結果より、本発明化合物の構造は〔化1〕で表さ
れるものと推定された。
【0027】実施例3活性測定 次に本願発明の化合物について試験した生理活性の結果
を示す。
【0028】(1)マイトジェン活性 マイトジェン活性は、例えば単離されたマウスリンパ系
培養細胞中に取り込まれた 3H−チミジンの量を測定す
ることにより行った。すなわちBALB/cマウスの脾
臓を擂り潰し、5×105 個/well(200μl)に調
製した脾細胞に所定濃度の本願発明化合物、あるいは比
較化合物を添加、または培地のみを添加して培養した。
培養終了6時間前に37kBq/well(10μl)の 3H−
チミジンを加え、培養終了後細胞に取り込まれた 3H−
チミジンの量(放射線量)を定量した。結果は下式で示
すStimulation Index で表した。
【0029】Stimulation Index=化合物の添加群(cp
m)/培地のみ添加群(cpm) 本発明化合物は、表1に示されるようにマイトジェン活
性を有することを示した。比較化合物としては、合成リ
ピドAである506を用いた。506は、6−O−〔2
−デオキシ−2−(3−ドテカノイルオキシテトラデカ
ノイルアミノ)−3−O−(3−テトラデカノイルオキ
シテトラデカノイル)−4−O−ホスホノ−β−D−グ
ルコピラノシル〕−2−デオキシ−2−(3−ヒドロキ
シテトラデカノイルアミノ)−3−O−テトラデカノイ
ル−1−O−ホスホノ−α−D−グルコピラノースであ
る。
【0030】
【表1】
【0031】(2)NK(ナチュラルキラー)活性 本試験は以下の方法により検討した。すなわち、BAL
B/cマウスを用い100μgの本発明化合物、あるい
は比較化合物を0日目および7日目に静脈内に注射し、
14日目に脾細胞を採取した。調製した脾細胞(1×1
6 個/0.1ml)に51Crで標識した標的細胞(Molon
eyウイルス誘発リンパ種YAC−1:2×104 個/
0.1ml)を加え、4時間培養した。なお、最小遊離対
照群には脾細胞を含まない培養液のみを加え、最大遊離
対照群には0.1N NaOHを加えた。培養終了後、
培養上清0.1mlを採取し、標的細胞が障害を受けるこ
とにより遊離した51Crの量(放射線量)を測定した。
活性は各価を以下の式に代入し、NK Activity(%)を求
めた。
【0032】NK Activity(%)={(実験群−最小遊離対
照群)(cpm)/(最大遊離対照群−最小遊離対照群)(cp
m)}×100 本発明化合物は、上式で算出した結果50.1のNK Act
ivity(%)という値を示し、合成リピドAである506
と同等の活性を有することが明らかとなった。 (3)抗腫瘍活性 本試験はメチルコラントレン誘発線維肉腫(Meth
A)に対する増殖抑制活性により検討した。すなわち、
BALB/cマウスより取り出した脾細胞より付着細胞
(マクロファージ)を採取した。調製したマクロファー
ジ(2×105個/0.1ml)と標的細胞(Meth
A:2×104 個/0.1ml)に所定濃度の本発明化合
物あるいは比較化合物を加え、18時間培養した後、1
4.8kBq/well(10μl)の 3H−チミジンを加えて
さらに6時間培養した。培養終了後細胞に取り込まれた
3H−チミジンの量(放射線量)を定量した。結果は得
られた値を次式に代入して 3H−チミジンの取り込み抑
制率を計算し、マクロファージの腫瘍細胞増殖抑制活性
として表した。 Cytostatic Activity(%)={1−(マクロファージおよ
び標的細胞−マクロファージのみ)(cpm)/標的細胞のみ
(cpm)}×100 本発明化合物は表2で示されるような値を示し、合成リ
ピドAである506とほぼ同等の腫瘍増殖抑制活性を示
した。
【0034】
【表2】
【0035】(4)アジュバント活性 本試験は1群6匹の雄性BALB/cマウスを用い、0
日目と28日目に牛血清アルブミン(BSA)100μ
gに本発明化合物あるいは比較化合物100μgを添加
あるいは無添加にて、フロイントの不完全アジュバント
(FIA)を用いて油中水型乳剤として皮下注射し、追
加免疫後5日目に血清中に産生した抗BSAIgG抗体
量をELISA法により測定した。結果は、次式で示す
Stimulation Index で表した。
【0036】Stimulation Index =FIAに化合物とB
SAの添加群(μg/ml)/FIAにBSAのみの添加群
(μg/ml) 本発明化合物は、表3に示されるように合成リピドAで
ある506より強いアジュバント活性を有することが明
らかとなった。
【0037】
【表3】
【0038】(5)抗ウイルス活性 本試験は、水疱性口内炎ウイルス(VSV;Vesic
ular stomatitis virus)のマウ
ス線維芽細胞株L929に対する作用の抑制を指標にし
た。すなわち、各ウェルにL929細胞を4×104
/0.1mlに入れ24時間培養後、本発明化合物あるい
は比較化合物(1mg/ml)の希釈系列より各希釈試料液
を0.1mlずつ加えさらに24時間培養した。培養上清
除去後、100TCID50/0.1mlに調製したVSV
を加え24時間培養後、培養液を除去し、5%ホルムア
ルデヒド溶液により20分間固定し、続いて0.5%ク
リスタルバイオレット染色液にて20分間染色した。水
洗後乾燥し、吸光度600nmで測定を行った。活性はL
929細胞が50%生存する試料液の元の試料濃度(1
mg/ml)に対する希釈倍数の逆数で表した。本発明化合
物は表4に示すように合成リピドAである506より強
い抗ウイルス活性を有することが明らかとなった。
【0039】
【表4】
【0040】(6)多クローン性B細胞活性化活性 本試験はエリスポット(Enzyme-Linked Immunospot; EL
ISPOT)法を用いて検討した。BALB/cマウスの脾細
胞(2.5×106 個)に所定量の本発明化合物あるい
は比較化合物の添加あるいは無添加の条件下で5%の牛
胎児血清(FBS)を含むRPMI1640培地にて、
37℃、72時間培養した。洗浄後、抗体産生細胞はE
LISPOT法にて測定した。
【0041】すなわち、ヤギ抗マウスイムノグロブリン
をコートし、5%FBS処理したプレートの各ウェルに
上述した脾細胞を加え4時間培養した。細胞を洗浄除去
後、プレートをビオチン標識したヤギ抗マウスμ鎖特異
抗血清と25℃で一晩反応し、生理緩衝食塩水(PB
S)で洗浄後、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジ
ンにて処理した。活性は抗体産生細胞により生じるスポ
ット数(細胞数)を実体顕微鏡下で計測し、供試化合物
添加の細胞数に対する供試化合物無添加の細胞数をコン
トロールしたときのStimulation Index にて表した。な
お、供試化合物の用量は、細胞2.5×106 個当たり
のμgで表した。本発明化合物は、表5に示されるよう
に合成リピドAである506と同等もしくはそれ以上の
多クローン性B細胞活性化活性を有することが明らかと
なり、従って強い非特異的感染防御活性を有するものと
考えられる。
【0042】
【表5】
【0043】(7)サイトカイン産生誘導活性 サイトカイン産生誘導活性試験は、TNF−α測定用E
LISAシステム(アマーシャム・ジャパン株式会社
製)およびIL−1β測定用ELISAシステム(大塚
製薬株式会社製)を用いて検討した。すなわち、ヒト末
梢血単球(5×105 個)に所定濃度の本発明化合物あ
るいは比較化合物を加え、24時間培養後、培養上清中
のサイトカイン量をELISA法により定量した。
【0044】その結果、ヒト末梢血単球からのTNF−
αやIL−1βの産生を誘導する活性は、本発明化合物
には殆ど認められなかった。さらに、合成リピドAであ
る化合物506あるいは大腸菌由来のLPSと本発明化
合物(50倍量)を同時に加えて培養することによっ
て、化合物506あるいは大腸菌由来のLPSによって
誘導されるIL−1βの産生を抑制することが明らかと
なった。さらに、IL−1レセプターアンタゴニスト
(IL−1ra)測定用ELISAシステム(R&D社
製)により、本発明化合物はヒト末梢血単球の培養上清
中にIL−lraを合成リピドAである化合物506よ
り多量に産生することも明らかとなった。
【0045】(8)ガラクトサミン負荷致死毒性 ガラクトサミン負荷致死毒性は以下の実験系を用いて求
めた。
【0046】C57BLマウス(雄性、8週齢)に、1
6mgのD−ガラクトサミン/HClを腹腔内投与し、そ
の直後に本願発明化合物を静脈注射し、24時間後に状
態観察を行った。
【0047】本願発明化合物は、以下の表6に示される
ような活性を示し、低毒性であることが明らかになっ
た。
【0048】
【表6】
【0049】(9)その他の毒性局所シュワルツマン反応 本試験は以下の方法により検討した。即ち雄のウサギの
皮内に0.2mlの生理食塩水で所定濃度に調製した供試
化合物を注射し、24時間後、100μg/ml/kgのサ
ルモネラミネソタ9700LPS−W(ディフコ社製)
を静脈より惹起注射して4時間後の皮内の出血反応を観
察した。その結果、本発明化合物は100μg/siteで
出血反応は見られなかった。
【0050】発熱原性試験 本試験はウサギを用い、供試化合物を5ml/kgの生理食
塩水に所定濃度に調製したものを静脈注射し、直腸温度
の測定を実施した。注射後4時間の間に、0.6℃以上
の体温上昇が認められたものについて発熱作用ありと判
定した。その結果、合成リピドAである506は0.0
1μgで発熱作用が認められるのに対して、本発明化合
物は10μg/kgの用量においても発熱作用が認められ
なかった。
【0051】リムルス試験 本試験はエンドトキシン測定試薬であるプレゲル(生化
学工業株式会社製)を使用して検定した。即ち日本産カ
ブトガニのライセートより調製した凍結乾燥品を用い
て、ゲル形成能の有無を判定した。その結果、本発明化
合物の最小有効量は、合成リピドAである506の10
00倍であり、非常に低毒性であった。
【0052】本願発明化合物は、リムルス活性、局所シ
ュワルツマン反応および発熱性等の諸試験において低毒
性であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】各種グラム陰性菌の細胞壁外膜に含まれ
るリポポリサッカライド(LPS)は、リピドAと呼ば
れる糖脂質に各種の糖類が結合したものであり、以前か
ら内毒素の主成分であることが知られている。LPSは
生体の各種免疫機能促進活性を有することが知られてお
り、その主たる活性発現部位はリピドAにあることが明
らかにされており免疫調作用および抗腫瘍作用の他、
多様な生物活性を有することが認められている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトの口
腔内に常在しており、現在歯周病の原因と考えられてい
る細菌の一つであるPorphyromonas(Bacteroides) gingi
valisの細胞壁外膜中に含まれるLPSがマイトジェン
活性等を有し、同時に致死毒性および発熱原性が非常に
弱いことを見いだした。さらに、LPS中の活性発現部
位を調製後精製し、構造解析を行い、鋭意研究の結果、
本発明の活性化合物はグルコサミンβ(1−6)ジサッ
カライドの構造の1位にリン酸基がエステル結合をした
ものを基本骨格とし、2位のアミノ基に3-hydroxy-15-m
ethylhexadecanoic acidがアミド結合し、2′位のアミ
ノ基に3-hexadecanoyloxy-15-methylhexadecanoic acid
がアミド結合していることを見いだした。本発明の化合
物の構造は、従来のリピドA誘導体と大きく異なり4′
位にリン酸基を持たず、3位および3′位の水酸基が遊
離のままである点に特徴がある。したがって本発明の化
合物は式;
【化1】 で表されるような構造を有することが推定される。また
本願化合物は強いマイトジェン活性、アジュバント活
性、多クローン性B細胞活性化(非特異的感染防御)活
性、ナチュラルキラー活性等多様な生物活性を有する一
方、従来のリピドAおよびリピドA誘導体においてみら
れたマクロファージからの腫瘍壊死因子(TNF)やI
L−1等のいわゆる炎症性サイトカインの産生を誘導す
る活性が殆ど見られないことを見いだした。したがって
従来、リピドAおよびリピドA誘導体において問題とな
っていた致死毒性および発熱原性等の有害作用を示すこ
となく、免疫賦活剤として有用である。さらには大腸菌
のリピドAが誘導するIL−1の産生を抑え、さらにI
L−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)の産
生を誘導することを見いだしたが、これらの活性は、強
い非特異的感染防御活性を有することと併せて、大腸菌
等グラム陰性菌の感染によって引き起こされる病態、特
に敗血症、あるいは敗血症性ショックの予防・治療用剤
として有用である。また、IL−1の産生を抑え、さら
にIL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)
の産生を誘導することは、IL−1自身の異常産生状態
になっていると考えられるような病態、例えば慢性関節
リューマチ等の治療用剤としても有用である。さらに、
ナチュラルキラー細胞を活性化し、抗腫瘍活性を有する
ことを見いだした上、抗ウイルス活性を有することも明
らかになった。抗腫瘍活性からは、抗腫瘍剤としての有
用性が考えられ、抗ウイルス活性と併せて強い非特異的
感染防御活性を有することからは、抗ウイルス剤として
の有用性がある。このような特性から、本願発明化合物
である新規なジサッカライド誘導体またはその塩は、医
薬用担体および/または希釈剤と配合してなる医薬組成
物として特に有用であると期待される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(1)微生物を用いた製造例 本願化合物を微生物により製造する場合には、前記〔化
1〕により示される本願発明の化合物を生産することが
できる微生物であればいずれも使用できるが、例えばPo
rphyromonas(Bacteroides) gingivalis(ATCCカタ
ログ番号33277)等を使用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また本願化合物は強いマイトジェン活性、
アジュバント活性、多クローン性B細胞活性化(非特異
的感染防御)活性、ナチュラルキラー活性等多様な生物
活性を有する一方、従来のリピドAおよびリピドA誘導
体においてみられたマクロファージからの腫瘍壊死因子
(TNF)やIL−1等のいわゆる炎症性サイトカイン
の産生を誘導する活性が殆ど見られないことを見いだし
た。したがって従来、リピドAおよびリピドA誘導体に
おいて問題となっていた致死毒性および発熱原性等の有
害作用を示すことなく、免疫賦活剤として有用である。
さらには大腸菌のリピドAが誘導するIL−1の産生を
抑え、さらにIL−1レセプターアンタゴニスト(IL
−1ra)の産生を誘導することを見いだしたが、これ
らの活性は、強い非特異的感染防御活性を有することと
併せて、大腸菌等グラム陰性菌の感染によって引き起こ
される病態、特に敗血症、あるいは敗血症性ショックの
予防・治療用剤として有用である。また、IL−1の産
生を抑え、さらにIL−1レセプターアンタゴニスト
(IL−1ra)の産生を誘導することは、IL−1自
身の異常産生状態になっていると考えられるような病
態、例えば慢性関節リューマチ等の治療用剤としても有
用である。さらに、ナチュラルキラー細胞を活性化し、
抗腫瘍活性を有することを見いだした上、抗ウイルス活
性を有することも明らかになった。抗腫瘍活性からは、
抗腫瘍剤としての有用性が考えられ、抗ウイルス活性と
併せて強い非特異的感染防御活性を有することからは、
抗ウイルス剤としての有用性がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【実施例】 実施例1微生物源からの製造 Porphyromonas(Bacteroides) gingivalisを160リッ
トルのGAMブイヨン(日水製薬株式会社製)培地(p
H7.3)で嫌気的に37℃で26時間培養した。培養
完了後培養液の遠心を行い菌体を回収し、凍結乾燥によ
り乾燥菌体100gを得た。この乾燥菌体を熱フェノー
ル−水抽出法にて抽出処理して粗LPSを得た。すなわ
ち100gの乾燥菌体に3.5リットルの蒸留水を加え
68℃に加熱し、別に68℃に加熱した90%フェノー
ルを加え68℃にて20分間撹拌し、氷冷後遠心して水
層を分取後、再度3.5リットルの蒸留水を加え抽出操
作を繰り返した。得られた水層を合わせ、蒸留水に対し
て十分透析後、濃縮し凍結乾燥を行い粗抽出物12.4
7gを得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表1】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】(2)NK(ナチュラルキラー)活性 本試験は以下の方法により検討した。すなわち、BAL
B/cマウスを用い100μgの本発明化合物、あるい
は比較化合物を0日目および7日目に静脈内に注射し、
14日目に脾細胞を採取した。調製した脾細胞(1×1
6 個/0.1ml)に51Crで標識した標的細胞(Molon
eyウイルス誘発リンパYAC−1:2×104 個/
0.1ml)を加え、4時間培養した。なお、最小遊離対
照群には脾細胞を含まない培養液のみを加え、最大遊離
対照群には0.1N NaOHを加えた。培養終了後、
培養上清0.1mlを採取し、標的細胞が障害を受けるこ
とにより遊離した51Crの量(放射線量)を測定した。
活性は各価を以下の式に代入し、NK Activity(%)を求
めた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【表2】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】(9)その他の毒性局所シュワルツマン反応 本試験は以下の方法により検討した。即ち雄のウサギの
皮内に0.2mlの生理食塩水で所定濃度に調製した供試
化合物を注射し、24時間後、100μg/ml/kgの S
almonella minnesota9700LPS−W(ディフコ社
製)を静脈より惹起注射して4時間後の皮内の出血反応
を観察した。その結果、本発明化合物は100μg/si
teで出血反応は見られなかった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12P 19/26 7432−4B (C12P 19/26 C12R 1:01)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)呈色反応として、硫酸反応に陽
    性、ディットマー・レスター反応に陽性、ニンヒドリン
    反応に陰性、TTC反応に陰性であって、 (2)NMRスペクトルとして、 1H−NMR(300MHz,
    CDCl3 +MeOD+D2 O)δ:0.81(12H,
    d)、0.82(3H,t)、1.1-1.6(72H,m,CH2,C
    H)、2.2-2.5 (6H,m,CO−CH2 )、3.1-4.3(13
    H,m)、4.46(1H,d)、5.15(1H,m)、5.45(1
    H,m)の物性値をもち、 (3)質量スペクトルとして、ネガティブFAB−MS
    −MS、M/Z 1193(M−H)、937(M−2H−C15
    31COO)の物性値を持つ、新規ジサッカライド誘導
    体、またはその塩。
  2. 【請求項2】 (1)グルコサミンβ(1−6)ジサッ
    カライド構造の1位にリン酸基がエステル結合したもの
    を基本骨格とし、 (2)2位のアミノ基に3-hydroxy-15-methylhexadecan
    oic acidがアミド結合し、 (3)2′位のアミノ基に3-hexadecanoyl-15-methylhe
    xadecanoic acid がアミド結合し、 (4)4′位にリン酸基を持たず、 (5)3位,3′位が遊離のままである、新規ジサッカ
    ライド誘導体またはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化合物または
    その薬学的に許容される塩を、医薬用担体および/また
    は希釈剤と配合してなる医薬組成物。
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AU62196/94A AU679970B2 (en) 1993-09-07 1994-03-09 Novel disaccharide derivative
EP94909291A EP0668289A4 (en) 1993-09-07 1994-03-09 NEW DISACCHARIDE DERIVATIVE.
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09505071A (ja) * 1993-11-17 1997-05-20 ラボラトワル・オーエム・ソシエテ・アノニム グルコサミンジサッカライド、それらの製造法、それらを含む医薬組成物およびそれらの使用
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JP2018070652A (ja) * 2012-04-12 2018-05-10 アバンティ・ポーラ・リピッド・インコーポレイテッド 二糖合成脂質化合物およびその使用
JP2021504463A (ja) * 2017-11-23 2021-02-15 ルスロ ビーブイビーエー エンドトキシン含量が低いゼラチン加水分解物の調製方法

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