JPH06146553A - 床 材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隣接する床材間に段差や目隙を生じさせるこ
となく精度のよい施工が可能な床材を提供する。 【構成】 下面に弾性材４を貼着している長方形状の床
材主体１の一側端面に嵌合突縁部２を設ける一方、他側
端面に該嵌合突縁部２が嵌め込み可能な上向き開口の嵌
合溝３を設けて隣接する床材主体１、１の嵌合突縁部２
と嵌合溝３とを互いに嵌合させた際に、嵌合突縁部２の
先端面に形成している係止端面2aと嵌合溝３の一側壁面
に形成している係合溝3aとを互いに接合させるように
し、且つ、その接合を床材主体１の下面に貼着している
弾性材４の弾力によって積極的に行って床材主体１、１
の上面を面一にすると共に、上記嵌合突縁部２の基端部
下面に設けている係止溝2bを上記嵌合溝３の他側端に突
設している係止突起3bに嵌合、係止させて床材主体１、
１間に目隙が発生するのを防止した構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は簡単且つ精度よく施工し
得る床材の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、合板などの床下地パネルやコ
ンクリートスラブ等の床下地材上に施工する床材として
は、長方形状に形成した床材主体の一側端面に雄実部を
突設する一方、他側端面に該雄実部が嵌合可能な雌実部
を形成している構造のものが広く知られており、施工に
際しては隣接する床材の対向側端面の雌雄実部同士を互
いに係合させながら床下地材上に順次敷設し、釘着或い
は接着剤によって固定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような床材では、単に床材の対向側端面同士を雌雄実部
によって本実接合させるように構成しているだけである
から、接合させても床材同士が床下地面に沿って互いに
接離する方向に対しては何等の規制を受けることがな
く、そのため、作業者の技量や施工面の精度のバラツキ
等によって隣接する床材間に目隙や段差が生じ易くて精
度の良い施工が困難となるという問題点があった。本発
明はこのような問題点を全面的に解消し得る床材の提供
を目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の床材は、下面に一定厚みの弾性材を貼着し
てなる長方形状の床材主体の一側端縁に上面が床材主体
と面一で且つ床材主体よりも厚みが小なる嵌合突縁部を
設け、この嵌合突縁部の先端面を傾斜面や実形状等の係
止端面に形成すると共に該嵌合突縁部の基端部下面に適
宜深さの係止溝を設け、一方、床材主体の他側端縁に上
記嵌合突縁部が嵌合可能な断面形状を有する上向き開口
の嵌合溝を設けると共に該嵌合溝の一側壁面に上記係止
端面と係合可能な形状を有する係合面を形成し、さら
に、この嵌合溝の他側端に前記係止溝が嵌合可能な係止
突起を設けた構造となっている。

【０００５】

【作用】上記構造を有する床材を床下地材上に敷設施工
するには、先に床下地材上に貼着した床材の他側端縁に
設けている上向き開口の嵌合溝に対して、次に施工する
床材の一側端縁部を斜め下方に向けた状態にして該一側
端縁に設けている嵌合突縁部を嵌め込み、該嵌合突縁部
を嵌合溝の一側壁面に向かって押し込むようにしながら
床材を徐々に伏動させると、嵌合突起部の先端係止端面
が嵌合溝の一側壁面に形成している係合面に当接、係止
すると共に嵌合溝の他側端に突設している係止突起に嵌
合突起部の基端部下面に設けている係止溝が嵌合する。

【０００６】上記のような手順によって床材を順次施工
すると、隣接する床材同士が係止端面と係合面との接合
によって上下方向の妄動を互いに阻止しあい、且つ床材
主体の下面に貼着している弾性材の弾力によってこれら
の係止端面と係合面とが積極的に接合しあって全ての床
材の表面が面一に連なると共に、係止突起と係止溝との
嵌合によって床材間の幅方向の移動が拘束され、目隙の
発生をなくすることができる。また、床材下面に貼着し
ている一定厚みの弾性材によって床下地材に生じている
微小な凹凸部が吸収され、上記係止端面と係合面との接
合と相俟って段違い等の発生をなくし得る。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明すると、１は一
定幅と長さを有する長方形状の床材主体で、合板、パー
ティクルボード、ＭＤＦ等の材料から形成されてあり、
その長辺側である一側端縁に上面が床材主体１の上面と
面一で且つ床材主体１の厚みよりも薄い嵌合突縁部２を
全長に亘って一体に形成していると共に、他側端縁には
該嵌合突縁部２を反転させた断面形状を有して嵌合突縁
部２が嵌合可能な上向き開口の嵌合溝３を一体に設けて
ある。

【０００８】上記嵌合突縁部２は、その先端面を雌実か
らなる係止端面2aに形成していると共に、床材主体１の
一側端面側における基端部には下面から上面近傍部に達
する一定幅を有する係止溝2bを全長に亘って形成してあ
る。一方、嵌合溝３は深さが嵌合突縁部２の厚みに等し
く形成されていると共に、一側壁面を嵌合突縁部２の先
端係止端面2aに嵌合可能な雄実からなる係合面3aに形成
してあり、さらに他側端には上記係止溝2bが嵌合可能な
係止突起3bを設けてある。この係止突起3bは、その肉厚
を係止溝2bよりも僅かに薄く形成されていると共に、該
係止突起3bの内側面によって嵌合溝３の他側壁面を形成
しているものである。

【０００９】４は床材主体１の下面に一体に貼着した一
定厚みを有するゴム、弾性樹脂シート等よりなる弾性材
で、上記嵌合突縁部２の基端部に設けている係止溝2bの
開口端縁から上記嵌合溝３の下面に亘って全面的に貼着
されているものである。５は床材主体１の上面に貼着し
た化粧単板、樹脂シート等よりなる表面化粧材で、上記
嵌合突縁部２の上面から嵌合溝３の開口内端縁に亘って
全面的に貼着されているものである。

【００１０】このように構成した床材を床下地材Ａ上に
施工する手順を述べると、まず、図３に示すように、床
材の貼り始め部に、床材主体１の嵌合突縁部２の下面側
空間を埋めることができる断面形状を有する際根太Ｂを
固定したのち、この際根太Ｂ上に床材主体１の嵌合突縁
部２を上載させながら該床材主体１を床下地材Ａ上に敷
設する。なお、床下地材Ａ上に対する床材主体１の固定
は、該床材主体１の下面を適宜な接着剤によって貼着さ
れるが、嵌合溝３の内底面から床下地材Ａに釘を打ち込
むことによって行ってもよい。

【００１１】こうして、際根太Ｂに沿って複数枚の床材
主体１を直列状に施工したのち、該床材列に次の列の床
材を敷設する。この施工手順は、図４に示すように、床
材主体１をその嵌合突縁部２側が下向きに傾斜した状態
にして該嵌合突縁部２を既に敷設した床材主体１の嵌合
溝３内に嵌め込み、次いで、嵌合突縁部２を嵌合溝３の
係合面3a側に向かって押し進めながら床材主体１を徐々
に水平状態となる方向に伏動させて該床材主体１の嵌合
突縁部２の先端係止端面2aを嵌合溝３の係合面3aに当
接、係止させると共に嵌合溝３の他側端に突出している
係止突起3bに嵌合突縁部２の基端部下面に設けている係
止溝2bを嵌合させる。

【００１２】このようにして先に敷設した床材主体１に
次に敷設すべき床材主体１を連結させると、両床材主体
１、１は、嵌合突縁部２の先端係止端面2aと嵌合溝３の
係合面3aとの接合によって上下方向への妄動が規制され
て表面化粧材５、５が面一に連らなると共に、係止溝3b
と係止突起3bとの嵌合によって幅方向、即ち、互いに離
間する方向への移動が拘束され、従って、両床材主体
１、１間に目隙が生じることなく精度のよい施工が可能
となるものである。また、床材主体１の下面に貼着して
いる弾性材４によって床下地材Ａの表面の微小な凹凸部
が吸収される共に係止端面2aに対して係合面3aを該弾性
材４の弾力によって積極的に押し付けて段違いが生じる
のを防止し得るものである。

【００１３】上記手順によって既に敷設した床材列の床
材主体１に次の列を構成する床材主体１を床下地材Ａ上
に順次貼着施工したのち、図５に示すように、第３列目
の床材主体１を施工し、この作業を繰り返し行って床下
地材Ａ上に多数の床材列からなる床を形成するものであ
る。なお、施工中においては、先に施工した床材列の嵌
合溝３に対して次に施工する床材主体１の嵌合突縁部２
を嵌め込んだ状態で長さ方向に摺動させながら床材主体
１の長さ方向のズレを調整することができる。又、床の
施工後、床周辺部を幅木や釘等で抑えることにより床下
地材Ａ上に完全に固定することができる。

【００１４】図６は床材主体１に設けている嵌合溝３の
変形例を示すもので、上記実施例においては、床材主体
１の他端部を適宜な掘削工具によって嵌合溝３に形成し
ているが、この変形例においては床材主体１と同一長さ
を有するコ字型材13によって形成してなるものである。
即ち、コ字型材13は図７に示すように、断面上向きコ字
に形成された弾性を有する合成樹脂成形体、又は弾性体
を裏面に積層した硬質樹脂や金属成形体よりなり、その
一側端縁に上方に向かって突設している立ち上がり片13
a を床材主体１の他側端部下面に刻設している細溝1a内
に嵌入して該コ字型材13の他側部を床材主体１の幅方向
に突出させた状態で取付け、このコ字型材13の他側端縁
に上方に向かって突設している立ち上がり片を係止突起
3bに形成していると共に、この係止突起3bと床材主体１
の他側端面に形成している係合面3a間を嵌合溝３に形成
しているものである。なお、上記コ字型材13はその下面
が弾性材４の下面と面一となるように取付けられてあ
る。また、このコ字型材13の溝底部及び上記係止突起3b
は連続させることなく、図８に示すように、断続的に形
成したものであってもよい。

【００１５】図９は、床材主体１における雌雄実2a、2b
を、先端面を上面から下面に向かって突出方向に傾斜す
る係止端面21a と、該係止端面21a と略同一角度でもっ
て上端から下端に向かって床材主体１に食い込む方向に
傾斜した係合面31a とに形成してなるもので、これらの
係止端面21a と係合面31a とを互いに面接触状態で係合
する傾斜面に形成したものである。又、別な変形例とし
ては、雌雄実部2a、3aを夫々嵌合突縁部２の先端面中央
部と嵌合溝３の内側壁面中央部とに形成することなく、
図10に示すように、夫々の下端部に雌雄実部22a 、23a
を形成しておいてもよい。

【００１６】また、嵌合溝３を形成する上記コ字型材13
としては、上記図10に示すように、横Ｆ字型の型材33を
使用し、その水平片部の下面を床材主体１の下面から他
側方に延出させた弾性材４に隣接して貼着、一体化させ
る一方、垂直片部によって嵌合溝３の他側壁面を形成し
た係止突起3bを形成している。この場合、床材主体１に
当接した突起33a に弾性作用を付与しておくと、隣接す
る床材主体１の嵌合突縁部２との当接面で弾性的に連結
され、隙間防止や床鳴り防止、寸法変化の吸収等の効果
があり、好ましい。又、このような弾性部材としては、
図11に示すように、図６における嵌合溝３の係止係合面
3aの凹所に別体の弾性材13b を設けておいてもよい。

【００１７】次に、図12、13は別な実施例を示すもの
で、前述の実施例では長方形の床材であったが、この実
施例においては４周に雌雄実1a、1b、1c、1dを有する短
冊形の床材主体１の長辺側の対向雌雄実を嵌着させて雁
行状に配し、裏面に弾性材4a、4bを貼着していると共
に、両端部の床材主体１の裏面長手方向において、一端
側には係止溝2bを他端側にはコ字型材13の起立端部が嵌
入する細孔1aが設けられ、弾性材4a、4bはその中間に亘
って配されてなるものである。本実施例では嵌合突縁部
が設けられていない床材同士の縦継部が階段状に形成さ
れていて順次実結合されるので、目すきや浮き上がりが
生じにくいという利点がある。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明の床材によれば、床
材主体の一側端縁に先端面を係止端面に形成し且つ基端
部下面に係止溝を設けている嵌合突縁部を一体に設ける
一方、該床材主体の他側端縁に上記嵌合突縁部が嵌合可
能な嵌合溝を設けると共にこの嵌合溝の一側壁面を上記
係止端面が係合可能な係合面に、他側壁部を前記係止溝
が嵌合可能な係止突起に形成しているので、床下地材上
に施工する場合、先に貼着した床材の嵌合溝に次に貼着
する床材の嵌合突縁部を嵌め込むと、嵌合突縁部の係止
端面と嵌合溝の係合面とが互いに係止して床材の浮き上
がりを防止し得る上に、床材主体の下面には弾性材を貼
着しているので、該弾性材によって床下地に生じている
微小な凹凸部を吸収させることができると共にその弾性
力によって上記嵌合突縁部の係止端面が嵌合溝の係合面
に積極的に押し付けられ、隣接する床材同士をその上面
が互いに面一となるように精度よく接合させることがで
きるものである。

【００１９】さらに、嵌合突縁部の基端部下面に設けて
いる嵌合溝が先に貼着している床材主体の他側端縁に突
設している係止突起に嵌合、係止して床材同士の幅方向
のズレの発生を確実に防止し、目隙が生じるのをなくす
ることができるものである。このように、先に貼着して
床材の嵌合溝に次に貼着する床材の嵌合突縁部を嵌め込
むという簡単な操作によって、床材の幅方向の移動を係
止溝と係止突起との係合によって拘束することができ、
厚さ方向の段違いの発生は床材主体の下面に貼着してい
る弾性材の弾力による係止端面と係合面との係合で防止
でき、従って、床下地材に多少の不陸や施工技術にバラ
ツキがあってもそれを吸収して精度のよい床施工が可能
となるものである。又、本発明によると、釘や接着剤を
用いて固定しなくても、安定した床仕上げ面が形成で
き、熟練を要することなく施工性を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明床材の斜視図、

【図２】その拡大断面図、

【図３】一列目の床材施工状態を示す簡略断面図、

【図４】二列目の床材施工状態を示す簡略断面図、

【図５】三列目の床材施工状態を示す簡略断面図、

【図６】嵌合溝の別な実施例を示す断面図、

【図７】そのコ字型材の一部斜視図、

【図８】そのコ字型材の変形例を示す斜視図、

【図９】係止端面と係合面との別な形状を示す断面図、

【図１０】コ字型材の変形例を示す断面図、

【図１１】弾性体の別な構造を示す断面図、

【図１２】本発明床材の別な実施例を示す裏面図、

【図１３】そのＡーＡ線断面図。

【符号の説明】

１ 床材主体 ２ 嵌合突縁部 2a 係止端面 2b 係止溝 ３ 嵌合溝 3a 係合面 3b 係止突起 ４ 弾性材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に一定厚みの弾性材を貼着してなる
   長方形状の床材主体の一側端縁に上面が床材主体と面一
   で且つ床材主体よりも厚みが小なる嵌合突縁部を設け、
   この嵌合突縁部の先端面を傾斜面や実形状等の係止端面
   に形成すると共に該嵌合突縁部の基端部下面に適宜深さ
   の係止溝を設け、一方、床材主体の他側端縁に上記嵌合
   突縁部が嵌合可能な断面形状を有する上向き開口の嵌合
   溝を設けると共に該嵌合溝の一側壁面に上記係止端面と
   係合可能な形状を有する係合面を形成し、さらに、この
   嵌合溝の他側端に前記係止溝が嵌合可能な係止突起を設
   けていることを特徴とする床材。