JPH06124843A - 高周波用薄膜トランス - Google Patents
高周波用薄膜トランスInfo
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- JPH06124843A JPH06124843A JP4274715A JP27471592A JPH06124843A JP H06124843 A JPH06124843 A JP H06124843A JP 4274715 A JP4274715 A JP 4274715A JP 27471592 A JP27471592 A JP 27471592A JP H06124843 A JPH06124843 A JP H06124843A
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- thin film
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F19/00—Fixed transformers or mutual inductances of the signal type
- H01F19/04—Transformers or mutual inductances suitable for handling frequencies considerably beyond the audio range
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F27/00—Details of transformers or inductances, in general
- H01F27/28—Coils; Windings; Conductive connections
- H01F27/2804—Printed windings
- H01F2027/2809—Printed windings on stacked layers
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- Power Engineering (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波用薄膜トランスにおいて、小形化・高
性能化するために、インダクタンスの減少ならびに高周
波における導体抵抗の急増を抑え、かつ、1次側・2次
側導体間の結合を向上させる。 【構成】 上下磁性層8,14をスルーホール部15で
連続させて、1次側・2次側導体10,12が長手方向
の上下左右において閉磁路構造を持つ磁性体に包まれる
構造を持たせる。この閉磁路構造により、インダクタン
ス低下の原因である磁性層8,14中での反磁界を著し
く減少させ、隣接導体間隔を極端に小さくして、薄膜ト
ランスの小形化を可能にする。同時に、漏れ磁束を減少
させ、漏れ磁束と導体10,12の錯交で発生する渦電
流による高周波での導体抵抗急増を抑え、高いQ値の実
現を可能にする。さらに、閉磁路構造の磁性体中に1次
側・2次側導体8,14を設置することで、高い結合係
数を実現する。
性能化するために、インダクタンスの減少ならびに高周
波における導体抵抗の急増を抑え、かつ、1次側・2次
側導体間の結合を向上させる。 【構成】 上下磁性層8,14をスルーホール部15で
連続させて、1次側・2次側導体10,12が長手方向
の上下左右において閉磁路構造を持つ磁性体に包まれる
構造を持たせる。この閉磁路構造により、インダクタン
ス低下の原因である磁性層8,14中での反磁界を著し
く減少させ、隣接導体間隔を極端に小さくして、薄膜ト
ランスの小形化を可能にする。同時に、漏れ磁束を減少
させ、漏れ磁束と導体10,12の錯交で発生する渦電
流による高周波での導体抵抗急増を抑え、高いQ値の実
現を可能にする。さらに、閉磁路構造の磁性体中に1次
側・2次側導体8,14を設置することで、高い結合係
数を実現する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバータやスイッチ
ング電源等に好適で、小形に構成された高周波特性に優
れるインダクタ・トランスに関するものである。
ング電源等に好適で、小形に構成された高周波特性に優
れるインダクタ・トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器構成部品の小形化・軽量
化の要請は厳しく、高品質な電力が得られるスイッチン
グ電源等においても小形化は必須の課題であり、スイッ
チング周波数の高周波化により、トランス、コンデンサ
等の部品を小さくすることで小形化が進められてきた。
半導体部品やコンデンサ部品では、LSIや積層セラミ
ックコンデンサに代表されるように、早くから薄膜技術
が用いられ、構成部品小形化の要請に十分応えてきた。
一方、トランスはこれまでに最も小形化しにくく、また
高周波化に伴う損失増加を抑えることが難しいため、電
源の小形化を妨げる第一の原因であった。このため、現
在、高周波スイッチング電源の体積は、トランスによっ
て決定されると言っても過言ではない。そこで近年、高
周波化に対応すべく薄膜形成技術を用いた薄膜トランス
の研究が進められ、スイッチング周波数をMHz帯域ま
で高めた小形電源の開発が強く望まれるようになった。
(例えば、T.YACHI,M.MINO,A.TAG
O,and K.YANAGISAWA,PESC’9
1 RECORDS,pp.20−26,1991や、
山口,大沼,今川,鳥生,電気学会研究会資料,MAG
−91−62,1991.)図8に従来の薄膜形成技術
で作製されたつづら折れ形薄膜トランスの平面図(a)
およびその平面図のX−X′断面構造模式図(b)を示
す。図中、1は基板、2は下部磁性層、3は1次側導
体、4は2次側導体、5は上部磁性層であり、各層とも
絶縁層を介して成膜されており、互いに絶縁されてい
る。従来、この種の薄膜トランスの作製は、以下のよう
に行われていた。すなわち、表面が絶縁性である基板1
上に、パーマロイ,CoZrRe,CoZrNb,Co
FeSiB等の磁性層をスパッタ法等の薄膜形成手法で
成膜し、これをパターニングして平板状の下部磁性層2
を形成し、この上に絶縁層をフォトレジスト,Si
O2,SiO,Al2O3,ポリイミド樹脂等で形成し、
これを平坦化したのちCu,Ag,Al等の導体層を電
子ビーム蒸着法やスパッタ法等で形成し、パターニング
してつづら折れ形状の1次側導体3とする。さらにこの
上にふたたび絶縁層を形成し平坦化を行う。そして、1
次側導体3の外部接続用端子部分にイオンビームエッチ
ング法等によりスルーホールを形成し、端子部の窓開け
を行う。さらに、導体層を電子ビーム蒸着法やスパッタ
法等で形成し、上記スルーホール部を充填するととも
に、パターニングしてつづら折れ形状の2次側導体4と
する。そして、この上に絶縁層を形成し、平坦化したの
ち、磁性層を形成し、パターニングで平板状の上部磁性
層5を作製する。最後に1次側、2次側導体層の外部端
子部分にイオンビームエッチング法等により窓開けを行
い完成する。こうして作製された薄膜トランスでは、1
次側導体3と2次側導体4との結合は、上下磁性層2,
5間の漏れ磁束によって結合する構造となっている。
化の要請は厳しく、高品質な電力が得られるスイッチン
グ電源等においても小形化は必須の課題であり、スイッ
チング周波数の高周波化により、トランス、コンデンサ
等の部品を小さくすることで小形化が進められてきた。
半導体部品やコンデンサ部品では、LSIや積層セラミ
ックコンデンサに代表されるように、早くから薄膜技術
が用いられ、構成部品小形化の要請に十分応えてきた。
一方、トランスはこれまでに最も小形化しにくく、また
高周波化に伴う損失増加を抑えることが難しいため、電
源の小形化を妨げる第一の原因であった。このため、現
在、高周波スイッチング電源の体積は、トランスによっ
て決定されると言っても過言ではない。そこで近年、高
周波化に対応すべく薄膜形成技術を用いた薄膜トランス
の研究が進められ、スイッチング周波数をMHz帯域ま
で高めた小形電源の開発が強く望まれるようになった。
(例えば、T.YACHI,M.MINO,A.TAG
O,and K.YANAGISAWA,PESC’9
1 RECORDS,pp.20−26,1991や、
山口,大沼,今川,鳥生,電気学会研究会資料,MAG
−91−62,1991.)図8に従来の薄膜形成技術
で作製されたつづら折れ形薄膜トランスの平面図(a)
およびその平面図のX−X′断面構造模式図(b)を示
す。図中、1は基板、2は下部磁性層、3は1次側導
体、4は2次側導体、5は上部磁性層であり、各層とも
絶縁層を介して成膜されており、互いに絶縁されてい
る。従来、この種の薄膜トランスの作製は、以下のよう
に行われていた。すなわち、表面が絶縁性である基板1
上に、パーマロイ,CoZrRe,CoZrNb,Co
FeSiB等の磁性層をスパッタ法等の薄膜形成手法で
成膜し、これをパターニングして平板状の下部磁性層2
を形成し、この上に絶縁層をフォトレジスト,Si
O2,SiO,Al2O3,ポリイミド樹脂等で形成し、
これを平坦化したのちCu,Ag,Al等の導体層を電
子ビーム蒸着法やスパッタ法等で形成し、パターニング
してつづら折れ形状の1次側導体3とする。さらにこの
上にふたたび絶縁層を形成し平坦化を行う。そして、1
次側導体3の外部接続用端子部分にイオンビームエッチ
ング法等によりスルーホールを形成し、端子部の窓開け
を行う。さらに、導体層を電子ビーム蒸着法やスパッタ
法等で形成し、上記スルーホール部を充填するととも
に、パターニングしてつづら折れ形状の2次側導体4と
する。そして、この上に絶縁層を形成し、平坦化したの
ち、磁性層を形成し、パターニングで平板状の上部磁性
層5を作製する。最後に1次側、2次側導体層の外部端
子部分にイオンビームエッチング法等により窓開けを行
い完成する。こうして作製された薄膜トランスでは、1
次側導体3と2次側導体4との結合は、上下磁性層2,
5間の漏れ磁束によって結合する構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9は、上記の従来例
のつづら折れ形薄膜トランスの磁界分布を示す断面図で
あり、1次側導体3に電流を流した時に発生する磁束分
布を矢印で示したものである。なお、図中の
のつづら折れ形薄膜トランスの磁界分布を示す断面図で
あり、1次側導体3に電流を流した時に発生する磁束分
布を矢印で示したものである。なお、図中の
【0004】
【数1】
【0005】は、前者が紙面の鉛直方向に紙面の裏側か
ら表側に流れる電流の向きを表わし、後者がその逆の向
きを表わしている。このような薄膜トランスにおいて
は、図中に示すように、隣合う導体には互いに反平行な
電流が流れるため、導体3,4からの磁界によって、磁
性層2,5中は、互いに反平行な磁界が発生する領域に
分割され、そのため、反磁界によるインダクタンス低下
が現出する。したがって、導体間隔が大きい場合には問
題は比較的小さいが、小形化するために隣接導体の間隔
を狭めていくと、インダクタンスは著しく低下し、小形
のつづら折れ形薄膜トランスを開発する上で極めて大き
な問題となっていた。また、上下の磁性層2,5間を漏
れる磁束が導体3,4と錯交することにより、導体3,
4中に渦電流が発生し、高周波における導体抵抗の急増
をまねき、性能特性値Q値(ωL/R)を減少させる要
因となっていた。さらに、ギャップの大きい上下磁性層
2,5間を流れる磁束により、1次側導体3と2次側導
体4が結合するため、トランスとしての結合が小さい欠
点を持っている。そのため、小形薄膜トランスにはつづ
ら折れ構造は適さず、研究開発は小形化効果の大きい螺
旋構造薄膜トランスやスパイラルコイル形薄膜トランス
を中心として進められているのが、現状である。(例え
ば、T.YACHI,M.MINO,and K.YA
NAGISAWA,PESC’91 RECORDS,
pp.20−26,1991.や、山口,大沼,今川,
鳥生,電気学会研究会資料,MAG−91−62,19
91.)。
ら表側に流れる電流の向きを表わし、後者がその逆の向
きを表わしている。このような薄膜トランスにおいて
は、図中に示すように、隣合う導体には互いに反平行な
電流が流れるため、導体3,4からの磁界によって、磁
性層2,5中は、互いに反平行な磁界が発生する領域に
分割され、そのため、反磁界によるインダクタンス低下
が現出する。したがって、導体間隔が大きい場合には問
題は比較的小さいが、小形化するために隣接導体の間隔
を狭めていくと、インダクタンスは著しく低下し、小形
のつづら折れ形薄膜トランスを開発する上で極めて大き
な問題となっていた。また、上下の磁性層2,5間を漏
れる磁束が導体3,4と錯交することにより、導体3,
4中に渦電流が発生し、高周波における導体抵抗の急増
をまねき、性能特性値Q値(ωL/R)を減少させる要
因となっていた。さらに、ギャップの大きい上下磁性層
2,5間を流れる磁束により、1次側導体3と2次側導
体4が結合するため、トランスとしての結合が小さい欠
点を持っている。そのため、小形薄膜トランスにはつづ
ら折れ構造は適さず、研究開発は小形化効果の大きい螺
旋構造薄膜トランスやスパイラルコイル形薄膜トランス
を中心として進められているのが、現状である。(例え
ば、T.YACHI,M.MINO,and K.YA
NAGISAWA,PESC’91 RECORDS,
pp.20−26,1991.や、山口,大沼,今川,
鳥生,電気学会研究会資料,MAG−91−62,19
91.)。
【0006】本発明は、上記問題点を克服し、薄膜トラ
ンスを小形化・高性能化するために、インダクタンスの
減少ならびに高周波における導体抵抗の急増を抑え、か
つ、1次側・2次側導体間の結合を向上でき、特につづ
ら折れ形薄膜トランスに好適な新規の構造を提案するこ
とを目的とするものである。
ンスを小形化・高性能化するために、インダクタンスの
減少ならびに高周波における導体抵抗の急増を抑え、か
つ、1次側・2次側導体間の結合を向上でき、特につづ
ら折れ形薄膜トランスに好適な新規の構造を提案するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高周波用薄膜トランスにおいては、トラン
スを構成する磁性体すなわち磁性層の形状に凹凸を付
け、上下の磁性層により導体長手方向の上下左右を取り
囲み、導体が閉磁路構造を持つ磁性体に包まれる構造を
持たせることを特徴とするとともに、さらに、上記の構
成において、1次側・2次側導体間の結合を高めるため
に、1次側導体あるいは2次側導体が、2次側導体ある
いは1次側導体の長手方向の上下左右を取り囲む矩形の
同軸断面構造を持つことを特徴としている。
め、本発明の高周波用薄膜トランスにおいては、トラン
スを構成する磁性体すなわち磁性層の形状に凹凸を付
け、上下の磁性層により導体長手方向の上下左右を取り
囲み、導体が閉磁路構造を持つ磁性体に包まれる構造を
持たせることを特徴とするとともに、さらに、上記の構
成において、1次側・2次側導体間の結合を高めるため
に、1次側導体あるいは2次側導体が、2次側導体ある
いは1次側導体の長手方向の上下左右を取り囲む矩形の
同軸断面構造を持つことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明の高周波用薄膜トランスにおいては、構
成する磁性層の形状に凹凸を付け、上下の磁性層により
導体長手方向の上下左右を取り囲み、導体が閉磁路構造
を持つ磁性体に包まれている構造を持たせる。これによ
り、これまでインダクタンス低下の原因となっていた磁
性層中での反磁界を、閉磁路構造とすることで著しく減
少させ、隣接導体間隔を極端に小さくして、つづら折れ
形薄膜トランスの小形化を可能にする。同時に、磁性体
を閉磁路構造とすることで、漏れ磁束を減少させ、漏れ
磁束と導体が錯交することにより発生した渦電流による
高周波での導体抵抗急増を抑えて、高いQ値を持つトラ
ンスを提供可能とする。一方、開磁路構造を持つ上下の
磁性層間の漏れ磁束によりトランスの1次側・2次側導
体間を結合させていた従来の薄膜トランスに比べて、閉
磁路構造の磁性体中に1次側・2次側導体を設置する構
造とすることで、薄膜トランスの結合係数を向上させ
る。さらに、導体の構造を矩形の同軸断面形状とするこ
とにより、1次側・2次側間の結合をより一層向上させ
る。
成する磁性層の形状に凹凸を付け、上下の磁性層により
導体長手方向の上下左右を取り囲み、導体が閉磁路構造
を持つ磁性体に包まれている構造を持たせる。これによ
り、これまでインダクタンス低下の原因となっていた磁
性層中での反磁界を、閉磁路構造とすることで著しく減
少させ、隣接導体間隔を極端に小さくして、つづら折れ
形薄膜トランスの小形化を可能にする。同時に、磁性体
を閉磁路構造とすることで、漏れ磁束を減少させ、漏れ
磁束と導体が錯交することにより発生した渦電流による
高周波での導体抵抗急増を抑えて、高いQ値を持つトラ
ンスを提供可能とする。一方、開磁路構造を持つ上下の
磁性層間の漏れ磁束によりトランスの1次側・2次側導
体間を結合させていた従来の薄膜トランスに比べて、閉
磁路構造の磁性体中に1次側・2次側導体を設置する構
造とすることで、薄膜トランスの結合係数を向上させ
る。さらに、導体の構造を矩形の同軸断面形状とするこ
とにより、1次側・2次側間の結合をより一層向上させ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0010】〔実施例1〕図1は本発明の第1の実施例
を示す薄膜トランスの平面図(a)およびその平面図の
Y−Y′断面構造模式図(b)である。図中、6は基
板、7は絶縁層、8は下部磁性層、9は絶縁層、10は
1次側導体、11は絶縁層、12は2次側導体、13は
絶縁層、14は上部磁性層、15は磁性層のスルーホー
ル部、16,17は1次側外部接続用端子、18,19
は2次側外部接続用端子である。
を示す薄膜トランスの平面図(a)およびその平面図の
Y−Y′断面構造模式図(b)である。図中、6は基
板、7は絶縁層、8は下部磁性層、9は絶縁層、10は
1次側導体、11は絶縁層、12は2次側導体、13は
絶縁層、14は上部磁性層、15は磁性層のスルーホー
ル部、16,17は1次側外部接続用端子、18,19
は2次側外部接続用端子である。
【0011】引き続き本実施例の作製方法について詳細
に述べる。初めに基板6上にスパッタ法等によりSiO
2等の絶縁層7を形成する。その上にパーマロイ,Co
ZrRe,CoFeSiB等の磁性膜をスパッタ法等で
堆積し、イオンビームエッチング法等でパターニングし
て下部磁性層8を作製する。その後、上記と同様にSi
O2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層9を作製す
る。引き続いて絶縁層9上にCu等の導体層を電子ビー
ム蒸着法等で成膜し、この導体層をイオンビームエッチ
ング法等でパターニングしてつづら折れ形状の1次側導
体10を形成する。この時、1次側外部接続用端子1
6,17を同時に作製する。その後、上記と同様にSi
O2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層11とする。
この時、1次側導体10の外部接続用端子16,17部
分に絶縁層11を貫通するスルーホールをイオンビーム
エッチング法等により作製する。その後、絶縁層11上
にCu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜し、前記
スルーホールを充填するとともに、この導体層をイオン
ビームエッチング法等でパターンニングしてつづら折れ
形状の2次側導体12を形成する。この時、2次側導体
の外部接続用端子18,19を同時に作製する。さら
に、上記と同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行
い絶縁層13とする。そして、上下の磁性層を接続する
ために、導体12の隣接する空隙部分ならび導体外周部
に絶縁層9,11,13を貫通するスルーホール部15
をイオンビームエッチング等により形成する。図2に上
記スルーホール部15のパターン図を示す。さらに、磁
性膜をスパッタリング法等により成膜し、上記スルーホ
ール部15中に磁性層を形成するとともに、磁性層をパ
ターンニングして上部磁性層14とする。最後に、つづ
ら折れ形状の導体10,12の端子16〜19部分に絶
縁層13を貫通するスルーホールを開けて外部端子と
し、本発明の薄膜トランスを得る。
に述べる。初めに基板6上にスパッタ法等によりSiO
2等の絶縁層7を形成する。その上にパーマロイ,Co
ZrRe,CoFeSiB等の磁性膜をスパッタ法等で
堆積し、イオンビームエッチング法等でパターニングし
て下部磁性層8を作製する。その後、上記と同様にSi
O2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層9を作製す
る。引き続いて絶縁層9上にCu等の導体層を電子ビー
ム蒸着法等で成膜し、この導体層をイオンビームエッチ
ング法等でパターニングしてつづら折れ形状の1次側導
体10を形成する。この時、1次側外部接続用端子1
6,17を同時に作製する。その後、上記と同様にSi
O2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層11とする。
この時、1次側導体10の外部接続用端子16,17部
分に絶縁層11を貫通するスルーホールをイオンビーム
エッチング法等により作製する。その後、絶縁層11上
にCu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜し、前記
スルーホールを充填するとともに、この導体層をイオン
ビームエッチング法等でパターンニングしてつづら折れ
形状の2次側導体12を形成する。この時、2次側導体
の外部接続用端子18,19を同時に作製する。さら
に、上記と同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行
い絶縁層13とする。そして、上下の磁性層を接続する
ために、導体12の隣接する空隙部分ならび導体外周部
に絶縁層9,11,13を貫通するスルーホール部15
をイオンビームエッチング等により形成する。図2に上
記スルーホール部15のパターン図を示す。さらに、磁
性膜をスパッタリング法等により成膜し、上記スルーホ
ール部15中に磁性層を形成するとともに、磁性層をパ
ターンニングして上部磁性層14とする。最後に、つづ
ら折れ形状の導体10,12の端子16〜19部分に絶
縁層13を貫通するスルーホールを開けて外部端子と
し、本発明の薄膜トランスを得る。
【0012】以上のように構成した実施例の作用を図8
の従来例と比較して述べる。本実施例では、スルーホー
ル部15によって1次側・2次側導体の長手方向の上下
左右を囲うように、上下磁性層8,14が連続し、閉磁
路構造が形成される。図3は薄膜トランスを構成する磁
性層の磁性膜透磁率、導体幅、導体厚さ、磁性膜厚さを
一定とし、左右に隣接する1次側あるいは2次側の導体
間隔を変化させたときのインダクタンス値と導体間隔の
関係を計算により求めた図で、本実施例と従来例の場合
を併せて示している。
の従来例と比較して述べる。本実施例では、スルーホー
ル部15によって1次側・2次側導体の長手方向の上下
左右を囲うように、上下磁性層8,14が連続し、閉磁
路構造が形成される。図3は薄膜トランスを構成する磁
性層の磁性膜透磁率、導体幅、導体厚さ、磁性膜厚さを
一定とし、左右に隣接する1次側あるいは2次側の導体
間隔を変化させたときのインダクタンス値と導体間隔の
関係を計算により求めた図で、本実施例と従来例の場合
を併せて示している。
【0013】インダクタンスの計算は、各導体を周回す
る磁路を仮定し、その磁気抵抗Rを求め、その和の逆数
から求めている。なお、磁気抵抗Rは以下の式で表せ
る。
る磁路を仮定し、その磁気抵抗Rを求め、その和の逆数
から求めている。なお、磁気抵抗Rは以下の式で表せ
る。
【0014】
【数2】
【0015】ただし、ιは磁性体の長さ、μ0は真空の
透磁率、
透磁率、
【0016】
【数3】
【0017】は磁性体の比透磁率、Aは磁性体の断面積
である。さらに、計算では1次側導体のみとし、2次側
導体の影響は無視した。
である。さらに、計算では1次側導体のみとし、2次側
導体の影響は無視した。
【0018】まず、従来構造のつづら折れ形薄膜トラン
スで、図10(a)のように磁路を仮定し、磁気抵抗R
1〜R4を求める。
スで、図10(a)のように磁路を仮定し、磁気抵抗R
1〜R4を求める。
【0019】
【数4】
【0020】となり、導体101は2N本あるため、求
めるインダクタンスLは、
めるインダクタンスLは、
【0021】
【数5】
【0022】であらわせる。ただし、Nは導体101の
つづら折れターン数、aは正方形のつづら折れ形薄膜ト
ランスの一辺の長さ、tmは磁性層102の磁性膜の厚
さ、gは絶縁層100を介した上下磁性層102のギャ
ップ、μ0は真空の透磁率、
つづら折れターン数、aは正方形のつづら折れ形薄膜ト
ランスの一辺の長さ、tmは磁性層102の磁性膜の厚
さ、gは絶縁層100を介した上下磁性層102のギャ
ップ、μ0は真空の透磁率、
【0023】
【数6】
【0024】は磁性層102の比透磁率である。
【0025】また、本発明構造の場合では、図10
(b)のように磁路を仮定し、磁性層102を被った長
さ2aNの導体101と近似して計算する。
(b)のように磁路を仮定し、磁性層102を被った長
さ2aNの導体101と近似して計算する。
【0026】
【数7】
【0027】となり、
【0028】
【数8】
【0029】ただし、Nは導体101のつづら折れター
ン数、aは正方形のつづら折れ形薄膜トランスの一辺の
長さ、tは磁性層102の被り厚さ、g′は導体101
と絶縁層100の厚さの和、μ0は真空の透磁率、
ン数、aは正方形のつづら折れ形薄膜トランスの一辺の
長さ、tは磁性層102の被り厚さ、g′は導体101
と絶縁層100の厚さの和、μ0は真空の透磁率、
【0030】
【数9】
【0031】は磁性層102の比透磁率、dは導体10
1を囲む絶縁層100の幅である。
1を囲む絶縁層100の幅である。
【0032】上記の式により求めた図3の導体間隔〔m
m〕とインダクタンス〔H〕との関係を示すグラフにお
いて、実線は本発明技術によるインダクタンスの計算値
を示し、●印は実測値を示している。一方、破線は、従
来技術によるインダクタンスの計算値を示している。従
来技術では、隣合う導体には互いに反平行な電流が流
れ、そのため、導体からの磁界によって、磁性層中は互
いに反平行な磁界が発生する領域に分割されるため、イ
ンダクタンスは導体間隔が狭くなるにつれ著しく減少す
る。一方、本実施例では、従来技術に見られる磁性層中
の反磁界に起因するインダクタンスの低下は見られず、
逆に、導体間隔が20μm程度までインダクタンスは増
加する。実測データが計算値よりもやや大きな値を示し
ているのは、計算では空心のインダクタンスを考慮して
いないためである。
m〕とインダクタンス〔H〕との関係を示すグラフにお
いて、実線は本発明技術によるインダクタンスの計算値
を示し、●印は実測値を示している。一方、破線は、従
来技術によるインダクタンスの計算値を示している。従
来技術では、隣合う導体には互いに反平行な電流が流
れ、そのため、導体からの磁界によって、磁性層中は互
いに反平行な磁界が発生する領域に分割されるため、イ
ンダクタンスは導体間隔が狭くなるにつれ著しく減少す
る。一方、本実施例では、従来技術に見られる磁性層中
の反磁界に起因するインダクタンスの低下は見られず、
逆に、導体間隔が20μm程度までインダクタンスは増
加する。実測データが計算値よりもやや大きな値を示し
ているのは、計算では空心のインダクタンスを考慮して
いないためである。
【0033】また、1次側・2次側間の結合係数を比較
した結果、従来技術では0.1〜0.2程度であった
が、本実施例では0.90〜0.96という極めて高い
値が得られた。
した結果、従来技術では0.1〜0.2程度であった
が、本実施例では0.90〜0.96という極めて高い
値が得られた。
【0034】以上のように、測定したすべての範囲で従
来技術に比べ本技術が優れており、従来技術では困難で
あった導体間隔を狭くした狭ピッチ化による小形化が可
能である。また同時に、上下磁性層間の漏れ磁束が著し
く減少するため、漏れ磁束に起因した導体抵抗の急増も
少なく、結合係数が著しく向上する。
来技術に比べ本技術が優れており、従来技術では困難で
あった導体間隔を狭くした狭ピッチ化による小形化が可
能である。また同時に、上下磁性層間の漏れ磁束が著し
く減少するため、漏れ磁束に起因した導体抵抗の急増も
少なく、結合係数が著しく向上する。
【0035】〔実施例2〕以下、本発明の第2の実施例
を、図面を参照して詳細に説明する。図4はその構成を
示す薄膜トランスの平面図(a)およびその平面図のZ
−Z′断面構造模式図(b)である。図中、20は基
板、21は絶縁層、22は下部磁性層、23は絶縁層、
24は1次側導体、25は2次側導体、26は絶縁層、
27は上部磁性膜、28は磁性層のスルーホール部、5
0,51は1次側外部接続用端子、52,53は2次側
外部接続用端子である。第1の実施例と同様に上下磁性
層を接続するためのスルーホール部28のパターン図を
図5に示す。第1の実施例との差異は、1次側導体と2
次側導体の配置を上下配置から水平配置に変え、導体形
成工程を簡略化したことであり、上下磁性層22,27
をスルーホール部28により連続させて、1次側・2次
側導体24,25の長手方向の上下左右を囲う閉磁路構
造とする点は共通である。
を、図面を参照して詳細に説明する。図4はその構成を
示す薄膜トランスの平面図(a)およびその平面図のZ
−Z′断面構造模式図(b)である。図中、20は基
板、21は絶縁層、22は下部磁性層、23は絶縁層、
24は1次側導体、25は2次側導体、26は絶縁層、
27は上部磁性膜、28は磁性層のスルーホール部、5
0,51は1次側外部接続用端子、52,53は2次側
外部接続用端子である。第1の実施例と同様に上下磁性
層を接続するためのスルーホール部28のパターン図を
図5に示す。第1の実施例との差異は、1次側導体と2
次側導体の配置を上下配置から水平配置に変え、導体形
成工程を簡略化したことであり、上下磁性層22,27
をスルーホール部28により連続させて、1次側・2次
側導体24,25の長手方向の上下左右を囲う閉磁路構
造とする点は共通である。
【0036】以上のように構成した実施例では、第1の
実施例に比べ若干インダクタンス値は減少するものの、
トランスの結合係数は第1の実施例と同じく0.90〜
0.96の値が得られる。このように、1次側・2次側
導体を水平配置し、工程を簡略しても本発明の効果が得
られ、従来技術では困難であった導体間隔を狭した狭ピ
ッチ化による小形化が可能である。また同時に、上下磁
性層22,27間の漏れ磁束が著しく減少するため、漏
れ磁束に起因した導体抵抗の急増も少なく、結合係数が
著しく向上する。
実施例に比べ若干インダクタンス値は減少するものの、
トランスの結合係数は第1の実施例と同じく0.90〜
0.96の値が得られる。このように、1次側・2次側
導体を水平配置し、工程を簡略しても本発明の効果が得
られ、従来技術では困難であった導体間隔を狭した狭ピ
ッチ化による小形化が可能である。また同時に、上下磁
性層22,27間の漏れ磁束が著しく減少するため、漏
れ磁束に起因した導体抵抗の急増も少なく、結合係数が
著しく向上する。
【0037】〔実施例3〕以下、本発明の第3の実施例
を、図面を参照して詳細に説明する。図6はその構成を
示すつづら折れ薄膜トランスの平面図(a)およびその
平面図のα−α′断面模式図(b)である。本実施例
は、第1の実施例と同じ磁性体構造を持つことは共通で
あり、1次側、2次側導体の構造を矩形の同軸断面形状
としていることを特徴としている。図中、30は基板、
31は絶縁層、32は下部磁性層、33は絶縁層、34
は1次側導体、35は2次側導体、36は絶縁層、37
は上部磁性層、38は磁性層スルーホール部、39,4
2は1次側外部接続用端子、40,41は2次側外部接
続用端子である。
を、図面を参照して詳細に説明する。図6はその構成を
示すつづら折れ薄膜トランスの平面図(a)およびその
平面図のα−α′断面模式図(b)である。本実施例
は、第1の実施例と同じ磁性体構造を持つことは共通で
あり、1次側、2次側導体の構造を矩形の同軸断面形状
としていることを特徴としている。図中、30は基板、
31は絶縁層、32は下部磁性層、33は絶縁層、34
は1次側導体、35は2次側導体、36は絶縁層、37
は上部磁性層、38は磁性層スルーホール部、39,4
2は1次側外部接続用端子、40,41は2次側外部接
続用端子である。
【0038】引き続き本実施例の作製方法について詳細
に述べる。初めに基板30上にスパッタ法等によりSi
O2等の絶縁層31を形成する。その上にパーマロイ、
CoZrRe、CoFeSiB等の磁性膜をスパッタリ
ング法等で堆積し、イオンビームエッチング法等でパタ
ーンニングして下部磁性層32を作製する。その後、上
記と同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁
層33を作製する。引き続いて絶縁層33上にCu等の
導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜し、この導体層をイ
オンビームエッチング法等でパターンニングしてつづら
折れ形状の2次側導体35の矩形下辺部ならびに2次側
外部接続用端子39,42を形成する。その後、上記と
同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層3
6とする。次に絶縁層36において2次側導体35の、
矩形側壁部を形成する領域と1次側導体部分にイオンビ
ームエッチング法等によりスルーホールを形成する。そ
して、Cu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜した
のち、イオンビームエッチング法等によりパターンニン
グを行い、2次側導体35の矩形側壁部、1次側導体3
4ならびに1次側外部接続用端子40、41を形成す
る。その上に上記と同様に絶縁層を形成し平坦化を行っ
たのち、パターンニングを行い、1次側導体34上部に
絶縁層を作製したのち、2次側導体35の矩形側壁部に
イオンビームエッチング法等によりスルーホールを作製
する。その後、Cu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で
成膜したのち、イオンビームエッチング法等によりパタ
ーンニングを行い、2次側導体35の矩形上辺部を作製
する。そして、隣接する同軸導体の空隙部分ならびに導
体外周部に図7に示すようなスルーホール部38をイオ
ンビームエッチング法等により形成する。そして、上記
スルーホール部38中に磁性層を形成するとともに、こ
の磁性層をパターンニングして上部磁性層37とする。
最後に接続用端子39〜42部分に絶縁膜を貫通するス
ルーホールを開けて外部端子とし、本発明薄膜トランス
を得る。
に述べる。初めに基板30上にスパッタ法等によりSi
O2等の絶縁層31を形成する。その上にパーマロイ、
CoZrRe、CoFeSiB等の磁性膜をスパッタリ
ング法等で堆積し、イオンビームエッチング法等でパタ
ーンニングして下部磁性層32を作製する。その後、上
記と同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁
層33を作製する。引き続いて絶縁層33上にCu等の
導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜し、この導体層をイ
オンビームエッチング法等でパターンニングしてつづら
折れ形状の2次側導体35の矩形下辺部ならびに2次側
外部接続用端子39,42を形成する。その後、上記と
同様にSiO2等を堆積し、平坦化処理を行い絶縁層3
6とする。次に絶縁層36において2次側導体35の、
矩形側壁部を形成する領域と1次側導体部分にイオンビ
ームエッチング法等によりスルーホールを形成する。そ
して、Cu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で成膜した
のち、イオンビームエッチング法等によりパターンニン
グを行い、2次側導体35の矩形側壁部、1次側導体3
4ならびに1次側外部接続用端子40、41を形成す
る。その上に上記と同様に絶縁層を形成し平坦化を行っ
たのち、パターンニングを行い、1次側導体34上部に
絶縁層を作製したのち、2次側導体35の矩形側壁部に
イオンビームエッチング法等によりスルーホールを作製
する。その後、Cu等の導体層を電子ビーム蒸着法等で
成膜したのち、イオンビームエッチング法等によりパタ
ーンニングを行い、2次側導体35の矩形上辺部を作製
する。そして、隣接する同軸導体の空隙部分ならびに導
体外周部に図7に示すようなスルーホール部38をイオ
ンビームエッチング法等により形成する。そして、上記
スルーホール部38中に磁性層を形成するとともに、こ
の磁性層をパターンニングして上部磁性層37とする。
最後に接続用端子39〜42部分に絶縁膜を貫通するス
ルーホールを開けて外部端子とし、本発明薄膜トランス
を得る。
【0039】こうして作製した実施例のつづら折れ形薄
膜トランスでは、インダクタンスの値は実施例1とほぼ
同じ値を持ち、従来例と比べて大幅に向上している。一
方、結合係数は、導体構造が同軸断面形状を持つため、
結合係数はさらに向上し、0.97〜0.99の値が得
られた。
膜トランスでは、インダクタンスの値は実施例1とほぼ
同じ値を持ち、従来例と比べて大幅に向上している。一
方、結合係数は、導体構造が同軸断面形状を持つため、
結合係数はさらに向上し、0.97〜0.99の値が得
られた。
【0040】なお、以上の3つの実施例では、つづら折
れ回数N回の薄膜トランスとして1次側・2次側導体を
設けているが、1次側導体と2次側導体とを外部端子部
分で直列接続し、つづら折れ回数2Nの薄膜インダクタ
として使用することも可能である。また、導体構造の同
軸断面形状化による結合係数の向上は、つづら折れ構造
薄膜トランスのみらず、スパイラル構造薄膜トランスに
おいても同等の効果を与えることは言うまでもない。
れ回数N回の薄膜トランスとして1次側・2次側導体を
設けているが、1次側導体と2次側導体とを外部端子部
分で直列接続し、つづら折れ回数2Nの薄膜インダクタ
として使用することも可能である。また、導体構造の同
軸断面形状化による結合係数の向上は、つづら折れ構造
薄膜トランスのみらず、スパイラル構造薄膜トランスに
おいても同等の効果を与えることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
高周波用薄膜トランスによれば、従来構造の場合に顕著
に現れた導体間隔の狭間隔化に伴うインダクタンスの減
少は見られず、むしろ狭間隔化によりインダクタンスは
向上する特性を持つ。さらに、本発明構造により、1次
側・2次側導体間の結合係数が大幅に向上し、トランス
としての特性が著しく向上する。従って、本発明構造に
より、狭間隔化・高結合係数化が達成され、小形・高性
能化を同時に確保した薄膜トランスを提供することが可
能となる。なお、請求項2の発明によれば、特に、上記
結合係数をより一層向上させることができる。
高周波用薄膜トランスによれば、従来構造の場合に顕著
に現れた導体間隔の狭間隔化に伴うインダクタンスの減
少は見られず、むしろ狭間隔化によりインダクタンスは
向上する特性を持つ。さらに、本発明構造により、1次
側・2次側導体間の結合係数が大幅に向上し、トランス
としての特性が著しく向上する。従って、本発明構造に
より、狭間隔化・高結合係数化が達成され、小形・高性
能化を同時に確保した薄膜トランスを提供することが可
能となる。なお、請求項2の発明によれば、特に、上記
結合係数をより一層向上させることができる。
【図1】(a)は本発明実施例1の平面図、(b)はそ
の平面図のY−Y′断面構造模式図
の平面図のY−Y′断面構造模式図
【図2】本発明実施例1の磁性層のスルーホール部のパ
ターン図
ターン図
【図3】導体間隔とインダクタンスの関係を示す計算値
ならびに実測値(本発明薄膜トランスと従来技術による
薄膜トランス)を表わすグラフ
ならびに実測値(本発明薄膜トランスと従来技術による
薄膜トランス)を表わすグラフ
【図4】(a)は本発明実施例2の平面図、(b)はそ
の平面図のZ−Z′断面構造模式図
の平面図のZ−Z′断面構造模式図
【図5】本発明実施例2の磁性層のスルーホール部のパ
ターン図
ターン図
【図6】(a)は本発明実施例3の平面図、(b)はそ
の平面図のα−α′断面構造模式図
の平面図のα−α′断面構造模式図
【図7】本発明実施例3の磁性層のスルーホール部のパ
ターン図
ターン図
【図8】(a)は従来技術によるつづら折れ形薄膜トラ
ンスの平面図、(b)はその平面図のX−X′断面構造
模式図
ンスの平面図、(b)はその平面図のX−X′断面構造
模式図
【図9】従来技術によるつづら折れ形薄膜トランスの磁
界分布を示す断面模式図
界分布を示す断面模式図
【図10】(a),(b)は計算に使用した磁路構造モ
デル図
デル図
6…基板 7,9,11,13…絶縁層 8…下部磁性層 10…1次側導体 12…2次側導体 14…上部磁性層 15…磁性層のスルーホール部 16,17…1次側外部接続用端子 18,19…2次側外部接続用端子 20…基板 21,23,26…絶縁層 22…下部磁性層 24…1次側導体 25…2次側導体 27…上部磁性層 28…磁性層のスルーホール部 50,51…1次側外部接続用端子 52,53…2次側外部接続用端子 30…基板 31,33,36…絶縁層 32…下部磁性層 34…1次側導体 35…2次側導体 37…上部磁性層 38…磁性層のスルーホール部 39,42…1次側外部接続用端子 40,41…2次側外部接続用端子
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも2本以上の互いに平行に配置
された構造を持つ1次側および2次側導体の上下に磁性
層が配置されて構成される薄膜トランスにおいて、前記
磁性層が前記1次側および2次側導体の長手方向の上下
左右を取り囲む断面構造を持つことを特徴とする高周波
用薄膜トランス。 - 【請求項2】 請求項1記載の高周波用薄膜トランスに
おいて、1次側導体あるいは2次側導体が、前記2次側
導体あるいは1次側導体の長手方向の上下左右を取り囲
む断面構造を持つことを特徴とする高周波用薄膜トラン
ス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4274715A JPH06124843A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 高周波用薄膜トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4274715A JPH06124843A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 高周波用薄膜トランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06124843A true JPH06124843A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17545565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4274715A Pending JPH06124843A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 高周波用薄膜トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06124843A (ja) |
Cited By (10)
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-
1992
- 1992-10-14 JP JP4274715A patent/JPH06124843A/ja active Pending
Cited By (25)
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