【発明の詳細な説明】
酸物
N、N’−ジハロイミダゾリジン−4−オン類野営地での水の殺菌に使われる逆
浸透注水処理ユニツ)のフィルターは、遊離ハロゲンによって急激に劣化する。
さらに、水中の各種有機汚染物質と反応しやすく、実験動物で癌とのかかわりが
認められているクロロホルムなどの有毒性トリハロメタンの生成につながる。プ
ールに塩素や臭素を用いると、敏感な人は、皮膚や目に相当な刺激を感じる。遊
離ハロゲンは水中、とくにプールのように日光にさらされている水中では、非常
に不安定なので、シアヌル酸などの安定化剤を大量に添加しなければならないが
、シアヌル酸自体も濃度が高いと有害になる。
一方、安定性がはるかに高い「結合ハロゲン」の発生源であるオキサゾリジンオ
ン(カミンスキー他米国特許第4,000,293号及び第3,931,213
号;S、D、ウォーレー他米国特許第4,659,484号)、ならびにN、N
”−ジハロ−2−イミダゾリジオン(S、 D、ウォーレー他米国特許第4.6
81.948号及び第4.7G7.542号)などには上記欠点はないが、遊離
ハロゲンの放出がないか、あっても非常に少ないため、水中の微生物を殺菌する
には、一般により長長期安定性があり、腐食や有害なトリハロメタンの生成につ
ながる物質と強い反応を生じず、妥当な時間接触させることにより殺菌作用を発
揮するような、汎用性が高く、抗菌スペクトルの広い滅菌剤に対する需要が高ま
っている。すなわち、滅菌を目的とした用途で、遊離ハロゲンと結合ハロゲンそ
れぞれの好ましい特性を併せ持つハロゲンがめられている。本発明を広義にみれ
ば、N、N’−ジハロイミダゾリジン−4−オン類かががる目的を満たす。これ
らの物質は、殺菌濃度(全ハロゲン量として、1リットルあたり1から10ミリ
グラム)では、水中でもほぼ無色で、無味、無臭の安定した結晶性固体であり、
滅菌時間、持続性が、上記遊離ハロゲンと結合ハラミン(訳注:原文のママ)の
中間にある。また、まったく別の合成方法を用いて、従来のオキサゾリジンオン
やイミダゾリジンオンよりはるかに容易に合成することができ、商業ベースでの
合成が可能である。
翌五旦x3
ここに記述のN、N’−ジハロイミダゾリジン−4−オン類及びN−ハロイミダ
ゾリジン−4−オン類は、下記の構造式で表される複素環式有機化合物である:
式中、x、x’はそれぞれ塩素、臭素及びその混合物からなるグループから選ば
れるハロゲン、あるいはXl X″のいずれか一方が水素で、もう一方が塩素ま
たは臭素から選ばれるハロゲンであり、R4、R2、L、RJはそれぞれ水素、
C,−C,アルキル、C,−C,アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール、置換フ
ェニールからなるグループから選ばれるか、もしくはR,、R,および/または
R2、R4が、ペンタメチレン、テトラメチレンとその混合物からなるグループ
から選ばれるスピロ置換を表わすが、但しXが塩素でX′が水素の場合は、置換
基R,−R,のうちメチルは3つ以下とする。
イミダゾリジン−4−オン化合物の環に結合する、またはアルコキシ基としてフ
ェニール基または酸素に結合するアルキル基は、1から4個の炭素原子、すなわ
ちメチル、エチル、プロピル、インプロピル、ならびにn −ブチル、イソブチ
ル、第ニブチル、第三ブチルなどのブチル類を含むことができる。R1、R2の
置換基をもつ環状炭素またはR3、R4の炭素、あるいはこれら置換基をもつ環
状炭素の両方に位置するスピロ置換基はペンタメチレンまたはテトラメチレン部
分からなる。
上記化合物の例として、1.3−ジクロロ−2,2,5。
5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン; 1−ブロモ−3−クロロ−2,
2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン; 1,3−ジブロモ−2
,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン;1,3−ジクロロ−2
,5−ビス(ペンタメチレン)イミダゾリジン−4−オン; 1,3−ジクロロ
−2−ペンタメチレン−5,5−ジメチルイミダゾリジン−4−オン; 1,3
−ジクロロ−2,2−ジメチル−5−ペンタメチレンイミダゾリジン−4−オン
; 1,3−ジクロロ−2,2,5−)リメチル−5−エチルイミダゾリジン−
4−オン;及び1,3−ジクロロ−2−ヒドロキシ−2,5,5−)サメチルイ
ミダゾリジン−4−オンが挙げられるが、これらに限定されない。
上記以外のR,−R,の置換基、たとえばエチル、プロピル、ブチル、メトキシ
、エトキシ、プロポキシ、ヒドロキシ、パラ−メチルフェニルなどで、上記誘導
体の1つまたはそれ以上を置換することにより、他の対応するN 、N ’−シ
クロロー、ジブロモ−、ブロモクロロ−イミダゾリジン−4−オン誘導体を指定
することができる。
本発明のN 、N ’−ジハロイミダゾリジンー4−オン誘導体は、対応する未
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンまたはイミダゾリジン−4−チオンを塩素
または臭素の供給源と反応させて、あるいは1−ブロモ−3−クロロ誘導体の場
合は、まず臭素供給源と反応させたのち塩素供給源と反応させ、また1−クロロ
−3−ブロモ誘導体の場合は、まず塩素供給源と次いで臭素供給源と反応させる
ことによって、調製することができる。塩素ガスまたは液体臭素を用いてもよい
が、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ジクロロイソシア
ヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩
素酸ナトリウム、tert−ブチル次亜塩素酸エステル、N−クロロアセトアミ
ド、N−クロロアミン、N−ブロムアミンなどの穏やかなハロゲン化剤を用いて
もよい。ハロゲン化されていないイミダゾリジン−4−オン類、イミダゾリジン
−4−チオン類は、室温で水溶性媒体、すなわち塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素などの一般的な不活性有機溶媒と水の混合液中でハロゲン化できる。
不活性有機溶媒だけをN。
N′−ジハロイミダゾリジン−4−オン化合物とともに用いてもよい。
ハロゲン化されていないイミダゾリジン−4−チオン類は、アセトンなどのジー
置換ケトン2モルを、シアン化ナトリウム1モル、硫化アンモニウム1.3モル
、塩化アンモニウム1モルと反応させ、J、 D、 Christian著“4
−1m1dazolldlnethiones” J、 並LChew、、 2
2.39G(1957)に記載の方法と同じ方法で2.2.5.5−テトラメチ
ルイミダゾリジン−4−チオンを生成することにより調製できる。未ハロゲン化
イミダゾリジン−4−オン類、例えば2.2.5.5−テトラメチルイミダゾリ
ジン−4−オンは、対応する未ハロゲン化イミダゾリジン−4−チオンと過酸化
水素を、P、 G、 Farrlni andム。
Marxer著 “Chesotherapeutic 5tudies in
the Hetero−cyclic 5eries、 XLl、 Unex
pected Reactlon by Treat−ment of2,2,
5.5−丁etramethy11midazolldine−4−thion
ewith NItrlc Ac1d″He1v、 Chem、 Acta、
4G、 1207 (1911;3)に記載のように、アルカリ性の条件で酸化
させることにより調製できる。他のイミダゾリジン−4−チオン、イミダゾリジ
ン−4−オンの誘導体も、対応するジアルキルケトンから合成したのち、後者を
酸化させるかあるいは当該技術分野で公知の他の合成方法を用いて、合成できる
と考えられる。例えば、1,3−ジクロロ−2,5−ビス(ペンタメチレン)イ
ミダゾリジン−4−オンは、シクロへキサノン2モルと、シアン化ナトリウム1
モル、硫化アンモニウム′1.3モル、塩化アンモニウム1モルを反応させた後
塩素化するか、または塩基性溶液中で過酸化水素による酸化した後で塩素化させ
ることにより調製できる。
置換イミダゾリジン−4−オンのハロゲン化誘導体は、殺菌剤として有効な量の
イ′ミダゾリジンー4−オン化合物で処理することにより、水性その他溶液媒体
中の望ましくない微生物の滅菌剤として利用できる。滅菌剤として宵月な、本発
明によるイミダゾリジン−4−オン化合物は、下記の構造式によって表わされる
:■■
式中、Xl Xlはそれぞれ塩素、臭素からなるグループから選ばれるハロゲン
、あるいはxl x’のいずれか一方が水素で、もう一方が塩素と臭素のグルー
プから選ばれるハロゲンであり、RI、R1% RA、R4はそれぞれ水素、C
,−C,アルキル、Cl−04アルコキシ、ヒドロキシ、フェニール、置換フェ
ニールからなるグループから選ばれるか、もしくはR2、R2および/またはR
1、R4が、ペンタメチレン、テトラメチレンとその混合物からなるグループか
ら選ばれるスピロ置換を表わす。但し、置換基R,−R,のうち水素は1つ以下
である。1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
は新規な化合物ではなく、T、 Toda、 E、 Norj、H,Hori−
guchl and K、 Murayamaが調製し、電子スピン共鳴実験で
アミン基の供給源として用いられてきたものであるが、“5tudies on
5table Free Radlcals、 X、 Photolysjs
of Hlndered N−Chloroamlnes″、 Bull、 C
hew、 Soc。
ハ上す、 45. 1802 (1972)に記載されるように、滅菌剤として
用いられることはなかった。
本明細書に滅菌剤として記載されるハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体
は、他の滅菌活性を持つハロゲン、たとえば塩素や臭素と組み合わせて用いるこ
ともできる。滅菌活性を持つハロゲンの供給源としては、塩素ガス、液体臭素、
次亜塩素酸す) IJウム、次亜塩素酸カルシウム、tert−ブチル次亜塩素
酸エステル、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、NIN′
−ジハロジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、N−ハロヒダント
インまたはN 、N ′−ジハロシアヌレートのナトリウムまたはカリ塩、N−
ハロー2−オキサゾリジオン、N−ハログリコルリル、N、N’−ジハロ−2−
イミダゾリジンが含まれるがこれらに限定されない。これら追加の活性ハロゲン
源は、上記イミダゾリジン−4−オン誘導体の使用の前、後、あるいは同時に用
いればよい。
本発明の他の実施例においては、(a)構造式Hの化合物に対応する未ハロゲン
化またはモノハロゲン化したわされる化合物:
I工I
式中、xl x’はそれぞれ水素、塩素、臭素のグループから選ばれるが、但し
そのうち少なくとも1つは水素でなければならず、R2、R2、Rz、RJはそ
れぞれ水素、Cl Csアルキル、Cl−Ctアルコキシ、ヒドロキシ、フェニ
ール、置換フェニールからなるグループから選ばれるか、もしくはR,、R2お
よび/またはR1、R4がペンタメチレン、テトラメチレンならびにその混合物
からなるグループから選ばれるスピロ置換を表わすが、但し置換基R,−R,の
うち水素は1つ以下である化合物と、(b)塩素と臭素からなるグループから選
ばれる少なくとも化学量のハロゲン供給源を、水性媒体またはその他の溶液媒体
に添加することにより、媒体中で対応するN、N’−ジハロイミダゾリジン−4
−オンまたは1−ハロイミダゾリジン−4−オンまたは3−ハロイミダゾリジン
−4−オン誘導体の滅菌量を生成させることにより、媒体の滅菌を行うことが意
図されている。塩素、臭素源としては、水性またはその他の溶液媒体中でハロゲ
ンを放出し、媒体中で生成されるN、N’−ジハロヒダントイン、トリクロロイ
ソシアヌル酸などのN 、N ’−ジハロイミダゾリジンー4−オンよりも滅菌
条件下では安定性の低い塩素ガス、液体臭素、次亜塩素酸す) IJウム、次亜
塩素酸カルシウム、tert−ブチル次亜塩素酸エステル、N−ハロゲン化化合
物などを用いることができるがこれらに限定されない。
一般に、構造式■または■のN、N’−ジハロイミダゾリジン−4−オンまたは
N−ハロイミダゾリジン−4−オン(あらかじめ生成されたもの、あるいは媒体
中で生成されたもの)を用いて、溶液1リツトルあたり約0.3から10ミリグ
ラムの陽イオンハロゲン、例えば塩素を放出させることにより、溶液中で滅菌効
果を発揮する。ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体によって得られる塩
素などの陽イオンハロゲンの量は、使用誘導体から得られるハロゲンの理論量に
対応するもので、溶液1リツトルあたり1から80mgのハロゲン化イミダゾリ
ジン−4−オンが滅菌量として一般に用いられる。
水溶液その他溶液中や硬質な表面に存在し、遊離塩素などの遊離ハロゲンの滅菌
力に弱い微生物はすべて、ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体の滅菌力
にも弱い。これら微生物としては、バクテリア、原生動物、真菌類、ウィルス類
、藻類などがある。ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体の殺菌力に弱い
微生物のうち主なものとして、Sta h ococcus aureus、
PSeud〇−monas 組匹u玉朋、 鋒江虱ハ垣l幻1. Salmon
ellaenterltidis、匡虹旦旦]肚巳l庄lハなどのバクテリア、
Glardja Iambllaなどの原生動物、Candida albtc
anなどの真菌、ヘルペスウィルス、ロタウィルスなどのウィルス1Anaba
ena 肛旦皿ユ」、 0scillatoria Iutea。
Chlorella renoidosaなどの藻類が挙げられる。バクテリア
をその環境下で不活性化するのに必要なハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘
導体の量を、殺菌量と呼ぶ。同様に、原生動物、ウィルス、真菌についても、消
毒に必要なハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体の量を、それぞれ殺菌量
、抗ウイルス量などと称するが、藻類に関しては、ハロゲン化イミダゾリジン−
4−オン誘導体は水溶液中での藻類の発育を阻止する効果があるため、殺藻量で
はなく藻抑制量と表現することもできる。
本明細書で殺菌量と言った場合、これらすべての微生物に対する有効量を指す。
本明細書に記載のハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体は、漂白、殺菌、
消毒、その他各種の殺菌目的に使用できる。特にプールや風呂の微生物汚染を防
ぐ上で効果が期待される。本化合物は長期にわたる安定性を有し、頻繁に補充す
ることなく長期間殺菌効果を発揮する。未ハロゲン化またはモノハロゲン化イミ
ダゾリジン−4−オン誘導体は、遊離ハロゲン混合液中の遊離ハロゲンの「安定
化剤」として有用であり、これら誘導体は液中でハロゲン化誘導体として存在す
ることになる。従って、未ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体と遊離ハ
ロゲンの混合液をプールに添加し、随時遊離ハロゲンを補充することにより、長
期間藻類の生育を阻止することができる。ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン
誘導体は、N−ハローヒダントインやN−ハローイソシアヌレートなどの従来の
遊離ハロゲン類に比べ、直射日光下での安定性がはるかに高く、「安定化」され
たハロゲンの供給源と見なすことができる。ハロゲン化イミダゾリジン−4−オ
ン誘導体は、レジロネラ・ニューモフィラ、藻類、閉鎖式冷却システム中の汚染
生物などの望ましくない生物の成長を阻止する。本化合物は高温、例えば37”
Cでの安定性が際立って高いため、風呂や食品の殺菌剤として有用である。さら
に、これら化合物は、家禽類の加工業でみられる5alsonella ent
erltidisなどの微生物の殺菌剤として有用である。本化合物は穏やかで
腐食性がないため、病院や便器など硬い表面の消毒剤として有用である。食品加
工業、レストランの食器洗い桟用滅菌用洗剤など、広範な用途がある。
本明細書で言及したハロゲン化および未ハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘
導体は、粉体、粒体、溶液、濃縮物、エマルション、スラリー等の広範囲の液体
および固体の調剤として使用できる。従って、イミダゾリジン−4−オン誘導体
は、希釈剤、増量剤、充填剤、コンディショナー、水性溶剤、育種溶剤などのキ
ャリヤーと組み合わせることもできる。スルフォン酸塩、アルカノール、アルコ
ールなど湿潤剤、乳化剤あるいは分散剤を含む調剤や、その他の表面活性物質に
用いることができる。緩衝剤およびその他のハロゲン供給源に対して親和性を有
する。本明細書で「キャリヤーの有効量」といった場合、イミダゾリジン−4−
オン誘導体とともに用いて、粉体、粒体、溶液、濃縮物、エマルション、スラリ
ーなどの液体、固体の調剤をもたらすキャリヤーの量を意味する。
本発明を以下の実施例により、より具体的に説明するが、実施例は例示のために
挙げたに過ぎず、当該分野の熟練者であれば、多くの修正変更が可能である。
実施例1
(2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオンの調製)
1リットル入りのフラスコに、シアン化ナトリウム14.7g (0,3モル)
、塩化アンモニウム 16.1g (0,3モル)23.8%(0,39モル)
水性硫化アンモニウム111.4gを80ミリリツトルの水に加えて溶液を調製
し、これにアセトン34.8g (Q、Eiモル)を20−30分間にわたって
攪拌しながら徐々に添加した。湯浴を用いて温度を55−70℃に保ちながら、
反応フラスコの内容物を6時間攪拌した。反応生成物の入ったフラスコを水浴で
冷却し、2.2,5゜5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオンを析出させ
た。固体の生成物を吸引濾過によって回収し、水溶液を排気(evacuati
on)によって濃縮させた後、さらに吸引濾過を行って生成物を回収した。水2
0部に対しアセトン1部の混合液から再結晶化を行って固体を精製した。
生成物の全収率は4G、9 gで、理論値の97%であった。生成物の融点は1
53−154℃の範囲であった。
実施例2
(2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンの調製)
実施例工のチオン生成物15.8 g C0,1モル)を、500ミリリットル
入りのフラスコ内で125ミリリツトルの2N水酸化ナトリウムに添加した。つ
いで、フラスコを氷浴に入れて5−1G℃で攪拌しながら、30%過酸化水素5
7ミリリツトルを30−40分間にわたって添加した。反応混合液を雰囲気温度
で2時間放置した。溶液を蒸発乾燥させ、イソプロピルアルコールから2.2.
5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンの固体を再結晶化させた。
生成物の全収率は14.2g理論値の3G%であった。生成物の融点は189−
170℃であった。
実施例3
(1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
の調製)
本生成物は、(a)実施例1で調製したチオンを、酸化性物質及びハロゲン化剤
として作用する塩素を用いた塩素化、(b)実施例2で調製したケトンの塩素化
、の2つの方法で調製した。
(a)法においては、2,2.5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオ
747.4 g (0,3モル)を、2リットル入りのフラスコ内で1.2リツ
トルの3N水酸化ナトリウム(3,8モル)に溶解させた。フラスコとその内容
物を水浴を用いて5℃に冷却し、これに塩素ガスを撹拌しながらpH7,0にな
るまで吹き込んだ。この過程においては、生成物の温度は10℃を上回らないよ
うにした。このN 、N ’−ジクロロイミダゾリジン4−オン生成物を白色固
体として析出させた。水800 ミリリットルをフラスコに添加した後、固体の
生成物を吸引濾過によって回収した。その後、生成物をヘキサン中で溶解させて
精製し、不純物や残水を沈殿させ、不純物/水の層から分離させた揮発性へキサ
ン層を蒸発させて回収した。生成物の収率は53.9 gで、理論値の85%で
あった。生成物(1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリ
ジン−4−オン)の成分分析の結果は次の通りである。 (算出値/実測値)
炭素39.82/39.8g%、水素5.7315.50%、窒素13.27/
13.24%、塩素33.59/32.88%。この生成物の水溶度は、0.1
38 g (3℃の水I00ミリリットルあたり)から0.224 g (37
℃の水100ミリリットルあたり)の範囲であることがわかった。生成物の融点
は67から71’Cの範囲であった。プロトンNMRと赤外線分光計による分析
では次のような結果が得られた。
IHNMR(CCl、)δ=1.36 (S 、8 H)、δ:L5(1(S
、8H) ;
I R(K B r ) 1720.2950 cm−1(b)法においては、
2,2,5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオン5.1g (0,0
3Gモル)を、250ミリリットル入りのフラスコ内で88ミリリツトルのIN
水酸化ナトリウム(0,088モル)に溶解させた。フラスコとその内容物を水
浴に入れ、温度を10℃以下に保ちながら、これに塩素ガスをpH7,0になる
まで撹拌しながら吹き込んだ。このN、N’−ジクロロイミダゾリジン4−オン
生成物を白色固体として析出させた。生成物を吸引濾過によって回収し、ヘキサ
ンから再結晶化を行って精製した。この生成物は(a)法で得られた生成物と同
一の特性を有していた。生成物の収率は6.9gで、理論値の91%であった。
実施例4
(1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
の調製)
実施例2で調製した2 、2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオ
ン5.1 g (0,0311iモル)を、250ミリリットル入りのフラスコ
内で88ミリリツトルのIN水酸化ナトリウム(0,088モル)に溶解させた
。この混合物を水浴を用いて10℃以下に保ちながら撹拌し、これに液体臭素1
2.8 g (0,08モル)を滴下した。この生成物1゜3−ジブロモ−2,
2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンを薄黄色固体として析出さ
せた。これを吸引濾過によって回収し、ヘキサンから再結晶化を行って精製した
。生成物の収率は9.2gで、理論値の85%であった。生成物(工、3−ジブ
ロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン)の成分分析の
結果は次の通りである。(算出値/実測値)
炭素28.00/27.80%、水素4.00/4.07%、窒素9.33/9
.39%、臭素53.33152.09%。この生成物の水溶度は、0.072
g(3℃の水10Qミリリットルあたり)から0.120 g (37℃の水
100ミリリットルあたり)の範囲であることがわかった。生成物の融点は10
9から111”Cの範囲であった。プロトンNMRと赤外線分光計による分析で
は次のような結果が得られた。
IHNMR(CC1,)δ:1.35(S、8H)、δ=:L51 (S 、8
H) ;
I R(K B r ) 1725.2911i5 cr’実施例5
(1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オンの調製)
実施例2で調製した2 、2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−チオ
ンG、4 g (0,045モル)を、250ミリリットル入りのフラスコ内で
55ミリリツトルのIN水酸化ナトリウム(0,055モル)に溶解させた。こ
の反応生成物を水浴を用いて5〜lO℃の温度に保ちながら攪拌し、これに液体
臭素4.0 g (0,025モル)を滴下した。この反応生成物をさらに1時
間水浴部度で攪拌し、その後1〜2時間は冷水浴温度(10−20℃)で攪拌下
。これを再び10°C以下に冷却した後、50ミリリツトルのIN水酸化ナトリ
ウム(0,05モル)を添加し、温度を5〜lO℃に保ちなからpHが6N′!
になるまで撹拌しながら塩素ガスを吹き込んだ。
この1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
4−オン生成物を白色固体として析出させた。これを吸引濾過によって回収し、
ヘキサンから再結晶化を行って精製した。生成物の収率は11.2gで、理論値
の97%であった。生成物の成分分析の結果は次の通りである。(算出値/実測
値) 炭素32.88/32J8%、水素4.70/4.74%、窒素10.9
G/10.83%、臭素31.31/33.37%、塩素13.89/12J7
゜実測値が臭素、塩素それぞれの理論値よりも高かったり低かったことから、生
成物が少量の1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
−4−オンで汚染されていることがわかった。
この生成物の水溶度は、0.102 g (3℃の水100 ミリリットルあた
り)から0.193 g (37℃の水100ミリリットルあたり)の範囲であ
ることがわかった。生成物の融点は88℃±2℃の範囲であった。陽子NMR赤
外分光計による分析では次のような結果が得られた。
IHNMR(CCl、)δ=1.34 (S 、6H)、δ=1.50 (S
、6H) ;
I R(K B r ) 1725.2950 cra−’実施例6
(1−クロロ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オンの調製)実施例2で調製した2 、2.5.5−テトラメチルイミダゾリ
ジン−4−チオン 14.2 g (0,1モル)を、250ミリリットル入り
のフラスコ内で100ミリリツトルのIN水酸化ナトリウム(0,1モル)に溶
解させた。この混合物の入ったフラスコを水浴に入れて、10℃以下の温度に保
ちながら、pHが7.0になるまで攪拌しながら塩素ガスを吹き込んだ。この1
−クロロ−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン生
成物を白色固体として析出させ、吸引濾過によって回収し、エーテル/ヘキサン
混合物から再結晶化を行って精製した。生成物の収率は17.7 gで、理論値
の95%であった。生成物の融点は157.0〜157.5℃の範囲であった。
プロトンNMRと赤外線分光計による分析では次のような結果が得られた。
IHNMR(CDC1,)δ=1.32 (S 、6 )()、δ=1.411
i (S 、6H) ;δ= 7.57 (Broad 、 I H) ;I
R(K B r ) IG70.1720.3160 cra−’実施例7
(N−ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンの反応系での生成)
実施例2で合成した2 、2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
50.0mg (3,52X 10−’モル)を0.05モルのリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7,0) 50.0 +mgに溶解した水溶液を調製した。緩衝
液はハロゲン要求量なしに次亜塩素酸ナトリウムからの全塩素1リツトルあたり
3mgで塩素化し、その後2日間、滴定可能な塩素がなくなるまで直射日光に暴
露させた。ハロゲン要求量のない水(以下DFW)の入ったフラスコに塩素ガス
を吹き込み、pg 7.0に緩衝させた遊離塩素のDFW水溶液を調製した。
その後、1リツトルあたり1.31 gの遊離塩素を含有する溶液(陽ハロゲン
?、02X 10−’モル) 19ミリリツトルを、2.2.5.5−テトラメ
チルイミダゾリジン−4−オンを含有する溶液に雰囲気温度(24±1’C)で
攪拌しながら添加した。
1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン及
び/または反応系で生成したニークロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−オンの生成における反応速度は、反応生成物からの遊離塩素濃度
の損失を時間関数として動力学的にめた。
遊離塩素濃度は、生成物から定期的にアリコートを取り出し) ”5tanda
rd Methods for the Examination ofマat
er and IFastevater、1ath edition、入mer
icanPublic Health As5oc1at1on、 Washi
ngton、 D、C,。
1985、 pp、30G−309に記されたDPD/FAS (N、N−ジエ
チル−p−フェニレンジアミン/硫酸鉄アンモニウム)法で滴定してモニターし
た。反応生成物中の遊離塩素のモル数は、混合時の7.02X 10−Jかられ
ずか48秒後には4.45X10−5に減少し、94%が反応したことを示した
。
その後、遊離塩素は2.87秒後に3.63X 10−−6.07秒後に3.4
8X 10−8、ll4J秒後に3.32X 1G−5とさらに減少した。
従って、114J秒後には95%の反応が終了した。この時点で2.2.5.5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンをさらに1.7GX10−8モル添加
し、遊離塩素の濃度は全所要時間140分でゼロに減少した。
このデータは、2,2,5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンに少量
の不活性不純物(5%またはそれ以下)が含まれていたことを示し、ジクロロ−
、モノクロ−イミダゾリジン−4−オンの比率は測定しなかったが、未ハロゲン
化2.2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンを含むpH7,0の
DF’Wに遊離塩素を添加すると、ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンが効率
よくかつ迅速に(1分未渭で)反応系で生成されることを示している。
実施例8
(1,3−ジクロロ−2,2,6,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
の加水分解平衡定数)1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−オンから1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリ
ジン−4−オンと遊離塩素(CI+)を生成する加水分解反応の平衡定数を、p
H7,0,24±1℃で測定した。これは、1,3−ジクロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンを要求量のない0.05モルのリン酸
ナトリウム緩衝液(all 7.0)に溶かした溶液を調製し、この溶液を1時
間攪拌しながら平衡させることによって得た。その後(実施例7の)DPD/F
AS法を用いて、平衡溶液中の遊離塩素濃度と総塩素濃度をめた。結合1,3−
ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンの濃度を、
測定した総塩素濃度と遊離塩素濃度の差からめた。次にモル遊離塩素1度の二乗
をモル結合塩素濃度で割って、加水分解平衡定数をめた。開始時のモル数は、総
塩素濃度については1リツトルあたり4.441X 10−3 モルであったが
、平衡時には結合塩素濃度は1リツトルあたり4.428X10−3 モル、遊
離塩素濃度は1リツトルあたり1.289X 10−6 であった。これらのデ
ータから、ジクロロイミダゾリジン−4−オンの加水分解平衡定数は3.G4X
10”であることがわかる。また開始時のモル数は、総塩素濃度では1リツトル
あたり1.784XIO”モルであったが、平衡時には結合塩素濃度は1リツト
ルあたり1.759X10−3モル、遊離塩素濃度は1リツトルあたり5.38
0X10−6 モルであった。これらのデータから、加水分解平衡定数はI 、
63X 1θ−であることがわかる。2つの測定値の平均平衡定数は2.6±1
.0X10−”であった。
この1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ンの加水分解平衡定数は、商業用のN−ハラミンジクロロジメチルヒダントイン
(2,54X10−4)やトリクロロイソチアン酸(IJXIO−’)について
報告された値よりずっと低い(G、D、 Ne1son。
”Chloramines and Bromamines″、 [lrl<−
OthmerEncyclopedia of Chemfcal Techn
ology、 3rd ed、。
vol、 5. Wlley Interscience、 New York
、 1979゜p、 585)。
一方で、この値はり、E、 WilliamslE、D、 Elder。
S、D、 Worleyが”Is Free flalogen Necess
ary forDisinfect1on?″(囲、 Environ、 Ml
crobiol、、 54゜2583 (198&))なる論文で報告した商業
用のN−ハラミソ3−クロロ−4,4−ジメチル−2−オキサゾルイジンオン(
2,3X10”)値よりは若干高い。
これらの結果から、1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾ
リジンオンは、ジクロロジメチルヒダントインやトリクロロイソシアン酸よりも
水(pH7,0)中ではるかに安定しているが、3−クロロ−4,4−ジメチル
−2−オキサゾルイジンオンよりは安定度がやや低いことが予想される。このた
め、使用に際しては育利といえる。というのもジクロロジメチルヒダントインや
トリクロロイソシアン酸の水溶液中での安定性は限られており、頻繁に補給しな
ければならないのに対し、3−クロロ−4,4−ジメチル−2−オキサゾルイジ
ンオンは非常に安定しているので遊離塩素をほとんど遊離せず、非常に作用が緩
慢な生命破壊体である。この新しい脱ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンがこ
れら2つの両極端の差をなくすことになろう。
実施例9
(1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
の実験安定度)ハロゲン要求量のない水における1、3−ジクロロ−2,2,5
,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物1)の安定性を、温度2
2℃、pH値4.5.7.019.5で測定し、結果を次亜塩素酸カルシウムか
ら得られる遊離塩素についての値と比較した。ハロゲン要求量のない水(以下D
FW)は、適切なpHに緩衝させた蒸留脱イオン水を塩素化させた後、遊離塩素
がなくなるまで直射日光に暴露させて、(過剰遊離塩素の)脱塩素化をおこなっ
た。この処理により、水中のハロゲン要求はすべて中和された。次いで、化合物
1と次亜塩素酸カルシウムをそれぞれ、同一条件のDFW(適切なpHに緩衝さ
せた)溶液に溶解し、最終全塩素濃度(陽イオン荷電塩素1リツトル当たり10
ミリグラム)を同じにした。多孔質の滅菌した綿花で栓をして、室内の空気が自
由に出入りできるようにしたフラスコに、それぞれの溶液を別々に入れ、恒温水
浴中で温度を22℃に保ったまま敗退問おいた。定期的に(少なくとも週1回)
アリコートを取り出し、標準沃素滴定法により、残っている陽イオン塩素の全量
を3つの標本について調べた。結果を表工に示す。
表I
愚]1泉ユ51
10ゴ
pH
時間 止金〕
週 121212
0.14 100.OND ND ND 9G、5 ND0.57 88.9
ID ND ND 98.9 ND! 77.8 91.8 97.1 91.
8 95.1 88.92 55.5 8B、2 95.0 85.0 89.
4 79.03 40.4 80.8 93.5 79.G 82.6 71.
24 30.7 76.4 90.6 70.8 72.3 Go、35 2B
、0 71.5 811i、O[i3.4 11i3.7 50.16 23.
5 G5.l)d 83.4 54.7b 55.1 38.5”” 0.05
モルアセテート緩衝液
b o 、osモルリン酸塩緩衝液
a0.01モル硼酸塩緩衝液
46.14週
1=1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ン
2 :次亜塩素酸カルシウムからの遊離塩素ND =測定なし
表工のデータは、pH7,0,22℃のDFW中では、化合物1の方が遊離塩素
に比べはるかに安定していることを示している。化合物1はまた、アルカリ性(
pH9,5)のDFW中でも遊離塩素より安定している。しかし、化合物1は、
酸性D F W (pH4,5)ではかなり不安定で、イミダゾリジン−4−オ
ン環が低pH値では分解する可能性の高いことを示している。滅菌を目的とする
用途では、pH値はほとんどの場合7.0またはそれ以上に保たれるため、化合
物1のほうが遊離塩素よりDFWでの安定性が高い。
実施例10
(1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンの実験
安定度)
1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンの
加水分解生成物は、1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン
−4−オンである(実施例8参照)。pH7,0,22℃のDFW中のモノクロ
ロイミダゾリジン−4−オンの安定性を、実施例9に記載した手順に準じてめた
。実施例6で調製した1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジ
ン−4−オン(化合物3)をpH7,0に緩衝させたDFWに溶解し、1リツト
ルあたり10 mgの陽イオン荷電塩素全量の開始時濃度をめた。この溶液を実
施例9に記載の通り毎週分析した。その結果、陽イオン荷電塩素の総量は7週間
にわたって非常に緩慢に減少し、7週間後には89.0%が残っていった。この
結果は、化合物3の方が化合物1より安定しており、pH7,0122℃のDF
W中の遊離塩素(化合物2)よりもかなり安定していることを示している(実施
例8のデータを参照のこと)。
実施例11
(1,3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
と1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オンの実験安定度)
1.3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(
化合物4)と1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾ
リジン−4−オン(化合物5)のDFW中の安定性を、22°C1pH値7.0
と9.5の場合について、実施例9に記載した手順に準じてめた。pH4,5で
の化合物1の非安定性(実施例9)からみて、このpHでの化合物4と5の試験
は不要と見なした。2つの化合物を別々のフラスコに入れた適切なpHをもつ緩
衝DFW中で溶解させ、定温浴により22°Cに保った。2つの溶液中の陽イオ
ン荷電ハロゲン総量の開始時濃度は、化合物4については1リツトルあたり22
.6mg。
化合物5は1リツトルあたり18.25■gであり、これらの濃度は、陽イオン
荷電ハロゲン総量中のモル数が実施例9で化合物1に用いたモル数と平衡である
ことを示している。溶液は実施例9に記した方法で分析した。結果は比較のため
化合物1と一緒に表2に示した。
表■のデータは、化合物1が、p117.0及び9.5.22℃のDFW中で化
合物4.5に比べかなり安定していることを示している。化合物5の安定性は、
pa 9.5のときに限り遊離塩素と同じである(実施例9参照)。
表■
残留塩素(%)
pH
時間 生丘力
0.14 ND ND !17.3 ND 91.4 911i、30.71
ND ND 95.4 WD ?1.Oc 89.51 97.1 ND 91
.7 95.1 3G、0 88.52 95、ONo 88.2 89.4
4.8 8B、33 93.5 [) 75.0 82.G ND 70.84
90J ND 45.9 72.3 ND 80.85 8[i、OND I
7.5 83.7 No 4B、86 83.4 ND 7.8 55.I N
D 38.4・0.05モルリン酸塩緩衝液
bo、01モル硼酸塩緩衝液
’ 0.43週
1=1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ン
4=1.3−ジブロモ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ン
5=1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジンー
4−オン
ND:測定なし
実施例12
(ハロゲン要求量の高い水におけるハロイミダゾリジン−4−オン誘導体の安定
度)
以下の物質をDFWと混合させて、合成ハロゲン要求水(SDW)を調製した:
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムの無機塩を
それぞれ1リツトルあたり3751g1 ベントナイト粘土1リツトルあたり5
011g5 フミン酸1リツトルあたり301g1最終濃度0.O1%の熱処理
した馬の血清、加熱滅菌したSaccharom ces cerevisia
eイースト菌細胞1ミリリットルあたり5X105細胞。このSDW溶液を0.
01モル硼酸/水酸化ナトリウムでpH9,5に緩衝させ、実験中4℃に保った
。高イオン強度、濁り度、有機物質、ならびに低温時のアルカリpHの諸条件を
殺菌用としては最悪のケースとして検討し、新規化合物の安定度を調べる理想的
な試験を提供できるようにした。
別々のフラスコに化合物L 2.3及び5を溶解し、開始時濃度を1リツトルあ
たりlOO20陽イオン荷電塩素総量、または化合物5の陽イオン荷電ハロゲン
総量におけるモル当量(1リツトルあたり1B、25謬g)にする。アリコート
を90時間以上にわたって度々取り出し、標準沃素滴定法により、残っている陽
イオン荷電ハロゲン濃度を決定する。結果を表■に示す。
表■のデータは、化合物3は要求量の高い水のあるところでは極度に安定してい
るが、化合物1もこれら条件下では遊離塩素よりもずっと安定度が高いことを示
している。化合物5は、これらの条件下では遊離塩素の安定度と同程度である。
表■
SDW中の残留ハロゲン(%)
=4℃°■:9,5
時間 化豆勺
l 2 3 5
0.008 10 ND ND G4.00.083 98.8 ND 99.
2 NDO,IG7 ND ND FED 49.90.25 98.8 !I
II ND NDo、5 93.1 51.5 9G、8 47.11.0 9
2.4 4G、4 WD 47.42、Q 92.4 ND 95.4 ND2
.5 ND 39J ND ND
4.0 88.8 ND FID 41.94.2 ND 39.8 FED
ND7.5 ND 38.2 ffD [18、OND ND 94.I ND
24、OND 31.3 94.9 38.225.0 71.4 ND Nl
) ND48、OND ND 94.5 ND
72、OND ND 94.I ND
7B、5 ND 21.5 ND ND93.0 Go、2 110 FID
ND94、OND ND ND 31.8
122、OND ND 94.I ND1=1.3−ジクロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
2=次亜塩素酸基カルシウムからの遊離塩素3:1−クロロ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
5:1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
4−オン
実施例13
(直射日光に暴露された水におけるN、N−ジハロイミダゾリジン−4−オンの
安定度)直射日光に暴露された水における化合物1及び5、ならびに次亜塩素酸
カルシウムからの遊離塩素(化合物2)の安定度を調べた。1リツトルあたり1
0 Bの総塩素濃度(または化合物5のハロゲン総量に相当するモル数)の化合
物を、それぞれ100ミリリットル入りビーカーに入れたpill 7.0に緩
衝させたDFW85ミリリットルに溶解し、これらを温度調節した水浴(22−
24℃)に入れ、溶液の入った水浴をオーパーン大学の化学部館の屋上に置き、
1988年8月に直射日光に暴露した。陽イオン荷電ハロゲン総量の分析評価は
、10時間の間に取り出された複数のアリコートについて、標準沃素滴定法によ
り定期的に行った。結果を表■に示す。
表■
直射日光に暴露されたDFW中の残留ハロゲン(%)= 22−24℃°■=7
.0
時間 生金1
3.0 84.9 28.0 Go、55.0 ?4.8 B、9 45.7
10.0 51.2 0.0 14.91:1,3−ジクロロ−2,2,5,6
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
2=次亜塩素酸基カルシウムからの遊離塩素5=1−ブロモ−3−クロロ−2,
2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
表■のデータは、化合物1が直射日光下では、p)[7,0,22−24℃のと
き遊離塩素よりずっと安定していることを示している。これらの条件下では化合
物5は化合物1よりは安定度が低いが、遊離塩素よりは有意に安定度が高い。
実施例14
(直射日光に暴露された水での2.2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−
4−オンの安定度)2.2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(
化合物8)142薦g (1,00X 10”モル)を、pH7,0に緩衝させ
たDFWl、0リツトルに溶解した溶液を調製した。
この溶液の試料100ミリリツトルずつ(化合物6; 1.00XIO−4モル
)を、容量100ミリリツトルの計量フラスコ5個にそれぞれに入れた。フラス
コをすりガラス栓で密閉し、1989年7月B日から1989年8月2日まで、
オーパーン大学の化学部館の屋上に置いて直射日光に暴露した。本実験において
は、温度調整は行わなかった。本期間中、温度は概して33℃であった。ゼロ時
点及びその後7日ごとに、フラスコに直射日光が当たらないようにし、実施例7
に記載したように、緩衝させたDFWに塩素ガスを吹き込んで調製したやや過剰
の遊離塩素(2,2X10−4モル)で溶液を反応させた。
化合物6を遊離塩素で反応させて、1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラ
メチルイミダゾリジン−4−オン(化合物l)と1−クロロ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物3)との混合物を1時間以上攪
拌しながら生成し、実施例8で述べたDPD−FAS手順を用いてアリコートを
分析して塩素総量及び遊離塩素をめた。結合塩素の濃度は、塩素総量及び遊離塩
素の濃度の差であり、反応中に生成される化合物1と3の量を表わしていると考
えられた。
4週間の実験期間中に結合塩素の濃度は、6%又はそれ以下で変化した。事実、
直射日光に4週間暴露した後の方が、ゼロ時点よりも高濃度であり、これは変化
が完全に分析手順における実験上のミスによるもので、直射日光により生じた化
合物6の分解によるものではないことを示している。これらのデータは、塩素化
イミダゾリジン−4−オンの先駆物質である化合物2.2.5.5−テトラメチ
ルイミダゾリジン−4−オンが、pH7,0で4週間以上直射日光に暴露したD
FW溶液中で安定していることを示している。従って、本化合物は長期間の、屋
外のハロゲン化用途に有用であると思われる。
実施例15
(ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンの有効殺菌力)実施例3.5及び6で調
製したハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体(それぞれ化合物1、化合物
5及び化合物3)を、pHと温度の関数として要求量のない水(DFW)と、、
pH9,5,4℃の合成要求量の水(SDW)において)Sta h 1oc
occus aureus (ムTCC25923)とPseudoa+ona
s aeru 1nosa (ムTCC27853)に対する殺菌剤として試験
した。DFWとSDWはそれぞれ実施例7と実施例12に記載した方法で調製し
た。
殺菌力試験として、DFW又は5DW50ミリリヅトルずつを125ミリリット
ル入りのフラスコに入れ、微生物試料を接種し、最終密度が約IX 10’ c
fu/+++1 ’(ミリ’)ットル当たりのコロニー生成単位)になるように
した。接種溶液を恒温水浴に15分間浸漬し、一定攪拌しながら、試験温度で平
衡させた。次に同じ試験温度に保ったハロゲン化イミダゾリジン−4−オン化合
物試料を含有する水溶液を適量とり、接種溶液に加え、混合物中の陽イオン荷電
ハロゲン総量(C1”またはCI”/Brつの濃度が一定レベル(化合物1から
CI” 10ppm、化合物3からCI’ 5ppm1化合物5からCI・/B
r・当量)になるようにした。1ミリリツトルのアリコートを所定の時期に混合
物から除去し、活性ハロゲンを滅菌0.02Nチオ硫酸ナトリウム1ミリリツト
ルで急冷した。滅菌塩水を順次濃度の異なる希釈液にし、その結果できる希釈液
のアリフート25マイクロリツトルを、S、 aureuslP、 aeru
Inosaをトリプシン大豆と栄養寒天に接種した培養基を入れたペトリ皿の乾
燥した表面に塗りつけた。370℃で48時間おいた後、各希釈液を3通りにつ
いて数を計算し、平均をめた。この平均値は、特定のアリコートのcfu/ml
を算出するために用いた。チオ硫酸急冷アリコートにコロニーが見られない時は
、微生物の不活性化は少なくとも99.9999%と考えられた。
これらの実験の結果を表■に示すが、3つのハロゲン化イミダゾリジン−4−オ
ン誘導体が異なる程度で殺菌性を有することがわかる。化合物5は、ハロゲン要
求量の高い(SDW)ときでも≦5秒接触触させると、すべての条件下でa>9
9.9999%の滅菌を生じさせた。化合物1も殺菌剤としては妥当に有効であ
った。化合物3は最も効力が低かったが、接触時間を十分にすれば、あらゆる試
験条件下で、99.9999%より大きい不活性化を達成した。
表■
細菌の不活性化(%)
試験化合物
接触時間(分)
化合物−1化合物■・ 化金物彫
微生物試験条件 5 10 510 5 10S、 pH4,5,22℃、DF
W 、 5 pp菖 99.9G2寡 軍 束 87.428911i、311
ikaureus pH7,0+22℃、DFW、5ppm 89.13499
.131’ x オ【 (14,42’pH9,5,22℃、DPI+、5pp
m寡x寧業32.65350.248”pH9,5,4℃、DFW、 5 pp
■ 71.29280.897f X 寡 ND NDpH9,5,4℃、DF
W、1Opp■ 43.77088.090を末 末 2.8610”P、 り
[17,0,22℃、DFW、5ppw x x xx ND ND観匹旺並s
a
”CI”/Br”総量中のC1゛荷電総量5または10pp−に相当するモル数
が用いられた。
kA>99.9999%の不活性化が60分の接触後に得られた。
−A>99.9999%の不活性化が30分の接触後に得られた。
’A>99.9999%の不活性化が588分の接触後に得られた。
・A>99.9999%の不活性化が454分の接触後に得られた。
’A>99.9999%の不活性化が30分の接触後に得られた。
)A>99.9999%の不活性化が240分の接触後に得られた。
hA>99.9999%の不活性化が2857分の接触後に得られた。
X:指示された接触時間に>99.9999%の不活性化。
ND=測定なし
1=1.3−ジクロロ−4,4,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ン3:1−クロロ−4,4,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン5
=1−プロモー3−クロロ−4,4,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オン実施例16
(塩素化イミダゾリジン−4−オンの藻類生育阻止特性)容量lOガロンの水槽
2基に、それぞれpi 6.8のブリストル溶液を35リツトル(R,111:
、5tarr著 “The cuttureCollection of Al
gae at the Unlversity of Texas″。
)、hL匪国■、 14.47 (1978))入れ、3種の藻類、0scfl
latorfa n1邦、 Anabaena cl旦ndrica、 Chl
orellarenoidosaを播種した。2基の水槽は絶えず通気し、水槽
の側面から15cmはなしておいた20ワツトのグローラックス灯で照明した。
実験は21から24℃の雰囲気温度で行った。
34日間の培養期間の後、藻類の細胞密度を血球針で直接計数した。この時点で
の水槽Aの細胞密度は、1ミリリツトルあたり2.2 x 10’で、水槽Bで
は1ミリリツトルあたりG、8 x 10’であった。750ナノメートルでの
2溶液の吸光度もこの時点で測定したところ、水槽Aでは0.273、水槽Bで
は0.112であった。750ナノメートルでの吸光度を、藻類のクロロフィル
濃度(“Stancfardmethods for the Examina
tion of Water and Waste−water”第16版 ム
merican Public Health As5oci−ation、
Washlngton、 D、C,s 1985. p、 1070)を表わす
指数として採用した。ついで実施例3で調整した1、3−ジクロロ−2,2,5
,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物1 ) 1.042グラ
ムを500ミリリツトルのDFWに溶解させて水槽Aに添加したところ、水槽中
の初期陽イオン荷電塩素濃度が1リツトルあたり9.9mgになった。同様にD
FW500ミリリットルに、実施例6で調整した1−クロロ−2,2,5,5−
テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物3)を0.872g溶解させた
液を添加して、水槽中の初期陽イオン荷電塩素濃度が11Jツトルあたり4.9
Bになるようにした。水槽から定期的にサンプルを採取し、jlilton R
oy 5pectronic 301分光計で750ナノメートルでの吸光度を
測定して藻類の生育を、また標準沃素滴定法により陽イオン荷電塩素濃度を分析
した。実験中、添加後4時間以内に化合物工の緑色が明らかに褪色し、2日以内
に水槽Aは藻類が漂白された結果、白濁色を呈したにすぎない。同様の現象が水
槽Bでも見られたが、化合物3による褪色のほうが時間を要した。水槽中の陽イ
オン荷電塩素がすべてなくなった後、化合物3を0.87gと化合物1を1.0
42g、それぞれ水槽A1 Bに添加した。19日後に滴定可能な陽イオンがす
べて水槽から消失した後、著しい緑色の呈色が見られたことと750ナノメート
ルでの吸光度増大から藻類が再び生育し始めたことが証明された。定量データを
表■に示す。
上記表Vlのデータと定性観察から、化合物1.3は共に大量の藻類が繁茂する
水では長期にわたって藻類抑制力はあるが、殺藻性はないことがわかる。
表■
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンの藻類抑制効果化合物
! 3
時間、日 ム76.I %C1″b ム751 %C1″b0 0.273 1
00.0 G、112 100.01 0、OG4 82.9 0.0G3 7
1.83 0.081 44.4 0.0GIli 31.06 ND I3.
8 ND 0.00
7 NO7,OND 77.3
8 0.058 3.4 0.021 47.810 0.038 0.0’
0.012 1?、3IG O,02034,70,007G、019 0.0
55 FED O,010ND1750ナノメートルでの吸光度
す残留総陽イオン塩素のパーセント
O化合物3を更に0.85グラム追加
d化合物1を更に1.042グラム追加1=1.3−ジクロロ−2,2,5,5
−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
3=1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
ND=測定なし
実施例17
(1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
による水中藻類の生育の防止)
容量lOガロンの水槽2基に、実施例16に記述のpH6,8のブリストル溶液
を35リツトルそれぞれ充填した。水槽Aには、実施例3で調製した1、3−ジ
クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物1)
0.Ei38 gの中から陽イオン荷電塩素1リツトルあたり6.14閣gを添
加した。水槽Bは、ハロゲン化化合物を添加しない対照として用いた。750ナ
ノメートルでの吸光度が0.14の 0sc111atorla Iutea、
Anabaena 鼓±1ndr1ca、 Ch1orella■relno
(+担卦を含む接種材料5ミリリツトルを水槽にそれぞれ添加した。実験中は
、実施例16と同様に、絶えず通気し、照明を行った。実験室の室温は21から
24℃に保った。両方の水槽から定期的に試料を採取しIMflton Ray
5pectronlc 301分光計を用いて750ナノメートルでの吸光度
を測定した。水槽Aからさらに試料を採取して、標準沃素滴定法による陽イオン
荷電塩素総量を測定した。対照での水槽Bでは、7日後に緑色の濁りが著しくな
ったが、水槽Aは実験期間18日の間、かかる呈色が見られなかった。定量デー
タを表■示す。
表■と定性観測から、測定可能な量の化合物1が存在する限り、藻類の生育を阻
止する効果があることが証明された。
表■
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンによる藻類生育化主力」 」j
時間、日 ム7o−%C1″’ A?SQ’ONo 100.0 ND
I ND 70.I No
4 WD 53.4 ND
5 ND 52.1 ND
G ND 51.ONo
7 0.002 49.5 0.0098 ND 48.9 ND
l 1 0.0 45.8 0.01212 0.001 45J O,019
13(LO44,80,025
14G、001 43.3 G、03715 0.0 44.8 0.074
18 0.0 41.9 0.094
1750ナノメートルでの吸光度
す残留総陽イオン塩素のパーセント
1 = 1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オン
ND=測定なし
実施例18
(化学量の2.2.5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オンと遊離塩素
による水中での藻類生育防止)容量10ガロンの水槽2基に、実施例16.17
に記載したpii Ilf、8のブリストル溶液をそれぞれ35リツトルずつ充
填した。水槽Aには、実施例2で調製した2、2゜5.5−テトラメチルイミダ
ゾリジン−4−オン(化合物6)0゜702グラム(4,94x 10弓モル)
に500ミリリツトルのD FW (pH7,0)を加えたものを添加して、水
槽A中の化合物1.3.4. 5の前駆物質1リツトルあたり1.39 x 1
0−’モルの濃度とした。ついで実施例7に記載のように緩衝DFWに塩素ガス
を吹き込んで遊離塩素から得た全陽イオン荷電塩素9.88 x 10−’ モ
ルを含むpH7,0の溶液326リツトルを水槽Aに添加し、混合液を60分反
応させて反応系中で化合物1と3を生成した。
750ナノメートルで0.010の吸光度を有する藻類の接種原(実施例16.
17の0sc111atoria [utea、 Anabaena虹旦封坦」
、 Ch tore I Ia reno 1dosa)のアリ:I−)10ミ
リリツトルをそれぞれの水槽に添加した。実施例16.17と同様に、通気と照
明を続けながら、温度範囲21から24℃で実験をおこなった。両方の水槽から
定期的に試料を採取し、Milton Ray 5pectron1c 301
分光計を用いて750ナノメートルでの吸光度を測定するとともに、水槽Aから
さらに試料を採取して、全陽イオン荷電塩素の濃度を測定した。化合物6と遊離
塩素を初期反応させ80分後に、遊離塩素の量を測定したところ、1リツトルあ
たり1.08層gが検出された。この時点では、化合物6を少量(5,33x
I(+−’)添加し、過剰遊離塩素をすべて完全に反応させた。藻類接種原を添
加した時点では、遊離塩素は測定できるほど存在しなかった。対照とした水槽B
では、7日後に濁った緑色がはっきりとみられた。水槽Aは27日間の実験期間
中、かかる呈色が見られなかった。定量データを表■に示す。
表■
化学量の未ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンと遊離塩素の混合液による藻類
生育化主
力 〇+ CI4 註1
時間、日 ム71″ %CI’も A?Sl’OLD 100.0 ND
I ND 92.5 No
2 N 90.9 No
5 No 88.7 LD
8 ND 85.2 No
8 ND 83.7 0.003
21 0.0 G2.0 0.011
27 LO53,10,022
s750ナノメートルでの吸光度
b残留縁陽イオン塩素のパーセント
θ=2.2,5.5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン
ND=測定なし
表■と定性観測から、化合物6に遊離塩素の化学量を混合することにより、測定
可能な量の全陽イオン荷電遊離塩素が存在する限り、水中の藻類の生育を防止す
る効果があることがわかる。
実施例19
(ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンによる硬質表面の消毒)
硬質表面の消毒剤としての化合物1および5の効果を、“0fficial M
ethods of Analysisls of the As5ocf−a
tlon of 0fficial Analytlcal Chemists
”、ed。
W、 fforwftz、 A、O,ム、C,,Washington D、C
,,1989,pp、 58−53に記載のムOACUse−Dllution
1lethodを修正した方法を用いて調べた。ステンレス製の小型シリンダ
ー(Fisher 5cient1f1c社のPen icy I 1nder
s )をIN水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、オートクレーブに入れて0.1%
アスパラギン酸で滅菌したのち、雰囲気温度まで冷却した。
24時間放置したSta hlococcus aureus (ムTC025
B32)の普通ブロス培養液内にシリンダーを!5分間入れて、接種させた。シ
リンダーをブロスから無菌状態で取り出し、滅菌ペトリ皿の濾紙の上において水
分をきったのち、37℃の培養器内で乾燥させた。
ハロゲン化イミダゾリジン−4−オンを、pH7,0に緩衝させたDFWに溶解
して、化合物1については陽イオン化が可能な塩素の濃度がそれぞれ25.5G
、100.200ppm (化合物5については、陽イオン化が可能な塩素のモ
ル当量)になるよう調整したのち、溶液のアリコート2ミリリツトルを滅菌した
試験管にそれぞれ添加した。
対照溶液であるpH7,0のDFWも試験管に添加した。
消毒剤の濃度別にそれぞれ少なくとも10本の試験管を用意した。接種ずみの金
属製シリンダーを、消毒剤を入れた試験管と対照群の試験管に、それぞれ正確に
30秒間隔で挿入していった。正確に10分間接触させた後、入れたときと同じ
順序でかつ30秒間隔で試験管からシリンダーを取り出すことにより、すべての
シリンダーについて接触時間が10分になるようにした。金属製シリンダーを普
通ブロス3ミリリツトルと0.01規定のチオ硫酸ナトリウムを入れた培養試験
管に金属シリンダーをそれぞれ挿入して、消毒作用を抑えた。37℃で48時間
培養した後、試験管すべてについてバクテリアの生育状態(濁りの有無)を調べ
た。
実験の結果、対照群の試験管ではバクテリアの生育が見られたのに対し、化合物
1または5を入れた試験管では、いずれの濃度でもバクテリアの生育は見られな
かった。1,3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4
−オン(化合物1)と、1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチ
ルイミダゾリジン−4−オン(化合物5)は、化合物1では陽イオン化が可能な
塩素の濃度が25 ppm、化合物5では全陽イオン荷電ハロゲンのモル当量(
40,7pp■)と、低濃度でも硬質表面の消毒剤として効果があることが分か
った。
実施例20
(水質の関数としてみたハロゲン化イミダゾリジン−4−オンのSalmone
lla enteritfdlgに対する効果)
実施例3.5で調製したハロゲン化イミダゾリジン−4−オン誘導体(化合物1
と5)について、3種類の水、すなわちDFW、日光によって脱塩素化した水道
水(TW)、農村地帯で採取した井戸水(WW)中の微生物Sa1monell
a enteritidlg (ムTCC1307B)に対する効果を試験した
。水の試料はナベで、0.05Nリン酸ナトリウムで緩衝させてpie、sとし
、試験中温度を25℃に保った。
試験濃度は化合物1については、全塩素112.5.10mg/lとし、化合物
5については全ハロゲンのモル当量とした。バクテリアに関する試験のプロトコ
ルは実施例15で論じたものと同じであり、≦、 enteritidlsの培
養基として寒天を用いた。消毒剤に暴露された微生物の生菌数(CFU/■l)
が6対数減少を示すのに必要な接触時間(分)を回帰方程式Log (FC■/
ml + 1) :時間から計算した。
表■
Salmonella enterftidisの不活性化に必要な接触時間試
験化合物
撒放葺I」こυ2
水質b 濃度O化合物l 化合物5
CDF I LO20,F1B
2.5 4.74 0.48
5 4.23 0.234
10 0.98 0.234
TV 1 55.84 3.93
2.5 26.55 1.75
5 9.14 0.48
10 4.05 0.23’
H1187,501J8
2.5 49.50 1.02
5 10.12 042
1G !1.19 0.224
自回帰方程式Log(FC■/■t + 1) =時間でめた6対数不活性化に
必要な接触時間(分)
bcDF =ハロゲン要求量のない水; TV :脱塩素化した水道水; WW
=井戸水;
水はすべて緩衝してpie 、5とし、試験中の温度は25℃に保たれる。
・化合物1についてはl1g/I全塩素;化合物5については全CI” + B
r’のモル当量。
d実際の数値はもっと低い可能性がある。15秒で最初に採取した試料ですでに
完全に不活性化されていた。
1:1.3−ジクロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オ
ン
5:1−ブロモ−3−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−
4−オン
これらの実験結果を表■に示す。表■のデータは、化合物5がすべての試験条件
で≦、 enterltltidlsに対し、きわめて殺菌性の高いことを示し
ている。化合物1は、全塩素濃度5及び10m1/lではすべての水の試料に対
し適切な殺菌性を示し、接触時間が充分であれば全塩素濃度 1■g/Iで完全
に不活性化が可能であった。井戸水試料の場合は同化合物とも、接触時間を長く
する必要があった。これは不純物によるハロゲン要求量が高くなるためである。
本実施例から、5. enterfNdfsが主な病原菌である家禽類加工業で
はこれらの化合物が有用な殺菌剤であることがわかる。
実施例21
(卵殻表面のSa1w+onella enterltidlgに対するハロゲ
ン化イミダゾリジン−4−オンの効果)実施例3及び5で調製したハロゲン化イ
ミダゾリジンー4−オン誘導体(化合物1および5)について、卵殻表面の微生
物Sa1monella enteritldis (ムTOO130711i
)に対する殺菌剤としての効果を調べた。≦、 enterftldisを約1
01 CFUl■1含む10℃の塩水に全卵を浸漬させた。卵を接種原から取り
出し、生物学的に安全なキャビネット内の滅菌棚にのせて乾燥した。ついで、卵
に消毒剤水溶液または滅菌塩水を10秒均一に噴霧し、と−トガンで熱風を吹き
付けて急激に乾燥した。卵をそれぞれ滅菌0.02Nチオ硫酸ナトリウム101
を入れた滅菌ポリエチレンの袋に移し変えて、消毒作用を抑制し、7分間放置し
た。
うち2分間はそっともんだ。卵を袋からとりだし1.普通寒天で培養した。
211類の消毒剤の濃度は、化合物1では全塩素にして190から210 mg
/l、化合物5では全オキシダントのモル当量であった。16例測定した化合物
lの場合、卵殻表面の生菌数(CFU/cmりの平均密度は6.82 x 10
2で、標準誤差が2.12 x 10”であった。10例測定した化合物5の場
合、生菌数の平均密度は1.34 x 10’で、標準誤差が10” として(
訳注:原文のママ) 1.28 x 102であった。接種を行った対照群の卵
の場合は、14の測定例で生菌の平均密度は1.50 x 1G’で、標準誤差
が5.38x 103であった。接種を行わなかった対照例の場合は、7つの測
定例で未確認生物の生菌数が2.57 x 10’ で、標準誤差が1.01
x 10’ であった。このデータから、化合物1.5ともに、10秒間噴霧す
ることにより卵殻表面の5. enteritidls生菌数を減らすのに効果
があることが明らかである。
膜を除去した場合の卵殻を透過する化合物の拡散速度も測定した。これらの実験
では、殻の上部1/3をはさみで切り取り、卵黄、卵白を捨てたのち、膜を殻の
内側から除去した。pH6,5で緩衝させたDPD溶液30!lを殻の中に入れ
、化合物1については全塩素にして約200薦g/l、化合物5については全オ
キシダントのモル当量の濃度の消毒剤溶液中に殻を浸した。空気による酸化を防
ぐために、DPD溶液表面に窒素ガスを絶えず流した。5から8時間後、卵殻の
中身を取り出し、DPD/FAS法(実施例7参照)により遊離塩素、結合塩素
についての分析を行った。実験によっては、消毒剤溶液と卵殻の中身については
±15℃の温度差を設定した。卵殻を透過して5〜6時間の間に拡散する化合物
1および5の量は全ハロゲンにして0.12 mg/l以下であることがわかっ
た。このことは、試験した消毒剤の濃度が高くても10秒の噴霧では、消毒剤が
卵殻を透過することはほとんどないことがわかる。
本実施例の結果は、化合物1および5を用いて、卵殻表面の≦、 enteri
tldlsを不活性化できることを示している。
実施例22
(1−クロロ−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン 高濃
度消毒剤としての効果)実施例15において、1−クロロ−2,2,5,5−テ
トラメチルイミダゾリジン−4−オン(化合物3)が、接触時間さえ長くすれば
低濃度(5mg/l)で≦aureusを不活性化できることが明らかとなった
。化合物3の濃縮液が、この微生物に対して効果があるか調べるため実験を行っ
た。pH7,0に緩衝させた化合物のDFW液を調製し、これに1.740 g
/l(全塩素にして350 B/1)を含有させた。
実施例15と同じ方法で10’ CF U/mlのS aureusを含む溶液
に暴露させたところ、1分以内に生菌が6対数の減少を示したが、これは試験し
たなかでは最短接触時間であった。
化合物3は5週間で、絶対エタノール溶液中で全塩素。
含有量がわずか1.5%しか失われていす、溶解性も水よりエタノールに対して
のほうが高い。したがってアルコールなどの有機溶剤とともに用いて有用な消毒
剤であると考えられる。
本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、かかる詳細は本発明の範囲を
限定することを意図するものではない。
要 約 書
イミダゾリジン−4−オン環の2と5の位置に置換基を持つイミダゾリジン−4
−オン類の置換基を持っN−ハロ誘導体であって、特に水素、アルキル、アルコ
キシ、ヒドロキシ、フェニールおよび置換基を持つフェニールから選ばれる置換
基、またはスピロ置換を環の2と5の位置に持つイミダゾリジン−4−オン類の
N−クロロ、N−ブロモ、N、N’−ジクロロ、N、N’−ジブロモ、N、N’
−ブロモクロロ誘導体が開示されている。これらN−ハロ化合物は安定性があり
、腐食性がない殺菌剤であり、直射日光に耐性があって、滅菌剤、消毒剤、藻類
抑制剤として有用である。
国際調査報告