JPH0525602A - メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 - Google Patents
メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法Info
- Publication number
- JPH0525602A JPH0525602A JP3201127A JP20112791A JPH0525602A JP H0525602 A JPH0525602 A JP H0525602A JP 3201127 A JP3201127 A JP 3201127A JP 20112791 A JP20112791 A JP 20112791A JP H0525602 A JPH0525602 A JP H0525602A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- aluminum
- austenitic stainless
- plating
- plating adhesion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000007747 plating Methods 0.000 title claims abstract description 45
- 229910000963 austenitic stainless steel Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 20
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 14
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims abstract description 14
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 8
- 238000005452 bending Methods 0.000 claims abstract description 20
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 19
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims abstract description 19
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 16
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 8
- 238000007711 solidification Methods 0.000 claims description 5
- 230000008023 solidification Effects 0.000 claims description 5
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 4
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 abstract description 14
- 239000000956 alloy Substances 0.000 abstract description 14
- 230000000694 effects Effects 0.000 abstract description 6
- 239000000463 material Substances 0.000 abstract description 6
- 238000000465 moulding Methods 0.000 abstract description 5
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 abstract description 4
- 238000005266 casting Methods 0.000 abstract description 2
- -1 castings Substances 0.000 abstract description 2
- 230000009467 reduction Effects 0.000 abstract description 2
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 22
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 9
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 description 8
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 5
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 5
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 4
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 4
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 4
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 3
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 3
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 3
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 2
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 2
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910018125 Al-Si Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910021364 Al-Si alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910018520 Al—Si Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 1
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 239000011247 coating layer Substances 0.000 description 1
- 239000012141 concentrate Substances 0.000 description 1
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- 238000007710 freezing Methods 0.000 description 1
- 230000008014 freezing Effects 0.000 description 1
- 239000002828 fuel tank Substances 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 description 1
- 239000002436 steel type Substances 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】メッキ密着性の優れたアルミニウムメッキオー
ステナイト系ステンレス鋼板の製造法を提供 【構成】 アルミニウムメッキ後、表面が凝固したあ
と、メッキ板表面の温度が150℃までの間に、曲率が
板厚の200倍以下の繰り返し曲げ加工を、板厚方向に
対して異なる方向に2回以上付加することで、合金層に
ミクロクラックを生じさせることを特徴とする。 【効果】 製造過程で合金層にミクロクラックを生じさ
せることで、実用成型時のメッキ密着性を改善させる。
その結果、従来は陶磁器、鋳物、セラミックなどの物質
を採用していた分野に、本発明による安価な鉄鋼製品を
置きかえることが可能になり、多くの分野でコストダウ
ンに寄与できた。
ステナイト系ステンレス鋼板の製造法を提供 【構成】 アルミニウムメッキ後、表面が凝固したあ
と、メッキ板表面の温度が150℃までの間に、曲率が
板厚の200倍以下の繰り返し曲げ加工を、板厚方向に
対して異なる方向に2回以上付加することで、合金層に
ミクロクラックを生じさせることを特徴とする。 【効果】 製造過程で合金層にミクロクラックを生じさ
せることで、実用成型時のメッキ密着性を改善させる。
その結果、従来は陶磁器、鋳物、セラミックなどの物質
を採用していた分野に、本発明による安価な鉄鋼製品を
置きかえることが可能になり、多くの分野でコストダウ
ンに寄与できた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曲げ加工や絞り加工ま
たこれらの複合加工を受けた場合でも、メッキ密着性の
優れたアルミニウムメッキオーステナイト系ステンレス
鋼板の製造法に関するものである。
たこれらの複合加工を受けた場合でも、メッキ密着性の
優れたアルミニウムメッキオーステナイト系ステンレス
鋼板の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車やオートバイのエンジンなどの排
気ガス用マフラーやその前後の排気管は(以下総称して
マフラーという)自動車の床下部に設置される場合、車
軸、燃料タンク、各種シャフトなどと共存を余儀なくさ
れる。その結果、設置される空間が限定されるため、厳
しい形状に加工される。また、実際に自動車などに搭載
されたあと、外面側からは道路面に撒かれた凍結防止目
的のため各種塩類にさらされる。
気ガス用マフラーやその前後の排気管は(以下総称して
マフラーという)自動車の床下部に設置される場合、車
軸、燃料タンク、各種シャフトなどと共存を余儀なくさ
れる。その結果、設置される空間が限定されるため、厳
しい形状に加工される。また、実際に自動車などに搭載
されたあと、外面側からは道路面に撒かれた凍結防止目
的のため各種塩類にさらされる。
【0003】一方マフラー内面側からはエンジン排気ガ
スから生成する凝縮腐食性液(エンジンで発生した高温
の排気ガスは、エギゾーストマニホールド、コンバータ
ーなどを通過後センターパイプ、マフラー、テールパイ
プを経て排出される。エンジン始動時はマフラーの温度
が低いため排ガス中に水分が凝縮した凝縮液がマフラー
内壁面に付着し、またマフラー底部に滞留する。このよ
うに生成した凝縮液中には燃焼排気ガス中にCO3 2-、
NH4+、SO4 2-、NO3 -、その他Clや微量の有機物
が含まれ、マフラーの耐食性に影響する)に、高温高湿
条件でさらされる。これらマフラー内外面の環境は材料
の腐食に極めて悪影響を与える。自動車メーカー、材料
メーカーはこういう背景を踏まえてマフラー材にステン
レス鋼が使用されるようになった。
スから生成する凝縮腐食性液(エンジンで発生した高温
の排気ガスは、エギゾーストマニホールド、コンバータ
ーなどを通過後センターパイプ、マフラー、テールパイ
プを経て排出される。エンジン始動時はマフラーの温度
が低いため排ガス中に水分が凝縮した凝縮液がマフラー
内壁面に付着し、またマフラー底部に滞留する。このよ
うに生成した凝縮液中には燃焼排気ガス中にCO3 2-、
NH4+、SO4 2-、NO3 -、その他Clや微量の有機物
が含まれ、マフラーの耐食性に影響する)に、高温高湿
条件でさらされる。これらマフラー内外面の環境は材料
の腐食に極めて悪影響を与える。自動車メーカー、材料
メーカーはこういう背景を踏まえてマフラー材にステン
レス鋼が使用されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ステンレス鋼板自体
は、その固有の耐食性、耐高温酸化性、高温強度などの
特性を活用される用途で需要が拡大し始めて久しい。マ
フラーの製作は、従来、平板を円周状に巻き付けた外筒
と、前後の鏡板とを巻締め加工で組み立てる、いわゆる
3ピースタイプで行われていたが、近時、マフラー製造
を経済的にするため上下一対の「モナカタイプ」の部品
をプレス成型で製作し、その後それらを溶接で組み立て
る2ピースタイプのマフラーが実用されだした。
は、その固有の耐食性、耐高温酸化性、高温強度などの
特性を活用される用途で需要が拡大し始めて久しい。マ
フラーの製作は、従来、平板を円周状に巻き付けた外筒
と、前後の鏡板とを巻締め加工で組み立てる、いわゆる
3ピースタイプで行われていたが、近時、マフラー製造
を経済的にするため上下一対の「モナカタイプ」の部品
をプレス成型で製作し、その後それらを溶接で組み立て
る2ピースタイプのマフラーが実用されだした。
【0005】ステンレス鋼の中でもフェライト系ステン
レス鋼板はプレス成型性(深絞り)に若干問題があり、
複雑な形状にプレスされるこの用途には不向きである理
由から、SUS304で代表されるオーステナイト系ス
テンレス鋼板は、優れた深絞りを生かしてこの用途に適
用されている。また、自動車の種類、走行地域によって
は特公昭56−11749号、特開昭55−97460
号などの公報で知られているようにオーステナイト系ス
テンレス鋼板にアルミニウムをめっきした製品が使われ
る。ところが、複雑な形状のマフラーなどに成型される
場合、その形状が完成する過程でアルミニウム被覆層が
剥離するケースが多発し、問題となっている。このほ
か、高温加熱炉、塵埃焼却炉などの炉壁、冷却管、熱交
換システムなどの用途においても、メッキ密着性、耐腐
食性、高温特性ながその特性を有する鉄鋼製品の開発が
待たれていた。
レス鋼板はプレス成型性(深絞り)に若干問題があり、
複雑な形状にプレスされるこの用途には不向きである理
由から、SUS304で代表されるオーステナイト系ス
テンレス鋼板は、優れた深絞りを生かしてこの用途に適
用されている。また、自動車の種類、走行地域によって
は特公昭56−11749号、特開昭55−97460
号などの公報で知られているようにオーステナイト系ス
テンレス鋼板にアルミニウムをめっきした製品が使われ
る。ところが、複雑な形状のマフラーなどに成型される
場合、その形状が完成する過程でアルミニウム被覆層が
剥離するケースが多発し、問題となっている。このほ
か、高温加熱炉、塵埃焼却炉などの炉壁、冷却管、熱交
換システムなどの用途においても、メッキ密着性、耐腐
食性、高温特性ながその特性を有する鉄鋼製品の開発が
待たれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらのニーズ
を踏まえ、寿命、性能を大幅に向上させ得る表面処理ス
テンレス鋼板の製造法に関するもので、その目的は曲げ
加工、絞り加工、偏平加工や拡管加工あるいはこれらの
複合加工を受けてパイプ、容器缶その他各種の形状に成
形加工する際のメッキ皮膜の密着性を改善したアルミニ
ウムメッキオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する
ものである。本発明者らは各種のステンレス鋼板に溶融
アルミニウムメッキを施した後プレス加工した鋼板断面
のメッキ層について詳細に検討した結果、次のような事
実を見出した。中でも、アルミニウムメッキオーステナ
イト系ステンレス鋼板は、メッキ皮膜の剥離現象が地鉄
と合金層(Fe−Al)の境界部に集中し、その程度は
普通鋼板やフェライト系ステンレス鋼板に較べ大なるも
のがあった。剥離現象を大きく起こる原因は、オーステ
ナイト系ステンレス鋼板の熱膨張係数が、他の鋼種に較
べて、高い点が挙げられる。表1は、各鋼の熱膨張係数
を示す。
を踏まえ、寿命、性能を大幅に向上させ得る表面処理ス
テンレス鋼板の製造法に関するもので、その目的は曲げ
加工、絞り加工、偏平加工や拡管加工あるいはこれらの
複合加工を受けてパイプ、容器缶その他各種の形状に成
形加工する際のメッキ皮膜の密着性を改善したアルミニ
ウムメッキオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する
ものである。本発明者らは各種のステンレス鋼板に溶融
アルミニウムメッキを施した後プレス加工した鋼板断面
のメッキ層について詳細に検討した結果、次のような事
実を見出した。中でも、アルミニウムメッキオーステナ
イト系ステンレス鋼板は、メッキ皮膜の剥離現象が地鉄
と合金層(Fe−Al)の境界部に集中し、その程度は
普通鋼板やフェライト系ステンレス鋼板に較べ大なるも
のがあった。剥離現象を大きく起こる原因は、オーステ
ナイト系ステンレス鋼板の熱膨張係数が、他の鋼種に較
べて、高い点が挙げられる。表1は、各鋼の熱膨張係数
を示す。
【0007】
【表1】
【0008】アルミニウムメッキ浴温度が660〜70
0℃の溶融アルミニウムメッキ直後の冷却過程で、地鉄
とHv硬度で1000〜1200の硬さをもつ合金層と
の間で熱膨張係数が異なり、大きな内部応力が発生す
る。つまり、溶融アルミニウムメッキ浴中において、オ
ーステナイト系ステンレス鋼の地鉄と合金層が生成した
直後では同一率で膨張するが、メッキ後の冷却過程にお
いてそれぞれ持つ熱膨張係数に応じて収縮するため、そ
の間で普通鋼やフェライト系ステンレス鋼よりも極めて
大きな内部応力が発生する。この内部応力が各種の製品
形状に成形する場合に、メッキ皮膜を剥離する原因とな
る。さらに本発明者らはこのような推測に基づいて各種
の実験を試みた。
0℃の溶融アルミニウムメッキ直後の冷却過程で、地鉄
とHv硬度で1000〜1200の硬さをもつ合金層と
の間で熱膨張係数が異なり、大きな内部応力が発生す
る。つまり、溶融アルミニウムメッキ浴中において、オ
ーステナイト系ステンレス鋼の地鉄と合金層が生成した
直後では同一率で膨張するが、メッキ後の冷却過程にお
いてそれぞれ持つ熱膨張係数に応じて収縮するため、そ
の間で普通鋼やフェライト系ステンレス鋼よりも極めて
大きな内部応力が発生する。この内部応力が各種の製品
形状に成形する場合に、メッキ皮膜を剥離する原因とな
る。さらに本発明者らはこのような推測に基づいて各種
の実験を試みた。
【0009】その結果溶融アルミニウムメッキ浴槽を通
過したアルミニウムメッキオーステナイト系ステンレス
鋼板の冷却過程の高温度域で、繰り返し曲げ加工を施す
事によって、メッキ密着性が大幅に改善される事を知見
した。本発明はこの知見に基づいて構成したもので、そ
の要旨は、溶融アルミニウムメッキ浴槽を通過したアル
ミニウムメッキオーステナイト系ステンレス鋼板の冷却
過程において、溶着アルミニウムメッキ金属の凝固直下
温度〜150℃の温度で、曲率が該鋼板板厚の200倍
以下の曲げ加工を異なる方向に2回以上行うメッキ密着
性に優れたアルミニウムメッキオーステナイト系ステン
レス鋼板の製造法である。
過したアルミニウムメッキオーステナイト系ステンレス
鋼板の冷却過程の高温度域で、繰り返し曲げ加工を施す
事によって、メッキ密着性が大幅に改善される事を知見
した。本発明はこの知見に基づいて構成したもので、そ
の要旨は、溶融アルミニウムメッキ浴槽を通過したアル
ミニウムメッキオーステナイト系ステンレス鋼板の冷却
過程において、溶着アルミニウムメッキ金属の凝固直下
温度〜150℃の温度で、曲率が該鋼板板厚の200倍
以下の曲げ加工を異なる方向に2回以上行うメッキ密着
性に優れたアルミニウムメッキオーステナイト系ステン
レス鋼板の製造法である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。通
常の製造工程を経て製造され鋼表面が清浄化されたオー
ステナイト系ステンレス鋼板を、純Al、Al−Si合
金を溶融したアルミニウムメッキ浴槽を通過させた後、
その冷却過程において該鋼板に溶着したアルミニウムメ
ッキ金属の凝固直下温度〜150℃の温度で、曲率が前
記鋼板板厚の200倍以下の曲げ加工を2回以上繰り返
す。この加工はメッキ密着性を改善する。
常の製造工程を経て製造され鋼表面が清浄化されたオー
ステナイト系ステンレス鋼板を、純Al、Al−Si合
金を溶融したアルミニウムメッキ浴槽を通過させた後、
その冷却過程において該鋼板に溶着したアルミニウムメ
ッキ金属の凝固直下温度〜150℃の温度で、曲率が前
記鋼板板厚の200倍以下の曲げ加工を2回以上繰り返
す。この加工はメッキ密着性を改善する。
【0011】図1は、板厚1.0mmのアルミニウムメ
ッキオーステナイト系ステンレス鋼板をメッキ直後の冷
却途中の各温度で曲げ加工した場合の、加工温度および
加工曲率がメッキ密着性に及ぼす影響を示したものであ
る。すなわち、加工を施した鋼板は(非加工鋼板に較
べ)メッキ密着性を改善し、その改善の程度は加工温度
が150℃以上でまた曲率が鋼板板厚の200倍以下で
大きく改善する。この場合加工温度が鋼板に溶着したア
ルミニウムメッキ金属の凝固以上の高い温度では、曲げ
加工用ロールに付着し、メッキ剥離を著しく高める問題
がある。こうした効果は、2回以上の曲げ加工を繰り返
す事によって得られるものである。
ッキオーステナイト系ステンレス鋼板をメッキ直後の冷
却途中の各温度で曲げ加工した場合の、加工温度および
加工曲率がメッキ密着性に及ぼす影響を示したものであ
る。すなわち、加工を施した鋼板は(非加工鋼板に較
べ)メッキ密着性を改善し、その改善の程度は加工温度
が150℃以上でまた曲率が鋼板板厚の200倍以下で
大きく改善する。この場合加工温度が鋼板に溶着したア
ルミニウムメッキ金属の凝固以上の高い温度では、曲げ
加工用ロールに付着し、メッキ剥離を著しく高める問題
がある。こうした効果は、2回以上の曲げ加工を繰り返
す事によって得られるものである。
【0012】図2は、図1に供試したアルミニウムメッ
キオーステナイト系ステンレス鋼板曲げ加工時の、捲付
角度および繰返回数がメッキ密着性に及ぼす影響を示し
たものである。図2から明らかなように、メッキ密着性
に及ぼす影響は、捲付角度に関係なく、曲げ加工回数が
2回以上でほぼ飽和域に達する。本発明は、上記のよう
な試験結果に基づいて構成しまた各条件を限定したもの
である。
キオーステナイト系ステンレス鋼板曲げ加工時の、捲付
角度および繰返回数がメッキ密着性に及ぼす影響を示し
たものである。図2から明らかなように、メッキ密着性
に及ぼす影響は、捲付角度に関係なく、曲げ加工回数が
2回以上でほぼ飽和域に達する。本発明は、上記のよう
な試験結果に基づいて構成しまた各条件を限定したもの
である。
【0013】繰り返し曲げ加工によるメッキ密着性改善
現象は、二つの理由で説明できる。まず一点目は図1に
代表例を示したような合金層の形態である。繰り返し曲
げ加工がほどこされない製品の合金層はほとんど生成さ
れたままの状態で存在している。これは、メッキ素材
(オーステナイト系ステンレス鋼)の大幅な収縮によっ
て合金層は内部に大きい応力、歪みを内蔵したまま凝固
している。これに対して、繰り返し曲げ加工された製品
の合金層はマイクロクラックが多数発生し、凝固収縮の
さいに発生する内部応力の大部分を放出していると推定
される。
現象は、二つの理由で説明できる。まず一点目は図1に
代表例を示したような合金層の形態である。繰り返し曲
げ加工がほどこされない製品の合金層はほとんど生成さ
れたままの状態で存在している。これは、メッキ素材
(オーステナイト系ステンレス鋼)の大幅な収縮によっ
て合金層は内部に大きい応力、歪みを内蔵したまま凝固
している。これに対して、繰り返し曲げ加工された製品
の合金層はマイクロクラックが多数発生し、凝固収縮の
さいに発生する内部応力の大部分を放出していると推定
される。
【0014】言うまでもなく、内部応力の有無、多少
は、製品が市場で実用される場合の各種加工(張り出し
加工、絞り加工、張り出し絞り複合成型加工、厳しい曲
げ加工など)における被覆剥離(メッキ層あるいはメッ
キ層と合金層の両方)に対する重要な支配要因であるか
ら、内部応力の少ないと思われる本発明品は実用時の加
工でメッキ層は剥離しにくい。
は、製品が市場で実用される場合の各種加工(張り出し
加工、絞り加工、張り出し絞り複合成型加工、厳しい曲
げ加工など)における被覆剥離(メッキ層あるいはメッ
キ層と合金層の両方)に対する重要な支配要因であるか
ら、内部応力の少ないと思われる本発明品は実用時の加
工でメッキ層は剥離しにくい。
【0015】二点目は実用加工時の被覆伸び変形量の吸
収に及ぼす合金層のマイクロクラッキング効果である。
アルミニウムメッキ製品の実用加工時の剥離は、素地
と、硬度が極めて高い(Hv:1000以上)合金層と
の間で発生することが多い。硬さ故の合金層の加工性の
悪さに対し、アルミニウムメッキ層(一般的にAl単独
もしくはAl−Si成分。それぞれ不純物は含まれる)
は伸延性が極めて高い。高硬度の合金層があらがじめマ
イクロクラックを生じていることは実用加工時の伸び全
体を微小単位に分散する。その結果全体の伸び変形は伸
び率の高いメッキ層に吸収され、被覆全体に亀裂を生じ
たり、剥げ上がったり、剥脱するような損傷を減少させ
る。
収に及ぼす合金層のマイクロクラッキング効果である。
アルミニウムメッキ製品の実用加工時の剥離は、素地
と、硬度が極めて高い(Hv:1000以上)合金層と
の間で発生することが多い。硬さ故の合金層の加工性の
悪さに対し、アルミニウムメッキ層(一般的にAl単独
もしくはAl−Si成分。それぞれ不純物は含まれる)
は伸延性が極めて高い。高硬度の合金層があらがじめマ
イクロクラックを生じていることは実用加工時の伸び全
体を微小単位に分散する。その結果全体の伸び変形は伸
び率の高いメッキ層に吸収され、被覆全体に亀裂を生じ
たり、剥げ上がったり、剥脱するような損傷を減少させ
る。
【0016】
【実施例】上記した各種の基本的実験結果を踏まえて、
連続メッキラインで実際にオーステナイト系ステンレス
鋼板にアルミニウムメッキを行い、メッキ直後の曲げ加
工がメッキ密着性に及ぼす効果について確認を行った。
表2にそれらの実施例を示す。表中の曲げ加工温度範囲
は、高温側は加工装置に入る前の鋼板温度、低温側は装
置を出た直後の鋼板温度を示す。
連続メッキラインで実際にオーステナイト系ステンレス
鋼板にアルミニウムメッキを行い、メッキ直後の曲げ加
工がメッキ密着性に及ぼす効果について確認を行った。
表2にそれらの実施例を示す。表中の曲げ加工温度範囲
は、高温側は加工装置に入る前の鋼板温度、低温側は装
置を出た直後の鋼板温度を示す。
【0017】
【表2A】
【0018】
【表2B】 註 メッキ密着性試験条件と判定基準 CUP試験 [条件] ブランク径50mm、絞り深さ
10mm、ダイス径32mm、ダイス肩半径2mm [判定] (絞り加工の壁部外面を観察) A;異状なし B;メッキ層鱗片状態で2、3個所が浮き上がり〜剥離 C;メッキ層部分的に剥離 D;メッキ層50%以上剥離 E;メッキ層完全に剥脱 反復衝撃 [手順]--先端幅が板厚×2倍のプランジ
ャーでV字型に衝曲げ試験 撃曲げ加工 --反転してサンプルを平坦化 --と逆方向に、と同一条件で加工 [判定] 0←−−−−−−−−−−−→100 メッキ被膜全面剥離 メッキ被膜剥離ゼロ
10mm、ダイス径32mm、ダイス肩半径2mm [判定] (絞り加工の壁部外面を観察) A;異状なし B;メッキ層鱗片状態で2、3個所が浮き上がり〜剥離 C;メッキ層部分的に剥離 D;メッキ層50%以上剥離 E;メッキ層完全に剥脱 反復衝撃 [手順]--先端幅が板厚×2倍のプランジ
ャーでV字型に衝曲げ試験 撃曲げ加工 --反転してサンプルを平坦化 --と逆方向に、と同一条件で加工 [判定] 0←−−−−−−−−−−−→100 メッキ被膜全面剥離 メッキ被膜剥離ゼロ
【0019】
【発明の効果】オーステナイト系ステンレス鋼板のアル
ミメッキ製品のメッキ密着性が大幅に向上することによ
り、従来は適用し得なかった、成型加工性、耐食性、高
温酸化性、白色外観など要求される厳しい用途に本発明
品が実用できるようになった。その結果、いままでは陶
磁器、鋳物、セラミックなどの物質を採用していた分野
に、安価な鉄鋼製品を置き換えることが可能になり、工
業製品、民間需要のいずれにおいても画期的なコストダ
ウンが果たせた。
ミメッキ製品のメッキ密着性が大幅に向上することによ
り、従来は適用し得なかった、成型加工性、耐食性、高
温酸化性、白色外観など要求される厳しい用途に本発明
品が実用できるようになった。その結果、いままでは陶
磁器、鋳物、セラミックなどの物質を採用していた分野
に、安価な鉄鋼製品を置き換えることが可能になり、工
業製品、民間需要のいずれにおいても画期的なコストダ
ウンが果たせた。
【図1】メッキ直後の繰り返し曲げ加工における加工温
度、曲率がメッキ密着性に及ぼす効果である。
度、曲率がメッキ密着性に及ぼす効果である。
【図2】同じく曲げ回数、巻き付け角度の効果について
基本的に調査した実験結果である。
基本的に調査した実験結果である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 溶融アルミニウムメッキ浴槽を通過した
アルミニウムメッキオーステナイト系ステンレス鋼板の
冷却過程において、溶着アルミニウムメッキ金属の凝固
直下温度〜150℃の温度で、曲率が該鋼板板厚の20
0倍以下の曲げ加工を異なる方向に2回以上行う事を特
徴とするメッキ密着性に優れたアルミニウムメッキオー
ステナイト系ステンレス鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3201127A JPH0525602A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3201127A JPH0525602A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525602A true JPH0525602A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16435864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3201127A Withdrawn JPH0525602A (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0525602A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1056098A (ja) * | 1996-08-12 | 1998-02-24 | Nec Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
JPH10214928A (ja) * | 1996-02-27 | 1998-08-11 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板 |
JP2005244036A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2009070965A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2009170563A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2010040955A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-18 | Renesas Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-07-17 JP JP3201127A patent/JPH0525602A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10214928A (ja) * | 1996-02-27 | 1998-08-11 | Ibiden Co Ltd | プリント配線板 |
JPH1056098A (ja) * | 1996-08-12 | 1998-02-24 | Nec Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
JP2005244036A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2009070965A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2009170563A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Renesas Technology Corp | 半導体装置 |
JP2010040955A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-18 | Renesas Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN112154224B (zh) | 热冲压成形构件、热冲压成形用预涂镀钢板及热冲压成形工艺 | |
CN113166908B (zh) | 镀铝钢板、热冲压部件及热冲压部件的制造方法 | |
CN104093872B (zh) | 铁素体系不锈钢箔 | |
TWI567210B (zh) | Fat iron type stainless steel and its manufacturing method | |
TWI579391B (zh) | Production of iron-based stainless steel for welding with Ni-containing welding consumables and its manufacturing method | |
CA2693836A1 (en) | Al-plated steel sheet for exhaust gas passageway members of motorcycles and the members | |
JPH0261543B2 (ja) | ||
CN111511942A (zh) | 镀铝系钢板、镀铝系钢板的制造方法及汽车用部件的制造方法 | |
KR20070116974A (ko) | 벨로스 소관용 페라이트계 스테인리스 강판 | |
WO2019097729A1 (ja) | 焼入れ用Alめっき溶接管、並びにAlめっき中空部材及びその製造方法 | |
JP4840089B2 (ja) | 成形品の製造方法 | |
JP2012112025A (ja) | 尿素scrシステム部品用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 | |
CN1071803C (zh) | 抗凸起性和表面性状优良的铁铬合金 | |
KR20220016491A (ko) | 부식방지 코팅이 구비된 강판 제품으로부터 판금 부품을 제조하는 방법 | |
JP2852718B2 (ja) | 耐食性に優れた溶融アルミニウムめっき鋼板 | |
JP7436794B2 (ja) | 自動車部材の製造方法及び自動車部材 | |
JPH0525602A (ja) | メツキ密着性に優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 | |
JP3845271B2 (ja) | 高温成形に適し高温成形後に高強度となるアルミもしくはアルミ−亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP3018913B2 (ja) | 耐食性に優れた自動車排気系機器用フェライトステンレス鋼板の製造方法 | |
JP4907079B2 (ja) | 拡管加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼溶接管及び溶接管用のフェライト系ステンレス鋼板 | |
JP2896077B2 (ja) | 耐高温酸化性およびスケール密着性に優れたフエライト系ステンレス鋼 | |
JP4022063B2 (ja) | 加工性、加工部耐食性に優れた高強度アルミ系めっき鋼板及び高強度自動車部品 | |
TWI718712B (zh) | 肥粒鐵系不鏽鋼熱軋退火鋼板及其製造方法 | |
JPH0525603A (ja) | メツキ密着性の優れたアルミニウムメツキオーステナイト系ステンレス鋼板の製造法 | |
JPS6347356A (ja) | 耐食性能にすぐれた燃料排気用アルミメツキ鋼板の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981008 |