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JPH05248280A - 車両用トラクション制御装置 - Google Patents

車両用トラクション制御装置

Info

Publication number
JPH05248280A
JPH05248280A JP5131392A JP5131392A JPH05248280A JP H05248280 A JPH05248280 A JP H05248280A JP 5131392 A JP5131392 A JP 5131392A JP 5131392 A JP5131392 A JP 5131392A JP H05248280 A JPH05248280 A JP H05248280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
drive wheel
acceleration
wheel torque
acceleration slip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5131392A
Other languages
English (en)
Inventor
Sota Yasuda
荘太 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP5131392A priority Critical patent/JPH05248280A/ja
Publication of JPH05248280A publication Critical patent/JPH05248280A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速スリップ状態に応じて駆動輪トルクを制
御する車両用トラクション制御装置において、高摩擦係
数路走行時の加速性と、トルク制限制御頻度大の状態で
加速する時の安定性との両立を図ること。 【構成】 大きなトルク制限制御頻度が検出された時、
通常の駆動輪トルク制御より加速スリップの発生に対し
て制御に入り易くする加速時対応制御手段eを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速スリップ状態に応
じて駆動輪トルクを制御する車両用トラクション制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加速スリップ状態に応じて駆動輪
トルクを制御する車両用トラクション制御装置として
は、例えば、特開昭61−85248号公報に記載され
ている装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用トラクション制御装置にあっては、制御前の
加速スリップ状態が大きいほど駆動輪トルクの低減量を
大きくする制御を行なう構成となっている為、低摩擦係
数路走行時等で運転者が不意の加速をした場合、駆動輪
トルクの低減応答が遅れ、車両安定性が低下する。
【0004】つまり、通常の駆動輪トルク低減応答は、
過剰なトルク低減を行なった場合、高摩擦係数路での加
速性が損なわれることで、加速スリップの緩やかな成長
に追従する応答に設定されている。しかし、摩擦係数が
低い路面を走行する場合、運転者がアクセルペダルをゆ
っくりと踏んでいても加速スリップの発生に対して駆動
輪トルクの低減量が不足し、加速スリップの収束性が劣
る。また、急激なアクセル踏み込み操作を頻繁に行なう
運転者である場合、アクセル踏み込み操作時毎に加速ス
リップが発生し駆動輪トルク低減制御が頻繁に行なわれ
ることになるが、この時の加速スリップは急激に成長す
るもので、この急激な加速スリップ成長に対しては駆動
輪トルクの低減応答が遅れる。
【0005】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、加速スリップ状態に応じて駆動輪トルク
を制御する車両用トラクション制御装置において、高摩
擦係数路走行時の加速性と、低摩擦係数路走行状態や制
御頻度大の状態で加速する時の安定性との両立を図るこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用トラクション制御装置では、低路面摩擦
係数相当値が検出されるか、大きな制御頻度が検出され
た時、通常の駆動輪トルク制御より加速スリップの発生
に対して制御に入り易くする手段とした。
【0007】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、駆動輪の加速スリップ状態を検出する加速スリップ
状態検出手段aと、加速スリップ状態に応じて駆動輪ト
ルクを低減制御する駆動輪トルク制御手段bと、駆動輪
トルク制御頻度を検出する制御頻度検出手段dと、該制
御頻度検出手段dで大きな制御頻度が検出された時、通
常の駆動輪トルク制御より加速スリップの発生に対して
制御に入り易くする加速時対応制御手段eとを備えてい
る事を特徴とする。
【0008】
【作用】制御頻度が小さい時には、駆動輪トルク制御手
段bにおいて、加速スリップ状態検出手段aにより検出
された加速スリップ状態に応じて駆動輪トルクが低減制
御される。
【0009】制御頻度検出手段dにより大きな駆動輪ト
ルク制御頻度が検出される時には、加速時対応制御手段
eにおいて、通常の駆動輪トルク制御より加速スリップ
の発生に対して制御に入り易くされる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0011】構成を説明する。
【0012】図2は本発明の実施例の車両用トラクショ
ン制御装置が適用された後輪駆動車の制駆動系制御シス
テム全体図である。
【0013】この後輪駆動車には、加速スリップ発生時
に後輪スリップ率が最適許容範囲内になる様にモータス
ロットル開度制御を行なうスロットル制御と、加速スリ
ップ発生時に左右各後輪に独立して制動力を与えるブレ
ーキ制御とを併用するトラクション制御システム(車両
用トラクション制御装置に相当)が搭載されていると共
に、減速スリップ時に車輪ロックを防止する様に前後輪
ブレーキ圧力制御を行なうアンチスキッドブレーキ制御
システムが搭載されている。そして、これらのシステム
の集中電子制御は、トラクション制御システム&アンチ
スキッドブレーキ制御システム電子制御ユニットTCS/AB
S-ECU (以下、TCS/ABS-ECU と略称する)により行なわ
れる。
【0014】前記TCS/ABS-ECU には、右前輪速センサ1
からの右前輪速センサ値VWFR と、左前輪速センサ2か
らの左前輪速センサ値VWFL と、右後輪速センサ3から
の右後輪速センサ値VWRR と、左後輪速センサ4からの
左後輪速センサ値VWRL と、横加速度センサ5からの横
加速度センサ値YGと、TCS スイッチ6からのスイッチ信
号SWTCと、ブレーキランプスイッチ7からのスイッチ信
号SWSTと、スロットルコントロールモジュールTCM (以
下、TCM と略称する)からのスロットル1実開度DKV
と、オートマチックトランスミッション制御ユニットA/
T C/U (以下、A/TC/U と略称する)からのギア位置信
号及びシフトアップ信号と、エンジン集中電子制御ユニ
ットECCS C/U(以下、ECCS C/Uと略称する)からのエン
ジン回転数信号と、第2スロットルセンサ17からの第
2スロットル信号TVO2等が入力される。
【0015】そして、TCS/ABS-ECU からは、加速スリッ
プを検出し、スロットル開閉信号としてのスロットル2
目標開度DKR がTCM に出力されると共に、ブレーキ増減
圧信号としてのソレノイド信号が共有ハイドロリックユ
ニットTCS/ABS-HU(以下、TCS/ABS-HUと略称する)の各
ソレノイドバルブに出力される。このトラクション制御
のうちスロットル制御側をTCSスロットル制御とい
い、ブレーキ制御側をTCSブレーキ制御という。
【0016】また、TCS/ABS-ECU からは、減速スリップ
を検出し、ブレーキ増減圧信号としてのソレノイド信号
がTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力される。この
アンチスキッドブレーキ制御をABSブレーキ制御とい
う。
【0017】尚、TCS/ABS-ECU からは、上記出力以外
に、TCS フェイル時にはTCS フェイルランプ14に点灯
指令が出力され、TCS 作動中にはTCS 作動ランプ15に
点灯指令が出力される。
【0018】前記TCM は、スロットルモータ駆動回路を
中心とする制御回路で、第1スロットルセンサ16から
の第1スロットル信号TVO1を入力し、TCS/ABS-ECU にス
ロットル1実開度DKV として出力したり、第2スロット
ルセンサ17からの第2スロットル信号TVO2をスロット
ル2目標開度DKR に対するフィードバック情報として入
力したり、TCS/ABS-ECU からのスロットル2目標開度DK
R に基づきスロットルモータ18にモータ駆動電流IMを
印加する。
【0019】ここで、第1スロットルセンサ16が設け
られる第1スロットルバルブ19は、アクセルペダル2
0と連動して作動するバルブであり、第2スロットルセ
ンサ17が設けられる第2スロットルバルブ21は、第
1スロットルバルブ19とは直列配置によりエンジン吸
気通路22に設けられ、スロットルモータ18により開
閉駆動されるバルブである。
【0020】上記トラクション制御システムには、周辺
システムとして、図示のように、エアフローメータAFM
やECCS C/Uやインジェクタを有し、燃料噴射制御,点火
時期制御,アイドル回転数補正等を集中制御するエンジ
ン集中電子制御システムが搭載されていて、トラクショ
ン制御時を示すトラクションスイッチ信号TCS SWのON信
号が入力されたら、過渡特性補正のため、第1スロット
ル信号TVO1と第2スロットル信号TVO2のうち小さいバル
ブ開度を選択する制御(セレクトロー制御)が行なわれ
ると共に、キャニスタ制御及びEGR制御が中止され
る。
【0021】また、周辺システムとして、図示のよう
に、A/T C/U やシフトソレノイドを有し、変速制御やロ
ックアップ制御等を行なうオートマチックトランスミッ
ション制御システムが搭載されていて、A/T C/U からは
ギア位置信号及びシフトアップ信号がTCS/ABS-ECU に取
り込まれる。
【0022】さらに、周辺システムとして、図示のよう
に、ASCDアクチュエータを有し、設定車速を維持するよ
うに車速自動制御を行なう定速走行制御システムが搭載
されていて、制御干渉を防止するため、トラクションス
イッチ信号TCS SWのON信号が入力されたら第1スロット
ルバルブ19の開制御を中止し、TCS SWのOFF 信号が入
力されたら第1スロットルバルブ19の戻し速度を緩や
かにする。
【0023】図3は左右後輪独立のTCSブレーキ制御
と4輪独立のABSブレーキ制御とに共用されるブレー
キ圧力制御系を示す油圧回路図である。
【0024】このブレーキ圧力制御系は、ブレーキペダ
ル27と、油圧ブースタ28と、リザーバ29を有する
マスタシリンダ30と、ホイールシリンダ31,32,
33,34と、共有ハイドロリックユニットTCS/ABS-HU
と、ポンプユニットPUと、第1アキュムレータユニット
AU1 と、第2アキュムレータユニットAU2 と、前輪側ダ
ンピングユニットFDPUと、後輪側ダンピングユニットRD
PUとを備えている。
【0025】TCS/ABS-HUには、第1切換バルブTV1
と、第2切換バルブTV2と、左前輪増圧バルブ36a
と、右前輪増圧バルブ36bと、左後輪増圧バルブ36
cと、右後輪増圧バルブ36dと、左前輪減圧バルブ3
7aと、右前輪減圧バルブ37bと、左後輪減圧バルブ
37cと、右後輪減圧バルブ37cと、前輪側リザーバ
38aと、後輪側リザーバ38bと、前輪側ポンプ39
aと、後輪側ポンプ39bと、前輪側ダンパー室40a
と、後輪側ダンパー室40bと、ポンプモータ41を有
して構成される。
【0026】そして、通常のブレーキ時やABSブレー
キ制御時には、マスタシリンダ30からの圧力を導入す
るべく両切換バルブTV1,TV2は図示のようにOFF
位置とされ、TCSブレーキ制御時には、第2アキュム
レータユニットAU2 からの圧力を導入するべく両切換バ
ルブTV1,TV2がON位置とされる。そして、例え
ば、TCSブレーキ制御での増圧モード時には、両制御
バルブ36c,36d,37c,37dが図示のように
OFF 位置とされ、保持モード時には、増圧バルブ36
c,36dのみON位置とされ、減圧モード時には、両制
御バルブ36c,36d,37c,37dがON位置とさ
れ、ホイールシリンダ33,34からのブレーキ液が後
輪側リザーバ38bに蓄えられ、さらに、後輪側ポンプ
39bの回転により後輪側ダンパー室40bに戻され
る。
【0027】前記第1アキュムレータユニットAU1 が油
圧ブースタ28の油圧源とされ、第2アキュムレータユ
ニットAU2 がTCSブレーキ制御の油圧源とされるもの
で、両ユニットAU1,AU2 は、リザーバ29からブレーキ
液を吸い込む共有のポンプユニットPUにより所定のアキ
ュムレータ圧が保たれる。
【0028】前記前輪側ダンピングユニットFDPU及び後
輪側ダンピングユニットRDPUは、ペダルフィーリングを
向上させるために、共有ハイドロリックユニットTCS/AB
S-HUでの圧力変化影響がマスタシリンダ30に及ぶのを
抑えている。
【0029】作用を説明する。
【0030】(イ)基本的なトラクション制御概要 図4はTCS/ABS-ECU で行なわれる基本的なトラクション
制御の概要を示す制御ブロック図であり、トラクション
制御ロジックは、下記の4種の制御に大別できる。
【0031】(1) 実スリップ状態の計算 車輪速センサ1,2,3,4の信号にフィルタ処理を行
ない、フィルタ処理後の車輪速値に基づき、各輪独立に
実スリップ状態(左右の各後輪速と前輪速平均値の差に
よるスリップ量,30msecでの後輪速差分値)の算出を行
なう(加速スリップ状態検出手段に相当)。
【0032】(2) 目標スリップ状態の計算 横加速度センサ5の信号にフィルタ処理を行ない、横加
速度による旋回・直進判断と車速とにより走行状態に見
合った目標スリップ状態の算出を行なう。
【0033】(3) TCSブレーキ制御 実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較して必要な
ブレーキ増減圧速度(制御デューティ比)の算出を行な
い、TCS/ABS-HUに出力する。
【0034】(4) TCSスロットル制御 実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較して必要な
スロットル開度,開閉速度の算出を行ない、TCM に出力
する。
【0035】この制御ロジックの特徴は、低μから高μ
に至る各路面状況に応じてベースシャシ性能に基づいた
限界検知性(操舵力,スキル音等)を確保して能動的安
全性を得るために、横加速度の大きさに応じて許容スリ
ップ状態,スロットル・ブレーキ制御の分担を決定して
いる。
【0036】また、変速時の安定性確保や各ギア位置で
の制御性の向上のために、ギア位置に応じたスロットル
・ブレーキ制御を行なっている。
【0037】さらに、スリップハンチングを抑え滑らか
な加速感,制御性を実現すると共に、レスポンスの良い
エンジントルク増減制御を実現するために、エンジン回
転数に応じた最適なスロットル制御を行なっている。
【0038】(ロ)ABSブレーキ制御作用 制動時に各輪の減速スリップが減速スリップしきい値を
超えた場合、各輪独立でブレーキ増減圧信号としてのソ
レノイド信号をTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力
することで行なわれる。
【0039】この制御により、低摩擦係数路制動時や急
制動時等のように、ブレーキ力が過剰となって車輪ロッ
クが発生しそうな場合に車輪ロックを抑制することで、
車両の制動安定性や制動距離の短縮が図られる。
【0040】(ハ)加速時対応トラクション制御作用 図5はTCS/ABS-ECU で行なわれる加速時対応トラクショ
ン制御処理作動の流れを示すフローチャートで、以下、
各ステップについて説明する。
【0041】ステップ50では、上記加速スリップ状態
の検出に基づきTCSスロットル制御とTCSブレーキ
制御との両制御が常時行なわれる制御しきい値以上の過
剰な加速スリップが発生しているかどうかが判断され、
このステップ50でNOと判断された時はステップ51
移行に進む。
【0042】ステップ51では、路面の滑り易さμT
検出される(路面摩擦係数相当値検出手段に相当)。
【0043】この路面の滑り易さμT は、従動輪速と駆
動輪速より下記の式等を用いて推定することで行なわれ
る。
【0044】(1) μT ={(駆動輪速)−(従動輪
速)}/(駆動輪速) (2) μT =(駆動輪速)−(従動輪速) ステップ52では、過去ΔTsec間の制御頻度NT
検出される(制御頻度検出手段に相当)。
【0045】この制御頻度NT は、過去ΔTsec間の
(1) 駆動輪トルク制御量を算出する、又は(2) 駆動輪ト
ルク制御回数を計数することで検出される。
【0046】ステップ53では、路面の滑り易さμT
小(低μ路面)かつ制御頻度NT が大かどうかが判断さ
れる。
【0047】ステップ53でYESと判断された時は、
ステップ54へ進み、駆動輪トルク制御に入り易くされ
る。
【0048】この制御に入り易くする手法としては、 (1) 制御しきい値を小さくする (2) 制御機構の応答性を良くする(制御電流を大きくす
る) ことで行なわれる。
【0049】ステップ50でYESと判断された時は、
ステップ55へ進み、加速スリップ状態に応じてスロッ
トル制御とブレーキ制御の併用により駆動輪トルク制御
が行なわれる。
【0050】(ニ)走行時におけるTCS制御作用 制御頻度NT が小さく、又は、路面の滑り易さμT が大
(高μ路面)の走行時には、図5において、ステップ5
0→ステップ51→ステップ52→ステップ53からそ
のままステップ50へ戻り、加速スリップ状態がスロッ
トル制御しきい値やブレーキ制御しきい値を超える過剰
な加速スリップ発生と検出された時、ステップ50から
ステップ55へ進み、スロットル制御とブレーキ制御の
併用により駆動輪トルク制御が行なわれる。
【0051】従って、加速スリップの緩やかな成長に追
従する通常の駆動輪トルク低減応答により駆動輪トルク
制御が行なわれることになり、高摩擦係数路走行時にお
ける加速性が確保される。
【0052】制御頻度NT が大きい、かつ、路面の滑り
易さμT が小(低μ路面)の走行時には、図5におい
て、ステップ50→ステップ51→ステップ52→ステ
ップ53→ステップ54へ進み、スロットル制御しきい
値やブレーキ制御しきい値を小さく設定する等の手法に
より駆動輪スリップ制御に入り易くされ、その後、ステ
ップ50の判断で制御しきい値を超える過剰な加速スリ
ップ発生と検出された時、ステップ50からステップ5
5へ進み、スロットル制御とブレーキ制御の併用により
駆動輪トルク制御が行なわれる。
【0053】従って、摩擦係数が低い路面を走行する場
合、ステップ53の条件を満足し、ステップ54で制御
に入り易くされることで、通常よりも駆動輪トルク低減
量が増大し、加速スリップの発生に対して十分な駆動輪
トルクの低減量により、加速スリップが速やかに収束
し、運転者が不意の加速意志に基づいてアクセルペダル
を踏み込んだとしても車両安定性が確保される。このト
ルク低減量は、加速スリップ状態と制御しきい値の差に
比例した量で与えられることになる為、例えば、制御し
きい値を小さくして制御に入り易くした場合、加速スリ
ップ状態と制御しきい値の差が大きくなり、トルク低減
量も大きくなる。
【0054】また、急激なアクセル踏み込み操作を頻繁
に行なう運転者である場合、アクセル踏み込み操作時毎
に加速スリップが発生し駆動輪トルク低減制御が頻繁に
行なわれることになるが、この時には、ステップ53の
条件を満足し、ステップ54で制御に入り易くされるこ
とで、アクセル踏み込み操作に伴なう加速スリップの急
激な成長に対して、応答良く駆動輪トルクが低減され、
過剰な加速スリップの発生が抑制されて車両の安定性が
増す。例えば、制御しきい値を小さくして制御に入り易
くした場合、加速スリップ状態が制御しきい値を超える
タイミングが早期となり、駆動輪スリップ制御に早く入
る分、加速スリップの発生に対する応答は高まる。
【0055】尚、制御頻度NT が大きいとは、運転者が
通常のアクセルワークを行なう時は、路面摩擦係数が低
いことを知る情報となり、この時には、路面の滑り易さ
μT の検出とのダブル検出により路面摩擦係数が監視さ
れることになる。また、例え高摩擦係数路走行時でも制
御頻度NT が大きいことがあり、この場合には、上記の
ように、運転者のアクセルワークがスポーツ走行的に踏
み込み操作を頻繁に行なう運転者であることを知る情報
となる。
【0056】効果を説明する。
【0057】加速スリップ状態に応じて駆動輪トルクを
スロットル制御とブレーキ制御の併用により制御する車
両用トラクション制御装置において、路面の滑り易さμ
T が小(低μ路面)又は制御頻度NT が大であると検出
された時、通常の駆動輪トルク制御より加速スリップの
発生に対して制御に入り易くする装置とした為、高摩擦
係数路走行時の加速性と、低摩擦係数路走行状態や制御
頻度大の状態で加速する時の安定性との両立を図ること
ができる。
【0058】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0059】例えば、実施例では、スロットル+ブレー
キの併用によるトラクション制御システムへの適用例を
示したが、スロットル制御のみやブレーキ制御のみによ
りトラクション制御を行なうシステムにも適用すること
ができる。また、エンジン出力低減制御システムとし
て、スロットル制御以外に、点火カットや気筒カットや
点火時期リタード等を用いても良い。
【0060】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にあっ
ては、加速スリップ状態に応じて駆動輪トルクを制御す
る車両用トラクション制御装置において、駆動輪トルク
制御の大きな制御頻度が検出された時、通常の駆動輪ト
ルク制御より加速スリップの発生に対して制御に入り易
くする加速時対応制御手段を設けた為、高摩擦係数路走
行時の加速性と、駆動輪トルク制御の制御頻度大の状態
で加速する時の安定性との両立を図ることができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用トラクション制御装置を示すク
レーム対応図である。
【図2】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた後輪駆動車の制駆動系制御システム全体図である。
【図3】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた制駆動系制御システムのブレーキ圧力制御系を示す
油圧回路図である。
【図4】実施例でのトラクション制御の概略を示すブロ
ック図である。
【図5】実施例装置のTCS&ABS電子制御ユニット
により行なわれる加速時対応トラクション制御作動の流
れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
a 加速スリップ状態検出手段 b 駆動輪トルク制御手段 c 路面摩擦係数相当値検出手段 d 制御頻度検出手段 e 加速時対応制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の加速スリップ状態を検出する加
    速スリップ状態検出手段と、 加速スリップ状態に応じて駆動輪トルクを低減制御する
    駆動輪トルク制御手段と、 駆動輪トルク制御頻度を検出する制御頻度検出手段と、 該制御頻度検出手段で、大きな制御頻度が検出された
    時、通常の駆動輪トルク制御より加速スリップの発生に
    対して制御に入り易くする加速時対応制御手段と、 を備えている事を特徴とする車両用トラクション制御装
    置。
JP5131392A 1992-03-10 1992-03-10 車両用トラクション制御装置 Pending JPH05248280A (ja)

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JP5131392A JPH05248280A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 車両用トラクション制御装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083802A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Toyota Motor Corp 車速制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083802A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Toyota Motor Corp 車速制御装置
JP4706410B2 (ja) * 2005-09-21 2011-06-22 トヨタ自動車株式会社 車速制御装置

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