JPH05203953A - 液晶用配向剤組成物及びこれを用いる液晶用配向膜の形成方法 - Google Patents
液晶用配向剤組成物及びこれを用いる液晶用配向膜の形成方法Info
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- JPH05203953A JPH05203953A JP4037321A JP3732192A JPH05203953A JP H05203953 A JPH05203953 A JP H05203953A JP 4037321 A JP4037321 A JP 4037321A JP 3732192 A JP3732192 A JP 3732192A JP H05203953 A JPH05203953 A JP H05203953A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリアミック酸と3級アミン化合物とを溶媒
に溶解させた組成物からなる液晶用配向剤並びに基板上
への該配向剤の塗布工程、塗膜からの溶媒留去工程、塗
膜のポリイミド化兼3級アミン留去工程及び生成ポリイ
ミド膜のラビング工程からなる液晶用配向膜の形成方
法。 【効果】 本方法によると、低温で焼成しても高いイミ
ド化率が得られるため、従来より低いプロセス温度で配
向処理を行なうことができる。そのため、低温処理が要
求されるカラーフィルターやアクティブマトリックスを
形成した基板の配向処理に、特に好ましく用いることが
できる。同様の理由により、プラスチックフィルム基板
の配向処理にも、好ましく用いることができる。また、
イミド化率が高いため、従来に増した高い信頼性が得ら
れ、アクティブマトリックス方式の場合には電圧保持率
が高くなり、コントラストが改善される。更に、STN
型の液晶表示素子の配向剤として用いた場合には、ポリ
アミック酸を選択することにより、比較的低温で高いプ
レチルト角が得られる。
に溶解させた組成物からなる液晶用配向剤並びに基板上
への該配向剤の塗布工程、塗膜からの溶媒留去工程、塗
膜のポリイミド化兼3級アミン留去工程及び生成ポリイ
ミド膜のラビング工程からなる液晶用配向膜の形成方
法。 【効果】 本方法によると、低温で焼成しても高いイミ
ド化率が得られるため、従来より低いプロセス温度で配
向処理を行なうことができる。そのため、低温処理が要
求されるカラーフィルターやアクティブマトリックスを
形成した基板の配向処理に、特に好ましく用いることが
できる。同様の理由により、プラスチックフィルム基板
の配向処理にも、好ましく用いることができる。また、
イミド化率が高いため、従来に増した高い信頼性が得ら
れ、アクティブマトリックス方式の場合には電圧保持率
が高くなり、コントラストが改善される。更に、STN
型の液晶表示素子の配向剤として用いた場合には、ポリ
アミック酸を選択することにより、比較的低温で高いプ
レチルト角が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶用配向剤組成物及
び該組成物を用いる液晶用配向膜の形成方法に関する。
び該組成物を用いる液晶用配向膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶材料をデバイスとして利用するため
には、一般には、液晶を一定の配列に並べてやる(配
向)必要があるが、この分子配向は、電場、磁場、せん
断力あるいは界面などの外場の影響により変化する。そ
して、これに伴う光学的性質の変化を利用することによ
り、各種光エレクトロニクスの分野で利用されている。
には、一般には、液晶を一定の配列に並べてやる(配
向)必要があるが、この分子配向は、電場、磁場、せん
断力あるいは界面などの外場の影響により変化する。そ
して、これに伴う光学的性質の変化を利用することによ
り、各種光エレクトロニクスの分野で利用されている。
【0003】液晶の配向制御は、一般に、液晶が接する
基板表面に配向膜を形成することによりなされる。配向
膜は、液晶を基板に対し、垂直に若しくは垂直方向から
わずかに傾斜した方向に配向させる垂直配向膜と、液晶
を基板に対し水平又は水平方向からわずかに傾斜した方
向に配向させる水平配向膜とに大別され、表示方式によ
って使い分けられる。この内、従来広く用いられている
ツイステッドネマティック(TN)モードやスーパーツ
イステッドネマティック(STN)モードに用いられる
水平配向膜は、工業的見地から特に重要である。水平配
向膜としては、ラビング処理を施したポリイミド膜が配
向の均一性や信頼性の点で優れており、広く用いられて
いる。STNにおいては、液晶層にしきい値電圧近傍の
電圧を印加した時に生じる散乱組織の発生を押えるため
に、液晶を基板に対し数度から30度程度傾斜させた傾
斜水平配向が要求される。従来公知のポリイミド配向膜
で、このような配向を実現するためには、高い熱処理温
度が必要であった。基板にカラーフィルターを形成し、
カラー液晶表示素子を形成する場合、カラーフィルター
の耐熱性が充分でないため高温の熱処理を行なうことが
困難であり、充分な傾斜角が得られない。別の観点から
は、カラーフィルターに充分な耐熱性を要求するため
に、表示性能にとって重要なフィルターの色純度が犠牲
になるという問題があった。基板にプラスチックフィル
ムを用いる場合にも、基板の耐熱温度が低いため、同様
に熱的制約が大きく、低温処理可能な配向材料が望まれ
ている。
基板表面に配向膜を形成することによりなされる。配向
膜は、液晶を基板に対し、垂直に若しくは垂直方向から
わずかに傾斜した方向に配向させる垂直配向膜と、液晶
を基板に対し水平又は水平方向からわずかに傾斜した方
向に配向させる水平配向膜とに大別され、表示方式によ
って使い分けられる。この内、従来広く用いられている
ツイステッドネマティック(TN)モードやスーパーツ
イステッドネマティック(STN)モードに用いられる
水平配向膜は、工業的見地から特に重要である。水平配
向膜としては、ラビング処理を施したポリイミド膜が配
向の均一性や信頼性の点で優れており、広く用いられて
いる。STNにおいては、液晶層にしきい値電圧近傍の
電圧を印加した時に生じる散乱組織の発生を押えるため
に、液晶を基板に対し数度から30度程度傾斜させた傾
斜水平配向が要求される。従来公知のポリイミド配向膜
で、このような配向を実現するためには、高い熱処理温
度が必要であった。基板にカラーフィルターを形成し、
カラー液晶表示素子を形成する場合、カラーフィルター
の耐熱性が充分でないため高温の熱処理を行なうことが
困難であり、充分な傾斜角が得られない。別の観点から
は、カラーフィルターに充分な耐熱性を要求するため
に、表示性能にとって重要なフィルターの色純度が犠牲
になるという問題があった。基板にプラスチックフィル
ムを用いる場合にも、基板の耐熱温度が低いため、同様
に熱的制約が大きく、低温処理可能な配向材料が望まれ
ている。
【0004】また、基板に薄膜トランジスターによるス
イッチング素子や金属−絶縁体−金属の構成による非線
形素子を設けた、いわゆるアクティブマトリックス型の
液晶表示素子においても、配向膜の熱処理温度が高いと
素子の特性が変化してしまったり、極端な場合には素子
が機能しなくなるという問題があった。
イッチング素子や金属−絶縁体−金属の構成による非線
形素子を設けた、いわゆるアクティブマトリックス型の
液晶表示素子においても、配向膜の熱処理温度が高いと
素子の特性が変化してしまったり、極端な場合には素子
が機能しなくなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は、比較的低温の熱処理で配向膜形成が可能な配
向剤組成物及び該組成物を用いた液晶用配向膜の形成方
法を提供するものである。
な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は、比較的低温の熱処理で配向膜形成が可能な配
向剤組成物及び該組成物を用いた液晶用配向膜の形成方
法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、実質的
に、ポリアミック酸と単官能3級アミン化合物とを溶媒
に溶解させた組成物からなることを特徴とする液晶用配
向剤組成物が提供される。
に、ポリアミック酸と単官能3級アミン化合物とを溶媒
に溶解させた組成物からなることを特徴とする液晶用配
向剤組成物が提供される。
【0007】また、本発明によれば、基板上に実質的
に、ポリアミック酸と単官能3級アミン化合物とを溶媒
に溶解させた組成物からなる液晶用配向剤組成物を塗布
する工程、形成された塗膜から前記溶媒を留去する工
程、該塗膜を加熱してポリアミック酸をポリイミドとす
るとともに前記単官能3級アミン化合物を留去する工程
及び形成されたポリイミド膜をラビングする工程とを少
なくとも含むことを特徴とする液晶用配向膜の形成方法
が提供される。
に、ポリアミック酸と単官能3級アミン化合物とを溶媒
に溶解させた組成物からなる液晶用配向剤組成物を塗布
する工程、形成された塗膜から前記溶媒を留去する工
程、該塗膜を加熱してポリアミック酸をポリイミドとす
るとともに前記単官能3級アミン化合物を留去する工程
及び形成されたポリイミド膜をラビングする工程とを少
なくとも含むことを特徴とする液晶用配向膜の形成方法
が提供される。
【0008】以下に本発明を更に詳細に説明する。図1
は、一般的な液晶表示素子の断面図である。11、21
は透光性のガラスやプラスチックからなる基板、12、
22は透明電極、13、23は本発明に係る液晶を配向
させるためのポリイミド配向膜、4は液晶、5は外周シ
ールを表わしている。
は、一般的な液晶表示素子の断面図である。11、21
は透光性のガラスやプラスチックからなる基板、12、
22は透明電極、13、23は本発明に係る液晶を配向
させるためのポリイミド配向膜、4は液晶、5は外周シ
ールを表わしている。
【0009】ポリイミド配向膜は、一般にポリイミドの
前駆体であるポリアミック酸又はその誘導体の塗膜を基
板上に形成後、熱的に環化させて得られるポリイミド膜
を綿布等でラビング処理することにより得られる。この
とき、充分なイミド化率を得るための熱処理温度は、一
般に200℃以上、更に好ましくは250℃以上である
ことが必要である。イミド化率が不充分であると、素子
の信頼性に影響したり、STN型のLCDのように傾い
た配向を要求する場合には、必要なプレティルト角が得
られなかったり、薄膜トランジスターを各画素に設けた
アクティブマトリックス方式では、電圧保持率が低下し
てコントラストが低下するなどの問題を生じる。極端な
場合には全く配向しないことも有り得る。
前駆体であるポリアミック酸又はその誘導体の塗膜を基
板上に形成後、熱的に環化させて得られるポリイミド膜
を綿布等でラビング処理することにより得られる。この
とき、充分なイミド化率を得るための熱処理温度は、一
般に200℃以上、更に好ましくは250℃以上である
ことが必要である。イミド化率が不充分であると、素子
の信頼性に影響したり、STN型のLCDのように傾い
た配向を要求する場合には、必要なプレティルト角が得
られなかったり、薄膜トランジスターを各画素に設けた
アクティブマトリックス方式では、電圧保持率が低下し
てコントラストが低下するなどの問題を生じる。極端な
場合には全く配向しないことも有り得る。
【0010】この熱処理温度を低下させるために、本発
明の配向剤組成物は、実質的に、ポリアミック酸と単官
能3級アミン化合物とを溶媒に溶解させた組成物から構
成される。
明の配向剤組成物は、実質的に、ポリアミック酸と単官
能3級アミン化合物とを溶媒に溶解させた組成物から構
成される。
【0011】本発明で、用いる単官能3級アミン化合物
は、ポリアミック酸のポリイミドへの環化反応を促進さ
せる効果を有する。ここで言う単官能3級アミン化合物
とは、下記一般式(I)で表わされる。 但し、式中、R1,R2,R3は置換基を有していても良
いアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、
置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有し
ていても良いシクロアルキル基又はトリアルキルシリル
基を表わす。また、R1とR2とで環形成がされていても
良い。
は、ポリアミック酸のポリイミドへの環化反応を促進さ
せる効果を有する。ここで言う単官能3級アミン化合物
とは、下記一般式(I)で表わされる。 但し、式中、R1,R2,R3は置換基を有していても良
いアルキル基、置換基を有していても良いフェニル基、
置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有し
ていても良いシクロアルキル基又はトリアルキルシリル
基を表わす。また、R1とR2とで環形成がされていても
良い。
【0012】R1〜R3については、具体的には表1に示
される基を例示することができる。
される基を例示することができる。
【表1】 (5)CH3(CH2)n CH(R4)CH2− 但し、R4は低級アルキル基を表わし、nは1〜8の整
数を表わす。 (6)CH3CH(R4)(CH2)n− 但し、R4は低級アルキル基を表わし、nは1〜8の整
数を表わす。 (7)CF3− (8)−CH2−(CH2)2−CH2− (9)−CH2−(CH2)3−CH2− (10)−CH2CH2−O−CH2CH2− (11)R4O(CH2)n − 但し、nは2又は3を表わし、R4は低級アルキル基を
表わす。 (12)R4 3Si− 但し、R4は低級アルキル基を表わす。
数を表わす。 (6)CH3CH(R4)(CH2)n− 但し、R4は低級アルキル基を表わし、nは1〜8の整
数を表わす。 (7)CF3− (8)−CH2−(CH2)2−CH2− (9)−CH2−(CH2)3−CH2− (10)−CH2CH2−O−CH2CH2− (11)R4O(CH2)n − 但し、nは2又は3を表わし、R4は低級アルキル基を
表わす。 (12)R4 3Si− 但し、R4は低級アルキル基を表わす。
【0013】これらの3級アミン化合物は、イミド化を
促進するとともに、配向膜中に残留しないことが要求さ
れる。また、イミド化のための加熱に際し、容易に蒸発
しないことも要求される。このため、用いることのでき
る3級アミン化合物の沸点も慎重に選択する必要があ
る。好ましい沸点の範囲は、120℃から250℃の範
囲であり、より好ましくは140℃から230℃の範囲
である。沸点が低すぎる場合には、イミド化促進の効果
が著しく減少する。また、高すぎる場合には、配向膜中
に3級アミン化合物が残留して、配向劣化を生じたり、
液晶の抵抗値を下げたり、あるいは信頼性を低下させた
りする。このような観点から、R1,R2,R3のうち少
なくとも一つは低級アルキル基であることが必要であ
る。
促進するとともに、配向膜中に残留しないことが要求さ
れる。また、イミド化のための加熱に際し、容易に蒸発
しないことも要求される。このため、用いることのでき
る3級アミン化合物の沸点も慎重に選択する必要があ
る。好ましい沸点の範囲は、120℃から250℃の範
囲であり、より好ましくは140℃から230℃の範囲
である。沸点が低すぎる場合には、イミド化促進の効果
が著しく減少する。また、高すぎる場合には、配向膜中
に3級アミン化合物が残留して、配向劣化を生じたり、
液晶の抵抗値を下げたり、あるいは信頼性を低下させた
りする。このような観点から、R1,R2,R3のうち少
なくとも一つは低級アルキル基であることが必要であ
る。
【0014】好ましい単官能3級アミン化合物の具体例
としては、表2に示される化合物を例示することができ
る。
としては、表2に示される化合物を例示することができ
る。
【表2】
【0015】これらの中でも高イミド化率が得られる点
から、特に具体例No.1〜6、10及び11の脂肪族
系の3級アミンが好ましく用いられる。
から、特に具体例No.1〜6、10及び11の脂肪族
系の3級アミンが好ましく用いられる。
【0016】本発明の配向剤組成物に用いるポリアミッ
ク酸は、ワニス等の形で市販されている従来公知の各種
ポリアミック酸を用いることができる。具体的な構造例
を表3に示すが、本発明はポリアミック酸の化学構造を
特に限定するものではない。また、ここで言うポリアミ
ック酸は、単にポリイミドの前駆物質であるポリアミッ
ク酸のみを示すものではなく、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエステルイミドなどのように、イ
ミド結合のほかに、他の連結基を主鎖中に含むポリイミ
ド誘導体の前駆体であるポリアミック酸をも包含するこ
とは言うまでもない。
ク酸は、ワニス等の形で市販されている従来公知の各種
ポリアミック酸を用いることができる。具体的な構造例
を表3に示すが、本発明はポリアミック酸の化学構造を
特に限定するものではない。また、ここで言うポリアミ
ック酸は、単にポリイミドの前駆物質であるポリアミッ
ク酸のみを示すものではなく、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエステルイミドなどのように、イ
ミド結合のほかに、他の連結基を主鎖中に含むポリイミ
ド誘導体の前駆体であるポリアミック酸をも包含するこ
とは言うまでもない。
【0017】(ポリアミック酸の例)
【表3】
【0018】本発明の配向剤組成物は、これまでに説明
した単官能3級アミン化合物とポリアミック酸と溶媒と
から基本的に構成される。用いる溶媒としては、両者を
溶解させるものであれば特に制限されない。具体的に
は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラク
トン、ジメチルスルホキシドなどが一般的である。濡れ
性改善のため、必要に応じて、カルビトール系やセロソ
ルブ系の溶媒を添加することもできる。
した単官能3級アミン化合物とポリアミック酸と溶媒と
から基本的に構成される。用いる溶媒としては、両者を
溶解させるものであれば特に制限されない。具体的に
は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラク
トン、ジメチルスルホキシドなどが一般的である。濡れ
性改善のため、必要に応じて、カルビトール系やセロソ
ルブ系の溶媒を添加することもできる。
【0019】好ましいポリアミック酸の濃度は所望の膜
厚、塗布方法、ポリアミック酸と3級アミンの種類、3
級アミンの添加量等に依存するため一概には言えない
が、1%から10%の範囲が一般的である。特に、2%
〜7%の範囲が好ましい。
厚、塗布方法、ポリアミック酸と3級アミンの種類、3
級アミンの添加量等に依存するため一概には言えない
が、1%から10%の範囲が一般的である。特に、2%
〜7%の範囲が好ましい。
【0020】本発明の配向剤組成物においては、3級ア
ミン化合物の添加量に特に好ましい範囲が存在する。図
2は種々の組成比の配向剤組成物を用いて製膜し、18
0℃で熱処理を行なった試料のイミド化率と組成比の関
係を示したものである。図2より、3級アミン化合物と
ポリアミック酸のカルボキシル基の当量比が0.5以上
の時に、特に顕著なイミド化の促進効果が得られること
がわかる。これ以下であると、比較的低温で高いイミド
化率を得るという本発明の特徴が充分発現しない。より
高いイミド化率を得るためには、当量比が0.7以上で
あることがより好ましい。添加量の上限は、塗膜の均一
性とポリアミック酸の溶解性により制限される。即ち、
過剰の添加は、配向剤組成物の基板に対する濡れ性を低
下させたり、ポリアミック酸を析出させたりする。従っ
て添加量は、当量比にして概ね2以下であることが好ま
しい。
ミン化合物の添加量に特に好ましい範囲が存在する。図
2は種々の組成比の配向剤組成物を用いて製膜し、18
0℃で熱処理を行なった試料のイミド化率と組成比の関
係を示したものである。図2より、3級アミン化合物と
ポリアミック酸のカルボキシル基の当量比が0.5以上
の時に、特に顕著なイミド化の促進効果が得られること
がわかる。これ以下であると、比較的低温で高いイミド
化率を得るという本発明の特徴が充分発現しない。より
高いイミド化率を得るためには、当量比が0.7以上で
あることがより好ましい。添加量の上限は、塗膜の均一
性とポリアミック酸の溶解性により制限される。即ち、
過剰の添加は、配向剤組成物の基板に対する濡れ性を低
下させたり、ポリアミック酸を析出させたりする。従っ
て添加量は、当量比にして概ね2以下であることが好ま
しい。
【0021】本発明の配向剤組成物中において、3級ア
ミン化合物はポリアミック酸のカルボン酸と化1に示さ
れるように塩を形成しているものと考えられる。従っ
て、別溶液中で塩形成を行なった後、塩を分離し、再度
溶液を調製することも可能である。
ミン化合物はポリアミック酸のカルボン酸と化1に示さ
れるように塩を形成しているものと考えられる。従っ
て、別溶液中で塩形成を行なった後、塩を分離し、再度
溶液を調製することも可能である。
【化1】
【0022】このようにして調製された配向剤組成物
は、ガラス、プラスチックフィルム等の基板上に製膜す
る際、前述のように、低温で焼成しても高いイミド化率
が得られるため、従来より低いプロセス温度で配向処理
を行なうことができる。そのため、低温処理が要求され
るカラーフィルターやアクティブマトリックスを形成し
た基板の配向処理に、特に好ましく用いることができ
る。同様の理由により、プラスチックフィルム基板の配
向処理にも好ましく用いることができる。また、イミド
化率が高いため、従来に増した高い信頼性が得られ、ア
クティブマトリックス方式の場合には電圧保持率が高く
なり、コントラストが改善されるという利点がある。ま
た、STN型の液晶表示素子の配向剤として用いた場合
には、ポリアミック酸を選択することにより、比較的低
温で高いプレチルト角が得られるという利点がある。
は、ガラス、プラスチックフィルム等の基板上に製膜す
る際、前述のように、低温で焼成しても高いイミド化率
が得られるため、従来より低いプロセス温度で配向処理
を行なうことができる。そのため、低温処理が要求され
るカラーフィルターやアクティブマトリックスを形成し
た基板の配向処理に、特に好ましく用いることができ
る。同様の理由により、プラスチックフィルム基板の配
向処理にも好ましく用いることができる。また、イミド
化率が高いため、従来に増した高い信頼性が得られ、ア
クティブマトリックス方式の場合には電圧保持率が高く
なり、コントラストが改善されるという利点がある。ま
た、STN型の液晶表示素子の配向剤として用いた場合
には、ポリアミック酸を選択することにより、比較的低
温で高いプレチルト角が得られるという利点がある。
【0023】次に、前記配向剤組成物を用いた配向処理
方法について説明する。本発明の配向処理方法は、液晶
用配向膜を基板上に形成するに際し、実質的に、ポリア
ミック酸と単官能3級アミン化合物と溶媒とからなる前
述した液晶用配向剤組成物を塗布する工程、形成された
塗膜から前記溶媒を留去する工程、該塗膜を加熱してポ
リアミック酸をポリイミドとするともに前記単官能3級
アミン化合物を留去する工程及び形成されたポリイミド
膜をラビングする工程を少なくとも含むことが必要であ
る。次に工程ごとに本発明を詳述する。
方法について説明する。本発明の配向処理方法は、液晶
用配向膜を基板上に形成するに際し、実質的に、ポリア
ミック酸と単官能3級アミン化合物と溶媒とからなる前
述した液晶用配向剤組成物を塗布する工程、形成された
塗膜から前記溶媒を留去する工程、該塗膜を加熱してポ
リアミック酸をポリイミドとするともに前記単官能3級
アミン化合物を留去する工程及び形成されたポリイミド
膜をラビングする工程を少なくとも含むことが必要であ
る。次に工程ごとに本発明を詳述する。
【0024】(a)まず、ガラス、プラスチックフィル
ム等の基板上に、前記配向剤組成物を塗布する。塗膜の
厚さは200〜5000オングストロームの範囲であ
り、好ましくは300〜3000オングストロームであ
る。膜厚が薄すぎると、均一な配向が得られにくく、逆
に厚すぎる場合には、ポリイミド特有の黄色の着色が顕
著となったり、素子の駆動電圧が上昇したりするため好
ましくない。塗布法としては、スピンコート法、ディッ
ピング法、グラビアコート法、ロールコート法、フレキ
ソ印刷法等従来公知の方法が使用できる。次いで、溶媒
を加熱留去する。溶液濃度は塗布法や液粘度によって異
なるが、0.1から10%の範囲である。ここでの溶媒
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチ
ロラクトン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホアミドなどが挙げられ
る。
ム等の基板上に、前記配向剤組成物を塗布する。塗膜の
厚さは200〜5000オングストロームの範囲であ
り、好ましくは300〜3000オングストロームであ
る。膜厚が薄すぎると、均一な配向が得られにくく、逆
に厚すぎる場合には、ポリイミド特有の黄色の着色が顕
著となったり、素子の駆動電圧が上昇したりするため好
ましくない。塗布法としては、スピンコート法、ディッ
ピング法、グラビアコート法、ロールコート法、フレキ
ソ印刷法等従来公知の方法が使用できる。次いで、溶媒
を加熱留去する。溶液濃度は塗布法や液粘度によって異
なるが、0.1から10%の範囲である。ここでの溶媒
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチ
ロラクトン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホアミドなどが挙げられ
る。
【0025】(b)加熱によりポリアミック酸を閉環さ
せてポリイミド膜とする。このとき必要な温度は、用い
るポリアミック酸と3級アミンに依存するが、一般には
130℃〜300℃の範囲であり、3級アミンを適当に
選択すれば、130℃〜270℃の範囲で配向膜に必要
な充分なイミド化率が得られる。ポリアミック酸を選択
することにより、200℃以下の熱処理温度において
も、ほぼ100%のイミド化率を得ることもできる。こ
の範囲以下であると、3級アミンが配向膜中に残留し、
配向性能に悪影響を与える。このように、本発明の配向
制御方法においては、イミド化促進のために添加した3
級アミン化合物をイミド化の熱処理の際に蒸発より除去
するため、添加剤による悪影響がまったく無い。
せてポリイミド膜とする。このとき必要な温度は、用い
るポリアミック酸と3級アミンに依存するが、一般には
130℃〜300℃の範囲であり、3級アミンを適当に
選択すれば、130℃〜270℃の範囲で配向膜に必要
な充分なイミド化率が得られる。ポリアミック酸を選択
することにより、200℃以下の熱処理温度において
も、ほぼ100%のイミド化率を得ることもできる。こ
の範囲以下であると、3級アミンが配向膜中に残留し、
配向性能に悪影響を与える。このように、本発明の配向
制御方法においては、イミド化促進のために添加した3
級アミン化合物をイミド化の熱処理の際に蒸発より除去
するため、添加剤による悪影響がまったく無い。
【0026】(c)形成されたポリイミド膜の表面を、
ラビング材で一方向にラビング処理する。ラビング材と
しては、綿、ポリエステル、ナイロン等の植毛布又は
布、ウレタン、ナイロン等のスポンジが好適に用いられ
る。
ラビング材で一方向にラビング処理する。ラビング材と
しては、綿、ポリエステル、ナイロン等の植毛布又は
布、ウレタン、ナイロン等のスポンジが好適に用いられ
る。
【0027】以上のようにして形成された配向膜付きの
基板と、同様に処理された別基板とで、図1の液晶セル
を構成することにより、液晶セルが完成する。
基板と、同様に処理された別基板とで、図1の液晶セル
を構成することにより、液晶セルが完成する。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】実施例1 下記構造式で表わされるポリアミック酸3重量部をN−
メチル−2−ピロリドン100重量部に溶解させた溶液
に、トリ−n−ブチルアミン2.6重量部を加え、室温
で充分撹拌して配向剤組成物を調製した。
メチル−2−ピロリドン100重量部に溶解させた溶液
に、トリ−n−ブチルアミン2.6重量部を加え、室温
で充分撹拌して配向剤組成物を調製した。
【化2】
【0030】(a)イミド化率を見積るため、この溶液
をスピンコート法によりシリコンウエハー上に塗布し、
80℃で乾燥後、200℃で1時間焼成し、ポリイミド
膜とした。ポリイミドの膜厚は、約3000オングスト
ロームとした。赤外吸収スペクトルから見積られるイミ
ド化率は、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに270
℃で焼成した場合と同等であり、本発明の配向剤組成物
が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認され
た。また、180℃で焼成した場合にも、トリ−n−ブ
チルアミンを添加せずに270℃で焼成した場合のイミ
ド化率の約80%のイミド化率が得られ、配向膜として
充分なイミド化率が得られた。測定された赤外吸収スペ
クトルは、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに焼成し
たポリイミド膜のスペクトルと本質的に同一であり、ト
リ−n−ブチルアミンの残留は認められなかった。
をスピンコート法によりシリコンウエハー上に塗布し、
80℃で乾燥後、200℃で1時間焼成し、ポリイミド
膜とした。ポリイミドの膜厚は、約3000オングスト
ロームとした。赤外吸収スペクトルから見積られるイミ
ド化率は、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに270
℃で焼成した場合と同等であり、本発明の配向剤組成物
が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認され
た。また、180℃で焼成した場合にも、トリ−n−ブ
チルアミンを添加せずに270℃で焼成した場合のイミ
ド化率の約80%のイミド化率が得られ、配向膜として
充分なイミド化率が得られた。測定された赤外吸収スペ
クトルは、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに焼成し
たポリイミド膜のスペクトルと本質的に同一であり、ト
リ−n−ブチルアミンの残留は認められなかった。
【0031】(b)同じ配向剤組成物をガラス基板上に
塗布し、180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし
た。ポリイミドの膜厚は、約1000オングストローム
とした。ポリイミド膜の表面をテトロン植毛布で一方向
にこすり、ラビング処理を施した。同様の処理を施した
別基板と前記基板とを、粒径が10μmのプラスチック
ビーズをスペーサーとして、ラビング方向が直交するよ
うに重ね合わせ、外周をエポキシ系の接着剤でシールし
た。基板間の空隙に、メルク社製のネマティック液晶Z
LI1132を封入して、ツイステッドネマティック型
の液晶表示素子を作製した。
塗布し、180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし
た。ポリイミドの膜厚は、約1000オングストローム
とした。ポリイミド膜の表面をテトロン植毛布で一方向
にこすり、ラビング処理を施した。同様の処理を施した
別基板と前記基板とを、粒径が10μmのプラスチック
ビーズをスペーサーとして、ラビング方向が直交するよ
うに重ね合わせ、外周をエポキシ系の接着剤でシールし
た。基板間の空隙に、メルク社製のネマティック液晶Z
LI1132を封入して、ツイステッドネマティック型
の液晶表示素子を作製した。
【0032】本液晶表示素子において、液晶は均一なね
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
【0033】実施例2 実施例1において、トリ−n−ブチルアミンの代りに2
重量部のトリ−n−プロピルアミンを用いた他は、実施
例1と同様にして試料を作製した。
重量部のトリ−n−プロピルアミンを用いた他は、実施
例1と同様にして試料を作製した。
【0034】200℃で焼成した試料のイミド化率は、
トリ−n−プロピルアミンを添加せずに270℃で焼成
した場合のイミド化率の80%であり、本発明の配向剤
組成物が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認
された。また、180℃で焼成した場合にも、約70%
のイミド化率が得られ、配向膜として充分なイミド化率
が得られた。トリ−n−プロピルアミンの残留は認めら
れなかった。
トリ−n−プロピルアミンを添加せずに270℃で焼成
した場合のイミド化率の80%であり、本発明の配向剤
組成物が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認
された。また、180℃で焼成した場合にも、約70%
のイミド化率が得られ、配向膜として充分なイミド化率
が得られた。トリ−n−プロピルアミンの残留は認めら
れなかった。
【0035】本配向剤組成物をガラス基板上に塗布し、
180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし、この基板
を用いて実施例1と同様にして、ツイステッドネマティ
ック型の液晶表示素子を作製した。
180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし、この基板
を用いて実施例1と同様にして、ツイステッドネマティ
ック型の液晶表示素子を作製した。
【0036】本液晶表示素子において、液晶は均一なね
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
【0037】実施例3 実施例1において、トリ−n−ブチルアミンの添加量を
1.9重量部に減らした他は、実施例1と同様にして試
料を作製した。
1.9重量部に減らした他は、実施例1と同様にして試
料を作製した。
【0038】200℃で焼成した試料のイミド化率は、
トリ−n−ブチルアミンを添加せずに270℃で焼成し
た場合のイミド化率の80%であり、本発明の配向剤組
成物が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認さ
れた。また、180℃で焼成した場合にも、約70%の
イミド化率が得られ、配向膜として充分なイミド化率が
得られた。トリ−n−プロピルアミンの残留は認められ
なかった。
トリ−n−ブチルアミンを添加せずに270℃で焼成し
た場合のイミド化率の80%であり、本発明の配向剤組
成物が低温焼成で高いイミド化率を与えることが確認さ
れた。また、180℃で焼成した場合にも、約70%の
イミド化率が得られ、配向膜として充分なイミド化率が
得られた。トリ−n−プロピルアミンの残留は認められ
なかった。
【0039】本配向剤組成物をガラス基板上に塗布し、
180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし、この基板
を用いて実施例1と同様にして、ツイステッドネマティ
ック型の液晶表示素子を作製した。
180℃で1時間焼成してポリイミド膜とし、この基板
を用いて実施例1と同様にして、ツイステッドネマティ
ック型の液晶表示素子を作製した。
【0040】本液晶表示素子において、液晶は均一なね
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
じれネマティック配向を示し、配向欠陥は一切観察され
なかった。また、80℃、90%RHの高温高湿保存試
験においても、配向劣化は全く観察されなかった。
【0041】実施例4 実施例1において、トリ−n−ブチルアミン代わりに2
重量部のN,N−ジエチルシクロヘキシルアミンを用い
た他は、実施例1と同様にして試料を作製した。イミド
化率の向上効果、配向性能の信頼性とも実施例1と同様
であった。
重量部のN,N−ジエチルシクロヘキシルアミンを用い
た他は、実施例1と同様にして試料を作製した。イミド
化率の向上効果、配向性能の信頼性とも実施例1と同様
であった。
【0042】実施例5 実施例1(b)において、ガラス基板の代わりにポリエ
ーテルスルホンを主体とする住友ベークライト社製フィ
ルムFST1359を基板として、ツイステッドネマテ
ィック型の液晶表示素子を作製した。この素子において
も、液晶は均一なねじれネマティック配向を示し、配向
欠陥は一切観察されなかった。また、80℃、90%R
Hの高温高湿保存試験においても、配向劣化は全く観察
されなかった。
ーテルスルホンを主体とする住友ベークライト社製フィ
ルムFST1359を基板として、ツイステッドネマテ
ィック型の液晶表示素子を作製した。この素子において
も、液晶は均一なねじれネマティック配向を示し、配向
欠陥は一切観察されなかった。また、80℃、90%R
Hの高温高湿保存試験においても、配向劣化は全く観察
されなかった。
【0043】実施例6 下記構造式で表わされるポリアミック酸3重量部をN−
メチル−2−ピロリドン100重量部に溶解させた溶液
に、トリ−n−ブチルアミン2.1重量部を加え、室温
で充分撹拌して配向剤組成物を調製した。
メチル−2−ピロリドン100重量部に溶解させた溶液
に、トリ−n−ブチルアミン2.1重量部を加え、室温
で充分撹拌して配向剤組成物を調製した。
【化3】
【0044】200℃で1時間焼成し、ポリイミド膜と
した時のイミド化率は、トリ−n−ブチルアミンを添加
せずに270℃で焼成した場合と同等であり、本発明の
配向剤組成物が低温焼成で高いイミド化率を与えること
が確認された。また、180℃で焼成した場合にも、ト
リ−n−ブチルアミンを添加せずに270℃で焼成した
場合のイミド化率の約80%のイミド化率が得られ、配
向膜として充分なイミド化率が得られた。測定された赤
外吸収スペクトルは、トリ−n−ブチルアミンを添加せ
ずに焼成したポリイミド膜のスペクトルと本質的に同一
であり、トリ−n−ブチルアミンの残留は認められなか
った。
した時のイミド化率は、トリ−n−ブチルアミンを添加
せずに270℃で焼成した場合と同等であり、本発明の
配向剤組成物が低温焼成で高いイミド化率を与えること
が確認された。また、180℃で焼成した場合にも、ト
リ−n−ブチルアミンを添加せずに270℃で焼成した
場合のイミド化率の約80%のイミド化率が得られ、配
向膜として充分なイミド化率が得られた。測定された赤
外吸収スペクトルは、トリ−n−ブチルアミンを添加せ
ずに焼成したポリイミド膜のスペクトルと本質的に同一
であり、トリ−n−ブチルアミンの残留は認められなか
った。
【0045】同じ配向剤組成物を用いて、実施例1と同
様にして作製したツイステッドネマティック型液晶表示
素子において、液晶は均一なねじれネマティック配向を
示し、配向欠陥は一切観察されなかった。また、80
℃、90%RHの高温高湿保存試験においても、配向劣
化は全く観察されなかった。
様にして作製したツイステッドネマティック型液晶表示
素子において、液晶は均一なねじれネマティック配向を
示し、配向欠陥は一切観察されなかった。また、80
℃、90%RHの高温高湿保存試験においても、配向劣
化は全く観察されなかった。
【0046】実施例7 日立化成社製ポリアミック酸ワニスLQ1800の3重
量%溶液(溶媒:N−メチルピロリドン/ブチルセロソ
ルブ=90/10)に、トリ−n−ブチルアミンをカル
ボキシル基との当量比が1となるように添加し、配向剤
組成物を調製した。
量%溶液(溶媒:N−メチルピロリドン/ブチルセロソ
ルブ=90/10)に、トリ−n−ブチルアミンをカル
ボキシル基との当量比が1となるように添加し、配向剤
組成物を調製した。
【0047】この配向剤組成物をガラス基板上に塗布
し、220℃1時間焼成してポリイミド膜とした。ポリ
イミドの膜厚は、約1000オングストロームとした。
ポリイミド膜の表面をテトロン植毛布で一方向にこす
り、ラビング処理を施した。同様の処理を施した別基板
と前記基板とを、粒径が30μmのプラスチックビーズ
をスペーサーとして、ラビング方向が反平行となるよう
に重ね合わせ、外周をエポキシ系の接着剤でシールし
た。基板間の空隙に、メルク社製のネマティック液晶Z
LI2923を封入した。
し、220℃1時間焼成してポリイミド膜とした。ポリ
イミドの膜厚は、約1000オングストロームとした。
ポリイミド膜の表面をテトロン植毛布で一方向にこす
り、ラビング処理を施した。同様の処理を施した別基板
と前記基板とを、粒径が30μmのプラスチックビーズ
をスペーサーとして、ラビング方向が反平行となるよう
に重ね合わせ、外周をエポキシ系の接着剤でシールし
た。基板間の空隙に、メルク社製のネマティック液晶Z
LI2923を封入した。
【0048】本素子のプレティルト角をクリスタルロー
テーション法により測定したところ、7°であった。一
方、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに同温度で焼成
した配向膜付基板を用いて液晶セルを作製したところ、
プレティルト角は4°であり、本発明の配向剤組成物が
低い焼成温度で高いプレティルト角を与えることが確認
された。
テーション法により測定したところ、7°であった。一
方、トリ−n−ブチルアミンを添加せずに同温度で焼成
した配向膜付基板を用いて液晶セルを作製したところ、
プレティルト角は4°であり、本発明の配向剤組成物が
低い焼成温度で高いプレティルト角を与えることが確認
された。
【0049】
【発明の効果】本発明の配向剤組成物及びそれを用いた
配向膜の形成方法は、ガラス、プラスチックフィルム等
の基板上に製膜する際、前述のように、低温で焼成して
も高いイミド化率が得られるため、従来より低いプロセ
ス温度で配向処理を行なうことができる。そのため、低
温処理が要求されるカラーフィルターやアクティブマト
リックスを形成した基板の配向処理に、特に好ましく用
いることができる。同様の理由により、プラスチックフ
ィルム基板の配向処理にも、好ましく用いることができ
る。また、イミド化率が高いため、従来に増した高い信
頼性が得られたり、アクティブマトリックス方式の場合
には電圧保持率が高くなり、コントラストが改善される
という利点がある。加えて、STN型の液晶表示素子の
配向剤として用いた場合には、ポリアミック酸を選択す
ることにより、比較的低温で高いプレチルト角が得られ
るという利点がある。
配向膜の形成方法は、ガラス、プラスチックフィルム等
の基板上に製膜する際、前述のように、低温で焼成して
も高いイミド化率が得られるため、従来より低いプロセ
ス温度で配向処理を行なうことができる。そのため、低
温処理が要求されるカラーフィルターやアクティブマト
リックスを形成した基板の配向処理に、特に好ましく用
いることができる。同様の理由により、プラスチックフ
ィルム基板の配向処理にも、好ましく用いることができ
る。また、イミド化率が高いため、従来に増した高い信
頼性が得られたり、アクティブマトリックス方式の場合
には電圧保持率が高くなり、コントラストが改善される
という利点がある。加えて、STN型の液晶表示素子の
配向剤として用いた場合には、ポリアミック酸を選択す
ることにより、比較的低温で高いプレチルト角が得られ
るという利点がある。
【図1】液晶表示素子の断面図である。
【図2】本発明の配向剤組成物を用いて製膜し、180
℃で熱処理を行なった際の組成物組成比とイミド化率の
関係を示すグラフである。
℃で熱処理を行なった際の組成物組成比とイミド化率の
関係を示すグラフである。
4 液晶 5 外周シール 11 基板 12 透明電極 13 ポリイミド配向膜 21 基板 22 透明電極 23 ポリイミド配向膜
Claims (6)
- 【請求項1】 実質的に、ポリアミック酸と単官能3級
アミン化合物とを溶媒に溶解させた組成物からなること
を特徴とする液晶用配向剤組成物。 - 【請求項2】 前記3級アミン化合物とポリアミック酸
のカルボキシル基の当量比が0.5から2の範囲である
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶用配向剤組成
物。 - 【請求項3】 前記3級アミン化合物が低級アルキルア
ミンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液
晶用配向剤組成物。 - 【請求項4】 基板上に実質的に、ポリアミック酸と単
官能3級アミン化合物とを溶媒に溶解させた組成物から
なる液晶用配向剤組成物を塗布する工程、形成された塗
膜から前記溶媒を留去する工程、該塗膜を加熱してポリ
アミック酸をポリイミドとするとともに前記単官能3級
アミン化合物を留去する工程、及び形成されたポリイミ
ド膜をラビングする工程を少なくとも含むことを特徴と
する液晶用配向膜の形成方法。 - 【請求項5】 前記3級アミン化合物とポリアミック酸
のカルボキシル基の当量比が0.5から2の範囲である
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶用配向膜の形成
方法。 - 【請求項6】 前記3級アミン化合物が低級アルキルア
ミンであることを特徴とする請求項4又は5に記載の液
晶用配向膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4037321A JPH05203953A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 液晶用配向剤組成物及びこれを用いる液晶用配向膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4037321A JPH05203953A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 液晶用配向剤組成物及びこれを用いる液晶用配向膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05203953A true JPH05203953A (ja) | 1993-08-13 |
Family
ID=12494402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4037321A Pending JPH05203953A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 液晶用配向剤組成物及びこれを用いる液晶用配向膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05203953A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09316200A (ja) * | 1996-05-31 | 1997-12-09 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 液晶配向剤 |
US8129494B2 (en) | 2006-12-26 | 2012-03-06 | Asahi Kasei E-Materials Corporation | Resin composition for printing plate |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS493629U (ja) * | 1972-04-12 | 1974-01-12 | ||
JPS508667Y2 (ja) * | 1971-06-10 | 1975-03-15 | ||
JPS581821U (ja) * | 1981-06-26 | 1983-01-07 | 株式会社パイロット | 筆記板の吊下げ具 |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP4037321A patent/JPH05203953A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS508667Y2 (ja) * | 1971-06-10 | 1975-03-15 | ||
JPS493629U (ja) * | 1972-04-12 | 1974-01-12 | ||
JPS581821U (ja) * | 1981-06-26 | 1983-01-07 | 株式会社パイロット | 筆記板の吊下げ具 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09316200A (ja) * | 1996-05-31 | 1997-12-09 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 液晶配向剤 |
US8129494B2 (en) | 2006-12-26 | 2012-03-06 | Asahi Kasei E-Materials Corporation | Resin composition for printing plate |
US8263730B2 (en) | 2006-12-26 | 2012-09-11 | Asahi Kasei E-Materials Corporation | Resin composition for printing plate |
EP2567995A2 (en) | 2006-12-26 | 2013-03-13 | Asahi Kasei E-materials Corporation | Resin composition for printing plate |
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