JPH10197874A - 液晶素子の製造方法 - Google Patents
液晶素子の製造方法Info
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- JPH10197874A JPH10197874A JP35854796A JP35854796A JPH10197874A JP H10197874 A JPH10197874 A JP H10197874A JP 35854796 A JP35854796 A JP 35854796A JP 35854796 A JP35854796 A JP 35854796A JP H10197874 A JPH10197874 A JP H10197874A
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- liquid crystal
- orientation control
- alignment control
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 配向制御膜を形成する際に、焼成温度を25
0℃以下の低温で焼成しても高いプレチルト角を得るこ
とができる液晶素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の電極パターンを有する透明基板上
に、配向制御膜溶液を塗布、焼成して配向制御膜を形成
した後、該透明基板間に液晶を挟持してなる液晶素子の
製造方法において、前記配向制御膜溶液が配向制御膜成
分と、該配向制御膜成分を溶かす溶媒と、配向制御膜の
表面エネルギーを低下させるアクリル酸系溶液からなる
物質を含有する液晶素子の製造方法。
0℃以下の低温で焼成しても高いプレチルト角を得るこ
とができる液晶素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の電極パターンを有する透明基板上
に、配向制御膜溶液を塗布、焼成して配向制御膜を形成
した後、該透明基板間に液晶を挟持してなる液晶素子の
製造方法において、前記配向制御膜溶液が配向制御膜成
分と、該配向制御膜成分を溶かす溶媒と、配向制御膜の
表面エネルギーを低下させるアクリル酸系溶液からなる
物質を含有する液晶素子の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶素子の製造方法
に関し、特に配向制御膜溶液を塗布し、低温で焼成した
際に高いプレチルト角を得ることができる配向制御膜の
形成方法に特徴を有する液晶素子の製造方法に関するも
のである。
に関し、特に配向制御膜溶液を塗布し、低温で焼成した
際に高いプレチルト角を得ることができる配向制御膜の
形成方法に特徴を有する液晶素子の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)およびラガーウ
オル(Lagerwall)により提案されている。
(特開昭56−107216号公報、米国特許第436
7924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特
定の温度領域においてカイラルスメクチックC相(Sm
C*)またはH相(SmH*)を有し、この状態において
加えられる電界に応答して第1または第2の光学的安定
状態(配向状態)のいずれかを取り、且つ電界の印加の
ない時はその状態を維持する性質、すなわち双安定性を
有し、また電界の変化に対する応答も速やかであり、高
速ならびに記憶型の表示素子として広い利用が期待され
ている。
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)およびラガーウ
オル(Lagerwall)により提案されている。
(特開昭56−107216号公報、米国特許第436
7924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特
定の温度領域においてカイラルスメクチックC相(Sm
C*)またはH相(SmH*)を有し、この状態において
加えられる電界に応答して第1または第2の光学的安定
状態(配向状態)のいずれかを取り、且つ電界の印加の
ない時はその状態を維持する性質、すなわち双安定性を
有し、また電界の変化に対する応答も速やかであり、高
速ならびに記憶型の表示素子として広い利用が期待され
ている。
【0003】強誘電性液晶素子は、この双安定性を有す
る液晶を用いた光学変調素子であり、透明電極を設けた
一対の基板間に強誘電性液晶を挟持してなる。基板の透
明電極上には強誘電性液晶層と接する層として配向制御
膜が設けられる。配向制御膜は液晶素子の液晶を配向さ
せるための層である。このような双安定性を有する液晶
を用いた光学変調素子が所定の駆動特性を発揮するため
には、一対の平行基板間に配置される液晶が電界の印加
状態とは無関係に上記2つの安定状態の間での変換が効
果的に起こるような分子配列状態にあることが必要であ
る。
る液晶を用いた光学変調素子であり、透明電極を設けた
一対の基板間に強誘電性液晶を挟持してなる。基板の透
明電極上には強誘電性液晶層と接する層として配向制御
膜が設けられる。配向制御膜は液晶素子の液晶を配向さ
せるための層である。このような双安定性を有する液晶
を用いた光学変調素子が所定の駆動特性を発揮するため
には、一対の平行基板間に配置される液晶が電界の印加
状態とは無関係に上記2つの安定状態の間での変換が効
果的に起こるような分子配列状態にあることが必要であ
る。
【0004】ところで、強誘電性液晶の配向方向として
は、大きな面積に、スメクチック液晶を形成する複数の
分子で組織された分子層をその法線に沿って一軸方向に
配向させることができ、しかも製造プロセスも簡便なラ
ビング処理により実現できるものが望ましい。強誘電性
液晶、特にカイラルスメクチック液晶のための配向方法
としては、例えば米国特許第4561726号公報に記
載されたものなどが知られている。また、一軸方向に配
向する配向法としては、SiOの斜方蒸着によるハイプ
レチルト界面によるユニフォーム配向(松下電器
(株)、JAPANDISPLAY ’86 464〜
467)が報告されている。しかしこの配向手法は大画
面を均一に配向させるのに適していない。したがって、
生産性に優れているラビング配向処理によるハイプレチ
ルトが望まれる。
は、大きな面積に、スメクチック液晶を形成する複数の
分子で組織された分子層をその法線に沿って一軸方向に
配向させることができ、しかも製造プロセスも簡便なラ
ビング処理により実現できるものが望ましい。強誘電性
液晶、特にカイラルスメクチック液晶のための配向方法
としては、例えば米国特許第4561726号公報に記
載されたものなどが知られている。また、一軸方向に配
向する配向法としては、SiOの斜方蒸着によるハイプ
レチルト界面によるユニフォーム配向(松下電器
(株)、JAPANDISPLAY ’86 464〜
467)が報告されている。しかしこの配向手法は大画
面を均一に配向させるのに適していない。したがって、
生産性に優れているラビング配向処理によるハイプレチ
ルトが望まれる。
【0005】従来より、液晶素子の配向制御膜としては
ポリイミド膜やポリアミド膜等が一般的に用いられてい
る。このポリイミド膜の形成にはポリアミック酸(配向
制御膜成分)を溶かした配向制御膜溶液を用いており、
該溶液をガラス基板(透明基板)に塗布後250℃〜3
00℃で焼成して脱水閉環することによってポリイミド
膜が得られる。なお、溶媒としてはNMP(N−メチル
−2−ピロリドン)等の良溶媒が用いられている。ここ
で“良溶媒”とは相対的に配向制御膜成分をより多く溶
かす、溶解能力の高い溶媒をいう。
ポリイミド膜やポリアミド膜等が一般的に用いられてい
る。このポリイミド膜の形成にはポリアミック酸(配向
制御膜成分)を溶かした配向制御膜溶液を用いており、
該溶液をガラス基板(透明基板)に塗布後250℃〜3
00℃で焼成して脱水閉環することによってポリイミド
膜が得られる。なお、溶媒としてはNMP(N−メチル
−2−ピロリドン)等の良溶媒が用いられている。ここ
で“良溶媒”とは相対的に配向制御膜成分をより多く溶
かす、溶解能力の高い溶媒をいう。
【0006】一方のポリアミド膜の形成には、ポリアミ
ド(配向制御膜成分)をNMP等の良溶媒に溶かした配
向制御膜溶液を用いており、その溶液をガラス基板に塗
布後焼成乾燥して該ポリアミド膜が得られる。
ド(配向制御膜成分)をNMP等の良溶媒に溶かした配
向制御膜溶液を用いており、その溶液をガラス基板に塗
布後焼成乾燥して該ポリアミド膜が得られる。
【0007】但し、配向制御膜溶液が、ポリアミック酸
やポリアミド等の配向制御膜成分をNMP等の良溶媒に
溶かしただけのものでは、焼成後にムラが発生しやす
い。これを防止するためにレベリングのためにnBC
(ノルマル−ブチル−セルソルブ)などの貧溶媒を加え
た溶液が一般的に用いられている。ここで“貧溶媒”と
は、良溶媒に比べて溶解能力が小さく、配向制御膜成分
をあまり溶かさない溶媒をいう。また、このnBCは蒸
発しやすく印刷性に劣ることから、この点を改良すべ
く、n−ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル)などの高沸点溶媒を加えることもあ
る。
やポリアミド等の配向制御膜成分をNMP等の良溶媒に
溶かしただけのものでは、焼成後にムラが発生しやす
い。これを防止するためにレベリングのためにnBC
(ノルマル−ブチル−セルソルブ)などの貧溶媒を加え
た溶液が一般的に用いられている。ここで“貧溶媒”と
は、良溶媒に比べて溶解能力が小さく、配向制御膜成分
をあまり溶かさない溶媒をいう。また、このnBCは蒸
発しやすく印刷性に劣ることから、この点を改良すべ
く、n−ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル)などの高沸点溶媒を加えることもあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、配向制御溶
液の塗布、焼成によって得られる該配向制御膜の焼成条
件は液晶パネルの構成材料の制約等から250℃以下で
あることが必要であり、この焼成温度以下で得られる配
向制御膜は膜のイミド化が十分進まず液晶を安定に配向
させることや、液晶パネル面内で均一にハイプレチルト
配向を達成することができず、10°〜13°程度の低
いプレチルト角しか得ることができなかった。
液の塗布、焼成によって得られる該配向制御膜の焼成条
件は液晶パネルの構成材料の制約等から250℃以下で
あることが必要であり、この焼成温度以下で得られる配
向制御膜は膜のイミド化が十分進まず液晶を安定に配向
させることや、液晶パネル面内で均一にハイプレチルト
配向を達成することができず、10°〜13°程度の低
いプレチルト角しか得ることができなかった。
【0009】従って、本発明は、配向制御膜を形成する
際に、焼成温度を250℃以下の低温で焼成しても高い
プレチルト角を得ることができる液晶素子の製造方法を
提供することを目的とするものである。
際に、焼成温度を250℃以下の低温で焼成しても高い
プレチルト角を得ることができる液晶素子の製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一対の
電極パターンを有する透明基板上に、配向制御膜溶液を
塗布、焼成して配向制御膜を形成した後、該透明基板間
に液晶を挟持してなる液晶素子の製造方法において、前
記配向制御膜溶液が配向制御膜成分と、該配向制御膜成
分を溶かす溶媒と、配向制御膜の表面エネルギーを低下
させる物質を含有することを特徴とする液晶素子の製造
方法である。
電極パターンを有する透明基板上に、配向制御膜溶液を
塗布、焼成して配向制御膜を形成した後、該透明基板間
に液晶を挟持してなる液晶素子の製造方法において、前
記配向制御膜溶液が配向制御膜成分と、該配向制御膜成
分を溶かす溶媒と、配向制御膜の表面エネルギーを低下
させる物質を含有することを特徴とする液晶素子の製造
方法である。
【0011】本発明において、前記配向制御膜成分がポ
リアミック酸またはポリアミドであり、かつ配向制御膜
成分を溶かす溶媒が良溶媒としてN−メチル−2−ピロ
リドンおよび貧溶媒としてノルマル−ブチル−セルソル
ブからなるのが好ましい。
リアミック酸またはポリアミドであり、かつ配向制御膜
成分を溶かす溶媒が良溶媒としてN−メチル−2−ピロ
リドンおよび貧溶媒としてノルマル−ブチル−セルソル
ブからなるのが好ましい。
【0012】また、前記配向制御膜の表面エネルギーを
低下させる物質がアクリル酸系溶液であり、その含有量
が配向制御膜溶液に対して重量比で10%以下であるの
が好ましい。また、前記液晶が強誘電性液晶であるのが
好ましい。
低下させる物質がアクリル酸系溶液であり、その含有量
が配向制御膜溶液に対して重量比で10%以下であるの
が好ましい。また、前記液晶が強誘電性液晶であるのが
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子の製造方法は、
一対の電極パターンを有する透明基板上に、配向制御膜
溶液を塗布、焼成して配向制御膜を形成し、該一対の透
明基板間に液晶を挟持して液晶素子を製造する方法にお
いて、前記配向制御膜溶液が配向制御膜成分と、該配向
制御膜成分を溶かす溶媒と、かつ溶媒としてさらに配向
制御膜溶液を塗布、焼成後の配向制御膜の表面エネルギ
ーを低下させる物質を添加することを特徴とする。
一対の電極パターンを有する透明基板上に、配向制御膜
溶液を塗布、焼成して配向制御膜を形成し、該一対の透
明基板間に液晶を挟持して液晶素子を製造する方法にお
いて、前記配向制御膜溶液が配向制御膜成分と、該配向
制御膜成分を溶かす溶媒と、かつ溶媒としてさらに配向
制御膜溶液を塗布、焼成後の配向制御膜の表面エネルギ
ーを低下させる物質を添加することを特徴とする。
【0014】一般に、配向制御膜形成後の膜の表面エネ
ルギーの値が小さいほど液晶パネル面内で均一にハイプ
レチルト配向を得ることができる。本発明者らの実験に
よれば、溶媒としてアクリル酸系溶液を添加することに
より、添加しない配向制御膜と比較して、配向制御膜形
成後の表面エネルギーを4〜8dyne/cm小さくす
ることができ、ラビング後においてもハイプレチルトが
得られ、液晶パネル全面で均一なハイプレチルト配向、
例えば18°〜25°程度のプレチルト角を得ることが
可能となった。
ルギーの値が小さいほど液晶パネル面内で均一にハイプ
レチルト配向を得ることができる。本発明者らの実験に
よれば、溶媒としてアクリル酸系溶液を添加することに
より、添加しない配向制御膜と比較して、配向制御膜形
成後の表面エネルギーを4〜8dyne/cm小さくす
ることができ、ラビング後においてもハイプレチルトが
得られ、液晶パネル全面で均一なハイプレチルト配向、
例えば18°〜25°程度のプレチルト角を得ることが
可能となった。
【0015】本発明では、配向制御膜溶液に添加するア
クリル酸系溶液の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で10%以下、好ましくは3〜8%が望ましい。含有
量が10%を越えると塗布膜が基板状ではじく様になる
ので好ましくない。
クリル酸系溶液の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で10%以下、好ましくは3〜8%が望ましい。含有
量が10%を越えると塗布膜が基板状ではじく様になる
ので好ましくない。
【0016】アクリル酸系溶液としては、例えばヘキサ
ンジオールアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート等が挙げられる。
ンジオールアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0017】本発明において、前記配向制御膜成分とし
ては、ポリアミック酸またはポリイミドが挙げられる。
配向制御膜成分の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で1.0〜3.0%以下、好ましくは1.5〜2.0
%が望ましい。
ては、ポリアミック酸またはポリイミドが挙げられる。
配向制御膜成分の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で1.0〜3.0%以下、好ましくは1.5〜2.0
%が望ましい。
【0018】また、配向制御膜成分を溶かす溶媒には、
良溶媒と貧溶媒の混合溶媒が用いられ、良溶媒として
は、例えばN−メチル−2−ピロリドンが、また貧溶媒
としては、例えばノルマル−ブチル−セルソルブが挙げ
られる。良溶媒の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で10〜80%、好ましくは50〜65%が望まし
い。貧溶媒の含有量は配向制御膜溶液に対して重量比で
10〜80%、好ましくは20〜40%が望ましい。
良溶媒と貧溶媒の混合溶媒が用いられ、良溶媒として
は、例えばN−メチル−2−ピロリドンが、また貧溶媒
としては、例えばノルマル−ブチル−セルソルブが挙げ
られる。良溶媒の含有量は配向制御膜溶液に対して重量
比で10〜80%、好ましくは50〜65%が望まし
い。貧溶媒の含有量は配向制御膜溶液に対して重量比で
10〜80%、好ましくは20〜40%が望ましい。
【0019】本発明の製造方法は、TN液晶モード、S
TN液晶モード、カイラルスメクチック液晶を用いた強
誘電性液晶モード等の液晶素子の製造方法に最適に適用
される。
TN液晶モード、カイラルスメクチック液晶を用いた強
誘電性液晶モード等の液晶素子の製造方法に最適に適用
される。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0021】実施例1 図1は本発明の実施例に係わる強誘電性液晶素子の断面
を模式的に示したもので、10はセル構造体、1、1′
は基板、2、2′は透明電極群、3、3′は絶縁膜、
4、4′は配向制御膜、5はシール材、6はスペーサ
ー、7は接着剤ビーズ、8は強誘電性液晶である。この
セル構造体10を以下のようにして作成した。
を模式的に示したもので、10はセル構造体、1、1′
は基板、2、2′は透明電極群、3、3′は絶縁膜、
4、4′は配向制御膜、5はシール材、6はスペーサ
ー、7は接着剤ビーズ、8は強誘電性液晶である。この
セル構造体10を以下のようにして作成した。
【0022】まず、厚さ1.1mmの2枚のガラス基板
1、1′上にITOのストライプ状電極2、2′を形成
し、その上にスパッタリング法にてTa2 O5 膜からな
る絶縁膜3、3′を1000Åの厚さで形成した後、ポ
リイミド配向制御膜4、4′を形成した。本実施例にお
いては、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶液の組成は
重量比でポリアミック酸2.0%、NMP(N−メチル
−2−ピロリドン)61.0%、nBC(ノルマル−ブ
チル−セルソルブ)27.0%、ヘキサンジオールアク
リレートを10.0%とし、基板上に塗布した後、24
0℃のホットプレートで10分間焼成し、約200Åの
厚さのポリイミド配向制御膜を形成した。形成したポリ
イミド配向制御膜の表面エネルギーを以下の方法により
測定した。
1、1′上にITOのストライプ状電極2、2′を形成
し、その上にスパッタリング法にてTa2 O5 膜からな
る絶縁膜3、3′を1000Åの厚さで形成した後、ポ
リイミド配向制御膜4、4′を形成した。本実施例にお
いては、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶液の組成は
重量比でポリアミック酸2.0%、NMP(N−メチル
−2−ピロリドン)61.0%、nBC(ノルマル−ブ
チル−セルソルブ)27.0%、ヘキサンジオールアク
リレートを10.0%とし、基板上に塗布した後、24
0℃のホットプレートで10分間焼成し、約200Åの
厚さのポリイミド配向制御膜を形成した。形成したポリ
イミド配向制御膜の表面エネルギーを以下の方法により
測定した。
【0023】[表面エネルギー測定方法]表面エネルギ
ーの測定方法について、図2に沿って簡単に説明する。
この表面エネルギーγは、一般的に界面の性質や汚れ具
合を判断するのに重要な量である。この表面エネルギー
γ、つまり表面の塗れ性は接触角を測定することで調べ
ることができる。接触角測定法として広く用いられてい
る方法には、液滴法、傾板法、毛管上昇法などが挙げら
れるが、本発明では液滴法を用いた。この液滴法におい
ては、試料となる配向制御膜11の表面に液滴を置き、
低倍率の顕微鏡を用いて、図2に示すように、その液滴
12を拡大像とする。そして、その視野中にある直線1
3を液滴12との接点を中心に回転させ、接線の位置で
の角度を読みとる。本発明は、3種類の液体(α−ブロ
モナフタレン、ヨウ化メチレン、水)の接触角を液滴法
で測定し、表面エネルギーγを算出した。上記の方法で
表面エネルギーγを求めたところ、27dyne/cm
であった。
ーの測定方法について、図2に沿って簡単に説明する。
この表面エネルギーγは、一般的に界面の性質や汚れ具
合を判断するのに重要な量である。この表面エネルギー
γ、つまり表面の塗れ性は接触角を測定することで調べ
ることができる。接触角測定法として広く用いられてい
る方法には、液滴法、傾板法、毛管上昇法などが挙げら
れるが、本発明では液滴法を用いた。この液滴法におい
ては、試料となる配向制御膜11の表面に液滴を置き、
低倍率の顕微鏡を用いて、図2に示すように、その液滴
12を拡大像とする。そして、その視野中にある直線1
3を液滴12との接点を中心に回転させ、接線の位置で
の角度を読みとる。本発明は、3種類の液体(α−ブロ
モナフタレン、ヨウ化メチレン、水)の接触角を液滴法
で測定し、表面エネルギーγを算出した。上記の方法で
表面エネルギーγを求めたところ、27dyne/cm
であった。
【0024】また、ポリイミド配向制御膜を形成した基
板に起毛パイルを有するラビング布を用い、ラビング処
理を行い、その後、第1の基板1に印刷法にてシール材
5を形成し、スプレー法により基板1上にスペーサー6
および接着剤ビーズ7を散布した。このようにして得ら
れた第1の基板1に第2の基板1′のラビング方向が略
平行になるように貼り合わせた。
板に起毛パイルを有するラビング布を用い、ラビング処
理を行い、その後、第1の基板1に印刷法にてシール材
5を形成し、スプレー法により基板1上にスペーサー6
および接着剤ビーズ7を散布した。このようにして得ら
れた第1の基板1に第2の基板1′のラビング方向が略
平行になるように貼り合わせた。
【0025】液晶注入は、加温、加圧が可能な注入槽に
パネルを導入し、該注入槽を真空引きすることによりパ
ネル内部を真空にした後、注入口に液晶を塗布し注入口
をふさいだ。その後、注入槽内の温度を上昇させ、液晶
の粘性を下げるとともに槽内を加圧し、パネル内部全体
に液晶を充填させた。液晶の注入が終了した後、液晶パ
ネルをSmC* 相まで除冷してから注入口をエポキシ樹
脂の接着剤でふさいだ。注入した強誘電性液晶は下記の
相転移を示すピリミジン系の混合液晶である。
パネルを導入し、該注入槽を真空引きすることによりパ
ネル内部を真空にした後、注入口に液晶を塗布し注入口
をふさいだ。その後、注入槽内の温度を上昇させ、液晶
の粘性を下げるとともに槽内を加圧し、パネル内部全体
に液晶を充填させた。液晶の注入が終了した後、液晶パ
ネルをSmC* 相まで除冷してから注入口をエポキシ樹
脂の接着剤でふさいだ。注入した強誘電性液晶は下記の
相転移を示すピリミジン系の混合液晶である。
【0026】
【数1】
【0027】液晶注入後のパネルの配向を観察したとこ
ろ、ヘキサンジオールジアクリレートの添加による配向
不良は認められなかった。次に、プレチルト角測定用セ
ルを作成した。但し、上下基板のラビング方向が反平行
になるように貼り合わせた。以下の方法でプレチルト角
を測定した。
ろ、ヘキサンジオールジアクリレートの添加による配向
不良は認められなかった。次に、プレチルト角測定用セ
ルを作成した。但し、上下基板のラビング方向が反平行
になるように貼り合わせた。以下の方法でプレチルト角
を測定した。
【0028】[プレチルト角αの測定方法]プレチルト
角の測定は、クリスタルローテーション方法(Jpn.
J.Appl.Phys.Vol.119)(198
0)No.Short Notes2031)により求
めた。また、プレチルト角の測定用液晶としては強誘電
性液晶(チッソ社製CS−1014)に下記の構造式で
示される化合物を重量比で20%混合したものを標準液
晶として注入して測定した。
角の測定は、クリスタルローテーション方法(Jpn.
J.Appl.Phys.Vol.119)(198
0)No.Short Notes2031)により求
めた。また、プレチルト角の測定用液晶としては強誘電
性液晶(チッソ社製CS−1014)に下記の構造式で
示される化合物を重量比で20%混合したものを標準液
晶として注入して測定した。
【0029】
【化1】 なお、この混合した液晶組成物は10〜55℃でSmA
相を呈した。
相を呈した。
【0030】測定手順は、液晶パネルを上下基板に垂直
かつ配向処理軸(ラビング軸)を含む面で回転させなが
ら、回転軸と45°の角度をなす偏光面を持つヘリウム
・ネオンレーザー光を回転軸に垂直な方向から照射し
て、その反対側で入射偏光面と平行な透過軸をもつ偏光
板を通してフォトダイオードで透過光強度を測定した。
そして、干渉によってできた透過光強度のスペクトルに
対し、理論曲線、数式1、2とフィッテングを行うシミ
ュレーションによりプレチルト角αを求めた。
かつ配向処理軸(ラビング軸)を含む面で回転させなが
ら、回転軸と45°の角度をなす偏光面を持つヘリウム
・ネオンレーザー光を回転軸に垂直な方向から照射し
て、その反対側で入射偏光面と平行な透過軸をもつ偏光
板を通してフォトダイオードで透過光強度を測定した。
そして、干渉によってできた透過光強度のスペクトルに
対し、理論曲線、数式1、2とフィッテングを行うシミ
ュレーションによりプレチルト角αを求めた。
【0031】
【数2】
【0032】
【数3】 上記の方法で作成した求めたプレチルト角は19.2゜
であった。
であった。
【0033】実施例2 実施例1と同様な方法で液晶セルを作成し、同様な液晶
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比でポリアミック酸2.0%、NMP6
1.0%、nBC29.0%、ヒドロキシエチルメタク
リレート8.0%とし、基板上に塗布し、220℃のホ
ットプレートで10分間焼成し、約200Åの厚さのポ
リイミド配向制御膜を形成した。
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比でポリアミック酸2.0%、NMP6
1.0%、nBC29.0%、ヒドロキシエチルメタク
リレート8.0%とし、基板上に塗布し、220℃のホ
ットプレートで10分間焼成し、約200Åの厚さのポ
リイミド配向制御膜を形成した。
【0034】ポリイミド配向制御膜を形成した基板の表
面エネルギーを測定したところ、26.5dyne/c
mであった。また、実施例1と同様に液晶を注入し配向
を観察したところ、ヒドロキシエチルメタクリレート添
加による配向不良は認められなかった。また、プレチル
ト角測定用セルを作成し、プレチルト角を測定したとこ
ろ、18.7゜であった。
面エネルギーを測定したところ、26.5dyne/c
mであった。また、実施例1と同様に液晶を注入し配向
を観察したところ、ヒドロキシエチルメタクリレート添
加による配向不良は認められなかった。また、プレチル
ト角測定用セルを作成し、プレチルト角を測定したとこ
ろ、18.7゜であった。
【0035】比較例1 実施例1と同様の方法で液晶セルを作成し、同様の液晶
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比で、ポリアミック酸2.0%、NMP
61.0%、nBC37.0%とし、基板上に塗布し、
240℃のホットプレートで10分間焼成し、約200
Åの厚さのポリイミド配向制御膜を形成した。
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比で、ポリアミック酸2.0%、NMP
61.0%、nBC37.0%とし、基板上に塗布し、
240℃のホットプレートで10分間焼成し、約200
Åの厚さのポリイミド配向制御膜を形成した。
【0036】このポリイミド配向制御膜を形成した基板
の表面エネルギーを測定したところ、34dyne/c
mであった。また、プレチルト角測定用セルを作成し、
プレチルト角を測定したところ、12.5゜であった。
の表面エネルギーを測定したところ、34dyne/c
mであった。また、プレチルト角測定用セルを作成し、
プレチルト角を測定したところ、12.5゜であった。
【0037】比較例2 実施例1と同様の方法で液晶セルを作成し、同様の液晶
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比で、ポリアミック酸2.0%、NMP
61.0%、nBC24.0%、ヘキサンジオールジア
クリレート13.0%とし、基板上に塗布し、240℃
のホットプレートで10分間焼成した。しかし、塗布膜
が基板上で膜がはじいてしまい、配向制御膜としての機
能は果たさなかった。
を注入した。但し、ポリイミド配向制御膜4、4′の溶
液の組成は重量比で、ポリアミック酸2.0%、NMP
61.0%、nBC24.0%、ヘキサンジオールジア
クリレート13.0%とし、基板上に塗布し、240℃
のホットプレートで10分間焼成した。しかし、塗布膜
が基板上で膜がはじいてしまい、配向制御膜としての機
能は果たさなかった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
配向制御膜溶液を塗布して形成する液晶素子において、
配向制御膜溶液の溶媒としてアクリル酸系溶液を添加す
ることにより、配向制御膜溶液を塗布、焼成後の配向制
御膜の表面エネルギーを低下させることが可能で、配向
制御膜を低温で焼成しても高いプレチルト角を得ること
ができる。
配向制御膜溶液を塗布して形成する液晶素子において、
配向制御膜溶液の溶媒としてアクリル酸系溶液を添加す
ることにより、配向制御膜溶液を塗布、焼成後の配向制
御膜の表面エネルギーを低下させることが可能で、配向
制御膜を低温で焼成しても高いプレチルト角を得ること
ができる。
【図1】本発明の実施例に係わる液晶素子の断面を示す
模式図である。
模式図である。
【図2】接触角の測定法を説明するための模式図であ
る。
る。
1、1′ 基板 2、2′ 透明電極群 3、3′ 絶縁膜 4、4′ 配向制御膜 5 シール材 6 スペーサー 7 接着剤ビーズ 8 強誘電性液晶 10 セル構造体 11 配向制御膜 12 液滴 13 直線
Claims (5)
- 【請求項1】 一対の電極パターンを有する透明基板上
に、配向制御膜溶液を塗布、焼成して配向制御膜を形成
した後、該透明基板間に液晶を挟持してなる液晶素子の
製造方法において、前記配向制御膜溶液が配向制御膜成
分と、該配向制御膜成分を溶かす溶媒と、配向制御膜の
表面エネルギーを低下させる物質を含有することを特徴
とする液晶素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記配向制御膜成分がポリアミック酸ま
たはポリアミドであり、かつ配向制御膜成分を溶かす溶
媒が良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンおよび貧
溶媒としてノルマル−ブチル−セルソルブからなる請求
項1記載の液晶素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記配向制御膜の表面エネルギーを低下
させる物質がアクリル酸系溶液である請求項1または2
記載の液晶素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記配向制御膜溶液に対する配向制御膜
の表面エネルギーを低下させる物質の含有量が重量比で
10%以下である請求項1または3記載の液晶素子の製
造方法。 - 【請求項5】 前記液晶が強誘電性液晶である請求項1
記載の液晶素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35854796A JPH10197874A (ja) | 1996-12-28 | 1996-12-28 | 液晶素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35854796A JPH10197874A (ja) | 1996-12-28 | 1996-12-28 | 液晶素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10197874A true JPH10197874A (ja) | 1998-07-31 |
Family
ID=18459886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35854796A Pending JPH10197874A (ja) | 1996-12-28 | 1996-12-28 | 液晶素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10197874A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233885A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-10-02 | Jsr Corp | 水平配向膜形成用液晶配向剤および液晶表示素子 |
JP2009037222A (ja) * | 2007-07-06 | 2009-02-19 | Jsr Corp | 液晶配向剤および液晶表示素子 |
-
1996
- 1996-12-28 JP JP35854796A patent/JPH10197874A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233885A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-10-02 | Jsr Corp | 水平配向膜形成用液晶配向剤および液晶表示素子 |
JP2009037222A (ja) * | 2007-07-06 | 2009-02-19 | Jsr Corp | 液晶配向剤および液晶表示素子 |
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