JPH05155589A - ウインチ装置 - Google Patents
ウインチ装置Info
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- JPH05155589A JPH05155589A JP31938391A JP31938391A JPH05155589A JP H05155589 A JPH05155589 A JP H05155589A JP 31938391 A JP31938391 A JP 31938391A JP 31938391 A JP31938391 A JP 31938391A JP H05155589 A JPH05155589 A JP H05155589A
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- brake
- brake drum
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブレーキドラムの放熱性を十分に高めること
ができ、かつ無駄なエネルギー消費もないウインチ装置
を提供する。 【構成】 ウインチドラム21を遊星減速機23を介し
てモータ22と連結し、モータ出力軸22aの回転を制
動するブレーキ25を設ける。遊星減速機23のリング
ギア26をウインチドラム21と一体に設け、キャリア
軸27にウインチドラム21と別体のブレーキドラム3
2を設ける。ブレーキドラム32の外周側にバンドブレ
ーキ33を設ける。ブレーキドラム32のボス34から
被制動部32aにかけてリブ35を設け、このリブ35
をファン状に形成する。フリーフォール時のブレーキド
ラム32の回転によってリブ35を回転させてブレーキ
ドラム32を冷却する空気流を生じさせる。
ができ、かつ無駄なエネルギー消費もないウインチ装置
を提供する。 【構成】 ウインチドラム21を遊星減速機23を介し
てモータ22と連結し、モータ出力軸22aの回転を制
動するブレーキ25を設ける。遊星減速機23のリング
ギア26をウインチドラム21と一体に設け、キャリア
軸27にウインチドラム21と別体のブレーキドラム3
2を設ける。ブレーキドラム32の外周側にバンドブレ
ーキ33を設ける。ブレーキドラム32のボス34から
被制動部32aにかけてリブ35を設け、このリブ35
をファン状に形成する。フリーフォール時のブレーキド
ラム32の回転によってリブ35を回転させてブレーキ
ドラム32を冷却する空気流を生じさせる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、とくにクラムシェル等
のようにヘビーデューティ作業に使用して好適なウイン
チ装置に係り、詳しくはフリーフォール時のブレーキド
ラムの発熱を効果的に防止できるウインチ装置に関す
る。
のようにヘビーデューティ作業に使用して好適なウイン
チ装置に係り、詳しくはフリーフォール時のブレーキド
ラムの発熱を効果的に防止できるウインチ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヘビーデューティ作業であるクラムシェ
ル等に用いられるウインチ装置として、従来より図3に
示すようなウインチ装置1が知られている。このウイン
チ装置1は、ウインチドラム2と、油圧モータ3と、こ
の油圧モータ3の出力軸3aの回転をウインチドラム2
に減速して伝達する遊星減速機4とを有し、ウインチド
ラム2の端部にはブレーキドラム6が一体に設けられて
いる。遊星減速機4の出力軸5にはクラッチ7が一体に
設けられ、このクラッチ7によって油圧モータ3からウ
インチドラム2への回転力の伝達が入切される。また、
ブレーキドラム6の外周側に当該ブレーキドラム6の外
周に巻き付いて制動力を与えるバンドブレーキ8が配設
されてウインチドラム2の自由回転を阻止し得るように
構成されている。そして、このような構成のウインチ装
置1では、クラッチ7をブレーキドラム6の内周に押し
付けて出力軸5とブレーキドラム6とを連結し、さらに
はバンドブレーキ8によるブレーキドラム6の回転制動
を解除した状態で油圧モータ3を駆動することによって
ウインチドラム2を油圧モータ3で強制駆動して所望の
巻上げ、巻下げ作業を行うことができる。また、クラッ
チ7をブレーキドラム6の内周から離間させて出力軸5
とブレーキドラム6との連結を解除し、かつ、バンドブ
レーキ8によるブレーキドラム6の制動を解除すること
で、ウインチドラム2を吊り荷の自重により自由回転さ
せるいわゆるフリーフォール状態を得ることができる。
ル等に用いられるウインチ装置として、従来より図3に
示すようなウインチ装置1が知られている。このウイン
チ装置1は、ウインチドラム2と、油圧モータ3と、こ
の油圧モータ3の出力軸3aの回転をウインチドラム2
に減速して伝達する遊星減速機4とを有し、ウインチド
ラム2の端部にはブレーキドラム6が一体に設けられて
いる。遊星減速機4の出力軸5にはクラッチ7が一体に
設けられ、このクラッチ7によって油圧モータ3からウ
インチドラム2への回転力の伝達が入切される。また、
ブレーキドラム6の外周側に当該ブレーキドラム6の外
周に巻き付いて制動力を与えるバンドブレーキ8が配設
されてウインチドラム2の自由回転を阻止し得るように
構成されている。そして、このような構成のウインチ装
置1では、クラッチ7をブレーキドラム6の内周に押し
付けて出力軸5とブレーキドラム6とを連結し、さらに
はバンドブレーキ8によるブレーキドラム6の回転制動
を解除した状態で油圧モータ3を駆動することによって
ウインチドラム2を油圧モータ3で強制駆動して所望の
巻上げ、巻下げ作業を行うことができる。また、クラッ
チ7をブレーキドラム6の内周から離間させて出力軸5
とブレーキドラム6との連結を解除し、かつ、バンドブ
レーキ8によるブレーキドラム6の制動を解除すること
で、ウインチドラム2を吊り荷の自重により自由回転さ
せるいわゆるフリーフォール状態を得ることができる。
【0003】ところで、このような構成のウインチ装置
1では、フリーフォール中にバンドブレーキ8を操作し
て制動をかけた場合、ブレーキドラム6とバンドブレー
キ8とが摩擦してブレーキドラム6が発熱する。このブ
レーキドラム6の発熱は、フリーフォール時の負荷が比
較的小さいクレーン作業の場合はさほど問題にならない
が、バケットのような重量物をフリーフォールさせる機
会の多いクラムシェル作業ではブレーキドラム6の表面
温度が300℃を越えることも希ではなく、これを放置
すればブレーキドラム8にサーマルクラックが生じて寿
命が損なわれ、また、ブレーキ力の低下を招くこともあ
る。
1では、フリーフォール中にバンドブレーキ8を操作し
て制動をかけた場合、ブレーキドラム6とバンドブレー
キ8とが摩擦してブレーキドラム6が発熱する。このブ
レーキドラム6の発熱は、フリーフォール時の負荷が比
較的小さいクレーン作業の場合はさほど問題にならない
が、バケットのような重量物をフリーフォールさせる機
会の多いクラムシェル作業ではブレーキドラム6の表面
温度が300℃を越えることも希ではなく、これを放置
すればブレーキドラム8にサーマルクラックが生じて寿
命が損なわれ、また、ブレーキ力の低下を招くこともあ
る。
【0004】そこで、前述した従来のウインチ装置1で
は、ブレーキドラム6の放熱性を高めるために何等かの
対策を施すことが必要となる。しかしながら、図3に示
す構成のウインチ装置1では、ブレーキドラム1の内外
周にクラッチ7あるいはバンドブレーキ8が接離するた
め、ブレーキドラム6の内外周面に通風溝などを設けた
場合、雨水の侵入によってクラッチ7やバンドブレーキ
8に滑りが生じるおそれがある。従って、ブレーキドラ
ム6の放熱性を高める手段としては、例えば図4〜図6
に示すように、クラッチ7とバンドブレーキ8との間の
狭いスペースに、ブレーキドラム6を軸方向に貫くスリ
ット9を形成してこのスリット9の内部にファン10を
形成し、ブレーキドラム6の回転により空気流を生じさ
せてブレーキドラム6の冷却を行うか、あるいは、図
3、図7及び図8に示すように、ブレーキドラム6の外
周部に径方向へ伸びる放熱フィン11を設けて放熱効果
を高めることが一般的であった。そして、これらの手段
だけでは未だ十分な放熱効果が得られない場合には、図
3に示すように、ブレーキドラム6の周囲にダクト12
を設けて電動ファン13により強制的に冷却を行うこと
もあった。
は、ブレーキドラム6の放熱性を高めるために何等かの
対策を施すことが必要となる。しかしながら、図3に示
す構成のウインチ装置1では、ブレーキドラム1の内外
周にクラッチ7あるいはバンドブレーキ8が接離するた
め、ブレーキドラム6の内外周面に通風溝などを設けた
場合、雨水の侵入によってクラッチ7やバンドブレーキ
8に滑りが生じるおそれがある。従って、ブレーキドラ
ム6の放熱性を高める手段としては、例えば図4〜図6
に示すように、クラッチ7とバンドブレーキ8との間の
狭いスペースに、ブレーキドラム6を軸方向に貫くスリ
ット9を形成してこのスリット9の内部にファン10を
形成し、ブレーキドラム6の回転により空気流を生じさ
せてブレーキドラム6の冷却を行うか、あるいは、図
3、図7及び図8に示すように、ブレーキドラム6の外
周部に径方向へ伸びる放熱フィン11を設けて放熱効果
を高めることが一般的であった。そして、これらの手段
だけでは未だ十分な放熱効果が得られない場合には、図
3に示すように、ブレーキドラム6の周囲にダクト12
を設けて電動ファン13により強制的に冷却を行うこと
もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電動ファン
13による強制的な冷却方法では、ダクト12などによ
ってウインチ装置の大型化が避けられず、かつ部品点数
の増大によって装置が複雑化して故障の原因にもなりか
ねない。また、電動ファン13がエネルギーを消費する
ため、ウインチ装置1の馬力ロスも避けられず、ウイン
チ装置1が搭載される機械の燃費を悪化させる要因とも
なっていた。その一方、電動ファン13を用いることな
くファン10や放熱フィン11のみで冷却を行ったので
は、これらを設ける位置がブレーキドラム6の外周のご
く一部に限定される以上、十分な放熱効果を得難い。こ
の発明は、ブレーキドラムの放熱性を十分に高めること
ができ、かつ無駄なエネルギー消費もないウインチ装置
を提供することを目的とする。
13による強制的な冷却方法では、ダクト12などによ
ってウインチ装置の大型化が避けられず、かつ部品点数
の増大によって装置が複雑化して故障の原因にもなりか
ねない。また、電動ファン13がエネルギーを消費する
ため、ウインチ装置1の馬力ロスも避けられず、ウイン
チ装置1が搭載される機械の燃費を悪化させる要因とも
なっていた。その一方、電動ファン13を用いることな
くファン10や放熱フィン11のみで冷却を行ったので
は、これらを設ける位置がブレーキドラム6の外周のご
く一部に限定される以上、十分な放熱効果を得難い。こ
の発明は、ブレーキドラムの放熱性を十分に高めること
ができ、かつ無駄なエネルギー消費もないウインチ装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1,2
に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、ウインチ
ドラム21と、このウインチドラム21を回転駆動する
モータ22と、このモータ22の出力軸22aの回転を
前記ウインチドラム21へ減速して伝達する遊星減速機
23とを備えたウインチ装置に適用され、以下のように
構成することによって上記目的を達成する。遊星減速機
23の入力軸の回転を制動する第1のブレーキ25を設
けるとともに、遊星減速機23のリングギア26及びキ
ャリア軸27のいずれか一方をウインチドラム21と一
体に設け、他方にウインチドラム21と別体のブレーキ
ドラム32を設け、このブレーキドラム32の外周側に
当該ブレーキドラム32の回転を制動する第2のブレー
キ33を設け、ブレーキドラム32の中心側に設けられ
るリングギア26またはキャリア軸27との嵌合部34
から当該ブレーキドラム32の外周に設けられる被制動
部32aにかけてリブ35を設け、このリブ35を当該
ブレーキドラム32の回転によって空気流を生じさせる
ファン状に形成する。
に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、ウインチ
ドラム21と、このウインチドラム21を回転駆動する
モータ22と、このモータ22の出力軸22aの回転を
前記ウインチドラム21へ減速して伝達する遊星減速機
23とを備えたウインチ装置に適用され、以下のように
構成することによって上記目的を達成する。遊星減速機
23の入力軸の回転を制動する第1のブレーキ25を設
けるとともに、遊星減速機23のリングギア26及びキ
ャリア軸27のいずれか一方をウインチドラム21と一
体に設け、他方にウインチドラム21と別体のブレーキ
ドラム32を設け、このブレーキドラム32の外周側に
当該ブレーキドラム32の回転を制動する第2のブレー
キ33を設け、ブレーキドラム32の中心側に設けられ
るリングギア26またはキャリア軸27との嵌合部34
から当該ブレーキドラム32の外周に設けられる被制動
部32aにかけてリブ35を設け、このリブ35を当該
ブレーキドラム32の回転によって空気流を生じさせる
ファン状に形成する。
【0007】
【作用】第2のブレーキ33によってブレーキドラム3
2の回転を制動しつつ、遊星減速機23の入力軸22a
の回転の制動を解除してモータ22を起動することによ
り、ウインチドラム21をモータ22の回転に応じて駆
動して所望の巻上げ、巻下げ作業を行う。そして、モー
タ22を停止させた状態で第2のブレーキ33によるブ
レーキドラム32の回転制動を解除することで、ウイン
チドラム21を自由回転させてフリーフォール状態を得
る。このフリーフォール時には、ウインチドラム21の
回転に伴ってブレーキドラム32も回転するため、該ブ
レーキドラム32のリブ35によって空気流が発生し、
これによりブレーキドラム32が冷却される。そして、
フリーフォールを止めるべく第2のブレーキ33によっ
てブレーキドラム32の回転を制動した場合には、ブレ
ーキドラム32の回転が完全に停止するまでリブ35に
よる冷却作用が働き続けるため、ブレーキドラム32の
過度の発熱が防止される。なお、以上では理解の容易の
ために添付図面中の符号を引用して説明したが、本発明
が図示の例に限定されないのは勿論である。
2の回転を制動しつつ、遊星減速機23の入力軸22a
の回転の制動を解除してモータ22を起動することによ
り、ウインチドラム21をモータ22の回転に応じて駆
動して所望の巻上げ、巻下げ作業を行う。そして、モー
タ22を停止させた状態で第2のブレーキ33によるブ
レーキドラム32の回転制動を解除することで、ウイン
チドラム21を自由回転させてフリーフォール状態を得
る。このフリーフォール時には、ウインチドラム21の
回転に伴ってブレーキドラム32も回転するため、該ブ
レーキドラム32のリブ35によって空気流が発生し、
これによりブレーキドラム32が冷却される。そして、
フリーフォールを止めるべく第2のブレーキ33によっ
てブレーキドラム32の回転を制動した場合には、ブレ
ーキドラム32の回転が完全に停止するまでリブ35に
よる冷却作用が働き続けるため、ブレーキドラム32の
過度の発熱が防止される。なお、以上では理解の容易の
ために添付図面中の符号を引用して説明したが、本発明
が図示の例に限定されないのは勿論である。
【0008】
【実施例】以下、図1及び図2を参照して本発明の一実
施例を説明する。図1に示すように、本実施例のウイン
チ装置20は、ウインチドラム21と、このウインチド
ラム21を回転駆動する油圧モータ22と、この油圧モ
ータ22の出力軸22aの回転をウインチドラム21へ
減速して伝達する遊星減速機23とを備え、油圧モータ
22の出力軸22aが遊星減速機23のサンギア24と
連結されることにより、該出力軸22aが遊星減速機2
3の入力軸として用いられている。そして、油圧モータ
22の後端には湿式多板ブレーキ(第1のブレーキ)2
5が設けられ、油圧モータ22の起動、停止に連動して
出力軸22aの回転を許容し、あるいは回転を制動する
ようになっている。
施例を説明する。図1に示すように、本実施例のウイン
チ装置20は、ウインチドラム21と、このウインチド
ラム21を回転駆動する油圧モータ22と、この油圧モ
ータ22の出力軸22aの回転をウインチドラム21へ
減速して伝達する遊星減速機23とを備え、油圧モータ
22の出力軸22aが遊星減速機23のサンギア24と
連結されることにより、該出力軸22aが遊星減速機2
3の入力軸として用いられている。そして、油圧モータ
22の後端には湿式多板ブレーキ(第1のブレーキ)2
5が設けられ、油圧モータ22の起動、停止に連動して
出力軸22aの回転を許容し、あるいは回転を制動する
ようになっている。
【0009】また、遊星減速機23のリングギア26は
ウインチドラム21と一体化され、遊星減速機23のキ
ャリア軸27に嵌合された軸受28によって回転可能に
支持されている。キャリア軸27は、その一端側が遊星
減速機23の遊星ギア29と連結される一方で、他端側
が軸受30、31と嵌合せしめられることにより、ウイ
ンチドラム21に対して回転可能な状態で支持されてい
る。そして、キャリア軸27の他端側にはウインチドラ
ム21と別体のブレーキドラム32がキャリア軸27と
一体に設けられている。このブレーキドラム32の外周
部には、当該ブレーキドラム32に巻き付いてブレーキ
ドラム32の回転を制動可能なバンドブレーキ(第2の
ブレーキ装置)33が設けられている。このバンドブレ
ーキ33は、図示せぬリンク機構を介してブレーキペダ
ルと連結されており、作業者が適宜ブレーキペダルを踏
み込むことによって人為的に操作される。
ウインチドラム21と一体化され、遊星減速機23のキ
ャリア軸27に嵌合された軸受28によって回転可能に
支持されている。キャリア軸27は、その一端側が遊星
減速機23の遊星ギア29と連結される一方で、他端側
が軸受30、31と嵌合せしめられることにより、ウイ
ンチドラム21に対して回転可能な状態で支持されてい
る。そして、キャリア軸27の他端側にはウインチドラ
ム21と別体のブレーキドラム32がキャリア軸27と
一体に設けられている。このブレーキドラム32の外周
部には、当該ブレーキドラム32に巻き付いてブレーキ
ドラム32の回転を制動可能なバンドブレーキ(第2の
ブレーキ装置)33が設けられている。このバンドブレ
ーキ33は、図示せぬリンク機構を介してブレーキペダ
ルと連結されており、作業者が適宜ブレーキペダルを踏
み込むことによって人為的に操作される。
【0010】ブレーキドラム32の中心側には、キャリ
ア軸27と嵌合するボス34が設けられ、このボス34
からバンドブレーキ33と密着する被制動部32aにか
けての部分にはリブ35が設けられている。図2により
詳細に示すように、リブ35は、ブレーキドラム32の
周方向に等しい間隔をおいて複数本(図では8本)設け
られ、それぞれの形状は、ブレーキドラム32の軸線方
向一端側から他端側へ向かうに従って当該ブレーキドラ
ム32の周方向一方の側へ漸次捻れるファン形状をなし
ている。なお、これらリブ35の捻れ方向は、ブレーキ
ドラム32が、ウインチドラム21の巻下げ時における
回転方向と同一方向(図2中矢印A方向)へ回転した時
に、図1に矢印Bで示すごとくウインチドラム21から
ブレーキドラム32へ向かう方向へ空気流が生じるよう
に定められている。
ア軸27と嵌合するボス34が設けられ、このボス34
からバンドブレーキ33と密着する被制動部32aにか
けての部分にはリブ35が設けられている。図2により
詳細に示すように、リブ35は、ブレーキドラム32の
周方向に等しい間隔をおいて複数本(図では8本)設け
られ、それぞれの形状は、ブレーキドラム32の軸線方
向一端側から他端側へ向かうに従って当該ブレーキドラ
ム32の周方向一方の側へ漸次捻れるファン形状をなし
ている。なお、これらリブ35の捻れ方向は、ブレーキ
ドラム32が、ウインチドラム21の巻下げ時における
回転方向と同一方向(図2中矢印A方向)へ回転した時
に、図1に矢印Bで示すごとくウインチドラム21から
ブレーキドラム32へ向かう方向へ空気流が生じるよう
に定められている。
【0011】次に、以上の構成からなるウインチ装置2
0の動作を説明する。本実施例のウインチ装置20で吊
り荷の巻上げと動力降下による巻下げ作業を行うには、
バンドブレーキ33でブレーキドラム32の回転を制動
してキャリア軸27の回転を阻止した状態で、油圧モー
タ22を起動してサンギア24を所望の方向へ回転させ
る。これにより、リングギア26が回転してウインチド
ラム21が所望の方向へ回転し、巻上げ、巻下げ作業が
行われる。また、巻上げ、巻下げ中に油圧モータ22を
停止すれば、油圧モータ22の出力軸22aの回転が湿
式多板ブレーキ25で制動されるとともに、キャリア軸
27の回転が依然としてバンドブレーキ33で阻止され
るので、ウインチドラム21を吊り荷の重さに抗して所
定位置に保持することができる。
0の動作を説明する。本実施例のウインチ装置20で吊
り荷の巻上げと動力降下による巻下げ作業を行うには、
バンドブレーキ33でブレーキドラム32の回転を制動
してキャリア軸27の回転を阻止した状態で、油圧モー
タ22を起動してサンギア24を所望の方向へ回転させ
る。これにより、リングギア26が回転してウインチド
ラム21が所望の方向へ回転し、巻上げ、巻下げ作業が
行われる。また、巻上げ、巻下げ中に油圧モータ22を
停止すれば、油圧モータ22の出力軸22aの回転が湿
式多板ブレーキ25で制動されるとともに、キャリア軸
27の回転が依然としてバンドブレーキ33で阻止され
るので、ウインチドラム21を吊り荷の重さに抗して所
定位置に保持することができる。
【0012】ウインチドラム21の回転停止状態におい
て、バンドブレーキ33によるブレーキドラム32の回
転制動を解除した場合には、キャリア軸27が自由回転
可能となるために、ウインチドラム21が吊り荷の自重
によって自由回転していわゆるフリーフォール状態とな
る。このフリーフォール状態では、ウインチドラム21
の自由回転に伴ってキャリア軸27及びブレーキドラム
32も回転するため、ブレーキドラム32のリブ35に
よって図1の矢印B方向への空気流が発生し、ブレーキ
ドラム32が冷却され続けることになる。
て、バンドブレーキ33によるブレーキドラム32の回
転制動を解除した場合には、キャリア軸27が自由回転
可能となるために、ウインチドラム21が吊り荷の自重
によって自由回転していわゆるフリーフォール状態とな
る。このフリーフォール状態では、ウインチドラム21
の自由回転に伴ってキャリア軸27及びブレーキドラム
32も回転するため、ブレーキドラム32のリブ35に
よって図1の矢印B方向への空気流が発生し、ブレーキ
ドラム32が冷却され続けることになる。
【0013】そして、フリーフォール状態を途中で止め
るには、バンドブレーキ33によってブレーキドラム3
2の回転を制動すれば良い。しかるに、この制動時には
バンドブレーキ33とブレーキドラム32の被制動部3
2aとが摩擦するために、ブレーキドラム32に摩擦熱
が発生する。ところが、本実施例のウインチ装置20で
は、ブレーキドラム32のリブ35自体がファン状に形
成されているために、ブレーキドラム32が回転してい
る限りブレーキドラム32を通過する空気流が得られ、
ブレーキドラム32はその回転を完全に停止するまで冷
却され続ける。従って、摩擦熱によるブレーキドラム3
2の過度の発熱が避けられ、これによりブレーキドラム
32の発熱による損傷やバンドブレーキ33の摩耗量の
増加、ブレーキ力の低下が回避される。
るには、バンドブレーキ33によってブレーキドラム3
2の回転を制動すれば良い。しかるに、この制動時には
バンドブレーキ33とブレーキドラム32の被制動部3
2aとが摩擦するために、ブレーキドラム32に摩擦熱
が発生する。ところが、本実施例のウインチ装置20で
は、ブレーキドラム32のリブ35自体がファン状に形
成されているために、ブレーキドラム32が回転してい
る限りブレーキドラム32を通過する空気流が得られ、
ブレーキドラム32はその回転を完全に停止するまで冷
却され続ける。従って、摩擦熱によるブレーキドラム3
2の過度の発熱が避けられ、これによりブレーキドラム
32の発熱による損傷やバンドブレーキ33の摩耗量の
増加、ブレーキ力の低下が回避される。
【0014】このように、本実施例では、ブレーキドラ
ム32のリブ35の回転で空気流を生じさせて冷却を行
っているので、電動ファンを設けた場合のように装置が
大型化、複雑化することがない。また、電動ファンを用
いないので、故障のおそれが全くなくなるとともに、冷
却のために特別の動力を必要としなくなり、ウインチ装
置20が搭載される機械の燃費低減に貢献できる。ま
た、ブレーキドラム32の内周側からクラッチ等を排除
し、リブ35自体をファン状に形成しているから、図3
〜図8に示す従来例のようにブレーキドラムの外周部に
限定してファンや放熱フィンを設けた場合と比較してフ
ァン径が遥かに増大し、この結果、空気流の流量が従来
より著しく増加して極めて高い冷却効果が得られ、電動
ファンによらなくてもブレーキドラム32の放熱性を十
分に高めることができる。
ム32のリブ35の回転で空気流を生じさせて冷却を行
っているので、電動ファンを設けた場合のように装置が
大型化、複雑化することがない。また、電動ファンを用
いないので、故障のおそれが全くなくなるとともに、冷
却のために特別の動力を必要としなくなり、ウインチ装
置20が搭載される機械の燃費低減に貢献できる。ま
た、ブレーキドラム32の内周側からクラッチ等を排除
し、リブ35自体をファン状に形成しているから、図3
〜図8に示す従来例のようにブレーキドラムの外周部に
限定してファンや放熱フィンを設けた場合と比較してフ
ァン径が遥かに増大し、この結果、空気流の流量が従来
より著しく増加して極めて高い冷却効果が得られ、電動
ファンによらなくてもブレーキドラム32の放熱性を十
分に高めることができる。
【0015】なお、本実施例で示したリブ35の枚数や
形状はあくまで一例であり、これらは必要に応じて適宜
変更され得るものである。特に、リブ35の枚数につい
ては、必要とされる放熱効果に応じて適宜調整される。
また、本実施例では、特にキャリア軸27とブレーキド
ラム32とを一体化しているが、キャリア軸27をウイ
ンチドラム21と一体化する一方で、リングギア26と
ブレーキドラム32とを一体としても良い。
形状はあくまで一例であり、これらは必要に応じて適宜
変更され得るものである。特に、リブ35の枚数につい
ては、必要とされる放熱効果に応じて適宜調整される。
また、本実施例では、特にキャリア軸27とブレーキド
ラム32とを一体化しているが、キャリア軸27をウイ
ンチドラム21と一体化する一方で、リングギア26と
ブレーキドラム32とを一体としても良い。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のウイン
チ装置によれば、フリーフォール状態など巻下げ時にお
けるブレーキドラムの回転を利用して空気流を発生さ
せ、この空気流によりブレーキドラムを冷却しているの
で、電動ファンを設けた場合のように装置が大型化、複
雑化することがない。また、電動ファンを用いないので
故障のおそれが排除されるとともに、無駄なエネルギ消
費もなくなってウインチ装置が搭載される機械の燃費低
減に貢献できる。しかも、ブレーキドラムの内周側から
クラッチ等を排除してリブ自体をファン状に形成してい
るから、従来と比較してファン径が遥かに増大して極め
て高い冷却効果が得られ、電動ファンによらなくてもブ
レーキドラムの放熱性を十分に高めることができる。
チ装置によれば、フリーフォール状態など巻下げ時にお
けるブレーキドラムの回転を利用して空気流を発生さ
せ、この空気流によりブレーキドラムを冷却しているの
で、電動ファンを設けた場合のように装置が大型化、複
雑化することがない。また、電動ファンを用いないので
故障のおそれが排除されるとともに、無駄なエネルギ消
費もなくなってウインチ装置が搭載される機械の燃費低
減に貢献できる。しかも、ブレーキドラムの内周側から
クラッチ等を排除してリブ自体をファン状に形成してい
るから、従来と比較してファン径が遥かに増大して極め
て高い冷却効果が得られ、電動ファンによらなくてもブ
レーキドラムの放熱性を十分に高めることができる。
【図1】本発明の一実施例に係るウインチ装置の軸方向
断面図である。
断面図である。
【図2】図1のII−II線における矢視図である。
【図3】従来のウインチ装置の軸方向断面図である。
【図4】従来のウインチ装置におけるブレーキドラムの
冷却ファンの一例を示す図である。
冷却ファンの一例を示す図である。
【図5】図4に示す冷却ファンを、同図の矢印V方向か
ら見た状態を示す図である。
ら見た状態を示す図である。
【図6】図4のVI−VI線における断面図である。
【図7】図3のC部を拡大して示す図である。
【図8】図7に示す放熱フィンを同図の矢印VIII方向か
ら見た状態を示す図である。
ら見た状態を示す図である。
20 ウインチ装置 22 油圧モータ 22a 油圧モータの出力軸 23 遊星減速機 25 湿式多板ブレーキ(第1のブレーキ) 26 リングギア 27 キャリア軸 32 ブレーキドラム 33 バンドブレーキ(第2のブレーキ) 35 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 65/807 8009−3J
Claims (1)
- 【請求項1】 ウインチドラムと、このウインチドラム
を回転駆動するモータと、このモータの出力軸の回転を
前記ウインチドラムへ減速して伝達する遊星減速機とを
備えたウインチ装置において、 前記遊星減速機の入力軸の回転を制動する第1のブレー
キを設けるとともに、前記遊星減速機のリングギア及び
キャリア軸のいずれか一方を前記ウインチドラムと一体
に設け、他方に前記ウインチドラムと別体のブレーキド
ラムを設け、このブレーキドラムの外周側に当該ブレー
キドラムの回転を制動する第2のブレーキを設け、前記
ブレーキドラムの中心側に設けられる前記リングギアま
たはキャリア軸との嵌合部から当該ブレーキドラムの外
周に設けられる被制動部にかけてリブを設け、このリブ
を当該ブレーキドラムの回転によって空気流を生じさせ
るファン状に形成したことを特徴とするウインチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31938391A JPH05155589A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ウインチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31938391A JPH05155589A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ウインチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155589A true JPH05155589A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18109548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31938391A Pending JPH05155589A (ja) | 1991-12-03 | 1991-12-03 | ウインチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05155589A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0538662A2 (de) * | 1991-10-21 | 1993-04-28 | FÜRSTLICH HOHENZOLLERNSCHE WERKE LAUCHERTHAL GMBH & CO. | Freifallwinde |
US5902537A (en) * | 1995-02-01 | 1999-05-11 | 3D Systems, Inc. | Rapid recoating of three-dimensional objects formed on a cross-sectional basis |
KR100613431B1 (ko) * | 2004-12-07 | 2006-08-17 | 주식회사 고려호이스트 | 이중브레이크 장착형 호이스트 |
IT201700046131A1 (it) * | 2017-04-28 | 2018-10-28 | Dana Brevini S P A | Argano a struttura semplificata |
CN110550567A (zh) * | 2019-08-29 | 2019-12-10 | 无锡宏盟海洋科技有限公司 | 一种绞车 |
-
1991
- 1991-12-03 JP JP31938391A patent/JPH05155589A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2018197512A1 (en) * | 2017-04-28 | 2018-11-01 | Dana Brevini S.P.A. | Winch with simplified structure |
US11078056B2 (en) | 2017-04-28 | 2021-08-03 | Dana Motion Systems Italia S.R.L. | Winch with simplified structure |
CN110550567A (zh) * | 2019-08-29 | 2019-12-10 | 无锡宏盟海洋科技有限公司 | 一种绞车 |
CN110550567B (zh) * | 2019-08-29 | 2024-03-26 | 无锡海核装备科技有限公司 | 一种绞车 |
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