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JPH05118695A - 吸着式冷却装置 - Google Patents

吸着式冷却装置

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Publication number
JPH05118695A
JPH05118695A JP3081000A JP8100091A JPH05118695A JP H05118695 A JPH05118695 A JP H05118695A JP 3081000 A JP3081000 A JP 3081000A JP 8100091 A JP8100091 A JP 8100091A JP H05118695 A JPH05118695 A JP H05118695A
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JP
Japan
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evaporator
adsorbent
cooling
adsorption
heat
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JP3081000A
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Yoshio Miyairi
嘉夫 宮入
Toshihiko Yamanaka
敏彦 山中
Minoru Hanai
実 花井
Harunobu Mizukami
春信 水上
Masaki Bessho
正樹 別所
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着剤槽を小型化して装置の配置の自由度を
大きくし冷房能力の増加を図ると共に、蒸発器内の冷却
媒体の液面レベルを安定化して被冷却媒体の温度制御を
高精度かつ安定的に行う省エネルギかつ無公害の吸着式
冷却装置を提供する。 【構成】 固体吸着剤及び伝熱管を内蔵してなる吸着剤
充填槽100A,100Bを少なくも2槽設け、上記各
充填槽を冷媒が一方向蒸気流を生成して循環するように
凝縮器400及び蒸発器600を接続すると共に、上記
充填槽の一方が吸着工程を行うときは他方が脱着工程を
行うように交互に工程を切換える吸着式冷却装置におい
て、上記凝縮器400と蒸発器600との間に冷媒液貯
溜容器500を設け、同容器を上記蒸発器の入口ヘッダ
ーよりも下方に設置したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸着式冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車,建設機械,マリンボー
ト等内燃機関を動力源とする乗り物の室内及び又は冷蔵
庫冷却用として、図2に示すように、フロンガスを冷媒
とし前記機関を動力源とする蒸気圧縮式冷却装置が従来
より知られている。この種の蒸気圧縮式冷却装置は、走
行乃至作業を目的とする機関の出力の一部を冷却のため
に使用するのであるから、機関の負担が増加するのみな
らず、燃料消費率を低下させる不具合があり、また最近
は専らフレオンを冷媒として使用するのでオゾン層破壊
の問題から総量規制、生産削減等の法規制が取られるに
至っている。
【0003】そこで、これに対処する目的で、エンジン
の排熱を加熱部の熱源とする吸着式冷凍機を用い、フロ
ンガスを用いない自動車クーラーが、実開平01−12
6811号により提案されている。この提案は、図3に
示すように、蒸発部2と、蒸発部2から発生する冷媒蒸
気を吸着する吸着部3と、吸着した冷媒蒸気を加熱によ
り蒸発(脱着の意味と解される)させる加熱部4と、加
熱部からの蒸気を凝縮させる凝縮部5とを有する吸着式
冷凍機1を設けるとともに、蒸発部2の熱交換器6を自
動車室内冷房用の冷房回路7に接続し、吸着部3及び凝
縮部5の熱交換器8及び9を密閉型空冷回路10に接続
し、加熱部4の熱交換器11をエンジン熱供給回路12
に接続し、熱源として自動車エンジンの冷却排熱の一部
を利用するのである。
【0004】この構造を詳説すると、図4に示すよう
に、吸着式冷凍機1はそれぞれ蒸気流路13により接続
された吸着剤槽14と蒸気槽15とを真空状態のもとに
密閉したまま両槽14,15に熱交換器を各別に設けて
なる2個の吸脱ユニットA,Bを設け、吸着剤槽14に
は冷媒例えば水を一定量吸着させたシリカ系の固体吸着
剤Sを充填する。そして吸脱ユニットAの吸着剤槽14
の熱交換器を加熱部4の熱交換器11としてエンジン熱
供給回路12に接続し、吸脱ユニットAの蒸気槽15と
吸脱ユニットBの吸着剤槽14とにおける熱交換器をそ
れぞれ熱交換器9,8として空冷回路10に接続して冷
却水を供給する。更に吸脱ユニットBの蒸気槽15の熱
交換器を蒸発部2の熱交換器6として冷房回路7に接続
する。
【0005】このようにして、まず吸脱ユニットAの吸
着剤槽14内の固体吸着剤Sをエンジン熱の供給により
加熱し、吸着していた冷媒水分を蒸発させつつ蒸気流路
13を経て熱交換器9で凝縮させ(これを当出願人は脱
着という)、かつ吸脱ユニットBにおいては、吸脱ユニ
ットAの脱着完了の下に、吸着剤槽14の熱交換器8に
30℃程度の冷水を供給し、蒸気槽15の熱交換器6に
は冷房回路7の冷水を通じることにより、冷媒蒸気の吸
着作用を発揮させて、蒸気槽15の熱交換器6に凝縮し
ていた冷媒水を蒸発させ、そのときの潜熱で冷房回路7
の冷水を8℃程度まで冷却する。ここで、熱交換器11
と8,9と6は対交換して運転され、蒸気流路13によ
り接続された吸着剤槽14と蒸気槽15とを真空状態の
もとに密閉したまま両槽14,15に熱交換器を各別に
設け、吸着剤槽14には冷媒例えば水を一定量吸着させ
たシリカ系の固体吸着剤Sを充填し、吸脱ユニットA,
Bの吸着剤槽14は交互に加熱と冷却を受け、対応する
蒸気槽15はそれぞれ凝縮部5(凝縮器)及び蒸発部2
(蒸発器)として交互に作用し、冷房回路は常に蒸発部
に切り替え接続することで、蒸発部の冷媒の蒸発に伴う
潜熱により効果的な冷房作用を行うのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな吸着式冷凍機1はそれぞれ吸着剤槽14と蒸気槽1
5を蒸気通路13で一体に連結してなる吸脱ユニット
A,Bを2基必要とするので、現在入手し得る固体吸着
剤Sの吸着量特性では、吸着剤槽14はかなり大きな容
積を必要とし、蒸発の潜熱を取り出すための熱交換器の
所要面積もかなり大きくなる。自動車用のように、小
型,軽量,低燃費(高性能),無公害を商品価値の判断
尺度に持ち、各種機器の装着密度の極めて高い用途に対
しては、低燃費及びフロンガスに対する無公害の点でこ
の提案は優れているが、下記のように、改善すべき点も
ある。 (1) 内燃機関を動力源とする乗り物その他設備等では、
前記機関を冷却するための冷却水から得られる排熱を利
用するだけでは、所要温度レベルと熱量がアイドリング
運転時に不足する。 (2) 吸着剤槽14と蒸気槽15を一体的に構成すること
は、装着の自由度を制約する。 (3) 冷房回路の熱交換器22と吸着式冷凍機1の蒸発部
2(蒸気器)を兼用することが有利である。 (4) 脱着に便利な熱源としては、固体吸着剤の呼吸量を
多くして蒸発に寄与する冷媒量を多くし、冷房能力を大
きくするには、脱着温度は高いのが好ましく、機関の冷
却水に基づく機関排熱だけでは不十分の場合は機関の排
熱が保有する熱も併用するのが望ましい。
【0007】そこで、本出願人はさきに特願平2−32
4856号をもって下記するような吸着式冷凍装置を提
案した。すなわち、図5において、100A,100B
はそれぞれ吸着剤充填槽、101は吸着剤充填槽内の空
所、110は熱交換部材、120は固体吸着剤、130
は筒状容器、131A、131Bは熱媒体供給口、20
0は加熱用熱媒体回路、210は機関の冷却水循環回
路、211は機関、212はラジエーター、213は分
流弁、214はポンプ、215はパイピング、220は
排気熱交換器、300は冷却水循環回路、310は空気
冷却器、320はポンプ、400は凝縮器、500は凝
縮液体貯留容器、600は蒸発器、601はドレン、6
11はダクト、612は送風機、700は4方切替弁、
800は密閉循環系形成手段、810は蒸気通路、81
1は絞り弁、900は加熱用熱媒体回路200の方向切
替弁、1000は冷却水循環回路300の方向切替弁、
1100は水冷媒(吸着質)である。
【0008】この吸着式冷却装置は2基の吸着剤充填槽
100A,100Bのそれぞれ内部と固体吸着剤120
のなす空所101は、4方切替弁900を介して単一の
蒸気通路810で連結され、各吸着剤充填槽100A,
100Bの熱交換部材110は入口及び出口側で夫々加
熱用熱媒体回路200と冷却水循環回路300に、方向
切替弁900及び1000を介して並列接続され、方向
切替弁の選択的切替えにより、一方の吸着剤充填槽を加
熱し他方を冷却することができる。凝縮器400、凝縮
液体貯溜容器500、蒸発器600は一方の吸着剤充填
槽の空所から他方の吸着剤充填槽の空所へ、密閉循環系
形成手段800と4方切替弁700を介して密閉的に連
結され、4方切替弁700の切替え操作により、脱着工
程にある吸着剤充填槽から脱着(又は放出)される吸着
質蒸気を、吸着工程にある吸着剤充填槽に向け一方向的
に蒸気通路810へ蒸気を供給する。蒸気通路810へ
供給された蒸気は凝縮器400で凝縮され、一旦凝縮液
体貯溜容器500に溜められた後、蒸発器600で冷却
負荷610から蒸発熱を奪って蒸発し、吸着工程にある
吸着剤充填槽内の吸着剤に吸着される。加熱用熱媒体回
路200は例えば乗り物の動力源となる内燃機関211
を冷却するための、ラジエーター212,ポンプ21
4,パイピング215よりなり、冷却水循環回路210
に排気熱交換器220を直列又は並列に接続して、分流
弁213を介して、ラジエーター212と吸着剤充填槽
を並列接続する。このようにして、機関211のシリン
ダー部を冷却して得られるより高温の熱源が得られる。
蒸発器600からの蒸気通路810の上流又は下流側に
は、負荷に適合した蒸気供給を行うため適宜絞り811
を設ける。蒸発器600の負荷は、例えばダクト611
を介し送風機612より送られる車室内の空気であり、
冷却に伴って当然ドレンが発生するので、これを空気冷
却器310及び又は凝縮器400すなわち冷却水循環回
路300の冷却に用いて性能向上を図る。なお、4方切
替弁700、方向切替弁900、1000は2方向弁を
用いて図6変形図に示すようにしても良い。
【0009】ここで、冷媒として作用させる水を吸着質
とし、吸着剤を (a)JIS A型シリカゲル (b)モレキュラシブ13X (c)モレキュラシブ 4X としたときの吸着等温線を示すと、それぞれ図7、図
8、図9に示す通りである。例えばJIS A型シリカ
ゲルと水の場合は図7に示すように、 水蒸気分圧42.2mmHg(相当飽和温度35℃) 吸着剤温度85℃の時吸着量qt=85=5% 水蒸気分圧6.5mmHg(相当飽和温度5℃) 吸着剤温度35℃の時吸着量qt=35=9% とそれぞれ異なった吸着量を示す。そしてこの変化は可
逆変化であるから、吸着剤の温度とそれに対応する吸着
質の圧力を適宜選択すれば、所定量の吸着質の出し入れ
が可能となり、上記の例では吸着量の変化量(呼吸量と
も表現できる)Δqは4%、すなわち吸着剤1kg当たり
40gの水分量移動となる。各吸着剤の水分の平衡呼吸
量Δqを図10に示す。この装置では吸着剤と吸着質を
充填した容器の2基を設け、それぞれ容器内の吸着剤と
吸着質の界面の上記2水準の圧力と温度を、一方が高い
水準で脱着工程にあるとき他方が低い水準の吸着工程に
なるように選択的に切り替えることで、脱着工程にある
一方の容器内(又は容器内の吸着剤)から放出される蒸
気は吸着工程にある他方の容器内(又は容器内の吸着
剤)に吸引され、他方の容器(又は容器内の吸着剤)は
一種の吸引ポンプ的作用をする。容器へ又は容器からの
吸着質の移動は気相で進行するから、これが円滑に進む
ように、つまり吸着質の吸着剤への接触と吸着剤からの
分離の均一化のために、容器内には吸着質蒸気の通路と
なる空所を設けここに連結する流路を介して蒸気移動が
なされる。
【0010】吸着剤界面への熱量の供給と除去:吸着剤
の温度を上げ下げするためには、加熱のために熱源と冷
却のための冷却源を要し、そのために筒状容器130の
内部に、吸着剤が熱交換部材110の表面を覆うように
熱交換部材110を設け、その内部に熱媒体通路を内蔵
し熱媒体供給口131A,131Bを介して外部と連通
する。この外部をそれぞれ吸着剤充填槽100A,10
0Bの熱媒体供給口131A,131Bの入口と出口を
加熱用熱媒体回路200と冷却水循環回路300に並列
的に選択接続する1対の方向切り替弁900,1000
に接続することで、加熱源である高温液状の加熱用熱媒
体回路200と冷却源である空気冷却器310を有する
冷却水循環回路300に選択的に接続し加熱と冷却を行
う。その結果、一方の吸着剤の界面では脱着、他方の吸
着剤の界面では吸着が進行する。
【0011】吸着質蒸気の凝縮と蒸発:脱着と吸着に伴
う吸着質蒸気の単なる移動では熱力学的冷却作用は起こ
らないので、吸着質の潜熱を取り出すには脱着により得
られる吸着質蒸気を冷却して一旦凝縮させた後、これを
蒸発させる工程が不可欠である。この脱着蒸気の凝縮
を、空気冷却器310を有する冷却水循環回路300で
冷却される凝縮器400を介して行い、凝縮器400で
凝縮した液化吸着質を蒸発器600で蒸発させ、所望の
媒体から熱を奪う、すなわち冷却作用を取り出す。その
際、凝縮器400と蒸発器600の圧力は動作変数とし
て気液平衡の関係から、例えば凝縮温度35℃なら4
2.2mmHg,蒸発温度 5℃なら 6.5mmHg,と
なり、熱の授受を伴うこの条件を満たすように、凝縮器
400と蒸発器600を設計する。
【0012】蒸気流路の切り替え:2基の吸着剤充填槽
の内部は4方切替弁700の2つの流路を介して連通
し、4方切替弁700の流路のうち他の2つの流路は、
一方から他方に向かって、凝縮器400、液体貯溜用容
器500、蒸発器600の順に連結する密閉循環系形成
手段800により密閉的に連結されて単一の蒸気流路を
形成する。そしてこれらは単一の蒸気流路を形成し、2
基の吸着剤充填槽がそれぞれ脱着と吸着を交互に繰り返
すのに対し、常に脱着側の吸着剤充填槽の空所は凝縮器
400の入口側に、吸着側の吸着剤充填槽の空所は蒸発
器600の出口側に連結され、一方向蒸気流を生成す
る。
【0013】脱着と吸着作用切替えに伴う蒸気流量変動
の抑制:液体貯溜用容器500は2基の吸着剤充填槽の
脱着と吸着に交互に切替えしたとき、蒸気流路内の蒸気
量変動を抑制するバッファーの作用を行う。
【0014】冷却作用:凝縮器400で液化された吸着
質は蒸発器600の入口部でその圧力飽和温度まで自己
冷却し、その後、冷却負荷である媒体から熱を奪って蒸
発する。例えば蒸発圧力飽和温度が5℃のとき、水の蒸
発潜熱は1968年日本機械学会蒸気表により594.
6Kcal /kgであるから、単位重量(1kg)の吸着剤当
たり23.8Kcal の冷却効果を得る。
【0015】内燃機関の排熱回収:自動車、建設機械、
マリンボート等内燃機関を動力源とする乗り物の、又は
ディーゼル発電機等を装備する設備等に用いられる内燃
機関の冷却は冷却水循環回路210により、機関のシリ
ンダー周りに冷却水を循環的に流してなされる。この冷
却水循環回路210に排気熱交換機220を直列又は並
列接続して、機関の排熱を回収し従来の冷却水循環回路
210で回収されるより高温かつ所定量の熱回収を行
い、吸着剤の脱着温度を高め、吸着質の呼吸量を増加
し、以て吸着剤単位重量当たりの蒸気発生量を増加さ
せ、冷却効果を高める。更に付言すれば、同じ冷却効果
を得るのに対し少ない吸着剤量で吸着剤充填槽の小型
化、軽量化をもたらす。また、車両の冷房負荷は、車
種、運転条件、気象条件により異なるが、一例を挙げる
と次の如くなる。すなわち、排気量2000ccクラスの
乗用車の場合、 外気温度35℃ 車室内温度25℃とすると、 車速40Km/h走行時約3500Kcal /h アイドリング運転時約2500Kcal /hとなる。一
方、特にアイドリング運転時に着目すると、既設の冷却
水系におけるラジエーターの放熱量は約2600Kcal
/hと見積もられる。加熱に用いられる熱量に対し冷却
に寄与する熱量は、この種の冷却装置の成績係数が0.
5〜0.7であることを考慮すれば、不足することが解
る。ここで、排気の保有する熱量を、200℃程度まで
回収すれば、内燃機関から全体として回収される熱量は
約4500Kcal /hと見積られ、冷房負荷を十分賄い
得る熱量である。走行条件に付いても同様に熱勘定で
き、排気熱回収が必要である。
【0016】空気冷却器及び又は凝縮能力増加蒸発器6
00には冷却負荷として水蒸気を含んだ空気が作用する
ので、蒸発器で冷却された空気中の水蒸気の飽和分圧は
下がり、余分の水蒸気はドレン601として分離され
る。この冷えたドレン601を冷却水循環回路300の
空気冷却器310及び又は冷却水循環回路300で冷却
される凝縮器400の冷却に使えば、冷熱の損失防止と
空気冷却器及び又は凝縮の能力増加に役立つ。
【0017】吸着剤の選定:吸着質が決まり、吸着温
度、脱着温度、蒸発圧力、凝縮圧力が決まると、吸着剤
の選定いかんは吸着式冷却器の単位重量当たりの冷却能
力を支配する要因となる。吸着質を水とし、吸着温度/
脱着温度=35/85℃、蒸発温度飽和圧力/凝縮温度
飽和圧力=6.5/42.2mmHgに対する吸着剤の呼
吸量は下記の通りであり、 (1) 4.0% (2) 3.2% (3) 2.5% (4) 1.
5% ただし、 (1) JIS A型シリカゲル (2) 活性アルミナ (3) ゼオライト4A (4) ゼオライト13X であり、オングストロームオーダーの粒状多孔のJIS
A型シリカゲル〜活性アルミナが吸着剤として好適で
ある。
【0018】しかしながら、その後の研究によりこのよ
うな冷却装置に採用される慣用の蒸発器では、図11要
部拡大図に示すように、蒸発器の液面制御は行っておら
ず、被冷却媒体(空気)の温度制御は冷却媒体又は被冷
却媒体の供給流量の調節によって行っているに過ぎない
ので、流量制御では、蒸発面液の制御ができないことが
判明した。因みに、このような供給流量制御では、図1
1に示すように、凝縮液貯溜容器500の圧力Pc が2
5〜40mmHg(Tc =26〜34℃)の範囲で変動
し、蒸発器600の性能が不安定となり、蒸発液面の高
さが変化すると、冷却媒体側の伝熱速度ひいては蒸発速
度が大きく変動する結果、液面変動による外乱が生ず
る。これは、冷却媒体(水)の蒸発は原理的に蒸発面近
傍を含め、これより上方の気液混相部で発生しており、
液面の高さの変動により見かけ上の伝熱面積が変化する
ことになり、蒸発量が不規則に変動することによる。
【0019】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、吸着剤槽を小型化して装置の配置の自由度を
大きくし冷房能力の増加を図ると共に、蒸発器内の冷却
媒体の液面レベルを安定化して被冷却媒体の温度制御を
高精度かつ安定的に行う省エネルギかつ無公害の吸着式
冷却装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、固
体吸着剤及び伝熱管を内蔵してなる吸着剤充填槽を少な
くも2槽設け、上記各充填槽を冷媒が一方向蒸気流を生
成して循環するように凝縮器及び蒸発器を接続すると共
に、上記充填槽の一方が吸着工程を行うときは他方が脱
着工程を行うように交互に工程を切換える吸着式冷却装
置において、上記凝縮器と蒸発器との間に冷媒液貯溜容
器を設け、同容器を上記蒸発器の入口ヘッダーよりも下
方に設置したことを特徴とする。
【0021】
【作用】このような構成によれば、吸着剤充填槽100
A,100Bの熱媒体供給口131A,131Bの入
口,出口をそれぞれ加熱用熱媒体回路200,冷却水循
環回路300に各1対の方向切替弁900,1000に
より並列接続的に切替えることで、吸着剤槽を小型化し
て配置及び装置の自由度を大きくするとともに冷房能力
を増加して省エネルギかつ無公害の吸着式冷凍装置が得
られる。また、凝縮液貯溜容器500の圧力Pc が変動
しても、その液面レベルは一定となり、蒸発器の性能が
安定し、温度制御性が向上する。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図1はその蒸発器近付を示す部分縦断面図で、図5
と同一の符号はそれぞれ同図と同一の部材を示し、本発
明が同図の装置と異なるところは、その冷媒液貯溜容器
を蒸発器の入口ヘッダーの若干下方に設けたことにあ
る。また、必要に応じて蒸発器内の冷媒液面レベルを一
定に保つヘッド調整手段を設けたことにある。すなわ
ち、図1において、 (1) 液化吸着質の冷却液体貯溜槽500aは蒸発器60
0の入口ヘッダー602の若干下方に設置する。 (2) 貯溜槽500aと蒸発器入口ヘッダー602とを接
続する吸着質冷却媒体流路603の途中に均圧管付ヘッ
ド可変手段604を設ける。 (3) ヘッド可変手段はベローズ型であってPC により自
力で伸縮する。 (4) また、ヘッド可変手段は検出器による貯溜槽圧力P
c の検出信号に応じてピストンシリンダー、リニアモー
ター等直線変位機構により伸縮する。 (5) PC の所定範囲ごとにベローズの高さを段階的に制
御する一方、冷房側の負荷変動に応じて蒸発側の液面信
号を検出して液面レベルを所定の範囲に保つようにΔh
を制御する。 ここで、(PC −PE )/γ=h=(ho ’+Δho
+Δh 上記(1) により、hの変動範囲をΔh内に減少すること
ができ、上記(2) 〜(5) によりΔhの変動を吸収するこ
とができる。その結果、蒸発器600の液面変動はΔh
max 以下となり、上記(1) ,(2) を同時に施せば、実質
的にΔho まで減する。 h=(PC −PE )/γ=(ho ’+Δho )+Δh=
18.5+(0〜15) ここで、Δh…可変ヘッド分 Δho …設定差圧分 ho ’…Δhを減少するためのヘッド 本発明は図6に示した吸着式冷却装置の蒸発器にも通用
できることはいうまでもない。
【0023】このような制御型蒸発器を付設した吸着式
冷却装置によれば、下記の効果が奏せられる。 (1) 吸着剤槽14(図4)と蒸気槽15(図4)は互い
に分離構成されているので、その設置はかなり自由にな
る。 (2) 冷却回路の熱交換器22(図4)と吸着式冷凍機1
の蒸発部2(蒸発器)(図4)を兼用することにより構
造が簡単になる。 (3) 脱着のための熱源としては、固有吸着剤の呼吸量を
多くして蒸発に寄与する冷媒量を多くし、冷房能力を大
きくするには、脱着温度は高いのが好ましく機関の冷却
水に基づく機関排熱だけでは不十分の場合には機関の排
気が保有する熱も利用して吸着質の呼吸量増加に寄与
し、冷却装置の単位重量当の冷却能力は向上する。 (4) 蒸気流路は唯一であり、この種の冷却装置としては
極めて簡素な構成であり小型化及び軽量化に寄与すると
ころ大であると共に、極めて簡素な構成による信頼性増
加も期待できる。 (5) 軽量化とエンジン動力を要しないことに伴い乗り物
の運搬動力は低減され燃費向上になる。 (6) フロン系冷媒を使わずに冷却能力を取り出すことが
できるので、オゾン層破壊の防止に寄与するところ大で
ある。 (7) 蒸発器内の冷却媒体の液面レベルを一定に保持する
ことにより、被冷却媒体の温度制御を安定化するととも
に高精度にする。
【0024】
【発明の効果】要するに本発明によれば、固体吸着剤及
び伝熱管を内蔵してなる吸着剤充填槽を少なくも2槽設
け、上記各充填槽を冷媒が一方向蒸気流を生成して循環
するように凝縮器及び蒸発器を接続すると共に、上記充
填槽の一方が吸着工程を行うときは他方が脱着工程を行
うように交互に工程を切換える吸着式冷却装置におい
て、上記凝縮器と蒸発器との間に冷媒液貯溜容器を設
け、同容器を上記蒸発器の入口ヘッダーよりも下方に設
置したことにより、吸着剤槽を小型化して装置の配置の
自由度を大きくし冷房能力の増加を図ると共に、蒸発器
内の冷却媒体の液面レベルを安定化して被冷却媒体の温
度制御を高精度かつ安定的に行う省エネルギかつ無公害
の吸着式冷却装置を得るから、本発明は産業上極めて有
益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の蒸発器付近を示す縦断面図
である。
【図2】公知のフロンガスを使用したカークーラーシス
テムを示す系統図である。
【図3】公知の吸着式カークーラーを示す系統図であ
る。
【図4】図3の詳細図である。
【図5】本出願人がさきに提案した特願平2−3248
56号に係る吸着式冷凍装置を示す全体系統図である。
【図6】図5の変形例を示す同じく全体系統図である。
【図7】,
【図8】,
【図9】はそれぞれ代表的な吸着剤の吸着等温線を示す
線図である。
【図10】吸着質の呼吸量の比較例を示す線図である。
【図11】図5の蒸発器付近を示す要部拡大図である。
【0025】
【符号の説明】
100A,100B 吸着剤充填槽 101 吸着剤充填槽内の空所 110 熱交換部材 120 固体吸着剤 130 筒状容器 131A,131B 熱媒体供給口 200 加熱用熱媒体回路 210 機関の冷却水循環回路 211 機関 212 ラジエーター 213 分流弁 214 ポンプ 215 パイピング 220 排気熱交換器 300 冷却水循環回路 310 空気冷却器 320 ポンプ 400 凝縮器 500,500a 凝縮液体貯溜容器 550 気液分離器 600 蒸発器 601 ドレン 602 入口ヘッダー 603 冷却媒体流路 604 ヘッド可変手段 610 冷却負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水上 春信 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 別所 正樹 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体吸着剤及び伝熱管を内蔵してなる吸
    着剤充填槽を少なくも2槽設け、上記各充填槽を冷媒が
    一方向蒸気流を生成して循環するように凝縮器及び蒸発
    器を接続すると共に、上記充填槽の一方が吸着工程を行
    うときは他方が脱着工程を行うように交互に工程を切換
    える吸着式冷却装置において、上記凝縮器と蒸発器との
    間に冷媒液貯溜容器を設け、同容器を上記蒸発器の入口
    ヘッダーよりも下方に設置したことを特徴とする吸着式
    冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の吸着式冷却装置において、前
    記冷媒貯溜容器と蒸発器との間に同蒸発器内の冷媒液面
    高さを一定に保つヘッド調整手段を設けたことを特徴と
    する吸着式冷却装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7412836B2 (en) * 2003-03-10 2008-08-19 Daikin Industries, Ltd. Humidity control device
JP2015224851A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 株式会社デンソー 化学蓄熱システム
JP2016176632A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 カルソニックカンセイ株式会社 吸着式冷凍機

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JPS6449860A (en) * 1987-08-21 1989-02-27 Mitsubishi Electric Corp Chemical heat pump device

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