JPH04120536U - 一体型空気調和機の凝縮水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 室外側にスリンガリング付プロペラファンを
設けた一体型空気調和機において、凝縮水を効率よく処
理して室外側熱交換器の性能を向上させることを目的と
する。 【構成】 基板１及び外箱等により形成した空気調和機
本体と、前記空気調和機本体内に設けられた室外側熱交
換器２と、前記室外側熱交換器２に対向して設けられた
スリンガリング５を有するプロペラファン４と、前記室
外側熱交換器２と連通しかつ前記プロペラファン４と共
に通風路を形成するエアガイダ３を設け、前記エアガイ
ダ３の室外側熱交換器２側に、前記室外側熱交換器２に
接触するリブ１４を一体に設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、室外側にスリンガリング付プロペラファンを設けた一体型空気調和 機の凝縮水処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の凝縮水処理装置は、第５〜６図に示すように、基板１０１の上 に室外側熱交換器１０２とエアガイダ１０３と周知の冷凍サイクルを構成する圧 縮機１１０が設けられている。１０４はプロペラファン、１０５は前記プロペラ ファン１０４に取り付けられているスリンガリング、１０６はプロペラファン１ ０４を回転させるファンモータである。

【０００３】 上記構成において基板１０１に溜まった凝縮水は、ファンモータ１０６により 回転しているスリンガリング１０５によってＡ点付近でかき揚げられ、その一部 が、前記室外側熱交換器１０２に供給されるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記の構成では凝縮水は、Ａ点においてスリンガリング１０５に よってかき揚げられエアガイダ１０３の側板１０７と天板（図示せず）及び斜面 １０８に衝突し、この斜面１０８を伝わって基板１０１へ回収（戻る）される。 したがって、凝縮水はスリンガリング１０５の接線（矢印Ｂ）方向に飛散するの が主流であり、若干量しか室外側熱交換器１０２には飛散しないため、凝縮水に よる室外側熱交換器１０２の能力も若干しか向上することが出来なかった。その 結果、室外側熱交換器が大きくなり製品のコンパクト化及びコスト合理化を推進 していく上で効率的な凝縮水処理装置が求められていた。また凝縮水も効率良く 蒸発させることができないため、高湿度状態では凝縮水が基板１０１からオーバ ーフローして本体設置場所付近を汚していた。

【０００５】 また、室外側熱交換器１０２に飛散する凝縮水は、前記プロペラファン１０４ によって吹き出される室外空気の特に風速の速い一部分に集中する。このため室 外側熱交換器１０２の通風抵抗が増大し、室外風回路１０９内の室外空気の流れ が乱れ結果的に室外風量の低下を招くと共に通風音にも悪影響を及ぼしていた。

【０００６】 本考案は、上記従来の問題点を解決するもので、凝縮水を効率よく蒸発させる ことにより、室外側熱交換器の性能を向上させるとともに、製品のコンパクト化 及びコスト合理化を図り、また、凝縮水のオーバーフローを防止することを第１ の目的とする。

【０００７】 第２の目的は上記第１の目的を達成するとともに凝縮水による室外風回路内の 空気の乱れを防止することである。

【０００８】 第３の目的はより効率的に凝縮水を処理して上記第１の目的を達成することで ある。

【０００９】 第４の目的は室外熱交換器全体にわたって一様に凝縮水がいきわたるようにす ることによってより効率的に上記第１の目的を達成することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記第１の目的を達成するための本考案の第１の手段は、基板及び外箱等によ り形成した空気調和機本体と、前記空気調和機本体内に設けられた室外側熱交換 器と、前記室外側熱交換器に対向して設けられたスリンガリングを有するプロペ ラファンと、前記室外側熱交換器と連通しかつ前記プロペラファンと共に通風路 を形成するエアガイダを設け、前記エアガイダの室外側熱交換器側に、前記室外 側熱交換器に接触するリブを一体に設けたものである。

【００１１】 上記第２の目的を達成するための本考案の第２の手段は上記第１の手段におけ るリブを空気調和機本体の横幅方向に任意の角度で傾斜させたものである。

【００１２】 上記第３の目的を達成するための本考案の第３の手段は上記第１の手段又は第 ２の手段におけるリブを、室外側熱交換器方向に向かって斜め下方向に傾斜させ たものである。

【００１３】 上記第４の目的を達成するための本考案の第４の手段は上記第１から第３の手 段におけるリブを複数設けたものである。

【００１４】

【作用】

上記第１の手段および第３の手段においては、スリンガリングによりかき揚げ られた凝縮水はまずエアガイダの斜面にあたり、その後傾斜面を伝わって下方向 に流れ、リブを伝わって、室外熱交換器に供給される。

【００１５】 上記第２の手段においては、リブが整流板となり、室外風回路内の風の乱れを 防止する 上記第４の手段においては、凝縮水が複数のリブを伝わって、室外熱交換器に 一様に供給される。

【００１６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。図１から図４ において、１は基板でこの基板１の上には室外側熱交換器２とエアガイダ３と周 知の冷凍サイクルを構成する圧縮機７が設けられている。４は前記室外側熱交換 器２に対向して設けられたプロペラファンである。５は前記プロペラファン４に 取り付けられているスリンガリングである。６は前記プロペラファン４を回転さ せるファンモータである。ここで前記エアガイダ３は、プロペラファン４により 発生した風を前記室外側熱交換器２に導くベルマウス部８と前記室外側熱交換器 ２の端板９，１０と係合している側板１１，１２と斜面１３と前記斜面１３に、 前記室外側熱交換器２に接触するリブ１４が一体に設けられている。

【００１７】 前記リブ１４について詳しく説明すると、前記リブは空気調和機本体（図示せ ず）の横幅方向に、任意の角度で傾斜するとともに、前記室外側熱交換器２方向 に向かって斜め下方向に傾斜しており、上下方向に３つ設けられている。

【００１８】 前記リブ１４の本体横幅方向の傾斜は室外風回路１５の風の流れを整流する角 度となっているため、前記リブ１４は室外風回路１５の整流板としての役割も果 たす。

【００１９】 以上のように構成された一体型空気調和機の凝縮水処理装置について動作を以 下に説明する。

【００２０】 まず、基板１に溜まった凝縮水は、ファンモータ６により回転しているスリン ガリング５によってＡ点でかき揚げられ、前記スリンガリング５の接線方向にあ るエアガイダ３の側板１１と天板（図示せず）と斜面１３及びリブ１４に衝突す る。ここで、斜面１３及びリブ１４に衝突した凝縮水は、まず斜面１３を伝わっ て下方向に流れその後リブ１４を伝って前記室外側熱交換器２に供給される。ま た、天板（図示せず）に衝突した凝縮水は慣性力により斜面１３まで押し流され その後は、上記と同等の経路を経て前記室外側熱交換器２に供給される。

【００２１】 以上のように前記室外側熱交換器２に供給された凝縮水は室外側熱交換器２に より加熱され蒸発するものである。

【００２２】 以上のように本実施例によれば、基板及び外箱等により形成した空気調和機本 体と、前記空気調和機本体内に設けられた室外側熱交換器１２と、前記室外側熱 交換器２に対向して設けられたスリンガリング５を有するプロペラファン４と、 前記室外側熱交換器２と連通しかつ前記プロペラファン４と共に通風路を形成す るエアガイダ３を設け、前記エアガイダ３の室外側熱交換器２側に、前記室外側 熱交換器２に接触するリブ１４を一体に複数設け、前記リブ１４は前記空気調和 機本体の横幅方向に任意の角度（室外風回路１５の風の流れを整流する角度）で 傾斜するとともに、前記室外側熱交換器２方向に向かって斜め下方向に傾斜させ ることにより、凝縮水を効率よく蒸発させて室外側熱交換器２の性能を向上させ るとともに、凝縮水の水位を低下させて凝縮水のオーバーフローを防止する。ま た、前記リブ１４が室外風回路１５内の整流板も兼ねているためスムーズに空気 が流れ通風抵抗増加に伴う室外風量の低下と通風音の増大という問題も解決され る。

【００２３】 また、リブ１４を複数設けることにより、凝縮水を室外側熱交換器２全体にわ たって一様に飛散することができ、より性能向上が望める。

【００２４】 なお、本実施例においては、リブ１４が室外側熱交換器２に接するものとして いるが、要は、凝縮水を室外側熱交換器２に供給できればよく、該目的を達成で きる程度にリブ１４が室外側熱交換器２に近接している場合であってもよいこと はいうまでもない。

【００２５】

【考案の効果】

以上のように本考案の第１の手段においては、基板及び外箱等により形成した 空気調和機本体と、前記空気調和機本体内に設けられた室外側熱交換器と、前記 室外側熱交換器に対向して設けられたスリンガリングを有するプロペラファンと 、前記室外側熱交換器と連通しかつ前記プロペラファンと共に通風路を形成する エアガイダを設け、前記エアガイダの室外側熱交換器側に、前記室外側熱交換器 に接触するリブを一体に設けることにより、凝縮水を効率よく蒸発させて室外側 交換器の性能を向上させるとともに、凝縮水の水位を低下させて凝縮水のオーバ ーフローを防止する。その結果室外側熱交換器を小型化でき、製品のコンパクト 化及びコスト合理化の推進が図れる。

【００２６】 第２の手段においては、さらに上記リブを空気調和機本体の横幅方向に任意の 角度で傾斜させることにより凝縮水による室外風回路内の空気の乱れを防止し、 室外風量の低下及び通風音の増大を防ぐ。

【００２７】 第３の手段においては、さらに上記リブを室外側熱交換器方向に向かって斜め 下方向に傾斜させることにより、より効率的に凝縮水を室外側熱交換器に供給す ることができる。

【００２８】 第４の手段においては、上記リブを複数設けることにより凝縮水を室外側熱交 換器全体にわたって一様に飛散することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における一体型空気調和機の
凝縮水処理装置の平面図

【図２】同正面図

【図３】同エアガイダの斜視図

【図４】同エアガイダの要部Ｂ−Ｂ断面図

【図５】従来の一体型空気調和機の凝縮水処理装置の平
面図

【図６】同正面図

【符号の説明】

２ 室外側熱交換器 ３ エアガイダ ４ プロペラファン ５ スリンガリング １４ リブ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板及び外箱等により形成した空気調和機
   本体と、前記空気調和機本体内に設けられた室外側熱交
   換器と、前記室外側熱交換器に対向して設けられたスリ
   ンガリングを有するプロペラファンと、前記室外側熱交
   換器と連通しかつ前記プロペラファンと共に通風路を形
   成するエアガイダを設け、前記エアガイダの室外側熱交
   換器側に、前記室外側熱交換器に接触するリブを一体に
   設けた、一体型空気調和機の凝縮水処理装置。
2. 【請求項２】リブが空気調和機本体の横幅方向に任意の
   角度で傾斜した、請求項１記載の一体型空気調和機の凝
   縮水処理装置。
3. 【請求項３】リブが室外側熱交換器方向に向かって斜め
   下方向に傾斜した、請求項１または２記載の一体型空気
   調和機の凝縮水処理装置。
4. 【請求項４】リブを複数設けた請求項１から３いずれか
   に記載の一体型空気調和機の凝縮水処理装置。