JPH0336822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、室内を冷房する空気調和機におい
て、蒸発器で生じた凝縮水を処理する装置に関す
るものである。

従来の技術 近年、空気調和機は、その据付工事を容易に行
なうことができるように改善されてきている。特
に、一体型空気調和機において、その構造上、凝
縮器が一体に構成されているため、凝縮水を凝縮
器にかけて完全蒸発させて、凝縮水を排水するド
レン工事不要の空気調和機が発売されてきてい
る。

以下図面を参照しながら、上述した従来の凝縮
水処理装置の一例について説明する。

第６図、第７図は従来の凝縮水を飛散させて凝
縮器にかける回転円板１である。同図において、
２は、回転円板１の側面に設けられた半径方向に
複数突設されたブレードでその外端は円板外周と
の間に△ｒの環状平板円板部３が形成されてい
る。ブレード２は、回転円板１の回転方向に傾く
放射状に高さｈを有する突起ブレードである。

以上のように構成された凝縮水処理装置につい
て、以下その動作について説明する。

まず通常の空気調和機の使用条件のもとに発生
する凝縮水を処理する際には、水位がｂレベル迄
達し、外周部の環状平板円板部３に、水が粘性力
により付着し、ａ方向に回転する遠心力によつて
ｃ方向に水滴を飛散させ、揚水動作を行ない、凝
縮器に凝縮水をかける。

次に、露付条件など多湿条件での使用状況下で
は、凝縮水量が増加し、環状平板円板部３では、
処理できなくなり凝縮水水位がｄに達し、ブレー
ド２がついたブレード付円板部４で揚水動作を行
なう。（例えば、実開昭58−110718号公報） 考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、通常の使
用条件下では、環状平板円板部３で揚水動作を行
なうために、凝縮水の飛散方向は、ｃ方向となり
ｅ方向には、少量である。従つて凝縮水の飛散方
向がｃ方向では、揚水高さが低く、凝縮器の上部
迄致らず下部のみで蒸発する。凝縮器の下部のみ
にかけるだけでは、蒸発器で発生する凝縮水を完
全に蒸発処理することはできず、水位が除々に高
くなり、ブレード付円板部４に水位が達し、通常
の使用条件下でも大きな騒音を発生させたりす
る。水位がブレード付円板部４に達すると凝縮水
の飛散方向は、ｅ方向となり凝縮器の上部迄凝縮
水が飛散する。従つて凝縮器全体に凝縮水がかか
り完全蒸発を行なうことができ、水位がｂ迄低下
し、騒音が低下する。通常の使用条件では、上記
の繰り返しを行なうため、凝縮水を飛散させる騒
音が変化したり、冷凍サイクル条件が変化するた
めに、圧縮機の騒音が変化したり冷房能力の変化
が生じ安定した運転ができないという問題点を有
していた。

本考案は上記問題点に鑑み、凝縮水の飛散を安
定させて行ない、凝縮器上部迄一様に飛散させ、
低騒音の凝縮水処理装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案の凝縮水処
理装置は、ブレードを四角錘状でかつ円弧状に形
成し、ブレードを設ける円板部を楔状の環状円板
にするという構成を備えたものである。

作 用 本考案は上記した構成によつて通常の使用条件
下でも常に一定の水位を保つことができ騒音の変
化が少なく、水位が低い時でもブレードが回転円
板外周に迄達しておりかつブレード高さが低いの
で、凝縮水を凝縮器の上部迄飛散させることがで
き、騒音を低下させることができ又ブレード高さ
が変化させてあるので、多湿条件下の運転での除
湿量増大に伴う処理も容易に行なうことができ
る。

実施例 以下本考案の一実施例の凝縮水処理装置につい
て、以下第１図〜第５図を参照しながら説明す
る。

第１図は本考案の実施例における凝縮水処理装
置の回転円板１の断面を示すものである。内周部
５は均肉厚t₁でその中心には、回転円板１駆動用
モータ６の軸７と嵌合固定する穴８を有する。回
転円板１の外周部９は半径方向△r₂寸法を有し、
外周部９の中心側の肉厚は、内周部５の肉厚t₁に
等しく、外周部９の外周側の肉厚t₂は、樹脂成形
の可能な限りの寸法に設けられ、中心側より外周
に至る寸法は小さくなるという楔状の環状円板で
ある。１０は外周部９の両側面に設けられた凸状
のブレードで、回転円板１の正面図を示す第２図
に示す如く、回転方向ａに傾いた円弧状で放射状
に複数突設してあり、第１図に示す如く、中心側
の高さはh₁を有し、外周では０となる四角錘状の
ブレードである。第３図は本考案の実施例におけ
る背面側より見た空気調和機本体１１で、１２は
基板、１３は、外箱兼用の前面グリル、１４は、
格子状よりなる吹出グリルとルーバ状よりなる吸
入グリルと平板状の水飛防止板とが樹脂材料によ
り一体成形された後板である。第４図は空気調和
機本体１１の縦断面を示し、１８は縦方向に配設
した凝縮器で、室内外を仕切る後板１９に取付け
られた回転円板１を駆動する駆動用モータ６の軸
７が前記凝縮器１８の下部を貫通している。２０
は圧縮機、２１は室内側クロスフローフアン、２
２は室内側熱交換器で蒸発器、２３は室内側と室
外側を仕切るエアーガイダーである。第５図は本
考案の実施例における空気調和機の横断面で、２
４は室外側クロスフローフアンである。回転円板
１は室外側熱交換器凝縮器１８の風上側と後板１
９の吸入グリル１６の風下側に配設されており、
特に回転円板１の近くに水飛防止板１７が設けら
れている。２５は蒸発器２２で凝縮した凝縮水を
受ける水受皿で凝縮器１８に凝縮水が案内される
ように形成されている。

以上のように構成された空気調和機の凝縮水処
理装置について以下その動作を説明する。

まず通常の空気調和機の使用条件のもとに発生
する凝縮水を処理する際には、蒸発器２２で発生
する凝縮水を水受皿２５で受け、凝縮器１８に案
内し、基板１２で受けてためる。回転円板１はａ
方向に高速回転で回動し凝縮水をかき上げ飛散さ
せる。

次に、露付条件など多湿条件での使用状況下で
は凝縮水量が増加し回転円板１の水没深さが深く
なり即ちブレード１０の水没量が増加しブレード
の高い部分が凝縮水につかるようになり、従つて
かき上げ飛散させる容量も多くなる。

以上のように本実施例によれば、ブレード１０
を外周迄設けているので、凝縮水位が低くても常
に凝縮器の上方迄凝縮水を飛散させることができ
完全蒸発をさせることができ、周期的な騒音変化
も発生させない。また外周のブレード高さが低く
形成されているので水をかき上げる際の騒音が低
く、回転円板１の中心側に近づくとブレード１０
の高さが高く設けてあるので凝縮水量が増加して
も自動的に飛散量は増加し騒音の変化は少ない。
さらにブレード１０が設けられている外周部９は
楔状に形成されているのでブレード１０でかき上
げられる凝縮水が回転円板１から離れる時、水の
粘性力と回転時の遠心力により、回転円板１の両
側面から中心に向う力が働き、円周方向一面で飛
散し、室外側へ水飛びを防止することができる。

考案の効果 以上のように本考案は、回転円板の内周部を平
板円板とし、外周部を楔状の円板とするとともに
四角錘状のブレードを前記外周部円板に放射状に
複数突設することにより凝縮水を安定して飛散さ
せることができ、騒音を低くして飛散させること
ができ、飛散方向を一定方向に飛散させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における回転円板の
断面図、第２図はその正面図、第３図は同回転円
板を具備する空気調和機本体の背面斜視図、第４
図は同空気調和機本体の縦断面図、第５図は同横
断面図、第６図は従来の回転円板の断面図、第７
図は同回転円板の斜視図である。 １……回転円板、５……内周部、９……外周
部、１０……ブレード、２２……蒸発器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸発器で生じた凝縮水を凝縮器にはねかけるた
   めの回転円板を設け、この回転円板の内周部を平
   板円板とし、外周部を楔状の円板とするととも
   に、四角錘状のブレードを前記外周部円板に放射
   状に複数突設した空気調和機の凝縮水処理装置。