JP7620380B2 - 研削方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ウェーハのような板状のワークピースを研削する際に適用される研削方法に関する。
小型で軽量なデバイスチップを実現するために、集積回路等のデバイスが表面側に設けられたウェーハを薄く加工する機会が増えている。ウェーハの表面側をチャックテーブルで保持し、砥粒を含む複数の砥石が固定された研削ホイールと、チャックテーブルと、をともに回転させて、純水等の液体を供給しながらウェーハの裏面に砥石を押し当てることで、このウェーハを研削して薄くできる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、砥石がチャックテーブルの回転軸を通り抜けるように研削ホイールとチャックテーブルとを互いに回転させる、いわゆるインフィード研削と呼ばれる研削方法では、ウェーハの中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとに差が生じ易い。表面粗さの差は、デバイスチップの力学的な強度の差につながるので、研削後のウェーハの中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差をできるだけ小さく抑えたいという要望があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の研削方法に比べて、板状のワークピースの中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差を小さく抑えることができる新たな研削方法を提供することである。
本発明の一側面によれば、保持面を有するチャックテーブルと、環状に配置された複数の砥石を有する研削ホイールとを、該複数の砥石が該チャックテーブルの回転軸を通り抜けるように、ともに回転させながら、該チャックテーブルの該保持面により保持された板状のワークピースを該研削ホイールで研削する研削方法であって、該砥石と該保持面との距離が、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置に比べて他の位置で大きくなるように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの相対的な傾きを第1の状態に調整した上で、該保持面と該砥石とを相対的に接近させることにより、該ワークピースに該砥石を接触させて該ワークピースを研削する第1の研削ステップと、該第1の研削ステップの後、該砥石を該ワークピースから離して該ワークピースの研削を停止する研削停止ステップと、該研削停止ステップの後、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置で該ワークピースに該砥石が接触しないように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの相対的な傾きを該第1の状態とは異なる第2の状態に調整した上で、該保持面と該砥石とを相対的に接近させることにより、該ワークピースに該砥石を接触させて該ワークピースを研削する第2の研削ステップと、を含み、該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて表面粗さが小さくなる条件で該ワークピースを研削するとともに、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置で該ワークピースに該砥石が接触する前に研削を終了する研削方法が提供される。
好ましくは、該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該チャックテーブルを遅く回転させる。また、好ましくは、該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該研削ホイールを速く回転させる。また、好ましくは、該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該保持面と該砥石とを遅く接近させる。
砥石がチャックテーブルの回転軸を通り抜けるようにチャックテーブルと研削ホイールとをともに回転させるインフィード研削と呼ばれる研削方法では、単位時間当たりに除去されるワークピースの体積が、その中央部に比べて外周部で大きくなる。そのため、研削後のワークピースの外周部の表面粗さが、中央部の表面粗さに比べて大きくなり易い。
そこで、本発明の一側面にかかる研削方法では、チャックテーブルと研削ホイールとの相対的な傾きを第1の状態に調整することで、中央部が薄くなるようにワークピースを研削し(第1の研削ステップ)、その後、チャックテーブルと研削ホイールとの相対的な傾きを第1の状態とは異なる第2の状態に調整することで、中央部が除去されないようにワークピースを研削する(第2の研削ステップ)。
更に、第2の研削ステップでは、第1の研削ステップに比べて表面粗さが小さくなる条件でワークピースを研削する。これらにより、ワークピースの外周部の表面粗さを中央部の表面粗さとは別に調整して、小さくできる。つまり、従来の研削方法に比べて、ワークピースの中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差を小さく抑えることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態で使用される研削装置2を示す断面図であり、図2は、この研削装置2で板状のワークピース11が研削される様子を示す斜視図である。図1に示すように、研削装置2は、複数の構成要素を支持する直方体状の基台4を有している。
基台4の上部には、ワークピース11を保持できるチャックテーブル10が配置されている。チャックテーブル10は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属を用いて形成された円柱状(円盤状)の枠体10aを含む。枠体10aの上面側には、円形状の開口を上端に持つ凹部が形成されている。
この凹部には、セラミックス等を用いて多孔質の円盤状に形成された保持板10bが固定されている。保持板10bの上面10cは、例えば、円錐の側面に相当する形状に構成されている。枠体10aの内部には、凹部の底に一端側が開口する流路(不図示)が設けられており、この流路の他端側は、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
つまり、保持板10bの下面側は、枠体10aの内部に設けられた流路やバルブ等を介して、吸引源に接続されている。そのため、保持板10bの上面10cにワークピース11を載せて、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させれば、ワークピース11の下面側がチャックテーブル10により吸引される。このように、保持板10bの上面10cは、ワークピース11を吸引して保持する保持面として機能する。
枠体10aの下面側には、円盤状のテーブル基台12が固定されている。テーブル基台12の下部には、モーター等の回転駆動源14が接続されている。つまり、チャックテーブル10は、テーブル基台12を介して回転駆動源14に連結されている。回転駆動源14を動作させることで、チャックテーブル10は、保持面(上面10c)の中心を通る所定の回転軸10dの周りに回転する。
テーブル基台12の下方には、テーブル基台12の傾きを調整できる傾き調整機構16が配置されている。傾き調整機構16は、1つの固定支持部16aと、2つの可動支持部16bとを含む。1つの固定支持部16aと2つの可動支持部16bとは、テーブル基台12の周の方向において等しい角度の間隔(すなわち、120°の間隔)で配置され、それぞれの上端部が、テーブル基台12の下面に接続されている。なお、図1では、2つの可動支持部16bの1つが示されている。
固定支持部16aの上端の高さは、一定である。一方で、可動支持部16bは、その上端の高さを変更できるように構成されている。可動支持部16bの上端の高さを変更することにより、チャックテーブル10の回転軸10dの向き(角度)を所定の範囲内で調整できる。
チャックテーブル10の近傍には、厚さ測定ユニット18が設けられている。厚さ測定ユニット18は、枠体10aの上方に配置される第1の高さ測定器18aと、保持板10bの上方に配置される第2の高さ測定器18bと、を含む。例えば、枠体10aの上面の高さを第1の高さ測定器18aで測定し、チャックテーブル10に保持されたワークピース11の上面の高さを第2の高さ測定器18bで測定することにより、これらの測定値の差がワークピース11の厚さとして算出される。
また、チャックテーブル10の近傍には、研削液供給ユニット19が設けられている。研削液供給ユニット19は、基台4から上方に向かって伸びるパイプ部19aと、パイプ部19aの上端からチャックテーブル10の回転軸10dに向かって概ね水平な方向に伸びるノズル部19bと、を含む。パイプ部19aの下端側は、純水等の研削液を貯留する研削液供給源(不図示)に接続されている。
基台4の側端には、上方に向かって伸びる角柱状の支持構造6が設けられている。支持構造6のチャックテーブル10側の側面には、研削送りユニット20が設けられている。研削送りユニット20は、支持構造6のチャックテーブル10側の側面に固定され上下に長い一対のガイドレール20aを含む。各ガイドレール20aには、移動プレート20bがスライドできる態様で取り付けられている。
移動プレート20bの支持構造6側の面には、ボールねじを構成するナット部20cが設けられており、このナット部20cには、上下に長いねじ軸20dが回転できる態様で連結されている。ねじ軸20dの一端部には、モーター20eが接続されている。モーター20eによってねじ軸20dを回転させることで、移動プレート20bはガイドレール20aに沿って上下に(図1のZ軸に沿って)移動する。
移動プレート20bの支持構造6とは反対側の面には、研削ユニット22が設けられている。研削ユニット22は、底のある円筒状の保持具22aを含む。保持具22aの側面は、移動プレート20bに固定されており、保持具22aの内側には、筒状のスピンドルハウジング22bが収容されている。スピンドルハウジング22bは、任意のスペーサー22c等を介して保持具22aの底に支持されている。
スピンドルハウジング22bの内側には、円柱状のスピンドル22dの一部が収容されている。スピンドル22dの上端側には、モーター等の回転駆動源(不図示)が接続されている。回転駆動源を動作させると、スピンドル22dは、その軸心に対して概ね平行な回転軸22eの周りに回転する。
スピンドル22dの下端部は、スピンドルハウジング22bの下端から外部に露出している。このスピンドル22dの下端部には、円形の上面及び下面を有する円盤状のマウント22fの上面側が固定されている。マウント22fの下面には、研削ホイール24が装着されている。
研削ホイール24は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属でマウント22fと概ね同径に形成された環状のホイール基台26を備えている。研削ホイール24をマウント22fに装着する際には、このホイール基台26の環状の上面をマウント22fの円形の下面に接触させる。ホイール基台26の環状の下面には、ダイヤモンドやcBN(cubic Boron Nitride)等の砥粒がビトリファイドやレジノイド等の結合剤で固定されてなる複数の砥石28が環状に配置されている。
ワークピース11の研削時には、チャックテーブル10の回転軸10dの一部(上面10cより上方の部分)が研削ホイール24の砥石28と重なるように、チャックテーブル10と研削ユニット22との位置の関係が調整される。よって、ワークピース11を研削するためにチャックテーブル10と研削ホイール24とをともに回転させると、複数の砥石28は、回転軸10dを順に通り抜ける。なお、ワークピース11の研削時に研削ユニット22を下降させると、ノズル部19bは、研削ホイール24の内側に配置される。
ワークピース11は、代表的には、シリコン(Si)等の半導体でなる円盤状のウェーハである。このワークピース11の表面11a(図3等参照)側は、例えば、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)で複数の小領域に区画されており、各小領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されている。本実施形態では、このワークピース11を、表面11aとは反対に位置する裏面11b(図2)側から研削して薄くする。
なお、本実施形態では、シリコン等の半導体でなる円盤状のウェーハをワークピース11としているが、ワークピース11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる基板をワークピース11として用いることもできる。同様に、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。ワークピース11には、デバイスが形成されていないこともある。
本実施形態にかかる研削方法では、まず、上述したワークピース11を研削装置2のチャックテーブル10で保持する(保持ステップ)。具体的には、例えば、ワークピース11の表面11a側を保持板10bの上面10cに接触させて、バルブを開き、吸引源の負圧を作用させる。これにより、ワークピース11の表面11a側がチャックテーブル10により保持され、裏面11b側が上方に露出する。なお、ワークピース11の表面11a側には、予め、デバイスの保護に適した保護部材等を貼付しておいても良い。
ワークピース11をチャックテーブル10で保持した後には、このワークピース11を第1の条件で研削する(第1の研削ステップ)。図3は、ワークピース11が第1の条件で研削される様子を示す断面図である。なお、図3では、第1の条件で研削された後のワークピース11の裏面11cが破線で示されている。具体的には、例えば、チャックテーブル10の中央の上方に砥石28が配置されるように、チャックテーブル10と研削ユニット22との位置の関係を調整する。
また、チャックテーブル10の中央での砥石28と保持板10bとの距離が、チャックテーブル10の外周側の領域での砥石28と保持板10bとの距離に比べて近くなるように、傾き調整機構16でチャックテーブル10の傾きを調整する。すなわち、保持板10bの上面10cと砥石28の下面との距離が、チャックテーブル10の回転軸10dと重なる位置に比べて他の位置で大きくなるように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを第1の状態に調整する。
なお、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きは、研削後のワークピース11に求められるTTV(total thickness variation)等に応じて任意に設定される。ここでは、チャックテーブル10の回転軸10dとスピンドル22dの回転軸22eとのなす角度αが0°~0.004°程度、好ましくは、0.0034°程度となるように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを調整する。
その後、チャックテーブル10と研削ホイール24とをともに回転させながら、研削送りユニット20で研削ホイール24を下降させて、保持板10bの上面10cと砥石28とを相対的に接近させる。そして、保持板10b上のワークピース11に砥石28を接触させて、ワークピース11を裏面11b側から研削する。このワークピース11の研削時には、複数の砥石28が、チャックテーブル10の回転軸10dを順に通り抜けることになる。
なお、チャックテーブル10を回転させる速さ、研削ホイール24を回転させる速さ、及び、研削ホイール24を下降させる速さ(保持板10bの上面10cと砥石28とを接近させる速さ)等の条件は、研削後のワークピース11に求められる表面粗さ(ワークピース11の中央部の表面粗さ)に応じて任意に設定される。ここでは、チャックテーブル10を100rpm~900rpmの速さで回転させ、研削ホイール24を1000rpm~3000rpmの速さで回転させ、研削ホイール24を1.5μm/s~5.0μm/sの速さで下降させる。
保持板10bの上面10cと砥石28との相対的な接近は、ワークピース11が所望の厚さになるまで続けられる。図4は、第1の条件で研削された後のワークピース11を示す断面図である。上述のように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きは、第1の状態(つまり、回転軸10dと回転軸22eとが角度αをなす状態)に調整されている。よって、この第1の状態を含む第1の条件で研削されたワークピース11の中央部は、外周部に比べて薄い。
ワークピース11を第1の条件で研削した後には、砥石28をワークピース11から離してワークピース11の研削を停止する(研削停止ステップ)。図5は、砥石28がワークピース11から離れた状態を示す断面図である。具体的には、例えば、研削送りユニット20で研削ホイール24を上昇させて、保持板10bの上面10cと砥石28とを相対的に離す。なお、研削ホイール24を上昇させる距離は、10μm~100μm程度で良い。
ワークピース11の研削を停止した後には、ワークピース11を第1の条件とは異なる第2の条件で研削する(第2の研削ステップ)。図6は、ワークピース11が第2の条件で研削される様子を示す断面図である。なお、図6では、第2の条件で研削された後のワークピース11の裏面11dが破線で示されている。
具体的には、チャックテーブル10の中央での砥石28とワークピース11との距離が、チャックテーブル10の外周側の領域での砥石28とワークピース11との距離に比べて遠くなるように、傾き調整機構16でチャックテーブル10の傾きを調整する。すなわち、チャックテーブル10の回転軸10dと重なる位置でワークピース11に砥石28が接触しないように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを第1の状態とは異なる第2の状態に調整する。
なお、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きは、研削後のワークピース11に求められるTTV等に応じて任意に設定される。ここでは、チャックテーブル10の回転軸10dとスピンドル22dの回転軸22eとのなす角度βが0.007°~0.012°程度、好ましくは、0.008°程度となるように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを調整する。
その後、チャックテーブル10と研削ホイール24とをともに回転させながら、研削送りユニット20で研削ホイール24を下降させて、保持板10bの上面10cと砥石28とを相対的に接近させる。そして、保持板10b上のワークピース11に砥石28を接触させて、ワークピース11を裏面11b側から研削する。このワークピース11の研削時にも、複数の砥石28が、チャックテーブル10の回転軸10dを順に通り抜けることになる。
ここで、本実施形態にかかる研削方法に適用される、いわゆるインフィード研削では、チャックテーブル10の回転によって、ワークピース11の外周部が中央部より速く移動する。よって、研削により除去されるワークピース11の外周部の体積は、中央部の体積に比べて大きくなる。そのため、上述した第1の条件による研削では、ワークピース11の中央部の表面粗さに比べて外周部の表面粗さが大きくなってしまう。
そこで、本実施形態では、ワークピース11の中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差が小さくなるなるように、第1の条件とは異なる第2の条件でワークピース11の外周部を研削する。例えば、チャックテーブル10を回転させる速さ、研削ホイール24を回転させる速さ、及び、研削ホイール24を下降させる速さ(保持板10bの上面10cと砥石28とを接近させる速さ)のいずれかを、第1の条件での研削に比べてワークピース11の外周部の表面粗さを小さくできるように調整する。
チャックテーブル10を回転させる速さのみを調整する場合には、第1の条件での研削に比べてチャックテーブル10を遅く回転させるように、第2の条件を設定する。具体的には、チャックテーブル10を、第1の条件の1/3以下の速さで、代表的には、30rpm~300rpmの速さで回転させる。研削ホイール24を回転させる速さや、研削ホイール24を下降させる速さは、第1の条件と同じで良い。
研削ホイール24を回転させる速さのみを調整する場合には、第1の条件での研削に比べて研削ホイール24を速く回転させるように、第2の条件を設定する。具体的には、研削ホイール24を、第1の条件の2倍以上の速さで、代表的には、2000rpm~6000rpmの速さで回転させる。チャックテーブル10を回転させる速さや、研削ホイール24を下降させる速さは、第1の条件と同じで良い。
研削ホイール24を下降させる速さのみを調整する場合には、研削ホイール24を遅く下降させるように、すなわち、保持板10bの上面10cと砥石28とを遅く接近させるように、第2の条件を設定する。具体的には、研削ホイール24を、第1の条件の1/5以下の速さで、代表的には、0.3μm/s~1.0μm/sの速さで下降させる。チャックテーブル10を回転させる速さや、研削ホイール24を回転させる速さは、第1の条件と同じで良い。
このような第2の条件での研削により、例えば、研削後のワークピース11の外周部の表面粗さを、中央部の表面粗さの±20%の範囲に収めて、中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差を小さくできる。なお、本実施形態では、チャックテーブル10を回転させる速さ、研削ホイール24を回転させる速さ、及び、研削ホイール24を下降させる速さのいずれか1つの項目のみを第1の条件から変更しているが、複数の項目を変更することもできる。
保持板10bの上面10cと砥石28との相対的な接近は、ワークピース11が所望の厚さになるまで続けられる。図7は、第2の条件で研削された後のワークピース11を示す断面図である。上述のように、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きは、第2の状態(つまり、回転軸10dと回転軸22eとが角度βをなす状態)に調整されている。よって、この第2の状態を含む第2の条件で研削されたワークピース11の外周部は、第2の条件で研削される前のワークピース11の外周部に比べて薄くなる。
一方、第2の条件での研削を経たワークピース11の中央部の厚さは、第2の条件で研削される前のワークピース11の中央部の厚さと変わらない。すなわち、ワークピース11の中央部は、この第2の条件では研削されない。これにより、ワークピース11の外周部の表面粗さを、中央部の表面粗さとは別に調整して、小さくできる。
なお、第2の条件での研削によりワークピース11の広すぎる領域が加工されると、ワークピース11の外周部の表面粗さと中央部の表面粗さとを適切に調整することができなくなる。同様に、第2の条件での研削によりワークピース11の狭すぎる領域が加工されると、ワークピース11の外周部の表面粗さと中央部の表面粗さとを適切に調整することができなくなる。
よって、第2の条件による研削では、ワークピース11の外周縁からの距離がワークピース11の半径の1/3~2/3となる領域を加工することが望ましく、外周縁からの距離が半径の2/5~3/5となる領域を加工するとより望ましい。なお、本実施形態では、第2の条件での研削により、ワークピース11の外周縁からの距離がワークピース11の半径の約1/2となる領域を加工している。
上述のように、砥石28がチャックテーブル10の回転軸10dを通り抜けるようにチャックテーブル10と研削ホイール24とをともに回転させるインフィード研削と呼ばれる研削方法では、単位時間当たりに除去されるワークピース11の体積が、その中央部に比べて外周部で大きくなる。そのため、研削後のワークピース11の外周部の表面粗さが、中央部の表面粗さに比べて大きくなり易い。
そこで、本実施形態にかかる研削方法では、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを第1の状態に調整することで、中央部が薄くなるようにワークピース11を研削し(第1の研削ステップ)、その後、チャックテーブル10と研削ホイール24との相対的な傾きを第1の状態とは異なる第2の状態に調整することで、中央部が除去されないようにワークピース11を研削する(第2の研削ステップ)。
更に、第2の研削ステップでは、第1の研削ステップに比べて表面粗さが小さくなる条件(第2の条件)でワークピース11を研削する。これらにより、ワークピース11の外周部の表面粗さを中央部の表面粗さとは別に調整して、小さくできる。つまり、従来の研削方法に比べて、ワークピース11の中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差を小さく抑えることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、第1の研削ステップにおいてワークピース11の裏面11b側が凹状に加工される条件でワークピース11を研削し、第2の研削ステップにおいてワークピース11の裏面11b側が凸状に加工される条件でワークピース11を研削しているが、第2の研削ステップでは、ワークピース11の裏面11b側が平坦に加工される条件でワークピース11を研削することもできる。
図8は、変形例において第1の条件で研削された後のワークピース11を示す断面図であり、図9は、変形例において第2の条件で研削された後のワークピース11を示す断面図である。図8には、変形例にかかる第1の条件で研削された後のワークピース11の裏面11eが示されており、図9には、変形例にかかる第2の条件で研削された後のワークピース11の裏面11fが示されている。
変形例にかかる第2の条件では、チャックテーブル10の回転軸10dとスピンドル22dの回転軸22eとのなす角度βを、実質的にゼロとする。一方で、変形例にかかる第1の条件では、回転軸10dと回転軸22eとのなす角度αを、上述した実施形態の角度αよりも大きくする。他の具体的な条件(第1の条件及び第2の条件)は、上述した実施形態と同等で良い。この変形例でも、上述した実施形態の研削方法と同等のTTV及び表面粗さを達成することができる。
なお、第1の研削ステップにおいてワークピース11の裏面11b側が平坦に加工される条件でワークピース11を研削し、第2の研削ステップにおいてワークピース11の裏面11b側が凸状に加工される条件でワークピース11を研削することも考えられる。この条件では、TTVを高め難くなる一方で、ワークピース11の中央部の表面粗さと外周部の表面粗さとの差を小さく抑えるという効果は十分に得られる。よって、求められる品質等により許容される場合には、このような条件を適用しても良い。
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 :ワークピース
11a :表面
11b :裏面
11c :裏面
11d :裏面
11e :裏面
11f :裏面
2 :研削装置
4 :基台
6 :支持構造
10 :チャックテーブル
10a :枠体
10b :保持板
10c :上面
10d :回転軸
12 :テーブル基台
14 :回転駆動源
16 :傾き調整機構
16a :固定支持部
16b :可動支持部
18 :厚さ測定ユニット
18a :第1の高さ測定器
18b :第2の高さ測定器
19 :研削液供給ユニット
19a :パイプ部
19b :ノズル部
20 :研削送りユニット
20a :ガイドレール
20b :移動プレート
20c :ナット部
20d :ねじ軸
20e :モーター
22 :研削ユニット
22a :保持具
22b :スピンドルハウジング
22c :スペーサー
22d :スピンドル
22e :回転軸
22f :マウント
24 :研削ホイール
26 :ホイール基台
28 :砥石
α :角度
β :角度
11a :表面
11b :裏面
11c :裏面
11d :裏面
11e :裏面
11f :裏面
2 :研削装置
4 :基台
6 :支持構造
10 :チャックテーブル
10a :枠体
10b :保持板
10c :上面
10d :回転軸
12 :テーブル基台
14 :回転駆動源
16 :傾き調整機構
16a :固定支持部
16b :可動支持部
18 :厚さ測定ユニット
18a :第1の高さ測定器
18b :第2の高さ測定器
19 :研削液供給ユニット
19a :パイプ部
19b :ノズル部
20 :研削送りユニット
20a :ガイドレール
20b :移動プレート
20c :ナット部
20d :ねじ軸
20e :モーター
22 :研削ユニット
22a :保持具
22b :スピンドルハウジング
22c :スペーサー
22d :スピンドル
22e :回転軸
22f :マウント
24 :研削ホイール
26 :ホイール基台
28 :砥石
α :角度
β :角度
Claims (4)
- 保持面を有するチャックテーブルと、環状に配置された複数の砥石を有する研削ホイールとを、該複数の砥石が該チャックテーブルの回転軸を通り抜けるように、ともに回転させながら、該チャックテーブルの該保持面により保持された板状のワークピースを該研削ホイールで研削する研削方法であって、
該砥石と該保持面との距離が、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置に比べて他の位置で大きくなるように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの相対的な傾きを第1の状態に調整した上で、該保持面と該砥石とを相対的に接近させることにより、該ワークピースに該砥石を接触させて該ワークピースを研削する第1の研削ステップと、
該第1の研削ステップの後、該砥石を該ワークピースから離して該ワークピースの研削を停止する研削停止ステップと、
該研削停止ステップの後、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置で該ワークピースに該砥石が接触しないように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの相対的な傾きを該第1の状態とは異なる第2の状態に調整した上で、該保持面と該砥石とを相対的に接近させることにより、該ワークピースに該砥石を接触させて該ワークピースを研削する第2の研削ステップと、を含み、
該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて表面粗さが小さくなる条件で該ワークピースを研削するとともに、該チャックテーブルの該回転軸と重なる位置で該ワークピースに該砥石が接触する前に研削を終了する研削方法。 - 該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該チャックテーブルを遅く回転させる請求項1に記載の研削方法。
- 該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該研削ホイールを速く回転させる請求項1又は請求項2に記載の研削方法。
- 該第2の研削ステップでは、該第1の研削ステップに比べて該保持面と該砥石とを遅く接近させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の研削方法。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
JP2021063374A JP7620380B2 (ja) | 2021-04-02 | 研削方法 | |
KR1020220032771A KR20220137538A (ko) | 2021-04-02 | 2022-03-16 | 연삭 방법 |
TW111109914A TW202239518A (zh) | 2021-04-02 | 2022-03-17 | 磨削方法 |
CN202210292801.4A CN115194581A (zh) | 2021-04-02 | 2022-03-24 | 磨削方法 |
US17/656,357 US11980993B2 (en) | 2021-04-02 | 2022-03-24 | Method of grinding workpiece |
DE102022202968.2A DE102022202968A1 (de) | 2021-04-02 | 2022-03-25 | Verfahren zum schleifen eines werkstücks |
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Publications (2)
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JP7620380B2 true JP7620380B2 (ja) | 2025-01-23 |
Family
ID=
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000150431A (ja) | 1998-11-06 | 2000-05-30 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 半導体ウエーハおよびその製造方法 |
JP2016201422A (ja) | 2015-04-08 | 2016-12-01 | 株式会社東京精密 | ワーク加工装置 |
JP2017189844A (ja) | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社ディスコ | 研削装置 |
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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