JP7537226B2 - 近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ - Google Patents
近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP7537226B2 JP7537226B2 JP2020177815A JP2020177815A JP7537226B2 JP 7537226 B2 JP7537226 B2 JP 7537226B2 JP 2020177815 A JP2020177815 A JP 2020177815A JP 2020177815 A JP2020177815 A JP 2020177815A JP 7537226 B2 JP7537226 B2 JP 7537226B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- parts
- infrared absorbing
- near infrared
- absorbing composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
Description
式(1) 0nm < λ2max-λ1max ≦ 100nm
式(1) 0nm < λ2max-λ1max ≦ 100nm
式(2) 10nm ≦ λ2max-λ1max ≦ 100nm
一般式(1)
(一般式(1)中、R1~R4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-COOM1、-OCOR13、-NR14R15、-NHCOR16、-CONR17R18、-NHCONR19R20、-NHCOOR21、-SR22、-SO2R23、-SO2OR24、-SO3M2、-NHSO2R25、-SO2NR26R27、-B(OR28)2、または-NHBR29R30を表す。R10~R30は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR12のR12が水素の場合は、水素原子が解離してもよい。-COOM1は、カルボキシル基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、-SO2OR24のR24が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよい。-SO3M2は、スルホ基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、R1とR2、R3とR4はお互いに結合して環を形成しても良い。)
一般式(2)
(一般式(2)中、R5~R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-COOM3、-OCOR53、-NR54R55、-NHCOR56、-CONR57R58、-NHCONR59R60、-NHCOOR61、-SR62、-SO2R63、-SO2OR64、-SO3M4、-NHSO2R65、-SO2NR66R67、-B(OR68)2、または-NHBR69R70を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合は、水素原子が解離してもよい。-COOM3は、カルボキシル基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、-SO2OR64のR64が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよい。-SO3M4は、スルホ基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、R5とR6、R7とR8はお互いに結合して環を形成しても良い。)
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明の近赤外線吸収組成物は、400~1000nmの範囲における最大吸収波長を800~900nmの間に有するスクアリリウム色素(A)を2種以上含む近赤外線吸収組成物であって、第1のスクアリリウム色素(A-1)の最大吸収波長をλ1max、第2のスクアリリウム色素(A-2)の最大吸収波長をλ2maxとしたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
式(1) 0nm < λ2max-λ1max ≦ 100nm
式(2) 10nm ≦ λ2max-λ1max ≦ 100nm
一般式(1)
(一般式(1)中、R1~R4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-COOM1、-OCOR13、-NR14R15、-NHCOR16、-CONR17R18、-NHCONR19R20、-NHCOOR21、-SR22、-SO2R23、-SO2OR24、-SO3M2、-NHSO2R25、-SO2NR26R27、-B(OR28)2、または-NHBR29R30を表す。R10~R30は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR12のR12が水素の場合は、水素原子が解離してもよい。-COOM1は、カルボキシル基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、-SO2OR24のR24が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよい。-SO3M2は、スルホ基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、R1とR2、R3とR4はお互いに結合して環を形成しても良い。)
カルボキシル基またはスルホ基と金属塩を形成する金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、アルミニウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
-OR100、-COR101、-COOR102、-OCOR103、-NR104R105、-NHCOR106、-CONR107R108、-NHCONR109R110、-NHCOOR111、-SR112、-SO2R113、-SO2OR114、-NHSO2R115または-SO2NR116R117が挙げられる。
R100~R117は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、-COOR102のR102が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SO2OR114のR114が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がさらに好ましく、1~8が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルキニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~15がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7~40が好ましく、7~30がさらに好ましく、7~25が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2~8の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2~4の縮合環が特に好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がさらに好ましく、3~12が特に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基は置換基を有していても良く、無置換であっても良い。置換基としては上述した「置換基」が挙げられる。
一般式(2)
(一般式(2)中、R5~R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-COOM3、-OCOR53、-NR54R55、-NHCOR56、-CONR57R58、-NHCONR59R60、-NHCOOR61、-SR62、-SO2R63、-SO2OR64、-SO3M4、-NHSO2R65、-SO2NR66R67、-B(OR68)2、または-NHBR69R70を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合は、水素原子が解離してもよい。-COOM3は、カルボキシル基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、-SO2OR64のR64が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよい。-SO3M4は、スルホ基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、R5とR6、R7とR8はお互いに結合して環を形成しても良い。)
本発明の近赤外線吸収組成物は、必要に応じて、スクアリリウム色素(A-1)およびスクアリリウム色素(A-2)の分光特性を損なわない範囲で、その他の近赤外線吸収色素を含むことができる。その他の近赤外線吸収色素としては、例えば、シアニン化合物、スクアリリウム化合物(スクアリリウム色素(A-1)およびスクアリリウム色素(A-2)を除く)、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、アミニウム化合物、ジインモニウム化合物、クロコニウム化合物、アゾ化合物、キノイド型錯体化合物、ジチオール金属錯体化合物等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、その用途に応じて、その他の色素(近赤外線吸収色素を除く)を含むことができる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、黒色を呈する着色組成物を含むことにより、近赤外線透過組成物として用いることができる。黒色を呈する着色組成物としては、黒色を呈していれば特に限定は無く、黒色色素、複数の色素を組み合わせて黒色を呈する色素組成物等を含有すると良い。
本発明の近赤外線吸収組成物には、必要に応じて色素誘導体を使用できる。色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、またはリン酸基などの酸性置換基を有する化合物、ならびにこれらのアミン塩、スルホンアミド基、または末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、樹脂型分散剤を含むことができる。樹脂型分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料以外の成分と親和性が高く、分散粒子間を立体反発させる緩和部位とを有する。樹脂型分散剤は、グラフト型(櫛形)、ブロック型等、構造制御された樹脂が好ましく用いられる。
塩基性樹脂型分散剤は、塩基性基をリン酸やスルホン酸で中和して使用できる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、バインダ樹脂を含むことができる。バインダ樹脂は、400~700nmの全波長領域において透過率が80%以上の樹脂である。なお、透過率は、95%以上が好ましい。バインダ樹脂は硬化性の面でいうと、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂、または熱硬化樹脂に活性エネルギー線反応性官能基を有しても良い。また、バインダ樹脂は、物性面でいうと、現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性は、光学フィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸性基が必要である。
熱可塑性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂は、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも現像性、耐熱性、透明性が向上する面で酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
活性エネルギー線硬化性アルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。エチレン性不飽和二重結合は、例えば以下に示す(i) (ii)の方法で導入できる。活性エネルギー線による効果で樹脂は、3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が向上する。
方法(i)は、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の単量体とを共重合して得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させる。次いで、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させることで、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法である。
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
方法(ii)は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法である。
N-置換マレイミド類は、例えば、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等が挙げられる。アルキレンオキシ基含有単量体は、例えば、EO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、被膜の硬化度を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を含有できる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために50以上200以下(KOHmg/g)であり、70以上180以下の範囲が好ましく、より好ましくは90以上170以下の範囲である。酸価が50未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
本発明においては、バインダ樹脂として熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが出来る。本発明の近赤外線吸収組成物を用いて光学フィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の近赤外線吸収組成物ではエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましく用いられる。
本発明の近赤外線吸収組成物、重合性化合物、及び光重合開始剤を含むことによって感光性近赤外線吸収組成物とすることができる。重合性化合物には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
重合性化合物は、酸基を有する光重合性単量体を含有できる。酸基は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を有する単量体を含有できる。前記単量体は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、オキシムエステル系化合物が好ましい。
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。近赤外線吸収組成物の色素濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系化合物は高い量子効率を持つため好適に使用される。
さらに、本発明の近赤外線吸収組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は連鎖移動剤として、チオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる近赤外線吸収組成物は高感度となる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合禁止剤を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を抑制できるため、所望の形状のパターンが得やすくなる。
発明の近赤外線吸収組成物は、紫外線吸収剤を含んでも良い。本発明における紫外線吸収剤とは、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物などが挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、近赤外線吸収組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を向上できる。特に着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜架橋成分量が少なくなるため高感度の架橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取るため熱工程の黄変が強くなる現象が見られる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明の近赤外線吸収組成物には、透明基板上での組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好することを目的として、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.1~10質量%の量で用いることができる。
本発明の近赤外線吸収組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
本発明の近赤外線吸収組成物は、色素を、分散剤、バインダ樹脂などの色素担体及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(色素分散体)。このとき、2種以上の色素等を同時に色素担体に分散しても良いし、別々に色素担体に分散したものを混合しても良い。染料等、色素の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
本発明の近赤外線吸収組成物には、ガラス等の基板上に乾燥膜厚が0.2~5μmとなるように塗布して色素膜を形成することを容易にするために溶剤を含有させる。溶剤は、近赤外線吸収組成物の塗布性が良好であることに加え、近赤外線吸収組成物の各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
本発明の近赤外線吸収組成物は、重力加速度3000~25000Gの遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように近赤外線吸収組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
本発明の光学フィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィ法により、製造することができる。印刷法によるフィルタセグメントの形成は、近赤外線吸収組成物の印刷と乾燥を行うことでパターン化ができるため、フィルタの製造法は、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
近赤外線吸収性組成物は、光学フィルタとして使用できる。
例えば、デジタルカメラは、撮像する際に受光する光を赤、緑、青のフィルタで分解し、光を電気信号に変えるフォトダイオードに送ることで、色を認識する。しかしながら、フォトダイオードは近赤外線にも反応して電気信号に変えてしまうので、これを遮断するフィルタが必要である。近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体は、この近赤外線を遮断するフィルタとして使用できる。近赤外線を遮断するフィルタは、可視領域に吸収が少ないことが重要である。可視領域に吸収が多いと受光する光に色がついてしまい、フォトダイオードの色の認識に悪影響が出る。本発明の近赤外線吸収顔料は可視領域に吸収が少なく不可視性が高いため、フォトダイオードの色の認識に対する悪影響が少ない。
しかし、ディスプレイ内蔵型指紋センサはディスプレイ内に設置された各種光源を指紋に照射して、その反射光をセンシングするという光学方式が多いため、外部の不正な光(太陽光やLED照明のような広範囲の波長を持ち、且つ、強い光)がセンサに入射されると、撮像時のノイズになる問題があり、屋外での使用には精度面でやや不安が残る。近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体は、このノイズを遮断するフィルタとして使用できる。
センシングのための光源の波長に合わせて、その他の色素を含有させることで、生体認証の精度をより高めることができる。
指紋認証のために570nm程度の光源を用いる場合は、その他の色素として、例えば、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、C.I.ピグメントグリーン63等を含有すると良い。940nm程度の光源を用いる場合は、黒色色素、複数の色素を組み合わせて黒色を呈する色素組成物等を含有すると良い。なお、本発明はこれらに限定されないことは言うまでもない。
本発明に用いたスクアリリウム色素の同定には、MALDI TOF-MSスペクトルを用いた。MALDI TOF-MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物の同定を行った。
本発明に用いたその他の微細化色素(PB-1)~(PB-4)の同定は、飛行時間型質量分析装置(autoflexIII(TOF-MS)、ブルカー・ダルトニクス社製)を用いて得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致、並びに、元素分析装置(2400CHN元素分析装置、パーキン・エルマー社製)を用いて得られる炭素、水素および窒素の比率と、理論値との一致により行った。また、ハロゲン原子の置換数は、顔料を酸素燃焼フラスコ法にて燃焼させ、該燃焼物を水に吸収させた液体を、イオンクロマトグラフ(ICS-2000イオンクロマトグラフィー、DIONEX社製)によりハロゲン量を定量し、ハロゲン原子の置換数に換算することで得た。
樹脂型分散剤およびバインダ樹脂の酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。樹脂および樹脂型分散剤の酸価は、不揮発分の酸価を示す。
樹脂型分散剤およびバインダ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
塩基性樹脂型分散剤の重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
装置としてHLC-8320GPC(東ソー株式会社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSKgel SUPER-AW3000」を使用し、オーブン温度40℃、溶離液として3mMトリエチルアミン及び10mM LiBrのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を用い、流速0.6ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、10マイクロリットル注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。
樹脂型分散剤のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。樹脂型分散剤のアミン価は、不揮発分のアミン価を示す。
樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。下記樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、不揮発分の4級アンモニウム塩価を示す。
(スクアリリウム色素(A-1_1)の合成)
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、シクロヘキサノン25.1部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。
反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム色素(A-1_1)61.9部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム色素(A-1_1)であることを同定した。
スクアリリウム色素(A-1_1)の合成で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、3,5-ジメチルシクロヘキサノン32.2部を使用した以外は、スクアリリウム色素(A-1_1)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム色素(A-1_2)72.6部(収率:98%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム色素(A-1_2)であることを同定した。
スクアリリウム色素(A-1_1)の合成で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、4-メチルシクロヘキサノン28.6部を使用した以外は、スクアリリウム色素(A2-1)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム色素(A-1_3)67.2部(収率:95%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム色素(A-1_3)であることを同定した。
特許文献WO2017/130825の実施例で使用されているスクアリリウム化合物Q-39を、スクアリリウム色素(A-1_4)として使用した。
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、9-フルオレノン46.0部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム色素(A-2_1)84.6部(収率:97%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム色素(A-2_1)であることを同定した。
スクアリリウム色素(A-2_1)の合成で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2,7-ビス(トリフルオロメチル)-9-フルオレノン80.7部を使用した以外は、スクアリリウム色素(A-2_1)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム色素(A-2_2)109.8部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム色素(A-2_2)であることを同定した。
スクアリリウム色素(A-2_1)の合成で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-ヒドロキシ-9-フルオレノン50.1部を使用した以外は、スクアリリウム色素(A-2_1)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム色素(A-2_3)83.9部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム色素(A-2_3)であることを同定した。
特許文献WO2017/104283の実施例で使用されている化合物4を、スクアリリウム色素(A-2_4)として使用した。
[溶剤処理工程]
スクアリリウム色素(A-1_1)50部をN-メチルピロリドン250部に混合し、23℃で24時間攪拌した。その後、濾過を行い、メタノール150部で洗浄した後に取り出し、80℃で一昼夜乾燥させ、粉体25部を得た。
[微細化工程]
得られた粉体10部、塩化ナトリウム100部、エチレングリコール12.5部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃ で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃ に加熱しながら1 時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ粉砕することにより、9.4部の微細化されたスクアリリウム色素(P-1_1)を得た。
[平均粒子径]
顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積( 重量) を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)を用いた。
この方法で測定した結果、平均一次粒子径は50nmであった。
[成分比率]
5.0mgのスクアリリウム色素(P-1_1)を100mlのメスフラスコに入れ、HPLC用THFを加えて超音波を30分照射して溶解させ、100mlのTHF溶液を調整した。この溶液を用いて、上記装置及び上記条件により色素化合物BのHPLC測定を行った。
HPLC測定は、移動相としてアセトニトリルと水とを8:2の体積比で混合した混合溶液を用いた条件において逆相系液体クロマトグラフィーにより分析した。
その結果、複数のピークが示された。
具体的には、保持時間が12±1分に現れるピーク(ピーク1)、保持時間が42±1分に現れるピーク(ピーク2)、保持時間が46±2分に現れるピーク(ピーク3)、保持時間が50±2分に現れるピーク(ピーク4)、及び保持時間が57±2分に現れるピーク(ピーク5)によって構成されている。
ピーク5の面積は、ピーク1~5の面積の合計に対し、70%であった。
(その他の微細化スクアリリウム色素(PX-1)の製造)
特許文献2020/013089の実施例で使用されているスクアリリウム化合物SQ-R1を、その他のスクアリリウム色素(X-1)として使用した。その他のスクアリリウム色素(X-1)は、スクアリリウム色素(A-1_4)と同様に微細化を行い、その他の微細化スクアリリウム色素(PX-1)とした。
特許文献2020/013089の実施例で使用されているスクアリリウム化合物SQ-1を、その他のスクアリリウム色素(X-2)として使用した。その他のスクアリリウム色素(X-2)は、スクアリリウム色素(A-1_4)と同様に微細化を行い、その他の微細化スクアリリウム色素(PX-2)とした。
微細化スクアリリウム色素(P)を、最大吸光度が1程度となるようにNMP(N-メチル-2-ピロリドン)に溶解し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。結果を表1に示す。
下記式(3)で表される化合物を色素誘導体1として使用した。
(塩基性樹脂型分散剤1溶液の製造)
次に、この反応槽に、PGMAc25部、第二ブロックモノマーとして、上記化合物[b]30.3部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。上記式(4)で表される化合物[b]投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。
さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、固形分当たりのアミン価が70mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40重量%の塩基性樹脂型分散剤1溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート20部(以下、DMという)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が71.4mgKOH/g、重量平均分子量9,900(Mw)、不揮発分が40質量%の塩基性樹脂型分散剤2溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液25.6部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC78」)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が29.4mgKOH/g、重量平均分子量9,800(Mw)、不揮発分が40質量%の塩基性樹脂型分散剤3溶液を得た。
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート90部、エチルアクリレート50部、tert-ブチルアクリレート50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。
ピロメリット酸無水物19部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分測定で固形分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、質量平均分子量8500のその他の樹脂型分散剤4を得た。
(バインダ樹脂1溶液の製造)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn-ブチルメタクリレート13.3部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂1溶液を調製した。
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン370部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、ジシクロペンタニルメタクリレート18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換に替え、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価0.5となったところで反応を終了し、アクリル樹脂の溶液を得た。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂2溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19000であった。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックス(登録商標)M110」)20部、メタクリル酸メチル45部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'-アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製「カレンズ(登録商標)MOI」)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂3溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
[実施例1:近赤外線吸収組成物(D-1)]
(近赤外線吸収組成物(D-1)の製造)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、近赤外線吸収組成物(D-1)を作製した。
微細化スクアリリウム色素(P-1_1) :8.4部
微細化スクアリリウム色素(P-2_1) :3.6部
塩基性樹脂型分散剤1溶液 :9.0部
バインダ樹脂1溶液 :22.0部
PGMAC :57.0部
(近赤外線吸収組成物(D-2)~(D-27)の製造)
以下、微細化スクアリリウム色素、色素誘導体、分散剤溶液、バインダ樹脂溶液を表2に示す組成、量に変更した以外は近赤外線吸収組成物(D-1)と同様にして、近赤外線吸収組成物(D-2)~(D-27)を作製した。
ただし、実施例11~13、24は参考例である。
得られた近赤外線吸収組成物(D)を、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、800nmにおける透過率が1%となるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で20分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。
測定した吸収スペクトルから各範囲の平均透過率(T)を算出し、下記基準で評価した。評価結果を表2に示す。
○: (T) ≦ 5%
△: 5% < (T) ≦ 10%
×: 10% < (T)
分光特性2:750nm~850nm
○: (T) ≦ 5%
△: 5% < (T) ≦ 10%
×: 10% < (T)
分光特性3:850nm~900nm
○: (T) ≦ 5%
△: 5% < (T) ≦ 10%
×: 10% < (T)
分光特性4:940nm
〇: 50% ≦ (T)
△: 40% ≦ (T) < 50%
×: (T) < 40%
得られた近赤外線吸収組成物(D)を板厚0.7mmの360mm×465mmサイズの基板に中心部の膜厚(Aとする)が2.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、中心部の膜厚と対角線上で中心から200mm部分の膜厚4点の平均値(Bとする)を測定し、下式により膜厚の塗布均一性を評価した。
(A-B)×100/{(A+B)/2} [%]
○: 2%未満
△: 2%以上5%未満
×: 5%以上
(実施例25:感光性近赤外線吸収組成物(R-1)の製造)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、0.5μmのフィルタで濾過し、感光性近赤外線吸収組成物(R-1)を作製した。
近赤外線吸収組成物(D-2) :31.3部
バインダ樹脂2溶液 : 8.5部
熱硬化性化合物(E) : 0.8部
重合性化合物(F) : 4.5部
光重合開始剤(G) : 0.7部
増感剤(H) : 0.1部
チオール系連鎖移動剤(I) : 0.2部
重合禁止剤(J) : 0.2部
紫外線吸収剤(K) : 0.2部
酸化防止剤(L) : 0.2部
レベリング剤(M) : 5.0部
貯蔵安定剤(N) : 0.2部
密着向上剤(O) : 0.2部
溶剤(P) :48.4部
比較例4~5:感光性近赤外線吸収組成物(R-6)~(R-7)の製造)
以下、近赤外線吸収組成物(D-1)を表3に示す近赤外線吸収組成物に変更した以外は感光性近赤外線吸収組成物(R-1)と同様にして、感光性近赤外線吸収組成物(R-2)~(R-7)を作製した。
ただし、実施例28、29は参考例である。
(E-1-1)2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE-3150(ダイセル社製)]
(E-1-2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス株式会社製)]
(E-1-3)イソシアヌル酸トリグリシジル、
(E-1-4)3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT-221(東亞合成株式会社製)]
以上、(E-1-1)~(E-1-4)をそれぞれ同量混合し、熱硬化性化合物(E)とした。
(F-1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成株式会社製)]
(F-2)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(E-2)
[アロニックスM402(東亞合成株式会社製)]
(F-3)多塩基酸性アクリルオリゴマー
[アロニックスM520(東亞合成株式会社製)]
(F-4)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)]
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(F-5)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(F-5)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
[ABE-300(新中村化学社製)]
(F-7)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A-9300(新中村化学社製)]
以上、(F-1)~(F-7)をそれぞれ同量にて混合し、光重合性単量体(F)とした。
(G-1)2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン
[Omnirad 907(IGM Resins社製)]]
(G-2)2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン
[Omnirad 379EG(IGM Resins社製)]
(G-3)2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド
[Omnirad TPO(IGM Resins社製)]
(G-4)2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(G-5)p-ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(G-6)エタン-1-オン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル],1-(O-アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(G-7)1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
[Omnirad 2959(IGM Resins社製)]
(G-8)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
[Omnirad 819(IGM Resins社製)]
以上、(G-1)~(G-8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(G)とした。
(H-1)2,4-ジエチルチオキサントン
[カヤキュアDETX-S(日本化薬社製)]
(H-2)4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)]
以上、(H-1)(H-2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(H)とした。
(I-1)トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(I-2)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(I-3)ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(I-4)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(I-5)トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]―イソシアヌレート
[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(I-1)~(I-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(I)とした。
(J-1)3-メチルカテコール
(J-2)メチルヒドロキノン
(J-3)tert-ブチルヒドロキノン
以上、(J-1)~(J-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(J)とした。
(K-1)2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン
[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(K-2)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール
[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(K-1)(K-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(K)とした。
(L-1)ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(L-2)3,3'-チオジプロパン酸ジオクタデシル
(L-3)トリス[2,4-ジ-(tert)-ブチルフェニル]ホスファイト
(L-4)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
(L-5)サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(L-1)~(L-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(L)とした。
DIC株式会社製「メガファックF-551:含ふっ素基親油性基含有オリゴマー」1部、
ビックケミー社製「BYK-330:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン」 1部、
花王株式会社製「エマルゲン103:ポリオキシエチレンラウリルエーテル」 1部
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97部に溶解させた混合溶液。
(N-1)2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール
(本州化学工業社製「BHT」)
(N-2)トリフェニルホスフィン
(北興化学工業社製「TPP」)
以上、(N-1)(N-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(N)とした。
(O-1)3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-403(信越化学工業株式会社製)]
(O-2)3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBE-503(信越化学工業株式会社製)]
(O-3)N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-603(信越化学工業株式会社製)]
(O-4)3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-803(信越化学工業株式会社製)]
以上、(O-1)~(O-4)をそれぞれ同量にて混合し、シランカップリング剤(O)とした。
(P-1)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
(P-2)シクロヘキサノン 30部
(P-3)3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
(P-4)プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(P-5)シクロヘキサノールアセテート 10部
(P-6)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(P-1)~(P-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、溶剤(P)とした。
得られた感光性近赤外線吸収組成物(R)を、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、800nmにおける透過率が1%となるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて100mJ/cm2の紫外線を照射し、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像し、その後230℃で20分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。
測定した吸収スペクトルから各範囲の平均透過率(T)を算出し、近赤外線吸収組成物(D)の分光特性評価と同様の基準で評価した。評価結果を表3に示す。
得られた感光性近赤外線吸収組成物(R)を、近赤外線吸収組成物(D)の塗布性性評価と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
(その他の微細化色素(PB-1)の製造)
反応容器中でn-アミルアルコール1250部に、フタロジニトリル225部、塩化アルミニウム無水物78部を添加し、攪拌した。これに、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)266部を加え、昇温し、136℃で5時間還流させた。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部の混合溶媒中へ、攪拌下注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部の混合溶媒で洗浄し、乾燥して、135部のクロロアルミニウムフタロシアニンを得た。さらに、反応容器中でクロロアルミニウムフタロシアニン100部をゆっくり濃硫酸1200部に、室温にて加えた。40℃、3時間撹拌して、3℃の冷水24000部に硫酸溶液を注入した。青色の析出物をろ過、水洗、乾燥して、下記式(5)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料を102部得た。
続いて、得られたその他の色素(B-1)を100部と、塩化ナトリウムを1200部と、ジエチレングリコール120部とをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、その他の微細化色素(PB-1)を得た。平均一次粒子径は29.5nmであった。
反応容器中でメタノール1000部に、上記式(5)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料を100部とリン酸ジフェニルを49.5部とを加え、40℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、その他の色素(B-2)を114部を得た。
得られたその他の色素(B-2)を、その他の色素(B-1)と同様のソルトミリング処理法で、その他の微細化色素(PB-2)を得た。平均一次粒子径は31.2nmであった。
三つ口フラスコに、98%硫酸500部、下記式(6)で表されるフタロシアニン顔料50部、1,2-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)129.3部を加え撹拌し、20℃、6時間、反応させた。その後、3℃の氷水5000部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。ビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥して、フタロシアニン環に臭素原子が平均で10.1個置換された顔料を得た。
次に、3口フラスコに、N-メチルピロリドンを500部、得られたフタロシアニン環に臭素原子が平均で10.1個置換された顔料を50部およびリン酸ジフェニル13.9部を加え、90℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、その他の微細化色素(PB-3)を得た。平均一次粒子径は27nmであった。
三つ口フラスコに、塩化アルミニウム250部、塩化ナトリウム60部、ヨウ素2.25部加え150℃、30分間撹拌した。そこへ、上記式(5)で表されるアルミニウムフタロシアニン顔料50部加え、155℃、30分間撹拌し、溶解させた。さらにトリクロロイソシアヌル酸58.5部加え、190℃、5時間撹拌した。その後、3℃の氷水5000部に上記反応混合物を注入し、析出した固体をろ取し、水洗した。ビーカーに2.5%水酸化ナトリウム水溶液500部、ろ取した残渣を加え、80℃、1時間撹拌した。その後、この混合物をろ取、水洗、乾燥して、フタロシアニン環に塩素原子が平均で8.1個置換された顔料を得た。
次に、3口フラスコに、N-メチルピロリドンを500部、得られたフタロシアニン環に塩素原子が平均で8.1個置換された顔料を50部およびリン酸ジフェニル22.6部を加え、90℃に加熱し、8時間反応させた。これを室温まで冷却後、生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、乾燥させて、その他の微細化色素(PB-4)を得た。平均一次粒子径は29nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3(PB15:3)(トーヨーカラー社製「リオノールブルー FG-7351」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、95部のその他の微細化色素(PB-5)を得た。
C.I.ピグメントブルー15:3(PB15:3)(トーヨーカラー社製「リオノールブルー FG-7351」)を、C.I.ピグメントグリーン58(PG58)(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)に変更した以外は、その他の微細化色素(PB-5)の製造と同様にして、その他の微細化色素(PB-6)を得た。
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、着色組成物(BG-1)を作製した。
その他の微細化色素(PB-1) :12.0部
塩基性樹脂型分散剤1溶液 :9.0部
バインダ樹脂1溶液 :22.0部
PGMAC :57.0部
以下、その他の微細化色素(PB-1)を表4に示すその他の微細化色素(BG)に変更した以外は着色組成物(BG-1)と同様にして、着色組成物(BG-2)~(BG-6)を作製した。
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、0.5μmのフィルタで濾過し、感光性近赤外線吸収着色組成物(RG-1)を作製した。
近赤外線吸収組成物(D-5) :15.7部
着色組成物(BG-1) :15.7部
バインダ樹脂2溶液 : 8.5部
熱硬化性化合物(E) : 0.8部
重合性化合物(F) : 4.5部
光重合開始剤(G) : 0.7部
増感剤(H) : 0.1部
チオール系連鎖移動剤(I) : 0.2部
重合禁止剤(J) : 0.2部
紫外線吸収剤(K) : 0.2部
酸化防止剤(L) : 0.2部
レベリング剤(M) : 5.0部
貯蔵安定剤(N) : 0.2部
密着向上剤(O) : 0.2部
溶剤(P) :48.4部
比較例6:感光性近赤外線吸収着色組成物(RG-9)の製造)
以下、近赤外線吸収組成物(D-5)、着色組成物(BG-1)を表5に示す組成、量に変更した以外は感光性近赤外線吸収着色組成物(RG-1)と同様にして、感光性近赤外線吸収着色組成物(RG-2)~(RG-9)を作製した。
ただし、実施例33は参考例である。
得られた感光性近赤外線吸収着色組成物(RG)を、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、塗工膜厚が1.5μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて100mJ/cm2の紫外線を照射し、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像し、その後230℃で20分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。
測定した吸収スペクトルから各範囲の平均透過率(T)を算出し、分光特性1~3については、近赤外線吸収組成物(D)の分光特性評価と同様の基準で評価した。分光特性5および6については、下記基準で評価した。
評価結果を表5に示す。
○: 70% ≦ (T)
△: 60% ≦ (T) < 70%
×: (T) < 60%
分光特性6:600nm~700nm
○: (T) ≦ 5%
△: 5% < (T) ≦ 10%
×: 10% < (T)
(実施例38:近赤外線カットフィルタ(FC-1)の製造)
感光性近赤外線吸収組成物(R-1)を、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、塗工膜厚が1.5μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した。次いで、超高圧水銀ランプを用いて、100μm四方の近赤外線カットフィルタを形成するためフォトマスクを通して、100mJ/cm2の紫外線を照射した。露光後の塗膜を、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像し、100μm四方のパターンを形成させた。その後230℃で20分加熱し、近赤外線カットフィルタ(FC-1)を作製した。
感光性近赤外線吸収組成物(R-1)を表6に示す感光性近赤外線吸収組成物(R)、または感光性近赤外線吸収着色組成物(RG)に変更した以外は、近赤外線カットフィルタ(FC-1)と同様にして、近赤外線カットフィルタ(FC-2)~(FC-5)を作製した。
ただし、実施例39は参考例である。
また、本発明の400~1000nmの範囲における最大吸収波長を800~900nmの間に有するスクアリリウム色素(A)を2種以上含むことに加えて、青色や緑色の色素を含むことにより(実施例40~42)、例えば有機EL表示装置の画面内指紋認証等の検出に用いられる青色~緑色の光の透過率が高く、ノイズとなる赤色の光や700nm~900nmまでの近赤外線カット能力が高い近赤外線カットフィルタを得ることができた。
(その他の微細化色素(PB-7)の製造)
青色有機顔料C.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6)(トーヨーカラー社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、その他の微細化色素(PB-7)を得た。
黄色有機顔料C.I.ピグメントイエロー139(PY139)(クラリアント社製「Novoperm Yellow P-M3R」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、その他の微細化色素(PB-8)を得た。
紫色有機顔料C.I.ピグメントバイオレット23(PV23)(トーヨーカラー社製「LIONOGEN VIOLET FG-6140」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、その他の微細化色素(PB-9)を得た。
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、着色組成物(BB-1)を作製した。
その他の微細化色素(PB-7) :4.2部
その他の微細化色素(PB-8) :4.2部
その他の微細化色素(PB-9) :3.6部
塩基性樹脂型分散剤1溶液 :15.0部
バインダ樹脂1溶液 :10.0部
PGMAC :63.0部
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、0.5μmのフィルタで濾過し、感光性近赤外線透過性組成物(RB-1)を作製した。
近赤外線吸収組成物(D-5) :11.3部
着色組成物(BB-1) :45.0部
バインダ樹脂2溶液 :0.8部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM402」) :3.0部
エタン-1-オン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル],1-(O-アセチルオキシム)[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)] :0.5部
レベリング剤(M) :5.0部
溶剤(P) :34.6部
(近赤外線透過フィルタ(FT-1)の製造)
感光性近赤外線透過性組成物(RB-1)を、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、塗工膜厚が2.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した。次いで、超高圧水銀ランプを用いて、100μm四方の近赤外線透過フィルタを形成するためフォトマスクを通して、100mJ/cm2の紫外線を照射した。露光後の塗膜を、0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像し、100μm四方のパターンを形成させた。その後230℃で20分加熱し、近赤外線透過フィルタ(FT-1)を作製した。
Claims (9)
- 400~1000nmの範囲における最大吸収波長を800~900nmの間に有するスクアリリウム色素(A)を2種以上含む近赤外線吸収組成物であって、第1のスクアリリウム色素(A-1)の最大吸収波長をλ1max、第2のスクアリリウム色素(A-2)の最大吸収波長をλ2maxとしたとき、下記式(1)の関係を満たし、
前記スクアリリウム色素(A-1)および(A-2)が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする近赤外線吸収組成物。
式(1) 0nm < λ2max-λ1max ≦ 100nm
一般式(1)
( 一般式(1)中、R 1 ~R 4 はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR 10 、-COR 11 、-COOR 12 、-COOM 1 、-OCOR 13 、- NR 14 R 15 、-NHCOR 16 、-CONR 17 R 18 、-NHCONR 19 R 20 、-NHCOOR 21 、-SR 22 、-SO 2 R 23 、-SO 2 OR 24 、-SO 3 M 2 、-NHSO 2 R 25 、-SO 2 NR 26 R 27 、-B(OR 28 ) 2 、または-NHBR 29 R 30 を表す。R 10 ~R 30 は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR 12 のR 12 が水素の場合は、水素原子が解離してもよい。-COOM 1 は、カルボキシル基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、-SO 2 OR 24 のR 24 が水素原子の場合は、水素原子が解離してもよい。-SO 3 M 2 は、スルホ基の金属塩またはアルキルアンモニウム塩を表す。また、R 1 とR 2 、R 3 とR 4 はお互いに結合して環を形成しても良い。) - 前記λ1maxおよびλ2maxが、下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の近赤外線吸収組成物。
式(2) 10nm ≦ λ2max-λ1max ≦ 100nm - 前記スクアリリウム色素(A-1)および(A-2)が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の近赤外線吸収組成物。
一般式(2)
(一般式(2)中、R5~R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-OCOR53、-NR54R55、-NHCOR56、-CONR57R58、-NHCONR59R60、-NHCOOR61、-SR62、-SO2R63、-SO2OR64、-NHSO2R65または-SO2NR66R67、-B(OR68)2、および-NHBR69R70を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SO2OR64のR64が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、R5とR6、R7とR8はお互いに結合して環を形成しても良い。) - 800nmにおける透過率が1%になるように塗膜を形成した際に、940nmにおける透過率が50%以上であることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
- さらに塩基性樹脂型分散剤を含むことを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
- さらに光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
- 請求項1~6いずれか1項記載の近赤外線吸収組成物と、黒色を呈する着色組成物を含むことを特徴とする近赤外線透過組成物。
- 請求項1~6いずれか1項記載の近赤外線吸収組成物を用いて形成される光学フィルタ。
- 請求項7記載の近赤外線透過組成物を用いて形成される光学フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020177815A JP7537226B2 (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | 近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020177815A JP7537226B2 (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | 近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022068962A JP2022068962A (ja) | 2022-05-11 |
JP7537226B2 true JP7537226B2 (ja) | 2024-08-21 |
Family
ID=81521803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020177815A Active JP7537226B2 (ja) | 2020-10-23 | 2020-10-23 | 近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7537226B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017213047A1 (ja) | 2016-06-08 | 2017-12-14 | Jsr株式会社 | 光学フィルターおよび光学センサー装置 |
JP2018045011A (ja) | 2016-09-13 | 2018-03-22 | 富士フイルム株式会社 | 赤外線吸収剤、組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2020054718A1 (ja) | 2018-09-14 | 2020-03-19 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性組成物、分散液の製造方法、膜、光学フィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置及び赤外線センサ |
JP2020172614A (ja) | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 三菱ケミカル株式会社 | 色素組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置及び赤外線センサ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3639064B2 (ja) * | 1996-10-01 | 2005-04-13 | 富士写真フイルム株式会社 | 熱現像感光材料 |
-
2020
- 2020-10-23 JP JP2020177815A patent/JP7537226B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017213047A1 (ja) | 2016-06-08 | 2017-12-14 | Jsr株式会社 | 光学フィルターおよび光学センサー装置 |
JP2018045011A (ja) | 2016-09-13 | 2018-03-22 | 富士フイルム株式会社 | 赤外線吸収剤、組成物、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
WO2020054718A1 (ja) | 2018-09-14 | 2020-03-19 | 富士フイルム株式会社 | 近赤外線吸収性組成物、分散液の製造方法、膜、光学フィルタ、パターン形成方法、積層体、固体撮像素子、画像表示装置及び赤外線センサ |
JP2020172614A (ja) | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 三菱ケミカル株式会社 | 色素組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置及び赤外線センサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022068962A (ja) | 2022-05-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6626905B2 (ja) | 固体撮像素子用近赤外線吸収性組成物およびフィルタ | |
JP7478332B1 (ja) | 感光性組成物、それを用いた膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置、及び赤外線センサ | |
JP2023057576A (ja) | 感光性着色組成物、それを用いた硬化膜、遮光フィルタ、カラーフィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子 | |
WO2019049626A1 (ja) | 組成物及びその製造方法、膜、光学フィルタ、積層体、固体撮像素子、画像表示装置、並びに、赤外線センサ | |
JP7415342B2 (ja) | 感光性着色組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置 | |
JP7422303B2 (ja) | 感光性緑色組成物、カラーフィルタおよび表示装置 | |
JP7537226B2 (ja) | 近赤外線吸収組成物、近赤外線透過組成物、および光学フィルタ | |
JP2021004922A (ja) | 感光性着色組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置 | |
JP6911604B2 (ja) | カラーフィルタ用着色剤、カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ | |
JP7463887B2 (ja) | 着色組成物、および近赤外線カットフィルタ | |
JP2022096687A (ja) | 赤外線吸収性組成物および近赤外線カットフィルタ | |
CN115053155A (zh) | 彩色滤光片用颜料组合物、着色组合物、彩色滤光片、液晶显示装置及固体摄像元件 | |
JP7639302B2 (ja) | 赤外線吸収性組成物及び光学フィルタ | |
JP7666137B2 (ja) | 固体撮像素子に使用されるカラーフィルタ用感光性着色組成物、およびカラーフィルタ、固体撮像素子 | |
JP2021021887A (ja) | 感光性着色組成物、並びにこれを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置 | |
JP7571422B2 (ja) | 着色組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置、および固体撮像素子。 | |
JP7593090B2 (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
JP7353550B1 (ja) | 感光性着色組成物、カラーフィルタ、画像表示装置、および固体撮像素子 | |
JP7512673B2 (ja) | 赤外線透過型着色組成物、赤外線フィルタ、赤外線カメラ、および赤外線センサ | |
JP7631783B2 (ja) | 指紋認証センサ用感光性組成物、光学フィルタ、指紋認証センサ、および画像表示装置 | |
JP7491169B2 (ja) | 感光性組成物、光学フィルタ、指紋認証センサ、および画像表示装置 | |
JP2024075866A (ja) | 樹脂組成物、それを用いた膜、光学フィルタ、赤外線カメラ、固体撮像素子、赤外線センサ、及び積層体 | |
JP2025097451A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ、固体撮像素子、及び画像表示装置 | |
JP2024025600A (ja) | 樹脂組成物、それを用いた膜、光学フィルタ、赤外線カメラ、固体撮像素子、赤外線センサ、及び積層体 | |
KR20250036006A (ko) | 감광성 착색 조성물, 및 컬러 필터, 액정 표시 장치, 고체 촬상 소자 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230705 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20230714 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20230714 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20240319 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240409 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240521 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240709 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240722 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7537226 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |