JP7531848B2 - 電力供給方法および電力システム - Google Patents
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Description
RAは、ユーザーが所有するDERの一部を制御する権利を収集および集約し、一つの塊として電力エネルギー(例えば、kW/ΔkW/kWh)の価値を提供する。
ここで、制限事項の具体例は、蓄電池のSOC(State Of Charge)の30%まで放電するという事項、あるいは、蓄電池のSOCの90%まで充電を許可するという事項などがある。
事前に申告された事項は確約された事項であるため、RAからの要求があった場合にはユーザーは当該要求に必ず従う必要があった。
例えば、ユーザーのDER利用パターンも毎日同じになるとは限らず、RAに対しての事前申告が100%達成できそうにない場合、RAにDER制御を供出すること自体をユーザーがあきらめてしまう原因となる。
[電力システム]
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電力システム1の概略的な構成を示す図である。
本実施形態に係る電力システム1では、ユーザー(需要家)が所有する分散型エネルギーリソース(DER14)をリソースアグリゲーター(RA)へ供給することが行われる。
DER14は、1以上の機器を含む。本実施形態では、DER14は、蓄電池31と、HP(Heat Pump)給湯機32と、EV(Electric Vehicle)33と、エアコン(エア・コンディショナーの略)34と、を含む。なお、DER14は、任意の機器を含んでもよく、例えば、太陽光発電機を含んでもよい。
機器サーバー12とコントローラー13とは、通信可能に接続されている。
コントローラー13とDER14の個々の機器とは、通信可能に接続されている。
なお、これらの通信としては、それぞれ、有線通信が用いられてもよく、あるいは、無線通信が用いられてもよい。
また、例えば、機器サーバー12と、コントローラー13と、DER14は、需要家の施設に備えられる。
なお、RAサーバー11は、RAの施設に対して外部に備えられてもよい。
また、機器サーバー12およびコントローラー13は、それぞれ、需要家の施設に対して外部に備えられてもよい。
ユーザー(需要家)は、自身が所有するDER14の供出量(電力/電力量/制限事項)に加えて、実行見込も、RAに対して事前申告する。
ここで、本実施形態では、実行見込は、ユーザーが所有するDER14がRAから制御指示を受けたときに実際に実行する条件を表し、例えば、実際に実行する割合などを示す指標であってもよい。
本実施形態では、実行見込は、100%の保証ではなくてもよいが、100%の保証を含んでもよい。この場合、従来では、いわば、実行見込が必ず100%保証であったと解釈される。
(実行見込の例1)「10回の制御指示のうち、5回は必ず実行する」という実行見込が用いられてもよい。
(実行見込の例2)「過去10回の制御の指示のうち実行したことが3回を下回らないように維持する」という実行見込が用いられてもよい。
(実行見込の例3)「連続3回実行しないということがないようにする」という実行見込が用いられてもよい。
(実行見込の例4)「ユーザーによって行われる制御を優先する」という実行見込が用いられてもよい。ここで、ユーザーによって行われる制御を優先する場合、RAからの要求がユーザーの制御と異なるときには、ユーザーの制御が優先される。
(実行見込の例5)「家のブレーカーが落ちない範囲で制御指示に従う」という実行見込が用いられてもよい。
ただし、(実行見込の例4)~(実行見込の例5)のような指定でも問題ない。
このように、実行見込は、RAとユーザーとの契約で、任意に定められればよい。
(実行見込の例6)「13時~17時には、連続3回実行しないということがないようにする」という実行見込が用いられてもよい。当該実行見込は、(実行見込の例3)と時間帯との組み合わせとして捉えることもできる。
(実行見込の例7)「13時~17時以外には、必ず実行する」という実行見込が用いられてもよい。当該実行見込は、「必ず実行する」という内容と時間帯との組み合わせとして捉えることもできる。
実行見込は、例えば、RAサーバー11が随時オンライン通信を行うことで取得して登録してもよく、あるいは、契約時などにオフラインの設定によりRAサーバー11により取得されて登録されてもよい。
また、DER供出量および実行見込は、初期的に設定された後に更新されてもよい。
(実行見込の登録の例1)所定の機器に対してユーザーが実行見込の設定を行うと、当該機器が当該設定の内容をRAサーバー11に送信する。これにより、RAサーバー11は、実行見込の設定内容を取得する。
当該機器は、任意の機器であってもよく、例えば、DER14に含まれる蓄電池31、HP給湯機32、EV33、エアコン34のうちの1以上であってもよい。この場合、当該機器とRAサーバー11とは、コントローラー13および機器サーバー12を介して、通信を行う。
当該機器は、(実行見込の登録の例1)の場合と同様である。
ここで、所定の機器に対してユーザーが行う設定としては、例えば、宅内制御優先設定などであってもよい。宅内制御優先設定の内容は、例えば、ユーザーによる宅内制御を優先させるような任意の制御内容であってもよい。
ここで、コントローラー13に対してユーザーが行う設定は、例えば、(実行見込の登録の例1)または(実行見込の登録の例2)の設定であってもよい。(実行見込の登録の例2)の設定の場合、コントローラー13がユーザーからの設定に応じた実行見込の設定内容を計算する。
コントローラー13とRAサーバー11とは、機器サーバー12を介して、通信を行う。
ここで、機器サーバー12に対してユーザーが行う設定は、例えば、(実行見込の登録の例1)または(実行見込の登録の例2)の設定であってもよい。(実行見込の登録の例2)の設定の場合、機器サーバー12がユーザーからの設定に応じた実行見込の設定内容を計算する。
ここで、RAサーバー11に対してユーザーが行う設定は、例えば、(実行見込の登録の例1)または(実行見込の登録の例2)の設定であってもよい。(実行見込の登録の例2)の設定の場合、RAサーバー11がユーザーからの設定に応じた実行見込の設定内容を計算する。
スマートフォンなどの所定のモバイル機器に対してユーザーが所定の設定を行うと、当該モバイル機器が当該設定に応じた実行見込の設定内容を、直接または間接に、RAサーバー11に送信する。これにより、RAサーバー11は、実行見込の設定内容を取得する。
ここで、当該モバイル機器に対してユーザーが行う設定は、例えば、(実行見込の登録の例1)または(実行見込の登録の例2)の設定であってもよい。(実行見込の登録の例2)の設定の場合、当該モバイル機器がユーザーからの設定に応じた実行見込の設定内容を計算する。
この場合、例えば、ユーザーが申請した実行見込の設定内容を、RAの担当者がRAサーバー11に登録する。
このような画面を用いた設定は、任意の装置で行われてもよい。
当該操作部は、例えば、DER14の機器に設けられてもよく、あるいは、他の装置に設けられてもよい。
図2は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電力システム1において行われる概略的な動作の例を示す図である。
図2の例では、RAサーバー11と、DER側111と、を示してある。
DER側111は、DER14を含み、さらに、RAサーバー11とDER14との間に存在する装置も含む。図1の例では、当該装置は、機器サーバー12およびコントローラー13である。つまり、RAサーバー11とDER14とのやり取りが行われれば、これらの間に存在する装置の動作は任意に設計されてもよい。
RAサーバー11では、DER14のユーザーによって指定されたDER供出量および実行見込が登録される。
その後、RAサーバー11では、登録された内容に基づいて、制御が行われる。
RAサーバー11において、DER14に対する制御指示が発生すると、次の(処理T21)を実行する。
ここで、当該制御指示は、任意の制御に関する指示であってもよく、例えば、DER14に含まれる特定の機器の電源をオンにする指示またはオフにする指示などであってもよい。
(処理T21)
RAサーバー11では、DER14に対して制御指示を送信する。
DER14では、RAサーバー11から送信された制御指示に応じた制御を行う。
なお、当該制御は、例えば、DER14によって行われてもよく、あるいは、コントローラー13によって行われてもよい。
(処理T22)
DER14では、このような制御の結果をRAサーバー11に対して送信する。
ここで、このような制御結果は、例えば、RAサーバー11からの制御指示で指示された制御が成功したかまたは失敗したかを示す内容などを含んでもよい。
RAサーバー11では、DER14から送信された制御結果を取得する。
図3では、当該情報をテーブル1011に示してある。
ユーザーの欄は、それぞれのユーザーを識別する情報を含む。図3の例では、ユーザー1、ユーザー2といったように、番号によってそれぞれのユーザーが識別されている。
機器の欄は、それぞれの機器を識別する情報を含む。図3の例では、蓄電池1、HP給湯機1、EV充電器2といったように、名称と番号によってそれぞれの機器が識別されている。
制御内容の欄は、制御の内容を表す情報を含む。図3の例では、充電、放電、沸き上げといったように、名称によってそれぞれの制御内容が表されている。
電力の欄は、使用される電力(推定電力でもよい)を表す情報を含む。図3の例では、6kW、1.6kW、3kWといったように、数値によってそれぞれの電力が表されている。
電力量の欄は、使用される電力量(推定電力量でもよい)を表す情報を含む。図3の例では、24kWh、18kWh、3.2kWh、12kWhといったように、数値によってそれぞれの電力量が表されている。
制限事項の欄は、制限事項の内容を表す情報を含む。図3の例では、SOC100%まで(許容する)、SOC30%まで(許容する)、沸き上げ完了まで(許容する)、EV接続時(には許容する)といったように、それぞれの制限事項の内容が表されている。
時間帯の欄は、時間帯を表す情報を含む。図3の例では、13-17時、13-17時以外といったように、数値を用いてそれぞれの時間帯が表されている。
RAは、DER供出量に加えて実行見込を加味して必要なDER制御計画を策定する。
RAサーバー11は、DER制御計画に従い、対象となるDER14に制御信号を送出する。
そして、RAサーバー11は、DER14が動作したかどうかの結果を取得する。RAサーバー11は、取得した動作結果に基づいて、適宜、DER制御計画を微修正する。
RAは、制御量に加えて、実行見込、および、当該実行見込の達成度(例えば、制御結果)を加味して、例えば、インセンティブをユーザーに与える。インセンティブは、多様な任意のものであってもよく、例えば、金銭、ポイント、電気料金等の割引(例えば、料金表による割引)、などであってもよい。
本実施形態では、実行見込の内容によって、インセンティブの内容が設定されてもよい。
従来では、ユーザーは、RAに完全に従ってRAが100%優先制御を行うか、または、RAには同意せずにユーザーが100%自由に制御を行うか、のいずれかしか選択することができなかった。
これに対して、本実施形態では、ユーザーは、RAに対して実行見込を登録することで、RAに100%従う必要がない具体的な条件を設定することが可能である。これにより、ユーザーは、自身が保有するDER14を、家庭内での利用状況を考慮した条件付きで、RAに供出することができる。また、ユーザーは、実行見込および当該実行見込の達成度に応じたメリットを得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る電力システム1では、ユーザーが所有するDER14をRAへ供給する場合に、ユーザーのDER14の供出量、および、100%保証ではない条件を設定することが可能な実行見込を事前に受け付け、当該供出量および当該実行見込に基づいてRAによってDER14の機器を制御する、電力供給方法が用いられている。
本実施形態では、DERは必ずしも100%の実行を受け付けるとは限らないが、RAは、例えば、十分な量のDERを集めることで、その時々に必要十分な量を確保することが可能である。
また、RAでは、DER供出量および実行見込に応じてユーザーへのインセンティブを変更する、などの工夫が可能となる。
また、本実施形態では、実行見込として、時間と内容とが対応する条件を設定することが可能である。
[電力システム]
図4は、本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る電力システム201の概略的な構成を示す図である。
本実施形態では、第1実施形態に係る図1に示される電力システム1と同様な構成部については、同じ参照符号を付して説明し、詳しい説明を省略する。
本実施形態では、スマートメーター231とコントローラー211とが通信可能に接続されている。このような接続のルートは、Bルートとも呼ばれている。なお、本実施形態では、Bルートを用いてスマートメーター231とコントローラー211とが接続されて通信を行う場合を示すが、他の構成例として、スマートメーター231とコントローラー211以外の装置とが接続されて通信を行う構成が用いられてもよい。
ここで、コントローラー211によって取得されるスマートメーター231における情報としては、任意の情報であってもよく、例えば、瞬時電力計測値、あるいは、ブレーカー容量などのうちの1以上であってもよい。
なお、本実施形態では、DER供出量を可変に決定する機能をコントローラー211に備える場合を示したが、他の構成例として、当該機能がコントローラー211と機器サーバー12とに分散されて備えられてもよく、あるいは、当該機能が機器サーバー12に備えられてもよい。
本実施形態では、家のブレーカー容量(限界)が6kWであり、対象となるDERの機器がEV普通充電(1.2kW~3kWで可変制御が可能なもの)であり、EV普通充電のSOCは十分に小さいこととする(つまり、十分な充電容量がある状態であるとする)。
図5では、当該情報をテーブル1111に示してある。
本実施形態では、<A>ブレーカー容量および<B>瞬時電力計測値の情報は、スマートメーター231からコントローラー211に送られて取得される。
<C>家のブレーカーの容量限界までの容量は、6kWから瞬時電力計測値を減算した結果に相当する。
<A>ブレーカー容量は、6kWである。
第1の例では、<B>瞬時電力計測値が0~3kWである場合、<C>家のブレーカーの容量限界までの容量は6~3kWであり、<D>DER供出量は例えば3kWとされる。
第2の例では、<B>瞬時電力計測値が3~4.8kWである場合、<C>家のブレーカーの容量限界までの容量は3~1.2kWであり、<D>DER供出量は例えば3~1.2kW(<C>の値)とされる。この場合、DER供出量は、家のブレーカーの容量限界までの容量に応じて(つまり、瞬時電力計測値に応じて)変化する。
第3の例では、<B>瞬時電力計測値が4.8kWを超える場合、<C>家のブレーカーの容量限界までの容量は1.2~0kWであり、<D>DER供出量は例えば0kWとされる。
この理由は、瞬時電力計測値は常に変化し得るため、家のブレーカーの容量限界までの容量に応じて(つまり、瞬時電力計測値に応じて)DER供出量を変化させると、DER供出量が常に変化し得るためである。このため、例えば、複数の段階のそれぞれの閾値を用いて、家のブレーカーの容量限界までの容量がそれぞれの閾値を超えるごと、または、それぞれの閾値を下回るごとに、それぞれの段階のDER供出量を設定することで、DER供出量の変動を抑制することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る電力システム201では、第1実施形態と同様に、ユーザーは自由度をもってDERをRAに供出することができる。
また、本実施形態では、スマートメーター231のBルートを用いて、ブレーカーの容量に関する情報を取得することができる。
[構成例]
一構成例として、需要家(ユーザー)が所有する分散型エネルギーリソース(図1および図4の例では、DER14)をリソースアグリゲーター(RA)へ供給する電力供給方法(図1および図4の例では、電力システム1、201において行われる方法)であって、需要家の分散型エネルギーリソースの供出量、および、100%保証ではない条件を設定することが可能な実行見込を事前に受け付け、当該供出量および当該実行見込に基づいてリソースアグリゲーターによって分散型エネルギーリソースの機器(図1および図4の例では、DER14の機器)を制御する。
一構成例として、電力供給方法において、実行見込として、時間と内容とが対応する条件を設定することが可能である。
一構成例として、電力供給方法において、需要家のスマートメーターのBルートでブレーカー容量を取得する。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体である。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (6)
- 需要家が所有する分散型エネルギーリソースをリソースアグリゲーターへ供給する電力供給方法であって、
前記需要家の前記分散型エネルギーリソースの供出量、および、100%保証ではない条件を設定することが可能な実行見込を事前に受け付け、
前記供出量および前記実行見込に基づいて前記リソースアグリゲーターによって前記分散型エネルギーリソースの機器を制御する、
電力供給方法。 - 前記実行見込として、パーセントあるいは回数のうちの一方または両方を用いた条件を設定することが可能である、
請求項1に記載の電力供給方法。 - 前記実行見込として、時間と内容とが対応する条件を設定することが可能である、
請求項1または請求項2に記載の電力供給方法。 - 前記実行見込として、前記需要家のブレーカー容量を用いた条件を設定することが可能である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力供給方法。 - 前記需要家のスマートメーターのBルートで前記ブレーカー容量を取得する、
請求項4に記載の電力供給方法。 - 需要家が所有する分散型エネルギーリソースをリソースアグリゲーターへ供給する電力システムであって、
前記リソースアグリゲーターの第1装置を備え、
前記第1装置は、前記需要家の前記分散型エネルギーリソースの供出量、および、100%保証ではない条件を設定することが可能な実行見込を記憶し、
前記第1装置は、前記供出量および前記実行見込に基づいて前記分散型エネルギーリソースの機器を制御する、
電力システム。
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