JP7571398B2 - 情報処理装置、見守りシステム、および制御プログラム - Google Patents

Description

本発明は情報処理装置、見守りシステム、および制御プログラムに関する。特に、本発明は、被介護者へのケアを行う情報処理装置、見守りシステム、および制御プログラムに関する。

被介護者は、病院や老人福祉施設などの施設において、歩行中に転倒したり、ベッドから転落して怪我をしたりするおそれがある。そのため、被介護者等がこのような状態になったときに看護師や介護士がすぐに駆けつけられるようにするために、被介護者等の状態を常時検知するためのシステムの開発が進められている。

このようなシステムとして特許文献１に開示された介護支援システムにおいては、介護者が被介護者の異常や介護の必要な状況を検知した場合に、その深刻さ、緊急性、危険性等の重要度の程度に応じた報知方法を選択できるようにしている。また、この介護支援システムでは、被介護者毎の基本動作の能力レベルに応じて検知レベルを設定するとともに、介護者が被介護者の特性に応じて報知方法を選択する。

特開２００１－３０７２５７号公報

しかしながら、特許文献１に開示された介護システムでは、スタッフ（介護者）が被介護者の特性に応じて報知方法を選択できるようにしているが、行ったケアの経験を次回以降に活用することは、スタッフ個人の運用に任されている。そのため、適切でない報知のメッセージが継続して、修正されず、その結果、必要でない場合に不要なメッセージが報知されることになる。このような不要な報知が頻繁に行われると、スタッフの精神的負荷や肉体的負荷が増加するという問題がある。また、逆に必要な場合に、報知がなされないと、重大な事故に繋がるおそれがあり、何か問題が発生したときに対応したスタッフ個人に責任が及ぶ可能性が高く、スタッフは常にその重圧にさらされながら多数の報知を受信し、これに適宜対応するため、精神的、肉体的に大きな負担を強いられることになる。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、イベントに関する回答結果をイベントに関する情報と紐付けて記憶することで、どのイベントに回答が集まっているかの情報を把握することでケアの改善に役立てることができる情報処理装置、見守りシステム、および制御プログラムを提供することを目的とする。

本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。

（１）ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得する取得部と、
第一端末に前記イベント情報、および前記イベント情報に関する判定が正判定か誤判定かの適否をフィードバックするように要求するフィードバック要求を送信する送信部と、
前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の前記適否の回答を受信する受信部と、
前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理部と、
を備え、
前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定する判定部を、さらに、備える、情報処理装置。

（２）前記記憶部に蓄積されて記憶された前記回答を、前記イベント情報毎に表示する表示部を備えた上記（１）に記載の情報処理装置。

（３）前記状態情報には、前記ケア対象者に対応付けられた観察領域における該ケア対象者の動きを検出する検出部からの出力、および前記ケア対象者によるケアコールのコール信号が含まれ、
前記イベントの種類には、前記検出部からの出力により判定した前記観察領域にあるベッドからの前記ケア対象者の起床、離床、および転倒、ならびに前記ケア対象者によるケアコールが含まれる、上記（１）、または上記（２）に記載の情報処理装置。

（４）前記受信部は、前記回答として、前記ケア対象者のケアに関する付加情報を受け付ける、上記（１）から上記（３）のいずれかに記載の情報処理装置。

（５）前記第一端末には、前記ケア対象者への対応を行うスタッフが使用するスタッフ端末が含まれる、上記（１）から上記（４）のいずれかに記載の情報処理装置。

（６）前記第一端末には、前記スタッフへの指示を行う情報管理者が使用する情報管理者端末が含まれる、上記（５）に記載の情報処理装置。

（７）前記送信部は、前記情報管理者端末に対して、前記イベント情報、および前記フィードバック要求を送信し、
前記受信部は、前記情報管理者端末から受信した前記フィードバック要求に対する前記回答、および前記指示を受け付け、
前記送信部は、前記情報管理者端末から受け付けた前記指示を前記スタッフに送信し、
前記蓄積処理部は、前記受信部が受け付けた前記情報管理者からの前記回答を、前記イベント情報と紐付けて前記記憶部に記憶させる、上記（６）に記載の情報処理装置。
（８）ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得する取得部と、
第一端末に前記イベント情報を送信する送信部と、
前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信する受信部と、
前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理部と、
を備え、
前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定する判定部を、さらに、備える、情報処理装置。

（９）前記ケア対象者に対応付けられた観察領域における該ケア対象者の動きを検出する検出部と、
上記（１）から上記（８）のいずれかに記載の情報処理装置と、
１つ以上のスタッフ端末と、を備える、見守りシステム。

（１０）ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得するステップ（ａ）と、
第一端末に前記イベント情報を送信するステップ（ｂ）と、
前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信するステップ（ｃ）と、
前記ステップ（ｃ）で受け付けた前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させるステップ（ｄ）と、を含み、
前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定するステップ（ｆ）を、含む処理を、
情報処理装置を制御するコンピューターに実行させるための制御プログラム。

（１１）前記処理は、さらに、前記記憶部に蓄積されて記憶された前記回答を、前記イベント情報毎に表示するステップ（ｅ）を含む、上記（１０）に記載の制御プログラム。

本発明によれば、情報処理装置は、ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得する取得部と、第一端末に前記イベント情報を送信する送信部と、前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信する受信部と、前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理部と、備える。これにより、どのイベントに回答が集まっているかの情報を把握することでケアの改善に役立てることができる。

第１の実施形態に係る見守りシステムの全体構成を示す図である。 ケア対象者の部屋に設置された検出部の例を示す図である。 検出部の概略構成を示すブロック図である。 サーバーの概略構成を示すブロック図である。 情報管理者端末の概略構成を示すブロック図である。 スタッフ端末の概略構成を示すブロック図である。 第１の実施形態におけるＦＢ結果蓄積処理を示すシーケンスチャートである。 記憶部に記憶されるイベントリストの例である。 イベントの確認を行うための操作画面の例である。 スタッフ端末に表示したＦＢ入力用の操作画面の例である。 イベントリストの例である。 イベントリストの例である。 ＦＢ結果を利用したアルゴリズム改善処理を示すフローチャートである。 第２の実施形態におけるＦＢ結果蓄積処理を示すシーケンスチャートである。 情報管理者端末に表示したイベント確認用の操作画面の例である。 情報管理者端末に表示したＦＢ入力用の操作画面の例である。

以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

（全体構成）
図１は第１の実施形態に係る本実施形態に係るシステム（以下、見守りシステムという１）の全体構成を示す図であり、図２はケア対象者７０の部屋のベッド周辺に設置された検出部１０の例を示す図である。

図１に示すように、見守りシステム１は、複数の検出部１０、サーバー２０、情報管理者端末３０、および１つ以上のケアスタッフが勤務中に携帯するスタッフ端末４０（ケアスタッフ端末とも称される）を備える。これらは、有線や無線によって、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、電話網またはデータ通信網等のネットワーク５０を介して、相互に通信可能に接続される。ネットワーク５０は、通信信号を中継するリピーター、ブリッジ、ルーターまたはクロスコネクト等の中継機を備えてもよい。

見守りシステム１は、ケア対象者７０（対象者、または見守り対象者とも称される）に応じて適宜な場所に配設される。ケア対象者７０は、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする患者、高齢による身体能力の低下等によって介護を必要とする被介護者、または一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見および早期対処を可能にする観点から、ケア対象者７０は、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合に、その発見を必要としている者であり得る。このため、見守りシステム１は、ケア対象者７０の種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。図１に示す例では、見守りシステム１は、複数のケア対象者７０が入居する複数の部屋（居室）やケアステーション（ナースステーションともいう）を含む複数の部屋を備える施設に配置されている。また、ケア記録には、これらのケア対象者へのスタッフ（介護者、看護師等）によるケアを記録した、介護記録シート、看護記録シート（カルテ、生活記録）、診断カルテが含まれる。

検出部１０は、センサーボックスとも称され、ケア対象者７０の観察領域であるそれぞれの居室に配置される。図１に示す例では、４つの検出部１０がケア対象者７０であるＡさん、Ｂさん、ＣさんおよびＤさんの居室にそれぞれ配置されている。図２に示すように、検出部１０の観察領域にはベッド６０が含まれる。ケア対象者７０に対して看護または介護等の対応（ケア）を行うケアスタッフ８０（以下、単にスタッフ８０という）は、それぞれ携帯端末であるスタッフ端末４０を持ち歩いている。ただし、見守りシステム１が備える各構成の位置や個数等は、図１に示す例に限定されない。例えば、サーバー２０は、ケアステーションに配置されなくてもよく、ネットワーク５０に接続されている外部のサーバーユニットであってもよい。

（状態情報、および判定部）
本実施形態においては、サーバー２０単独で、または、サーバー２０が検出部１０と協働することで「情報処理装置」として機能する。また、本実施形態においては、情報処理装置は、取得部により、検出部１０、または情報管理者端末３０等の他の端末（ＰＣ：（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ））からケア対象者７０に関する状態情報を取得する。取得した状態情報は、情報処理装置の記憶部、例えば、サーバー２０の記憶部（後述のデータベース２３）に記憶される。

「状態情報」には種種の情報が含まれる。例えば検出部１０から取得する状態情報には、主に以下の３種類がある。第１の種類としては、検出部１０のセンサーが検出した「検出信号」そのものであり、特にケア対象者７０が居る部屋等の観察領域における、ケア対象者７０の動きを検出する検出信号である。第２の種類としては、検出信号により判定した「イベント」である。第３の種類としては、他の端末から取得する状態情報には、ケア対象者７０に関する「ケア記録」である。具体例として、第１の種類の「検出信号」としては、後述するカメラによる撮影画像、ケアコール（ナースコール）のコール信号、体動センサーによる体動信号が含まれる。第２の種類の「イベント」は、検出部１０の制御部１１がカメラの撮影画像を画像処理することにより判定したイベント（仮）である。第３の種類の「ケア記録」は、端末（ＰＣ）を通して取得したものであり、端末へスタッフ等がキー入力したデータだけでなく、手書きされた紙のケア記録シートをスキャンした読取画像データをＯＣＲでテキスト化したデータを含んでもよい。

サーバー２０は、状態情報からイベント（事故等の突発的な事象、またはケアの対応を開始するためのアクショントリガー）の発生有無を判定する「判定部」として機能する。状態情報が、第１の種類（検出信号）である場合には、判定部は、撮影画像から、ケア対象者７０の起床、離床、等のイベントの発生を判定したり、ケアコール部のボタンが押されたことによりケアコールのイベントの発生を判定したりする。

また、状態情報が第２の種類（イベント（本決定までの仮判定のイベントでもある））であれば、判定部が用いる追認・修正用の判定アルゴリズムにより、後段の判断を行い、これにより検出部１０から取得したイベント（仮）をそのまま本採用したり（追認）、他のイベントに修正したりする。

状態情報が、第３の種類（ケア記録）であれば、ケア記録の変化によりイベントを判定する。例えば、あるケア対象者７０の長期間の記録から、排尿および排便の量または頻度や、食事および飲料の摂取量の推移の変化を検出し、それまでの量、頻度、摂取量から所定以上の割合の変化が所定期間内の短期間で生じた場合には、サーバー２０は、イベント（アラート）を判定する。この場合、イベントを判定するタイミングは、定期的（１日毎）に判定するようにしてもよく、手書きのケア記録シートをスキャンして、データ化したタイミングで行うようにしてもよい。

（検出部１０）
図３は検出部１０の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、検出部１０は、制御部１１、通信部１２、カメラ１３、ケアコール部１４、および音声入出力部１５を備え、これらはバスによって、相互に接続されている。検出部１０は、ケア対象者７０の状態情報を検出する。状態情報としては、上述のように例えば、カメラ１３からの撮影画像や、体動センサーによる検出信号である。

制御部１１は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、およびＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、等のメモリにより構成され、プログラムにしたがって検出部１０の各部の制御および演算処理を行う。なお、制御部１１は、メモリとして、さらにＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）を備えてもよい。

通信部１２は、ネットワーク５０を介して、例えば、サーバー２０、情報管理者端末３０またはスタッフ端末４０等の、他の装置と通信するためのインターフェース回路（例えばＬＡＮカード、無線通信回路等）である。

カメラ１３は、例えば居室の天井、または壁の上部に配置され、観察領域として真下にあるケア対象者７０のベッド６０を撮影し、撮影画像（画像データ）を出力する。この撮影画像は、静止画および動画を含む。カメラ１３は近赤外線カメラであるが、これに換えて可視光カメラを用いてもよく、これらを併用してもよい。

ケアコール部１４は、押しボタン式のスイッチを含み、スイッチがケア対象者７０によって押されることでケアコールを検出する。押しボタン式のスイッチに換えて、音声マイクによりケアコールを検出してもよい。ケアコール部１４のスイッチが押された場合、すなわち、ケアコールを検出した場合、制御部１１は、通信部１２およびネットワーク５０を介して、ケアコールがあった旨の通知（ケアコール信号）をサーバー２０等に送信する。

音声入出力部１５は、例えばスピーカーとマイクであり、通信部１２を介して情報管理者端末３０との間で音声信号を送受信することで音声通話を可能とする。なお、音声入出力部１５は検出部１０の外部装置として、通信部１２を介して検出部１０に接続されてもよい。

また、検出部１０は、ベッド６０に対してマイクロ波を送受信してケア対象者７０の体動（例えば呼吸動）によって生じたマイクロ波のドップラシフトを検出するドップラシフト方式の体動センサーを、さらに備えてもよい。この体動センサーにより、ケア対象者７０の呼吸動作に伴う胸部の体動（胸部の上下動）を検出する。その胸部の体動における周期の乱れや予め設定された閾値以下である胸部の体動における振幅を検知すると、微体動異常（例えば心停止に起因する）であると判定する。この微体動異常の判定は、検出部１０側で行ってもよく、信号のみをサーバー２０に送ることで、サーバー２０側で行ってもよい。

本実施形態においては、ケア対象者７０に関する検出部１０が検知した状態の変化であって、起床、離床、転倒、微体動異常、などのスタッフ８０に発報（報知）してケアを行うべき事象をイベントと称する。またこのイベントには、ケアコール部１４によるケアコールを含む。検出部１０は、生じたイベントの情報をサーバー２０に送信する。

（画像処理によるイベントの判定）
制御部１１は、カメラ１３が撮影した撮影画像から、ケア対象者７０の行動を検知する。この検知する行動には、ベッド６０から起き上がる「起床」、起床に続いてベッド６０から離れる「離床」、ベッド６０から転落する「転落」、および床面等に転倒する「転倒」が含まれる。

制御部１１は、複数の撮影画像（動画像）から画像のシルエット（以下、「人シルエット」と称する）を検出する。人シルエットは、例えば、撮影時刻が前後する画像を差分する時間差分により差分が相対的に大きい画素の範囲を抽出することで検出され得る。人シルエットは、撮影画像から背景画像を差分する背景差分法により検出されてもよい。起床、離床、転落、転倒の検知は、検出した人シルエットからケア対象者７０の姿勢（例えば立位、座位、横臥等）、およびベッド６０等の居室内の設置物との相対的な位置から起床、「離床」および「転倒（転落）」の別を検知する。例えば、「起床」は、予め設定された、ベッド６０の四隅を頂点とする、上方視の四角形の任意の辺を人シルエットが横切る幅が増加して２０ｃｍ以上となったことにより認識され得る。また、例えば、「離床」は、人シルエットの、当該四角形の内部に対する外部の面積の割合が増加して８０％以上となったことにより認識され得る。また、座位を判定する場合に、さらに座っている位置が、ベッド６０の辺の近傍に腰掛けた座位状態（端座姿勢時）であるかを認識するようにしてもよい。検出部１０の制御部１１は、このような、起床、離床、転落等のいずれかの種類の行動（イベント）を検知した場合、その行動が発生した旨の通知をサーバー２０等に送信する。

このようなイベントの検知は、制御部１１のＣＰＵが処理するプログラムにより行ってもよく、組み込み型の処理回路により行うようにしてもよい。この場合、検知したイベント（仮）は、上述のように第２の種類の状態情報として、サーバー２０に送信される。なお、これに限られずサーバー２０側でこれらの検知の全部またはほとんどの処理を行うようにし、制御部１１ではサーバー２０への撮影画像（上述の第１の種類の状態情報）の送信のみを行うようにしてもよい。制御部１１は、いずれかの種類の行動を検知した場合、その行動が発生した旨の通知をサーバー２０等に送信する。この場合、検出部１０と、サーバー２０が協働することで情報処理装置として機能し、検出部１０が状態情報を取得する「取得部」およびイベントを判定する「判定部」として機能する。

（サーバー２０）
図４は、サーバー２０の概略構成を示すブロック図である。制御部２１、通信部２２、およびデータベース２３を備える。このサーバー２０は、ケア対象者７０用の居室と同じ建物内に設けられてもよく、遠隔地に設けられてネットワークを介して接続可能であってもよい。例えば、サーバー２０は、インターネット等のネットワーク上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構築されるクラウドサーバーであってもよい。各構成は、バスによって、相互に通信可能に接続されている。

（制御部２１）
制御部２１は、検出部１０の制御部１１と同様の構成として、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ等を備える。制御部２１は「判定部」、「生成部」、および「蓄積処理部」として機能する。

判定部としては、上述のように第１の種類の状態情報（検出信号）を取得した場合にはこの状態情報からイベントの発生有無を判定する。第２の種類の状態情報（検出部１０が検知したイベント（仮））であれば、このイベント（仮）に対して、追認・修正用の判定アルゴリズムにより、スタッフ８０に伝えるべき、内容を判断する。例えば、検出部１０のイベント（仮）の検知結果が起床である場合に、判定アルゴリズムによりこれを、転倒のイベントに修正する。第３の種類の状態情報（ケア記録）であれば、この状態情報から、イベントの発生有無を判定する。なお、判定アルゴリズムを含む判定部は、ケア対象者７０の過去の行動データが反映されたものであり、後述するＦＢ結果を反映することで、修正、改善される（後述の図１２参照）。

また、生成部は、判定部が判定したイベントの種類、イベントＩＤ、ケア対象者７０の個人ＩＤ（氏名、ＩＤ）を含むイベント情報を生成する。蓄積処理部は、生成部が生成したイベント情報をＦＢ要求の回答（ＦＢ結果）と紐付けて、記憶部としてのデータベース２３にイベントリスト（後述の図８等参照）として記憶する。

（通信部２２）
通信部２２は、送信部、および受信部として機能する。また、通信部２２は、検出部１０等から状態情報を取得する取得部としても機能する。この通信部２２は、イーサネット（登録商標）等の規格による有線通信のネットワークインターフェースや、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＩＥＥＥ８０２．１１等の規格による無線通信のインターフェース等の各種ローカル接続向けのインターフェースであり、ネットワーク５０に接続した各端末との通信を行う。

（データベース２３）
データベース２３は、ケア対象者リスト、スタッフリスト、イベントリスト、およびケア記録が記録される。ケア対象者リスト、およびスタッフリストは、ケア対象者７０、およびスタッフ８０に関する、個人ＩＤ（氏名、番号）、部屋番号、スタッフ名、所属ユニット等が含まれる。また、イベントリスト（後述の図８参照）には、イベント情報、対応状況、ＦＢ結果（フィードバック結果）が含まれる。なお、データベース２３は、サーバー２０とは、別体で構成されてもよい。例えば、データベース２３のみが、クラウト上に配置されたファイルサーバーであってもよい。

（表示部２４）
表示部２４は、例えば液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。表示部２４は、例えば、データベース２３に蓄積されて記憶されたＦＢ結果（回答）を、ケア対象者７０に関する情報（例えば、ケア対象者の個人ＩＤ）毎に表示する、またはイベントの種類に関する情報毎に表示する。この表示するリストは、生成部が、個人ＩＤ毎、またはイベント種類毎に回答を集約して生成されたものである。

（情報管理者端末３０）
図５は、情報管理者端末３０の概略構成を示すブロック図である。情報管理者端末３０は、第一端末にも相当する。情報管理者端末３０は、いわゆるＰＣであり、制御部３１、通信部３２、表示部３３、入力部３４、および音声入出力部３５を備え、これらはバスにより相互に接続される。制御部３１は、検出部１０の制御部１１と同様の構成として、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ等を備える。

通信部３２は、イーサネット（登録商標）等の規格による有線通信のネットワークインターフェースや、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＩＥＥＥ８０２．１１等の規格による無線通信のインターフェース等の各種ローカル接続向けのインターフェースであり、ネットワーク５０に接続した各端末との通信を行う。

表示部３３は、例えば液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。表示部３３は、例えば、検出部１０による撮影画像を表示する。

入力部３４は、キーボード、テンキー、マウス等を備えており、各種情報の入力を行う。

音声入出力部３５は、例えばスピーカーとマイクを備えたヘッドセットである。

本実施形態では、情報管理者端末３０は、情報管理者９０用の端末として用いられ、情報管理者９０へ施設内の各種情報を表示し、指示を受け付ける。また、通信部３２を介して検出部１０またはスタッフ端末４０との間で音声信号を送受信することでスタッフ８０等との音声通話を可能にする。ここで、情報管理者９０は、複数のスタッフ８０を統括する管理者である。情報管理者９０は１つの施設だけでなく、複数の施設で働くスタッフ８０を統括的に管理してもよい。なお、情報管理者９０は、ケアディレクターとも呼ばれ得る。情報管理者９０は、情報管理者端末３０を通じて、一旦集約した検出部１０等からのイベント等の状態情報を確認し、状態情報に関する判定を行う。そして判定結果により、このイベントへの対応をスタッフ８０に振り分けたり、具体的な指示を行ったりする。

また、スタッフ８０または技術スタッフ等は、情報管理者端末３０を通じて、検出部１０を各部屋（居室）に取り付けたときに、部屋番号と検出部１０の対応付けをしたり、ベッド６０等の居室内の設置物の位置情報、すなわち、天井のカメラ１３による上方視の輪郭情報の校正、指定を行ったりする。また、入院または入居しているケア対象者７０の名前、ＩＤ番号等の識別情報と、各部屋番号との対応付けも行う。

（スタッフ端末４０）
図６は、スタッフ端末４０の概略構成を示すブロック図である。スタッフ端末４０は、第一端末に相当する。スタッフ端末４０は、制御部４１、無線通信部４２、表示部４３、入力部４４、および音声入出力部４５を備え、これらはバスにより相互に接続される。制御部４１は、検出部１０の制御部１１と同様の構成として、ＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ等を備える。無線通信部４２により、Ｗｉ－Ｆｉ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の規格を用いた無線通信が可能であり、アクセスポイント５１を経由して、または直接的に各装置と無線通信する。表示部４３、および入力部４４は、タッチパネルであり、液晶等で構成される表示部４３の表示面に、入力部４４としてのタッチセンサーを重畳させたものである。表示部４３、入力部４４によって、スタッフ８０に対して、イベントリストに含まれる複数のイベントを一覧表示した各種の操作画面を表示したり、情報管理者９０からの指示を表示したり、操作画面を通じて各種の操作を受け付けたりする。音声入出力部４５は、例えばスピーカーとマイクであり、無線通信部４２を介して他のスタッフ端末４０との間でスタッフ８０による音声通話を可能にする。スタッフ端末４０は、例えば、タブレット型コンピューター、スマートフォンまたは携帯電話等の、持ち運び可能な通信端末機器によって構成できる。

スタッフ８０は、業務開始時に、割り当てられたスタッフ端末４０を通じて、ログイン認証処理を行う。スタッフ８０は、スタッフ端末４０のタッチパネル（表示部４３、入力部４４）を通じて、スタッフＩＤ、パスワードを入力し、これをサーバー２０に送信する。サーバー２０は、データベース２３に記憶している認証情報を突き合わせ、スタッフ８０の権限に応じた認証結果をスタッフ端末４０に送信することで、ログイン認証が終了する。

スタッフ８０それぞれは、スタッフユニット（担当グループ）に属する。ここでいう、スタッフユニットとは、施設内の同じフロア等、共通するエリアに居る複数の被介護者が所属する被介護者ユニット、およびこれらの被介護者ユニットを担当する複数のスタッフが所属するグループである。例えば、介護施設の２Ｆ東棟の被介護者ユニットに属する複数のケア対象者７０（被介護者）を、１つのスタッフユニットに所属する複数のスタッフで分担して、２４ｈのケアを行う。この場合、２Ｆ東棟の被介護者ユニットで、ケア対象者７０に関するなんらかのイベントが検出された場合、後述するように、この被介護者ユニットを担当するスタッフユニットに属する（ログイン中の）スタッフ全員のスタッフ端末４０へ、イベント情報が通知される。

（第１の実施形態におけるＦＢ結果蓄積処理の手順）
図７は、見守りシステムのイベントへの対応処理を示すシーケンスチャートである。上述のように状態情報には、検出部１０からの「検出信号」（第１の種類）そのもの、検出部１０で判定したイベント（第２の種類）、およびケア対象者７０に関する「ケア記録」（第３の種類）が含まれるが、以下においては、状態情報として、検出部１０が判定したイベント（第２の種類）を用いる場合を例として説明する。ここでのイベントは、上述のように検出部１０のカメラ１３からの撮影画像、または、ケアコール部１４からのコール信号により検知した、起床、離床、転倒、ケアコール、等のイベントである。

（ステップＳ１１０、Ｓ１２０）
検出部１０は、観察領域におけるケア対象者７０の動きからイベントを検知する。検出部１０は、検知したイベントをサーバー２０に送信する。

（ステップＳ１３０）
サーバー２０の制御部２１は、検出部１０から送られたイベントに対して、これを追認・修正するかを判定する。具体的には、制御部２１が実行する追認・修正用の判定アルゴリズムにより、検出部１０が検知したイベントをそのまま、正しいと判定し、追認する。あるいは、検出部１０の検知したイベントを取り消したり、他のイベントに修正したりする。例えば、判定アルゴリズムは、検出部１０が検知した起床のイベントを、ケア対象者７０の過去の行動データから、転倒のイベントに修正する。サーバー２０は、追認・修正した後のイベントを追記することで、データベース２３のイベントリストを更新する。

図８は、データベース２３に記憶されるイベントリストの例である。イベントリストに含まれるイベントには、上述のように起床、離床、転落、転倒、およびケアコールが含まれる。ステップＳ１４０で判定された最新のイベントは、イベントリストの最後に追加される。各イベントには、「イベント情報」、「対応状況」、および「ＦＢ結果」のデータが含まれる。イベント情報には、自動的に付与される主キーとなるイベントＩＤ、部屋番号、対象者、イベント種類、発生日時（時刻）、画像データ、および対応状況の情報が含まれる。イベント情報に含まれる状態情報としての画像データ（画像ｉ）は、ステップＳ１２０で送信された、イベントの発生時に検出部１０により撮影して得られた静止画、または動画のデータであり、イベント判定のもとになった状態情報である。例えば、イベント発生時刻（判定時刻）を含む前後十数秒の動画のデータである。

対応状況には、ステイタス、対応に当たった対応スタッフ、および対応日時（時刻）が含まれる。ＦＢ結果は、ＦＢ結果と付加情報が含まれる。対応状況、およびＦＢ結果については後述する。

（ステップＳ１４０）
サーバー２０は、新たなイベントが検出されて追加されること、またはイベントのステイタスが変更されることでイベントリストが更新された場合には、更新後のイベントリストを、ログイン中の全てのスタッフ端末４０に配信する。なお、このときの配信先は、イベントを発生させたケア対象者７０を担当するスタッフ８０が用いるスタッフ端末４０にのみ配信するようにしてもよい。例えば、このケア対象者７０に関連付けられたスタッフユニットに属する複数のスタッフ８０に向けて配信する。イベントリストを受信した各スタッフ端末４０は、サーバー２０からイベントリストを受信するに応じて、受領確認コマンドを返す（図示せず）。なお、サーバー２０からのイベントリストの送信は、差分データのみを送信するようにしてもよい。例えば、直前に送信したイベントリストに対して変化した部分、すなわち追加または更新があったイベントのみをイベントリストとして全てのスタッフ端末４０に送信する。

（ステップＳ１５０）
各スタッフ端末４０は、サーバー２０からイベントリストを受信するに応じて、スタッフ端末４０の表示部４３の表示内容の更新を行う。

図９は、スタッフ端末４０の表示部４３に表示されるイベントの確認を行うための操作画面４３１の例である。同図に示す操作画面４３１は、イベントリストが一覧表示される画面である。表示するイベントは、フリック操作することで上下にスクロールさせることが可能である。

操作画面４３１の領域ａ１１、ａ１２は、それぞれ、図８のイベントリストのイベントＩＤ０１０、０１１に対応する。領域ａ１１、ａ１２には、それぞれケアコール、起床のイベントであること示すアイコン、および対応済みであることが表示されている。領域ａ１３は、図８のイベントＩＤ０１２（Ｂさん、転倒イベント）に対応する。また、未対応であることから、領域ａ１３には、対応済みと区別し易いように、大きく表示している。なお、領域ａ１３に、このイベント（ＩＤ０１２）に関する動画の画像ｉ０１２（図８参照）から切り出した静止画から作成したサムネイル画像を表示してもよい。領域ａ１４を操作することで、ログイン中の他のスタッフ８０とテキストメッセージの交換を行える。

（ステップＳ１６０、Ｓ１７０）
スタッフ８０は、スタッフ端末４０に表示した操作画面４３１により、イベントの内容を確認する。なお、領域ａ１３をタップすることでこのイベントの詳細内容を確認できる画面に遷移するようにしてもよい。スタッフ８０（スタッフＤ）は、自らが率先して、未対応のイベント（ＩＤ０１２）を担当すると決めた場合には、領域ａ１３の「対応する」ボタンを操作する。制御部４１は、「対応する」ボタンへの操作を検出することで、サーバー２０に、このスタッフ端末４０を使用するスタッフＤが担当する旨を送信する。なお、スタッフＤが他のケア対象者７０への対応中等で、直ぐに対応できない場合には、例えば、他のスタッフ８０にスタッフ端末４０を通じて、通話したり、テキストメッセージを送信したりする等により対応を依頼する。

（ステップＳ１８０、Ｓ１９０）
ステップＳ１７０での担当する旨の信号を受信することに応じて、サーバー２０は承認通知を返信する。これにより、選択されたイベント（ＩＤ０１２）の担当者が決定される。またサーバー２０は、イベントリストにこの担当者（スタッフＩＤ）を記録する。本実施形態においては、スタッフ８０が選択し、操作画面４３２に表示するイベントに対して上述の「対応する」ボタンを操作することに応じて、イベントリスト（図８参照）を「対応済み」に変更する。すなわち、「対応する」ボタンの操作により、確認したことを示す情報である「対応済み」の対応状況が入力され、対応が行われたと見做して対応日時を記録する。

（ステップＳ２１０）
担当者を決定することに応じて、直ちにサーバー２０は、ＦＢ要求（フィードバック要求）を、担当するスタッフ８０のスタッフ端末４０に送信する。なお、このＦＢ要求の送信は、担当者を決定してから所定時間経過後に行ってもよい。

（ステップＳ２２０）
スタッフ８０は、ケア対象者７０への駆けつけ対応を実施する。具体的には、スタッフ８０（スタッフＤ）は、担当すると決めたケア対象者７０（Ｂさん）の部屋１０２に駆けつけて、イベント転倒に関する状況を確認するとともに、必要な対応を行う。例えば、サーバー２０の判定が正判定で、実際にケア対象者７０が転倒していた場合には、意識の有無を確認したり、痛みや体調等の身体の状況を確認したりする。また、誤判定で、実際には転倒してなかった場合には、現在の状況を確認する。

（ステップＳ２３０）
ここでは、スタッフ８０は、ステップＳ２２０の駆けつけ対応の結果をＦＢする。図１０は、表示部４３に表示したイベント確認結果のＦＢ入力用の操作画面４３２の例である。スタッフ８０は、操作画面４３２を通じて、ステップＳ２２０の確認結果を入力する。操作画面４３２では、領域ａ２１にイベント情報を表示し、領域ａ２２に判定の適否入力用のラジオボタンを配置し、領域ａ２３には、付加情報の入力ボックスを配置する。領域ａ２４には、送信ボタンを配置する。なお、ＦＢ入力用の操作画面における入力項目として、適否入力、付加情報に加えて、適切なイベント（誤判定の場合に、スタッフが判断した正しいイベント）を選択できるようにしてもよい。例えば、転落のイベントとして駆けつけた結果、実際は、離床のイベントであった場合に、複数のイベント名のリストの中からその離床を選択できるようにする。

スタッフ８０は、ステップＳ２２０での状況確認結果から、サーバー２０等によるイベントの判定の適否を選択する。例えば、サーバー２０により判定された（追認、修正後の）イベントが転倒の場合に、スタッフ８０が実際に駆けつけて確認した結果、この判定に一致していれば、領域ａ２２の「正判定」ラジオボタンを選択する。一方で、ケア対象者７０が依然として睡眠中等で、ケアの必要がなく、サーバー２０の判定と一致していなければ、スタッフ８０は、領域ａ２２の「誤判定」ラジオボタンを選択する。また、付加情報があれば、領域ａ２３にキー入力により入力する。付加情報は、ケアに関する情報であり、特に、ケアの業務を効率化、品質向上させるための情報であり、任意の情報を入力できる。

（ステップＳ２４０）
スタッフ８０は、入力が終わったところで、領域ａ２４の送信ボタン（矩形のアイコン）を押下する。これにより、スタッフ端末４０は、入力されたＦＢ結果をサーバー２０に送信する。

（ステップＳ２５０）
サーバー２０は、イベントリストを更新する。すなわち、受けたＦＢ結果を追記して、イベントの判定結果を含むイベント情報と紐付けてデータベース２３に記憶させる蓄積処理を行う。図１１ＡにはイベントＩＤ０１２に対するＦＢ結果（破線枠内）が反映された後のイベントリストを示している。図１１Ａの例では、イベントＩＤ０１２の転倒イベントに対して、スタッフ８０（スタッフＤ）による誤判定のＦＢ結果が記録されている。

図１１Ｂは、図１１Ａの後のイベントリストの例である。図１１Ｂでは、新たに発生したイベントＩＤ０１３の情報が追記されている。このイベントＩＤ０１３は、検出部１０は、起床のイベントを検知し、これをサーバー２０の判定アルゴリズムにより転倒と判定され、スタッフ８０のスタッフ端末４０にその転倒のイベントが通知されたものである。この通知によりスタッフ８０（スタッフＤ）が、ケア対象者７０（Ｃさん）の部屋１０３に駆けつけたところ、この部屋の入居者は、ベッド６０に臥床しており、転倒の心配は無かった。このような状況から、スタッフ８０は、ＦＢ結果として、誤判定を選択している。また、この際に、スタッフ８０は、ケア対象者７０からミルクを要望されたため、付加情報として、このことを記録している。

このように、第１の実施形態に係る情報処理装置（サーバー２０）では、第一端末としてはスタッフ端末４０から、イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信し、受信した回答を、ケア対象者に関する情報を含むイベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理を行う。これにより、どのイベントに回答が集まっているかの情報を把握することでケアの改善に役立てることができる。

また、第１の実施形態では、ケア対象者７０へのケアを担当するスタッフ８０に携帯されるスタッフ端末４０に向けて、イベント情報を送信し、およびイベントに対する判定部の判断の適否、および／または対応結果をフィードバックするようにスタッフに要求するフィードバック要求を送信し、フィードバック要求に対する回答を、判定部によるイベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理を行う。これにより、情報処理装置を、ケアに関する情報をより適確にスタッフに提供できるように改善できる。

（ＦＢ結果の利用）
図１２は、ＦＢ結果を利用したアルゴリズム改善処理を示すフローチャートである。

（ステップＳ１０）
サーバー２０は、判定したイベントに関するイベント情報、およびＦＢ要求をスタッフ８０に送信する。この処理は、図７のステップＳ１１０～Ｓ２１０までの処理に対応する。

（ステップＳ２０、Ｓ３０）
サーバー２０は、スタッフ８０から受けたＦＢ結果を、データベース２３に蓄積する。

（ステップＳ４０）
集約タイミングであれば、処理をステップＳ５０以下に進める。集約タイミングとしては、例えば、日毎、週毎、または月毎である。

（ステップＳ５０）
サーバー２０の生成部は、ケア対象者７０の個人ＩＤに基づいて、イベント情報に基づいて、集約し、リストを作成し、表示する。例えば、イベント情報として、個人ＩＤ、もしくはイベント種類、またはこれらの組み合わせがある。例えば、イベント情報として、個人毎に、ＦＢ結果を集約しリスト（リスト１）を作成する。また、イベント情報として、イベントの種類毎にＦＢ結果を集約しリスト（リスト２）を作成する。そして、表示部２４等に作成したリスト１、および／またはリスト２を表示する。なお、この集約、およびリスト化は、所定エリア、または所定期間に含まれるイベントに対して行うようにしてもよい。例えば、所定エリアとして施設内の同じフロアに居る複数のケア対象者が属する被介護者ユニット毎に行う。また所定期間として、例えば直近の１月以内について行う。

このように、回答をイベント情報に関連づけてデータベース２３に記憶させ、これを集約化し、リスト化することで、どのイベントに回答が集まっているかの情報を把握することができ、また、ケア対象者毎に集約した場合には、どのケア対象者７０に回答が多いか等を可視化でき、ケアに役立てることができる。

（ステップＳ６０）
ケア対象者７０の個人ＩＤに基づいて、個人毎に、ＦＢ結果を集約し、判定部のアルゴリズムを改善する。例えば、第１、第３の種類の状態情報（検出信号、ケア記録）によるイベント判定のアルゴリズムを改善したり、第２の種類の状態情報（イベント（仮））に対する後段の追認・修正用の判定アルゴリズムを改善したりする。例えば、後段の判定アルゴリズムのうち、確率計算のアルゴリズムに反映させる。例えば、あるケア対象者７０の通常の起床時間が７時の場合に、朝３時～５時の時間帯において、起床のイベントを検知した場合には、この判定をしないように改善したり、起床の仮イベント（第２の種類の状態情報）を、２段階判定の後段の判定アルゴリズムで転倒のイベントに変更していた場合に、時間帯によっては、転倒のイベントに変更しないようにしたりしてアルゴリズムを改善する。

また、このときに、ＦＢ結果に対応付けられたイベント情報に含まれる発生前後の動画（画像ｉ（図８））も用いて、アルゴリズムを改善してもよい。例えば、画像ｉから認識した人シルエットの位置情報の周囲物体（ベッド６０等）との相対的位置関係における移動軌跡を蓄積し、この移動軌跡に近い行動（類似の行動）がその後あった場合には、以前の判定に対するＦＢ結果を反映させるようにする。この類似の行動の判定は、時間帯を加味して判定するようにしてもよい。また、ＦＢ結果として付加情報があれば、この付加情報が付与されたイベントにおける行動に類似する行動がその後にあった場合は、この付加情報（例えば「ミルク要望」）を、イベントに付与するようにしてもよい。例えば、ある特定のケア対象者７０において、ほぼ決まった時刻に、水分補給を要望するケアコールのイベントが発生する場合に、その水分補給の対応結果が付加情報として記録されていた場合には、これを反映するようにアルゴリズムを改善する。これにより、ケアコールのイベントが同じ時間帯、同じケア対象者で発生した場合に、イベントの追加情報として、スタッフ８０へのイベント通知（ステップＳ１４０）に含まれるようになり、効率的にケアを行える。

なお、アルゴリズムへの反映としては、ケア対象者毎に行うのだけではなく、例えば施設内の同じフロアに居る複数のケア対象者が属する被介護者ユニット毎に行ってもよい。例えば、被介護者ユニットに属する１人、または複数のケア対象者のイベントに関するＦＢ結果を反映したアルゴリズムを、同じ被介護者ユニットの複数のケア対象者に適用する。

あるいは、サーバー２０の判定部が学習済みモデルを用いた判定処理を行う場合に、ＦＢ結果により、機械学習の学習済みモデルを改善（更新）するようにしてもよい。例えば、状態情報として、検出信号の画像ｉ（または移動軌跡）を入力、ＦＢ結果が反映されたイベント種類を正解ラベルとした、多数の学習サンプルデータを用いて、教師あり学習により機械学習できる。この学習は、ケア対象者毎、または被介護ユニット毎の学習サンプルデータ、あるいは複数の施設の全ケア対象者の学習サンプルデータを用いて学習できる。

（第２の実施形態におけるＦＢ結果蓄積処理の手順）
図１３は、第２の実施形態におけるＦＢ蓄積処理を示すシーケンスチャートである。図１４は、情報管理者端末３０に表示したイベント確認用の操作画面の例である。上述の第１の実施形態ではスタッフ８０からＦＢの回答を受けこれを蓄積した。これに対して、以下に説明する第２の実施形態においては、さらに情報管理者９０からのＦＢの回答を受け、これを蓄積する。この情報管理者９０は、情報管理者端末３０を通じて、一旦集約した検出部１０等からのイベント等の状態情報を確認し、スタッフ８０に振り分けたり、具体的な指示を行ったりする。

（ステップＳ３１０～Ｓ３４０）
図１３のステップＳ３１０～Ｓ３４０の処理それぞれは、図７のステップＳ１１０～Ｓ１４０に対応する。ここでは、図７の処理と同様に、検出部１０が検知したイベント（仮）を、サーバー２０の判定部が、後段の処理として追認、修正する。そして、後段の処理後の判定結果を情報管理者端末３０に送信する。

（ステップＳ３５０）
情報管理者端末３０は、サーバー２０から受信したイベントリストを表示部３３に表示する。図１４の操作画面３３１には、領域ａ３１～ａ３５、ボタンｂ１～ｂ４が含まれる。領域ａ３１にはイベントリストのイベント情報を表示している。領域ａ３２には、イベント情報の画像ｉを表示している。この画像ｉは例えば、イベント発生時点を含む１０ｓｅｃから１５ｓｅｃ程度の長さの動画であり、この動画は停止ボタンが操作されるまで、繰り返し表示される。ポーズホタンを操作することで停止する。領域ａ３１、ａ３２に表示したイベントに関して、スタッフ８０による対応可否が必要かの判断を行う。

（ステップＳ３６０、Ｓ３７０）
情報管理者９０は、領域ａ３３を通じて指示を入力する。領域ａ３３で「指示しない」、すなわち対応不要を選択した場合には、続いてＯＫボタンｂ２を操作することで選択が確定する。領域ａ３３で「指示する」を選択した場合には、さらに、領域ａ３４を通じて、どのスタッフ８０を担当として指示するかの選択を行う。また選択したスタッフ８０に対して、連絡事項を送信する場合には、領域ａ３５にテキストメッセージを入力できる。なお、領域ａ３４に表示するスタッフ８０は、ログイン中のスタッフ８０を全て表示するが、その中で、イベントのケア対象者７０を担当するスタッフ８０のみを表示してもよい。ボタンｂ１により領域ａ３２の表示をリアルタイム表示、すなわちカメラ１３からのライブ映像に切り替えることができる。ボタンｂ４により、表示するイベントを変更し、過去のイベントをスクロール表示させることができる。なお、領域ａ３１に、現在表示しているイベントとともに、表示しているケア対象者７０に関する所定期間内（例えば過去２４時間以内）のイベントを一覧表示してもよい。操作画面３３１の表示内容を確認し、各種設定を行った後、指示送信ボタンｂ３を操作することで選択が確定し、サーバー２０を経由したスタッフ８０への指示が送信される。

（ステップＳ３８０）
サーバー２０は、情報管理者９０から入力結果を受け付ける。サーバー２０は、受け付けた指示の内容を確認し、領域ａ３３で「指示する」すなわち担当者選択がある場合は、ステップＳ４１０～Ｓ４５０の処理を実行し（Ｓ４６０～Ｓ４８０はスキップ）、「指示しない」すなわち担当者選択がない場合は、ステップＳ４１０～Ｓ４５０をスキップし、ステップＳ４６０～Ｓ４８０の処理を実行する。

（ステップＳ４１０～Ｓ４５０：担当者選択ありの場合）
ステップＳ４１０では、サーバー２０は、選択されたスタッフ８０が使用しているスタッフ端末４０に対して、情報管理者９０からの指示、およびＦＢ要求を送信する。

ステップＳ４２０～Ｓ４５０では、担当者として選択されたスタッフ８０は、送られたイベントに対する指示を、スタッフ端末４０を通じて確認し、この内容に応じてケア対象者７０への駆けつけ対応、およびＦＢ要求への回答を入力し、送信する。このステップＳ４２０～Ｓ４５０の処理それぞれは、図７のステップＳ１５０、Ｓ２２０～Ｓ２４０に対応する。この場合、ＦＢ回答の正判定の例としては、サーバー２０のイベントの判定が正しく、そのままの指示をスタッフ８０に送信する場合である。誤判定の例としては、イベントの判定が間違っていた場合であり、この場合、情報管理者９０が、正しいイベントの種類を入力し、入力したイベントに変更できるようにしてもよい。以降は、変更後のイベントの種類で、イベントリストが更新され、スタッフ８０への通知が行われる。

（ステップＳ４６０～Ｓ４８０：担当者選択なしの場合）
ステップＳ４６０では、サーバー２０は、ＦＢ要求を情報管理者９０に送信する。ステップＳ４７０では、これを受けた情報管理者９０は、ステップＳ３６０で指示を受け付けたイベントに関しての結果をＦＢする。

図１５は、表示部３３に表示したＦＢ入力用の操作画面３３２の例である。情報管理者９０は、操作画面３３２を通じて、ステップＳ３５０の確認結果を入力する。操作画面３３２では、領域ａ４１にイベント情報を表示し、領域ａ４２に判定の適否入力用のラジオボタン、および付加情報の入力ボックスを配置する。情報管理者９０は、領域ａ４２への入力をした後に回答送信ボタンｂ５を押下する。これにより、情報管理者９０は、入力されたＦＢ結果をサーバー２０に送信する。

（ステップＳ４９０）
サーバー２０は、受けたＦＢ結果を追記して、イベントリストを更新する。

このように、第２の実施形態では、情報管理者端末３０に対して、イベント情報を送信し、およびイベントに対する判定部の判定の適否、および／または対応結果をフィードバックするように要求するフィードバック要求を送信し、フィードバック要求に対する回答を、判定部によるイベント判定結果（イベント種類）を含むイベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理を行う。これにより、情報管理者９０のＦＢ結果も反映できるので、情報処理装置を、ケアに関する情報をさらに適確にスタッフに提供できるように改善できる。

以上に説明した情報処理装置、およびこれを含む見守りシステムの構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な情報処理装置、および見守りシステムが備える構成を排除するものではない。例えば、検出部１０、サーバー２０、情報管理者端末３０およびスタッフ端末４０は、上記の構成要素以外の構成要素を含んでもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。

さらに、本実施形態では、ベントの判定のもとになった状態情報として、イベント情報に含まれる、イベント（イベントの種類）の判定の元になった第１の種類の状態情報としての画像データ（図８参照）を紐づけてデータベース２３に記憶したが、これに限られず、データ量を少なくするため、この画像データから画像処理した後のシルエットの移動軌跡等に変換した後の情報を記憶するようにしてもよい。また、状態情報として、第２の種類（仮のイベント判定）、第３の種類（ケア記録）の状態情報をＦＢ結果に紐づけて記憶するようにしてもよい。

また、第２の実施形態では、情報管理者９０の担当者選択の有無により、スタッフ８０、または情報管理者９０のいずれかにＦＢ要求を送信するようにしたが、選択にかかわらず、両方に送信するようにしてもよい。

また、上述した実施形態に係る情報処理装置における処理は、上記のフローチャート、シーケンスチャートに示したステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。例えば、図１２の処理において、ステップＳ５０、Ｓ６０の一方を省略してもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。

また、上述した実施形態に係る情報処理装置、または見守りシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、ＵＳＢメモリやＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）－ＲＯＭ等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。

１ 見守りシステム
１０ 検出部
１１ 制御部
１２ 通信部
１３ カメラ
１４ ケアコール部
２０ サーバー（情報処理装置）
２１ 制御部
２２ 通信部
２３ データベース
３０ 情報管理者端末
３１ 制御部
３２ 通信部
３３ 表示部
３４ 入力部
３５ 音声入出力部
４０ スタッフ端末
４１ 制御部
４２ 無線通信部
４３ 表示部
４４ 入力部
４５ 音声入出力部
５０ ネットワーク
５１ アクセスポイント
６０ ベッド
７０ ケア対象者
８０ スタッフ
９０ 情報管理者

Claims (11)

1. ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得する取得部と、
   第一端末に前記イベント情報、および前記イベント情報に関する判定が正判定か誤判定かの適否をフィードバックするように要求するフィードバック要求を送信する送信部と、
   前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の前記適否の回答を受信する受信部と、
   前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理部と、
   を備え、
   前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
   前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
   所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定する判定部を、さらに、備える、情報処理装置。
2. 前記記憶部に蓄積されて記憶された前記回答を、前記イベント情報毎に表示する表示部を備えた請求項１に記載の情報処理装置。
3. 前記状態情報には、前記ケア対象者に対応付けられた観察領域における該ケア対象者の動きを検出する検出部からの出力、および前記ケア対象者によるケアコールのコール信号が含まれ、
   前記イベントの種類には、前記検出部からの出力により判定した前記観察領域にあるベッドからの前記ケア対象者の起床、離床、および転倒、ならびに前記ケア対象者によるケアコールが含まれる、請求項１、または請求項２に記載の情報処理装置。
4. 前記受信部は、前記回答として、前記ケア対象者のケアに関する付加情報を受け付ける、請求項１から請求項３のいずれかに記載の情報処理装置。
5. 前記第一端末には、前記ケア対象者への対応を行うスタッフが使用するスタッフ端末が含まれる、請求項１から請求項４のいずれかに記載の情報処理装置。
6. 前記第一端末には、前記スタッフへの指示を行う情報管理者が使用する情報管理者端末が含まれる、請求項５に記載の情報処理装置。
7. 前記送信部は、前記情報管理者端末に対して、前記イベント情報、および前記フィードバック要求を送信し、
   前記受信部は、前記情報管理者端末から受信した前記フィードバック要求に対する前記回答、および前記指示を受け付け、
   前記送信部は、前記情報管理者端末から受け付けた前記指示を前記スタッフに送信し、
   前記蓄積処理部は、前記受信部が受け付けた前記情報管理者からの前記回答を、前記イベント情報と紐付けて前記記憶部に記憶させる、請求項６に記載の情報処理装置。
8. ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得する取得部と、
   第一端末に前記イベント情報を送信する送信部と、
   前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信する受信部と、
   前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させる蓄積処理部と、
   を備え、
   前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
   前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
   所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定する判定部を、さらに、備える、情報処理装置。
9. 前記ケア対象者に対応付けられた観察領域における該ケア対象者の動きを検出する検出部と、
   請求項１から請求項８のいずれかに記載の情報処理装置と、
   １つ以上のスタッフ端末と、を備える、見守りシステム。
10. ケアを要するイベントに関するイベント情報を取得するステップ（ａ）と、
    第一端末に前記イベント情報を送信するステップ（ｂ）と、
    前記第一端末から、前記イベント情報に関する判定の適否、および／または対応結果の回答を受信するステップ（ｃ）と、
    前記ステップ（ｃ）で受け付けた前記回答を、ケア対象者に関する情報を含む前記イベント情報と紐付けて記憶部に記憶させるステップ（ｄ）と、を含み、
    前記回答と紐付けて記憶する前記イベント情報には、前記イベントの判定のもとになった状態情報が含まれ、
    前記状態情報には、前記ケア対象者に行われたケア記録が含まれ、
    所定期間内における前記ケア記録の変化から、前記イベントが発生したと判定するステップ（ｆ）を、含む処理を、
    情報処理装置を制御するコンピューターに実行させるための制御プログラム。
11. 前記処理は、さらに、前記記憶部に蓄積されて記憶された前記回答を、前記イベント情報毎に表示するステップ（ｅ）を含む、請求項１０に記載の制御プログラム。