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JP7565697B2 - 眼科装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

眼科装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

この発明は、眼科装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
近年、眼科装置を用いたスクリーニング検査が行われる。このような眼科装置は、自己検診への応用も期待されており、より一層の小型化、軽量化が望まれる。
例えば、特許文献1~特許文献4には、被検眼をパターン照明し、その戻り光をイメージセンサによりローリングシャッター方式で受光するように構成された眼科装置が開示されている。この眼科装置は、照明パターンと、イメージセンサによる受光タイミングとを調整することにより、簡素な構成で被検眼の画像を取得することが可能である。
例えば、特許文献4には、照明側と受光側との間で時間的同期と空間的同期とをセンサーユニットの視野の全域で満たすように、センサーユニットの視野外に加速部分及び減速部分を有するように走査軌跡が制御される走査ユニットを備えたライン走査顕微鏡が開示されている。
米国特許第7831106号明細書 米国特許第8237835号明細書 米国特許第7335898号明細書 特許第5897563号公報
しかしながら、従来の手法では、撮影時間を短縮することができなかったり、撮影時間を短縮できた場合でもイメージセンサの撮影対象領域内で照明時間にばらつきが生じたりするという問題がある。
撮影時間が長い場合、撮影中に眼球運動等が発生し、再撮影等の手間がかかる。撮影対象領域内で照明時間にばらつきが生じる場合、取得される画像に輝度ムラが発生し、画質の劣化を招く。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を取得するための新たな技術を提供することにある。
いくつかの実施形態の第1態様は、スリット状の照明光を生成する照明光学系と、前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、前記光スキャナを制御する制御部と、前記イメージセンサの受光面における撮影対象領域において取り込まれた受光結果に基づいて前記眼底の画像を形成する画像形成部と、を含み、前記イメージセンサは、前記光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される前記眼底における前記照明光の照明領域に対応した前記受光面の開口領域における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成され、前記制御部は、前記撮影対象領域の複数の受光素子のそれぞれに対する前記戻り光の照射時間が略等しくなるように前記光スキャナを制御する、眼科装置である。
いくつかの実施形態の第2態様では、第1態様において、前記イメージセンサは、前記照明領域に対応してシフトする前記開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、前記受光面における前記照明領域に対応した照射範囲の前記シフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有し、前記制御部は、前記撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で前記照射範囲が前記シフト方向にシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第3態様では、第2態様において、前記制御部は、少なくとも1ロウ数分の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第4態様では、第2態様又は第3態様において、前記制御部は、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第5態様では、第2態様又は第3態様において、前記制御部は、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅より大きい所定の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第6態様では、第5態様において、前記所定の幅は、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅と前記光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である。
いくつかの実施形態の第7態様では、第1態様~第6態様のいずれかにおいて、前記イメージセンサは、CMOSイメージセンサである。
いくつかの実施形態の第8態様は、スリット状の照明光を生成する照明光学系と、前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、前記光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される前記眼底における前記照明光の照明領域に対応した受光面の開口領域における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成されたイメージセンサに、前記眼底からの前記照明光の戻り光を導く撮影光学系と、前記光スキャナを制御する制御部と、を含む眼科装置の制御方法である。眼科装置の制御方法は、前記イメージセンサの受光面における撮影対象領域の複数の受光素子のそれぞれに対する前記戻り光の照射時間が略等しくなるように前記光スキャナを制御する制御ステップと、前記撮影対象領域において取り込まれた受光結果に基づいて前記眼底の画像を形成する画像形成ステップと、を含む。
いくつかの実施形態の第9態様では、第8態様において、前記イメージセンサは、前記照明領域に対応してシフトする前記開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、前記受光面における前記照明領域に対応した照射範囲の前記シフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有し、前記制御ステップは、前記撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で前記照射範囲が前記シフト方向にシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第10態様では、第9態様において、前記制御ステップは、少なくとも1ロウ数分の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第11態様では、第9態様又は第10態様において、前記制御ステップは、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第12態様では、第9態様又は第10態様において、前記制御ステップは、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅より大きい所定の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する。
いくつかの実施形態の第13態様では、第12態様において、前記所定の幅は、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅と前記光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である。
いくつかの実施形態の第14態様では、第8態様~第13態様のいずれかにおいて、前記イメージセンサは、CMOSイメージセンサである。
いくつかの実施形態の第15態様は、コンピュータに、第8態様~第14態様のいずれかに記載の眼科装置の制御方法の各ステップを実行させるプログラムである。
なお、上記した複数の態様に係る構成を任意に組み合わせることが可能である。
この発明によれば、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を取得するための新たな技術を提供することができる。
実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の制御系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態の比較例に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態の変形例に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態の変形例に係る眼科装置の動作説明図である。
この発明に係る眼科装置、その制御方法、及びプログラムの実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、スリット状の照明光の照射位置(照明領域、照射範囲)を移動させながら被検眼の所定部位を照明し、1次元的に又は2次元的に受光素子が配列されたイメージセンサを用いて所定部位からの戻り光を受光する。戻り光の受光結果は、照明光の照射位置の移動タイミングに同期して、照明光の照射位置に対応した戻り光の受光位置における受光素子から読み出される。いくつかの実施形態では、所定部位は、前眼部、又は後眼部である。前眼部には、角膜、虹彩、水晶体、毛様体、チン小帯などがある。後眼部には、硝子体、眼底又はその近傍(網膜、脈絡膜、強膜など)などがある。
実施形態に係る眼科装置の制御方法は、実施形態に係る眼科装置においてプロセッサ(コンピュータ)により実行される処理を実現するための1以上のステップを含む。実施形態に係るプログラムは、プロセッサに実施形態に係る眼科装置の制御方法の各ステップを実行させる。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
以下、実施形態に係る眼科装置が、主に、被検眼の眼底の画像を取得する場合について説明する。
[光学系の構成]
図1~図3に、実施形態に係る眼科装置の構成例の概略図を示す。図1は、実施形態に係る眼科装置1の光学系の構成例を表す。図2は、実施形態に係る眼科装置1の制御系(処理系)の構成例のブロック図を表す。図3は、光軸Oの方向からみたときの図1の虹彩絞り21の構成例を模式的に表す。図1~図3において、同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
眼科装置1は、光源10と、照明光学系20と、光スキャナ30と、投影光学系35と、撮影光学系40と、撮像装置50とを含む。いくつかの実施形態では、照明光学系20は、光源10、光スキャナ30、及び投影光学系35の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、撮影光学系40は、撮像装置50を含む。いくつかの実施形態では、投影光学系35又は撮影光学系40は、光スキャナ30を含む。
(光源10)
光源10は、可視領域の光を発生する可視光源を含む。例えば、光源10は、420nm~700nmの波長範囲の中心波長を有する光を発生する。このような光源10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、ハロゲンランプ、又はキセノンランプを含む。いくつかの実施形態では、光源10は、白色光源又はRGBの各色成分の光を出力可能な光源を含む。いくつかの実施形態では、光源10は、赤外領域の光又は可視領域の光を切り換えて出力することが可能な光源を含む。光源10は、眼底Ef及び虹彩のそれぞれと光学的に非共役な位置に配置される。
(照明光学系20)
照明光学系20は、光源10からの光を用いてスリット状の照明光を生成する。照明光学系20は、生成された照明光を光スキャナ30に導く。
照明光学系20は、虹彩絞り21と、スリット22と、リレーレンズ23とを含む。光源10からの光は、虹彩絞り21に形成された開口部を通過し、スリット22に形成された開口部を通過し、リレーレンズ23を透過する。リレーレンズ23は、1以上のレンズを含む。リレーレンズ23を透過した光は、光スキャナ30に導かれる。
(虹彩絞り21)
虹彩絞り21(具体的には、後述の開口部)は、被検眼Eの虹彩(瞳孔)と光学的に略共役な位置に配置可能である。虹彩絞り21には、光軸Oから離れた位置に1以上の開口部が形成されている。例えば、図3に示すように、虹彩絞り21には、光軸Oと中心とする円周方向に沿って所定の厚さを有する開口部21A、21Bが形成されている。虹彩絞り21に形成された開口部は、被検眼Eの虹彩における照明光の入射位置(入射形状)を規定する。例えば、図3に示すように開口部21A、21Bを形成することにより、光軸Oに被検眼Eの瞳孔中心が配置されたとき、瞳孔中心から偏心した位置(具体的には、瞳孔中心を中心とする点対称の位置)から照明光を眼内に入射させることが可能である。
また、光源10と虹彩絞り21に形成された開口部との間の相対位置を変更することにより、虹彩絞り21に形成された開口部を通過する光の光量分布を変更することが可能である。
(スリット22)
スリット22(具体的には、後述の開口部)は、被検眼Eの眼底Efと光学的に略共役な位置に配置可能である。例えば、スリット22には、後述するイメージセンサ51からローリングシャッター方式で読み出されるライン方向(ロウ方向)に対応した方向に開口部が形成されている。スリット22に形成された開口部は、被検眼Eの眼底Efにおける照明光の照射パターンを規定する。
スリット22は、移動機構(後述の移動機構22D)により照明光学系20の光軸方向に移動可能である。移動機構は、後述の制御部100からの制御を受け、スリット22を光軸方向に移動する。例えば、制御部100は、被検眼Eの状態に応じて移動機構を制御する。これにより、被検眼Eの状態(具体的には、屈折度数、眼底Efの形状)に応じてスリット22の位置を移動することができる。
いくつかの実施形態では、スリット22は、被検眼Eの状態に応じて、光軸方向に移動されることなく開口部の位置及び形状の少なくとも1つを変更可能に構成される。このようなスリット22の機能は、例えば液晶シャッターにより実現される。
虹彩絞り21に形成された開口部を通過した光源10からの光は、スリット22に形成された開口部を通過することによりスリット状の照明光として出力される。スリット状の照明光は、リレーレンズ23を透過して、光スキャナ30に導かれる。
(光スキャナ30)
光スキャナ30は、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。光スキャナ30は、リレーレンズ23を透過するスリット状の照明光(スリット22に形成された開口部を通過したスリット状の光)を偏向する。具体的には、光スキャナ30は、被検眼Eの虹彩又はその近傍をスキャン中心位置として所定の偏向角度範囲内で偏向角度を変更しつつ、眼底Efの所定の照明範囲を順次に照明するためのスリット状の照明光を偏向し、投影光学系35に導く。光スキャナ30は、照明光を1次元的又は2次元的に偏向することが可能である。
1次元的に偏向する場合、光スキャナ30は、所定の偏向方向を基準に所定の偏向角度範囲で照明光を偏向するガルバノスキャナを含む。2次元的に偏向する場合、光スキャナ30は、第1ガルバノスキャナと、第2ガルバノスキャナとを含む。第1ガルバノスキャナは、照明光学系20の光軸に直交する水平方向に照明光の照射位置を移動するように照明光を偏向する。第2ガルバノスキャナは、照明光学系20の光軸に直交する垂直方向に照明光の照射位置を移動するように、第1ガルバノスキャナにより偏向された照明光を偏向する。光スキャナ30による照明光の照射位置を移動するスキャン態様としては、例えば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋スキャンなどがある。
(投影光学系35)
投影光学系35は、光スキャナ30により偏向された照明光を被検眼Eの眼底Efに導く。実施形態では、投影光学系35は、後述の光路結合部材としての穴鏡45により撮影光学系40の光路と結合された光路を介して、光スキャナ30により偏向された照明光を眼底Efに導く。
投影光学系35は、リレーレンズ41、黒点板42、反射ミラー43、リレーレンズ44を含む。リレーレンズ41、44のそれぞれは、1以上のレンズを含む。
(黒点板42)
黒点板42は、対物レンズ46のレンズ表面又はその近傍と光学的に略共役な位置に配置される。これにより、対物レンズ46のレンズ表面からの反射光が光源10(照明光学系20)に導光されることを防ぐことができる。
このような投影光学系35では、光スキャナ30により偏向された照明光は、リレーレンズ41を透過し、黒点板42を通過し、反射ミラー43により穴鏡45に向けて反射される。
(撮影光学系40)
撮影光学系40は、投影光学系35を導かれてきた照明光を被検眼Eの眼底Efに導くと共に、眼底Efからの照明光の戻り光を撮像装置50に導く。
撮影光学系40では、投影光学系35からの照明光の光路と、眼底Efからの照明光の戻り光の光路とが結合される。これらの光路を結合する光路結合部材として穴鏡45を用いることで、照明光とその戻り光とを瞳分割することが可能である。
撮影光学系40は、穴鏡45、対物レンズ46、合焦レンズ47、リレーレンズ48、及び結像レンズ49を含む。リレーレンズ48のそれぞれは、1以上のレンズを含む。
(穴鏡45)
穴鏡45には、撮影光学系40の光軸に配置される孔部が形成される。穴鏡45の孔部は、被検眼Eの虹彩と光学的に略共役な位置に配置される。穴鏡45は、孔部の周辺領域において、投影光学系35からの照明光を対物レンズ46に向けて反射する。
(合焦レンズ47)
合焦レンズ47は、図示しない移動機構により撮影光学系40の光軸方向に移動可能である。移動機構は、後述の制御部100からの制御を受け、合焦レンズ47を光軸方向に移動する。これにより、被検眼Eの状態に応じて、穴鏡45の孔部を通過した照明光の戻り光を撮像装置50のイメージセンサ51の受光面に結像させることができる。
このような撮影光学系40では、投影光学系35からの照明光は、穴鏡45に形成された孔部の周辺領域において対物レンズ46に向けて反射される。穴鏡45の周辺領域において反射された照明光は、対物レンズ46により屈折されて、被検眼Eの瞳孔を通じて眼内に入射し、被検眼Eの眼底Efを照明する。
眼底Efからの照明光の戻り光は、対物レンズ46により屈折され、穴鏡45の孔部を通過し、合焦レンズ47を透過し、リレーレンズ48を透過し、結像レンズ49により撮像装置50のイメージセンサ51の受光面に結像される。
(撮像装置50)
撮像装置50は、撮影光学系40を通じて被検眼Eの眼底Efから導かれてきた照明光の戻り光を受光するイメージセンサ51を含む。撮像装置50は、後述の制御部100からの制御を受け、戻り光の受光結果を出力することが可能である。
(イメージセンサ51)
イメージセンサ51は、ピクセル化された受光器としての機能を実現する。イメージセンサ51の受光面(検出面、撮像面)は、眼底Efと光学的に略共役な位置に配置可能である。
イメージセンサ51による受光結果は、ローリングシャッター方式により取り込まれて読み出される。いくつかの実施形態では、後述の制御部100は、イメージセンサ51を制御することにより受光結果の読み出し制御を行う。いくつかの実施形態では、イメージセンサ51は、受光位置を示す情報と共に、あらかじめ決められたライン分の受光結果を自動的に出力することが可能である。
このようなイメージセンサ51は、CMOSイメージセンサを含む。この場合、イメージセンサ51は、ロウ方向に配列された複数のピクセル(受光素子)群がカラム方向に配列された複数のピクセルを含む。具体的には、イメージセンサ51は、2次元的に配列された複数のピクセルと、複数の垂直信号線と、水平信号線とを含む。各ピクセルは、フォトダイオード(受光素子)と、キャパシタとを含む。複数の垂直信号線は、ロウ方向(水平方向)に直交するカラム方向(垂直方向)のピクセル群毎に設けられる。各垂直信号線は、受光結果に対応した電荷が蓄積されたピクセル群と選択的に電気的に接続される。水平信号線は、複数の垂直信号線と選択的に電気的に接続される。各ピクセルは、戻り光の受光結果に対応した電荷を蓄積し、蓄積された電荷は、例えばロウ方向のピクセル群毎に順次読み出される。例えば、ロウ方向のライン毎に、各ピクセルに蓄積された電荷に対応した電圧が垂直信号線に供給される。複数の垂直信号線は、選択的に水平信号線と電気的に接続される。垂直方向に順次に上記のロウ方向のライン毎の読み出し動作を行うことで、2次元的に配列された複数のピクセルの受光結果を読み出すことが可能である。
このようなイメージセンサ51に対してローリングシャッター方式で戻り光の受光結果を取り込む(読み出す)ことにより、ロウ方向に延びる所望の仮想的な開口形状に対応した受光像が取得される。このような制御については、例えば、米国特許第8237835号明細書等に開示されている。
図4に、実施形態に係る眼科装置1の動作説明図を示す。図4は、眼底Efに照射されるスリット状の照明光の照射範囲IPと、イメージセンサ51の受光面SRにおける仮想的な開口範囲OPとを模式的に表す。
例えば、後述の制御部100は、照明光学系20により形成されたスリット状の照明光を光スキャナ30を用いて偏向する。それにより、眼底Efにおいて、スリット状の照明光の照射範囲IPがスリット方向(例えば、ロウ方向、水平方向)と直交する方向(例えば、垂直方向)に順次に移動(シフト)される。
イメージセンサ51の受光面SRでは、例えば、後述の制御部100によって取り込み対象のピクセルをライン単位で変更することによって、仮想的な開口範囲(開口領域)OPが設定される。開口範囲OPは、受光面SRにおける照明光の戻り光の受光範囲IP´又は受光範囲IP´より広い範囲であることが望ましい。例えば、後述の制御部100は、照明光の照射範囲IPの移動制御に同期して、開口範囲OPの移動制御を実行する。それにより、不要な散乱光の影響を受けることなく、簡素な構成で、コントラストが強い眼底Efの高画質の画像を取得することが可能である。
図5及び図6に、イメージセンサ51に対するローリングシャッター方式の制御タイミングの一例を模式的に示す。図5は、イメージセンサ51に対する読み出し制御のタイミングの一例を表す。図6は、照明光の照射範囲IP(受光範囲IP´)の移動制御タイミングを図5の読み出し制御タイミングに重畳させて表したものである。図5及び図6において、横軸はイメージセンサ51のロウ数、縦軸は時間を表す。
なお、図5及び図6では、説明の便宜上、イメージセンサ51のロウ数が1920であるものとして説明するが、実施形態に係る構成はロウ数に限定されるものではない。また、図6において、説明の便宜上、スリット状の照明光のスリット幅(ロウ方向の幅)が40ロウ分であるものとする。
ロウ方向の読み出し制御は、リセット制御と、露光制御と、電荷転送制御と、出力制御とを含む。リセット制御は、ロウ方向のピクセルに蓄積されている電荷の蓄積量を初期化する制御である。露光制御は、フォトダイオードに光を当てて、受光量に対応した電荷をキャパシタに蓄積させる制御である。電荷転送制御は、ピクセルに蓄積された電荷量を垂直信号線に転送する制御である。出力制御は、複数の垂直信号線に蓄積された電荷量を水平信号線を介して出力する制御である。すなわち、図5に示すように、ロウ方向のピクセルに蓄積された電荷量の読み出し時間Tは、リセット制御に要する時間Tr、露光制御に要する時間(露光時間)Te、電荷転送制御に要する時間Tc、出力制御に要する時間Toutの和である。
図5では、ロウ単位で読み出し(取り込み)開始タイミング(時間Tcの開始タイミング)をシフトさせることで、イメージセンサ51における所望の範囲のピクセルに蓄積された受光結果(電荷量)が取得される。例えば、図5に示すピクセル範囲が1フレーム分の画像である場合、フレームレートFRが一意に決まる。
この実施形態では、複数のロウ数分のスリット幅を有する照明光の眼底Efにおける照射位置を、眼底Efにおいてカラム方向に対応する方向に順次にシフトさせる。イメージセンサ51の受光面における照射範囲IP´(眼底Efにおける照明領域に対応した領域)のシフト方向の幅が2以上のロウ数分の幅を有する場合に、後述の制御部100は、所定のロウ数単位で開口範囲OP(開口領域)がシフト方向にシフトするように光スキャナ30を制御する。
例えば、図6に示すように、所定のシフト時間Δt毎に、照明光の眼底Efにおける照射位置をカラム方向に対応する方向にロウ単位でシフトさせる。シフト時間Δtは、イメージセンサ51におけるピクセルの露光時間Teを照明光のスリット幅(例えば、スリット幅のロウ数=40)で分割することにより得られる(Δt=Te/40)。この照射位置の移動タイミングに同期させて、シフト時間Δt単位でロウ毎にピクセルの各ロウの読み出し開始タイミングを遅延させて開始させる。これにより、簡素な制御で、且つ、短時間に、コントラストが強い眼底Efの高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサ51は、1以上のラインセンサにより構成される。
ところで、図6に示す手法では、イメージセンサ51における受光面の全域について照明光の戻り光の照射時間にばらつきが生じる。具体的には、照明光の照射領域のシフト方向の最初の部分のピクセル群(第1ロウ~第39ロウの間のロウ方向のピクセル)と最後の部分のピクセル群(第1881ロウ~第1920ロウの間のロウ方向のピクセル)とは、それ以外のピクセル群に対して照明光の戻り光の照射時間が異なる。
そこで、実施形態では、後述の制御部100は、イメージセンサ51の受光面における撮影対象領域の複数のピクセル(受光素子)のそれぞれの戻り光の照射時間が略等しくなるように光スキャナ30を制御することが望ましい。
図7に、実施形態に係る眼科装置1の動作説明図を示す。図7は、イメージセンサ51の受光面における照射範囲を模式的に表す。
例えば、図7に示すように、イメージセンサ51の受光面SRの領域内に撮影対象領域SR´を設け、撮影対象領域SR´のピクセルの受光結果を用いて眼底Efの画像を取得する場合、撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´をシフトさせる。すなわち、後述の制御部100は、撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´が図6に示すようにシフトするように光スキャナ30を制御する。それにより、撮影対象領域SR´内の複数のピクセルに対する照明光の戻り光の照射時間のばらつき(変動)を低減する。
いくつかの実施形態では、後述の制御部100は、少なくとも1ロウ数分の幅だけ撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´が図6に示すようにシフトするように光スキャナ30を制御する。これにより、図6に示す手法に比べて、撮影対象領域SR´内のピクセル群に対する照明光の戻り光の照射時間のばらつきを低減することが可能になる。
いくつかの実施形態では、後述の制御部100は、イメージセンサ51の受光面における照射範囲IP´のシフト方向の幅に対応した分だけ撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´が図6に示すようにシフトするように光スキャナ30を制御する。
図8に、イメージセンサ51の受光面SRにおける撮影対象領域SR´に対するローリングシャッター方式の制御タイミングの一例を模式的に示す。図8において、図6又は図7と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図8においても、説明の便宜上、スリット状の照明光のスリット幅(ロウ方向の幅)が40ロウ分であるものとする。
図8に示すように、後述の制御部100は、イメージセンサ51の受光面における照射範囲IP´のシフト方向の幅(40ロウ分の幅)だけ撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´が図6に示すようにシフトするように光スキャナ30を制御する。これにより、撮影対象領域SR´内のすべてのピクセル群に対する照明光の戻り光の照射時間のばらつきを略等しくすることが可能になる。
[制御系の構成]
図2に示すように、眼科装置1の制御系は、制御部100を中心に構成されている。なお、制御系の構成の少なくとも一部が眼科装置1に含まれていてもよい。
(制御部100)
制御部100は、眼科装置1の各部を制御する。制御部100は、主制御部101と、記憶部102とを含む。主制御部101は、プロセッサを含み、記憶部102に記憶されたプログラムに従って処理を実行することで、眼科装置1の各部の制御処理を実行する。
(主制御部101)
主制御部101は、光源10の制御、移動機構10Dの制御、照明光学系20の制御、光スキャナ30の制御、撮影光学系40の制御、撮像装置50の制御、及びデータ処理部200の制御の制御を行う。
光源10の制御には、光源の点灯や消灯(又は光の波長領域)の切り替え、光源の光量の変更制御が含まれる。
移動機構10Dは、公知の機構により、光源10の位置及び向きの少なくとも1つを変更する。主制御部101は、虹彩絞り21及びスリット22に対する光源10の相対位置及び相対向きの少なくとも1つを変更することが可能である。
照明光学系20の制御には、移動機構22Dの制御が含まれる。移動機構22Dは、スリット22を照明光学系20の光軸方向に移動する。主制御部101は、被検眼Eの状態に応じて移動機構22Dを制御することにより、被検眼Eの状態に対応した位置にスリット22を配置する。被検眼Eの状態として、眼底Efの形状、屈折度数、眼軸長などがある。屈折度数は、例えば、特開昭61-293430号公報又は特開2010-259495号公報に開示されているような公知の眼屈折力測定装置から取得可能である。眼軸長は、公知の眼軸長測定装置、又は光干渉断層計の測定値から取得可能である。
例えば、屈折度数に対して照明光学系20の光軸におけるスリット22の位置があらかじめ関連付けられた第1制御情報が記憶部102に記憶されている。主制御部101は、第1制御情報を参照して屈折度数に対応したスリット22の位置を特定し、特定された位置にスリット22が配置されるように移動機構22Dを制御する。
ここで、スリット22の移動に伴い、スリット22に形成された開口部を通過する光の光量分布が変化する。このとき、上記のように、主制御部101は、移動機構10Dを制御することにより、光源10の位置及び向きを変更することが可能である。
光スキャナ30の制御には、照明光を偏向する偏向面の角度の制御が含まれる。偏向面の角度範囲を制御することで、スキャン範囲(スキャン開始位置及びスキャン終了位置)を制御することが可能である。偏向面の角度の変更速度を制御することで、スキャン速度を制御することが可能である。
撮影光学系40の制御には、移動機構47Dの制御が含まれる。移動機構47Dは、合焦レンズ47を撮影光学系40の光軸方向に移動する。主制御部101は、イメージセンサ51を用いて取得された画像の解析結果に基づいて移動機構47Dを制御することが可能である。また、主制御部101は、後述の操作部110を用いたユーザの操作内容に基づいて移動機構47Dを制御することが可能である。
撮像装置50の制御には、イメージセンサ51の制御が含まれる。イメージセンサ51の制御には、ローリングシャッター方式で受光結果を読み出すための制御(例えば、照明パターンのサイズに対応した受光サイズの設定等)が含まれる。また、イメージセンサ51の制御には、リセット制御、露光制御、電荷転送制御、出力制御などが含まれる。リセット制御に要する時間Tr、露光制御に要する時間(露光時間)Te、電荷転送制御に要する時間Tc、出力制御に要する時間Tout等を変更することが可能である。
データ処理部200の制御には、イメージセンサ51から取得された受光結果に対する各種の画像処理や解析処理が含まれる。画像処理には、受光結果に対するノイズ除去処理、受光結果に基づく受光像に描出された所定の部位を識別しやすくするための輝度補正処理がある。解析処理には、合焦状態の特定処理などがある。
データ処理部200は、ローリングシャッター方式によりイメージセンサ51から読み出された受光結果に基づいて、任意の開口範囲に対応した受光像を形成することが可能である。データ処理部200は、画像形成部として、開口範囲に対応した受光像を順次に形成し、形成された複数の受光像から被検眼Eの画像を形成することが可能である。
データ処理部200は、プロセッサを含み、記憶部等に記憶されたプログラムに従って処理を行うことで、上記の機能を実現する。
いくつかの実施形態では、光源10は、2以上の光源を含む。この場合、2以上の光源のそれぞれは、虹彩絞り21に形成された2以上の開口部に対応して設けられる。主制御部201は、2以上の光源のそれぞれに対応して設けられた移動機構を制御することにより、各光源の位置及び向き(光量分布が最大になる方向の向き)の少なくとも1つを変更することが可能である。
(記憶部102)
記憶部102は、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。コンピュータプログラムには、眼科装置1を制御するための演算プログラムや制御プログラムが含まれる。
(操作部110)
操作部110は、操作デバイス又は入力デバイスを含む。操作部110には、眼科装置1に設けられたボタンやスイッチ(たとえば操作ハンドル、操作ノブ等)や、操作デバイス(マウス、キーボード等)が含まれる。また、操作部110は、トラックボール、操作パネル、スイッチ、ボタン、ダイアルなど、任意の操作デバイスや入力デバイスを含んでいてよい。
(表示部120)
表示部120は、データ処理部200により生成された被検眼Eの画像を表示させる。表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等のフラットパネルディスプレイなどの表示デバイスを含んで構成される。また、表示部120は、眼科装置1の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
なお、操作部110と表示部120は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部110は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部110に対する操作内容は、電気信号として制御部100に入力される。また、表示部120に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部110とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。いくつかの実施形態では、表示部120及び操作部110の機能は、タッチスクリーンにより実現される。
(その他の構成)
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、更に、固視投影系を含む。例えば、固視投影系の光路は、図1に示す光学系の構成において、撮影光学系40の光路に結合される。固視投影系は、内部固視標又は外部固視標を被検眼Eに提示することが可能である。内部固視標を被検眼Eに提示する場合、固視投影系は、制御部100からの制御を受けて内部固視標を表示するLCDを含み、LCDから出力された固視光束を被検眼Eの眼底に投影する。LCDは、その画面上における固視標の表示位置を変更可能に構成されている。LCDにおける固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの眼底における固視標の投影位置を変更することが可能である。LCDにおける固視標の表示位置は、操作部110を用いることによりユーザが指定可能である。
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、アライメント系を含む。いくつかの実施形態では、アライメント系は、XYアライメント系と、Zアライメント系とを含む。XYアライメント系は、装置光学系(対物レンズ46)の光軸に交差する方向に装置光学系と被検眼Eとの位置合わせを行うために用いられる。Zアライメント系は、眼科装置1(対物レンズ46)の光軸の方向に装置光学系と被検眼Eとの位置合わせを行うために用いられる。
例えば、XYアライメント系は、被検眼Eに輝点(赤外領域又は近赤外領域の輝点)を投影する。データ処理部200は、輝点が投影された被検眼Eの前眼部像を取得し、取得された前眼部像に描出された輝点像とアライメント基準位置との変位を求める。制御部100は、求められた変位がキャンセルされるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを光軸の方向と交差する方向に相対的に移動させる。
例えば、Zアライメント系は、装置光学系の光軸から外れた位置から赤外領域又は近赤外領域のアライメント光を投影し、被検眼Eの前眼部で反射されたアライメント光を受光する。データ処理部200は、装置光学系に対する被検眼Eの距離に応じて変化するアライメント光の受光位置から、装置光学系に対する被検眼Eの距離を特定する。制御部100は、特定された距離が所望の作動距離になるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを光軸の方向に相対的に移動させる。
いくつかの実施形態では、アライメント系の機能は、装置光学系の光軸から外れた位置に配置された2以上の前眼部カメラにより実現される。例えば、特開2013-248376号公報に開示されているように、データ処理部200は、2以上の前眼部カメラで実質的に同時に取得された被検眼Eの前眼部像を解析して、公知の三角法を用いて被検眼Eの3次元位置を特定する。制御部100は、装置光学系の光軸が被検眼Eの軸に略一致し、かつ、被検眼Eに対する装置光学系の距離が所定の作動距離になるように図示しない移動機構により装置光学系と被検眼Eとを3次元的に相対的に移動させる。
以上のように、眼科装置1では、スリット22(開口部)と、撮影部位(眼底Ef)と、イメージセンサ51(受光面)とが光学的に略共役な位置に配置される。眼科装置1は、イメージセンサ51における受光開口と照明光による照射位置とを連動して移動させることにより、不要な散乱光の影響を抑えつつ、明瞭な撮影部位の画像を取得することが可能になる。
データ処理部200は、実施形態に係る「画像形成部」の一例である。
[動作]
次に、眼科装置1の動作について説明する。
図9Aに、実施形態に係る眼科装置1の動作説明図を示す。図9Aでは、縦軸は、スキャン中心を基準とした偏向角度範囲(±22.5°)を眼底Efにおける撮影領域として表し、横軸は時間軸を表す。
制御部100は、図9Aに示すように、光スキャナ30に対してスキャナ制御信号Scontを出力する。光スキャナ30は、制御部100からのスキャナ制御信号Scontの受信タイミングに対して所定の時間だけ遅れて、スキャナ制御信号Scontに対応した偏向方向Dirに偏向面を変更する。これにより、眼底Efでは、スキャナ制御信号Scontに基づく光スキャナ30の偏向面に対応した領域に照明光が照射される。イメージセンサ51では、受光面SRにおける撮影対象領域SR´において、眼底Efにおける照明光の照射領域からの戻り光を受光するようにローリングシャッター方式で開口範囲ORが開口され、開口範囲ORにおいて戻り光の受光結果が取り込まれる。
図9Aにおいて、図7及び図8に示すように光スキャナ30を制御することで、撮影時間TIMGの最初の部分と最後の部分において、撮影範囲RIMG(撮影対象領域)の外側にも照明光が照射される(領域OS1、OS2)。
図9B及び図9Cに、実施形態と実施形態の比較例とを比較するための動作説明図を示す。図9Bは、図9Aにおける撮影時間TIMGの最初の部分を拡大した図を表す。図9Cは、実施形態の比較例において図9Bに対応する部分を拡大した図を表す。ここで、実施形態の比較例では、図6に示す制御が行われるものとする。図9B及び図9Cにおいて、図9Aと同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図9Bに示すように、領域OS1の垂直方向の幅SWは、照明光のスリット幅に相当し、領域OS1の水平方向の幅Tiは、照明光の照射時間に相当する。実施形態では、図9Bに示すように、眼底Efにおいて撮影範囲外の領域OS1が照明される。これに対し、実施形態の比較例では、図9Cに示すように、眼底Efにおいて領域OS11、OS12が照明されない。特に、実施形態では、撮影範囲の全域が照明されるのに対し、実施形態の比較例では、撮影範囲内の領域OS12が照明されない。
以上説明したように、実施形態によれば、図7及び図8に示すように制御するようにしたので、撮影対象領域内のすべてのピクセル群に対する照明光の戻り光の照射時間のばらつきを略等しくすることが可能になる。その結果、輝度ムラのない眼底Efの高画質の画像を取得することができるようになる。
<変形例>
実施形態に係る眼科装置の構成は、実施形態に係る眼科装置1の構成に限定されるものではない。例えば、光スキャナ30の動作不安定領域の影響を低減するように、制御部は、撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´がシフトするように光スキャナ30を制御してもよい。
以下、実施形態の変形例に係る眼科装置について、実施形態に係る眼科装置1との相違点を中心に説明する。
実施形態の変形例に係る眼科装置の光学系及び制御系のそれぞれの構成は、実施形態に係る眼科装置1の光学系及び制御系の構成と同様である。
実施形態の変形例に係る眼科装置が実施形態に係る眼科装置1と異なる点は、主に、制御部による光スキャナ30の制御内容である。
具体的には、実施形態の変形例では、制御部は、イメージセンサ51の受光面SRにおける照射範囲IP´(眼底Efにおける照明領域に対応した領域)のシフト方向の幅より大きい所定の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナ30を制御する。
いくつかの実施形態では、所定の幅は、イメージセンサ51の受光面における照射範囲IP´のシフト方向の幅と光スキャナ30の動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である。いくつかの実施形態では、光スキャナ30の動作不安定領域は、光スキャナ30の非線形動作領域である。いくつかの実施形態では、光スキャナ30の動作不安定領域は、光スキャナ30に対してスキャナ制御信号Scontが設定されてから動作安定領域で動作するまでの領域である。
図10に、実施形態の変形例に係る眼科装置1の動作説明図を示す。図10において、図7と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
例えば、図10に示すように、図7に示す場合に比べて、光スキャナ30の動作不安定領域に対応したロウ数分XRだけ更に撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´をシフトさせる。すなわち、制御部100は、照射範囲IP´のシフト方向の幅と光スキャナ30の動作不安定領域に対応した幅との和だけ撮影対象領域SR´の外側から照射範囲IP´が図6に示すようにシフトするように光スキャナ30を制御する。それにより、光スキャナ30の動作不安定領域の影響を受けることなく、撮影対象領域SR´内のすべてのピクセルに対する照明光の戻り光の照射時間のばらつきを低減する。
図11に、実施形態の変形例に係る眼科装置の動作説明図を示す。図11において、図9Aと同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
制御部100は、図11に示すように、光スキャナ30に対してスキャナ制御信号Scontを出力する。光スキャナ30は、制御部100からのスキャナ制御信号Scontに対して所定の時間だけ遅れて、スキャナ制御信号Scontに対応した偏向方向Dirに偏向面を変更する。イメージセンサ51では、受光面SRにおける撮影対象領域SR´において、眼底Efにおける照明光の照射領域からの戻り光を受光するようにローリングシャッター方式で開口範囲ORが開口され、開口範囲ORにおいて戻り光の受光結果が取り込まれる。
図11において、図10に示すように光スキャナ30を制御することで、撮影時間TIMGの最初の部分と最後の部分において、撮影範囲RIMG(撮影対象領域)の外側にも照明光が照射される(領域OS21、OS22)。
以上説明したように、実施形態の変形例によれば、光スキャナ30の動作不安定領域の影響を受けることなく、撮影対象領域SR´内のすべてのピクセルに対する照明光の戻り光の照射時間のばらつきを低減する。その結果、光スキャナ30の動作不安定領域の影響を受けることなく、輝度ムラのない眼底Efの高画質の画像を取得することができるようになる。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置、その制御方法、及びプログラムの作用および効果について説明する。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1)は、照明光学系(20)と、光スキャナ(30)と、撮影光学系(40)と、制御部(100、主制御部101)と、画像形成部(データ処理部200)とを含む。照明光学系は、スリット状の照明光を生成する。光スキャナは、照明光を偏向して被検眼(E)の眼底(Ef)に導く。撮影光学系は、眼底からの照明光の戻り光をイメージセンサ(51)に導く。制御部は、光スキャナを制御する。画像形成部は、イメージセンサの受光面(SR)における撮影対象領域(SR´)において取り込まれた受光結果に基づいて眼底の画像を形成する。イメージセンサは、光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される、眼底における照明光の照明領域に対応した受光面の開口領域(開口範囲OP)における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成される。制御部は、撮影対象領域の複数の受光素子のそれぞれに対する戻り光の照射時間が略等しくなるように光スキャナを制御する。
このような構成によれば、撮影対象領域において戻り光の照射時間のばらつきを低減することができる。それにより、短い撮影時間で、輝度ムラのない被検眼(眼底)の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、照明領域に対応してシフトする開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、受光面における照明領域に対応した照射範囲(IP´)のシフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有し、制御部は、撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で照射範囲がシフト方向にシフトするように光スキャナを制御する。
このような構成によれば、新たな構成を追加することなく、簡素な制御で、撮影対象領域における戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるようになる。
いくつかの実施形態では、制御部は、少なくとも1ロウ数分の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような構成によれば、簡素な制御で、撮影対象領域における戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるので、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、制御部は、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような構成によれば、簡素な制御で、撮影対象領域のすべての受光素子において戻り光の照射時間を略等しくすることができるので、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、制御部は、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅より大きい所定の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような構成によれば、光スキャナの動作不安定領域の影響を低減しつつ、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、所定の幅は、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅と光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である。
このような構成によれば、光スキャナの動作不安定領域の影響をまったく受けることなく、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、CMOSイメージセンサである。
このような構成によれば、簡素な構成、かつ、低コストで、撮影対象領域において戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1)の制御方法は、スリット状の照明光を生成する照明光学系(20)と、照明光を偏向して被検眼(E)の眼底(Ef)に導く光スキャナ(30)と、光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される眼底における照明光の照明領域に対応した受光面(SR)の開口領域における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成されたイメージセンサ(51)に、眼底からの照明光の戻り光を導く撮影光学系(40)と、光スキャナを制御する制御部(100、主制御部101)と、を含む眼科装置の制御方法である。眼科装置の制御方法は、イメージセンサの受光面における撮影対象領域(SR´)の複数の受光素子のそれぞれに対する戻り光の照射時間が略等しくなるように光スキャナを制御する制御ステップと、撮影対象領域において取り込まれた受光結果に基づいて眼底の画像を形成する画像形成ステップと、を含む。
このような方法によれば、撮影対象領域において戻り光の照射時間のばらつきを低減することができる。それにより、短い撮影時間で、輝度ムラのない被検眼(眼底)の高画質の画像を取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、照明領域に対応してシフトする開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、受光面における照明領域に対応した照射範囲(IP´)のシフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有し、制御ステップは、撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で照射範囲がシフト方向にシフトするように光スキャナを制御する。
このような方法によれば、新たな構成を追加することなく、簡素な制御で、撮影対象領域における戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるようになる。
いくつかの実施形態では、制御ステップは、少なくとも1ロウ数分の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような方法によれば、簡素な制御で、撮影対象領域における戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるので、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、制御ステップは、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような方法によれば、簡素な制御で、撮影対象領域のすべての受光素子において戻り光の照射時間を略等しくすることができるので、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、制御ステップは、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅より大きい所定の幅だけ撮影対象領域の外側から照射範囲がシフトするように光スキャナを制御する。
このような方法によれば、光スキャナの動作不安定領域の影響を低減しつつ、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、所定の幅は、受光面における照明領域に対応した領域のシフト方向の幅と光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である。
このような方法によれば、光スキャナの動作不安定領域の影響をまったく受けることなく、短い撮影時間で、被検眼の高画質の画像を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、イメージセンサは、CMOSイメージセンサである。
このような方法によれば、低コストで、撮影対象領域において戻り光の照射時間のばらつきを低減することができるようになる。
いくつかの実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、上記のいずれかの眼科装置の制御方法の各ステップを実行させる。
このようなプログラムによれば、撮影対象領域において戻り光の照射時間のばらつきを低減することができる。それにより、短い撮影時間で、輝度ムラのない被検眼(眼底)の高画質の画像を取得することが可能になる。
以上に示された実施形態又はその変形例は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
上記の実施形態において、眼科装置は、例えば、眼軸長測定機能、眼圧測定機能、光干渉断層撮影(OCT)機能、超音波検査機能など、眼科分野において使用可能な任意の機能を有していてもよい。なお、眼軸長測定機能は、光干渉断層計等により実現される。また、眼軸長測定機能は、被検眼に光を投影し、当該被検眼に対する光学系のZ方向(前後方向)の位置を調整しつつ眼底からの戻り光を検出することにより、当該被検眼の眼軸長を測定するようにしてもよい。眼圧測定機能は、眼圧計等により実現される。OCT機能は、光干渉断層計等により実現される。超音波検査機能は、超音波診断装置等により実現される。また、このような機能のうち2つ以上を具備した装置(複合機)に対してこの発明を適用することも可能である。
いくつかの実施形態では、上記の眼科装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。このようなプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な非一時的な(non-transitory)任意の記録媒体に記憶させることができる。記録媒体は、磁気、光、光磁気、半導体などを利用した電子媒体であってよい。典型的には、記録媒体は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブなどである。また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 眼科装置
10 光源
20 照明光学系
21 虹彩絞り
22 スリット
23、41、44、48 リレーレンズ
30 光スキャナ
35 投影光学系
40 撮影光学系
42 黒点板
43 反射ミラー
45 穴鏡
46 対物レンズ
47 合焦レンズ
49 結像レンズ
50 撮像装置
51 イメージセンサ
100 制御部
101 主制御部
102 記憶部
200 データ処理部
E 被検眼
Ef 眼底
IP、IP´ 照射範囲
OP 開口範囲
SR 受光面
SR´ 撮影対象領域

Claims (7)

  1. スリット状の照明光を生成する照明光学系と、
    前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、
    前記眼底からの前記照明光の戻り光をイメージセンサに導く撮影光学系と、
    前記光スキャナを制御する制御部と、
    前記イメージセンサの受光面における撮影対象領域において取り込まれた受光結果に基づいて前記眼底の画像を形成する画像形成部と、
    を含み、
    前記イメージセンサは、前記光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される前記眼底における前記照明光の照明領域に対応した前記受光面の開口領域における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成され、前記照明領域に対応してシフトする前記開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、
    前記受光面における前記照明領域に対応した照射範囲の前記シフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有し、
    前記制御部は、前記受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅と前記光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である所定の幅だけ前記撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で前記照射範囲が前記シフト方向にシフトし、前記撮影対象領域の複数の受光素子のそれぞれに対する前記戻り光の照射時間が等しくなるように前記光スキャナを制御する、眼科装置。
  2. 前記制御部は、少なくとも1ロウ数分の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  3. 前記イメージセンサは、CMOSイメージセンサである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  4. スリット状の照明光を生成する照明光学系と、
    前記照明光を偏向して被検眼の眼底に導く光スキャナと、
    前記光スキャナにより所定のスキャン方向に移動される前記眼底における前記照明光の照明領域に対応した受光面の開口領域における受光結果をローリングシャッター方式で取り込むように構成されたイメージセンサに、前記眼底からの前記照明光の戻り光を導く撮影光学系と、
    前記光スキャナを制御する制御部と、
    を含み、
    前記イメージセンサは、前記照明領域に対応してシフトする前記開口領域のシフト方向に直交するロウ方向に配列された受光素子群がカラム方向に配列された複数の受光素子を含み、
    前記受光面における前記照明領域に対応した照射範囲の前記シフト方向の幅は、2以上のロウ数分の幅を有する、眼科装置の制御方法であって、
    前記イメージセンサの受光面における前記照明領域に対応した領域の前記シフト方向の幅と前記光スキャナの動作不安定領域に対応するロウ数分の幅との和である所定の幅だけ前記受光面における撮影対象領域の外側から所定のロウ数単位で前記照射範囲が前記シフト方向にシフトし、前記撮影対象領域の複数の受光素子のそれぞれに対する前記戻り光の照射時間が等しくなるように前記光スキャナを制御する制御ステップと、
    前記撮影対象領域において取り込まれた受光結果に基づいて前記眼底の画像を形成する画像形成ステップと、
    を含む、眼科装置の制御方法。
  5. 前記制御ステップは、少なくとも1ロウ数分の幅だけ前記撮影対象領域の外側から前記照射範囲がシフトするように前記光スキャナを制御する
    ことを特徴とする請求項に記載の眼科装置の制御方法。
  6. 前記イメージセンサは、CMOSイメージセンサである
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の眼科装置の制御方法。
  7. コンピュータに、請求項~請求項のいずれか一項に記載の眼科装置の制御方法の各ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
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