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JP7437322B2 - LOX阻害剤として有用なヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体 - Google Patents

LOX阻害剤として有用なヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール誘導体 Download PDF

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Description

本開示は、リシルオキシダーゼ(LOX)及びリシルオキシダーゼ様(LOXL)ファミリーメンバー(LOXL1、LOXL2、LOXL3、LOXL4)の阻害剤として有用な化合物と、こうした化合物を含む医薬組成物と、LOX及び/又はLOXLにより媒介される病態たとえば癌の治療に使用するための化合物と、EGFRに関連する癌の治療に使用するためのLOX阻害剤と、に関する。
LOX(タンパク質-6-リシン-オキシダーゼ、EC1.4.3.13)は、コラーゲンやトロポエラスチンなどのタンパク質中のリシン及びヒドロキシリシンの第1級アミンの酸化的脱アミノ化を触媒することにより、自発縮合して鎖間及び鎖内クロスリンクを形成するアルデヒドであるペプチジル-[α]-アミノアジピン酸-[δ]-セミアルデヒドを生成する細胞外酵素である(Lucero and Kagan 2006)。LOXは、細胞外マトリックス(ECM)中のタンパク質の成熟をレギュレートすることによりECMの引張り強度及び機能に寄与するので、結合組織のリモデリングに重要な役割を果たす。LOXによる酸化の基質として、他のタンパク質、たとえば、塩基性線維芽細胞成長因子、PDGFR-β、及び他のカチオン性タンパク質が報告されている(Kagan and Li 2003、Li,Nugent et al.2003、Lucero and Kagan 2006、Lucero,Ravid et al.2008)。
LOXは、プロコラーゲンC-プロテイナーゼ(骨形態形成タンパク質1-BMP-1)及び哺乳動物tolloid様タンパク質(mTLL-1)によるタンパク質分解プロセシングを受けて(Uzel,Scott et al.2001)18kDaプロペプチド及び32kDa活性LOX酵素を生成する(Lucero and Kagan 2006)前駆体タンパク質として分泌される。触媒ドメインは、銅及びリシン-チロシルキノン(LTQ)補因子を含有する。LTQは、触媒部位のチロシン(Tyr349)が翻訳後酸化を受けてから同様に触媒部位内のリシン(Lys314)に縮合して触媒機序の本質部分である安定な共有結合修飾を形成することにより形成される(Lucero and Kagan 2006)(Kagan and Li 2003)。
LOXは、すべて保存触媒領域を含有する5つのパラログLOX、LOX様1[LOXL1]、LOX様2[LOXL2]、LOX様3[LOXL3]、及びLOX様4[LOXL4]からなるタンパク質ファミリーの一部である。LOX酵素は、細胞外マトリックス(ECM)内のコラーゲン及びエラスチンのクロスリンキングを開始及びレギュレートすることによりECMの安定性維持にきわめて重要な役割を果たす。これらの酵素の活性は、体内の多くの器官系の結合組織の正常な引張り及び弾性特性を維持する鍵となる。LOX発現は加齢の間に減少することから、その活性は発生にとりわけ重要であることが示唆される。
組織リモデリングにおける役割に加えて、LOXはまた、原発癌及び転移にもきわめて重要な役割を果たす。LOXは、結腸直腸癌及び肺癌(Gao,Xiao et al.2010、Baker,Cox et al.2011)並びに膠芽細胞腫(Mammoto,Jiang et al.2013)の原発腫瘍成長に基本的役割を果たすという研究が示されている。
LOXの発現は、エストロゲンレセプター陰性疾患の乳癌患者の70%超、頭頸部癌患者の80%、原発結腸直腸癌(CRC)の33%、及びCRC患者の転移組織の48%(Baker,Cox et al.2011)、並びにアルコール依存症の病歴を有する硬変肝細胞癌(HCC)患者(Huang,Ho et al.2013)で上昇する。本明細書でより詳細に考察されるように、LOXはまた、肺癌、前立腺癌、及び膵癌をはじめとする多くの他の癌でも過剰発現される。
LOX発現の上昇はまた、転移及び患者生存減少にも関連する(Baker,Cox et al.2011、Wilgus,Borczuk et al.2011)。
LOXファミリーの他のメンバーは、癌などの増殖疾患に関係するとされている。LOXL2は、細胞外コラーゲン及びエラスチンのクロスリンキングに関与するLOXファミリーの他のメンバーである(Vadasz,Kessler et al.2005)(Kim,Kim et al.2010)。保存C末端領域に加えて、LOXL2タンパク質は、細胞表面レセプター及び接着分子さらにはサイトカインレセプター様ドメインに一般に見いだされるスカベンジャーレセプターシステインリッチ領域を有する。
LOXL2発現は、Barkerらによりレビューされるように乳癌、胃癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肺癌、及び喉頭癌(Barker,Cox et al.2012)、並びに腎細胞癌(Hase,Jingushi et al.2014)(Nishikawa,Chiyomaru et al.2015)でアップレギュレートされることが見いだされている。
結腸直腸癌モデルでLOX発現を操作してもLOXL2レベルは影響を受けなかったので、LOX及びLOXL2は互いに補償し合わないことが研究により示唆された(Baker,Cox et al.2011)。そのため、LOX及びLOXL2は類似した細胞外プロセスに関与するが、それらは識別可能な役割を有すると思われる。
LOXL1は、転移非小細胞肺癌(NSCLC)で過剰発現されることが見いだされたが、その転移表現型は、LOXL1 siRNAで阻害することにより低減可能である(Lee,Kim et al.2011)。
LOXL3 mRNAは、Hs578T高浸潤乳癌細胞では発現されたが、低浸潤及び非転移乳癌細胞MCF7及びT47Dでは発現されなかった(Kirschmann,Seftor et al.2002)。MDCK上皮細胞におけるLOXL3の過剰発現は、転移進行の主要な工程である上皮間葉転換(EMT)プロセスを誘発する(Peinado,Del Carmen Iglesias-de la Cruz et al.2005)。
頭頸部扁平上皮細胞癌におけるLOXL4のmRNAレベルに関する研究では、LOXL4遺伝子の高発現はすべての癌の71%で検出されたが、健常粘膜サンプルでは9%にすぎなかったことから、LOXL4は、原発及び転移頭頸部癌の選択分子マーカーとして機能しうることが示唆される(Scola and Gorogh 2010)。LOXL4のアップレギュレーションは、浸潤HNCで実証され、LOXL4発現と局所リンパ節転移及びより高い腫瘍ステージとの間の有意な相関を明らかにした(Goeroegh,Weise et al.2007)。LOXL4は、胃癌の転移を促進する(Li,Zhao et al.2015)。LOXL4は、LOXL2と一緒になって乳房同所マウスモデルで転移ニッチ形成に必要とされることが見いだされている(Wong,Gilkes et al.2011)。
LOX及びLOXLは、肝線維症、肺線維症、腎線維症、心線維症、骨髄線維症、強皮症などの線維性疾患に関係する。LOX及びLOXLは両方とも、線維性領域、周囲筋線維芽細胞、及び線維性病態患者の血清で高発現される(Kagan 1994)(Kim,Peyrol et al.1999)(Siegel,Chen et al.1978)(Jourdan-Le Saux,Gleyzal et al.1994)(Murawaki,Kusakabe et al.1991)。
LOXはまた、心血管疾患にも関係する。本発明の詳細な説明で考察されるように、LOX阻害は、高血圧性心疾患、心不全、心肥大、及びアテローム硬化症をはじめとする心血管病態の治療又は予防に有益であることを証明しうる。
LOXは、アルツハイマー病(AD)及びオランダ型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)の両方の病理発生のアミロイド-β(Aβ)関連病理学的ホールマーク(たとえば、脳アミロイド血管障害及び老人斑)に関連する(Wilhelmus,Bol et al.2013)。LOX活性は、アルツハイマー病さらには非アルツハイマー型認知症の海馬サンプルで増加する(Gilad,Kagan et al.2005)。LOXは、脳傷害(Gilad,Kagan et al.2001)及び脊髄傷害の部位で増加し、その阻害は、片側脊髄ダイセクションモデルで機能回復の促進をもたらす(Gilad and Gilad 2001)。
LOXLは肺疾患に関係する。LOXL2及びLOXL3は、両方ともPAP組織では発現されるが正常肺組織では発現されないので、おそらく原発肺胞蛋白症(PAP)の一因であろう(Neufeld and Brekhman 2009)。
LOX阻害は、各種眼病態の治療に有益でありうる。LOX又はLOXL2の阻害は、レーザー誘発脈絡膜血管新生(CNV)後の血管新生及び線維化を予防する。したがって、LOX及びLOXLの阻害剤は、血管新生により特徴付けられる病態、たとえば、加齢性黄斑変性(AMD)、糖尿病性網膜症、及び未熟児網膜症の治療に有用でありうる(Stalmans,Marshall et al.2010)。
LOXは、炎症性病態に関係し、限定されるものではないが、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)をはじめとする病態の治療に有用でありうる(Mambetsariev,Tian et al.2014)。
LOXは、ヒト脂肪組織で発現され且つその発現が肥満患者のサンプルで強くアップレギュレートされる主要イソ酵素である。β-アミノプロピオニトリルは、体重増加を低減し、ラットにおいて食事誘発肥満の代謝プロファイルを改善し(Miana,Galan et al.2015)、且つ局所脂肪組織炎症を低減する(Halberg,Khan et al.2009)。
LOXは、子宮内膜症でアップレギュレートされ、且つ子宮内膜病変の確立及び進行に関係しうる(Ruiz,Dutil et al.2011)(Dentillo,Meola et al.2010)。
ある特定のLOX阻害剤は公知である。こうしたものとしては、β-アミノプロピオニトリル(BAPN)、ハロアミン、1,2-ジアミン、アリル及びプロパルギルアミン、ヒドラジン、セミカルバジド及びチオラクトン、ベンジルアミン、メルカプトピリジン及びピリダジノン化合物が挙げられる(Pinnell and Martin 1968)(Tang,Simpson et al.1984)(Palfreyman,McDonald et al.1989)(Sayre 2007)(Carrington,Bird et al.1984)(Levene,Sharman et al.1992)(Liu,Nellaiappan et al.1997)(Williamson and Kagan 1987)(Anderson,Bartlett et al.2007)(Schohe-Loop,Burchardt et al.2003)(Burchardt 2006、Aslam,Miele et al.2015)。しかしながら、一般に、これらの化合物は、非選択的であるか、効力が欠如しているか、又は患者に使用するに好適でないかのどれかである。ヒトにおいて臨床試験に進んだ唯一のLOX阻害剤は、BAPNであると考えられる。しかしながら、この化合物は、1978年以来、臨床使用されていないと考えられる。より最近のLOX及びLOXL2阻害剤、すなわち、ヒドラジン基及びヒドラジド基を含有するLOX阻害剤(Burke et al,2017)、LOXL2阻害剤であるハロアリルアミン誘導体(Chang et al,2017)、ピリジン(Rowbottom et al,2016a、Rowbottom et al,2016b)、ピリミジン(Rowbottom & Hutchinson,2017a)、及びクロメノン(Rowbottom & Hutchinson,2017b)が記載されている。
国際公開第2017/141049A1号パンフレットには、LOX阻害剤としてメチルアミン誘導体が開示されている。
国際公開第2004/110996A1号パンフレットは、ニューロキニン(NK)阻害性を呈してニューロキニン媒介病態の治療に有用であるとして開示される化合物に関する。
国際公開第2007/027734A2号パンフレットは、1つ以上のケモカインレセプター(CCR)のモジュレーターとして有効で炎症性障害及び免疫障害の病態及び疾患の治療に有用であるとして開示される二環式及び架橋窒素ヘテロ環に関する。
国際公開第2011/050198A1号パンフレット及び国際公開第2012/145581A1号パンフレットは、オレキシン活性により媒介される疾患又は病態たとえば不眠症の治療に有用なオレキシンレセプターモジュレーターであるとして開示される二置換オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールに関する。
国際公開第2009/137308A1号パンフレットは、α4β2NNR活性のモジュレーションが治療上有益である病態又は障害を治療するのに有用であるとして開示されるニューロナルニコチニックレセプター(NNR)の選択的リガンドに関する。
本発明の目的は、LOXにより影響及び/又は媒介される疾患、障害、及び/又は病態、たとえば、癌又は線維症の治療に有用な新規化合物を提供することである。
本発明によれば、下記の式(I)の構造を持つ化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される
Figure 0007437322000001
式中、
及びXは、各々、CR又はNから選択され、
、X、及びXは、各々、CR、CR、又はNから選択され、ただし、X、X、及びXうちの少なくとも1つはCRであり、且つただし、X、X、X、X、及びXの1つのみは、Nであることが可能であり、
は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、C~Cアルコキシ-カルボニル、-C(O)NR、-SO、又は-SONRから選択され、ここで、
中のアルキル、アルケニル、アルキニル、又はアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、各々独立して、-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-S-Y-R2a、-S-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-SO-Y-R2a、-NR2b2c、又は-NR2a-Y-C(O)-Y-NR2b2cから選択され、
は、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、 、-OR 、-C(O)R 、又は-C(O)OR から独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
2aは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、3~6員単環式ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
2a中のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
2a中のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、且つ
2a中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
2b及びR2cは、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、又はC~Cアルキニルから選択され、ここで、
2b及びR2c中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、又は
2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、環中にO、N、若しくはSから選択される1若しくは2個の追加のヘテロ原子(すなわち、-NR2b2cの窒素原子に加えて)を任意的に含んでいてもよい3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSは、任意的に酸化されていてもよく、
任意的に、(i)CR及びCRが近接し、(ii)RがC~Cアルキルであり、(iii)Rが-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-S-Y-R2a、又は-SO-Y-R2aであり、且つ(iv)R2aがC~Cアルキルであるとき、R及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される1個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、
任意的に、(i)CR及びCRが近接し、(ii)各Rが-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-S-Y-R2a、又は-SO-Y-R2aから独立して選択され、且つ(iii)各R2aがC~Cアルキルであるとき、第1のR及び第2のRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される2個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、
及びRは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、又はC~Cアルコキシ-カルボニルから選択され、
及びR中のアルキル若しくはアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、若しくはヒドロキシから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、又は
及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3~7員シクロアルキルを形成してもよく、
及びRにより形成される前記シクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、若しくは-C(O)ORから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
及びLは、各々独立して、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
及びL中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、結合、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-NR-、-SONR-、-NRSO-、-S-、-SO-、-SOO-、-OSO-、-NRSONR-、-NRC(O)NR-、-C(O)NRNR-、-NRNRC(O)-、-NRC(O)O-、又は-OC(O)NR-から選択され、
は、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cシアノアルキルから選択され、
、R、及びRは、各々独立して、水素原子又はC~Cアルキルから選択され、ここで、
、R、及びR中のC~Cアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
ただし、Lが窒素原子によりLに結合されているとき、Lは結合ではなく、
ただし、RがC~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールであるとき、L、L、及びLの少なくとも1つは結合ではなく、
ただし、-L-L-L-Rは、ベンジルでも、ベンジルオキシカルボニルでも、tert-ブチルオキシカルボニルでもなく、
ただし、XがNであり且つX及びXの各々がCRであるとき、Rはシアノではなく、
ただし、X又はXの1つがNであり、X又はXの1つがCRであり、且つ-L-L-L-Rが2-ピリジルメチル又は3-ピリジルメチルであるとき、Rは-O-ベンジルではなく、且つ
ただし、X又はXの1つがCRであり且つXがCRであるとき、Rはクロロではない。
また、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤と、を含む医薬組成物も提供される。
また、医薬として使用するための本発明の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩又は本発明の医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
また、対象においてLOXにより媒介される疾患又は医学的病態を治療する方法も提供され、本方法は、有効量の本発明の化合物又は本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩又は本発明の医薬組成物は、増殖疾患とくに癌の治療に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩又は本発明の医薬組成物は、EGFRの過剰発現に関連する癌の治療又は予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩又は本発明の医薬組成物は、肝線維症、肺線維症、腎線維症、心線維症、骨髄線維症、強皮症などの線維性疾患の治療に使用するためのものである。
定義
とくに明記されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる下記の用語は、以下に定められる下記の意味を有する。
「treating(~を治療する)」又は「treatment(治療)」への言及は、予防さらには病態の確立された症状の軽減を含むことを認識すべきである。したがって、病状、障害、若しくは病態を「治療する」又はその「治療」とは、(1)病状、障害、若しくは病態に罹患している可能性があるか又はその素因を有する可能性があるが病状、障害、若しくは病態の臨床症状若しくは準臨床症状をまだ経験も提示もしていないヒトにおいて発生する病状、障害、若しくは病態の臨床症状の発症を予防又は遅延すること、(2)病状、障害、若しくは病態を抑制すること、すなわち、疾患の発生若しくはその再発(維持治療の場合)又は少なくとも1つのその臨床症状若しくは準臨床症状を停止、低減、又は遅延すること、或いは(3)疾患を軽減又は減衰すること、すなわち、病状、障害、若しくは病態、又はその臨床症状若しくは準臨床症状の少なくとも1つの退縮を引き起こすこと、を含む。
「治療有効量」とは、疾患を治療するために哺乳動物に投与するとき、疾患のかかる治療を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療される哺乳動物の年齢、体重などに依存して変動するであろう。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、周期表の第17族のハロゲン原子の1つを意味する。特定的には、この用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を意味する。好ましくは、この用語は、フッ素原子又は塩素原子を意味する。
m~nという用語は、m~n個の炭素原子を有する基を意味する。Cm~nは、本明細書ではC~Cともいう。
「C1~6アルキル」という用語は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状炭化水素鎖、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシルを意味する。同様に「C1~4アルキル」とは、4個までの炭素原子を含有するかかる基を意味する。アルキレン基とは、2価アルキル基のことであり、同様に直鎖状又は分岐状でありうるとともに、分子の残りの部分への2つの結合点を有する。さらに、アルキレン基は、たとえば、このパラグラフに列挙されるアルキル基の1つに対応しうる。アルキル基及びアルキレン基は、無置換でありうるか又は1個以上の置換基で置換されうる。可能な置換基は以下に記載される。アルキル基に対する置換基は、ハロゲン原子、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子、OH、C~Cアルコキシでありうる。代替的にアルキル基に対する他の置換基を使用しうる。
「C1~6ハロアルキル」たとえば「C1~4ハロアルキル」という用語は、各々独立して選択される少なくとも1個のハロゲン原子、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子で置換された炭化水素鎖を意味する。ハロゲン原子は、炭化水素鎖上のいずれの位置にも存在しうる。たとえば、C1~6ハロアルキルとは、クロロメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロエチル、たとえば、1-クロロメチル及び2-クロロエチル、トリクロロエチル、たとえば、1,2,2-トリクロロエチル及び2,2,2-トリクロロエチル、フルオロエチル、たとえば、1-フルオロメチル及び2-フルオロエチル、トリフルオロエチル、たとえば、1,2,2-トリフルオロエチル及び2,2,2-トリフルオロエチル、クロロプロピル、トリクロロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロプロピルを意味しうる。
「C2~6アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含有し且つ2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する分岐状又は直鎖状炭化水素鎖を含む。二重結合は、E又はZ異性体として存在しうる。二重結合は、炭化水素鎖のいずれの可能な位置にあってもよい。たとえば、「C2~6アルケニル」は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、及びヘキサジエニルでありうる。
「C2~6アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含有し且つ2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する分岐状又は直鎖状炭化水素鎖を含む。三重結合は、炭化水素鎖のいずれの可能な位置にあってもよい。たとえば、「C2~6アルキニル」は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルでありうる。
本明細書で用いられる場合、「シクロアルキル」という用語は、環炭素原子を含有する飽和単環式又は多環式(たとえば二環式)脂肪族環系を意味する。シクロアルキルという用語は、縮合及び架橋多環系の両方を含む。
「C3~6シクロアルキル」という用語は、3、4、5、又は6個の炭素原子を含有する飽和炭化水素環系を含む。たとえば、「C~Cシクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、又はビシクロ[1.1.1]ペンタンでありうる。
本明細書で用いられる場合、「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの環中に少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有するシクロアルキル基を意味する。
「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環式」、又は「ヘテロ環」という用語は、非芳香族飽和又は部分飽和の単環式又は縮合、架橋、若しくはスピロ二環式のヘテロ環式環系を含む。単環式ヘテロ環は、環中に窒素、酸素、又は硫黄から選択される1~5(好適には1、2、又は3)個のヘテロ原子を含む約3~12(好適には3~7)個の環原子を含有しうる。二環式ヘテロ環は、環中に7~17個の員原子、好適には7~12個の員原子を含有しうる。二環式ヘテロ環式環は、縮合、スピロ、又は架橋環系でありうる。ヘテロ環式基の例としては、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ジオキサニル、置換環式エーテルなどの環式エーテルが挙げられる。環位置に少なくとも1個の窒素を含むヘテロ環としては、たとえば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロトリアジニル、テトラヒドロピラゾリル、テトラヒドロピリジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。典型的な硫黄含有ヘテロ環としては、テトラヒドロチエニル、ジヒドロ-1,3-ジチオール、テトラヒドロ-2H-チオピラン、及びヘキサヒドロチエピンが挙げられる。他のヘテロ環としては、ジヒドロオキサチオリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロオキサジアゾリル、テトラヒドロジオキサゾリル、テトラヒドロオキサチアゾリル、ヘキサヒドロトリアジニル、テトラヒドロオキサジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジオキソリニル、オクタヒドロベンゾフラニル、オクタヒドロベンゾイミダゾリル、及びオクタヒドロベンゾチアゾリルが挙げられる。硫黄を含有するヘテロ環では、SO基又はSO基を含有する酸化硫黄ヘテロ環も含まれる。例としては、テトラヒドロチエニル及びチオモルホリニルのスルホキシド形及びスルホン形、たとえば、テトラヒドロチエン1,1-ジオキシド及びチオモルホリニル1,1-ジオキシドが挙げられる。1又は2個のオキソ(=O)を有するヘテロシクリル基の好適例、たとえば、2-オキソピロリジニル、2-オキソイミダゾリジニル、2-オキソピペリジニル、2,5-ジオキソピロリジニル、2,5-ジオキソイミダゾリジニル、又は2,6-ジオキソピペリジニル。特定のヘテロシクリル基は、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含有する飽和単環式3~7員ヘテロシクリル、たとえば、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル1,1-ジオキシド、チオモルホリニル、チオモルホリニル1,1-ジオキシド、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、又はホモピペラジニルである。当業者であれば分かるであろうが、ヘテロ環は、いずれかの好適な原子を介して、たとえば、炭素原子又は窒素原子を介して他の基に結合しうる。たとえば、「ピペリジノ」又は「モルホリノ」という用語は、環窒素を介して結合されているピペリジン-1-イル環又はモルホリン-4-イル環を意味する。
本明細書で用いられる場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、ヘテロシクリルのサブセットであり、たとえば3~12個の環原子を含有し少なくとも1個が環中の窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子である飽和単環式又は多環式(たとえば二環式)脂肪族環系を意味する。
「架橋環系」という用語は、2つの環が2個超の原子を共有する環系を含む。たとえば、Advanced Organic Chemistry,by Jerry March,4th Edition,Wiley Interscience,pages 131-133,1992を参照されたい。架橋ヘテロシクリル環系の例としては、アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、及びキヌクリジンが挙げられる。
「スピロ二環式環系」という用語は、2つの環系が1個の共通スピロ炭素原子を共有する環系を含む。すなわち、ヘテロ環式環は、単一の共通スピロ炭素原子を介してさらなる炭素環式環又はヘテロ環式環に結合されている。スピロ環系の例としては、3,8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6-アザスピロ[3.4]オクタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、6-オキサ-2-アザスピロ[3.4]オクタン、2,7-ジアザ-スピロ[4.4]ノナン、2-アザスピロ[3.5]ノナン、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン、及び2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナンが挙げられる。
「ヘテロシクリル-Cm~nアルキル」は、Cm~nアルキレン基に共有結合されたヘテロシクリル基を含む(両方とも本明細書に定義される)。
全体として置換基に適用されるときの「芳香族」という用語は、環内又は環系内の共役π系に4n+2個の電子を有する単環又は多環式環系を含み、ここで、共役π系に寄与する原子はすべて、同一平面内にある。
「アリール」という用語は、芳香族炭化水素環系を含む。環系は、環内の共役π系に4n+2個の電子を有し、共役π系に寄与する原子はすべて、同一平面内にある。たとえば、「アリール」は、フェニル及びナフチルでありうる。アリール系は、それ自体が他の基で置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1個以上(たとえば1~4個、とくに1、2、又は3個)のヘテロ原子が組み込まれた芳香族単環式又は二環式環を含む。環又は環系は、共役π系に4n+2個の電子を有し、共役π系に寄与する原子はすべて、同一平面内にある。
ヘテロアリール基の例は、5~12個の環員、より一般的には5~10個の環員を含有する単環式基及び二環式基である。ヘテロアリール基は、たとえば、5若しくは6員単環式環又は9若しくは10員二環式環、たとえば、縮合5及び6員環又は2つの縮合6員環から形成される二環式構造でありうる。各環は、典型的には窒素、硫黄、及び酸素から選択される約4個までのヘテロ原子を含有しうる。典型的には、ヘテロアリール環は、3個までのヘテロ原子、より一般的には2個まで、たとえば単一のヘテロ原子を含有するであろう。一実施形態では、ヘテロアリール環は、少なくとも1個の環窒素原子を含有する。ヘテロアリール環中の窒素原子は、イミダゾール若しくはピリジンの窒素の場合のように塩基性でありうるか、又はインドール若しくはピロールの窒素の場合のように本質的に非塩基性でありうる。一般的には、ヘテロアリール基に存在する塩基性窒素原子の数は、環のいずれのアミノ基置換基をも含めて5個未満であろう。
ヘテロアリールの例としては、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアゼニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、プテリジニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、フェナジニル、ベンゾイソキノリニル、ピリドピラジニル、チエノ[2,3-b]フラニル、2H-フロ[3,2-b]ピラニル、5H-ピリド[2,3-d]-o-オキサジニル、1H-ピラゾロ[4,3-d]オキサゾリル、4H-イミダゾ[4,5-d]チアゾリル、ピラジノ[2,3-d]ピリダジニル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、及びイミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジニルが挙げられる。環位置に少なくとも1個の窒素を含むヘテロアリール基の例としては、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアゼニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、シンノリニル、及びプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」はまた、部分芳香族二環式又は多環式環系もカバーし、ここで、少なくとも1つの環は芳香環であり、且つ他の環の1つ以上は、非芳香環、飽和環、又は部分飽和環であり、ただし、少なくとも1つの環は、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する。部分芳香族ヘテロアリール基の例としては、たとえば、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンズチエニル、ジヒドロベンズフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,2-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾチエニル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾフラニル、インドリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b] ピラジニル、及び3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1、4]オキサジニルが挙げられる。
5員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルの基が挙げられる。
6員ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びトリアジニルが挙げられる。
5員環に縮合された6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定例としては、限定されるものではないが、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、イソベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、プリニル(たとえば、アデニニル、グアニニル)、インダゾリル、ベンゾジオキソリル、ピロロピリジン、及びピラゾロピリジニルの基が挙げられる。
2つの縮合6員環を含有する二環式ヘテロアリール基の特定例としては、限定されるものではないが、キノリニル、イソキノリニル、クロマニル、チオクロマニル、クロメニル、イソクロメニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾジオキサニル、キノリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジアジニル、ピリドピリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルの基が挙げられる。
「ヘテロアリール-Cm~nアルキル-」は、Cm~nアルキレン基に共有結合されたヘテロアリール基を含む(両方とも本明細書に定義される)。ヘテロアラルキル基の例としては、ピリジン-3-イルメチルなどが挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「アルコキシ」という用語は-O-アルキルを意味し、ここで、アルキルは以上に定義される通りである。C~Cアルコキシは、1~6個の炭素原子を有するアルキルを含む。C~Cアルコキシの例は、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、iso-プロピルオキシ、2-メチル-1-プロピルオキシ、2-メチル-2-プロピルオキシ、2-メチル-1-ブチルオキシ、3-メチル-1-ブチルオキシ、2-メチル-3-ブチルオキシ、2,2-ジメチル-1-プロピルオキシ、2-メチル-1-ペンチルオキシ、3-メチル-1-ペンチルオキシ、4-メチル-1-ペンチルオキシ、2-メチル-2-ペンチルオキシ、3-メチル-2-ペンチルオキシ、4-メチル-2-ペンチルオキシ、2,2-ジメチル-1-ブチルオキシ、3,3-ジメチル-1-ブチルオキシ、2-エチル-1-ブチルオキシ、ブチルオキシ、iso-ブチルオキシ、t-ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、neo-ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどである。
本明細書で用いられる場合、「アルコキシ-カルボニル」という用語は、-C(O)-O-アルキルを意味する。
本明細書で用いられる場合、「アルキル-カルボニル」という用語は、-C(O)-アルキルを意味する。
本明細書で用いられる場合、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味する。
本明細書で用いられる場合、「ニトロ」という用語は、-NOを意味する。
本明細書で用いられる場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OHを意味する。
本明細書で用いられる場合、「カルボキシ」という用語は、-COOHを意味する。
本明細書で用いられる場合、「ニトリル」(ときには「シアノ」とも呼ばれる)という用語は、-CNを意味する。
本明細書で用いられる場合、「オキソ」という用語は、=Oを意味する。
「任意的に置換された」という用語は、置換された基、構造、又は分子と、置換されていないものと、のどちらかを含む。
任意選択的置換基が「1個以上」の基から選択される場合、この定義には、指定基の1つから選択される置換基又は指定基の2つ以上から選択される置換基がすべて含まれることを理解すべきである。
「本発明の化合物」という語句は、本明細書に総称的及び具体的に開示される化合物の両方を意味する。
Figure 0007437322000002
で終端する結合は、その結合が構造に示されていない他の原子に接続され分子又は化学式の残りの部分への化学部分の結合点を表すことを意味する。環式構造の内側で終端し環構造の原子で終端しない結合は、その結合が環構造中の原子のいずれかに価数が許容される範囲内で接続され得ることを意味する。
部分が置換される場合、それは、化学的に可能で且つ原子価数要件との整合性がとれる範囲内で、部分上のいずれの点でも置換されうる。部分は、1個以上の置換基、たとえば、1、2、3、又は4個の置換基により置換されうるとともに、任意的には基上に1又は2個の置換基が存在する。2個以上の置換基が存在する場合、置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
置換基は、化学的に可能な位置にのみ存在し、どの置換が化学的に可能であるか及びそうでないかは、当業者であれば過度の労力を伴うことなく(実験的又は理論的のどちらかで)決定可能である。
オルト、メタ、及びパラ置換は、当技術分野で十分に理解された用語である。疑いがないように述べると、「オルト」置換とは、以下の例のフルオロ基などの単純基であるか分子の他の部分であるかにかかわらず、
Figure 0007437322000003
で終端する結合により示されるように隣接炭素が置換基を有する置換パターンのことである。
Figure 0007437322000004
「メタ」置換とは、2個の置換基が互いに1個の炭素離れた炭素上にある、すなわち、置換炭素間に単一炭素原子を有する、置換パターンのことである。言い換えると、他の置換基の原子から離れた2番目の原子上に置換基が存在する。たとえば、以下の基はメタ置換である。
Figure 0007437322000005
「パラ」置換とは、2個の置換基が互いに2個の炭素離れた炭素上にある、すなわち、置換炭素間に2個の炭素原子を有する、置換パターンのことである。言い換えると、他の置換基の原子から離れた3番目の原子上に置換基が存在する。たとえば、以下の基はパラ置換である。
Figure 0007437322000006
「アシル」という用語は、ヒドロキシル基の除去により有機酸などから誘導される有機基、たとえば、式R-C(O)-を有する基を含み、ここで、Rは、H、C1~6アルキル、C3~8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、又はフェネチルの基から選択されうるとともに、たとえば、Rは、H又はC1~3アルキルである。一実施形態では、アシルは、アルキル-カルボニルである。アシル基の例としては、限定されるものではないが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、及びブチリルが挙げられる。特定アシル基は、アセチル(Acとしても表される)である。
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通じて、「comprise(~を含む)」及び「contain(~を含有する)」という語並びにそれらの変化形は、「including but not limited to(限定されるものではないが~を含む)」を意味し、他の部分、追加、成分、整数、又は工程を除外することを意図するものではない(除外しない)。本明細書の説明及び特許請求の範囲の全体を通じて、単数形は、文脈上とくに必要とされない限り、複数形を包含する。特定的には、不定冠詞が用いられる場合、本明細書では、文脈上とくに必要とされない限り、単数だけでなく複数も企図するものと理解すべきである。
本発明の特定の態様、実施形態、又は実施例との関連で記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分、又は基は、とくに互いに矛盾しない限り、本明細書に記載のいずれの他の態様、実施形態、又は実施例にも適用可能であるものと理解すべきである。本明細書に開示される特徴はすべて(いずれの添付の特許請求の範囲、要約、及び図面も含めて)並びに/又はそのように開示されるいずれの方法若しくはプロセスの工程もすべて、かかる特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除いて、いずれの組合せでも組み合わせうる。本発明は、いずれの以上の実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(いずれの添付の特許請求の範囲、要約、及び図面も含めて)に開示される特徴のいずれの新規な1つ若しくはいずれの新規な組合せにも又はそのように開示されるいずれの方法若しくはプロセスの工程のいずれの新規な1つ若しくはいずれの新規な組合せにも拡張される。
本出願との関連で本明細書と同時に又はそれよりも前に申請されて本明細書と共に公衆の閲覧に供されるすべての書類及び文書(かかる書類及び文書の内容はすべて、参照により本明細書に組み込まれる)に、読者は関心を払われたい。
本発明の化合物を構成する各種官能基及び置換基は、典型的には、化合物の分子量が1000を超えないように選択される。より一般的には、化合物の分子量は、750未満たとえば700未満又は650未満又は600未満又は550未満であろう。より好ましくは、分子量は、525未満たとえば500以下である。
本発明のいずれの化合物の好適な又は好ましい特徴も、いずれかの他の態様の好適な特徴でもありうる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩を企図する。これらは、化合物の酸付加塩及び塩基塩を含みうる。これらは、化合物の酸付加塩及び塩基塩でありうる。
好適な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、1,5-ナフタレンジスルホン酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
好適な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、及び亜鉛の塩が挙げられる。酸及び塩基のヘミ塩、たとえば、ヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩もまた形成されうる。好適な塩に関するレビューについては、“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、たとえば、以下の方法:
(i)本発明の化合物と所望の酸又は塩基とを反応させる方法、
(ii)本発明の化合物の好適な前駆体から酸若しくは塩基に不安定な保護基を除去するか又は所望の酸若しくは塩基を用いて好適な環式前駆体たとえばラクトン若しくはラクタムを開環する方法、或いは
(iii)適切な酸若しくは塩基との反応により又は好適なイオン交換カラムを利用して本発明の化合物のある塩を他の塩に変換する方法、
の1つ以上により調製しうる。
これらの方法は、典型的には溶液中で行われる。得られる塩は、沈殿析出させて濾過により捕集されうるか又は溶媒の蒸発により回収されうる。得られる塩のイオン化度は、完全イオン化からほぼ非イオン化の間で変動しうる。
同一の分子式を有するがそれらの原子の結合の性質若しくは順序又は空間内のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と称される。空間内のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わせることができない鏡像のものは、「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有するとき、たとえば、それが4つの異なる基に結合されているとき、エナンチオマー対が可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付け可能であり、カーン及びプレローグのR及びS順位則により記述されるか、又は分子が偏光平面を回転させる方式により、右旋性若しくは左旋性として(すなわち、それぞれ(+)若しくは(-)異性体として)表される。キラル化合物は、個別のエナンチオマー又はそれらの混合物のどちらかで存在可能である。等割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。本発明の化合物が2つ以上のステレオ中心を有する場合、(R)及び(S)立体異性体のいずれかの組合せが企図される。(R)及び(S)立体異性体の組合せは、ジアステレオマー混合物又は単一ジアステレオ異性体をもたらしうる。本発明の化合物は、単一立体異性体として存在しうるか、又は立体異性体の混合物、たとえば、ラセミ混合物及び他のエナンチオマー混合物並びにジアステレオマー混合物でありうる。混合物がエナンチオマーの混合物である場合、エナンチオマー過剰率は、以上に開示されるもののいずれかでありうる。化合物が単一立体異性体である場合、化合物は、依然として他のジアステレオ異性体又はエナンチオマーを不純物として含有しうる。そのため、単一立体異性体は、必ずしも100%のエナンチオマー過剰率(e.e.)又はジアステレオマー過剰率(d.e.)を有するとは限らず、少なくとも約85%のe.e.又はd.e.を有することもありうる。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有しうるので、かかる化合物は、個別の(R)若しくは(S)立体異性体又はそれらの混合物として生成可能である。とくに指定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲における特定化合物の記載又は命名は、個別のエナンチオマー及びそれらのラセミ混合物などの混合物の両方を含むことが意図される。立体化学の決定及び立体異性体の分離の方法は、当技術分野で周知であり(“Advanced Organic Chemistry”,4th edition J.March,John Wiley and Sons,New York,2001の第4章の考察を参照されたい)、たとえば、光学活性出発材料からの合成によるもの又はラセミ体の分割によるものがある。本発明の化合物のいくつかは、幾何異性中心(E及びZ異性体)を有しうる。本発明は、LOX阻害活性を有するすべての光学異性体、ジアステレオ異性体、及び幾何異性体並びにそれらの混合物を包含することを理解すべきである。
本明細書に記載の化合物及び塩は、同位体標識(又は「放射性標識」)されうる。したがって、1個以上の原子は、典型的には天然に見いだされる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置き換えられる。取り込まれうる放射性核種の例としては、H(ジュウテリウムに対して「D」とも記される)、H(トリチウムに対して「T」とも記される)、11C、13C、14C、15O、17O、18O、18Fなどが挙げられる。使用される放射性核種は、その放射性標識誘導体の特定用途に依存するであろう。たとえば、in vitro競合アッセイでは、H又は14Cが有用であることが多い。放射性イメージング用途では、11C又は18Fが有用であることが多い。いくつかの実施形態では、放射性核種はHである。いくつかの実施形態では、放射性核種は14Cである。いくつかの実施形態では、放射性核種は11Cである。また、いくつかの実施形態では、放射性核種は18Fである。
また、本発明のある特定の化合物は、溶媒和形さらには非溶媒和形、たとえば水和形などで存在しうることも理解すべきである。本発明は、LOX阻害活性を有するすべてのかかる溶媒和形を包含することを理解すべきである。
また、本発明のある特定の化合物は、多型を呈しうること、且つ本発明は、LOX阻害活性を有するすべてのかかる形態を包含することも理解すべきである。
本発明の化合物は、いくつかの異なる互変異性形で存在しうるとともに、本発明の化合物への言及は、すべてのかかる形態を含む。疑問を生じないように述べると、化合物がいくつかの互変異性形の1つで存在可能であり、且つただ1つの形態が具体的に記載又は示される場合、それでもなお、すべての他の形態が本発明の化合物に包含される。互変異性形の例としては、ケト形、エノール形、及びエノラート形、たとえば、次の互変異性対:ケト/エノール(以下に例示される)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、及びニトロ/アシニトロの場合が挙げられる。
Figure 0007437322000007
本発明の化合物のin vivo効果は、部分的には、本発明の化合物の投与後に人体内又は動物体内で形成される1つ以上の代謝物により発揮されうる。
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通じて、「comprise(~を含む)」及び「contain(~を含有する)」という語並びにそれらの変化形は、「including but not limited to(限定されるものではないが~を含む)」を意味し、他の部分、追加、成分、整数、又は工程を除外することを意図するものではない(除外しない)。本明細書の説明及び請求項の全体を通じて、単数形は、文脈上とくに必要とされない限り、複数形を包含する。特定的には、不定冠詞が用いられる場合、本明細書では、文脈上とくに必要とされない限り、単数だけでなく複数も企図するものと理解すべきである。
本発明の特定の態様、実施形態、又は実施例との関連で記載される特徴、整数、特性、化合物、化学部分、又は基は、とくに互いに矛盾しない限り、本明細書に記載のいずれの他の態様、実施形態、又は実施例にも適用可能であるものと理解すべきである。本明細書に開示される特徴はすべて(いずれの添付の特許請求の範囲、要約、及び図面も含めて)並びに/又はそのように開示されるいずれの方法若しくはプロセスの工程もすべて、かかる特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除いて、いずれの組合せでも組み合わせうる。本発明は、いずれの以上の実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(いずれの添付の請求項、要約、及び図面も含めて)に開示される特徴のいずれの新規な1つ若しくはいずれの新規な組合せにも又はそのように開示されるいずれの方法若しくはプロセスの工程のいずれの新規な1つ若しくはいずれの新規な組合せにも拡張される。
本出願との関連で本明細書と同時に又はそれよりも前に申請されて本明細書と共に公衆の閲覧に供されるすべての書類及び文書(かかる書類及び文書の内容はすべて、参照により本明細書に組み込まれる)に、読者は関心を払われたい。
本発明の化合物の調製に関するさらなる情報は、実施例のセクションに提供される。実施例に記載の一般的反応スキーム及び具体的方法は、本発明のさらなる態様を形成する。
以上に規定されるプロセスから得られる本発明の化合物は、当技術分野で周知の技術を用いて単離及び精製が可能である。
本発明の化合物は、単結晶形で若しくは結晶形の混合物で存在しうるか、又はアモルファスでありうる。そのため、医薬使用が意図される本発明の化合物は、結晶又はアモルファス生成物として投与されうる。それらは、たとえば、沈殿、結晶化、フリーズドライ又はスプレードライ又は蒸発乾燥などの方法により固形プラグ、粉末、又はフィルムとして得られうる。マイクロ波乾燥又は高周波乾燥は、この目的に使用可能である。
本明細書に規定されるプロセスは、とくに本発明の化合物が異なる塩形の混合物として形成される状況では、本発明の化合物を塩交換に付す工程をさらに含みうる。塩交換は、好適には、本発明の化合物を好適な固形担体又は樹脂上に固定することと、適切な酸で化合物を溶出させて本発明の化合物の単一塩を生成することと、を含む。
本発明のさらなる態様では、本明細書に規定されるプロセスのいずれか1つにより得られる本発明の化合物が提供される。
以上の反応スキーム及び本明細書の実施例に記載の中間体のいくつかは、新規である。かかる新規な中間体又はその塩とくにその薬学的に許容可能な塩は、本発明のさらなる態様を形成する。
化合物
式(I)の化合物の特定実施形態では、L、L、及びLの各々が結合であるとき、Rは水素原子ではない。そのため、式(I)の化合物の実施形態では、L-L-L-Rは水素原子ではない。いくつかの実施形態では、Rは水素原子ではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、L、L、及びLの各々が結合であるとき、Rはメチルではない。そのため、式(I)の化合物の実施形態では、L-L-L-Rはメチルではない。
式(I)で示される化合物の特定実施形態では、-L-L-L-Rは、
Figure 0007437322000008
又はその立体異性体のいずれでもない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、式(I)の化合物は、以下の化合物(i)~(xi)又はその塩及び/若しくは立体異性体のいずれでもない
(i)2-(5-エトキシ-3-ピリジニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(ii)2-[6-(エチルチオ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(iii)2-[5-(エチルチオ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(iv)2-[5-メトキシ-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(v)2-[5-エトキシ-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(vi)2-[5-プロポキシ-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(vii)2-[5-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(viii)2-[5-(フェニルメトキシ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(ix)2-[5-(1-メチルエトキシ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(x)2-メチル-5-[5-(フェニルメトキシ)-3-ピリジニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
(xi)2-[(2-クロロ-5-トリフルオロメトキシ)フェニル]オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール。
式(I)の化合物の特定実施形態では、XがNであるとき、Rはシアノではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、X、X、X、X、及びXのいずれかがNであるとき、Rはシアノではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、X又はXの1つがNであり且つX又はXの1つがCRであるとき、Rは-O-ベンジルではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、X、X、X、X、及びXのいずれかがNであるとき、Rは-O-ベンジルではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、X又はXの1つがCRであるとき、Rはクロロではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、X又はXの1つがCRであるとき、Rはハロゲン原子ではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、Lが結合であり且つLが-C(O)-であるとき、Rは、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールのいずれでもない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、Lが-C(O)-であるとき、Rは、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールのいずれでもない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、Lが-C(O)NR-、-NR-、-SONR-、-NRSONR-、-NRC(O)NR-、-C(O)NRNR-、又は-OC(O)NR-であり、且つRが窒素原子によりLに結合されているとき、Lは結合ではない。
式(I)の化合物の特定実施形態では、Rが窒素原子によりLに結合され且つLが結合であるとき、Lは、-C(O)-、-OC(O)-、-NRC(O)-、-NRSO-、-SO-、-OSO-、又は-NRNRC(O)-から選択され、特定的にはLは-C(O)-である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-a):
Figure 0007437322000009
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(I)又は(I-a)の化合物の実施形態では、X、X、及びXの1又は2つはCRである。
式(I)又は(I-a)の化合物の実施形態では、X、X、及びXの1つはCRであり、且つ残りの2個の基はCR及びNから選択される。
式(I)又は(I-a)の化合物の実施形態では、XはCRである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-b):
Figure 0007437322000010
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(I-b)の化合物の実施形態では、X、X、X、及びXの各々は、CR又はNから選択され、ただし、X、X、X、及びXの1つのみは、Nであることが可能である。
式(I-b)の化合物の実施形態では、X、X、X、及びXの各々は、CRである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-a)又は式(II-b):
Figure 0007437322000011
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-a):
Figure 0007437322000012
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-c):
Figure 0007437322000013
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(I)の化合物の実施形態では、X及びXの1つはCRであり、且つX及びXの1つはCR又はNである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-c):
Figure 0007437322000014
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(I-c)の化合物の実施形態では、X、X、X、及びXの各々は、CR又はNから選択され、ただし、X、X、X、X、及びXの1つのみは、Nであることが可能である。
式(I-c)の化合物の実施形態では、X、X、X、及びXの各々は、CRである。そのため、式(I)の化合物の実施形態では、X及びXの1つはCRであり、X及びXの1つはCRであり、且つX、X、及びXの各々はCRである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-d)~(II-g):
Figure 0007437322000015
のいずれか1つに示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-e):
Figure 0007437322000016
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(II-h):
Figure 0007437322000017
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-d)~(I-i):
Figure 0007437322000018
Figure 0007437322000019
のいずれか1つに示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、
式中、X、X、X、及びXの各々は、CRである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-a)~(III-i):
Figure 0007437322000020
Figure 0007437322000021
のいずれか1つに示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-b)、(III-d)、又は(III-e):
Figure 0007437322000022
のいずれか1つに示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
本明細書に開示される、とくに式(III-a)~(III-i)に示される化合物の実施形態では、Rは水素原子である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、又は(III-a)~(III-i)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、RはC~Cアルキルであり、R2aはC~Cアルキルであり、且つR及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される1個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成する。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、又は(III-a)~(III-i)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、又は(III-a)~(III-i)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、又は(III-a)~(III-i)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、且つLは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、又は(III-a)~(III-i)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは結合であり且つLは結合である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV-a)又は(IV-b):
Figure 0007437322000023
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV-a):
Figure 0007437322000024
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)、又は(IV-b)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは水素原子である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV-c):
Figure 0007437322000025
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、又は(IV-a)~(IV-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR-、-SONR-、-SO-、又は-C(O)NRNR-、たとえば、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(CH)-、-C(O)N(-CHCHOH)-、-SONH-、-SO-、又は-C(O)NHNHから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、又は(IV-a)~(IV-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは、結合、-C(O)-、-C(O)O-、又は-C(O)NR-から選択され、とくにLは、結合、-C(O)-、又は-C(O)NR-から選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-h)への(II-a)、(III-a)~(III-i)、又は(IV-a)~(IV-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Lは-C(O)NH-である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(V):
Figure 0007437322000026
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(V)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(V-a):
Figure 0007437322000027
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(V-b):
Figure 0007437322000028
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(V-b)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(V-c):
Figure 0007437322000029
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(V-a)又は(V-c)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NR-に結合されない。
式(V-b)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NH-に結合されない。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、又は(V-a)~(V-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-O-Y-R2a、-S-Y-R2a、-SO-Y-R2a、又は-NR2b2cから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、又は(V-a)~(V-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Yは結合である。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、又は(V-a)~(V-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-O-R2a、-S-R2a、-SO-R2a、又は-NR2b2cから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、又は(V-a)~(V-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-O-R2a又は-NR2b2cから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、又は(V-a)~(V-c)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは-O-R2aである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(VI-a)又は(VI-b):
Figure 0007437322000030
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(VI-a):
Figure 0007437322000031
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(VII-a)~(VII-f):
Figure 0007437322000032
Figure 0007437322000033
のいずれか1つに示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(VII-a)、(VII-b)、(VII-c)、(VII-d)、又は(VII-f)の化合物の実施形態では、Rは水素原子である。
式(VII-a)の化合物の実施形態では、式(VII-a-a):
Figure 0007437322000034
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
10、R11、及びR12は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから選択される。
式(VII-a)の化合物の実施形態では、式(VII-a-b):
Figure 0007437322000035
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
10及びR11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから選択される。
式(VII-a)の化合物の実施形態では、式(VII-a-c):
Figure 0007437322000036
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
10及びR11は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから選択される。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(VIII-a)又は(VIII-b):
Figure 0007437322000037
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IX-a)又は(IX-b):
Figure 0007437322000038
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
式(IX-a)又は(IX-b)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IX-c):
Figure 0007437322000039
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(IX-c)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
式(IX-a)、(IX-b)、又は(IX-c)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NR-に結合されない。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(IX-d):
Figure 0007437322000040
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(IX-d)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NH-に結合されない。
本明細書に開示される化合物、とくに式(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、及び(IX-a)~(IX-d)の化合物の実施形態では、R2aは、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル(たとえばメトキシで置換されたエチル)、非置換C~Cシクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル(たとえばピペリジニル)、又は非置換フェニルから選択される。
本明細書に開示される化合物、とくに式(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、及び(IX-a)~(IX-d)の化合物の実施形態では、R2aは、非置換C~Cアルキル、とくにメチル又はエチルである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは-O-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル(たとえばメトキシで置換されたエチル)、非置換C~Cシクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル(たとえばピペリジニル)、又は非置換フェニルから選択される。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-O-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは-S-R2aである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-S-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは-SO-R2aである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは、-SO-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
本明細書に開示される、とくに式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VIII-a)、(VIII-b)、又は(IX-a)~(IX-d)のいずれか1つに示される化合物の実施形態では、Rは-NR2b2cである。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(X-a)又は(X-b):
Figure 0007437322000041
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(X-a):
Figure 0007437322000042
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(XI-a)又は(XI-b):
Figure 0007437322000043
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(XII-a)又は(XII-b):
Figure 0007437322000044
に示される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
式(XII-a)又は(XII-b)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(XII-c):
Figure 0007437322000045
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(XII-c)の化合物の実施形態では、Rは、水素原子又はヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)であり、とくにRは、水素原子、メチル、又はヒドロキシエチルから選択される。
式(XII-a)、(XII-b)、又は(XII-c)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NR-に結合されない。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(XII-d):
Figure 0007437322000046
に示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
式(XII-d)の化合物の実施形態では、Rは、窒素原子により-C(O)NH-に結合されない。
本明細書に開示される化合物、とくに式(X-a)、(X-b)、(XI-a)、(XI-b)、及び(XII-a)~(XII-d)の化合物の実施形態では、R2b及びR2cは、各々独立して、-NRにより任意的に置換されたC~Cアルキルから選択され、ここで、R及びRは、各々独立して、非置換C~Cアルキルから選択され、とくにR2bは非置換C~Cアルキルであり、且つR2cは-N(CHにより置換されたC~Cアルキルである。
代替的に、本明細書に開示される化合物、とくに式(X-a)、(X-b)、(XI-a)、(XI-b)、及び(XII-a)~(XII-d)の化合物の実施形態では、R2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、環中にN又はSから選択される1個の追加のヘテロ原子を任意的に含む3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ又は-SOから独立して選択される1個の置換基により任意的に置換されうるとともに、R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSは、任意的に酸化されていてもよく、とくにR2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000047
を形成する。
実施形態では、式(I)の化合物は、式(XIII-a)又は式(XIII-b):
Figure 0007437322000048
に示される化合物である。
式(XIII-a)又は(XIII-b)の化合物の実施形態では、X及びXの各々は、CR又はNから選択され、ただし、X及びXの1つのみは、Nであることが可能である。
式(XIII-a)又は(XIII-b)の化合物の実施形態では、X及びXの各々はCRである。
式(XIII-a)又は(XIII-b)の化合物の特定実施形態では、X及びXの各々はCHであり、且つ各Rは水素原子である。
本発明の特定化合物としては、たとえば、式(I)、(I-a)~(I-i)、(II-a)~(II-h)、(III-a)~(III-i)、(IV-a)~(IV-c)、(V-a)~(V-c)、(VI-a)、(VI-b)、(VII-a)~(VII-f)、(VII-a-a)、(VII-a-b)、(VIII-a)、(VIII-b)、若しくは(IX-a)~(IX-d)、(X-a)、(X-b)、(XI-a)、(XI-b)、(XII-a)~(XII-c)、(XIII-a)、若しくは(XIII-b)のいずれか1つの化合物又はその薬学的に許容可能な塩が挙げられ、式中、とくに明記されていない限り、X、X、X、X、X、R、R、R2a、R2b、R2c、Y、Y、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、L、L、Lの各々は、これ以前に又はこれ以降のパラグラフ(1)~(70)のいずれか1つ以上に定義される意味のいずれかを有する。
1. Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、又はC~Cアルコキシ-カルボニルから選択され、ここで、R中のアルキル、アルケニル、アルキニル、又はアルコキシは、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)R、又はC(O)OR(式中、RはC~Cアルキルである)から選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
2. Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、又はC~Cアルキニルから選択され、ここで、R中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)R、又はC(O)OR(式中、RはC~Cアルキルである)から選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
3. Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C~Cアルキル、又はC~Cアルケニルから選択され、ここで、R中のアルキル及びアルケニルは、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)R、又はC(O)OR(式中、RはC~Cアルキルである)から選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
4. Rは、水素原子、フルオロ、シアノ、シアノ若しくはカルボキシで任意的に置換されていてもよいメチル、シアノ若しくはカルボキシで任意的に置換されていてもよいエチル、又はシアノ若しくはカルボキシで任意的に置換されていてもよいエテニルである。
5. Rは水素原子である。
6. Rは、-O-Y-R2a、-S-Y-R2a、-SO-Y-R2a、又は-NR2b2cから選択される。
4. Yは結合である。
5. Rは、-OR2a、-SR2a、-SO2a、又は-NR2b2cから選択される。
6. Rは、-OR2a又は-NR2b2cから選択される。
7. Rは-OR2aである。
8. R2aは、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル(たとえばメトキシで置換されたエチル)、非置換C~Cシクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル(たとえばピペリジニル)、又は非置換フェニルから選択される。
9. R2aは、非置換C~Cアルキル、とくにメチル又はエチルである。
10. Rは-O-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル(たとえばメトキシで置換されたエチル)、非置換C~Cシクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル(たとえばピペリジニル)、又は非置換フェニルから選択される。
11. Rは、-O-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
12. Rは-S-R2aである。
13. Rは、-S-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
14. Rは-SO-R2aである。
15. Rは、-SO-R2aであり、且つR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルである。
16. Rは-NR2b2cである。17. Rは-NR2b2cであり、且つR2b及びR2cは、各々独立して、-NRにより任意的に置換されていてもよい~Cアルキルから選択され、ここで、R及びRは、各々独立して、非置換C~Cアルキルから選択される。
18. Rは-NR2b2cであり、且つR2bは非置換C~Cアルキルであり、且つR2cは-N(CHによりアルキル置換されたC~Cである。
19. Rは-NR2b2cであり、且つR2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
環中にN又はSから選択される1個の追加のヘテロ原子を任意的に含んでいてもよい3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ又は-SOから独立して選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよく、R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSは、任意的に酸化されていてもよい。
20. Rは-NR2b2cであり、且つR2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000049
を形成する。
21. R及びRは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)、非置換C~Cアルコキシ(たとえばメトキシ)、又は非置換C~Cアルコキシカルボニル(たとえばメトキシカルボニル)から選択され、とくにR及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択される。
22. R及びRは、同一タイプの置換基である。たとえば、R及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルである。
23. R及びRの各々は水素原子である。
24. R及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、非置換3~7員シクロアルキルを形成する。
25. Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、3~12員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
中のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
26. Rは、C~Cアルキル、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
27. Rは、C~Cアルキル、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチルであり、シアノ、ヒドロキシ、又は-SOCHから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
28. Rは、C~Cアルキル、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、又はtert-ブチルであり、シアノ、ヒドロキシ、又は-SOCHから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよい
29. Rは、-CHCH、-CHCHOH、-CHCHCHCN、-C(CH、-CHCHCN、CHCH(OH)CN、-CHCHSOCH、又は-CHCHCHである。
30. Rは、C~Cアルキル、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、又はtert-ブチルであり、シアノ又はヒドロキシから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよい
31. Rは、-CHCH、-CHCHOH、-CHCHCHCN、又は-C(CHである。
32. Rは、C~Cアルケニル、たとえば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、及びヘキサジエニルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
33. Rは、C~Cアルケニル、たとえば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、及びヘキサジエニルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
34. Rは、非置換C~Cアルケニル、たとえば非置換C~Cアルケニルである。
35. Rは、C~Cアルキニル、たとえば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
36. Rは、非置換C~Cアルキニル、たとえば非置換C~Cアルケニルである。
37. Rは、C~C12シクロアルキル、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、又はトリシクロ[3.3.1.1]-デカンであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
38. Rは、非置換C~C10シクロアルキル、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、又はトリシクロ[3.3.1.1]デカンから選択される。
39. Rは、非置換C~Cシクロアルキル、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルから選択される。
40. Rはシクロヘキシルである。
41. Rは、C~C10シクロアルキル、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、又はトリシクロ[3.3.1.1]デカンであり、ヒドロキシにより置換される。
42. Rは、
Figure 0007437322000050
である。
43. Rは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含む3~12員ヘテロシクロアルキル、たとえば、ピロリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、及びピペリジニルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
44. Rは、ピロリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、又はピペリジニルから選択され、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子)、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、又は-SOCHから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよい
45. Rは、
Figure 0007437322000051
から選択される。
46. Rは、
Figure 0007437322000052
から選択され、そしてLは結合であり、Lは結合であり、且つLは-C(O)-である。
47. Rは、
Figure 0007437322000053
から選択される。
48. R5は、
Figure 0007437322000054
から選択され、そしてLは結合であり、Lは結合であり、且つLは-C(O)-である。
49. Rは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよいフェニルである。
50. Rは非置換フェニルである。
51. Rは、ハロゲン原子(たとえば、フッ素原子)、ニトロ、又はC~Cアルコキシ(たとえばメトキシ)により置換されたフェニルである。
52. Rは、ニトロにより置換されたフェニルである。
53. Rは、
Figure 0007437322000055
である。
54. Rは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロアリールであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
55. Rは、5員ヘテロアリール、たとえば、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
56. Rは、非置換5員ヘテロアリール、たとえば、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、フラザニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、イソキサゾルイル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、及びテトラゾリルである。
57. Rは、6員ヘテロアリール、たとえば、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びトリアジニルであり、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい
58. Rは、非置換6員ヘテロアリール、たとえば、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びトリアジニルである。
59. Rは非置換ピリジルである。
60. Rは、C~Cアルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよい。
61. Rは、
- 非置換C~Cアルキル、
- シアノ若しくはヒドロキシから独立して選択される1若しくは2個の置換基により置換されたC~Cアルキル、
- 非置換C~C10シクロアルキル、
- ヒドロキシにより置換されたC~C10シクロアルキル、
- 非置換3~10員ヘテロシクロアルキル、
- ヒドロキシにより置換された3~10員ヘテロシクロアルキル、
- 非置換フェニル、又は
- ニトロにより置換されたフェニル
から選択される。
62. Rは、
- 非置換メチル、非置換エチル、非置換n-プロピル、非置換iso-プロピル、非置換n-ブチル、非置換sec-ブチル、非置換tert-ブチル、
- シアノ若しくはヒドロキシにより置換されたメチル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたエチル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたn-プロピル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたiso-プロピル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたn-ブチル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたsec-ブチル、シアノ及び/若しくはヒドロキシにより置換されたtert-ブチル、
- 非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、非置換シクロペンチル、非置換シクロヘキシル、
- ヒドロキシにより置換されたシクロプロピル、ヒドロキシにより置換されたシクロブチル、ヒドロキシにより置換されたシクロペンチル、ヒドロキシにより置換されたシクロヘキシル、
Figure 0007437322000056
- 非置換フェニル、又は
- ニトロにより置換されたフェニル、
から選択される。
63. Rは、-CHCH、-CHCHOH、-CHCHCHCN、-C(CH
Figure 0007437322000057
から選択される。
64. Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である。
65. Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である。
66. Lは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、且つLは、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択される。
67. Lは結合であり、且つLは結合である。
68. Lは、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR-、-SONR-、-SO-、又は-C(O)NRNR-、たとえば、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(CH3)-、-C(O)N(-CHCHOH)-、-SONH-、-SO-、又は-C(O)NHNHから選択される。
69. Lは、結合、-C(O)-、-C(O)O-、又は-C(O)NR-から選択され、とくにLは、結合、-C(O)-、又は-C(O)NR-から選択される。
70. R及びRは、式(I-a)に示されるシス配置である。
式(I)の化合物の実施形態では、
は、水素原子であり、
は、-O-R2aであり、
2aは、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル若しくはエチル)、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル(たとえばメトキシで置換されたエチル)、非置換C~Cシクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル(たとえばピペリジニル)、又は非置換フェニルから選択され、とくにR2aは、非置換C~Cアルキル、たとえばメチル又はエチルであり、
は、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合であり、
は、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合であり、
は、結合、-C(O)-、-C(O)O-、又は-C(O)NH-から選択され、とくにLは、結合、-C(O)-、又は-C(O)NH-から選択され、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルであり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(VIII-c)若しくは(VIII-d)
Figure 0007437322000058
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2aは、非置換C~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルであり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(VIII-c’)若しくは(VIII-d’)
Figure 0007437322000059
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2aは、非置換C~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルであり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(VIII-d)
Figure 0007437322000060
とくに式(VIII-d’)
Figure 0007437322000061
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2aは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、3~6員単環式ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R2a中のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R2a中のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、且つ
- R2a中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
及びRは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、又はC~Cアルコキシ-カルボニルから選択され、
- R及びR中のアルキル若しくはアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、若しくはヒドロキシから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、又は
及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3~7員シクロアルキルを形成してもよく、
- R及びRにより形成される前記シクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、若しくは-C(O)ORから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(VIII-d)
Figure 0007437322000062
とくに式(VIII-d’)
Figure 0007437322000063
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2aは、非置換C1~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルであり、且つ
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(VIII-d)
Figure 0007437322000064
とくに式(VIII-d’)
Figure 0007437322000065
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2aは、非置換C~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であるか、又はR及びRの各々はメチルであり、且つ
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよい。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(XII-c)若しくは(XII-d)
Figure 0007437322000066
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2bは、非置換C~Cアルキルであり、
2cは、-N(CHにより置換されたC~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(XII-c’)若しくは(XII-d’)
Figure 0007437322000067
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2bは、非置換C~Cアルキルであり、
2cは、-N(CHにより置換されたC~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(XII-c)若しくは(XII-d):
Figure 0007437322000068
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000069
を形成し、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
式(I)の化合物の実施形態では、化合物は、式(XII-c’)若しくは(XII-d’):
Figure 0007437322000070
又はそれらの薬学的に許容可能な塩の構造を有し、式中、
2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000071
を形成し、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、とくにR及びRの各々は水素原子であり、
は、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
中のアルキルは、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールは、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
は、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである。
ある実施形態では、式(I)の化合物は、表1若しくは表1aから選択される化合物である。
Figure 0007437322000072
Figure 0007437322000073
Figure 0007437322000074
Figure 0007437322000075
Figure 0007437322000076
Figure 0007437322000077
Figure 0007437322000078
Figure 0007437322000079
Figure 0007437322000080
Figure 0007437322000081
Figure 0007437322000082
Figure 0007437322000083
Figure 0007437322000084
本発明のある実施形態では、式(I)の化合物は、以下から選択される化合物又はこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩である。
Figure 0007437322000085
医薬組成物
他の一態様によれば、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤と、を含む医薬製剤を提供する。
好適な医薬製剤の選択及び調製の従来手順は、たとえば“Pharmaceuticals-The Science of Dosage Form Designs”,M.E.Aulton,Churchill Livingstone,1988に記載されている。
本発明の組成物は、経口使用(たとえば、錠剤、ロゼンジ剤、ハード又はソフトカプセル剤、水性又は油性サスペンジョン剤、エマルジョン剤、分散性粉末剤又は顆粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤として)、局所使用(たとえば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性若しくは油性の溶液剤若しくはサスペンジョン剤として)、吸入投与(たとえば、微細化粉末剤又は液状エアロゾル剤として)、吹送投与(たとえば、微細化粉末剤として)、或いは非経口投与(たとえば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、若しくは筋肉内投与用の無菌水性若しくは油性溶液剤として、又は直腸投与用の坐剤として)に好適な形態でありうる。
本発明の組成物は、当技術分野で周知の従来の医薬賦形剤を用いて従来手順により得られうる。そのため、経口使用が意図される組成物は、たとえば、1種以上の着色剤、甘味剤、風味剤、及び/又は保存剤を含有しうる。
病態の治療に使用するための本発明の化合物の有効量は、温血動物とくにヒトにおいて病態の症状を症状的に軽減したり又は病態の進行を遅らせたりするのに十分な量である。
単回投与製剤を製造するために1種以上の賦形剤と組み合わされる活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与経路に依存して必然的に変動するであろう。たとえば、ヒトへの経口投与が意図される製剤は、一般に、たとえば、全組成物の約5~約98重量パーセントの間で変動しうる適切且つ便利な量の賦形剤と配合された0.5mg~0.5gの活性剤(より好適には0.5~100mg、たとえば1~30mg)を含有するであろう。
本発明の化合物の治療目的又は予防目的の投与量は、医薬の周知の原理によれば、病態の性質及び重症度、動物又は患者の年齢及び性別、並びに投与経路に応じて当然ながら変動するであろう。
本発明の化合物を治療目的又は予防目的に使用する場合、それは一般に、上記範囲内の1日用量、たとえば、0.1mg/kg~100mg/kg、1mg/kg~75mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、1mg/kg~20mg/kg、又は5mg/kg~10mg/kg体重から選択される1日用量が所要により分割用量で与えられて摂取されるように投与されるであろう。一般的には、非経口経路が利用されるとき、より低用量が投与されるであろう。そのため、たとえば、静脈内又は腹腔内投与では、たとえば0.1mg/kg~30mg/kg体重の範囲内の用量が一般に使用されるであろう。同様に、吸入投与では、たとえば0.05mg/kg~25mg/kg体重の範囲内の用量が一般に使用されるであろう。好適には、本発明の化合物は、たとえば、錠剤又はカプセル製剤の形態で経口投与される。経口投与される1日用量は、たとえば、1mg~2000mg、5mg~2000mg、5mg~1500mg、10mg~750mg、又は25mg~500mgから選択される全一日用量でありうる。典型的には、ユニット製剤は、約0.5mg~0.5gの本発明の化合物を含有するであろう。
治療的使用及び用途
他の一態様によれば、本発明は、医薬として使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明のさらなる態様は、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
また、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態を治療するための医薬の製造における本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用も提供される。
また、必要とされる対象においてLOXにより媒介される疾患又は医学的病態を治療する方法も提供され、本方法は、有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む。
とくに明記されていない限り、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態の治療への言及は、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3、又はLOXL4のいずれか1つにより媒介される疾患又は医学的病態を包含することが意図される。
用途に関する以下のセクションでは、ある疾患又は病態の治療に使用するための本発明の化合物又は薬学的に許容可能な塩について言及する。特定使用のための化合物への本明細書での言及は、(i)その疾患又は病態を治療するための医薬の製造における本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用、及び(ii)対象において疾患又は病態を治療する方法であって、治療有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む方法、への言及も意図されることを理解すべきである。
LOXにより媒介される疾患又は医学的病態は、本願に列挙される疾患又は医学的病態のいずれかでありうる。
発明の背景で考察されるように、LOXファミリーの役割は、癌などの疾患で識別可能な役割を有しうる。したがって、LOXの選択的阻害は有利でありうる。一実施形態では、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3、又はLOXL4の選択的阻害に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。他の実施形態では、LOXファミリーの2つ以上のメンバーを阻害することが有利でありうる。したがって、他の一実施形態では、LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL3、又はLOXL4から選択されるLOXファミリーの2つ以上のメンバーの阻害に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
増殖疾患-LOX及び癌
本発明のさらなる態様は、増殖疾患の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。増殖疾患は、悪性又は非悪性でありうる。
発明の背景で述べたように、LOXは、原発癌及び転移において重要な役割を果たす。原発腫瘍増殖及び転移におけるLOXのこうした役割を裏付ける証拠は、以下に記載される。
LOXは、結腸直腸癌及び肺癌(Gao,Xiao et al.2010、Baker,Cox et al.2011)並びに膠芽細胞腫(Mammoto,Jiang et al.2013)の原発腫瘍成長に基本的役割を果たすという研究が示されている。PDAC KRASmut/p53wt細胞(低レベルのLOXを内因的に発現する)は、高レベルのヒトLOXを発現するように工学操作された。これらの細胞を用いたネズミアロ移植モデルでは、原発腫瘍増殖は有意に増加する(Miller,Morton et al.2015)。リシルオキシダーゼ活性は、老化安定性に直接影響を与えることにより侵攻性膵管腺癌(PDAC)のトランスジェニックマウスモデルで原発腫瘍増殖に関与する(Wiel,Augert et al.2013)。
LOXの発現は、エストロゲンレセプター陰性疾患の乳癌患者の70%超、頭頸部癌患者の80%、原発結腸直腸癌(CRC)の33%、及びCRC患者の転移組織の48%(Baker,Cox et al.2011)、並びにアルコール依存症の病歴を有する硬変HCC患者(Huang,Ho et al.2013)で上昇する。LOXはまた、肺腺癌(Wilgus,Borczuk et al.2011)、LKB1突然変異肺癌(Gao,Xiao et al.2010)、侵攻性前立腺腺癌(Stewart,Gray et al.2008)、ブドウ膜黒色腫(Abourbih,Di Cesare et al.2010)、口腔及び中咽頭扁平上皮癌(Albinger-Hegyi,Stoeckli et al.2010)、甲状腺癌(Boufraqech,Nilubol et al.2015)、明細胞腎細胞癌(Vitalba et al,2016)、骨髄増殖性新生物とりわけ骨髄線維症(Papadantonakis,Matsuura et al.2012,Tadmor,Bejar et al.2013)、及び膵癌(Sansom 2012,Miller,Morton et al.2015)で過剰発現される。
リシルオキシダーゼ様アイソフォーム及び癌
LOXL2は、細胞外コラーゲン及びエラスチンのクロスリンキングに関与するLOXファミリーの他のメンバーである(Vadasz,Kessler et al.2005)(Kim,Kim et al.2010)。保存C末端領域に加えて、LOXL2タンパク質は、細胞表面レセプター及び接着分子さらにはサイトカインレセプター様ドメインに一般に見いだされるスカベンジャーレセプターシステインリッチ領域を有する。
LOXL2発現は、Barkerらによりレビューされるように乳癌、胃癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肺癌、及び喉頭癌(Barker,Cox et al.2012)、並びに腎細胞癌(Hase,Jingushi et al.2014)(Nishikawa,Chiyomaru et al.2015)でアップレギュレートされることが見いだされている。高LOXL2発現は、扁平上皮細胞癌、喉頭癌、食道癌、及び乳癌の患者における予後不良、結腸癌及び乳癌における転移増加、さらには膵癌細胞における薬剤耐性に関連しており、Barkerらによりレビューされている(Barker,Cox et al.2012)。そのほか、LOXL2アップレギュレーションは、非浸潤性乳癌細胞の浸潤性を増加させることが示されている(Akiri,Sabo et al.2003)。さらに、LOXL2及びLOXL4は、乳房同所マウスモデルで転移ニッチ形成に必要とされる(Wong et al,2011)。LOXL2発現は、リンパ節転移、胆管癌の組織学的グレード及び予後不良に関連し、LOXL2のノックダウンは、浸潤及び転移を低減する(Xu,Li et al.2014)。HCC転移は、HCC患者の腫瘍組織及び血清で過剰発現されるLOXL2に依拠する(Wong,Tse et al.2014)。
LOXL2転写は、HIF-1によりレギュレートされ、低酸素症におけるLOXL2のアップレギュレーションは、E-カドヘリンをダウンレギュレートして腫瘍進行、浸潤、及び転移の主要工程である上皮間葉転換(EMT)をもたらす(Schietke,Warnecke et al.2010)。これは、LOXL2がネズミ扁平上皮腫及び紡錘細胞癌腫でEMT及び腫瘍進行の両方に関与することが示された他の報告と一致する(Fong,Dietzsch et al.2007)(Moreno-Bueno,Salvador et al.2011)。LOXL2発現は、CRCに明確に関連する(Offenberg,Brunner et al.2008)。LOXL2はまた、Srcキナーゼ/焦点接着キナーゼ(Src/FAK)経路活性化にも関連しており、このためLOXL2分泌が胃腫瘍細胞浸潤及び転移を誘発する主要経路であると思われる(Peng,Ran et al.2009)。
基底様乳癌や喉頭扁平上皮細胞癌などのある特定の癌では、LOXL2の核周囲発現は、腫瘍侵攻性及び予後不良のマーカーである(Moreno-Bueno,Salvador et al.2011)(Peinado,Moreno-Bueno et al.2008)。
Barry-Hamiltonらは、LOXL2抗体治療が乳癌細胞の心内注射からの骨転移を有意に低減すると報告した(Barry-Hamilton,Spangler et al.2010)。加えて、Barkerらは、LOXL2阻害が乳癌細胞の肺、肝臓、及び骨への自然転移に対してきわめて有効であるという前臨床的証拠を提供した(Barker,Chang et al.2011)。したがって、LOXL2はまた、原発癌及び転移癌を治療するための有望な治療標的となる。
発明の背景で述べたように、LOX及びLOXL2は、類似の細胞外プロセスに関与するが識別可能な役割を有するのではないかと考えられる。
LOXファミリーの他のメンバーLOXL1、LOXL3、及びLOXL3もまた、癌をはじめとする増殖性病態に関係する(発明の背景を参照されたい)。
したがって、一実施形態では、癌の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。一実施形態では、癌は非転移である。したがって、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、対象において原発腫瘍の治療に使用するためのものでありうる。
癌転移におけるLOXの役割
LOX発現の上昇は、転移及び患者生存減少にも関連する(Baker,Cox et al.2011、Wilgus,Borczuk et al.2011)。LOX発現の増加は、エストロゲンレセプター(ER)陰性腫瘍を有する乳癌患者(Erler,Bennewith et al.2006)、頭頸部癌患者(Albinger-Hegyi,Stoeckli et al.2010、Toustrup,Sorensen et al.2011)、胃癌(Kasashima,Yashiro et al.2015)、肝細胞癌(Zhu,Huang et al.2015)、非小細胞肺癌(Liu,Ping et al.2014)、星状細胞腫(da Silva,Uno et al.2015)、及び喉頭癌(Se,2017))における疾患グレード、遠隔転移増加、及び全生存率低下に関連する。LOX発現は、膵癌における生存不良の決定因子である(Miller,Morton et al.2015)。LOXの阻害は、同所的成長ヒト乳癌を有するマウスにおいて転移を排除し(Erler,Bennewith et al.2006)、ヒト結腸直腸癌モデルにおいて腫瘍血管新生を阻害する(Baker,Bird et al.2013)。
LOXに対して生成されその酵素活性を抑制することが示されたポリクローナル抗体は、転移ヒト乳癌の同所モデルにおいてレシピエントマウスの肺及び肝臓への腫瘍細胞の転移の広がりをブロックすることが可能であった(Erler et al,2006)。shRNAを用いたLOX発現の抑制は、乳癌細胞の転移の広がりをブロックし、且つLOXの非選択的低分子阻害剤BAPNは、マウスにおいてこの細胞の転移腫瘍増殖をブロックすることが可能である(Erler et al,2006)。さらに、遺伝子的(shRNA)、抗体(Ab)、又は不可逆非選択的低分子阻害剤BAPNによる腫瘍分泌LOXの阻害は、同所ヒト乳房腫瘍又は循環ヒト乳癌細胞(Bondareva,Downey et al.2009、Erler,Bennewith et al.2009、Levental,Yu et al.2009)、CRC(Baker,Cox et al.2011)、HCC(Huang,Ho et al.2013)、LKB1突然変異肺腺癌(Gao,Xiao et al.2010)、組織非形成性甲状腺癌(Boufraqech,Nilubol et al.2015)、及びマウスのPDAC(Sansom 2012、Miller,Morton et al.2015)の浸潤及び転移を有意に低減した。原発乳房腫瘍におけるLOXの高発現は、溶骨性病変形成をもたらし、LOX活性のサイレンシング又は阻害は、腫瘍主導骨転移を抑止する(Cox,Rumney et al.2015)。BAPN及び新阻害剤CCT365623によるLOX阻害は、肺に転移する自然乳癌のマウスモデルにおいて転移肺腫瘍負荷を有意に低減する(Tang et al,2017)。
LOXファミリーメンバー(とりわけLOX及びLOXL2)は、癌細胞の転移の広がりにクリティカルな役割を果たす(Erler,Bennewith et al.2006、Bondareva,Downey et al.2009、Erler,Bennewith et al.2009、Levental,Yu et al.2009、Gao,Xiao et al.2010)。低酸素症(固形腫瘍のサイズが約1cmを超えたときに不適正な血液供給に起因して発生する病態)に反応して、癌細胞は、LOXを生成し循環系に分泌する(Erler,Bennewith et al.2009)。
LOXは、in vitroで癌細胞の浸潤をレギュレートする。そのため、高レベルのLOXを発現する癌細胞は、3DコラーゲンI及びMatrigelマトリックスを浸潤する能力の増加を示す(Kirschmann,Seftor et al.2002)(Erler,Bennewith et al.2006)。さらに、LOXの実験的過剰発現は、癌細胞の浸潤を増強するが、RNA干渉(RNAi、低分子ヘアピンRNA[shRNA]又は低分子干渉RNA[siRNA]の両方)又はアンチセンス技術)を用いたLOXの遺伝子的ノックダウンは、癌細胞のin vitro浸潤活性を阻害する(Kirschmann,Seftor et al.2002)(Erler,Bennewith et al.2006)。同様に、LOXの非選択的低分子阻害剤βアミノプロピオニトリル(BAPN)もまた、いくつかのヒト癌細胞系のin vitro浸潤活性をブロックする(Kirschmann,Seftor et al.2002)(Erler,Bennewith et al.2006)。LOXは、BAPNにより阻害可能なEMTにより媒介される頸癌細胞において低酸素誘導浸潤及び遊走を増強する(Yang,Li et al.2013)。これらの研究は、癌細胞における浸潤挙動にLOXを関係付ける。
LOXのクリティカルな機能の1つは、転移の将来部位でニッチをプレコンディショニングするように遠隔作用することであると思われる。腫瘍細胞転移は、骨髄由来樹状細胞(BMDC)の浸潤を用いて行き先器官で形成されるこうした「前転移ニッチ」により促進される。この「ネスト構築」活性は、LOXが標的器官のディスクリート部位に沈着したときに開始される(Erler,Bennewith et al.2009)。骨髄由来細胞動員がニッチコンディショニング及び癌の転移の広がりの本質的過程であることが、研究により示されている(Kaplan et al,2005)。この機序は、癌細胞が最初に原発腫瘍から移行するときの癌細胞の浸潤活性及び転移の最初期段階に対するLOXの重要性を裏付ける。BMDC及びLOXは、ヒト転移組織に共局在化し、LOXの阻害は、乳癌転移のモデルにおいてBMDC動員及び転移を予防可能であることが示されている(Erler,Bennewith et al.2009)。
転移の初期段階における役割に加えて、転移疾患の発症後でさえもLOXの阻害がこうした病変の退縮を引き起こすので、新たな転移部位に到達した後の癌細胞の成長維持にLOXが必要であることを示す証拠が存在する(Erler,Bennewith et al.2006)(Erler,Bennewith et al.2009)(Bondareva,Downey et al 2009)LOXの枯渇は、プラスチック上での腫瘍細胞増殖に影響を及ぼさないが、組換え基底膜(Matrigel)マトリックス中での成長を抑制することが示された(Erler,Bennewith et al.2006)。さらに、shRNAによりLOXを阻害したとき、癌細胞は、肺に効率的にコロニーを形成せず(Erler et al,2006)、LOX中和抗体でマウスを治療したとき、転移肺腫瘍が退縮するであることが見いだされた(Erler,Bennewith et al.2006)。注目すべきこととして、LOXを発現する細胞からの馴化培地を細胞に共注入したとき、肺でのヒト乳癌細胞のコロニー形成が増強されたが、BAPN又はLOX抗体の存在下でマウスを馴化培地で処置したとき、これはブロックされた(Erler,Bennewith et al.2009)。これらの所見から、転移成長の維持に腫瘍分泌LOXが必要であることが実証される。
LOXは、インテグリンシグナリングの下流の焦点接着キナーゼ(FAK)のリン酸化に不可欠である(Erler,Bennewith et al.2006)。FAKは、いくつかシグナリング分子と相互作用するチロシンキナーゼであり、細胞生存に重要である(van Nimwegen and van de Water 2007)。LOX媒介コラーゲンクロスリンクは、CRCのin vitro及びin vivoモデルにおいて、組織の硬直及びFAK/SRCシグナリングの活性化の増加をもたらす。高レベルの酵素活性LOXを発現する細胞は、増加した増殖、浸潤、及び転移の能力を有する。そのため、LOXは、いくつかのレベルで転移腫瘍成長において細胞依存性及び細胞自律性の両方の役割を有し、おそらく原発部位から離れる移行を増強することにより、局所浸潤する癌細胞の能力を増強し、BMDC及び次いで腫瘍細胞の到達に備えて将来転移部位をコンディショニングし、ニッチのコロニーを形成した後に癌細胞の生存/増殖を支持する。
腫瘍手術に対する宿主反応は、LOXにより媒介される機序でさらなる肺転移を促進する可能性がある。LOX活性をブロックすると手術後の肺転移のリスクが低減される(Chen,2017)。
したがって、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、対象において転移癌の治療に使用するためのものでありうる。
本発明の他の一実施形態では、提供される本発明の化合物又は薬学的に許容可能な塩は、腫瘍細胞の運動能の阻害剤として使用するためのものでありうる。他の一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、転移腫瘍成長の阻害をもたらす哺乳動物癌細胞の広がり及び浸潤性の阻害剤として使用するためのものでありうる。特定的には、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、固形腫瘍疾患の封じ込め及び/又は治療に使用するための抗浸潤剤として使用するためのものでありうる。他の一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、癌転移の予防又は阻害に使用するためのものでありうる。
LOXファミリー、線維芽細胞、及び間質
癌関連線維芽細胞は、各種成長因子及びサイトカインを介して癌細胞動員線維芽細胞により動員され、癌の成長、生存、局所浸潤、及び転移を促進する筋線維芽細胞マイクロ環境を形成する(Karagiannis,Poutahidis et al.2012)。癌における筋線維芽細胞の持続的存在は、線維形成(癌特異的タイプの線維化)に寄与する。線維形成及び線維化増加は、乳癌、膵癌、結腸直腸癌、胃癌、肝細胞癌などのいくつかの癌の進行に関連している(Barker,Cox et al.2012)。線維形成はまた、間質リッチ腫瘍における免疫療法に対する耐性の内因性機序である(Zhao and Subramanian,2017)。LOX及びLOXファミリーメンバーは、細胞外マトリックスリモデリング及び線維形成に本質的な役割を果たす(Levental,2009、Xiao,2012)。癌細胞又は活性化線維芽細胞のどちらかにより分泌されるリシルオキシダーゼファミリーメンバーの発現は、結腸直腸癌、膵癌、乳癌、喉頭癌、子宮内膜癌、精巣癌、肝細胞癌、腎癌(Barkerらによりレビューされている(Barker,Cox et al.2012))、胃癌(Kasashima,Yashiro et al.2014)などのいくつかの癌の腫瘍ECM、腫瘍間質、又は腫瘍関連血管系に関連して、それらの進行及び転移に関与することが見いだされている(Akiri,Sabo et al.2003、Barry-Hamilton,Spangler et al.2010、Barker,Bird et al.2013)(Pickup,Laklai et al.2013)。LOXL4の発現は、角化嚢胞歯原性腫瘍(KCOT)実質組織及び原発KCOT間質線維芽細胞において増強される(Jiang,Sima et al.2014)。
一実施形態では、線維形成の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本明細書で考察されるように、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、癌の治療に使用するためのものでありうる。癌は、非転移性であっても転移性であってもよく、固形腫瘍であっても血液学的(「液状」)癌であってもよく、たとえば、以下から選択される。
(1)癌腫、たとえば、重層扁平上皮に由来する腫瘍(扁平上皮細胞癌)及び器官又は腺に生じる腫瘍(腺癌)など。例としては、次のものが挙げられる。乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、食道癌(限定されるものではないが、食道腺癌及び扁平上皮細胞癌を含む)、基底様乳癌、基底細胞癌(皮膚癌の形態)、扁平上皮細胞癌(各種組織)、頭頸部癌(限定されるものではないが、扁平上皮細胞癌を含む)、胃癌(限定されるものではないが、胃腺癌、胃腸間質腫瘍を含む)、印環細胞癌腫、膀胱癌(移行上皮癌(膀胱の悪性新生物)を含む)、気管支原性癌、結腸直腸癌(限定されるものではないが、結腸癌及び直腸癌を含む)、肛門癌、胃癌、肺癌(限定されるものではないが、肺の小細胞癌(SCLC)及び非小細胞癌(NSCLC)、肺腺癌、扁平上皮細胞癌、大細胞癌、細気管支肺胞癌、及び中皮腫を含む)、神経内分泌腫瘍(限定されるものではないが、胃腸管、乳房、及び他の器官のカルチノイドを含む)、副腎皮質癌、甲状腺癌、膵癌(限定されるものではないが、膵管腺癌、膵腺癌、腺房細胞癌、浸潤性癌を伴う管内乳頭粘液性新生物、浸潤性癌を伴う粘液性嚢胞新生物、島細胞癌及び神経内分泌腫瘍を含む)、乳癌(限定されるものではないが、腺管癌、小葉癌、炎症性乳癌、明細胞癌、粘液癌を含む)、卵巣癌(限定されるものではないが、漿液性腫瘍、子宮内膜腫瘍及びムチン性嚢胞腺癌、性索間質腫瘍をはじめとする卵巣上皮癌又は表面上皮間質性腫瘍を含む)、肝癌及び胆管癌(限定されるものではないが、肝細胞癌、胆管癌、及び血管腫を含む)、前立腺癌、腺癌、脳腫瘍(限定されるものではないが、神経膠腫、膠芽細胞腫、及び髄芽腫を含む)、胚細胞腫瘍、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、腎癌(限定されるものではないが、腎細胞癌、明細胞癌、及びウィルムス腫瘍を含む)、髄様癌、腺管上皮内癌又は胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、頸癌、子宮癌(限定されるものではないが、子宮内膜腺癌、子宮の乳頭状漿液性癌、子宮の明細胞癌、子宮肉腫、及び平滑筋肉腫、混合ミュラー腫瘍を含む)、精巣癌、骨形成癌腫、上皮癌、肉腫様癌、鼻咽頭癌、喉頭癌、口腔及び中咽頭扁平上皮癌。
(2)肉腫、たとえば、骨肉腫及び骨原性肉腫(骨)、軟骨肉腫(軟骨)、平滑筋肉腫(平滑筋)、横紋筋肉腫(骨格筋)、中皮肉腫及び中皮腫(体腔の膜性ライニング)、線維肉腫(繊維状組織)、血管肉腫及び血管内皮腫(血管)、脂肪肉腫(脂肪組織)、神経膠腫及び星状細胞腫(脳に見いだされる神経原性結合組織)、粘液肉腫(原始胚性結合組織)、脊索腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、ユーイング肉腫、間葉性及び混合中胚葉性腫瘍(混合性結合組織タイプ)及び他の軟組織肉腫。
(3)骨髄腫及び多発性骨髄腫。
(4)造血系腫瘍、たとえば、骨髄性及び顆粒球性白血病(ミエロイド性及び顆粒球性白血球系列の悪性病変)、リンパ性、リンパ球性、及びリンパ芽球性白血病(リンフォイド性及びリンパ球性血液細胞系列の悪性病変)、真性赤血球増加症及び赤血症(各種血液細胞産物の悪性病変、ただし、赤血球が優位)、骨髄線維症。
(5)リンパ腫、たとえば、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫。
(6)神経系の固形腫瘍、たとえば、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、及びシュワン腫。
(7)黒色腫、ブドウ膜黒色腫、及び網膜芽細胞腫。並びに
(8)混合型、たとえば、腺扁平上皮癌、混合中胚葉性腫瘍、癌肉腫、奇形癌腫など。
特定実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、膵癌、結腸直腸癌、乳癌、及び肺癌から選択される癌の治療に使用するためのものでありうる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の本発明は、良性増殖疾患の治療に使用するためのものでありうる。良性疾患は、良性腫瘍、たとえば、血管腫、肝細胞腺腫、海綿状血管腫、限局性結節性過形成、聴神経腫、神経線維腫、胆管腺腫、胆管嚢胞腺腫、繊維腫、脂肪腫、平滑筋腫、中皮腫、奇形腫、粘液腫、結節性再生性過形成、トラコーマ、化膿性肉芽腫、黒子、子宮類線維腫、甲状腺腺腫、副腎皮質腺腫、又は下垂体腺腫でありうる。良性病態は、子宮内膜症又は角化嚢胞歯原性腫瘍でありうる。
線維性疾患
発明の背景で考察されるように、LOX及びLOXLは、線維性疾患に関係する。したがって、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、線維性障害の治療に使用するためのものでありうる。線維性障害は、過剰の線維化、たとえば、組織内又は器官内の過剰線維結合組織、たとえば、修復又は反応プロセスによりトリガーされるもの、たとえば、傷害に反応するもの(たとえば、瘢痕化、治癒)又は単一細胞系(たとえば線維腫)から生じる過剰線維性組織により特徴付けられる障害でありうる。
LOXは、腎線維症の病理発生及び症状の軽減を伴うその阻害に関係するとされている(Di Donato,Ghiggeri et al.1997、Haase 2009、Chen,Lin et al.2015)。高尿酸血症は、高血圧症、腎内血管疾患、及び腎傷害をもたらし、腎臓におけるリシルオキシダーゼ(LOX)及びフィブロネクチンの発現の増加を伴う(Yang,Wang et al.2010)。LOX活性の増加は、おそらく局所線維化の増加に起因して腎臓移植後の遅延移植不全に関連する(Zhi,2017)。
疾患の病理及び症状の低減におけるLOX又はLOXL2の類似した関与は、肺線維症で実証されている(Barry-Hamilton,Spangler et al.2010)(Haase 2009、Cox,Bird et al.2013、Chien,Richards et al.2014)。
LOX及びLOXL2は、肝線維症(Kagan 1994、Marshall and Smith 2011)(Ricard-Blum,Bresson-Hadni et al.1996)(Smith and Van Vlasselaer 2011)(Georges,Hui et al.2007)、肝硬変(肝線維症の最終ステージ)(Kagan 1994)、及びウィルソン病や原発性胆汁性肝硬変などの関連疾患(Vadasz,Kessler et al.2005)に関与する。LOXファミリー阻害剤(たとえば、シムツズマブ、ヒト化LOXL2抗体)の治療適応症には、いくつかの線維性病態、すなわち、骨髄線維化(原発骨髄線維化、真性赤血球増加症後又は本態性血小板血症後の骨髄線維化)、特発性肺線維化(IPF)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する肝線維化、HIV及び/又はC型肝炎感染性又は原発性硬化性胆管炎(PSC)、及びNASHに起因する代償性肝硬変が含まれていた。リシルオキシダーゼのレベルは、強皮症及び全身性硬化症の患者において増加する(Chanoki,Ishii et al.1995)(Rimar,Rosner et al.2014)。
LOX阻害剤は、ヒトデュピュイトラン、ケロイド及び瘢痕線維芽細胞においてコラーゲンのリモデリング及びコラーゲン構造の再確立を支援する(Priyanka,2016)。
線維性障害は、以上の3つのパラグラフで考察したもののいずれかでありうる。一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、以下から選択される線維性障害の治療に使用するためのものでありうる。
(i)肺に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、嚢胞性線維化に続いて起こる肺線維化、特発性肺線維化、炭鉱労働者の進行性塊状線維化、特発性線維化肺胞炎、慢性線維化間質性肺炎、間質性肺疾患(ILD)、瀰漫性実質肺疾患(DPLD)、肺気腫、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、若しくは慢性喘息、又は
(ii)肝臓に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、硬変、及び関連病態、たとえば、慢性ウイルス性B型又はC型肝炎、ウィルソン病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性脂肪肝炎(ASH)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、胆汁性肝硬変、若しくは自己免疫性肝炎、又は
(iii)腎臓に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、糖尿病性腎症、膀胱尿管逆流、尿細管間質性腎線維化、糸球体腎炎、たとえば、巣状分節状糸球体硬化、膜性糸球体腎炎、若しくはメサンギウム毛細管性糸球体腎炎、
(iv)心臓若しくは血管系に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、心内膜心筋線維化、陳旧性心筋梗塞、心房線維化、鬱血性心不全、心筋症、高血圧性心疾患(HHD)、高血圧(たとえば肺高血圧)、及び高血圧に伴う線維化、アテローム硬化症、再狭窄(たとえば、冠動脈、頸動脈、及び脳の病変)、及び心虚血イベントに伴う心疾患、又は
(v)縦隔に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、縦隔線維化、又は
(vi)骨に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、骨髄線維化、たとえば、原発骨髄線維化、真性赤血球増加症後若しくは本態性血小板血症後の骨髄線維化、又は
(vii)後腹膜に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、後腹膜線維化皮膚、又は
(viii)皮膚に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、腎原性全身性線維化、ケロイド形成、瘢痕化、全身性硬化、若しくは強皮症、又は
(ix)GI管に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、線維性腸障害、炎症性腸疾患、潰瘍性結腸炎、若しくはクローン病、又は
(x)結合組織に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、関節線維化、若しくは関節包炎、又は
(xi)眼に影響を及ぼす線維性病態、たとえば、手術後又は偽落屑症候群緑内障後の眼線維化。
LOXファミリー、血管形成、及び血管系透過性
血管形成、すなわち新血管の形成は、腫瘍成長及び進行に不可欠である。
LOX及びLOXL2は、結腸直腸癌(Baker,Bird et al.2013)、卵巣癌、肺癌(Zaffryar-Eilot,Marshall et al.2013)、黒色腫(Osawa,Ohga et al.2013)、膠芽細胞腫(Mammoto,Jiang et al.2013)などのいくつかの腫瘍モデルにおいて血管形成を促進するキープレーヤーである。LOXは、腫瘍内皮細胞で過剰発現される(Osawa,Ohga et al.2013)。LOX腫瘍発現の増加は、VEGF発現の増加に関連する(Mammoto,Jiang et al.2013)、(Baker,Bird et al.2013)。
そのほか、LOXL2阻害は、卵巣異種移植及び肺アロ移植マウスモデルにおいて血管系の正常化及び腫瘍灌流の増加をもたらした(Zaffryar-Eilot,Marshall et al.2013)。
過剰血管形成は、以上で考察される癌のほか、いくつかの疾患に関与する。LOXは、内皮障壁の硬直をモジュレートすることにより血管透過性を媒介する。肺浮腫や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などの疾患又はエンドトキシン誘発肺傷害に存在するような異常血管透過性は、LOX阻害により正常化させることが可能である(Mammoto,Mammoto et al.2013)(Ingber and Mammoto 2014)。
したがって、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、抗血管新生剤として使用するためのものでありうる。本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、血管正常化に使用するためのものでありうる。
一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、治療に使用するために肺塞栓症、肺気腫、胸水、肺水腫、脳腫脹、複数の滲出液、心嚢液、及び腹水の治療に使用するためのものでありうる。
一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、虚血、虚血性脳卒中、虚血性心疾患、脳梗塞、末梢血管疾患、象皮症、リンパ管閉塞の治療に使用するためのものでありうる。
一実施形態では、治療は、加齢性黄斑変性(AMD)、糖尿病性網膜症、及び未熟児網膜症の治療である。
炎症性障害
増悪炎症及び肺障壁機能不全は、罹患率及び死亡率が危険なほど高い病態である急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のホールマークである。LOX活性の増加は、細菌リポ多糖(LPS)誘発炎症に関連している。LOX抑制によるLPS誘発ECMクロスリンク及び硬直化の阻害は、EC炎症性活性化及び肺機能不全を低減した。そのため、ARDSを治療するためのLOX阻害剤は、有用でありうる(Mambetsariev,Tian et al.2014)。LOX及びLOXL1の低減及びコラーゲンクロスリンキングの低減は、高血圧のアンギオテンシンII誘発モデルにおいて炎症の減少に関連している(Gonzalez,Rhaleb et al.2014)。
ある実施形態では、提供される本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、炎症性病態の治療に有用でありうる。炎症性病態は、本明細書に記載のもののいずれかでありうる。たとえば、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、急性炎症(たとえば、急性感染により媒介される)の治療に使用するためのものでありうる。
ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、慢性炎症性疾患、たとえば、炎症性腸疾患(たとえば、クローン病及び潰瘍性結腸炎)、乾癬、サルコイドーシス、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、痛風性関節炎及び脊椎炎から選択される疾患の治療に使用するためのものでありうる。
ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、痛風性関節炎、若しくは脊椎炎、糖尿病、又は痛風の治療に使用するためのものでありうる。
ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、乾癬、湿疹、サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、喘息、急性呼吸窮迫症候群、急性肺傷害(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、エンドトキシン誘発肺傷害、肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、及び全身性悪液質の治療に使用するためのものでありうる。
ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、痛風性関節炎、若しくは脊椎炎、糖尿病、又は痛風の治療に使用するためのものでありうる。
ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、エンドトキシン血症、毒素性ショック症候群、炎症性腸疾患、アテローム硬化症、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性結腸炎、骨吸収性疾患、骨粗鬆症、糖尿病、再灌流傷害、移植片対宿主反応、アロ移植拒絶、敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、グラム陰性菌敗血症、糸球体腎炎、再狭窄、血管炎、又は血栓症の治療に使用するためのものでありうる。
他の一実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、多発性筋炎、全身性狼瘡、又は間質性腎炎の治療に使用するためのものでありうる。
心血管疾患
マウスモデルにおいてBAPN治療を用いてLOXによるコラーゲンクロスリンキングを中断すると心筋線維化が低減されるので、コラーゲンレギュレーションひいては加齢性心筋線維化の潜在的治療標的化に有用である(Rosin,Sopel et al.2015)。LOXの発現の増加は、心筋線維化及び心機能不全に関連する(Zibadi,Vazquez et al.2010)(Gao,Xiao et al.2010)(Lopez,Gonzalez et al.2010)。心房細動を有する患者の左心房心筋は、より高レベルのリシルオキシダーゼ及びフィブロネクチン発現さらにはコラーゲンクロスリンキングを発現する。フィブロネクチンのアップレギュレーションは、心線維芽細胞においてLOXにより媒介される(Adam,Theobald et al.2011)。LOX阻害剤は、線維性心房リモデリングの予防に有用でありうる。ブロッキング抗体を用いることによるLOXの阻害は、マウスモデルにおいて心線維化及び梗塞拡大を低減した(Gonzalez-Santamaria,2016)。
リシルオキシダーゼは、実験的肺高血圧において原因的役割を果たし、BAPNによる阻害は、症状を低減する(Nave,Mizikova et al.2014)。LOXは、高血圧起源の高血圧性心疾患(HHD)及び心不全(HF)の患者においてクロスリンクコラーゲンひいては不溶性コラーゲンの形成並びに後続の左室硬直及び収縮期機能不全を促進する(Lopez,Gonzalez et al.2013)(Lopez,Querejeta et al.2012)。LOXL1の役割は、心肥大で示唆されており、BAPN投与は、アンギオテンシンII誘発心肥大をin vivoで阻害する(Ohmura,Yasukawa et al.2012)。LOXノックダウンは、高脂肪食誘発肥満において心血管線維化を減衰する(Martinez-Martinez,2016)。
リシルオキシダーゼ阻害は、再発再狭窄を減少又は予防するための治療方法として提案されている(Nuthakki,Fleser et al.2004)(Brasselet,Durand et al.2005)。LOX活性の増加は、アテローム硬化症で観測されている(Kagan,Raghavan et al.1981)。LOXは、血栓の増加に関連する他の病理、たとえば、骨髄増殖性新生物、慢性腎疾患、及び動脈狭窄において過剰発現され、血小板凝集を増強する(Shinobu et al,2016)。
したがって、ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、心血管疾患、たとえば、このセクションに挙げられた疾患のいずれか1つの治療、たとえば、アテローム硬化、心筋線維化の治療、線維性心房リモデリング、陳旧性心筋梗塞、鬱血性心不全、心筋症、高血圧性心疾患(HHD)、高血圧(たとえば肺高血圧)、高血圧に伴う線維化、再狭窄(たとえば、冠動脈、頸動脈及び脳の病変)、及び心虚血イベントに伴う心疾患の予防に使用するためのものでありうる。
神経学的病態
発明の背景で考察されるように、LOXは、アルツハイマー病及び他の神経学的病態を含めて神経学的病態に関連する。したがって、一実施形態では、提供される本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、LOX又はLOXLにより媒介される神経学的病態の治療に使用するためのものでありうる。神経学的病態は、アルツハイマー病(AD)及びオランダ型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)又は非アルツハイマー型認知症でありうる。
LOXは、脳傷害(Gilad,Kagan et al.2001)及び脊髄傷害の部位で増加し、その阻害は、片側脊髄ダイセクションモデルで機能回復の促進をもたらす(Gilad and Gilad 2001)。したがって、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、神経損傷の治療、たとえば、脊髄傷害後の神経再成長及び/又は回復の促進に使用するためのものでありうる。
肺疾患
LOXL2及びLOXL3は、両方ともPAP組織では発現されるが正常肺組織では発現されないので、おそらく原発肺胞蛋白症(PAP)の一因であろう(Neufeld and Brekhman 2009)。過剰リシルオキシダーゼ活性は、気管支肺異形成の病理学的肺特性に関連する(Kumarasamy,Schmitt et al.2009)。本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、原発肺胞蛋白症(PAP)又は気管支肺異形成の治療に使用するためのものでありうる。
眼疾患
LOXL2レベルの増加は、緑内障手術後の不全に関連しており、LOXL2抗体による治療は、病的血管新生、炎症、及び眼線維化を低減した(Park,Kim et al.2014)(Van Bergen,Marshall et al.2013)(Stalmans,Van Bergen et al.2011)。リシルオキシダーゼタイプの酵素の発現は、線維性損傷と並行して、加齢性黄斑変性(AMD)モデルにおいてレーザー誘発脈絡膜血管新生(CNV)後に増加する。LOX又はLOXL2の阻害は、レーザー誘起CNV後の血管新生及び線維化を予防する。したがって、LOX及びLOXLの阻害剤は、血管新生により特徴付けられる病態、たとえば、加齢性黄斑変性(AMD)、糖尿病性網膜症、及び未熟児網膜症の治療に有用でありうる(Stalmans,Marshall et al.2010)。LOXL1発現は、偽落屑症候群/緑内障組織において異常線維形成の初期段階に増加する(Zenkel,Krysta et al.2011)(Schlotzer-Schrehardt,Pasutto et al.2008)。
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、LOX又はLOXLにより媒介される眼病態、たとえば、以上のパラグラフに列挙される眼病態のいずれかの治療に使用するためのものでありうる。
他の疾患
LOXは、ヒト脂肪組織で発現され且つその発現が肥満患者のサンプルで強くアップレギュレートされる主要イソ酵素である。β-アミノプロピオニトリルは、体重増加を低減し、ラットにおいて食事誘発肥満の代謝プロファイルを改善し(Miana,Galan et al.2015)、且つ局所脂肪組織炎症を低減する(Halberg,Khan et al.2009)。ある実施形態では、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、肥満の治療に使用するためのものでありうる。
LOXは、細菌感染及び後続の線維性合併症での新たな治療標的として提案されてきている。LOXは、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus Aureus)による感染でアップレギュレートされ、BAPNによる阻害は、得られる膿瘍形態及び膠原化に影響を及ぼす(Beerlage,Greb et al.2013)。LOXはまた、いくつかの寄生虫性疾患に関係する。LOX及びLOXLは、住血吸虫症において肝肉芽腫発生の初期段階でアップレギュレートされ(Decitre,Gleyzal et al.1998)、BAPN阻害は、肉芽腫のサイズを低減し、PZQ単独と比較して抗寄生生物剤PZQとの組合せで卵負荷を軽減する(Giboda,Zenka et al.1992)。
一実施形態では、化合物は、細菌感染、たとえば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus Aureus)による感染の治療に使用するためのものである。本発明の化合物は、感染関連線維化の治療又は予防、たとえば、感染に伴う膿瘍形成の予防又は阻害に使用するためのものでありうる。膿瘍の形成は、細菌の増殖に有利なマイクロ環境を提供可能である。膿瘍形成の阻害は、膿瘍により提供される遮蔽効果を低減又は排除するであろうから、感染部位において抗生物質への細菌の暴露の増強を提供しうるという点で有益でありうる。そのため、抗生物質剤と共に本発明の化合物を含む組合せ治療は、抗細菌効果の増強を提供しうる。本発明の化合物はまた、感染の根絶及び感染部位の治癒の後で組織線維化の予防又は阻害に使用するためのものでありうる。
一実施形態では、化合物は、寄生生物感染たとえば住血吸虫症の治療に使用するためのものである。
EGFR媒介病態
表皮成長因子レセプター(EGFR)、成長因子レセプターチロシンキナーゼ、及び/又はそのリガンドのレベルの上昇は、多くの癌型で観測され、腫瘍成長の促進に関与する。EGFR阻害剤は、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、胃癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、髄膜腫、中皮腫、頸癌表皮癌腫をはじめとするいくつかの癌型を対象としてきた(Biancoらによりレビューされている(Bianco,Gelardi et al.2007))。EGFRの上昇は、頭頸部癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、及び食道癌の予後不良の強力な指標として作用することが見いだされた(Nicholson,Gee et al.2001)。EGFR阻害剤はまた、転移前立腺癌(Ree,Bratland et al.2008)、ERRFI1の突然変異を伴う胆管癌などの胆道癌を治療するために提案された(Borad,Carpten et al.2014)。
EGFRのキナーゼ活性のブロッケードは、最大治療効能に達しない。LOX阻害剤は、表面EGFRのレベルを低減するので、これらの化合物は、EGFR活性化の低減に影響を及ぼす可能性があることが示唆される(Tang et al,2017)。
EGFR阻害は、いくつかの他の疾患の治療、たとえば、肥満の予防及び治療(Threadgill and Barrick 2007)、アルツハイマー病の治療(Ma 2013)、クラミジア感染症及び関連疾患の治療(Tsang and Furdui 2015)、ウイルス性疾患の治療(Jung 2010)、軸索再生の促進(He and Koprivica 2007)、過角化症、ケラチノサイト過形成、及び/又は魚鱗癬により特徴付けられる遺伝性皮膚障害の治療(Alexandrescu 2009)の標的とされてきた。
表面EGFRレベル及びEGFRシグナリングをモジュレートするLOX阻害の役割を考慮して、LOX阻害剤は、EGFR阻害の標的となりうる疾患の治療に有用でありうる。
ある実施形態では、EGFRを阻害することにより寛解される障害(たとえば疾患)の治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。EGFR媒介病態は、たとえば、このセクション又は本明細書の他の箇所に列挙されるもののいずれかでありうる。本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、EGFRを過剰発現する癌の治療に使用するためのものでありうる。EGFRを過剰発現する癌は、たとえば、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、及び食道癌、又は胆道癌たとえば胆管癌でありうる。
ある実施形態では、治療に使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供され、化合物は、肝線維化、肺線維化、腎線維化、心線維化、骨髄線維化、強皮症などの線維性疾患の治療に使用するためのものである。
一実施形態では、化合物は、ウイルスの感染、たとえば、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ピコルナウイルス、メタニューモウイルス、ハンタウイルス、麻疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペスウイルス、又はサイトメガロウイルスの感染の治療に使用するためのものである。
一実施形態では、化合物は、クラミジア感染の治療に使用するためのものである。
一実施形態では、化合物は、遺伝性皮膚障害の治療に使用するためのものであり、たとえば、角化障害は、ダリエー病、ヘイリー・ヘイリー病、紅皮性常染色体劣性葉状魚鱗癬、非紅皮性常染色体劣性葉状魚鱗癬、常染色体優性葉状魚鱗癬、水疱性先天性魚鱗様紅皮症、掌蹠角皮症、変異性紅斑角皮症、疣状表皮母斑、毛孔性紅色粃糠疹、ネザートン症候群、尋常性特発症、尋常性魚鱗癬、連珠毛、毛孔角化症、水疱性魚鱗癬様紅皮症、非水疱性先天性魚鱗癬、シェーグレン・ラルソン症候群、変異性紅斑角皮症、恒久性レンズ形過角化症、変異性模様状紅斑角皮症、フォーヴィンケル断節性角皮症、道化師様魚鱗癬及びテイ症候群の中から選択される。
LOX及びEGFR
一態様では、本発明は、EGFRの過剰発現を伴う癌の治療又は予防に使用するためのリシルオキシダーゼ阻害剤に関する。
他の一態様では、本発明は、EGFRの過剰発現を伴う癌を治療又は予防するための医薬の製造におけるリシルオキシダーゼ阻害剤の使用に関する。
好適には、すべての態様では、癌は、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、食道癌、及び胆道癌たとえば胆管癌からなる群から選択されうる。
好適には、すべての態様では、リシルオキシダーゼ阻害剤は、本発明の化合物又は本発明の医薬組成物でありうる。
好適には、本発明のすべての態様では、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MATN2の発現をダウンレギュレートしうる及び/又はSMAD2を活性化しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、HTRA1の発現をダウンレギュレートしうる。任意的に、本発明のすべての態様では、本発明のリシル阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害しうる及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しないこともありうる。
さらなる態様では、本発明は、対象において癌を治療又は予防する方法に関し、前記方法は、治療有効量の本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記対象は、EGFRの過剰発現を伴う癌を有する。
任意的に、本方法は、前記対象の生物学的サンプル中のEGFRレベルを決定することと、EGFRの存在が生物学的サンプルで過剰発現されると決定されたときに、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することと、を含みうる。
任意的に、本方法は、前記対象の生物学的サンプル中のMATN2、pSMAD2、若しくはHTRA1のレベル又はそれらの組合せを決定する工程と、
a)MATN2のレベルが参照サンプルを上回るとき、及び/又は
b)pSMAD2のレベルが参照サンプルを下回るとき、及び/又は
c)HTRA1のレベルが参照サンプルを上回るとき、
本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与する工程と、をさらに含みうる。
任意的に、前記対象は、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、食道癌、及び胆道癌たとえば胆管癌からなる群から選択される癌を有しうる。
好適には、本発明のすべての態様では、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MATN2若しくはHTRA1の発現をダウンレギュレートしうる及び/又はSMAD2を活性化する。任意的に、本発明のすべての態様では、本発明のリシル阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害しうる及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しないこともありうる。
本明細書に開示されるのは、患者集団において癌を治療するために本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の感受性率(効能率)を増加させる方法であり、前記方法は、EGFR及び/又はMATN2及び/又はHTRA1バイオマーカーを過剰発現するサブ集団を選択することを含む。任意的に、前記サブ群はpSMAD2を低発現しうる。
また、本明細書に開示されるのは、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を有する対象を同定する方法であり、
a)対象の生物学的サンプル中のEGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルを決定すること、
を含み、ここで、参照サンプルと比較して、EGFR、MATN2、HTRA1のレベルの増加又はそれらの組合せは、対象においてリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を示唆する。
また、本明細書に開示されるのは、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性を有する対象を同定する方法であり、
a)対象の生物学的サンプル中のEGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルを決定すること、
を含み、ここで、参照サンプルと比較して、EGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルの増加は、リシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性を有する対象を同定する。
任意的に、こうしたすべての方法では、本方法は、対象がリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を有すると同定されたときに、治療有効量の本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与するさらなる工程を含みうる。
さらなる態様では、本発明は、癌を有する対象に対する治療レジメンを決定する方法に関し、
a)生物学的サンプル中のEGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルを決定することと、
b)EGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルが参照サンプルと比較して上昇したときに、治療有効量の本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を含む治療レジメンを施行することと、
を含む。
バイオマーカー
本明細書に開示されるように、臨床試験は、好ましくは対象がLOX阻害療法を開始する前に、LOX阻害療法に対する反応を予測するのに有用である。かかる試験は、患者がLOX阻害療法に反応する可能性があるかないかを臨床医に通知し、患者が反応しない可能性が予測された場合、臨床医は、代替療法を開始可能である。現在の「試行錯誤」アプローチに依拠するのではなく、早期に適切な療法による治療に的を絞ることにより、これは患者に利益をもたらすであろう。したがって、かかる試験は、より良好に疾患の早期に患者に対するLOX阻害療法に的を絞ることを可能にし、この際、最大効果を達成可能となり、こうした薬剤がより高い費用効率で使用されるので、これらの薬剤の利用が増える結果となりうる。
これにより反応者及び非反応者を同定できる可能性があるので、非反応者には代替治療提供しうるとともに、非反応者でない者(したがって、中程度の又は良好な反応者でありうる)にはLOX阻害療法を提供しうる。したがって、その結果として、LOX阻害療法は、より的を絞ってより高い費用効率で使用されうる。
本明細書に開示されるバイオマーカー及び層別化の態様の目的では、「LOX阻害剤」は、LOXの発現の低減、触媒活性の低減、又は成熟の予防が可能な作用剤である。好適には、LOX阻害剤は、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。
いずれの好適なリシルオキシダーゼ源も、LOX阻害を決定するために利用しうる。酵素は、検出可能な試薬を生成可能であるか又は好適なアッセイで生物学的に活性である、好適な産物の生成を可能にする、酵母、微生物、及び哺乳動物を含めて、当技術分野で公知のいずれかの供給源から誘導、単離、又は組換え産生が可能である。一実施形態では、リシルオキシダーゼは、ヒト、ウシ、又は他の哺乳動物起源である。たとえば、Williams,et al.,Anal.Biochem.113:336(1985)、Kirschmann et al.,supra、Cancer Res.62:4478-83(2002)を参照されたい。LOXは、アクセッション番号NP00238(プレタンパク質配列)、アクセッション番号NM02317(DNA配列)から得られうる。リシルオキシダーゼの酸化を触媒するその酵素活性を依然として実質的に保持するリシルオキシダーゼの機能性断片又は誘導体もまた、使用可能である。リシルオキシダーゼ酵素は、ときには、そのプレプロタンパク質、プロタンパク質、タンパク質、又は生物学的活性断片でありうる。
リシルオキシダーゼの酵素活性は、いずれかの好適な方法により評価可能である。リシルオキシダーゼ活性を評価する模範的方法は、たとえば、Trackman et al.,Anal.Biochem.113:336-342(1981)、Kagan,et al.,Methods Enzymol.82A:637-49(1982)、Palamakumbura et al.,Anal.Biochem.300:245-51(2002)、Albini et al.,Cancer Res.47:3239-45(1987)、Kamath et al,Cancer Res.61:5933-40(2001)に記載のものが挙げられる。
リシルオキシダーゼの酵素活性は、H生成、コラーゲンピリジニウム残基アンモニウム生成、アルデヒド産物生成、リシル酸化、又はデオキシピリジノリン(Dpd)などの「リシルオキシダーゼ副産物」を検出及び/又は定量することにより評価しうる。また、in vitro細胞浸潤能力、in vitro細胞接着及び成長、並びにin vivo転移成長を検出し定量しうる。in vivoモデルとしては、限定されるものではないが、好適な同種同系モデル、ヒト腫瘍異種移植モデル、同所モデル、転移モデル、トランスジェニックモデル、及び遺伝子ノックアウトモデルが挙げられる。たとえば、Teicher,Tumors Models in Cancer Research(Humana Press 2001)を参照されたい。
化合物がリシルオキシダーゼの発現又は活性を化合物の不在下で観測されるものと比べて低減するとき、化合物は、リシルオキシダーゼの発現又は生物学的活性の阻害剤である。一実施形態では、化合物が転移の発生を化合物の不在下で観測されるものと比べて低減するとき、化合物は、リシルオキシダーゼの阻害剤であり、さらなる試験で転移腫瘍成長を抑制する。
腫瘍阻害は、いずれかの便利な測定法を用いて定量可能である。たとえば、転移の発生は、こうした部位で相対広がり(たとえば、関与する器官系の数)及び相対腫瘍負荷を調べることにより評価可能である。転移成長は、必要に応じて微視的又は巨視的解析により確認可能である。腫瘍転移は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上低減可能である。
リシルオキシダーゼ発現は、プロモーター解析を用いて評価しうる。プロモーター活性解析の便利な系は、利用可能である。典型的には、レポーター遺伝子系は、プロモーター活性がレポーター分子の発現をもたらすようにレポーター分子に装着されたリシルオキシダーゼプロモーターを用いて、プロモーター活性の検出を可能にする。たとえば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,current edition)の第9.6章を参照されたい。
また、LOXは、そのmRNAの分解により阻害されうる。こうした遺伝子レギュレーション形態へのアプローチは、Wilson et al.“Modulation of LDL receptor mRNA stability by phorbol esters in human liver cell culture models,”Lipid Res.38,437-446(1997)に記載されている。
本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤化合物は、本明細書に記載のLOX阻害療法に使用しうる。
本明細書に開示されるのは、有利な反応の指標となるバイオマーカーを用いて抗LOX阻害療法に対する反応を予測する方法である。
このセクション全体を通じて、患者及び対象という用語は、本明細書では同義的に用いられ、LOX阻害療法に対する反応を決定できる可能性のあることが望ましい個体を意味する。かかる個体は、癌を有しうるか、又は癌の素因を有しうるか、又は癌を発生すると予想されうる。
本明細書で用いられるバイオマーカーは、プロセス、イベント、又は病態の生物由来のインジケーターである。バイオマーカーは、診断方法、たとえば、臨床スクリーニング、及び予後予測アセスメント、並びに療法結果のモニタリング、特定の療法治療、薬剤スクリーニング、及び発生に最も反応する可能性のある患者の同定に使用可能である。バイオマーカーは、LOX阻害療法に対する反応者と非反応者との間で示差的発現を呈する遺伝子でありうる。バイオマーカー遺伝子の発現(転写及び任意的に翻訳)は、遺伝子(本明細書では標的分子という)の発現産物を測定することにより決定しうる。2種以上のバイオマーカーの組合せは、本明細書では、LOX阻害療法に反応する可能性に相関するパネル又は遺伝子シグネチャーということがある。
反応を予測するとは、対象において治療が奏効する可能性を決定することを意味する。予測とは、典型的には、関連治療の開始前に行われるアセスメントを意味するが、特定治療に反応する可能性の予測は、対象が代替治療を受けながら行いうるものと理解される。また、療法に対する反応を予測することは、本発明の範囲内では、LOX阻害療法に継続して反応する可能性のアセスメントを行うことを含みうる。したがって、反応の予測は、LOX阻害療法の期間にわたり反応する可能性を決定することを含みうる。
サンプルは、生検サンプルなどの組織サンプル及び体液サンプルを含む群から選択しうる。体液サンプルは血液サンプルでありうる。血液サンプルは末梢血サンプルでありうる。それは全血サンプル又はその細胞抽出物でありうる。一実施形態では、好ましくはサンプルは組織サンプルである。
標的分子のレベルとは、本明細書では、サンプル中の標的分子の量の尺度を意味する。レベルは、特定バイオマーカー(すなわち、DNA、RNA、又はタンパク質)に特異的な発現の指標となる1タイプの標的分子の尺度に基づきうる。レベルは、代替的に、特定バイオマーカー(すなわち、2種以上のDNA、RNA、及びタンパク質)に特異的な発現の指標となる2タイプ以上の標的分子の組合せの尺度に基づきうる。標的分子のレベルは、標的分子の量の直接的尺度(たとえば、濃度(mg/volサンプル)又はRPKM)として表しうる。
レベルの上昇とは、癌を有していない対象における同一標的分子のレベルと比較して、標的分子のレベル(すなわち量)の増加を意味する。レベルの上昇は、対照と比較して統計的に有意ないずれの増加も含む。癌又はEGFRの過剰発現を伴う疾患を有していない対象におけるバイオマーカーの発現の指標となる標的分子のレベルは、参照値又はベースライン値を参照しうる。
遺伝子発現を代表する標的分子のレベルの上昇は、研究下の患者サンプル中に存在する標的分子の量と、対照サンプル中の標的分子の量の指標となる参照値と、を比較することにより評価しうる。
「同一」レベルの標的分子発現又はバイオマーカー発現への本明細書での言及は、サンプルのバイオマーカー発現が参照値又はベースライン値と同一であることを意味する。「類似」レベルの標的分子発現又はバイオマーカー発現への本明細書での言及は、サンプルのバイオマーカー発現が参照値又はベースライン値と同一ではないが、それらの間の差が統計的に有意でないこと、すなわち、レベルが同程度の量を有することを意味する。
参照値又はベースライン値を決定するのに好適な対照サンプルは、EGFRの過剰発現を伴う疾患も癌も有していない個体に由来しうる。対照サンプルは、研究中の患者と一致した年齢でありうる。参照値又はベースライン値は、好適な個体から得られうるとともに、多重解析用の一般的参照値として使用されうる。
LOX阻害療法に対する有利な反応は、限定されるものではないが、治療又は予防さらには病態の確立された症状の軽減を含みうる。したがって、病状、障害、又は病態を「治療する」又は「治療」とは、(1)病状、障害、若しくは病態に罹患している可能性があるか又はその素因を有する可能性があるが病状、障害、若しくは病態の臨床症状若しくは準臨床症状をまだ経験も提示もしていないヒトにおいて発生する病状、障害、若しくは病態の臨床症状の発症を予防又は遅延すること、(2)病状、障害、若しくは病態を抑制すること、すなわち、疾患の発生若しくはその再発(維持治療の場合)又は少なくとも1つのその臨床症状若しくは準臨床症状を停止、低減、又は遅延すること、(3)疾患を軽減又は減衰すること、すなわち、病状、障害、若しくは病態、又はその臨床症状若しくは準臨床症状の少なくとも1つの退縮を引き起こすこと、を含む。そのため、LOX阻害療法に対する有利な反応は、腫瘍成長の増殖の遅延若しくは低減及び/又は転移の遅延を含む。
本明細書で用いられる標的分子は、バイオマーカータンパク質及びバイオマーカータンパク質をコードする核酸からなる群から選択されうる。核酸は、DNA又はRNAでありうる。ある実施形態では、核酸はmRNAである。標的分子への本明細書での言及は、1タイプの生物学的分子(すなわち、DNA若しくはRNA若しくはタンパク質)又はすべて同一バイオマーカーの発現の指標となる2タイプ以上のかかる生物学的分子の組合せを含みうる。
結合パートナーは、相補的核酸、アプタマー、レセプター、抗体、又は抗体フラグメントを含む群から選択されうる。特異的結合パートナーとは、標的分子でない分子への非特異的結合から識別できるように少なくとも1種のかかる標的分子に結合可能な結合パートナーを意味する。好適な識別は、たとえば、かかる結合の大きさの識別可能な差に基づきうる。
各標的分子がEGFR、MATN2、HTRA1、及びpSMAD2からなる群から選択される異なるバイオマーカーの発現の指標となる場合、1種以上の標的分子を使用しうる。各々がEGFR、MATN2、HTRA1、及びpSMAD2からなる群から選択される異なるバイオマーカーの発現の指標となる、2種以上又は3種以上の標的分子を使用しうる。
EGFRの発現の指標となる標的分子を使用しうる。
MATN2の発現の指標となる標的分子を使用しうる。
各々が異なるバイオマーカーの発現の指標となる2種以上の標的分子又は3種以上のバイオマーカーを使用しうる。たとえば、ここで、バイオマーカーは、EGFRとMATN2、MATN2とpSMAD2、又はEGFRとpSMAD2である。
そのため、本開示の方法は、LOX阻害療法に反応しない可能性のある又は反応する可能性のある対象を同定する発現シグネチャーを同定する。シグネチャーは、MATN2のアップレギュレーション、EGFRのアップレギュレーション、ホモトリマーHTRA1のアップレギュレーション、pSMAD2のダウンレギュレーション、又はそれらの組合せにより特徴付けられうる。
本発明に係るLOX阻害剤に対する感受性(効能)率を増加させる方法又はそれに反応する可能性の増加を同定する方法は、好ましくはin vitroで行われるであろうが、本発明の方法はまた、in vivoでも行いうることは分かるであろう。
標的分子のレベルは、標的分子の結合パートナーを用いて研究しうる。結合パートナーは、標的分子に特異的でありうる。標的分子に特異的な結合パートナーは、標的分子でない分子への非特異的結合から識別できるように少なくとも1種のかかる標的分子に結合可能であろう。好適な識別は、たとえば、かかる結合の大きさの識別可能な差に基づきうる。
タンパク質標的への言及は、遺伝子が発現されるときに生成される転写物の翻訳で生成される前駆体又は変異体を含みうる。したがって、タンパク質が最初の翻訳形とその成熟形との間で修飾を受ける場合、前駆体及び/又は成熟タンパク質は、好適な標的分子として使用されうる。以上のように、タンパク質標的分子を患者サンプル内に保存してその検出を促進できるようにする技術は、当業者に周知である。タンパク質標的は、患者サンプルの細胞内に見いだしうるか、又は細胞から分泌又は放出されうる。
標的分子がタンパク質である場合、対象から得られるサンプル中のタンパク質のレベルを決定するために、結合パートナーを使用しうる。好適な結合パートナーは、アプタマー、レセプター、及び抗体又は抗体フラグメントからなる群から選択しうる。サンプル中のタンパク質のレベルを決定するのに好適な方法は、当技術分野で入手可能である。たとえば、本発明の方法又はデバイスのある特定の実施形態では、結合パートナーは抗体又は抗体フラグメントであり、且つ標的分子の検出は免疫学的方法を利用する。免疫学的方法は、サンドイッチELISAなどの変法を含めて酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)でありうるとともに、放射免疫アッセイ(RIA)又は免疫学的方法は、ラテラルフローデバイスを利用しうる。他の好適な技術は、ルミネックス若しくはプロテオミックMRMなどのマルチプレックスアッセイ、又は蛍光活性化細胞選別(FACS)、化学発光を含みうる。
結合パートナーは、たとえば、フルオロフォア、色素原基質、色素原酵素などのレポーター部分を用いて標識しうる。本発明でレポーター部分を利用することが望まれる場合、レポーター部分は、たとえば、標識抗体を利用して結合パートナーに直接接続しうる。代替的に、レポーター部分は、たとえば、ビオチン/アビジン複合体によりレポーター部分に装着される抗体を間接的に利用して、結合パートナーと相互作用するレポーター分子に装着しうる。
標的分子が核酸であるとき、結合パートナーは、たとえば、マイクロアレイ又はチップに提供される相補的核酸及びアプタマーでありうる。サンプル中の核酸標的分子のレベルを決定する方法は、当技術分野で入手可能である。遺伝子発現を反映するのに好適な標的分子は、タンパク質を生成するように翻訳可能なRNA転写物を含みうる。このようなmRNAは、典型的には、患者サンプル内に見いだされるであろう。とくに、患者サンプルの白血球たとえば好中球のトランスクリプトームは、改善された感受性及び特異性を有して抗TNF療法に対する非反応者及び/又は良好な反応者を決定するためのバイオマーカーシグネチャーを提供することが見いだされており、mRNAとくにトランスクリプトームの使用は、好ましい実施形態になりうる。標的分子としてのmRNAの使用は、mRNAを検出するためのアッセイ(たとえば定量rtPCRなど)がタンパク質を検出するための方法(たとえばELISA)よりも安価である傾向があるという利点を有する。mRNAアッセイは、より容易にマルチプレックス化しうるので、高スループット解析が可能であり、核酸は、一般にそのタンパク質カウンターパートよりも大きな安定性を示し、且つ核酸を得て増幅するサンプル処理は、一般にタンパク質よりも単純である。
mRNAを採取、精製、及び所要により増幅しうる技術は、当業者周知である。バイオマーカー発現を決定するために、トランスクリプトーム解析を使用しうる。トランスクリプトーム解析などによりサンプル中のRNAのレベルを決定するのに好適な技術としては、ハイブリダイゼーション技術、たとえば、核酸ライブラリーへの結合の検出によるもの、定量PCR、及び高スループットシーケンシング、たとえば、SAGE(遺伝子発現連続解析)やRNA-seqなどのタグベースシーケンシングが挙げられうる。
以上の例に限定されるものではなく、所要の標的分子の存在又はレベルの上昇を検出しうる適切なアッセイであればいずれも、使用しうる。検出される標的分子の性質及び/又は使用される患者サンプルの性質に基づいて好適なアッセイを決定しうることは、分かるであろう。
複数のサンプルは、同時に、逐次的に、又は個別に処理しうる。たとえば、高スループット法により複数のサンプルを同時に処理しうる。
好適には、本明細書に開示される層別化法又はバイオマーカー法を実施するためのキットを提供しうる。かかるキットは、所要の標的分子の存在又はレベルの上昇の存在を検出しうる化合物、たとえば、本発明の1種以上のバイオマーカーに対する抗体を含有しうる。任意的に、キットは、使用説明書一式、少なくともキットを用いて検出されるバイオマーカーに対する参照値又はベースライン値を提供するチャート、及び試薬の1つ以上をさらに含みうる。
患者サンプル中の標的分子の量又は濃度を決定した後、この情報をLOX阻害療法に対する予測される反応のアセスメントの基礎として使用しうるとともに、ひいてはその患者に好適な治療コースを提案するために使用しうる。アセスメントは、定性的又は定量的でありうる。
バイオマーカーのレベルの上昇は、ベースライン値又は参照値のレベルと比較して、少なくとも10%、15、20、30、40 50、60、70、80、90、若しくは100%、又はそれ以上の増加を含みうる。一実施形態では、レベルの上昇は、ベースライン値又は参照値と比べて1倍以上の差、たとえば、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、15、若しくは20倍の差、又はそれらの間のいずれかの範囲でありうる。一実施形態では、より高いレベルは、ベースラインレベルと比べて1~15倍の差、たとえば、ベースラインレベルと比べて1.5~12倍の差である。さらなる実施形態では、より高いレベルは、ベースラインレベルと比べて1~7倍の差である。使用される標的分子に依存して同一バイオマーカーでも上昇レベルが異りうることは分かる。核酸及びタンパク質の標的分子をいずれかの特定バイオマーカーに使用する場合、レベルの上昇は、標的分子ごとに個別に表しうるか、又は標的分子の和又は平均として表しうる。
本方法は、バイオマーカーの上昇値又はバイオマーカーの和に基づいて定量出力を生成しうる。代替的に、本方法は、反応可能性に基づいて、定性出力、たとえば、あり/なし、上昇、非上昇、反応者/非反応者、EULAR基準に基づいて、良好、中程度、低などを提供しうる。2種以上の標的分子のレベルを決定する場合、複合スコアを決定しうる、これは、同一標的分子の参照値の複合スコアと比較しうる。
本開示の方法又はデバイスは、患者の生理学的測定を研究することを含む。
本発明によれば、癌を有する対象を治療する方法が提供され、ここで、癌が参照値と比較してEGFRの過剰発現を伴うことを事前に決定(又は事前に推定)し、本方法は、治療有効量の本発明のLOX阻害剤を対象に投与することを含む。
さらなる実施形態では、癌を有する対象を治療する方法が提供され、ここで、MATN2の発現の指標となる標的分子が参照値と比較して対象からのサンプルで増加することを事前に決定(又は事前に推定)し、本方法は、治療有効量の本発明のLOX阻害剤を対象に投与することを含む。
さらなる実施形態では、癌を有する対象を治療する方法が提供され、ここで、ホモトリマーHTRA1の発現の指標となる標的分子が参照値と比較して対象からのサンプルで増加することを事前に決定(又は事前に推定)し、本方法は、治療有効量の本発明のLOX阻害剤を対象に投与することを含む。
さらなる実施形態では、癌を有する対象を治療する方法が提供され、ここで、pSMAD2の発現の指標となる標的分子が参照値と比較して対象からのサンプルで減少することを事前に決定(又は事前に推定)し、本方法は、治療有効量の本発明のLOX阻害剤を対象に投与することを含む。
LOX阻害剤は、EGFR膜局在化を破壊し、EGFRシグナリングをブロックし、それにより、EGFRの過剰発現を伴う癌において腫瘍成長を抑制可能である。したがって、LOX阻害剤は、EGFRの過剰発現を伴う癌の治療にとくに有用であろう。
一態様では、本発明は、EGFRの過剰発現を伴う癌の治療又は予防に使用するための本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に関する。
他の一態様では、本発明は、EGFRの過剰発現を伴う癌を治療又は予防するための医薬の製造における本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、対象において癌を治療又は予防する方法に関し、前記方法は、治療有効量の本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記対象は、EGFRの過剰発現を伴う癌を有するか又はその素因を有する。
任意的に、本方法は、前記対象の生物学的サンプル中のEGFRレベルを決定することと、EGFRの存在が生物学的サンプルで過剰発現されると決定されたときに、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することと、を含みうる。
「EGFR過剰発現」とは、同一組織型の非癌性細胞と比較して癌細胞内又は癌細胞上の(好ましくは表面の)EGFR遺伝子のコピーの増加又はEGFRタンパク質の増加の存在を意味する。そのため、一実施形態では、過剰発現は、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)により決定したときにEGFR遺伝子の少なくとも2倍の増幅として、又は免疫組織化学(IHC)アッセイで抗EGFR抗体を用いて陽性染色として、定義されうる。追加的に又は代替的に、過剰発現は、細胞膜の一部を特異的抗体で標識することにより測定しうる。そのため、EGFRの過剰発現は、少なくとも1%若しくは少なくとも2%若しくは少なくとも3%の膜染色及び1+(若しくは2+若しくは3+)の強度、又は少なくとも10%の膜染色として定義されうる。さらに、細胞は、EGFRを発現しない又は検出不能レベルのEGFRを有する細胞、低レベルのEGFR(約1000~約100,00レセプター/細胞)を発現する細胞、中レベルのEGFR(約10,000~約100,000レセプター/細胞)、及び高レベルのEGFR(約1×10以上のレセプター/細胞)を発現する細胞として分類されうる。したがって、本発明のLOX阻害剤を用いる治療に対して感受性のある癌は、EGFR遺伝子の2倍以上の増幅、陽性(1+、2+、又は3+)IHCアッセイ、少なくとも1%又は少なくとも10%の膜染色、中又は高レベルのEGFRにより特徴付けられる癌、好ましくは高レベルのEGFRにより特徴付けられる癌細胞である。好適には、過剰発現は、免疫組織化学(IHC)アッセイで抗EGFR抗体(好ましくは抗HER1)を用いて決定されうる。
任意的に、本方法は、前記対象の生物学的サンプル中のMATN2、pSMAD2、又はMATN2とpSMAD2との両方を決定する工程と、
a)MATN2のレベルが参照サンプルを上回るとき、
b)pSMAD2のレベルが参照サンプルを下回るとき、又は
c)MATN2のレベルが参照サンプルを上回り且つpSMAD2のレベルが参照サンプルを下回るとき、
本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与する工程と、をさらに含みうる。
好適には、癌は、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、食道癌、及び胆道癌たとえば胆管癌からなる群から選択されうる。
任意的に、本発明のすべての態様では、リシルオキシダーゼ阻害剤は、リシルオキシダーゼの成熟を阻害しうる及び/又はリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害しうる。好適には、リシルオキシダーゼ阻害剤は、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しないこともありうる。好適には、MAO-A及び/又はMAO-Bの阻害は、実施例に記載のin vitroオキシダーゼ-A/-B活性アッセイを用いて決定しうる。好適には、リシルオキシダーゼ阻害剤は、AO及び/又はhERGを阻害しないこともありうる。
本明細書に開示されるのは、患者集団において癌を治療するために本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の感受性率(効能率)を増加させる方法であり、前記方法は、EGFRを過剰発現する、任意的にMATN2及び/又はHTRA1を過剰発現するサブ集団を選択することを含む。任意的に、前記サブ群はまた、pSMAD2の発現の低減も呈しうる。
「LOX阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性」とは、LOX阻害療法に関連する有利な効果のより高い予測を意味する。
さらなる態様では、本発明は、癌を有する対象に対する治療レジメンを決定する方法に関し、
a)生物学的サンプル中EGFR(及び任意的にMATN2又はHTRA1)のレベルを決定することと、
b)EGFR(及び任意的に増加したMATN2及び/又はHTRA1)のレベルが参照サンプルと比較して上昇したときに、治療有効量の本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤を含む治療レジメンを施行することと、
を含む。
MATN2
マトリリン2(MATN2)は、10個のEGF様リピートを有する分泌タンパク質である(Wagener,R.et al.The matrilins--adaptor proteins in the extracellular matrix.FEBS Lett 579,3323-3329,doi:10.1016/j.febslet.2005.03.018(2005))。ヒトMATN2のタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)reference O00339-1から得られうる。
組換えヒトMATN2は、細胞の表面のEGFRのレベルを増加させるので、MATN2は、EGF誘発EGFR活性化を強く増強することが、国際公開第2017/141049A1号パンフレットに示された。理論により拘束されることを望むものではないが、MATN2結合は、EGFRを細胞表面にトラップして活性化のためにそれをEGFに提示すると考えられる。
驚くべきことに、LOX阻害剤は、EGFRの内在化の増加をもたらすMATN2の発現をダウンレギュレート可能であることを見いだした。したがって、本発明のLOX阻害剤は、参照サンプルと比較してMATN2のレベルの上昇を有する癌の治療にとくに有用でありうる。
好適には、MATN2のレベルは、市販の抗ヒトMATN2抗体(たとえばR&D製)を用いて免疫蛍光により決定しうる。たとえば、一次抗MATN2抗体と共に、続いて蛍光二次抗体(たとえば、Life Technologiesから入手可能なもの)と共にサンプルをインキュベーションに付して、共焦点イメージングを用いてレベルを決定しうる。MATN2レベルが増加したかを決定できるように、同一手順を参照サンプルで行う。
そのため、MATN2(任意的にEGFRとの組合せで)は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤による治療に対する癌罹患患者の反応性又は感受性を予測するバイオマーカーとして使用しうる。任意的に、pSMAD2などの1種以上のさらなるバイオマーカーを使用しうる。
本明細書に開示されるのは、患者集団において癌を治療するために本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤の感受性率(効能率)を増加させる方法であり、前記方法は、MATN2の発現の増強を有するサブ集団を選択することを含む。任意的に、前記サブ群はまた、pSMAD2の発現の低減も呈しうる。
また、本明細書に開示されるのは、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を有する対象を同定する方法であり、
a)対象の生物学的サンプル中のMATN2のレベルの決定すること、
を含み、ここで、参照サンプルと比較して、MATN2のレベルの増加は、対象においてリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を示唆する。
また、本明細書に開示されるのは、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性を有する対象を同定する方法であり、
a)対象の生物学的サンプル中のMATN2のレベルの決定すること、
を含み、ここで、参照サンプルと比較して、MATN2のレベルの増加は、本発明のリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性を有する対象を同定する。
任意的に、本明細書に開示されるすべての方法では、本方法は、対象がリシルオキシダーゼ阻害剤に対する反応性又は感受性の増加の可能性を有すると同定されたときに、治療有効量のリシルオキシダーゼ阻害剤を投与するさらなる工程を含みうる。
また、本明細書に開示されるのは、癌を有する対象に対する治療レジメンを決定する方法であり、
a)生物学的サンプル中のMATN2のレベルを決定することと、
b)MATN2レベルが参照サンプルと比較して上昇したときに、治療有効量のリシルオキシダーゼ阻害剤を含む治療レジメンを施行することと、
を含む。
SMAD2
Smadタンパク質は、複数のシグナリング経路を媒介するシグナルトランスジューサー及び転写モジュレーターである。SMAD2は、トランスフォーミング成長因子(TGF)-βのシグナルを媒介することにより、細胞増殖、アポトーシス、分化などの複数の細胞プロセスをレギュレートする。このタンパク質は、レセプター活性化のためのSmadアンカー(SARA)タンパク質との相互作用を介してTGF-βレセプターに動員される。TGF-βシグナルに反応して、このタンパク質は、TGF-βレセプターによりリン酸化される。ヒトタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)reference Q15796から得られうる。
LOX欠損細胞におけるSMAD2の強い活性化及びTGFβ1はMATN2 mRNAをダウンレギュレートすることが、国際公開第2017/141049A1号パンフレットで示された。理論により拘束されることを望むものではないが、LOX阻害剤は、MATN2のダウンレギュレーションをもたらすSMAD2を活性化しうると考えられる。したがって、SMAD2の活性化(ホスホ-SMAD2(pSMAD2)のアップレギュレーションにより測定されうる)は、細胞表面でのEGFRの低減をもたらすであろう。そのため、SMAD2は、LOX阻害剤による治療に対する反応を決定するバイオマーカーとして使用しうる。
好適には、pSMAD2のレベルは、抗pSMAD2抗体(たとえば、Milliporeから市販されているもの)を用いて決定しうる。
HTRA1
HTRA1は、成熟TGFβ1を切断することによりTGFβ1シグナリングをブロックすることが知られる分泌セリンプロテアーゼである。HTRA1のタンパク質配列は、uniprot(Universal protein resource)reference Q92743 version 1から得られうる。
LOX枯渇は、細胞外ホモトリマーHTRA1のレベルを低減し、この酵素の活性形及びHTRA1は、SMAD2活性化を抑制し、LOX枯渇細胞においてMATN2発現をレスキューすることが、国際公開第2017/141049A1号パンフレットに示された。理論により拘束されることを望むものではないが、HTRA1の低減は、SMAD2を活性化してMATN2 mRNAの発現の低減を引き起こすと考えられる。MATN2結合は、EGFRを細胞表面にトラップして活性化のためにそれをEGFに提示することが、国際公開第2017/141049A1号パンフレットに示され、HTRA1のタンパク質安定性の上昇は、LOX阻害剤による治療に反応する可能性の増加を示唆するであろうと考えられる。そのため、HTRA1は、バイオマーカーとして使用しうる。
したがって、LOX阻害剤は、参照サンプルと比較してHTRA1のレベルの上昇を有する癌の治療にとくに有用でありうる。
好適には、HTRA1のレベルは、市販の抗ヒトHTRA1抗体(抗ヒトHTRA1抗体、R&D)を用いて免疫蛍光により決定しうる。たとえば、一次抗HTRA1抗体と共に、続いて蛍光二次抗体(たとえば、Life Technologiesから入手可能なもの)と共にサンプルをインキュベーションに付して、共焦点イメージングを用いてレベルを決定しうる。HTRA1レベルが増加したかを決定できるように、同一手順を参照サンプルで行う。
本明細書に開示されるのは、癌を有する対象に対する治療レジメンを決定する方法であり、
a)生物学的サンプル中のHTRA1のレベルを決定することと、
b)HTRA1レベルが参照サンプルと比較して上昇したときに、治療有効量のリシルオキシダーゼ阻害剤を含む治療レジメンを施行することと、
を含む。
IN VITRO方法
本発明はまた、細胞においてEGFRの内在化又はEGFR発現の低減を行うin vitro方法を提供し、前記方法は、細胞と本発明のLOX阻害剤とを接触させる工程を含む。
他の一態様では、本発明はさらに、細胞と本発明のLOX阻害剤とを接触させる工程を含む、細胞においてMATN2発現をダウンレギュレートするin vitro方法を含む。
さらなる態様では、本発明はまた、細胞と本発明のLOX阻害剤とを接触させることを含む、細胞におけるpSMAD2のアップレギュレーションを提供する。
好適には、すべての態様では、細胞は、細胞系、好ましくは哺乳動物細胞系でありうる。
好適には、細胞は、癌細胞、好ましくはEGFRの過剰発現を伴う癌細胞でありうる。
癌の治療などのための組合せ療法
LOX阻害は、他の薬剤の効能の改善又はいくつかの機序を介する薬剤治療に対する耐性への対処に有用な方法でありうる。siRNAによるLOXの特異的阻害は、喉頭癌Hep-2細胞のアポトーシスを誘発可能であり、且つシスプラチン(Dong,Lu et al.2014)などの化学療法薬剤に対する及び放射線(Dong,Xin et al.2014)に対するHep-2細胞の感受性を増強可能である。LOX発現及び分泌は、電離放射線(IR)及び低酸素に反応して増加することから、LOXは、亜致死的照射腫瘍細胞及び腫瘍進行においてIR誘発移行表現型に寄与しうることが示唆され、したがって、LOX阻害剤は、低減放射線量を受ける周囲組織において副作用を低減するために放射線療法との組合せで使用可能である(Shen,Sharma et al.2014)。LOX及びLOXL2の阻害は、腫瘍環境において血管透過性の改変又は血管系の正常化が可能であるので、薬剤の送達又は有効性の増強が可能であり(Ingber and Mammoto 2014)(Marshall,Spangler et al.2012))、たとえば、卵巣異種移植及び肺アロ移植マウスモデルにおいてタキソールなどの化学療法剤による治療の効能の改善が可能である(Zaffryar-Eilot,Marshall et al.2013)。リシルオキシダーゼの薬理学的阻害は、薬剤送達を改善し、抗VEGF耐性腫瘍において薬剤送達及び治療反応に及ぼすVEGFアブレーションの悪影響を反転させた(Roehrig et al,2017)。細胞外マトリックスは、化学療法剤に対する耐性に重要な役割を果たすと提案されている。コラーゲン(ECMのサロゲートとして)中で成長する細胞に対するLOXの阻害は、エルロチニブ、シスプラチン、メトトレキセートなどの化学療法剤に対するコラーゲン依存耐性の増加を反転させることが示されている(Smith and Holzer 2010)。薬剤の拡散及び効能は、3D細胞培養(2D中ではない)においてECMへのLOX及びLOXLの酵素作用により低減し、ドキソルビシン及びパクリタキセルに対する感受性は、BAPNによる阻害により回復可能である(Schuetze,Roehrig et al.2015)。LOX阻害は、ゲムシタビンとの相乗効果を示して腫瘍を死滅させ、膵マウスモデルにおいて腫瘍フリー生存を有意に延長させた。これは、間質改変に関連付けられ、腫瘍へのマクロファージ及び好中球の浸透を増加させた。したがって、LOXを標的とすることにより外科切除可能な疾患のアウトカムを改善可能であった(Miller,Morton et al.2015)。
本発明の化合物は、単独で使用して治療効果を提供しうる。本発明の化合物はまた、1つ以上の追加の抗腫瘍剤及び/又は放射線療法との組合せで使用しうる。
かかる化学療法は、以下のカテゴリーの抗癌剤の1つ以上を含みうる。
(i)抗増殖剤/抗新生物剤及びそれらの組合せ、たとえば、アルキル化剤(たとえば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、メルファラン、クロラムブシル、クロルメチン、ブスルファン、テモゾラミド、ニトロソウレア、イホスファミド、メルファラン、ピポブロマン、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスホラミンカルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、及びダカルバジン)、抗代謝物(たとえば、ゲムシタビン、及び抗葉酸剤、たとえば、フルオロピリミジン、たとえば、5-フルオロウラシル及びテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキセート、ペメトレキセド、ロイコボリン、シトシンアラビノシド、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、及びゲムシタビン、及びヒドロキシウレア、及びトリフルラシルを有するトリフルリジン)、抗生物質(たとえば、アントラサイクリン、たとえば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシン、及びミトラマイシン)、抗有糸分裂剤(たとえば、ビンカアルカロイド、たとえば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビン、及びタキソイド、たとえば、タキソール及びタキソテール、及びポロキナーゼ阻害剤、エリブリン)、プロテアソーム阻害剤(たとえば、カルフィルゾミブ、ボルテゾミブ)、インターフェロン療法、及びトポイソメラーゼ阻害剤(たとえば、エピポドフィロトキシン、たとえば、エトポシド及びテニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、マイトキサントロン、及びカンプトテシン)、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara-C、パクリタキセル(タキソール(商標))、ナブパクリタキセル、ドセタキセル、ミトラマイシン、デオキシコ-ホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(とりわけIFN-α)、エトポシド、テニポシド、DNA-脱メチル化剤(たとえば、アザシチジン又はデシタビン)、及びヒストン脱アセチラーゼ(HDAC)阻害剤(たとえば、ボリノスタット、MS-275、パノビノスタット、ロミデプシン、バルプロ酸、モセチノスタット(MGCD0103)、及びプラシノスタットSB939、及びベリノスタット、パノビノスタット)、トラベクテジン、
(ii)細胞静止剤、たとえば、抗エストロゲン剤(たとえば、タモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、及びヨードキシフェン)、抗アンドロゲン剤(たとえば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、及び酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(たとえば、ゴセレリン、リュープロレリン、及びブセレリン)、プロゲストゲン(たとえば、メゲストロールアセテート)、アロマターゼ阻害剤(たとえば、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、及びエキセメスタンとして)、及び5α-レダクターゼの阻害剤、たとえば、フィナステリド、及びナベルビン、CPT-ll、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、シクロホスファミド、イホスファミド、及びドロロキシフェン、及びアビラテロン、エンザルタミド、ソマトスタチンのアナログ、たとえば、ランレオチド、
(iii)抗浸潤剤、たとえば、ダサチニブ、及びボスチニブ(SKI-606)、及びメタロプロテイナーゼ阻害剤、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーターレセプター機能の阻害剤、又はヘパラナーゼに対する抗体)、
(iv)増殖因子機能の阻害剤:たとえば、かかる阻害剤は増殖因子抗体及び増殖因子レセプター抗体を含む、たとえば、抗erbB2抗体トラスツズマブ[ハーセプチン(商標)]、抗HER2抗体ペルツズマブ、抗EGFR抗体パニツムマブ、抗erbB1抗体セツキシマブ、チロシンキナーゼ阻害剤、たとえば、表皮成長因子ファミリーの阻害剤(たとえば、EGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、ゲフィチニブ、エルロチニブ、6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-キナゾリン-4-アミン(CI1033)、アファチニブ、バンデタニブ、オシメルチニブ、及びロシレチニブ)erbB2チロシンキナーゼ阻害剤、たとえば、ラパチニブ)、及び共刺激分子に対する抗体、たとえば、CTLA-4、4-lBB及びPDl、又はサイトカインに対する抗体(IL-I0、TGF-β)、線維芽細胞成長因子レセプターファミリーの低分子阻害剤、たとえば、ポナチニブ、ニンテダニブ、レンバチニブ、ドビチニブ、ルシタニブ、ダヌセルチニブ、PD173074、PD-166866、AZD4547、BGJ398、LY2874455、TAS-120、ARQ 087、JNJ42756493、BLU9931、DEBIO 1347、FGF401、BAY-1163877、FIIN-2、H3B-6527、PRN1371、BLU554、S49076、SU5416、FGFリガンド結合をブロックする抗体(リガンドトラップ)、たとえば、FP-1039、FGFRダイマー化を妨害する抗体、たとえば、MFGR1877S、肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤、インスリン増殖因子ファミリーの阻害剤、細胞アポトーシスのタンパク質レギュレーターのモジュレーター(たとえばBcl-2阻害剤)、血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、たとえば、イマチニブ及び/又はニロチニブ(AMN107)、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(たとえば、Ras/Rafシグナリング阻害剤、たとえば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ソラフェニブ、チピファルニブ及びロナファルニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ)、及びMEKを介する細胞シグナリングの阻害剤(たとえば、トラメチニブ、コビメチニブ)、及び/又はAKTキナーゼ、c-kit阻害剤、ablキナーゼ阻害剤、たとえば、ポナチニブ、PI3キナーゼ阻害剤、Plt3キナーゼ阻害剤、CSF-1Rキナーゼ阻害剤、IGFレセプター、キナーゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、及びサイクリン依存性キナーゼ阻害剤、たとえば、CDK2及び/又はCDK4阻害剤、又はCDK4/CDK6阻害剤、たとえば、パルボシクリブ、リボシクリブ、及びアベマシクリブ、CCR2、CCR4、又はCCR6アンタゴニスト、mTORキナーゼ阻害剤、たとえば、エベロリムス、ヤヌスキナーゼファミリー阻害剤、たとえば、ルキソリチニブ、ブルントンチロシンキナーゼ阻害剤、たとえば、イブルチニブ、未分化リンパ腫キナーゼ-ALK-、たとえば、セリチニブ、クリゾチニブ、アレクチニブ、カボザンチニブ、などのc-Metキナーゼ阻害剤、ヘッジホッグシグナリング経路阻害剤、たとえば、ビスモデギブ、ソニデギブ、及びRAFキナーゼ阻害剤、たとえば、BAL3833、又は国際公開第2006043090号パンフレット、国際公開第2009077766号パンフレット、国際公開第2011092469号パンフレット、若しくは国際公開第2015075483号パンフレットに記載の他のRAF阻害剤、
(v)抗血管新生剤、たとえば、血管内皮成長因子の効果を阻害するもの、[たとえば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ(アバスチン(商標))、抗VEGF2抗体ラムシルマブ、組換え融合タンパク質ziv-アフリベルセプト]、サリドマイド、ポマリドマイド、レナリドマイド、及びたとえば、VEGFレセプターチロシンキナーゼ阻害剤、たとえば、レゴラフェニブ、バンデタニブ、バタラニブ、スニチニブ、アキシチニブ、及びパゾパニブ、及びレンバチニブ、
(vi)遺伝子療法アプローチ、たとえば、異常遺伝子を置き換えるアプローチなど、たとえば、異常p53又は異常BRCA1又はBRCA2、腫瘍崩壊ウイルス、たとえば、タリモジーンラハーパレプベック、
(vii)免疫療法アプローチ、たとえば、抗体療法などデノスマブ、オビヌツズマブ、ブリナツモマブ、ジヌツキシマブ、イダルシズマブ、ダラツムマブ、デュルバルマブ、ネシツムマブ、エロツズマブ、オララツマブ、アレムツズマブ、リツキシマブ、イブリツモマブ チウキセタン(ゼバリン(登録商標))、及びオファツムマブ、インターフェロン、たとえば、インターフェロンα、ペグインターフェロンα-2b、インターロイキン、たとえば、IL-2(アルデスロイキン)、インターロイキン阻害剤、たとえば、IRAK4阻害剤、癌ワクチン、たとえば、予防剤ワクチン及び治療ワクチン、たとえば、HPVワクチン、たとえば、ガーダシル、サーバリックス、オンコファージ、シプリューセル-T(プロベンジ)、gp100、樹状細胞ベースワクチン(たとえば、Ad.p53 DC)、toll様レセプターモジュレーター、たとえば、TLR-7、TLR-9アゴニスト、PD-1、PD-L1、PD-L2、及びCTL4-Aモジュレーター(たとえば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ)、抗体及びワクチン、他のIDO阻害剤(たとえば、インドキシモッド)、抗PD-1モノクローナル抗体(たとえば、MK-3475及びニボルマブ)、抗PDL1モノクローナル抗体(たとえば、MEDI-4736及びRG-7446)、抗PDL2モノクローナル抗体、及び抗CTLA-4抗体(たとえば、イピリムマブ)、抗体-薬剤コンジュゲート、たとえば、ブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブエムタンシン、
(viii)細胞傷害剤、たとえば、フルダラビン(フルダラ)、クラドリビン、ペントスタチン(ニペント(商標))、
(ix)標的療法、たとえば、PI3K阻害剤、たとえば、イデラリシブ、ペリホシン、SMAC(カスパーゼの第2ミトコンドリア由来アクチベーター)ミメティック、アポトーシスタンパク質阻害剤(IAP)アンタゴニスト(IAPアンタゴニスト)としても知られる。これらの作用剤は、IAP、たとえば、XIAP、cIAP1、及びcIAP2を抑制するように作用し、それにより細胞アポトーシス経路を再構築する。特定SMACミメティックとしては次のものが挙げられる。ビリナパント(TL32711、TetraLogic Pharmaceuticals)、LCL161(Novartis)、AEG40730(Aegera Therapeutics)、SM-164(University of Michigan)、LBW242(ノバルティス(Novartis))、ML101(Sanford-Burnham Medical Research Institute)、AT-406(Ascenta Therapeutics/University of Michigan)、GDC-0917(Genentech)、AEG35156(Aegera Therapeutic)、及びHGS1029(Human Genome Sciences)、及びユビキチンプロテアソーム系(UPS)を標的とする作用剤、たとえば、ボルテゾミブ、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、マリゾミブ(NPI-0052)、及びMLN9708)、及びDNA修復阻害剤、たとえば、オラパリブ、ルカパリブ、抗アポトーシスBCLタンパク質ファミリー阻害剤、たとえば、ベネトクラックス。
(xii)キメラ抗原レセプター、抗癌ワクチン、及びアルギナーゼ阻害剤。
追加の抗腫瘍剤は、本明細書に列挙された単一作用剤又は1種以上の追加の作用剤でありうる。
本発明の化合物と一緒に使用しうる特定抗癌剤としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
かかる組合せ治療は、治療の個別成分の同時、逐次、又は分割投与を介して達成しうる。かかる組合せ物は、以上に記載の治療有効投与量範囲内の本発明の化合物と、承認投与量範囲内の他の医薬活性剤と、を利用する。
本明細書で「組合せ」という用語が用いられる場合、これは同時、分割、又は逐次投与を意味することを理解すべきである。本発明の一態様では、「組合せ」は同時投与を意味する。本発明の他の一態様では、「組合せ」は分割投与を意味する。本発明のさらなる態様では、「組合せ」は逐次投与を意味する。投与が逐次又は分割である場合、第2成分の投与の遅延は、組合せの有益な効果を失うようなものであってはならない。
組合せ治療が使用されるいくつかの実施形態では、本発明の化合物の量及び他の医薬活性剤の量は、組み合わせたときに患者において標的障害を治療するのに治療上有効なものである。これとの関連では、組み合わせたときに、障害の症状若しくは他の有害作用の低減若しくは完全軽減、障害の治癒、障害の進行の反転、完全停止、若しくは減速、又は障害が悪化するリスクの低減を行うのに十分であれば、組合せ量は「治療有効量」である。典型的には、かかる量は、たとえば、本発明の化合物の本明細書に記載の投与量範囲及び他の医薬活性化合物の承認又は他の発表投与範囲から始めて、当業者により決定されうる。
本発明のさらなる態様によれば、癌のコンジョイント治療に使用するための、以上に定義される本発明の化合物と以上に定義される追加の抗癌剤とが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、癌のコンジョイント治療のための、以上に定義される本発明の化合物と以上に定義される追加の抗癌剤とを含む医薬品が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、以上に定義される追加の抗癌剤と同時に、逐次に、又は分割して、治療有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む、癌に罹患しているヒト対象又は動物対象の治療方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、癌の治療において、以上に定義される追加の抗癌剤と同時に、逐次に、又は分割して使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本発明の化合物はまた、放射線療法との組合せで使用されうる。好適な放射線療法治療としては、たとえば、X線療法、陽子線療法、又は電子線療法が挙げられる。放射線療法はまた、放射性核種剤、たとえば、131I、32P、90Y、89Sr、153Sm、又は223Raの使用を包含しうる。かかる放射性核種療法は周知であり市販されている。
本発明のさらなる態様によれば、放射線療法と共同して癌の治療に使用するための、以上に定義される本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、放射線療法と同時に、逐次に、又は分割して治療有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む、癌に罹患しているヒト対象又は動物対象の治療方法が提供される。
合成
以下に記載される合成方法及び出発材料の調製に使用される参照合成方法の説明では、溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験時間、及び後処理手順の選択を含めて、提案された反応条件はすべて、当業者により選択可能であることを理解すべきである。
有機合成の技術分野の当業者であれば、分子の各種部分に存在する官能基は、利用される試薬及び反応条件に適合可能でなければならないものと理解される。
必要な出発材料は、有機化学の標準的手順により得られうる。かかる出発材料の調製については、以下の代表的プロセス形態との関連で及び添付の実施例内に記載されている。代替的に、必要な出発材料は、有機化学者の通常の技能範囲内の例示に類似した手順により得られうる。
以下に定義されるプロセスでの本発明の化合物の合成時又はある特定の出発材料の合成時、望ましくない反応を防止するためにある特定の置換基を保護することが望ましいことは、分かるであろう。熟練化学者であれば、かかる保護がいつ必要であるか、かかる保護基をどのように所定の位置に配置して後で除去するかは分かるであろう。
保護基の例については、主題に関する多くの一般文献の1つ、たとえば、‘Protective Groups in Organic Synthesis’by Theodora Green(publisher:John Wiley & Sons)を参照されたい。保護基は、問題の保護基の除去の必要に応じて、文献に記載の又は熟練化学者に公知のいずれかの便利な方法により除去しうる。かかる方法は、分子中の他の箇所の基の撹乱を最小限に抑えて保護基の除去を行うように選択される。
そのため、反応剤が、たとえば、アミノ、カルボキシ、ヒドロキシなどの基を含む場合、本明細書に挙げられる反応のいくつかでは、基を保護することが望ましいこともある。
例として、アミノ基又はアルキルアミノ基に好適な保護基は、たとえば、アシル基、たとえば、アルカノイル基、たとえば、アセチル又はトリフルオロアセチル、アルコキシカルボニル基、たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、又はt-ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、たとえば、ベンジルオキシカルボニル、又はアロイル基、たとえばベンゾイルである。以上の保護基に対する脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変動する。そのため、たとえば、アシル基、たとえば、アルカノイル又はアルコキシカルボニル基、又はアロイル基は、たとえば、好適な塩基、たとえば、アルカリ金属水酸化物、たとえば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムを用いて加水分解により除去されうる。代替的に、アシル基、たとえば、tert-ブトキシカルボニル基は、たとえば、好適な酸、たとえば、塩酸、硫酸、若しくはリン酸、又はトリフルオロ酢酸で処理することにより除去されうるとともに、アリールメトキシカルボニル基、たとえば、ベンジルオキシカルボニル基は、たとえば、パラジウム担持カーボンなどの触媒を用いた水素化により、又はBF.OEtなどルイス酸で処理することにより、除去されうる。第1級アミノ基に対する好適な代替保護基は、たとえば、フタロイル基であり、これは、アルキルアミン、たとえば、ジメチルアミノプロピルアミンで処理することにより、又はヒドラジンで処理することにより除去されうる。
ヒドロキシ基に対する好適な保護基は、たとえば、アシル基、たとえば、アルカノイル基、たとえば、アセチル、アロイル基、たとえば、ベンゾイル、又はアリールメチル基、たとえば、ベンジルである。以上の保護基に対する脱保護条件は、保護基の選択によって必然的に変動するであろう。そのため、たとえば、アシル基、たとえば、アルカノイル又はアロイル基は、たとえば、好適な塩基、たとえば、アルカリ金属水酸化物、たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又はアンモニアを用いて加水分解により除去されうる。代替的に、ベンジル基などのアリールメチル基は、たとえば、パラジウム担持カーボンなどの触媒を用いて水素化により除去されうる。
カルボキシ基に対する好適な保護基は、たとえば、水酸化ナトリウムなどの塩基で加水分解することにより除去されうる、たとえば、エステル化基、たとえば、メチル又はエチル基、たとえば、酸、たとえば、トリフルオロ酢酸などの有機酸で処理することにより除去されうるt-ブチル基、又はたとえば、パラジウム担持カーボンなどの触媒を用いて水素化により除去されうる、たとえば、ベンジル基である。
樹脂もまた、保護基として使用されうる。
略号:
以下の略号が使用される。
DCM: ジクロロメタン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
DIPEA: N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DCl: 塩化ジュウテリウム
HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー
min: 分
h: 時間
rt: 室温
RPM: 回転/分
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TFE: 2,2,2-トリフルオロエタノール
Boc: tert-ブチルオキシカルボニル
Me: メチル
Et: エチル
Bu: ブチル
Bu: tert-ブチル
Ac: アセチル
Bn: ベンジル
NaOBu: ナトリウム-tert-ブトキシド
EtN: トリエチルアミン
EtOAc: エチルアセテート
AcOH: 酢酸
XPhos: 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
Pd(OAc):酢酸パラジウム(II)
MeOH: メタノール
BuOH: ブタノール
EtO: ジエチルエーテル
EtNCO: エチルイソシアネート
CDCl: ジュウテリウム化クロロホルム
(CDSO: ジュウテリウム化ジメチルスルホキシド(DMSO)
NMR: 核磁気共鳴
HRMS: 高分解能質量分析
一般的手順GP1
Figure 0007437322000086
ジオキサン中の4M HClをカルバメートGP1_1(ニート又はDCM中)に添加し、混合物をrtで1~4h撹拌した。減圧下で溶媒を除去して(代替的に、混合物を3000RPMで5分間遠心分離し、続いてデカンテーションにより溶媒を除去可能である)アミン塩酸塩GP1_2を与えた。これは、所要によりその遊離塩基形でさらに精製可能である。
一般的手順GP2
Figure 0007437322000087
0℃のDCM中のEtN又はDIPEAとアミン又はアミン塩酸塩GP2_1との混合物にトリホスゲンを添加し、反応混合物を0.5~1h撹拌した。次いで、HNRを添加し、混合物をさらに1~16h撹拌した。混合物をDCMで希釈し、有機相をHOで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去した。所要により、クロマトグラフィーにより粗製物をさらに精製してウレアGP2_2を与えることが可能である。
一般的手順GP3
Figure 0007437322000088
方法A - DMF中のアミン又はアミン塩酸塩GP3_1とEtN又はKCOとの混合物にアルキルブロミドBrCHR’(たとえば4-ブロモブタンニトリル)を添加し、反応混合物を1~16h撹拌した。EtOAcで希釈した後、有機相をHO(3×)及びブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去してニトリルGP3_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。
方法B - MeCN中のアミン又はアミン塩酸塩GP3_1とEtNとの混合物にアルキルブロミドBrCHR’(たとえば4-ブロモブタンニトリル)を添加し、反応混合物を75℃で1~16h撹拌した。EtOAcで希釈した後、有機相をHO(3×)及びブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去してニトリルGP3_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。
一般的手順GP4
Figure 0007437322000089
DCM中のアミン又はアミン塩酸塩GP4_1とEtNとの混合物にイソシアネートRNCOを添加し、反応混合物をrtで1h撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。所要により、クロマトグラフィーにより粗製物をさらに精製してウレアGP4_2を与えることが可能である。
一般的手順GP5
Figure 0007437322000090
BuOH/トルエン(1:5)中のアリールブロミドGP5_1と、RNHと、Pd(OAc)と、XPhosと、NaOBuとの混合物をアルゴンで脱ガスし、110℃で16h撹拌した。混合物をrtに冷却し、減圧下で溶媒を除去した。所要により、クロマトグラフィーにより粗製物をさらに精製してアニリンGP5_2を与えることが可能である。
一般的手順GP6
Figure 0007437322000091
アミンGP6_1と、4-ブロモ-1-ヨードベンゼンと、CuIと、L-プロリンと、KCOと、DMSOとの混合物を90℃で16h撹拌した。rtに冷却した後、混合物をEtOAcで希釈した。有機相をHO(3×)及びブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去した。所要により、カラムクロマトグラフィーにより粗製物をさらに精製してアニリンGP6_2を与えることが可能である。
一般的手順GP7
Figure 0007437322000092
アニリンGP7_1と、無水物GP7_2と、DMSO(又はAcOH)との混合物を120℃で約20h撹拌した。rtに冷却した後、混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を脱水し(MgSO)、濾過し、そして真空濃縮してマレイミドGP7_3を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。代替的に、エタノール中のアニリンGP7_1と無水物GP7_2との混合物を還流下で4h撹拌した。rtに冷却し真空濃縮した後、エタノールからの再結晶によりマレイミドGP7_3を与えた。
一般的手順GP8
Figure 0007437322000093
DCM中のN-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミンGP8_2マレイミドと、GP8_1と、TFAとの混合物をrtで約20h撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を脱水し(MgSO)、濾過し、そして真空濃縮してマレイミドGP8_3を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。
一般的手順GP9
Figure 0007437322000094
方法A - 0℃のマレイミドGP9_1とテトラヒドロフランとの溶液に水素化アルミニウムリチウム(EtO中1M)を滴下した。反応系をrtで約20h撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、少量の水を注意深く添加し、続いて少量の10%水性水酸化ナトリウム及び水を添加した。得られる懸濁液を濾過し、濾液を脱水し、そして真空濃縮してアニリンGP9_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製が可能である。
方法B - 0℃のマレイミドGP9_1とテトラヒドロフランとの溶液にボラン-テトラヒドロフラン錯体(THF中1M)を滴下した。反応系を60℃で約20h撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、エタノールを注意深く添加した。混合物を60℃で1h撹拌し、真空濃縮してアニリンGP9_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製が可能である。
一般的手順GP10
Figure 0007437322000095
方法A - 2,2,2-トリフルオロエタノール中のN-ベンジルピロリジンGP10_1と、パラジウムブラック(又はPd(OH)又はPd/C)と、シクロヘキサジエン(5equiv.まで)との混合物を70~80℃で撹拌した。30分後、追加分のシクロヘキサジエン(5equiv.まで)を添加した。反応系をさらに1~3h撹拌した。rtに冷却した後、反応混合物をセライトに通して濾過し、真空濃縮してアミンGP10_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。
方法B - メタノール中のN-ベンジルピロリジンGP10_1と、パラジウムブラック(又はPd(OH)又はPd/C)と、アンモニウムホルメート(10equiv.まで)との混合物を60℃で3~16h撹拌した。rtに冷却した後、反応混合物をセライトに通して濾過し、真空濃縮してアミンGP10_2を与えた。これは、所要によりクロマトグラフィーによりさらに精製可能である。
分析方法
HPLCグレード溶媒でプレパックシリカゲルカートリッジを用いてBiotage Isolera又はCombiflash Rf+フラッシュ精製システムによりフラッシュクロマトグラフィーを実施した。
Agilent1200シリーズHPLC及びマルチモードESI源を有する6210飛行時間質量分析計に結合されたダイオードアレイ検出器、又はWaters Acquity UPLC及びマルチモードESI/APCI源を備えたWaters G2 QToF、SQD、又はQDa質量分析計に結合されたダイオードアレイ検出器により、化学化合物の液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)及び高分解能質量分析(HRMS)分析を実施した。
内部ジュウテリウムロックを用いてBruker 500MHz又は300MHz分光計により、1H及び13C NMRスペクトルを記録した。
実施例1: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000096
一般的手順GP5を用いて、110℃で16hにわたり、tertブチル-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(5.0g、23.6mmol)、p-フェネチジン(3.57mL、23.6mmol)、Pd(OAc)(265mg、5%)、XPhos(1.0g、10%)、NaOBu(2.72g、28.3mmol)及びトルエン/BuOH(4:1、118mL)から、tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを調製した。クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→30%)により薄褐色ガムを与えた(7.0g、89%)。これは、冷トルエンから沈殿させることによりさらに精製可能である。H NMR(500MHz,CDCl)δ 6.89-6.81(m,2H),6.56-6.48(m,2H),3.98(q,J=7.0,2H),3.68-3.59(m 2H),3.50-3.41(m 2H),3.38(d,J=10.5Hz,1H),3.25(d,J=10.5Hz,1H),3.17(dd,J=9.3,3.6Hz,2H),2.98(s,2H),1.46(s,9H),1.38(t,J=7.0Hz,3H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 154.49,150.52,142.67,115.95,112.99,79.36,64.28,53.01,50.77及び50.40,42.29及び41.37,28.50,15.04.C1929(M+H)に対するHRMS計算値333.2159、実測値333.2173.
一般的手順GP1及びGP2を用いて、i)rtで1hにわたり、1,4-ジオキサン(151μL、0.60mmol)中のtert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(40mg、0.12mmol)及び4.0M HCl、ii)トリエチルアミン(252μL、1.81mmol)、トリホスゲン(50mg、0.17mmol)、及びエタノールアミン(165μL、2.74mmol)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc5→10%)により白色固体を与えた(25mg、0.08mmol、65%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 6.86(d,J=9.0Hz,2H),6.52(d,J=9.0Hz,2H),4.71(t,J=5.7Hz,1H),3.98(q,J=7.0Hz,2H),3.75-3.69(m,2H),3.67(dd,J=10.1,7.2Hz,2H),3.57(br s,1H),3.48(dd,J=9.5,7.2Hz,2H),3.43-3.39(m,2H),3.36(dd,J=10.5,3.7Hz,2H),3.21(dd,J=9.5,3.7Hz,2H),3.10-3.00(m,2H),1.39(t,J=7.0Hz,3H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 157.87,150.61,142.48,115.93,113.04,64.27,63.47,53.01,50.55,43.60,42.02,15.04.C1726(M+H)に対するHRMS計算値320.1969、実測値320.2049.
実施例2: cis-4-(5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000097
一般的手順GP1及びGP3を用いて、i)rtで1hにわたり、tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(20mg、0.06mmol)及びHCl(ジオキサン中4.0M、75μL)、ii)rtで16hにわたり、トリエチルアミン(50μL、0.36mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(21μL、0.12mmol)、及び4-ブロモブチロニトリル(9μL、0.09mmoL)、THF(1.0mL)から、標記化合物を調製した。さらなる精製を行うことなく無色油を与えた(3mg、17%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 6.85(d,J=9.0,2H),6.67(d,J=9.0,2H),3.99(q,J=7.0,2H),3.28-2.97(m,6H),2.81-2.66(m,2H),2.55-2.41(m,6H),2.04-1.91(m,1H),1.39(t,J=7.0,4H).C1826O(M+H)に対するHRMS計算値300.2070、実測値300.1979.
実施例3: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H-カルボキサミド
Figure 0007437322000098
一般的手順GP7を用いて、120℃で16hにわたり、DMSO(11.7mL)中のp-フェネチジン(2.55mL、19.8mmol)及び2,3-ジメチルマレイン酸無水物(5.00g、39.6mmol)から、1-(4-エトキシフェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール-2,5-ジオンを調製した。クロマトグラフィー(トルエン)により精製して、鮮黄色結晶固体として1-(4-エトキシフェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール-2,5-ジオンを与えた(4.95g、100%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.21(d,J=9.0,2H),6.94(d,J=9.0,2H),4.02(d,J=7.0,2H),2.02(s,6H),1.40(t,J=7.0,3H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 171.20,158.13,137.28,127.28,124.48,114.82,63.65,14.77,8.85.C1416NO(M+H)に対するHRMS計算値246.1125、実測値246.1127.
一般的手順GP8及びGP9を用いて、i)rtで16hにわたり、N-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)-ベンジルアミン(4.08mL、15.9mmol)、TFA(93μL、1.22mmol)、1-(4-エトキシフェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール-2,5-ジオン(3.00g、12.2mmol)、及びDCM(30mL)、ii)rtで16hにわたり、水素化アルミニウムリチウム(ジエチルエーテル中1.0M、36.6mL、36.6mmol)、THF(123mL)、及びDCM(100mL)から、2-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを調製した。無色油を得、これをただちに後続の変換に使用した。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.38-7.17(m,5H),6.86(d,J=9.0,2H),6.63(d,J=9.0,2H),4.00(q,J=7.0,2H),3.58(s,2H),3.34(d,J=9.0,2H),3.04(d,J=9.0,2H),2.74(d,J=9.2,2H),2.41(d,J=9.1,2H),1.40(t,J=7.0,3H),1.13(s,6H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 151.00,143.96,139.54,128.45,128.15,126.74,115.69,114.73,67.98,64.20,63.57,59.76,49.55,21.56,15.06.C2331O(M+H)に対するHRMS計算値351.2431、実測値351.2372.
一般的手順GP10を用いて、70℃で6hにわたり、Pd(OH)(20%担持カーボン、470mg)、粗製2-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(12.2mmol)、アンモニウムホルメート(7.69g、122mmol)、及びメタノール(400mL)から、2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを調製した。粗製物をエチルアセテート(100mL)及び水(150mL)に再溶解させた。水性層のpHをNaOHで13に調整した。層を分離し、TLCにより水性層に残存する生成物が存在しなくなるまで水性層をエチルアセテートで抽出した。合わせた有機層を脱水し(MgSO)、真空蒸発させて(3aR,6aS)-2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール)を白色固体として与えた(3.17g、3工程にわたり100%)。13C NMR(126MHz,CDCl)δ 151.11,142.03,115.84,113.51,64.18,59.46,55.37,50.22,18.90,15.01.
一般的手順GP2を用いて、rtで16hにわたり、2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(1.00g、3.85mmol)、トリホスゲン(1.48g、5.00mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(3.34mL、19.2mmol)、エタノールアミン(3.48mL、57.7mmol)、及びDCM(53mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→20%)により精製して無色油を与えた(963mg、72%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ 6.85(d,J=9.0,2H),6.42(d,J=9.0,2H),4.78(t,J=5.5,1H),4.97(q,J=7.0,2H),3.68(t,J=5.0,2H),3.53(d,J=10.0,2H),3.46-3.27(m,6H),3.21(d,J=9.3,2H),2.11(s,1H),1.38(t,J=7.0,3H),1.16(s,6H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 157.91,150.30,142.16,116.09,112.04,64.39,63.69,58.75,56.32,49.62,43.66,18.92,15.05.C1930(M+H)に対するHRMS計算値348.2282、実測値348.2276.
実施例4: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-(3-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000099
一般的手順GP2を用いて、rtで16hにわたり、2-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール(100mg、0.43mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(375μL、2.16mmol)、トリホスゲン(165mg、0.56mmol)、N-(3-アミノプロピル)-2-ピロリジン(603μL、4.30mmol)、DCM(6.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc5→30%)により精製して無色油を与えた(87mg、0.22mmol、51%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 6.82(d,J=8.8,2H),6.49(d,J=8.8,2H),5.75(t,J=6.3,1H),3.96(q,J=7.0,2H),3.69(dd,J=10.2,7.3,2H),3.46(dd,J=8.3,7.7,2H),3.42-3.29(m,6H),3.21-3.11(m,4H),3.05-2.97(m,2H),2.40(t,J=7.9,2H),2.04(d,J=7.5,2H),1.71-1.60(m,2H),1.36(t,J=7.0,3H).13C NMR(126MHz,CDCl)δ 176.01,156.93,150.44,142.66,115.90,112.99,64.25,53.07,50.29,47.29,42.00,39.26,35.94,30.89,26.47,17.90,15.04.C2233(M+H)に対するHRMS計算値401.2547、実測値401.5243.
実施例5: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-((R)-2-ヒドロキシプロピル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000100
一般的手順GP2を用いて、2-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール(100mg、0.43mmol)、トリエチルアミン(300μL、2.16mmol)、トリホスゲン(166mg、0.56mmol)、(R)-(-)-1-アミノ-2-プロパノール(203μL、2.58mmol)、及びDCM(6.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→15%)により精製して無色油を与えた(25mg、0.07mmol、17%)。13C NMR(126MHz,CDCl)δ 157.79,150.64,142.50,115.94,113.06,68.24,64.26,53.01,50.56,48.35,42.03,20.80,15.03.C1828(M+H)に対するHRMS計算値334.2125、実測値334.2115.
実施例6: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-((1r,3s,5R,7S)-3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000101
一般的手順GP2を用いて、2-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール(100mg、0.43mmol)、トリエチルアミン(300μL、2.16mmol)、トリホスゲン(166mg、0.56mmol)、3-アミノ-1-アダマントール(432mg、2.58mmol)、及びDCM(6.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→15%)により精製して無色油を与えた(22mg、0.05mmol、12%)。13C NMR(126MHz,CDCl)δ 155.73,150.56,142.57,115.94,112.97,69.36,64.26,53.81,52.99,50.15,50.01,44.17,42.06,41.26,35.03,30.75,15.03.C2536(M+H)に対するHRMS計算値426.2751、実測値426.2736.
実施例7: cis-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-N-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000102
一般的手順GP7に従って、120℃で23hにわたり、マレイン酸無水物(2.60g、26.5mmol)、4-(4-アミノフェニル)-チオモルホリン1,1-ジオキシド(3.0g、13.3mmol)、及びDMSO(9mL)から、1-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-1H-ピロール-2,5-ジオンを合成した。淡黄色固体を得、これはさらなる精製を必要としなかった(3.65g、76%)。H NMR((CDSO,500MHz):3.14(4H,t,J=5.1Hz),3.83(4H,t,J=5.1Hz),7.12(2H,d,J=9.1Hz),7.15(2H,s),7.19(2H,d,J=9.1Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):47.0,50.3,116.1,123.2,128.5,135.1,147.4,170.8.HRMS(ESI+ve):実測値307.0742[M+H]、C1415S理論値307.0747.
一般的手順GP8に従って、rtで17hにわたり、DCM(20mL)中のN-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(2.2mL、8.32mmol)、1-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-1H-ピロール-2,5-ジオン(1.96g、6.40mmol)、及びTFA(49μL、0.64mmol)から、5-ベンジル-2-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオンを合成した。粗残渣をジクロロメタン(40mL)に懸濁させ、ジエチルエーテル(50mL)を添加した。得られた懸濁液を濾過して灰白色粉末として純物質を与えた(2.27g、81%)。H NMR((CDSO,500MHz):2.50(4H,a-t,J=5.2Hz),3.12(4H,t,J=5.2Hz),3.35(2H,dd,J=5.6,9.8Hz),3.42(2H,d,J=9.8Hz),3.65(2H,s),3.91(4H,t,J=5.2Hz),7.00-7.03(4H,m),7.25-7.34(7H,m);13C NMR((CDSO,125MHz):44.67,46.96,50.29,56.45,57.88,116.02,124.16,127.47,128.13,128.60,128.77,138.82,147.67,179.43.HRMS(ESI+ve):実測値440.1628[M+H]、C2326S理論値440.1639.
一般的手順GP9に従って、80℃で22hにわたり、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(THF中1.0M、52.0mL、52.0mmol)、5-ベンジル-2-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン(2.26g、5.14mmol)、及びTHF(70mL)から、4-(4-(5-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシドを合成した。クロマトグラフィー(メタノール/エチルアセテート0→20%)により粗残渣を精製し、白色粉末を与えた(1.44g、68%)。H NMR((CDSO,500MHz):2.35(2H,dd,J=3.1,9.0Hz),2.64(2H,dd,J=6.3,9.0Hz),2.80-2.87(2H,m),2.97(2H,dd,J=3.2,9.2Hz),3.14(4H,t,5.2Hz),3.26(2H,dd,J=7.8,9.2Hz),3.53-3.55(6H,m),6.61(2H,d,J=9.0Hz),6.92(2H,d,J9.0Hz),7.21-7.32(5H,m);13C NMR((CDSO,125MHz):41.59,49.26,50.62,55.26,59.33,60.48,115.24,119.02,127.22,128.62,128.82,139.65,140.55,144.10.HRMS(ESI+ve):実測値412.2045[M+H]、C2330S理論値412.2059.
一般的手順GP10及びGP4に従って、i)75℃で1hにわたり、パラジウムブラック(100mg)、4-(4-(5-ベンジルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(1.0g、2.43mmol)、4-シクロヘキサジエン(2.3mL、24.3mmol)、2,2,2-トリフルオロエタノール(40mL)、ii)rtで16hにわたり、EtN(3.4mL、24.3mmol)、EtNCO(87.1μL、1.10mmol)、及びDCM(20mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(メタノール/エチルアセテート0→10%)により粗製物を精製し、所望の化合物を与えた(761mg、2工程にわたり80%)。H NMR(CDCl,500MHz):1.15(3H,t,J7.2Hz),3.04-3.10(2H,m),3.16(4H,t,J=5.4Hz),3.22(2H,dd,J=2.9,9.1Hz),3.28(2H,dq,J=5.5,7.2Hz),3.35(2H,dd,J=3.8,10.0Hz),3.47-3.53(2H,m),3.63-3.70(6H,m),4.17(1H,t,J=5.5Hz),6.53(2H,d,J=8.6Hz),6.93(2H,d,J=8.6Hz);13C NMR(CDCl,125MHz):15.76,35.48,42.02,50.08,50.23,51.27,52.56,112.88,120.28,139.79,143.67,156.79.HRMS(ESI+ve):実測値393.1940[M+H]、C1929S理論値393.1960.
実施例8: cis-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-N-エチル-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000103
一般的手順GP7に従って、120℃で17hにわたり、2,3-ジメチルマレイン酸無水物(3.34g、26.5mmol)、4-(4-アミノフェニル)-チオモルホリン1,1-ジオキシド(3.0g、13.3mmol)、及びDMSO(6mL)から、1-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール2,5-ジオンを合成した。粗残渣をDCM及びジエチルエーテルから再結晶し、黄色粉末を与えた(3.59g、81%)。H NMR(CDCl,500MHz):2.04(6H,s),3.11(4H,t,J=5.2),3.86(4H,t,J=5.2Hz),6.98(2H,d,J=9.0Hz),7.26(2H,d,J=9.0Hz);13C NMR(CDCl,125MHz):8.93,47.78,50.45,116.71,124.93,127.36,137.47,146.52,171.12. HRMS(ESI+ve):実測値336.1046[M+H]、C1619S理論値336.1053.
一般的手順GP8に従って、rtで20hにわたり、DCM(20mL)中のN-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(2.0mL、7.78mmol)、1-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール-2,5-ジオン(2.0g、5.98mmol)、及びTFA(46μL、0.60mmol)から、5-ベンジル2-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオンを合成した。粗製物をDCM及びジエチルエーテルから再結晶し、淡黄色固体を与えた(2.60g、93%)。H NMR((CDSO,500MHz):1.23(6H,s),2.17(2H,d,J=9.6Hz),3.14(4H,t,J=5.0Hz),3.22(2H,d,J=9.6Hz),3.54(2H,s),3.84(4H,t,J=5.0Hz),7.10(2H,d,J=9.1Hz),7.14(2H,d,J9.2Hz),7.22-7.26(3H,m),7.31(2H,t,J=7.2Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):15.40,46.48,49.85,51.43,57.24,64.39,115.50,123.60,126.99,127.73,128.02,128.28,138.21,147.27,181.28.HRMS(ESI+ve):実測値468.1948[M+H]、C2530S理論値468.1952;
一般的手順GP9に従って、80℃で16hにわたり、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(THF中1M、45.0mL、45.0mmol)、5-ベンジル-2-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン(2.1g、4.49mmol)、及びTHF(60mL)から、4-(4-(5-ベンジル-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシドを合成した。粗製物をDCM及びジエチルエーテルから再結晶し、白色固体を与えた(1.37g、70%)。H NMR((CDSO,500MHz):1.06(6H,s),2.33(2H,d,J=9.0Hz),2.62(2H,d,J=9.0Hz),2.93(2H,d,J=9.2Hz),3.13(4H,t,J=5.0Hz),3.25(2H,d,J=9.2Hz),3.51(2H,s),3.53(4H,t,J=5.0Hz),6.56(2H,d,J=8.9Hz),6.90(2H,d,J=8.9Hz),7.20-7.31(5H,m);13C NMR((CDSO,125MHz):21.19,48.75,48.95,50.1,58.97,62.69,67.53,114.45,118.51,126.66,128.12,128.16,139.17,139.91,143.60.HRMS(ESI+ve):実測値440.2366[M+H]、C2533S理論値440.2366.
一般的手順GP10及びGP4に従って、i)75℃で1hにわたり、パラジウムブラック(10mg)、4-(4-(5-ベンジル-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(100mg、0.23mmol)、酢酸アンモニウム(143mg、2.28mmol)、及び2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE、5mL)、ii)rtで2hにわたり、トリエチルアミン(316μL、2.27mmol)、エチルイソシアネート(18μL、0.23mmol)、及びジクロロメタン(4mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(メタノール/エチルアセテート0→30%)により粗残渣を精製し、白色結晶固体を与えた(10mg、10%)。H NMR((CDSO,500MHz):0.99(3H,t,J=7.1Hz),1.07(6H,s),3.01(2H,dq,J=5.5,7.1Hz),3.14(4H,t,J=5.2Hz),3.16(2H,d,J=9.5Hz),3.19(2H,d,J=10.2Hz),3.27(2H,d,J=9.5Hz),3.36(2H,d,J=10.2Hz),3.50(4H,t,J=5.2Hz),6.02(1H,t, J=5.5Hz),6.43(2H,d,J=9.1Hz),6.92(2H,d,J=9.1Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):16.21,19.09,35.05,49.32,49.66,50.74,56.52,58.80,112.41,119.67,139.59,143.26,157.01.HRMS(ESI+ve):実測値421.2267[M+H]、C2133S理論値421.2268.
実施例9: cis-N-シクロヘキシル5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000104
一般的手順GP4を用いて、rtで20hにわたり、トリエチルアミン(0.34mL、2.42mmol)、シクロヘキシルイソシアネート(31μL、0.24mmol)、及びジクロロメタン(2.0mL)を併用して粗製4-(4-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニルチオモルホリン1,1-ジオキシド(約0.252mmol)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して所望の化合物を与えた(94mg、2工程にわたり87%)。H NMR((CDSO,500MHz):1.03-1.07(1H,m),1.11-1.25(4H,m),1.53-1.56(1H,m),1.65-1.67(2H,m),1.71-1.73(2H,m),2.92-2.96(2H m),3.05(2H,dd,J=3.4,9.7Hz),3.12-3.16(6H,m),3.33-3.37(3H,m),3.48-3.51(6H,m),5.72(1H,d,J=8.0Hz),6.50(2H,d,J=8.9Hz),6.92(2H,d,J=8.9Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):25.58,25.83,33.71,41.66,49.27,49.53,50.70,50.89,53.32,113.49,119.44,139.98,143.39,156.39.HRMS(ESI+ve):実測値447.2416[M+H]、C2335S理論値447.2424.
実施例10: cis-N-tert-ブチル-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000105
一般的手順GP4を用いて、rtで20hにわたり、トリエチルアミン(0.33mL、2.35mmol)、tert-ブチルイソシアネート(27μL、0.24mmol)、及びジクロロメタン(2.0mL)を併用して粗製4-(4-(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(0.352mmol)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して所望の化合物を与えた(84mg、2工程にわたり85%)。H NMR((CDSO,500MHz):1.25(9H,s),2.91-2.97(2H,m),3.07(2H,dd,J=3.4,9.5Hz),3.13-3.18(6H,m),3.36(2H,dd,J=7.3,9.5Hz),3.48-3.53(6H,m),5.24(1H,s),6.52(2H,d,J=9.0Hz),6.93(2H,d,J=9.0Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):29.70,41.70,49.54,50.29,50.71,50.92,53.33,113.47,119.45,139.97,143.40,156.62.HRMS(ESI+ve):実測値421.2270[M+H+]、HC2133S理論値421.2268.
実施例11: cis-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000106
一般的手順GP2を用いて、4-(4-(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(約0.121mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.21mmol)、トリホスゲン(22mg、0.07mmol)、及びエタノールアミン(181μL、3.03mmol)、DCM(3.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→15%)により精製して所望の化合物を与えた(31mg、2工程にわたり63%)。13C NMR(CDCl,125MHz):41.69,43.16,49.52,50.70,50.84,53.28,61.28,113.48,119.44,139.98,143.37,157.23.HRMS(ESI+ve):実測値409.1895[M+H]、C1929S理論値409.1904.
実施例12: cis-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル(モルホリノ)メタノン
Figure 0007437322000107
一般的手順GP2を用いて、は、粗製4-(4(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(0.242mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.21mmol)、トリホスゲン(22mg、0.07mmol)、エタノールアミン(181μL、3.03mmol)、及びDCM(3.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→15%)により精製して所望の化合物を与えた(37mg、2工程にわたり70%)。13C NMR((CDSO,125MHz):41.74,46.86,47.29,49.50,50.68,52.90,66.36,113.63,119.39,140.02,143.41,162.17.HRMS(ESI+ve):実測値435.2072[M+H]、C2131S理論値435.2075.
実施例13: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-エチル-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000108
一般的手順GP4を用いて、rtで20hにわたり、トリエチルアミン(1.93mL、13.8mmol)、エチルイソシアネート(110μL、1.38mmol)、及びジクロロメタン(7.0mL)を併用して2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(360mg、1.38mmol)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して所望の化合物を与えた(458mg、定量的)。H NMR((CDSO,500MHz):0.99(3H,t,J=7.2Hz),1.06(6H,s),1.26(3H,t,J=7.2Hz),3.01(2H,td,J=5.7,7.2Hz),3.11(2H,d,J=9.4Hz),3.18(2H,d,J=10.6Hz),3.25(2H,d,J=9.4Hz),3.35(2H,d,J=10.6Hz),3.89(2H,q,J=7.2Hz),6.00(1H,t,J=5.7Hz),6.40(2H,d,J=9.0Hz),6.77(2H,d,J=9.0Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):14.9,15.7,18.7,34.6,48.9,56.1,58.6,63.4,112.0,115.6,142.4,149.5,156.5.HRMS(ESI+ve):実測値354.2141[M+Na]、C1929NaO理論値354.2152.
実施例14: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000109
一般的手順GP4を用いて、rtで16hにわたり、トリエチルアミン(4.2mL、30.1mmol)、エチルイソシアネート(240μL、3.01mmol)、及びジクロロメタン(7.0mL)を併用して粗製2-(4-エトキシフェニル)-オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(約3.00mmol)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して灰白色固体として所望の化合物を与えた(715mg、78%)。H NMR((CDSO,500MHz):0.99(3H,t,J=7.3Hz),1.27(3H,t,J=7.2Hz),2.91-3.05(6H,m),3.15(2H,dd,J=3.8,10.5Hz),3.32-3.35(2H,m),3.49(2H,dd,J=7.5,10.5Hz),3.90(2H,q,J=7.2Hz),6.08(1H,t,J=5.6Hz),6.49(2H,d,J=9.0Hz),6.78(2H,d,J=9.0Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):14.8,15.8,34.6,41.2,50.4,53.2,63.3,113.1,115.4,142.6,149.9,156.5.HRMS(ESI+ve):実測値326.1831[M+Na]、C1725NaO理論値326.1839.
実施例15: cis-N-エチル5-(4-メトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000110
一般的手順GP7を用いて、120℃で19hにわたり、4-メトキシアニリン(9.0g、73.1mmol)、マレイン酸無水物(14.3g、146.2mmol)、及びDMSO(27mL)から、1-(4-メトキシフェニル)-1H-ピロール-2,5-ジオンを調製した。黄色固体を得て、さらなる精製を行うことなく使用した(15.8g、定量的)。H NMR((CDSO,500MHz):3.78(3H,s),7.02(2H,d,J=9.1Hz),7.15(2H,s),7.23(2H,d,J=9.1Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):55.4,114.1,124.1,128.3,134.6,158.6,170.2.
一般的手順GP8を用いて、rt℃で17hにわたり、DCM(80mL)中のN-(メトキシメチル)-N-(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(13.0mL、39.4mmol)、1-(4-メトキシフェニル)-1Hピロール2,5-ジオン(8.0g、39.4mmol)、及びTFA(0.30mL、3.94mmol)から、5-ベンジル-2-(4-メトキシフェニル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオンを調製した。クロマトグラフィー(エチルアセテート/シクロヘキサン0→100%)により粗製物を精製して淡黄色固体(10.5g、79%)を与えた。H NMR((CDSO,500MHz):2.39-2.42(2H,m),3.14(2H,d,J=9.4Hz),3.39(2H,d,J=7.2Hz),3.60(2H,s),3.79(3H,s),7.05(2H,d,J=8.9Hz),7.14(2H,s,J=8.9Hz),7.23-7.26(3H,m),7.33(2H,t,J=7.7Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):44.2,55.4,56.0,57.4,114.2,125.1,127.0,128.0,128.1,128.3,138.3,158.9,178.9.HRMS(ESI+ve):実測値359.1353[M+Na]、C2020NaO理論値359.1366.
一般的手順GP9を用いて、rtで21hにわたり、テトラヒドロフランとジクロロメタン(300mL)との2:1混合物中の水素化アルミニウムリチウム(EtO中1M、94mL、94mmol)、5-ベンジル-2-(4-メトキシフェニル)テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH)-ジオン(10.5g、31.2mmol)から、2-ベンジル-5-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを調製した。フラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/シクロヘキサン)により粗製物を精製して淡褐色固体を与えた(10.6g、定量的)。H NMR((CDSO,500MHz):2.34(2H,dd,J=3.5,9.2Hz),2.63(2H,dd,J=6.8,9.2Hz),2.78-2.89(2H,m),2.94(2H,dd,J=3.5,9.2Hz),3.24(2H,dd,J=7.8,9.2Hz),3.53(2H,s),3.66(3H,s),6.61(2H,d,J=9.2Hz),6.79(2H,d,J=9.2Hz),7.20-7.24(1H,m),7.26-7.31(4H,m);13C NMR((CDSO,125MHz):41.2,55.1,55.2,58.8,60.0,114.4,114.9,126.7,128.1,128.3,139.2,143.5,151.3.HRMS(ESI+ve):実測値309.1955[M+H]、C2024O理論値309.1961.
一般的手順GP10を用いて、85℃で1hにわたり、2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE、25mL)中のパラジウムブラック(100mg)、2-ベンジル-5-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4c]ピロール(1.0g、3.24mmol)、及び1,4-シクロヘキサジエン(3.1mL、32.4mmol×2)から、2-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを調製した。灰白色固体を得てさらなる精製に供した(860mg、定量的)。
一般的手順GP4を用いて、rtで16hにわたり、は、粗製2-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(約1.08 mmol)、トリエチルアミン(1.5mL、10.8mmol)、エチルイソシアネート(86μL、1.08mmol)、及びジクロロメタン(4.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して灰白色固体として所望の化合物を与えた(197mg、63%)。H NMR((CDSO,500MHz):0.99(3H,t,J=6.9Hz),2.93-2.97(2H,m),2.99-3.05(4H,m),3.15(2H,dd,J=3.9,10.7Hz),3.34(2H,dd,J=7.1,9.5Hz),3.49(2H,dd,J=7.3,10.7Hz),3.65(3H,s),6.09(1H,t),6.51(2H,d,J=9.0Hz),6.79(2H,d,J=9.0Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):15.8,34.6,41.2,50.4,53.2,55.3,113.1,114.6,142.7,150.7,156.5.HRMS(ESI+ve):実測値290.1861[M+H]、C1624理論値290.1863.
実施例16: cis-N-シクロヘキシル-5-(4-メトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000111
一般的手順GP4を用いて、rtで16hにわたり、粗製2-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(約1.08mmol)、トリエチルアミン(1.5mL、10.8mmol)、シクロヘキシルイソシアネート(140μL、1.08mmol)、及びDCM(4.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→15%)により精製して灰白色固体として所望の化合物を与えた。H NMR((CDSO,500MHz):1.01-1.26(4H,m),1.53-1.57(2H,m),1.64-1.74(4H,m),2.92-2.98(2H,m),3.04(2H,dd,J=3.4,9.5Hz),3.15(2H,dd,J=3.6,10.6Hz),3.22-3.40(3H,m),3.49(2H,dd,J=7.7,11.0Hz),3.65(3H,s),5.73(1H,d,J=8.2Hz),6.51(2H,d,J=9.2Hz),6.79(2H,d,J=9.2Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):25.1,25.4,33.3,41.2,48.8,50.5,53.2,55.3,113.1,114.6,142.7,150.7,155.9.HRMS(ESI+ve):実測値344.2335[M+H]、C2030理論値344.2333.
実施例17: cis-N-(2-ヒドロキシエチル)-5-(4-メトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000112
一般的手順GP2を用いて、rtで1hにわたり、粗製2-(4-メトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(約1.08 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、10.8mmol)、トリホスゲン(193mg、0.65mmol)、エタノールアミン(1.6mL、27.0mmol)、DCM(4.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)により精製して灰白色固体として所望の化合物を与えた(202mg、61%)。H NMR((CDSO,500MHz):2.94-2.97(2H,m),3.03-3.10(4H,m),3.15(2H,dd,J3.7,10.9Hz),3.32-3.38(4H,m),3.50(2H,dd,J=7.3,10.1Hz),3.65(3H,s),4.63(1H,t,J=5.6Hz),6.10(1H,t,J=5.4Hz),6.51(2H,d,J9.1Hz),6.79(2H,d,J=9.1Hz);13C NMR((CDSO,125MHz):41.3,42.7,50.5,53.1,55.3,60.8,113.1,114.6,142.7,150.7,156.8.HRMS(ESI+ve):実測値306.1807[M+H]、C1624理論値306.1812.
実施例18:4-ニトロフェニル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート
Figure 0007437322000113
一般的手順GP4に従って、rtで48hにわたり、THF(20mL)、中の4-ニトロフェニルクロロホルメート(500mg、2.5mmol)、2-(4-エトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4c]ピロール塩酸塩(600mg、2.2mmol)、トリメチルアミン(980μL、7mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→45%)により粗製物を精製して所望の化合物を与えた(400mg、46%)。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.30-8.23(m,2H),7.48-7.41(m,2H),6.84-6.77(m,2H),6.53(d,J=8.9Hz,2H),3.95-3.83(m,3H),3.70(dd,J=11.4,7.5Hz,1H),3.49(dd,J=11.1,4.6Hz,1H),3.39-3.30(m,3H),3.20(td,J=9.6,4.0Hz,2H),3.08(dtd,J=13.7,7.2,6.7,3.7Hz,2H),1.27(t,J=6.9Hz,3H).MS(ESI)m/z398[M+H]
実施例19: cis-N-エチル-5-(4-((R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000114
一般的手順GP6に従って、90℃で16hにわたり、4-ブロモ-1-ヨードベンゼン(1.39g、4.90mmol)、tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(800mg、3.77mmol)、CuI(72.1mg、10%)、L-プロリン(86.8mg、20%)、KCO(67.7mg、4.90mmol)、及びDMSO(19mL)から、tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→25%)、白色固体(753mg、54%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 7.31-7.25(m,2H),6.55-6.50(m,2H),3.67-3.55(m,2H),3.55-3.44(m,2H),3.26(dd,J=11.4,3.9Hz,2H),3.23-3.14(m,2H),3.11-3.01(m,2H),1.42(s,9H).MS(ESI)m/z367/369(M+H)
一般的手順GP5に従って、100℃で16hにわたり、Pd(OAc)(20.0mg、5%)、XPhos(65.2mg、10%)、NaOBu(157mg、1.64mmol)、tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(500mg、1.37mmol)、(R)-3-(ベンジルオキシ)ピロリジン(290mg、1.64mmol)、及びBuOH/トルエン(1:5、13.6mL)から、tert-ブチル5-(4-((R)-3-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→60%)、白色固体(397mg、63%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 7.44-7.19(m,5H),6.55(br,4H),4.59(d,J=15.0Hz,1H),4.57(d,J=15.0Hz,1H),4.32(m,1H),3.68-2.92(m,14H),2.24-2.09(m,2H),1.42(s,9H).
一般的手順GP1に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(4.2mL)及びDCM(4.2mL)中のtert-ブチル5-(4-((R)-3-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(392mg、0.847mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、EtN(590μL、4.23mmol)、EtNCO(87.1μL、1.10mmol)、及びDCM(6.3mL)から、5-(4-((R)-3-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-イル)フェニル)-N-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミドを合成した。クロマトグラフィー(THF/DCM0→60%)、ベージュ色固体(210mg、57%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 7.44-7.18(m,5H),6.54(br,4H),5.43(br,1H),4.59(d,J=15.0Hz,1H),4.57(d,J=15.0Hz,1H),4.32(m,1H),3.67-2.96(m,16H),2.23-2.10(m,2H),1.04(t,J=7.2Hz,3H).MS(ESI)m/z435(M+H)
5-(4-((R)-3-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1-イル)フェニル)-N-エチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド(210mg、0.484mmol)と、BCl(DCM中1.0M、2.42mL、2.42mmol)と、DCM(2.9mL)との混合物をrtで16h撹拌した。MeOH(2.9mL)を添加し、混合物をrtで2h撹拌し、続いて、EtN(2.9mL)を注意深く添加した。さらに0.5h撹拌した後、混合物をDCMで希釈した(10mL)。溶液を0.5M NaOH(20mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、そして減圧下で溶媒を除去した。クロマトグラフィー(THF/DCM0→100%)により粗製物を精製してベージュ色固体として標記化合物を与えた(139mg、84%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.59-7.52(m,2H),7.11-7.06(m,2H),4.71(m,1H),3.93(dd,J=12.3,4.6Hz,1H),3.86-3.80(m,2H),3.79-3.70(m,4H),3.57-3.49(m,3H),3.45(dd,J=10.7,4.5Hz,2H),3.30-3.26(m,4H),2.40(m,1H),2.26-2.19(m,1H),1.17(t,J=7.2Hz,3H).13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 158.46,145.60,139.00,122.70,117.28,70.59,66.06,58.21,56.10,51.76,42.72,37.29,35.13,15.44.C1929([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値345.2290、観測値345.2272.
実施例20: cis-5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)-N-エチルヘキサヒドロ-ピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000115
一般的手順GP5に従って、100℃で16hにわたり、Pd(OAc)(10.0mg、5%)、XPhos(32.6mg、10%)、NaOBu(78.7mg、0.820mmol)、tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(250mg、0.683mmol)、N,N,N-トリメチルプロパン-1,3-ジアミン(120μL、0.820mmol)、及びBuOH/トルエン(1:5、6.8mL)から、tert-ブチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ-[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→60%)、褐色油(197mg、72%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 6.78-6.69(m,2H),6.59-6.52(m,2H),3.69-3.54(m,2H),3.44-3.34(m,2H),3.31-3.20(m,4H),3.18-3.09(m,2H),3.01(s,2H),2.79(s,3H),2.25(t,J=6.9Hz,2H),2.15(s,6H),1.70-1.61(m,2H),1.43(s,9H).MS(ESI)m/z403(M+H)
一般的手順GP1及びGP4に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(85mg、0.211mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、EtN(441μL、3.16mmol)、EtNCO(21.7μL、0.274mmol)、及びDCM(3.0mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→80%)、褐色固体(49mg、63%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.67-7.55(m,2H),6.89-6.77(m,2H),3.82-3.62(m,6H),3.40(dd,J=10.9,3.8Hz,2H),3.36-3.30(m,2H),3.29-3.18(m,9H),2.87(s,6H),2.12-1.99(m,2H),1.16(t,J=7.2Hz,3H).13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 158.77,149.11,130.79,123.21,114.97,56.87,55.37,53.83,51.79,46.68,43.59,42.98,37.10,21.97,15.72.C2136O([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値374.2920、観測値374.2916.
実施例21: cis-4-(5-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000116
一般的手順GP10に従って、70℃で3hにわたり、2-ベンジル-5-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(1.0g、2.85mmol)、10%Pd/C(606mg、20%)、シクロヘキサジエン(2.70mL、28.5mmol)、及び2,2,2-トリフルオロエタノール(14.3mL)から、2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを合成した。粗製物をクロマトグラフィー(MeOH/DCM中2N NH0→35%)により精製して桃色固体として与えた(536mg、72%)。H NMR(500MHz,メタノール-d)δ 6.81-6.77(m,2H),6.64-6.56(m,2H),3.95(d,J=7.1Hz,1H),3.93(d,J=7.0Hz,1H),3.41(d,J=9.4Hz,2H),3.04(d,J=11.6Hz,2H),2.91(d,J=9.4Hz,2H),2.78(d,J=11.6Hz,2H),1.33(t,J=7.0Hz,3H),1.11(s,6H).MS(ESI)m/z261(M+H)
一般的手順GP3に従って、rtで16hにわたり、DMF(10.2mL)中の4-ブロモブタンニトリル(243μL、2.45mmol)、2-(4-エトキシフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(530mg、2.04mmol)、及びEtN(341μL、2.45mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー精製(THF/シクロヘキサン0→50%)により明褐色油を与えた(330mg、50%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 6.81-6.75(m,2H),6.63-6.56(m,2H),3.95(d,J=7.0Hz,1H),3.92(d,J=7.0Hz,1H),3.30(d,J=9.1Hz,2H),2.97(d,J=9.1Hz,2H),2.70(d,J=8.8Hz,2H),2.53-2.44(m,4H),2.40(d,J=9.0Hz,2H),1.82-1.73(m,2H),1.30(t,J=7.0Hz,3H),1.12(s,6H).13C NMR(126MHz,アセトン-d)δ 152.07,144.90,120.71,116.14,115.62,68.74,64.32,64.25,54.17,50.11,25.19,21.70,15.32,14.91.C2030O([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値328.2383、観測値328.2390.
実施例22: cis-N-エチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000117
一般的手順GP6に従って、90℃で16hにわたり、4-ブロモ-1-ヨードベンゼン(2.0g、7.07mmol)、1-(メチルスルホニル)ピペラジン(1.16g、7.07mmol)、CuI(135mg、10%)、L-プロリン(81.3mg、10%)、KCO(1.17g、8.48mmol)、及びDMSO(23.6mL)から、1-(4-ブロモフェニル)-4-(メチルスルホニル)ピペラジンを合成した。クロマトグラフィー(THF/シクロヘキサン0→10%)、白色固体(619mg、27%)。H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.45-7.35(m,2H),6.93-6.82(m,2H),3.47-3.38(m,4H),3.32-3.25(m,4H),2.85(s,3H).MS(ESI)m/z319/321(M+H)
一般的手順GP5に従って、100℃で16hにわたり、Pd(OAc)(56.7mg、5%)、XPhos(184mg、10%)、NaOBu(444mg、4.63mmol)、tert-ブチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(981mg、4.63mmol)、1-(4-ブロモフェニル)-4-(メチルスルホニル)ピペラジン(1.23g、3.86mmol)、及びBuOH/トルエン(1:5、19.3mL)から、tert-ブチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(THF/DCM0→100%、次いで、THF100%中20%EtN)、黄色固体(839mg、48%)。MS(ESI)m/z451(M+H)
一般的手順GP1及びGP4に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.444mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、EtN(371μL、2.66mmol)、EtNCO(45.7μL、0.577mmol)、及びDCM(3.0mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(アセトン/DCM0→80%)、白色固体(125mg、67%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.67-7.61(m,2H),6.90-6.83(m,2H),3.83-3.71(m,10H),3.70-3.63(m,2H),3.42(dd,J=10.9,3.8Hz,2H),3.37-3.33(m,2H),3.29-3.19(m,4H),3.03(s,3H),1.16(t,J=7.2Hz,3H).13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 158.59,148.26,133.08,122.80,115.27,56.06,54.24,51.76,44.44,42.84,37.15,35.98,15.53.C2032S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値422.2220、観測値422.2203.
実施例23: cis-4-(5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000118
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.444mmol)、4M HCl、ii)90℃で16hにわたり、KCO(368mg、2.66mmol)、4-ブロモブタンニトリル(132μL、1.35mmol)、及びDMF(3.0mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→80%)、白色固体(55mg、30%)。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 6.91-6.82(m,2H),6.64-6.55(m,2H),3.31-3.19(m,6H),3.08-3.00(m,4H),2.94(dd,J=9.1,3.2Hz,2H),2.91(s,3H),2.85-2.78(m,2H),2.65-2.57(m,2H),2.47(t,J=7.1Hz,2H),2.41(t,J=6.9Hz,2H),2.39-2.33(m,2H),1.70(p,J=7.1Hz,2H).13C NMR(126MHz,DMSO-d)δ 143.67,142.35,120.65,118.33,114.58,59.95,54.92,53.14,49.90,45.54,41.05,33.75,23.90,14.19.C2132S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値418.2271、観測値418.2254.
実施例24: cis-4-(5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000119
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.498mmol)、4M HCl、ii)90℃で16hにわたり、KCO(412mg、2.99mmol)、4-ブロモブタンニトリル(742μL、7.46mmol)、及びDMF(2.5mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→60%)、無色油(95mg、52%)。2種の主要回転異性体の混合物のH NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.62-7.56(m,2H),7.01-6.92(m,2H),4.06(m,1H),3.77-3.57(m,5H),3.56-3.31(m,6H),3.29-3.19(m,6H),3.07-2.98(m,1H),2.86(s,6H),2.66(q,J=7.2Hz,2H),2.20-2.11(m,2H),2.08-1.99(m,2H).2種の主要回転異性体の混合物の13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 150.24,149.28,131.81,131.45,125.91,122.92,122.82,122.72,119.75,116.51,116.39,60.43,59.80,56.65,56.57,55.19,55.16,54.85,53.69,53.34,46.40,46.26,43.41,41.76,41.65,22.95,22.75,21.79,14.92,14.89.C2236([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値370.2965、観測値370.2960.
実施例25: cis-5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000120
一般的手順GP1及びGP2に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(メチル)アミノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.498mmol)、4M HCl、ii)rtで1hにわたり、トリホスゲン(73.8mg、0.249mmol)、DIPEA(519μL、2.99mmol)、及びDCM(2.5mL)、次いでrt℃で16hにわたり、エタノールアミン(90.1μL、1.49mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(EtOH/DCM0→60%で20%のEtN)、褐色固体(23mg、12%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.61-7.54(m,2H),6.86-6.75(m,2H),3.80-3.57(m,8H),3.43-3.28(m,6H),3.27-3.15(m,7H),2.86(s,6H),2.08-1.97(m,2H).13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 159.21,149.09,130.40,122.99,114.60,62.22,56.71,55.23,53.55,51.54,46.54,44.26,43.46,42.88,21.85.C2136([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値390.2864、観測値390.2850.
実施例26: cis-N-(2-ヒドロキシエチル)-5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000121
一般的手順GP1及びGP2に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.444mmol)、4M HCl、ii)rtで1hにわたり、トリホスゲン(52.7mg、0.178mmol)、DIPEA(463μL、2.66mmol)、及びDCM(2.5mL)、次いでrt℃で16hにわたり、エタノールアミン(80.4μL、1.33mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(プロパン-2-オール/DCM0→45%)、白色固体(42mg、22%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.67-7.61(m,2H),6.94-6.85(m,2H),3.82-3.72(m,10H),3.70-3.63(m,4H),3.49-3.43(m,2H),3.41-3.34(m,4H),3.28-3.21(m,2H),3.03(s,3H).13C NMR (126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 159.19,148.13,133.19,122.81,122.81,122.71,115.36,62.21,56.05,54.31,51.76,44.53,44.44,42.87,35.97.C2032S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値438.2170、観測値438.2154.
実施例27: cis-N-エチル-3a,6a-ジメチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000122
一般的手順GP5に従って、100℃で6hにわたり、Pd(OAc)2(37.3mg、5%)、XPhos(121mg、10%)、NaOtBu(292mg、3.05mmol)、tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(1.0g、3.07mmol)、1-(メチルスルホニル)ピペラジン(499mg、3.05mmol)、及びtBuOH/トルエン(1:5、12.7mL)から、tert-ブチル3a,6a-ジメチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(THF/シクロヘキサン0→60)、橙色固体(702mg、48%)。1H NMR(500MHz,アセトン-d6)δ 6.95-6.90(m,2H),6.52-6.45(m,2H),3.46(d,J=11.1Hz,2H),3.38(d,J=9.5Hz,2H),3.36-3.26(m,6H),3.25-3.20(m,2H),3.12-3.06(m,4H),2.87(s,3H),1.43(s,9H),1.15(s,6H).MS(ESI)m/z479(M+H)+.
一般的手順GP1及びGP4に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.0mL)及びDCM(2.0mL)中のtert-ブチル3a,6a-ジメチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.418mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、EtN(350μL、2.51mmol)、EtNCO(40.0μL、0.502mmol)、及びDCM(2.8mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(THF/シクロヘキサン0→50%)、白色固体(182mg、97%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.64-7.57(m,2H),6.70-6.64(m,2H),3.83-3.73(m,8H),3.55(d,J=10.8Hz,2H),3.48(d,J=10.1Hz,2H),3.43(d,J=10.7Hz,2H),3.35-3.31(m,2H),3.25(q,J=7.2Hz,2H),3.03(s,3H),1.19(s,6H),1.15(t,J=7.2Hz,3H).
2236S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値450.2533、観測値450.2503.
tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
Figure 0007437322000123
一般的手順GP7に従って、100℃で16hにわたり、4-ブロモアニリン(1.37g、7.94mmol)、3,4-ジメチルフラン-2,5-ジオン(1.0g、7.94mmol)、及びAcOH(8.0mL)から、1-(4-ブロモフェニル)-3,4-ジメチル-1H-ピロール-2,5-ジオンを合成した。クロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→50%)により粗製物を精製して白色固体を与えた(1.74g、79%)。H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.61-7.56(m,2H),7.31-7.26(m,2H),2.07(s,6H).MS(ESI)m/z280/282(M+H)
一般的手順GP8に従って、rtで20hにわたり、DCM(211mL)中のN-ベンジル-1-メトキシ-N-((トリメチルシリル)メチル)メタンアミン(39.0g、165mmol)、トリフルオロ酢酸(2.90mL、30%)、及び1-(4-ブロモフェニル)-3,4-ジメチル1Hピロール-2,5-ジオン(35.4g、127mmol)から、5-ベンジル-2-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1,3(2H,3aH))-ジオンを合成した。粗製物をEtOAc/シクロヘキサンから再結晶して白色結晶固体を与えた(38.5g、73%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 7.74-7.67(m,2H),7.35-7.21(m,7H),3.59(s,2H),3.42-3.34(m,2H),2.28-2.23(m,2H),1.33(s,6H).MS(ESI)m/z413/415(M+H)
一般的手順GP9に従って、90℃で16hにわたり、BH.THF(1.0M、194mL、194mmol)、5-ベンジル-2-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルテトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール1,3(2H,3aH)-ジオン(20.0g、48.4mmol)、及び1,4-ジオキサン(194mL)から、2-ベンジル-5-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロールを合成した。クロマトグラフィー(THF/シクロヘキサン0→25%)により粗製物を精製して、無色シロップ剤を与えた(13.8g、74%)。H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.34-7.19(m,7H),6.51-6.44(m,2H),3.60(s,2H),3.39(d,J=9.3Hz,2H),3.08(d,J=9.3Hz,2H),2.78(d,J=9.2Hz,2H),2.47-2.38(m,2H),1.13(s,6H).MS(ESI)m/z385/387(M+H)
MeCN(119mL)中の2-ベンジル-5-(4-ブロモフェニル)-3a,6a-ジメチルオクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール(13.7g、35.7mmol)の溶液に1-クロロエチルクロロホルメート(4.62mL、42.8mmol)を添加し、混合物を70℃で1h撹拌した。rtに冷却した後、減圧下で溶媒を除去した。DCM(119mL)を添加し、続いてEtN(14.9mL、107mmol)及びBocO(9.82mL、42.8mmol)を添加し、混合物をrtで16h撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。シクロヘキサン(200mL)を添加し、懸濁液を10分間撹拌した。混合物を濾過し、固形分をシクロヘキサンで何回も洗浄した。濾液を採取し、減圧下で溶媒を除去した。粗製物をクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン0→20%)により精製してtert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)-3a6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを白色固体として与えた(14.1g、定量的)。H NMR(500MHz,クロロホルム-d)δ 7.32-7.28(m,2H),6.40-6.35(m,2H),3.62-3.12(m,8H),1.46(s,9H),1.14(s,6H).MS(ESI)m/z339/341(M-Bu+2H)
実施例28: cis-N-(2-ヒドロキシエチル)-3a,6a-ジメチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000124
一般的手順GP1及びGP2に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.0mL)及びDCM(2.0mL)中のtert-ブチル3a,6a-ジメチル-5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.418mmol)、4M HCl、ii)rtで15minにわたり、トリホスゲン(49.7mg、0.167mmol)、DIPEA(437μL、2.51mmol)、及びDCM(2.8mL)、次いで、rtで16hにわたり、エタノールアミン(101μL、1.67mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→100%)、薄黄色固体(103mg、53%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.65-7.57(m,2H),6.72-6.64(m,2H),3.84-3.72(m,8H),3.65(t,J=5.5Hz,2H),3.58(d,J=10.8Hz,2H),3.51-3.43(m,4H),3.39-3.32(m,4H),3.04(s,3H),1.20(s,6H).13C NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 159.40,149.80,130.76,122.97,113.35,62.31,58.93,57.57,56.54,50.72,44.53,44.46,36.14,18.71.C2236S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値466.2483、観測値466.2450.
実施例29: cis-4-(3a,6a-ジメチル-5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000125
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.0mL)及びDCM(2.0mL))中のtert-ブチル3a,6a-ジメチル5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.418mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、KCO(346mg、2.51mmol)、4-ブロモブタンニトリル(166μL、1.67mmol)、及びDMF(2.8mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(THF/DCM中20%EtN0→60%)、白色固体(100mg、54%)。回転異性体の混合物のH NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.68-7.61(m,2H),6.89-6.81(m,2H),3.94-3.71(m,12H),3.44-3.32(m,4H),3.14(dd,J=10.6,1.8Hz,2H),3.03(s,3H),2.63(t,J=7.3Hz,2H),2.23-2.11(m,2H),1.31(s,3H),1.30(s,3H).回転異性体の混合物の13C NMR(126MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 150.12,149.97,132.25,132.08,122.91,122.82,119.78,115.61,115.18,65.89,65.50,60.97,60.42,56.36,56.20,55.96,54.78,51.31,50.91,44.33,36.03,22.80,19.54,19.51,14.91.C2336S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値446.2864、観測値446.2566.
実施例30: cis-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000126
一般的手順GP5に従って、100℃で6hにわたり、Pd(OAc)(37.3mg、5%)、XPhos(121mg、10%)、NaOBu(292mg、3.05mmol)、tert-ブチル5-(4-ブロモフェニル)、-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(1.0g、3.07mmol)、チオモルホリン1,1-ジオキシド(411mg、3.05mmol))及びBuOH/トルエン(1:5、12.7mL)から、tert-ブチル5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを合成した。クロマトグラフィー(THF/シクロヘキサン0→60)、黄色フォーム(668mg、49%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 7.01-6.94(m,2H),6.51-6.44(m,2H),3.61-3.55(m,4H),3.46(d,J=11.1Hz,2H),3.38(d,J=9.5Hz,2H),3.34-3.19(m,4H),3.12-3.07(m,4H),1.42(s,9H),1.15(s,6H).MS(ESI)m/z450(M+H)
一般的手順GP1及びGP2に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.0mL)及びDCM(2.0mL)中のtert-ブチル5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.445mmol)、4M HCl、ii)rtで15minにわたり、トリホスゲン(52.9mg、0.178mmol)、DIPEA(465μL、2.67mmol)、及びDMF(3.0mL)、次いでrtで16hにわたり、エタノールアミン(107μL、1.78mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%のEtN THF/DCM中0→80%)、薄黄色フォーム(55mg、28%)。H NMR(500MHz,メタノール-dH NMR(500MHz,メタノール-d)δ 6.96(s,2H),6.49(s,2H),3.67-3.45(m,8H),3.36(s,8H),3.18-3.12(m,4H),1.16(s,6H).C2133S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値437.2217、観測値437.2177.
実施例31: cis-4-(3a,6a-ジメチル-5-(4-(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000127
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.0mL)及びDCM(2.0mL)中のtert-ブチル5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.445mmol)、4M HCl、ii)rtで16hにわたり、KCO(369mg、2.67mmol)、4-ブロモブタンニトリル(177μL、1.78mmol)、及びDMF(3.0mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(20%EtN THF/DCM中0→40%)、薄黄色固体(105mg、56%)。H NMR(500MHz、内部標準としてDCMを有するDCl/メタノールd)δ 7.54-7.48(m,2H),7.42-7.21(m,2H),4.15-3.96(m,7H),3.76(s,2H),3.60(dt,J=11.3,4.8Hz,4H),3.54-3.35(m,5H),2.70-2.64(m,2H),2.25-2.16(m,2H),1.42(s,6H).C2233S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値417.2319、観測値417.2302.
実施例32: cis-4-(5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ブタンニトリル
Figure 0007437322000128
一般的手順GP3に従って、60℃で3hにわたり、4-ブロモブタンニトリル(52.0μL、0.523mmol)、4-(4-(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)フェニル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(140mg、0.436mmol)、KCO(120mg、0.872mmol)、及びDMF(4.4mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー精製(THF/DCM0→100%)により白色固体を与えた(116mg、69%)。H NMR(500MHz,アセトン-d)δ 6.97(dd,J=8.7,1.9Hz,2H),6.68-6.64(m,2H),3.66-3.59(m,4H),3.42-3.35(m,2H),3.15-3.09(m,4H),3.04(dd,J=9.2,3.4Hz,2H),2.94-2.88(m,2H),2.70-2.64(m,2H),2.52-2.47(m,6H),1.81(p,J=6.9Hz,2H).13C NMR(126MHz,アセトン)δ 145.31,141.56,138.29,120.01,115.64,60.95,55.92,54.03,51.67,50.33,42.51,25.29,14.97.C2029S([M+H])に対するHRMS(ESI):計算値389.2006、観測値389.1987.
実施例33: cis-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)-5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン
Figure 0007437322000129
一般的手順GP1及びGP2を用いて、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(2.9mL)中のtert-ブチル5-(4-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)フェニル)-3a,6a-ジメチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(130mg、0.289mmol)及び4M HCl、次いで、ii)rtで15minにわたり、トリホスゲン(43mg、0.145mmol)、TEA(403μL、2.89mmol)、及びDCM(3.0mL)、次いでrtで2日間にわたり、チオモルホリン-1,1-ジオキシド(195.3mg、1.45mmol)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→5%)、次いで、分取HPLC(MeOH/HO40→100%+0.1%HCOOH)により精製して白色固体を与えた(26.6mg、18%)。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 6.94-6.89(m,2H),6.43-6.39(m,2H),3.60-3.45(m,10H),3.34-3.26(m,4H),3.16-3.08(m,10H),1.06(s,6H).C2335(M+H)に対するHRMS計算値511.2049、実測値511.2015.
実施例34: cis-(1,1-ジオキシドチオモルホリノ)(5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン
Figure 0007437322000130
一般的手順GP1及びGP2を用いて、i)rtで1hにわたり、tert-ブチル-5-(4-エトキシフェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(87.1mg、0.26mmol)及びHCl(ジオキサン中4.0M、1.31mL)、次いでii)rtで16hにわたり、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(182μL、1.05mmol)、トリホスゲン(38.9mg、0.13mmol)、チオモルホリン-1,1-ジオキシド(141.7mg、1.05mmol)、及びジクロロメタン(2.0mL)から、標記化合物を調製した。クロマトグラフィー(MeOH/EtOAc0→10%)、次いで、分取HPLC(MeOH/HO10→100%+0.1%HCOOH)により精製して白色固体を与えた(27.6mg、27%)。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 6.83-6.75(m,2H),6.54-6.47(m,2H),3.90(q,J=6.9Hz,2H),3.70-3.52(m,6H),3.38-3.23(m,4H),3.18-3.03(m,6H),3.00-2.80(m,2H),1.27(t,J=7.0Hz,3H);C1928S(M+H)に対するHRMS計算値394.1801、実測値394.1759.
実施例35: cis-2-(4-エトキシフェニル)-5-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール
Figure 0007437322000131
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.0mL、4.0mmol)中のtert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(200mg、0.60mmol)及び4M HCl、ii)75℃で24hにわたり、トリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)、1-(2-クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(123mg、0.72mmol)、及びアセトニトリル(3mL)から、標記化合物を合成した。粗製物をクロマトグラフィー(塩基性アルミナ、50~100%エチルアセテート/シクロヘキサン、次いで、0~15%MeOH/エチルアセテート)により精製して灰白色固体として与えた(52mg、収率26%)。H NMR(CDCl,500MHz)δ 6.82(d,2H,J=9.0Hz),6.63(d,2H,J=9.0Hz),3.97(q,2H,J=7.0Hz),3.22-3.19(m,2H),3.14(dd,2H,J=9.3,2.4Hz),2.98-2.88(m,4H),2.62(s,4H),2.54(br s,4H),2.32(dd,2H,J=8.4,4.2Hz),1.78-1.76(m,4H),1.37(t,3H,J=7.0Hz);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 151.2,143.8,115.6,115.1,64.1,61.3,55.3,55.0,54.8,54.5,41.7,23.4,15.0;LCMSm/z330.2538実測値(M+H)、C2032Oに対する計算値330.2540.
実施例36: cis-1-(2-(5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)エチル)-ピロリジン-2,5-ジオン
Figure 0007437322000132
一般的手順GP1及びGP3に従って、i)rtで1hにわたり、ジオキサン(1.12mL、4.5mmol)中のtert-ブチル-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(300mg、0.90mmol)、4M HCl、ii)70℃で72hにわたり、トリエチルアミン(0.5mL、3.6mmol)、2-ブロモエチルスクシンイミド(222mg、1.08mmol)、及びアセトニトリル(4.5mL)から、標記化合物を合成した。クロマトグラフィー(塩基性アルミナ、20~100%、エチルアセテート/シクロヘキサン、次いで、シリカ、75~100%(9.5:0.5エチルアセテート:トリエチルアミン)/シクロヘキサン、次いで、0~10%メタノール/(9.5:0.5エチルアセテート:トリエチルアミン)により粗製物を精製して灰白色固体を与えた(180mg、収率56%)。H NMR(CDCl,500MHz)δ 6.81(d,2H,J=9.0Hz,ArH),6.61(d,2H,J=9.0Hz),3.96(q,2H,J=7.0Hz),3.63(t,2H,J=6.4Hz),3.33-3.26(m,2H),2.99(dd,2H,J=9.1,2.4Hz),2.86(br s,2H),2.71(br s,2H),2.66-2.62(m,2H),2.58(s,4H),2.51(dd,2H,J=8.9,3.2Hz),1.37(t,3H,J=7.0Hz);LCMSm/z358.2117実測値(M+H)、C2028に対する計算値358.2125.
実施例37: cis-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル(モルホリノ)メタノン
Figure 0007437322000133
一般的手順GP1及びGP2を用いて、i)rtで4hにわたり、tertブチル-5-(4-エトキシフェニル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(259mg、0.78mmol)及びHCl(ジオキサン中4.0M、7mL)、次いでii)-20℃で1hにわたり、次いでrtで16hにわたり、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(679μL、3.90mmol)、トリホスゲン(116mg、0.39mmol)、モルホリン(336μL、3.90mmol)、及びジクロロメタン(6mL)から、標記化合物を調製した。再結晶(アセトニトリル)により無色固体としてcis-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル(モルホリノ)メタノンを与えた(198mg、74%)。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 6.78(d,J=9.0Hz,2H),6.50(d,J=9.0Hz,2H),3.90(q,J=7.0Hz,2H),3.69-3.49(m,6H),3.45-3.27(m,2H),3.22(dd,J=11.0,4.0Hz,2H),3.17-3.09(m,4H),3.04(dd,J=9.5,4.0Hz,2H),2.98-2.86(m,2H),1.27(t,J=7.0Hz,3H);MS(ES+)m/z=346(M+H,100).
実施例38: cis-N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ2Hチオピラン-4-イル)-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000134
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(120mg、0.36mmol)をジオキサン中4M HCl(2.3mL、9.0.mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(5mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.38mL、2.16mmol)、次いで、トリホスゲン(53mg、0.18mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、4-アミノテトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシド(107mg、0.72mmol)を添加して48時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、これを塩基性アルミナ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、80~100%エチルアセテート/石油エーテル、次いで、0~30%メタノール/エチルアセテートを用いて溶出させ、白色固体として標記化合物を与えた(25mg、収率17%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.84(d,2H,J=9.0Hz),6.51(d,2H,J=9.0Hz),4.17(d,1H,J=7.5Hz),3.96(q,3H,J=6.9Hz),3.66-3.60(m,2H),3.49-3.43(m,2H),3.32(dd,2H,J=9.9,3.2Hz),3.19(dd,2H,J=9.4,3.0Hz),3.12-3.00(m,6H),2.36-2.26(m,2H),2.14-2.00(m,2H),1.37(t,3H,J=7.0Hz)ppm;LCMSm/z408.1実測値(M+H)、C2030Sに対する計算値408.1952.
実施例39: cis-5-(4-エトキシフェニル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000135
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)をジオキサン中4M HCl(1.9mL、7.5mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31mL、1.82mmol)、次いで、トリホスゲン(45mg、0.15mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、4-アミノテトラヒドロピラン(0.078mL、0.75mmol)を添加して72時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、それを0~30%エチルアセテート/石油エーテルで洗浄して灰白色固体として標記化合物を与えた(91mg、収率84%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.84(d,2H,J=9.0Hz),6.53(d,2H,J=9.0Hz),4.00-3.91(m,5H),3.63(dd,2H,J=10.0,7.5Hz),3.50-3.42(m,4H),3.33(dd,2H,J=10.1,3.9Hz),3.19(dd,2H,J=9.4,3.7Hz),3.08-3.01(m,2H),1.94-1.89(m,2H),1.55-1.43(m,3H),1.37(t,3H,J=7.0Hz)ppm;LCMSm/z360.1実測値(M+H)、C2030に対する計算値360.2282.
実施例40: (4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)(cis-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン
Figure 0007437322000136
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)をジオキサン中4M HCl(1.9mL、7.5mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31mL、1.81mmol)、次いで、トリホスゲン(45mg、0.15mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、4,4-ジフルオロピペリジン塩酸塩(119mg、0.75mmol)を添加して72時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、これを塩基性アルミナ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、10%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶出させ、灰白色固体として標記化合物を与えた(102mg、収率89%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.84(d,2H,J=9.0Hz),6.53(d,2H,J=9.0Hz),3.97(q,2H,J=7.0Hz),3.74(dd,2H,J=10.9,7.6Hz),3.46-3.30(m,6H),3.17(dd,2H,J=9.5,3.6Hz),3.01-2.95(m,2H),2.06-1.90(m,6H),1.37(t,3H,J=7.0Hz)ppm;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -97.2 ppm;LCMSm/z380.1実測値(M+H)、C2028に対する計算値380.2144.
実施例41: (cis-5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)(4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)メタノン
Figure 0007437322000137
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)をジオキサン中4M HCl(1.9mL、7.5mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31mL、1.81mmol)、次いで、トリホスゲン(45mg、0.15mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、1-(メチルスルホニル)ピペラジン(124mg、0.75mmol)を添加して72時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、これを塩基性アルミナ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、5~20%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶出させ、灰白色固体として標記化合物を与えた(122mg、収率96%)。H NMR(DMSO-d,300MHz)δ 6.78(d,2H,J=9.0Hz),6.50(d,2H,J=9.0Hz),3.90(q,2H,J=7.0Hz),3.62(dd,2H,J=10.9,7.3Hz),3.29-3.22(m,8H),3.12-3.05(m,8H),2.87(s,3H),1.27(t,3H,J=7.0Hz)ppm;LCMSm/z423.1実測値(M+H)、C2031Sに対する計算値423.2061.
実施例42: 1-(cis-5-(4-エトキシフェニル)オクタヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2-カルボニル)ピペリジン-4-カルボニトリル
Figure 0007437322000138
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)をジオキサン中4M HCl(1.9mL、7.5mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31mL、1.82mmol)、次いで、トリホスゲン(45mg、0.15mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、4-カルボニトリルピペリジン(0.084mL、0.75mmolを添加して72時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、これを塩基性アルミナ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、0~20%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶出させ、白色固体として標記化合物を与えた(95mg、収率86%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.84(d,2H,J=9.0Hz),6.53(d,2H,J=9.0Hz),3.97(q,2H,J=7.0Hz),3.72(dd,2H,J=10.9,7.6Hz),3.53-3.40(m,5H),3.30(dd,2H,J=11.0,4.4Hz),3.22-3.11(m,5H),3.00-2.94(m,2H),1.91-1.79(m,3H),1.37(t,3H,J=7.0Hz)ppm;LCMSm/z369.1実測値(M+H)、C2129に対する計算値369.2285.
実施例43: cis-N-(2-シアノエチル)-5-(4-エトキシフェニル)-N-メチルヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-カルボキサミド
Figure 0007437322000139
tert-ブチル5-(4-エトキシフェニル)ヘキサヒドロピロロ[3,4c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.30mmol)をジオキサン中4M HCl(1.9mL、7.5mmol)に溶解させ、室温窒素下で1時間撹拌した後、反応混合物を真空濃縮及び真空乾燥させた。次いで、フラスコを窒素でパージし、残渣を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(0.31mL、1.82mmol)、次いで、トリホスゲン(45mg、0.15mmol)を溶液に添加し、これを窒素下室温で1時間撹拌した後、3-(メチルアミノ)プロパンニトリル(0.07mL、0.75mmol)を添加して72時間連続撹拌した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(20mL)と飽和aq.NaHCO(20mL)との間で分離した。水性相をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、そして濃厚して粗生成物を与え、これを塩基性アルミナ上でフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、0~20%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶出させ、白色固体として標記化合物を与えた(86mg、収率83%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.84(d,2H,J=9.0Hz),6.53(d,2H,J=9.0Hz),3.97(q,2H,J=7.0Hz),3.71(dd,2H,J=10.9,7.6Hz),3.49-3.40(m,5H),3.35(dd,2H,J=10.9,4.2Hz),3.18(dd,2H,J=9.5,3.6Hz),2.95(s,3H),2.65(td,3H,J=6.6,5.4Hz),1.37(t,3H,J=7.0Hz)ppm;LCMSm/z343.1実測値(M+H)、C1927に対する計算値343.2129.
生物学:材料及び方法
嚢胞アッセイにおけるLOX活性(Tang et al,2017)。
細胞培養及びトランスフェクション
細胞系は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)から購入した。マイコプラズマ属(Mycoplasma)汚染に関して細胞を評価したところ、陰性であることが分かった。10%ウシ胎仔血清(FBS)及び1%ペニシリンストレプトマイシン溶液(Pen Strep)が補足されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM):F12培地でMDCK細胞系を培養した。5%CO2を有する加湿インキュベータ中37℃で細胞をインキュベートした。リポフェクタミン3000又はレンチウイルスを用いてGFP構築物をMDCK細胞にトランスフェクトし、5mg/mlでG418(Life Technologies)を用いて細胞を選択した。細胞培養試薬は、Life Technologiesから購入した。
MDCK嚢胞を生成するために、10%FBSを有するDMEMに2%Matrigelを補足したMatrigel(Corning)上で細胞を培養した。後続試験の前に嚢胞を10日間形成させた。
LOX発現構築物のクローニング
マウスLOX cDNAは、OriGeneから購入した。
次いで、次のプライマーGAGAGAGCTAGCATGCGTTTCGCCTGGG(フォワードプライマー)及びTCTCTCCTCGAGATACGGTGAAATTGTGCAGCC(リバースプライマー)を用いて、全長LOX cDNAをpEGFP-N1(Clonetech)又はバイオセンサーベクターproGFP2-N1(Hanson、2004年)にPCRクローニングした。pEGFP-N1又はproGFP2-N1への挿入のために、それに応じてNheI及びXhoI制限部位をフォワードプライマー及びリバースプライマーに追加した。テンプレートとしてLOX-GFPを用いて、作製プロトコルに従って、QuickChange II部位指向突然変異誘発キット(Agilent Technologies)により、突然変異LOX構築物を作製した。LOX突然変異構築物のroGFP2形態を作製するために、NheI及びXhoIを用いて、LOX突然変異cDNAをpEGFP-N1からproGFP2-N1に移入した。
共焦点イメージング及びイメージング解析
Leica TCS SP8 X共焦点システムによる生存MDCK嚢胞の顕微鏡写真を用いて、バイオセンサーのイメージングを行った。酸化型バイオセンサーは405nmレーザーで励起され、一方、還元型バイオセンサーは488nmレーザーで励起される。バイオセンサーの発光は、逐次スキャンを用いて500nm~530nm範囲で記録した。既報のプロトコル{Kardash, 2011 #376}に従って比画像を作成した。既報のプロトコルはYFP/CFP比画像を作成するが、我々はそれを用いて酸化型/還元型(roGFP2比)比画像を作成した。LOX阻害を示すために、MDCK嚢胞の基底表面でのroGFP2比を使用した。LOX阻害剤は、イメージングの30min前に添加した。
LOX阻害剤により処置された嚢胞におけるLOXの阻害は、対照(DMSO媒体処置)嚢胞と比較して表2に示される。明確さを期して、DMSO処置嚢胞でのリードアウトは、0%阻害(阻害なし)を表し、1mM BAPNでのリードアウトは、100%阻害(完全阻害)として用いられる。
Figure 0007437322000140
LOX阻害剤のin vivoアセスメント
動物手順
動物が関与する手順はすべて、動物(科学的処置)法(Animals(Scientific Procedures)Act)1986年の下で国内ホームオフィス規制(National Home Office regulations)に従って及び国立癌研究所委員会(Committee of National Cancer Research Institute)のガイドラインに従って、癌研究所(Institute of Cancer Research)及び英国マンチェスター癌研究所(Cancer Research UK Manchester Institute)の動物福祉倫理審査機関(Animal Welfare and Ethical Review Body)により承認された。腫瘍サイズは、腫瘍の長さ、幅、及び深さのキャリパー測定により決定し、体積は、体積=0.5236×長さ×幅×深さ(mm)として計算した。動物実験を実施するための我々のライセンスに従って、窮迫、過剰体重損失(>20%)、又は病気の徴候を示した場合、動物を実験から除外した。
LOX阻害剤の経口耐容性
5.25%Tween20/生理食塩水(v:v)中又は水中5%DMSO中の治療計画用量(200mg/kg/日)の試験化合物の懸濁液を、6週齢の2つのCD1、NCR、又はBalb/c雌マウスに、0.2ml/20g体重で連続4日間にわたり金属胃管投与により1日1回po投与した。
最終投与後15日間までマウスを観察し、その体重を4日に1回測定した。72時間超にわたり>20%の体重減少がなければ、化合物は耐容性であると考えられる。
in vivoで試験された本発明の化合物は、試験用量で良好な耐容性を示し、耐容性試験及びさらに長い療法試験で<5%の体重損失を呈するか又は体重増加を示す。
in vivo腫瘍モデル試験
PDACアロ移植:2×10PDAC KPC TRP53 R172H(p53mut)細胞を、6週齢のCD1nu/nu雌マウスの右側腹部に、100μl懸濁液/動物で皮下接種した。他の例では、2~8×10PDAC KPflC(LOX H1クローン)細胞を、5~6週齢のCD1nu/nu雌マウスの右側腹部に、100μl懸濁液/動物で皮下接種した(p53wt、LOXo/e)。これらの細胞系の起源及び発生については、Miller et al,2015に報告されている。いくつかの例では、金属胃管投与による経口投与は、細胞接種の2時間後又は細胞接種の1日後に開始され、5.25%tween20/生理食塩水又は5%DMSO/水に溶解された化合物を用いて2~4週間にわたり0.2mL/20g体重/動物で1日1回行われる。他の例では、約100mmのメジアンサイズを有する腫瘍体積の層別化割付けの後、7~8匹のマウスからなる群を治療に帰属した。金属胃管投与による経口投与は、10日目に開始し、5.25%tween20/生理食塩水又は5%DMSO/水に溶解された化合物を用いて2週間にわたり0.2mL/20g体重/動物で1日1回行った。対照動物には、類似投与量の媒体(5.25%tween20/生理食塩水又は5%DMSO/水)を摂取した。キャリパーを用いて腫瘍及び重量を1週間に2回測定する。試験終了時、動物を屠殺し、サンプルの取得、固定、又は液体窒素でスナップ凍結を行う。凍結サンプルは、解析されるまで摂氏-80度に維持し、固定サンプルは、所望のマーカーに応じて染色した。
SW620異種移植:5×10SW620細胞をNCrマウスの右側腹部に100μl懸濁液/動物で皮下接種した。約100mmのメジアンサイズを有する腫瘍体積の層別化割付けの後、7~8匹のマウスからなる群を治療に帰属した。投与は、約10~13日目に開始し、2週間にわたり0.2mL/20g体重/動物で1日1回行った。投与は、5.25%tween20/生理食塩水又は5%DMSO/水に溶解された化合物を用いて金属胃管投与により0.2ml/20g体重で経口施行した。対照動物には、類似投与量の媒体(5.25%tween20/生理食塩水又は5%DMSO/水)を摂取した。キャリパーを用いて腫瘍及び重量を1週間に2回測定する。試験終了時、動物を屠殺し、サンプルの取得、固定、又は液体窒素でスナップ凍結を行う。凍結サンプルは、解析されるまで摂氏-80度に維持し、固定サンプルは、所望のマーカーに応じて染色する。
MDA-MB-231異種移植。Charles Riverから得た6週齢のNcrヌード雌マウスの第3上側乳頭脂肪パッドに、100μl PB(50:50Matrigel)中の4×10^6 MDA-MB-231 Lucを注入した。細胞接種の約10日後に腫瘍が平均で80mmに達したとき、8匹からなる4つの群に動物を割り付ける。次いで、連続28日間までにわたり0.2ml/20g体重で経口胃管投与によりLOX阻害剤治療を1日1回施行する。キャリパーを用いて腫瘍及び重量を1週間に2回測定し、150mg/kgのルシフェリンの腹腔内又は皮下投与を週1回行って、IVIS200イメージング機械を用いた生物発光による非侵襲的方法により、動物のイメージングを行うことができる。試験終了時、動物を屠殺し、サンプルの取得、固定、又は液体窒素でスナップ凍結を行う。凍結サンプルは、解析されるまで摂氏-80度に維持し、固定サンプルは、所望のマーカーに応じて染色した。
トランスジェニックマウス乳癌モデルのLOX阻害剤治療
MMTV-PyMT(Guy et al,1992)(FVB)雌マウスを生後70日から非統計的方法によりLOX阻害剤治療群にランダム化した。このとき、動物は、検出可能な腫瘍を有していなかった。経口胃管投与により媒体中のLOX阻害剤を1日1回用いて、又は経口胃管投与により媒体(水中5%DMSO/2.5%Tween20)を1日1回用いて、マウスを処置した。腫瘍サイズは、腫瘍の長さ、幅、及び深さのキャリパー測定により非盲検で決定し、体積は、0.5236×長さ×幅×深さ(mm)として計算した。すべての実験では、原発腫瘍が健康悪化の倫理的な限界又は徴候に達したとき、マウスを安楽死させ、乳房腫瘍及び肺を採取した。
治療効能アセスメントのために、化合物処置と媒体対照処置との平均腫瘍体積比(T/C)を計算する。媒体処置対照群と比較される化合物処置群の腫瘍体積の低減は、T/C<1となる。膵癌モデル、結腸直腸癌モデル、及び乳癌モデルでT/Cにより測定したときの本発明に記載のLOX阻害剤の効能は、表3に示されており、提示されたすべてのデータで有意である(p<0.05)。
肺転移定量のために、すべてのマウス組織サンプルを10%ホルマリン(Sigma)で固定し、パラフィンで包埋した。サンプルを切片化し、ヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色した。Leica SCN400スライドスキャナーを用いてサンプルのイメージングを行った。ImageScopeのPenツールを用いて肺転移を手動選択した。肺転移数をカウントし、ImageScopeを用いて面積を測定した。調査員を実験群に対して盲検化した。化合物処置と媒体対照処置との間の平均転移表面比(T/C)を計算する。化合物処置と媒体対照処置との間の平均転移数比(T/C)もまた計算する。媒体処置対照群と比較される化合物処置群の転移面積及び/又は転移数の低減は、T/C<1となる。肺に転移する乳癌モデルでT/Cにより測定したときの本発明に記載のLOX阻害剤の抗転移効能は、表3に示されており、提示されたすべてのデータで有意である(p<0.05)。
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刊行物、特許出願、及び特許を含めて、本明細書で引用される参照文献はすべて、あたかも各参照文献が個別的且つ具体的に示されて参照により組み込まれたのと同程度まで及びその全体が本明細書に明記されたのと同程度まで、その全体が本願をもって参照により組み込まれる(法律により許容される最大範囲まで)。
見出し及び副見出しはすべて、便宜上本明細書で用いられるにすぎず、なんら本発明を限定するものと解釈すべきではない。
本明細書に提供されるあらゆる実施例又は模範的表現(たとえば、「such as(~などの/たとえば~)」)の使用は、単に本発明をより良く理解できるように意図されたものであり、とくにパラグラフ化されていない限り本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書の表現は、いずれの非パラグラフ化要素も本発明の実施に不可欠であることを示唆すると解釈すべきでない。
本明細書への特許文書の引用及び組込みは、便宜上行われるにすぎず、かかる特許文書の妥当性、特許性、及び/又は強制執行性の見解をなんら反映するものではない。
本発明は、準拠法により許容される限り、本明細書に添付のパラグラフに列挙された主題のすべての変更形態及び均等物を含む。
本開示は、項目1~56に開示される実施形態に関する。
1. 式(I)の構造を持つ化合物又はその薬学的に許容可能な塩
Figure 0007437322000142
式中、
及びXは、各々、CR又はNから選択され、
、X、及びXは、各々、CR、CR、又はNから選択され、ただし、X、X、及びXの少なくとも1つはCRであり、且つただし、X、X、X、X、及びXの1つのみは、Nであることが可能であり、
は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、C~Cアルコキシ-カルボニル、-C(O)NR、-SO、又は-SONRから選択され、ここで、
- R中のアルキル、アルケニル、アルキニル、又はアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、各々独立して、-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-S-Y-R2a、-S-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-SO-Y-R2a、-NR2b2c、又は-NR2a-Y-C(O)-Y-NR2b2cから選択され、
は、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
- Y中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
- Y中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
2aは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、3~6員単環式ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R2a中のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R2a中のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、且つ
- R2a中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
2b及びR2cは、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、又はC~Cアルキニルから選択され、ここで、
- R2b及びR2c中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、又は
2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、環中にO、N、又はSから選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を任意的に含んでいてもよい3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
- R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSは、任意的に酸化されていてもよく、
任意的に、(i)CR及びCRが近接し、(ii)RがC~Cアルキルであり、(iii)Rが-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-S-Y-R2a、又は-SO-Y-R2aであり、且つ(iv)R2aがC~Cアルキルであるとき、R及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される1個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、
任意的に、(i)CR及びCRが近接し、(ii)各Rが-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-S-Y-R2a、又は-SO-Y-R2aから独立して選択され、且つ(iii)各R2aがC~Cアルキルであるとき、第1のR及び第2のRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される2個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、
及びRは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、又はC~Cアルコキシ-カルボニルから選択され、
- R及びR中のアルキル若しくはアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、若しくはヒドロキシから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、又は
及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3~7員シクロアルキルを形成してもよく、
- R及びRにより形成される前記シクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、若しくは-C(O)ORから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
及びLは、各々独立して、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
- L及びL中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、結合、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-NR-、-SONR-、-NRSO-、-S-、-SO-、-SOO-、-OSO-、-NRSONR-、-NRC(O)NR-、-C(O)NRNR-、-NRNRC(O)-、-NRC(O)O-、又は-OC(O)NR-から選択され、
は、水素原子、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
は、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cシアノアルキルから選択され、
、R、及びRは、各々独立して、水素原子又はC~Cアルキルから選択され、ここで、
- R、R、及びR中のC~Cアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
ただし、Lが窒素原子によりLに結合されているとき、Lは結合ではなく、
ただし、RがC~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールであるとき、L、L、及びLの少なくとも1つは結合ではなく、
ただし、-L-L-L-Rは、ベンジルでも、ベンジルオキシカルボニルでも、tert-ブチルオキシカルボニルでもなく、
ただし、XがNであり且つX及びXの各々がCRであるとき、Rはシアノではなく、
ただし、X又はXの1つがNであり、X又はXの1つがCRであり、且つ-L-L-L-Rが2-ピリジルメチル又は3-ピリジルメチルであるとき、Rは-O-ベンジルではなく、
ただし、X又はXの1つがCRであり且つXがCRであるとき、Rはクロロではない。
2. 式(I-a):
Figure 0007437322000143
の構造を有する、項目1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
3. XがCRである、項目1又は項目2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
4. X、X、X、及びXの各々が、CR又はNから選択され、ただし、X、X、X、及びXの1つのみが、Nであることが可能である、項目3に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
5. X、X、X、及びXの各々がCRである、項目4に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
6. 式(II-a):
Figure 0007437322000144
の構造を有する、項目1~5のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩。
7. Lが結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLが結合である、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
8. Lが結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLが結合である、項目1~7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
9. 式(IV-a):
Figure 0007437322000145
の構造を有する、項目1~8のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩。
10. Lが、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR-、-SONR-、-SO-、又は-C(O)NRNR-から選択され、とくにLが、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NH-、-C(O)N(CH)-、-C(O)N(-CHCHOH)-、-SONH-、-SO-、又は-C(O)NHNH-から選択される、項目1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
11. Lが、結合、-C(O)-、-C(O)O-、又は-C(O)NR-から選択され、とくにLが、結合、-C(O)-、又は-C(O)NR-から選択される、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
12. 式(V):
Figure 0007437322000146
の構造を有する、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
13. Rが、-O-Y-R2a、-S-Y-R2a、-SO-Y-R2a、又は-NR2b2cから選択される、項目1~12いずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
14. Yが結合である、項目1~13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
15. 式(VIII-c):
Figure 0007437322000147
の構造を有する、項目1~14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
16. 式(VIII-d):
Figure 0007437322000148
の構造を有する、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
17. R2aが、非置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル、非置換C~Cシクロアルキル、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル、又は非置換フェニルから選択され、とくにR2aが非置換C~Cアルキルである、項目1~16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
18. R2aが、非置換C~Cアルキル、とくにメチル又はエチルである、項目1~17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
19. 式(XII-c):
Figure 0007437322000149
の構造を有する、項目1~14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
20. 式(XII-d):
Figure 0007437322000150
の構造を有する、項目1~14のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
21. R2b及びR2cが、各々独立して、-NRにより任意的に置換されたC~Cアルキルから選択され、R及びRが、各々独立して、非置換C~Cアルキルから選択され、とくにR2bが非置換C~Cアルキルであり、且つR2cが、-N(CHによりアルキル置換されたC~Cである、項目1~14、19、又は20のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
22. R2b及びR2cが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、環中にN又はSから選択される1個の追加のヘテロ原子を任意的に含んでいてもよい3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
- R2b及びR2cにより形成された前記ヘテロシクロアルキルが、ヒドロキシ又は-SOから独立して選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSがいずれも、任意的に酸化されていてもよく、
とくにR2b及びR2cが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000151
を形成する、項目1~14又は19~21のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
23. R及びRが、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)、非置換C~Cアルコキシ(たとえばメトキシ)、又は非置換C~Cアルコキシカルボニル(たとえばメトキシカルボニル)から選択され、とくにR及びRが、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択される、項目1~22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
24. R及びRが各々水素原子である、項目1~23のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
25. R及びRが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、非置換3~7員シクロアルキルを形成する、項目1~22のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
26. Rが、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、C~Cアルキル、又はC~Cアルケニルから選択され、ここで、
- R中の各アルキル及びアルケニルが、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)R、又はC(O)ORから選択される1個の置換基により任意的に置換されていてもよく、RがC~Cアルキルである、項目1~25のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
27. Rが水素原子である、項目1~26のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
28. Rが、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、3~12員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールがいずれも、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルがいずれも、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールがいずれも、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ニトロ、R、-OR、-SOから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により任意的に置換されていてもよい、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
29. Rが、C~Cアルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールがいずれも、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルがいずれも、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールがいずれも、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよい、項目1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
30. R2aが、非置換C~Cアルキルであり、
及びRは、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、
が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールがいずれも、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルがいずれも、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールがいずれも、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
が、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである、項目15又は項目16に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
31. R2bが、非置換C~Cアルキルであり、
2cが、-N(CHにより置換されたC~Cアルキルであり、
及びRが、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、
が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールがいずれも、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルがいずれも、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールがいずれも、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、且つ
が、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである、項目19又は項目20に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
32. R2b及びR2cが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、
Figure 0007437322000152
を形成し、
及びRが、各々独立して、水素原子又は非置換C~Cアルキル(たとえばメチル)から選択され、
が、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
- R中のヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールがいずれも、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
- R中のアルキルがいずれも、シアノ又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
- R中のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニル、又はヘテロアリールがいずれも、オキソ、ニトロ、又はヒドロキシにより任意的に置換されていてもよく、
が、存在するとき、ヒドロキシにより任意的に置換されたC~Cアルキルである、項目19又は項目20に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
33. 化合物が、表1若しくは表1aの化合物のいずれか又はいずれかの以上の化合物の薬学的に許容可能な塩から選択される、項目1に記載の化合物。
34. 医薬として使用するための、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
35. 化合物が、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態の治療に使用するためのものである、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
36. 化合物が、LOXにより媒介される疾患又は医学的病態を治療するための医薬の製造に使用するためのものである、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
37. 必要とされる対象においてLOXにより媒介される疾患又は医学的病態を治療する方法であって、有効量の項目1~33のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を対象に投与することを含む、方法。
38. 化合物が増殖疾患の治療に使用するためのものである、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
39. 増殖疾患が癌である、項目38に記載の化合物。
40. EGFRの過剰発現を伴う癌の治療又は予防に使用するための、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
41. 癌が、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、食道癌、及び胆道癌たとえば胆管癌からなる群から選択される、項目40に記載の使用のための化合物。
42. 化合物が、リシルオキシダーゼ阻害剤であり、pSMAD2のアップレギュレーションにより測定したとき、MATN2の発現及び/又はSMAD2の活性化をダウンレギュレートする、項目40又は項目41に記載の使用のための化合物。
43. 化合物が、リシル阻害剤であり、且つリシルオキシダーゼの成熟を阻害する、項目40又は項目41に記載の使用のための化合物。
44. 化合物が、リシル阻害剤であり、且つリシルオキシダーゼの触媒活性を阻害する、項目40又は項目41に記載の使用のための化合物。
45. 化合物が、MAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しないリシルオキシダーゼ阻害剤である、項目40又は項目41に記載の使用のための化合物。
46. 化合物が、線維性疾患、たとえば、肝線維化、肺線維化、腎線維化、心線維化、骨髄線維化、又は強皮症の治療に使用するためのものである、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物。
47. 対象において癌を治療又は予防する方法であって、前記方法が、治療有効量のリシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することを含み、前記対象が、EGFRの過剰発現を伴う癌を有し、リシルオキシダーゼ阻害剤が、項目1~33のいずれか一項に記載の化合物である、方法。
48. 前記方法が、前記対象の生物学的サンプル中のEGFRレベルを決定することと、EGFRの存在が生物学的サンプルで過剰発現されると決定されたときに、リシルオキシダーゼ阻害剤を前記対象に投与することと、を含む、項目47に記載の方法。
49. 前記方法が、前記対象の生物学的サンプル中のMATN2、pSMAD2、又はHTRA1のレベルの1つ以上を決定する工程と、以下:
a)MATN2のレベルが参照サンプルを上回る、
b)pSMAD2のレベルが参照サンプルを下回る、又は
c)HTRA1のレベルが参照サンプルを上回り且つpSMAD2のレベルが参照サンプルを下回る、
の1つ以上に反応する前記対象にリシルオキシダーゼ阻害剤を投与する工程と、をさらに含む、項目47又は項目48に記載の方法。
50. 前記対象が、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌腫、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌卵巣で、頸、膀胱、食道癌、及び胆道癌たとえば胆管癌からなる群から選択される癌を有する、項目47~49のいずれか一項に記載の方法。
51. リシルオキシダーゼ阻害剤が、MATN2の発現のダウンレギュレーション及び/又はpSMAD2のアップレギュレーションを行う、項目47~50のいずれか一項に記載の方法。
52. リシル阻害剤が、リシルオキシダーゼの成熟、リシルオキシダーゼの触媒活性、又は成熟と触媒活性との両方を阻害する、項目47~51のいずれか一項に記載の方法。
53. リシルオキシダーゼ阻害剤がMAO-A及び/又はMAO-Bを阻害しない、項目47~52のいずれか一項に記載の方法。
54. a)生物学的サンプル中のEGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルを決定することと、
b)EGFR、MATN2、及びHTRA1の1つ以上のレベルが参照サンプルをと比較して上昇したき、治療有効量の項目1~33のいずれか一項に記載の化合物を含む治療レジメンを施行することと、
を含む、癌を有する対象に対する治療レジメンを決定する方法。
55. HTRA1がホモトリマーHTRA1である、項目54に記載の方法。
56. 項目1~33のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
57. 追加の治療活性成分をさらに含む、項目56に記載の医薬組成物。

Claims (20)

  1. 下記の式(II-a)の構造を持つ化合物又はその薬学的に許容可能な塩
    Figure 0007437322000153
    式中、
    水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、C~Cアルコキシ-カルボニル、-C(O)NR、-SO、又は-SONRから選択され、ここで、
    - R中のアルキル、アルケニル、アルキニル、又はアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、
    -O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-S-Y-R2a、-S-Y-C(O)-Y-NR2b2c、-SO-Y-R2a、-NR2b2c、又は-NR2a-Y-C(O)-Y-NR2b2cから選択され、
    は、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
    - Y中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよく、
    は、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
    - Y中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基によりに置換されていてもよく、
    2aは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルケニル、3~6員単環式ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
    - R2a中のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、
    - R2a中のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、且つ
    - R2a中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
    2b及びR2cは、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、又はC~Cアルキニルから選択され、ここで、
    - R2b及びR2c中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されていてもよく、又は
    2b及びR2cは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、環中にO、N、又はSから選択される1又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい3~7員ヘテロシクロアルキルを形成し、
    - R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、若しくは-OC(O)NRから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されていてもよく、
    - R2b及びR2cにより形成される前記ヘテロシクロアルキルの環中のSは、酸化されていてもよく、
    (i)がC~Cアルキルであり、(ii)が-O-Y-R2a、-O-Y-C(O)-Y-R2a、-S-Y-R2a、又は-SO-Y-R2aであり、且つ(iii)2aがC~Cアルキルであるとき、R及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、環中にO又はSから選択される1個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクロアルキルを形成していてもよく
    及びRは、各々独立して、水素原子、ヒドロキシ、カルボキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-カルボニル、又はC~Cアルコキシ-カルボニルから選択され、
    - R及びR中のアルキル若しくはアルコキシは、ハロゲン原子、シアノ、若しくはヒドロキシから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されていてもよく、又は
    及びRは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、3~7員シクロアルキルを形成してもよく、
    - R及びRにより形成される前記シクロアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、若しくは-C(O)ORから独立して選択される1、2、若しくは3個の置換基により置換されていてもよく、
    及びLは、各々独立して、結合、C~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、又はC~Cアルキニレンから選択され、ここで、
    - L及びL中のアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよく、
    は、結合、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-C(O)NR-、-NRC(O)-、-NR-、-SONR-、-NRSO-、-S-、-SO-、-SOO-、-OSO-、-NRSONR-、-NRC(O)NR-、-C(O)NRNR-、-NRNRC(O)-、-NRC(O)O-、又は-OC(O)NR-から選択され、
    ~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールから選択され、ここで、
    - R中のヘテロシクリル又はヘテロアリールは、環中にN、O、又はSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含み、
    - R中のアルキル、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、R、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、
    - R中のシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、フェニル、又はヘテロアリールは、ハロゲン原子、シアノニトロ、R、-OR、-C(O)R、-OC(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NR、-SONR、-NRSO、-SR、-SO、-SOOR、-OSO、-NRSONR、-NRC(O)NR、-NRC(O)OR、又は-OC(O)NRから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、C~Cシアノアルキルから選択され、
    、R、及びRは、各々独立して、水素原子又はC~Cアルキルから選択され、ここで、
    - R、R、及びR中のC~Cアルキルは、ハロゲン原子、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、カルボキシ、R、-OR、-C(O)R、又は-C(O)ORから独立して選択される1、2、又は3個の置換基により置換されていてもよく、
    ただし、Lが窒素原子によりLに結合されているとき、Lは結合ではなく、
    ただし、RがC~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルケニル、3~12員ヘテロシクリル、フェニル、又は5若しくは6員ヘテロアリールであるとき、L、L、及びLのうちの少なくとも1つは結合ではなく、
    ただし、-L-L-L-Rは、ベンジルでも、ベンジルオキシカルボニルでも、tert-ブチルオキシカルボニルでもない
  2. が、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  3. が、結合又は非置換C~Cアルキレンから選択され、とくにLは結合である、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  4. 下記の式(IV-a):
    Figure 0007437322000154
    の構造を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  5. が、結合、-C(O)-、-C(O)O-、-C(O)NR-、-SONR-、-SO-、は-C(O)NRNR-から選択される請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  6. 下記の式(V):
    Figure 0007437322000155
    の構造を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  7. が、-O-Y-R2a、-S-Y-R2a、-SO-Y-R2a、又は-NR2b2cから選択され、ここで、Yが結合であってもよい、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  8. 下記の式(VIII-c)又は(VIII-d):
    Figure 0007437322000156
    の構造を有する請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  9. 2aが、非置換C~Cアルキル、C~Cアルコキシにより置換されたC~Cアルキル、非置換C~Cシクロアルキル、非置換3~6員単環式ヘテロシクロアルキル、若しくは非置換フェニルから選択され、とくにR2aが非置換C~Cアルキルである請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  10. 下記の式(XII-c)又は(XII-d):
    Figure 0007437322000157
    の構造を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  11. が水素原子である、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  12. 以下の化合物
    Figure 0007437322000158
    Figure 0007437322000159
    Figure 0007437322000160
    又は上述の化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩
  13. 医薬として使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
  14. リシルオキシダーゼにより媒介される疾患又は医学的病態の治療に使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物
  15. 請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記化合物が癌の治療に使用するためのものである、前記医薬組成物
  16. EGFRの過剰発現を伴う癌の治療又は予防に使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記癌が、NSCLC、膵癌、扁平上皮細胞癌、皮膚癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、前立腺癌、腎癌、乳癌、頭頸部癌、神経膠腫、中皮腫、表皮癌、卵巣癌、頸癌、膀胱癌、食道癌、及び胆道癌らなる群から選択される、前記医薬組成物
  17. 請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩が線維性疾患の治療において使用する為のものである、前記医薬組成物。
  18. 前記線維性疾患が、肝線維化、肺線維化、腎線維化、心線維化、骨髄線維化又は強皮症から選択される、請求項17に記載の前記医薬組成物。
  19. 前記癌が、膵癌、結腸直腸癌、乳癌、及び肺癌からなる群から選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
  20. 前記癌が、肝細胞癌である、請求項15に記載の医薬組成物。
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