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JP7428682B2 - 捜査支援システム及び捜査支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不審者や、事件や事故等の通報に対する捜査を支援する捜査支援システム及び捜査支援方法に関する。
従来、不審者や、事件や事故等について通報があった場合、後日、捜査の担当者が現場に行き、周辺の店舗や街頭に設置された監視カメラを探し、その監視カメラの画像を解析することで、不審者や、事件や事故に関わった車両等の特定を行っていた。
ところが、屋外においては、不審者が目撃された場所や、事件や事故が発生した場所の周辺に設置された監視カメラを探すことにはかなりの労力が必要であり、また、監視カメラが設置されていない場所では、監視カメラの画像を用いて不審者や車両を特定することはできない。また、通報から日数が経ってしまうと、監視カメラに不審者や車両が映っていたとしても、捜査を開始する段階では不審者や車両がその場所から遠く離れた場所に移動している可能性が高く、不審者や車両を特定することが困難となってしまう。
ここで、特定の場所において、建物や部屋等に入室しようとする者の顔画像を撮影し、撮影した者の顔画像が予め登録されている顔画像と一致した場合、不審者の通報を行うシステムが特許文献1に開示されている。この技術を用いれば、特定の場所に何度も現れた不審者に対して有効な対策を講じることが可能となる。
特開2003-109129号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、特定の場所で撮影された顔画像を用いて不審者の特定を行っているため、特定の場所以外の場所では、不審者が目撃されたり、事件や事故が発生したりしても、撮影された画像を用いて、不審者や、事件や事故に関わった車両等を特定することはできないという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、監視カメラ等が設置されていない場所においても、不審者が目撃されたり、事件や事故が発生したりした場合に、不審者や、事件や事故に関わった車両等の特定をしやすくすることができる捜査支援システム及び捜査支援方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の捜査支援システムは、
通信端末及び複数の車載カメラの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通信端末から捜査に係る通報を受け付ける受付手段と、
前記複数の車載カメラにて撮影された画像を取得する画像取得手段と、
前記通信端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付手段が通報を受け付けた通信端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定手段と、
前記画像取得手段にて取得された画像の中から、前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として特定する画像特定手段と、
前記捜査用画像を捜査用端末に送信する画像送信手段とを有する。
また、本発明の捜査支援システムは、
通信端末及び複数の車載カメラの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記通信端末から捜査に係る通報を受け付ける受付手段と、
前記通信端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付手段が通報を受け付けた通信端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定手段と、
前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として取得する画像取得手段と、
前記捜査用画像を捜査用端末に送信する画像送信手段とを有する。
また、本発明の捜査支援方法は、
複数の車載カメラにて撮影された画像を取得する画像取得処理と、
前記複数の車載カメラの位置情報を取得するカメラ位置情報取得処理と、
通信端末から捜査に係る通報を受け付ける受付処理と、
前記通信端末の位置情報を取得する端末位置情報取得処理と、
前記通信端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付処理にて通報を受け付けた通信端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定処理と、
前記画像取得処理にて取得した画像の中から、前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として特定する画像特定処理と、
前記捜査用画像を捜査用端末に送信する画像送信処理とを有する。
また、本発明の捜査支援方法は、
複数の車載カメラの位置情報を取得するカメラ位置情報取得処理と、
通信端末から捜査に係る通報を受け付ける受付処理と、
前記通信端末の位置情報を取得する端末位置情報取得処理と、
前記通信端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付処理にて通報を受け付けた通信端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定処理と、
前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として取得する画像取得処理と、
前記捜査用画像を捜査用端末に送信する画像送信処理とを有する。
本発明によれば、監視カメラ等が設置されていない場所においても、不審者が目撃されたり、事件や事故が発生したりした場合に、不審者や、事件や事故に関わった車両等の特定をしやすくすることができる。
本発明の捜査支援システムの第1の実施の形態を示す図である。 図1に示した通報者端末の構成を示すブロック図である。 図1に示した車載カメラの構成を示すブロック図である。 図1に示した特定解析サーバーの構成を示すブロック図である。 図1~4に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の捜査支援システムの第2の実施の形態を示す図である。 図6に示した位置取得サーバーの構成を示すブロック図である。 図6に示した画像解析サーバーの構成を示すブロック図である。 図6~図7に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の捜査支援システムの第3の実施の形態を示す図である。 図10に示した位置取得サーバーの構成を示すブロック図である。 図10に示した画像解析サーバーの構成を示すブロック図である。 図10~図12に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の捜査支援システムの第1の実施の形態を示す図である。図2は、図1に示した通報者端末10の構成を示すブロック図である。図3は、図1に示した車載カメラ20-1~20-nの構成を示すブロック図である。図4は、図1に示した特定解析サーバー50の構成を示すブロック図である。
本形態は図1に示すように、通報者端末10と、車載カメラ20-1~20-nと、受付端末30と、捜査用端末40と、特定解析サーバー50とが通信回線70を介して接続可能に構成されている。また、特定解析サーバー50は、不審者データベース60にアクセス可能に構成されている。
通報者端末10は、本願発明の通信端末となるものである。本形態における通報者端末10は、携帯電話やスマートフォン等のGPS(Global Positioning System)機能と有するものであって、図2に示すように、位置情報取得部11と、通信部12と、通話部13と、操作部14と、情報処理部15とを有している。ただし、GPS機能を有しない電話機でも代用が可能である。
位置取得部11は、例えば、GPS機能を用いて通報者端末10の位置情報を取得する。
通信部12は、通報者端末10が、受付端末30や特定解析サーバー50との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。例えば、携帯電話やスマートフォンであれば、アンテナを含む通信モジュールだけでなく、通信の際に、通報者端末10を識別する識別子を記憶しているSIMカード等が含まれてもよい。
通話部13は、マイクやスピーカー等から構成され、受付端末30に通話によって送信する音声が入力されたり、受付端末30から通話によって送信されてきて通信部12にて受信された音声を出力したりする。
操作部14は、表示部(不図示)上に積層されたタッチパネル等から構成され、受付端末30に通報を行う場合に通報者が受付端末30の電話番号等を入力するためのものである。
情報処理部15は、位置取得部11、通信部12、通話部13及び操作部14間の情報や音声のやりとりを処理し、通報者端末10にて入力あるいは取得された情報を通信部12を介して受付端末30や特定解析サーバー50に送信する。
車載カメラ20-1~20-nは、例えば、商用車(バス、タクシー、トラック、パトカー、救急車、消防車、宅配便、ごみ収集車等)の車両に搭載された通信機能を有するドライブレコーダー等であり、車両の移動に伴って撮影場所が移動する。車載カメラ20-1~20-nは、図3に示すように、位置取得部21と、撮影部22と、通信部23と、記憶部25と、情報処理部26とを有している。なお、車載カメラ20-1~20-nは、車両の種類は自動車に限らず、自転車やバイク、リアカー等に搭載されたものであってもよい。
位置取得部21は、例えば、GPS機能を用いて車載カメラ20-1~20-nの位置情報を取得する。
撮影部22は、例えば車載カメラ20-1~20-nが車両の前方に向けて搭載されている場合は、車両の前方を動画画像として撮影する。なお、車載カメラが車両の前方だけでなく、左右や後方に向けて搭載されている場合は、車両のその方向を動画画像として撮影する。撮影部22における動画画像の撮影タイミングは、動画画像を常時撮影していても、特定の時間、特定解析サーバー50から指示のあった時のみ撮影してもよい。
通信部23は、位置取得部21にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像を通信回線70を介して特定解析サーバー50に送信するためのものである。なお、アンテナを含む通信モジュールだけでなく、携帯電話網の通信の際に車載カメラ20-1~20-nを識別する識別子を記憶しているSIMカード等が含まれてもよい。なお、SIMカード等は、通信部23ではなく、記憶部25に含まれていてもよい。
記憶部25は、撮影部22にて撮影された動画画像を、位置取得部21にて取得された位置情報とともに一時的に記憶する。
情報処理部26は、位置取得部21、撮影部22、通信部23及び記憶部25間の位置情報や動画画像等の情報のやりとりを処理し、車載カメラ20-1~20-nにて取得された情報を通信部23を介して特定解析サーバー50に送信する。
受付端末30は、本願発明における受付手段となるものであって、通報者端末10からの捜査に係る通報を受け付ける。受付端末30は、例えば、コールセンター等で用いる電話機能を有するソフトウェアが実行されたコンピュータに、通話に用いるハンドセット、ヘッドセットなどの送受話器が備わったもので実現される。
捜査用端末40は、捜査員が所持する移動端末や、捜査車両に搭載された通信端末等から構成され、特定解析サーバー50から送信された捜査用画像を受信する。捜査用端末40は、例えば、携帯電話やスマートフォン等で実現される。捜査用端末40の数は、1つでも複数でも構わない。
特定解析サーバー50は、通報者端末10及び車載カメラ20-1~20-nの位置情報を通信回線70を介して取得するとともに、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像を通信回線70を介して取得し、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像の中から、通報者端末10の位置情報に基づいて捜査用画像を特定し、捜査用端末40に送信する。特定解析サーバー50は、図4に示すように、通信部51と、本願発明における位置情報取得手段となる通報者端末位置取得部52及び車載カメラ位置取得部53と、画像取得部54と、カメラ特定部55と、画像特定部56と、通報情報取得部57と、画像照合部58と、画像送信部59とを有している。特定解析サーバー50は、例えば、サーバー用のコンピュータ等で実現される。特定解析サーバー50は、複数の装置から構成されていてもよい。
通信部51は、特定解析サーバー50が、通報者端末10や車載カメラ20-1~20-n、受付端末30、捜査用端末40との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。通信部51は、例えば、LANコネクタや通信コントローラ等で実現される。
通報者端末位置取得部52は、通報者端末10から送信されてきた通報者端末10の位置情報を通信部51を介して取得する。
車載カメラ位置取得部53は、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた車載カメラ20-1~20-nの位置情報を通信部51を介して取得する。
画像取得部54は、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた動画画像を通信部51を介して取得する。
カメラ特定部55は、通報者端末位置取得部52にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部53にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する。
画像特定部56は、画像取得部54にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部55にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像を捜査用画像として特定する。
通報情報取得部57は、受付端末30にて通報者端末10から受け付けた通報に含まれる捜査用情報を通信部51を介して取得する。
画像照合部58は、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像と、通報情報取得部57にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する。
画像送信部59は、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像のうち、画像照合部58における照合結果に基づいて特定される動画画像を通信部51を介して捜査用端末40に送信する。
なお、通報者端末位置取得部52、車載カメラ位置取得部53、画像取得部54、カメラ特定部55、画像特定部56、通報情報取得部57、画像照合部58及び画像送信部59は、例えば、CPUとメモリ、実行されたソフトウェア等により実現される。不審者データベース60は、例えば、ネットワーク接続されたハードディスク装置または、ハードディスク装置を有しデータベースソフトウェアが実行されたサーバー等で実現される。
以下に、上記のように構成された捜査支援システムにおける捜査支援方法について説明する。
図5は、図1~図4に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。
車載カメラ20-1~20-nのそれぞれは、位置取得部21において、車載カメラ20-1~20-nの位置情報を取得するとともに、撮影部22において、例えば車載カメラ20-1~20-nが車両の前方に向けて搭載されている場合は、車両の前方を動画画像として撮影している。ここで、撮影部22は、車載カメラ20-1~20-nが車両の前方だけでなく後方や左右に向けて搭載されている場合は、車両のその方向を動画画像として撮影している。なお、位置情報と動画画像には、それぞれ時計部(不図示)から取得した日時を記憶しておくとよい。また、動画画像に位置情報を含めて記憶してもよい。本説明では、位置情報と動画画像とは別の情報として説明する。そして、位置取得部21にて取得された位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像とを通信部23から送信する(ステップ1)。この際、位置取得部21にて取得された位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像とを対応づけておくため、これらの情報には、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報を付与しておくことが考えられる。
車載カメラ20-1~20-nから送信された位置情報と動画画像は、通信回線70を介して特定解析サーバー50の通信部51が受信し、車載カメラ20-1~20-nから送信された位置情報は車載カメラ位置取得部53が取得し、車載カメラ20-1~20-nから送信された動画画像は画像取得部54が取得する(ステップ2)。なお、車載カメラ20-1~20-nからの位置情報と動画画像の特定解析サーバー50への送信は、常時行っていてもよいし、既定の時間ごとに行ってもよい。さらには、特定解析サーバー50から所定のタイミングで送信される送信指示を車載カメラ20-1~20-nが受信した場合に行ってもよい。送信指示は、例えば、後述する不審者を目撃した旨の通報が通報者端末10から受付端末30にあった時に、特定解析サーバー50が車載カメラ20-1~20-nに送信することが考えられる。位置情報と動画画像の送信を既定の時間ごとや送信指示により送信する場合は、車載カメラ20-1~20-nは、撮影部22にて撮影された動画画像を、位置取得部21にて取得された位置情報とともに記憶部25に一時的に記憶しておき、時計部が既定の時間を示した場合や特定解析サーバー50から送信指示を受信した場合に、記憶部25に記憶された動画画像を位置情報とともに特定解析サーバー50に送信することになる。記憶部25内の送信済みの動画画像と位置情報は消去するのが好ましい。また、位置情報と動画画像を送信指示により送信する場合、既定の一定時間(例:24時間)分の動画画像と位置情報を記憶部25に記憶しておき、それ以前の動画画像と位置情報は消去しても構わない。なお、動画画像の特定解析サーバー50への送信停止は、不審者を確保した等のタイミングにて、特定解析サーバー50から車載カメラ20-1~20-nに送信停止指示を送信することで、行われるようにしてもよい。このようにして、車載カメラ20-1~20-nは、位置取得部21にて取得された位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像を、常時、あるいは、既定の時間ごと、さらには、特定解析サーバー50から送信された送信指示を受信したタイミングにて特定解析サーバー50に送信することになる。
そのような状態において、受付端末30の利用者が不審者や不審車両等(以下、不審者として説明する)を目撃した場合、利用者の操作に応じて、通報者端末10が受付端末30に電話をかけ接続する(通報する)と(ステップ3)、通報者端末10は、受付端末30の操作者が、操作対象物となる不審者の特定に利用可能な捜査用情報をヒアリングすることで、通話部13を介して入力された音声を受付端末30に送信するとともに、位置取得部11にて取得した位置情報を通報とともに特定解析サーバー50に送信する。通報者端末10の位置情報の送信は、例えば、受付端末30が警備会社や警察署内等の電話機である場合、警備会社や警察署等の電話交換機において取得して特定解析サーバー50の通報者端末位置取得部52に提供することが考えられる。また、通報者端末10が、位置取得部11を有さない一般電話機である場合は、電話交換機において通報者端末10の局番等から通報者端末10の位置がある程度把握できるため、この把握した位置を通報者端末10の位置情報として特定解析サーバー50の通報者端末位置取得部52に提供することが考えられる。また、受付端末30がコンピュータの場合は、通報者端末10に位置情報の取得要求を送信し、通報者端末10から受信した位置情報を特定解析サーバー50の通報者端末位置取得部52に提供してもよい。
このようにして特定解析サーバー50の通報者端末位置取得部52は、受付端末30に不審者を目撃した旨の通報をした通報者端末10の位置情報を取得する(ステップ4)。
また、特定解析サーバー50は、通報情報取得部57において、通報者端末10から受付端末30に送信されてきた音声に含まれる捜査用情報を受付端末30から通信回線70を介して取得する(ステップ5)。この捜査用情報は、通報者端末10から受付端末30に通報の際に送信された音声によるものであってもよいし、受付端末30のオペレータによるキーボードへの入力や受付端末30にて実行される音声認識ソフトウェアにより、音声を文字情報に変換したものであってもよい。
すると、特定解析サーバー50においては、まず、カメラ特定部55が、通報者端末位置取得部52にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部53にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する(ステップ6)。例えば、車載カメラ20-1~20-nのうち、受付端末30が通報を受け付けた通報者端末10に最も近い位置に存在する車載カメラを捜査利用カメラとして特定することが考えられるが、車載カメラ20-1~20-nのうち、受付端末30が通報を受け付けた通報者端末10の位置を中心として半径500m等、所定範囲内に存在する車載カメラを捜査利用カメラとして特定することも考えられる。その場合、通報者端末10によって通報された不審者は、通報から時間の経過とともに目撃された場所から遠くに移動している可能性が高いため、カメラ特定部55は、捜査利用カメラとして特定する所定範囲を、受付端末30が通報を受け付けてからの時間の経過とともに広げ、その広げた範囲にその時点で存在する車載カメラを捜査利用カメラとして特定していくことが考えられる。そのような構成とすることで、通報者端末10によって通報された不審者が、通報から時間の経過とともに移動したとしても、不審者が映っている可能性がある車載カメラを特定することができる。なお、捜査利用カメラとして特定する所定範囲を、通報者端末10によって通報された不審者の進行方向に向けて広げてもよいし、通報者端末10の位置を中心とした半径を広げてもよい。また、所定範囲を広げる速度は、通報者端末10による通報により、不審者か不審車両かによって、変更してもよい。
また、カメラ特定部55は、車載カメラ20-1~20-nの移動した後の位置(以下「移動位置」とする)を予測し、通報者端末10及び車載カメラ20-1~20-nの位置情報、並びに予測した車載カメラ20-1~20-nの移動後の位置に基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から少なくとも1つの車載カメラを捜査利用カメラとして特定してもよい。その場合は、カメラ特定部55において、車載カメラ20-1~20-nから取得した車載カメラ20-1~20-nのそれまでの位置情報の変化に基づいて、車載カメラ20-1~20-nの移動方向や速度を判断し、車載カメラ20-1~20-nのその通報から時間経過した後の移動位置を予測することが考えられる。なおこの場合、予め位置情報の記録の際に日時情報を記録しておく。また、上述した所定範囲での特定と移動位置の予測による特定を組み合わせてもよい。この場合、捜査利用カメラとして特定する所定範囲も、その通報から時間経過毎に広げていく。そして、既定時間後に予測した車載カメラ20-1~20-nの移動位置が、捜査利用カメラとして特定する所定範囲内に入ると予測される場合、当該車載カメラ20-1~20-nを捜査利用カメラとして特定してもよい。また、車載カメラ20-1~20-nの位置が、捜査利用カメラとして特定する所定範囲外になった場合、当該車載カメラ20-1~20-nを捜査利用カメラから除外してもよい。このように、特定した捜査利用カメラを、通報から経過した時間に応じて、予測した移動位置が所定範囲内か所定範囲外かを基準に、変更していくことが考えられる。また、車載カメラ20-1~20-nが宅配便等の移動予定ルートが予め想定できる車両に搭載されている場合は、例えば、宅配便なら配送ルート、ごみ収集車なら回収ルート等をカメラ特定部55に予め登録しておき、この配送ルート等を移動予定ルートとして用いて車載カメラ20-1~20-nのその通報後の時間経過とともに変化する移動位置を予測してもよい。このように車載カメラ20-1~20-nの移動位置を予測し、それに基づいて捜査利用カメラとして特定することで、車載カメラ20-1~2-nを搭載した車両が移動した場合でも、不審者が映っている可能性がある車載カメラを特定することができる。また、通報者端末10によって通報された不審者が、通報から時間の経過とともに移動したとしても、車載カメラ20-1~20-nを搭載した車両が移動することを利用して、不審者の移動に伴う方向に存在することが予測される車載カメラを特定することができる。なお、捜査利用カメラとして特定される車載カメラは1つとは限らない。
次に、画像特定部56において、画像取得部54にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部55にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像を捜査用画像として特定する(ステップ7)。この際、上述したように、車載カメラ20-1~20-nの位置情報と、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像とには、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報が付与されているため、画像取得部54にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部55にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラの識別情報と同じ識別情報が付与されている動画画像を抽出することで、捜査利用カメラにて撮影された動画画像を特定することができる。なお、捜査利用カメラが複数の場合は、動画画像も複数となる。
次に、画像照合部58において、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像と、通報情報取得部57にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する(ステップ8)。通報情報取得部57においては、上述したように、通報者端末10から受付端末30への通報の際のヒアリングによる捜査用情報が取得されているため、画像照合部58は、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像の中に、通報情報取得部57にて取得された捜査用情報に対応する不審者等が映っているかどうかを照合する。例えば、通報者端末10から受付端末30への通報の際のヒアリングによって、「黒い目出し帽」、「黒いリュック」という捜査用情報が取得されている場合、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像の中に、「黒い目出し帽」を被り、「黒いリュック」を背負った人物が映っているかどうかを照合する。また、不審者データベース60には、過去に不審者として検挙された人物の顔画像や特徴情報が登録されているため、画像照合部58は、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像の中に、不審者データベース60に登録された情報に該当する不審者等が映っているかどうかを照合してもよい。また、通報者端末10から受付端末30への通報があった日時を用いて、捜査用画像の中から照合する動画画像の部分を絞り込んでもよい。なおこの場合、予め動画画像の記録の際に日時情報を記録しておく。なお、これら画像照合部58における照合は、一般的な条件マッチングや画像マッチング技術を利用して行うことが考えられる。また、複数のシーンが捜査用画像の中から照合される場合もある。
その後、画像送信部59において、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像のうち、通報情報取得部57にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報によって特定される不審者が映っている動画画像を、その動画画像を撮影した車両カメラの位置情報とともに動画画像として通信部51を介して捜査用端末40に送信する(ステップ9)。その際、画像送信部59において、動画画像を全て送信するのではなく、動画画像のうち不審者が映っているシーンまたはスナップショットを切り出し、一部の動画画像または静止画画像として送信してもよい。なお、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像を全て画像送信部59から送信してもよいが、画像特定部56にて捜査用画像として特定された動画画像のうち、通報情報取得部57にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報によって特定される不審者が映っている動画画像や静止画画像を切り出し、画像送信部59から送信することで、捜査員が不審者を特定しやすくすることができる。なお、送信する動画画像または静止画画像は複数でも構わない。
画像送信部59から送信された動画画像は通信回線70を介して捜査用端末40にて受信され、捜査員は捜査用端末40にて受信された動画画像を用いて捜査を行うことになる。
このように本形態においては、車載カメラ20-1~20-nを利用し、不審者を目撃した旨の通報があった場合に、車載カメラ20-1~20-nのうち、通報をした通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40に送信する構成としたため、監視カメラ等が設置されていない場所においても、不審者が目撃された場合に、不審者の特定をしやすくすることができる。また、不審者が目撃された場合に限らず、事件や事故が発生した場合に、その事件や事故を通報した通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40に送信することで、監視カメラ等が設置されていない場所においても、事件や事故が発生した場合に、事件や事故に関わった車両等の特定をしやすくすることができる。
なお、画像取得部54にて車載カメラ20-1~20-nから取得した動画画像は、データベースに登録され、上述した一連の処理に用いられることになるが、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像は、不審者や事件、事故の捜査に無関係のものがほとんどであるため、一定時間が経過した後にデータベースから削除することが好ましい。そのような構成とすることで、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された画像のうち捜査に特に必要ではない画像がいつまでも特定解析サーバー50に保持されることがなくなり、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された画像に映っている人物のプライバシーが必要以上に侵されることが回避される。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の捜査支援システムの第2の実施の形態を示す図である。図7は、図6に示した位置取得サーバー80の構成を示すブロック図である。図8は、図6に示した画像解析サーバー90の構成を示すブロック図である。
本形態は図6に示すように、図1に示したものに対して、特定解析サーバー50が位置取得サーバー80と画像解析サーバー90とに分離している点と、複数の捜査用端末40-1~40-Nを有する点が異なるものである。なお、第1の実施の形態と同様の説明は省略する場合がある。
位置取得サーバー80は、通報者端末10及び捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信回線70を介して取得し、これらを画像解析サーバー90に通信回線70を介して転送する。位置取得サーバー80は、図7に示すように、通信部81と、通報者端末位置取得部82と、通報者端末位置転送部83と、捜査用端末位置取得部84と、捜査用端末位置転送部85とを有している。位置取得サーバー80は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバー用のコンピュータ等で実現される。また、位置取得サーバー80は、受付端末30や交換機等の他の装置の一部として構成されていてもよい。
通信部81は、位置取得サーバー80が、通報者端末10や受付端末30、捜査用端末40-1~40-N、画像解析サーバー90との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。通信部81は、例えば、LANコネクタや通信コントローラ等で実現される。
通報者端末位置取得部82は、通報者端末10から送信されてきた通報者端末10の位置情報を通信部81を介して取得する。
通報者端末位置転送部83は、通報者端末位置取得部82にて取得された通報者端末10の位置情報を通信部81を介して画像解析サーバー90に転送する。
捜査用端末位置取得部84は、捜査用端末40-1~40-Nから送信されてきた捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信部81を介して取得する。
捜査用端末位置転送部85は、捜査用端末位置取得部84にて取得された捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信部81を介して画像解析サーバー90に送信する。
なお、通報者端末位置取得部82、通報者端末位置転送部83、捜査用端末位置取得部84及び捜査用端末位置転送部85は、例えば、CPUとメモリ、実行されたソフトウェア等により実現される。
画像解析サーバー90は、通報者端末10及び捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を位置取得サーバー80から取得するとともに、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像を車載カメラ20-1~20-nの位置情報とともに通信回線70を介して取得し、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像の中から、通報者端末10の位置情報に基づいて捜査用画像を特定し、通報者端末10の位置情報に基づいて特定される捜査用端末40-1~40-Nに送信する。画像解析サーバー90は、図8に示すように、通信部91と、本願発明における位置情報取得手段となる通報者端末位置取得部92、車載カメラ位置取得部93及び捜査用端末位置取得部101と、画像取得部94と、カメラ特定部95と、画像特定部96と、通報情報取得部97と、画像照合部98と、画像送信部99と、捜査用端末特定部102とを有している。画像解析サーバー90は、例えば、サーバー用のコンピュータ等で実現される。画像解析サーバー90は、複数の装置から構成されていてもよい。
通信部91は、画像解析サーバー90が、車載カメラ20-1~20-nや受付端末30、捜査用端末40-1~40-N、位置取得サーバー80との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。通信部51は、例えば、LANコネクタや通信コントローラ等で実現される。
通報者端末位置取得部92は、位置取得サーバー80から送信されてきた通報者端末10の位置情報を通信部91を介して取得する。
捜査用端末位置取得部101は、位置取得サーバー80から送信されてきた捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信部91を介して取得する。
車載カメラ位置取得部93は、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた車載カメラ20-1~20-nの位置情報を通信部91を介して取得する。
画像取得部94は、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた動画画像を通信部91を介して取得する。
カメラ特定部95は、通報者端末位置取得部92にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部93にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する。
画像特定部96は、画像取得部94にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部95にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像を捜査用画像として特定する。
通報情報取得部97は、受付端末30にて通報者端末10から受け付けた通報に含まれる捜査用情報を通信部91を介して取得する。
画像照合部98は、画像特定部96にて捜査用画像として特定された動画画像と、通報情報取得部97にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する。
捜査用端末特定部102は、通報者端末位置取得部92にて取得された通報者端末10の位置情報と捜査用端末位置取得部101にて取得された捜査用端末40-1~40-Nの位置情報とに基づいて、捜査用画像を送信する捜査用端末を特定する。
画像送信部99は、画像特定部96にて捜査用画像として特定された動画画像のうち、画像照合部98における照合結果に基づいて特定される動画画像を、捜査用端末40-1~40-Nのうち捜査用端末特定部102にて特定された捜査用端末に通信部91を介して送信する。
なお、通報者端末位置取得部92、捜査用端末位置取得部101、車載カメラ位置取得部93、画像取得部94、カメラ特定部95、画像特定部96、通報情報取得部97、画像照合部98、捜査用端末特定部102及び画像送信部99は、例えば、CPUとメモリ、実行されたソフトウェア等により実現される。
以下に、上記のように構成された捜査支援システムにおける捜査支援方法について説明する。
図9は、図6~図7に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。
車載カメラ20-1~20-nのそれぞれは、位置取得部21において、車載カメラ20-1~20-nの位置情報を取得するとともに、撮影部22において、例えば車載カメラ20-1~20-nが車両の前方に向けて搭載されている場合は、車両の前方を動画画像として撮影している。そして、位置取得部21にて取得された位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像とを通信部23から送信する(ステップ11)。この際、位置取得部21にて取得された位置情報と、撮影部22にて撮影された動画画像とを対応づけておくため、これらの情報には、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報を付与しておくことが考えられる。
車載カメラ20-1~20-nから送信された位置情報と動画画像は、通信回線70を介して画像解析サーバー90の通信部91が受信し、車載カメラ20-1~20-nから送信された位置情報は車載カメラ位置取得部93が取得し、車載カメラ20-1~20-nから送信された動画画像は画像取得部94が取得する(ステップ12)。なお、車載カメラ20-1~20-nからの位置情報と動画画像の画像解析サーバー90への送信は、第1の実施の形態にて示した車載カメラ20-1~20-nから特定解析サーバー50への送信と同様に、常時行っていてもよいし、既定の時間ごとに行ってもよい。さらには、画像解析サーバー90から所定のタイミングで送信される送信指示を車載カメラ20-1~20-nが受信した場合に行ってもよい。
そのような状態において、通報者端末10から受付端末30に不審者を目撃した旨の通報があった場合(ステップ13)、通報者端末10は、受付端末30の操作者が不審者の特定に利用可能な捜査用情報をヒアリングすることで、通話部13を介して入力された音声を受付端末30に送信するとともに、位置取得部11にて取得した位置情報を通報とともに位置取得サーバー80に送信する。通報者端末10から位置取得サーバー80への位置情報の送信は、第1の実施の形態にて示した通報者端末10から特定解析サーバー50への送信と同様に行うことが考えられる。
また、捜査用端末40-1~40-Nは、自身の捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を取得し、位置取得サーバー80に送信する。位置取得サーバー80の捜査用端末位置取得部84が、捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信回線70を介して取得する。そして、捜査用端末位置転送部85が、捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を画像解析サーバ90に転送することで、画像解析サーバー90の捜査用端末位置取得部101が、捜査用端末40-1~40-Nの位置情報を通信部91を介して取得する。捜査用端末40-1~40-Nの位置情報の、捜査用端末40-1~40-Nから位置取得サーバー80への送信または位置取得サーバー80から画像解析サーバー90への送信は、常時行っていてもよいし、既定の時間ごとに行ってもよいし、画像解析サーバー90から送信される送信指示を位置取得サーバー80が受信した場合に行ってもよい。画像解析サーバー90から位置取得サーバー80に送信される送信指示は、例えば、後述する捜査用端末特定部102において、捜査用端末40-1~40-Nの中から、不審者が映っている動画画像を送信する捜査用端末を特定する時に、画像解析サーバー90が位置取得サーバー80に送信し、更に、位置取得サーバー80が捜査用端末40-1~40-Nに送信することが考えられる。
位置取得サーバー80の通報者端末位置取得部82が、受付端末30に不審者を目撃した旨の通報をした通報者端末10の位置情報を取得すると(ステップ14)、位置取得サーバー80の通報者端末位置転送部83が、通報者端末位置取得部82にて取得された通報者端末10の位置情報を通信部81を介して画像解析サーバー90に転送する(ステップ15)。
すると、位置取得サーバー80の通報者端末位置転送部83から転送された通報者端末10の位置情報を画像解析サーバー90の通報者端末位置取得部92が通信部91を介して取得する(ステップ16)。
また、画像解析サーバー90は、通報情報取得部97において、通報者端末10から受付端末30に送信されてきた音声に含まれる捜査用情報を受付端末30から通信回線70を介して取得する(ステップ17)。この捜査用情報は、通報者端末10から受付端末30に通報の際に送信された音声によるものであってもよいし、受付端末30のオペレータによるキーボードへの入力や受付端末30にて実行される音声認識ソフトウェアにより、音声を文字情報に変換したものであってもよい。
すると、画像解析サーバー90においては、まず、カメラ特定部95が、通報者端末位置取得部92にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部93にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する(ステップ18)。捜査利用カメラの特定は、例えば、第1の実施の形態にて示した特定解析サーバー50の動作と同様に行うことが考えられる。
次に、画像特定部96において、画像取得部94にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部95にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像を捜査用画像として特定する(ステップ19)。この際、上述したように、車載カメラ20-1~20-nの位置情報と、車載カメラ20-1~20-nにて撮影された動画画像とには、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報が付与されているため、この識別情報を用いて、画像取得部94にて取得された動画画像の中から、カメラ特定部95にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像を特定することができる。
次に、画像照合部98において、画像特定部96にて捜査用画像として特定された動画画像と、通報情報取得部97にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する(ステップ20)。これらの照合は、第1の実施の形態にて示した特定解析サーバー50の動作と同様に行うことが考えられる。
次に、捜査用端末特定部102において、通報者端末位置取得部92にて取得された通報者端末10の位置情報と捜査用端末位置取得部101にて取得された捜査用端末40-1~40-Nの位置情報とに基づいて、捜査用端末40-1~40-Nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として所定範囲内に存在する捜査用端末を特定する(ステップ21)。ここでの通報者端末10の位置を基準として捜査用端末を特定する仕方は、第1の実施の形態にて、特定解析サーバー50が通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する説明で示したように行うことが考えられる。また、通報者端末10の位置を基準にするのではなく、カメラ特定部95にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラの位置を基準にしてもよい。
その後、画像送信部99において、画像特定部96にて捜査用画像として特定された動画画像のうち、通報情報取得部97にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報によって特定される不審者が映っている動画画像を、その動画画像を撮影した車両カメラの位置情報とともに、動画画像として捜査用端末特定部102にて特定された捜査用端末に対して通信部91を介して送信する(ステップ22)。
画像送信部99から送信された動画画像は通信回線70を介して、捜査用端末特定部102にて特定された捜査用端末にて受信され、捜査員は捜査用端末にて受信された動画情報を用いて捜査を行うことになる。
このように本形態においても、車載カメラ20-1~20-nを利用し、不審者を目撃した旨の通報があった場合に、車載カメラ20-1~20-nのうち、通報をした通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40-1~40-Nに送信する構成としたため、監視カメラ等が設置されていない場所においても、不審者が目撃された場合に、不審者の特定をしやすくすることができる。また、不審者が目撃された場合に限らず、事件や事故が発生した場合に、その事件や事故を通報した通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40-1~40-Nに送信することで、監視カメラ等が設置されていない場所においても、事件や事故が発生した場合に、事件や事故に関わった人や車両等の特定をしやすくすることができる。
さらに、本形態においては、複数の捜査用端末40-1~40-Nのうち、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を中心として所定範囲内に存在する捜査用端末に対して捜査用画像を送信する構成としたため、不審者が目撃されたり事件や事故が発生したりした場所の周辺にいる捜査員がすぐに捜査に着手することができ、捜査員が不審者や車両等を発見しやすくなる。
(第3の実施の形態)
図10は、本発明の捜査支援システムの第3の実施の形態を示す図である。図11は、図10に示した位置取得サーバー180の構成を示すブロック図である。図12は、図10に示した画像解析サーバー190の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の説明は省略する場合がある。
本形態は図10に示すように、図6に示したものに対して、位置取得サーバー180及び画像解析サーバー190の構成が異なるものである。また、捜査用端末40は、第1の実施の形態にて示したものと同様に1つとなっているが、第2の実施の形態にて示したものと同様に複数でも構わない。
位置取得サーバー180は、通報者端末10及び車載カメラ20-1~20-nの位置情報を通信回線70を介して取得し、通報者端末10及び車載カメラ20-1~20-nの位置情報に基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から捜査利用カメラを特定し、特定した捜査利用カメラに対して、撮影した画像の画像解析サーバー190への送信を指示する。位置取得サーバー180は、図11に示すように、通信部181と、本願発明における位置情報取得手段となる通報者端末位置取得部182及び車載カメラ位置取得部183と、カメラ特定部184と、画像送信指示部185とを有している。位置取得サーバー180は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバー用のコンピュータ等で実現される。また、位置取得サーバー180は、受付端末30や交換機等の装置の一部として構成されていてもよい。
通信部181は、位置取得サーバー180が、通報者端末10や車載カメラ20-1~20-n、受付端末30、捜査用端末40、画像解析サーバー190との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。通信部181は、例えば、LANコネクタや通信コントローラ等で実現される。
通報者端末位置取得部182は、通報者端末10から送信されてきた通報者端末10の位置情報を通信部181を介して取得する。
車載カメラ位置取得部183は、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた車載カメラ20-1~20-nの位置情報を通信部181を介して取得する。
カメラ特定部184は、通報者端末位置取得部182にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部183にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する。
画像送信指示部185は、カメラ特定部184にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラに対して、撮影した画像の画像解析サーバー190への送信を指示するための画像送信指示を通信部191を介して送信する。
なお、通報者端末位置取得部182、車載カメラ位置取得部183、カメラ特定部184及び画像送信指示部185は、例えば、CPUとメモリ、実行されたソフトウェア等により実現される。
画像解析サーバー190は、車載カメラ20-1~20-nのうち、位置取得サーバー180にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像をその車載カメラの位置情報とともに通信回線70を介して取得し、取得した動画画像を捜査用端末40に送信する。画像解析サーバー190は、図12に示すように、通信部191と、画像取得部192と、通報情報取得部193と、画像照合部194と、画像送信部195とを有している。画像解析サーバー190は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバー用のコンピュータ等で実現される。また、画像解析サーバー190は、受付端末30や交換機等の装置の一部として構成されていてもよい。
通信部191は、画像解析サーバー190が、車載カメラ20-1~20-nや受付端末30、捜査用端末40との間にて通信回線70を介して情報をやりとりするためのものである。通信部181は、例えば、LANコネクタや通信コントローラ等で実現される。
画像取得部192は、車載カメラ20-1~20-nのうち、位置取得サーバー180にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて撮影された動画画像をその車載カメラの位置情報とともに通信部191を介して取得する。
通報情報取得部193は、受付端末30にて通報者端末10から受け付けた通報に含まれる捜査用情報を通信部191を介して取得する。
画像照合部194は、画像取得部192にて取得された動画画像と、通報情報取得部193にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する。
画像送信部195は、画像取得部192にて取得された動画画像のうち、画像照合部194における照合結果に基づいて特定される動画画像を通信部191を介して捜査用端末40に送信する。
なお、画像取得部192、通報情報取得部193、画像照合部194及び画像送信部195は、例えば、CPUとメモリ、実行されたソフトウェア等により実現される。
以下に、上記のように構成された捜査支援システムにおける捜査支援方法について説明する。
図13は、図10~図12に示した捜査支援システムにおける捜査支援方法を説明するためのフローチャートである。
車載カメラ20-1~20-nのそれぞれは、位置取得部21において、車載カメラ20-1~20-nの位置情報を取得するとともに、撮影部22において、例えば車載カメラ20-1~20-nが車両の前方に向けて搭載されている場合は、車両の前方を動画画像として撮影している。そして、位置取得部21にて取得された位置情報を通信部23から送信する(ステップ31)。この際、位置取得部21にて取得された位置情報には、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報を付与しておくことが考えられる。
車載カメラ20-1~20-nから送信された位置情報は、通信回線70を介して位置取得サーバー180の通信部181が受信して車載カメラ位置取得部183が取得する(ステップ32)。なお、車載カメラ20-1~20-nからの位置情報の位置取得サーバー180への送信は、第1の実施の形態にて示した車載カメラ20-1~20-nから特定解析サーバー50への位置情報の送信と同様に、常時行っていてもよいし、既定の時間ごとに行ってもよいし、位置取得サーバー180から所定のタイミングで送信される送信指示を車載カメラ20-1~20-nが受信した場合に行ってもよい。
そのような状態において、通報者端末10から受付端末30に不審者を目撃した旨の通報があった場合(ステップ33)、通報者端末10は、受付端末30の操作者が不審者の特定に利用可能な捜査用情報をヒアリングすることで、通話部13を介して入力された音声を受付端末30に送信するとともに、位置取得部11にて取得した位置情報を通報とともに位置取得サーバー180に送信する。通報者端末10から位置取得サーバー180への位置情報の送信は、第1の実施の形態にて示した受付端末10から特定解析サーバー50への送信と同様に行うことが考えられる。
位置取得サーバー180の通報者端末位置取得部182が、受付端末30に不審者を目撃した旨の通報をした通報者端末10の位置情報を取得すると(ステップ34)、位置取得サーバー180のカメラ特定部184が、通報者端末位置取得部182にて取得された通報者端末10の位置情報と車載カメラ位置取得部183にて取得された車載カメラ20-1~20-nの位置情報とに基づいて、車載カメラ20-1~20-nの中から、受付端末30に通報を行った通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定する(ステップ35)。位置取得サーバー180による捜査利用カメラの特定は、例えば、第1の実施の形態にて示した特定解析サーバー50の動作と同様に行うことが考えられる。
次に、位置取得サーバー180の画像送信指示部185が、カメラ特定部184にて捜査利用カメラとして特定された車載カメラに対して、撮影した画像の画像解析サーバー190への送信を指示するための画像送信指示を通信部191を介して送信する(ステップ36)。画像送信指示部185は、車載カメラ20-1~20-nのアドレス等の宛先情報を、車載カメラ20-1~20-nのそれぞれに付与されたカメラID等の識別情報と対応づけて管理しており、車載カメラ20-1~20-nから送信されてきた位置情報に付与されたカメラID等の識別情報によってその車載カメラの宛先情報を認識することで、該当する車載カメラに画像送信指示を送信することができる。
位置取得サーバー180から送信された画像送信指示が、捜査利用カメラとして特定された車載カメラにて受信されると(ステップ37)、画像送信指示を受信した車載カメラは、撮影部22にて撮影した動画画像を、車載カメラの位置情報とともに通信部23を介して送信する(ステップ38)。
該当する車載カメラから送信された動画画像は、通信回線70を介して画像解析サーバー190の通信部191が受信して画像取得部192が捜査用画像として取得する(ステップ39)。
また、画像解析サーバー190は、通報情報取得部193において、通報者端末10から受付端末30への通報の際に送信されてきた音声に含まれる捜査用情報を受付端末30から通信回線70を介して取得している。
すると、画像照合部194において、画像取得部192にて捜査用画像として取得された動画画像と、通報情報取得部193にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報とを照合する(ステップ40)。これらの照合は、第1の実施の形態にて示した特定解析サーバー50の動作と同様に行うことが考えられる。
その後、画像送信部195において、画像取得部192にて捜査用画像として取得された動画画像のうち、通報情報取得部193にて取得された捜査用情報や不審者データベース60に登録された捜査用情報によって特定される不審者が映っている動画画像を、その動画画像を撮影した車両カメラの位置情報とともに捜査用端末40に対して通信部191を介して送信する(ステップ41)。
画像送信部195から送信された動画画像は通信回線70を介して捜査用端末40にて受信され、捜査員は捜査用端末40にて受信された動画画像を用いて捜査を行うことになる。
このように本形態においても、車載カメラ20-1~20-nを利用し、不審者を目撃した旨の通報があった場合に、車載カメラ20-1~20-nのうち、通報をした通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40に送信する構成としたため、監視カメラ等が設置されていない場所においても、不審者が目撃された場合に、不審者の特定をしやすくすることができる。また、不審者が目撃された場合に限らず、事件や事故が発生した場合に、その事件や事故を通報した通報者端末10の位置を基準として決められる車載カメラにて撮影された画像をリアルタイムで取得して捜査用端末40に送信することで、監視カメラ等が設置されていない場所においても、事件や事故が発生した場合に、事件や事故に関わった不審車両等の特定をしやすくすることができる。
10 通報者端末
11,21 位置取得部
12,23,51,81,91,181,191 通信部
13 通話部
14 操作部
15,26 情報処理部
22 撮影部
25 記憶部
20-1~20-n 車載カメラ
30 受付端末
40,40-1~40-N 捜査用端末
50 特定解析サーバー
52,82,92,182 通報者端末位置取得部
53,93,182 車載カメラ位置取得部
54,94,192 画像取得部
55,95,184 カメラ特定部
56,96 画像特定部
57,97,193 通報情報取得部
58,98,194 画像照合部
59,99,195 画像送信部
60 不審者データベース
70 通信回線
80,180 位置取得サーバー
83 通報者端末位置転送部
84,101 捜査用端末位置取得部
85 捜査用端末位置転送部
90,190 画像解析サーバー
102 捜査用端末特定部
185 画像送信指示部

Claims (2)

  1. 複数の車載カメラにて撮影された画像を常時または既定の時間ごとに取得する画像取得手段と、
    前記複数の車載カメラの位置情報を取得するカメラ位置情報取得手段と、
    通報者端末から捜査に係る通報を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段が前記通報を受け付けると、該通報を行った通報者端末の位置情報を取得する通報者端末位置情報取得手段と、
    前記通報者端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付手段が受け付けた通報を行った通報者端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定手段と、
    前記画像取得手段にて取得された画像の中から、前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として特定する画像特定手段と、
    前記受付手段が受けた通報の際のヒアリングにより取得された捜査用情報と前記捜査用画像とを照合する画像照合手段と、
    前記捜査用画像のうち、前記画像照合手段における照合結果に基づいて特定される捜査用画像のみを捜査用端末に送信する画像送信手段とを有する、捜査支援システム。
  2. 複数の車載カメラにて撮影された画像を常時または既定の時間ごとに取得する画像取得処理と、
    前記複数の車載カメラの位置情報を取得するカメラ位置情報取得処理と、
    通報者端末から捜査に係る通報を受け付ける受付処理と、
    前記通報を受け付けると、該受け付けた通報を行った通報者端末の位置情報を取得する通報者端末位置情報取得処理と、
    前記通報者端末及び前記車載カメラの位置情報に基づいて、前記複数の車載カメラの中から、前記受付処理にて受け付けた通報を行った通報者端末の位置を基準として決められる車載カメラを捜査利用カメラとして特定するカメラ特定処理と、
    前記画像取得処理にて取得した画像の中から、前記捜査利用カメラにて撮影された画像を捜査用画像として特定する画像特定処理と、
    前記受付処理にて受けた通報の際のヒアリングにより取得された捜査用情報と前記捜査用画像とを照合する画像照合処理と、
    前記捜査用画像のうち、前記画像照合手段における照合結果に基づいて特定される捜査用画像のみを捜査用端末に送信する画像送信処理とを有する、捜査支援方法。
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