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JP5482557B2 - 端子金具及びコネクタ - Google Patents

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JP5482557B2 JP2010177319A JP2010177319A JP5482557B2 JP 5482557 B2 JP5482557 B2 JP 5482557B2 JP 2010177319 A JP2010177319 A JP 2010177319A JP 2010177319 A JP2010177319 A JP 2010177319A JP 5482557 B2 JP5482557 B2 JP 5482557B2
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Description

本発明は、端子金具及びコネクタに関するものである。
特許文献1には、コネクタハウジング内に挿入されてランスとの係止作用により抜止めされるようになっていて、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、端子接続部内に設けられた弾性接触片とを備えた端子金具が開示されている。
端子接続部は、ランスに係止されるランス孔が形成された基板部と、基板部の左右両側縁から略直角な延出した左右一対の側板部と、側板部から基板部と平行に延出した受け板部とを備えて構成され、基板部のうちランス孔よりも前方の領域は前板部となっており、ランス孔よりも後方の領域は後板部となっている。弾性接触片は、基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を後板部と対応させた形態である。タブが端子接続部に進入したときには、弾性接触片が、前板部と後板部とによって2点支持された状態で弾性変形して、タブを受け板部との間で挟み付けるようになっている。
特開2003−157921号公報
上記の端子金具は、ランス孔の幅方向における開口領域が、基板部の全幅よりも狭い範囲であり、前板部と後板部は、基板部のうちランス孔の左右両側縁に沿うように位置する一対の側縁部によって繋がった形態となっている。そのため、端子金具が後方へ強く引っ張られ、ランス側からの反力によって前板部が不正な変形を生じた場合には、その変形の影響が両側縁部を介して後板部に及び、後板部に不正な変形を生じさせる虞がある。この後板部は弾性接触片の後端部を支持しているので、後板部が不正に変形した場合には、弾性接触片の撓み方が不正となり、その結果、タブと弾性接触片との間の接触圧が不適正になる虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ランス孔よりも前方の前板部の変形に起因する弾性接触片の接触信頼性低下を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、コネクタハウジング内に挿入されてランスへの係止により抜止めされるようになっており、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを備えた端子金具であって、前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっている端子金具において、前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、前記コネクタハウジングに対する挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部が、前記ランスの形成領域の少なくとも一部と重なっており、前記スタビライザは、前記ランス孔を前記ランスに係止させている状態で、前記ランスに形成した逃がし凹部内に収容されるようになっているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記端子接続部は、前記基板部の左右両側縁から略直角に立ち上がる一対の側板部を有しており、前記側板部のうち前後方向において前記ランス孔と対応する領域には、前記側板部の変形を抑制可能な補強部が形成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記補強部は、前記弾性接触片に形成した当接部を当接させることで前記弾性接触片の不正な撓みを防止するようになっているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、内部にランスが設けられているコネクタハウジングと、前記コネクタハウジング内に挿入されて前記ランスとの係止により抜止めされる端子金具とを備え、前記端子金具は、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを有しており、前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっているコネクタにおいて、前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して前記端子金具が不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、前記コネクタハウジングに対する前記端子金具の挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部と前記ランスの形成領域の少なくとも一部とが互いに重なっており、前記ランスには、前記ランス孔と前記ランスとが係止している状態で、前記スタビライザを収容する逃がし凹部が形成されているところに特徴を有する。
<請求項1及び請求項4の発明>
ランス孔は基板部の全幅に亘って開口し、前板部と後板部はランス孔によって分離されているので、端子金具が後方へ引っ張られて前板部が変形しても、この前板部の変形の影響は後板部には及ばない。また、後板部は、その一部を叩き出すことによって形成したスタビライザによって剛性が高められているので、変形を生じ難くなっている。したがって、後端部を後板部によって支持されている弾性接触片の撓み方が不正になる虞がなく、後板部の変形に起因する弾性接触片の接触信頼性低下が防止される。
また、スタビライザとランスの双方を幅広の形態とすることができるので、スタビライザによる後板部の強度向上の機能と、ランスによる抜止め機能との両機能の信頼性向上を図ることが可能となる。
請求項2の発明>
前板部が変形した場合、その前板部の変形の影響が、側板部に及んで側板部を変形させ、この側板部の変形の影響が後板部に及ぼされることが懸念される。しかし、本発明では、側板部に補強部を形成して側板部の変形を抑制するようにしたので、前板部の変形の影響が、側板部を介して後板部に及ぶことが防止される。
請求項3の発明>
補強部は、側板部を補強する機能の他に、弾性接触片の不正な撓みを防止する機能も兼ね備えているので、補強部とは別に弾性接触片の不正な撓みを防止するための専用手段を形成する場合に比べると、側板部の形状を簡素化することができる。
実施形態1の端子金具の正面図 端子金具の側面図 端子金具の底面図 端子金具の部分拡大断面図 タブと端子金具が接続した状態の部分拡大断面図 図2のX−X線断面図 図4のY−Y線断面図 端子金具の展開図 コネクタの断面図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。図9に示すように、本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のコネクタハウジング10と、コネクタハウジング10内に収容される複数の端子金具20とを備えて構成されている。コネクタハウジング10の内部には、前後方向に貫通する複数のキャビティ11が形成され、キャビティ11の内部は、その内壁に沿って前方(図9における左方)へ片持ち状に延出した形態のランス12が形成されている。キャビティ11に対する端子金具20の挿入方向と直交する幅方向(図面の紙面と直交する方向)において、ランス12は、キャビティ11の中央位置に配されているとともに、幅方向において対称(左右対称)な形状である。ランス12には、その全幅に亘って、キャビティ11側へ突出した形態の係止突起13が形成されている。また、ランス12におけるキャビティ11との対向面には、前後方向に細長い逃がし凹部14が形成されている。前後方向における逃がし凹部14の形成領域は、係止突起13の後端部から、それよりも後方の範囲に亘る。幅方向において、逃がし凹部14は、ランス12の中央位置に配され、左右対称である。
端子金具20は、図8に示す所定の形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形され、図2,3に示すように、全体として前後方向に細長い形状である。端子金具20は、前端部(図2,3における左側の端部)に角筒状をなす端子接続部21が形成され、後端部にオープンバレル状の電線圧着部22が形成され、端子接続部21の後端と電線圧着部22の前端とが略U字形断面の連結部23を介して連結された周知の雌形の端子である。電線圧着部22には電線24の先端部が圧着により導通可能に接続されている。端子金具20はコネクタハウジング10の後方からキャビティ11内に挿入され、正規挿入された状態では、ランス12の係止作用によって抜止め状態に保持される。また、キャビティ11に挿入された端子金具20に対しては、コネクタハウジング10の前方からキャビティ11内に挿入された雄形をなす相手側端子40のタブ41が、導通可能に接続されるようになっている。
図1〜5に示すように、端子接続部21は、前後方向に長い平板状の基板部25と、基板部25の左右両側縁から略直角に立ち上がる左右対称な一対の平板状をなす側板部26と、左右両側板部26の立ち上がり端縁から基板部25と平行に延出された平板状をなす二枚重ねの受け板部27とによって略角筒状に構成されている。図2,3に示すように、基板部25の後端は、連結部23を構成する底板部23Aに対して面一状に連なり、連結部23の底板部23Aは、電線圧着部22の底板部22Aに連なっている。
図3〜7に示すように、基板部25には、ランス12に係止するためのランス孔28が形成されている。ランス孔28は、端子接続部21の前後方向における中央よりも少し前方の位置に配され、その開口形状には方形である。つまり、ランス孔28の開口縁のうち前縁28Fと後縁28Rは、いずれも、キャビティ11に対する端子金具20の挿入方向と直交する方向(幅方向と平行な方向)である。また、幅方向におけるランス孔28の開口範囲は、基板部25の全幅に亘っている。
基板部25は、ランス孔28によって前後に分断されていて、基板部25のうちランス孔28よりも前方の領域が前板部25Fとなっており、基板部25のうちランス孔28よりも後方の領域が後板部25Rとなっている。前板部25Fと後板部25Rは、その全幅に亘って前後に分断されているが、左右両側板部26によって連結された形態となっている。
図4〜6に示すように、後板部25Rには、その一部を下方(端子接続部21の外面側)へ叩き出すことによってスタビライザ29が形成されている。スタビライザ29は、キャビティ11に対して端子金具20が不正な向き(上下反転した姿勢)で挿入されるのを防止するための誤挿入防止機能と、後板部25Rの剛性を高めるための強度向上機能とを兼ね備えている。
図3,6に示すように、コネクタハウジング10に対する挿入方向と交差する幅方向において、スタビライザ29は、基板部25(後板部25R)の中央位置に配されているとともに、左右対称な形状である。また、スタビライザ29はその全幅に亘ってランス12の形成領域の範囲内に収まっている。つまり、スタビライザ29の形成領域の少なくとも一部は、ランス12の形成領域の少なくとも一部と重なっている。スタビライザ29はランス孔28よりも幅狭であって、スタビライザ29の幅寸法は、その前端部において最も大きく、後端に向かって次第に幅狭となっている。図3〜5に示すように、前後方向におけるスタビライザ29の形成領域は、後板部25Rの前端縁(ランス孔28の後縁28R)から、それよりも後方の所定範囲に亘っている。図4,5に示すように、スタビライザ29の後板部25Rからの突出寸法は、前端部において最も大きく、後端に向かって次第に突出寸法が小さくなっている。
図2,4〜7に示すように、左右両側板部26には、略方形をなす窓孔30が左右対称に一対形成されている。前後方向(キャビティ11に対する端子金具20の挿入方向と平行な方向)における窓孔30の形成領域(開口領域)は、ランス孔28の前縁28Fよりも少し前方の位置から、ランス孔28の後縁28Rよりも少し前方の位置に至る範囲となっている。また、側板部26には、窓孔30の開口縁のうち下縁に沿って端子接続部21内に突出した形態の補強部31が、左右対称に一対形成されている。補強部31は、側板部26の一部を切り起こすことによって形成されていて、側板部26に対して直角なリブ状をなし、前後方向に直線状に延びている。前後方向における補強部31の形成領域は、ランス孔28の前縁28Fとほぼ同じ位置から、ランス孔28の後縁28Rよりも少し前方の位置に亘る範囲(ランス孔28の開口領域の範囲内)となっている。
図1,4〜7に示すように、端子接続部21の内部には、基板部25(前板部25F)の前端縁から後方へ折り返されるように片持ち状に延出した形態の弾性接触片32が収容されている。弾性接触片32は、幅方向(左右方向)においては、端子接続部21の中央位置に配され、左右対称である。弾性接触片32は、前板部25Fの前端縁から上方へ延出した略半円形の反転部33と、反転部33の延出端から後方へ片持ち状に延出する本体部34とからなる。本体部34は、側方から見て山形に屈曲した周知の形状に成形されており、本体部34(弾性接触片32)の後端部32Rは、前後方向及び幅方向において後板部25Rと対応するように位置している。また、弾性接触片32の頂上部は、タブ41との接点部35となっている。
図4に示すように、、弾性接触片32が弾性撓みしていない状態では、弾性接触片32の後端部32Rは、後板部25Rに対して上方へ離間した位置にあり、弾性接触片32は、前板部25Fのみによって1点(反転部33)で支持された状態となっている。また、図5に示すように、タブ41が端子接続部21内に正しく進入した状態では、タブ41が受け板部27の内面(下面)と弾性接触片32の接点部35の上面との間で上下に挟まれるとともに、弾性接触片32の後端部32Rが後板部25Rに当接して、弾性接触片32が弾性撓みする。この弾性接触片32の弾性復元力により、所定の接触圧でタブ41と端子金具20とが導通可能に接続される。タブ41と弾性接触片32が弾性接触している状態では、弾性接触片32は前板部25Fと後板部25Rとの前後2ヵ所において2点支持されることになり、この2点支持によって高い接触圧が得られる。
図1,6,7に示すように、弾性接触片32の左右両側縁には、前後方向において接点部35と対応する領域から幅方向外側へ面一状に突出する左右対称な一対の当接部36が形成されている。当接部36の突出端部は、窓孔30内に収容されており、弾性接触片32が弾性撓みしていない状態では、当接部36は、補強部31に対して上方へ離間した位置にある。そして、弾性接触片32が、不正に(つまり、弾性接触片32の弾性限度を超えて過度に)撓まされようにしたときには、当接部36が補強部31の上面と窓孔30の下縁に当接することによって、それ以上の弾性接触片32の撓み動作が阻止され、弾性接触片32の不正な変形が防止されるようになっている。
端子金具20をキャビティ11(図9を参照)に挿入する過程では、端子接続部21の前端縁が係止突起13に当接することにより、ランス12が端子金具20の挿入経路から退避する方向へ弾性撓みする。そして、端子金具20が正規の挿入位置に到達すると、ランス12が弾性復帰して、係止突起13がランス孔28内に進入し、係止突起13がランス孔28の前縁28Fに対して後方から係止可能な状態となり、この係止作用によって、端子金具20はランス12によって抜止め状態に保持される。
端子金具20がランス12によって抜止めされている状態において、端子金具20に対して後方へ引張力が作用したときには、前板部25Fの後縁(ランス孔28の前縁28F)が係止突起13に対して前方から強く押し付けられ、その結果、ランス12側からの反力によって前板部25Fが不正な変形を来す虞がある。もし、この前板部25Fの不正な変形が後板部25Rに及び、後板部25Rも不正な変形を生じた場合、後板部25Rに支持されている弾性接触片32の後端部32Rの位置が不正に変位し、その結果、弾性接触片32の撓み方も不正となり、タブ41と弾性接触片32との間の接触圧が不適正となる。
その点、本実施形態では、ランス孔28を基板部25の全幅に亘って開口させ、前板部25Fと後板部25Rを、その全幅に亘ってランス孔28によって分離しているので、前板部25Fの変形の影響が後板部25Rに及ぶ虞はない。しかも、後板部25Rは、その一部を叩き出すことによって形成したスタビライザ29によって剛性が高められているので、変形を生じ難くなっている。したがって、前板部25Fが不正に変形しても、後端部32Rを後板部25Rによって支持されている弾性接触片32の撓み方が不正になる虞がなく、後板部25Rの変形に起因する弾性接触片32の接触信頼性低下が防止される。これにより、ランス孔28よりも前方の前板部25Fの変形に起因する弾性接触片32の接触信頼性低下が防止される。
また、端子接続部21は、基板部25の左右両側縁から略直角に立ち上がる一対の側板部26を有し、この側板部26によって前板部25Fと後板部25Rが繋がっているため、前板部25Fの変形の影響が、側板部26に及んで側板部26を変形させ、この側板部26の変形の影響が後板部25Rに及ぼされることが懸念される。しかし、本実施形態では、側板部26に補強部31を形成して側板部26の変形を抑制するようにしたので、前板部25Fの変形の影響が、側板部26を介して後板部25Rに及ぶことが防止されている。
また、コネクタハウジング10に対する挿入方向と交差する幅方向において、スタビライザ29の形成領域の少なくとも一部が、ランス12の形成領域の少なくとも一部と重なっているので、スタビライザ29とランス12の双方を幅広の形態とすることができる。これにより、スタビライザ29による後板部25Rの強度向上の機能と、ランス12による抜止め機能との両機能の信頼性向上を図ることが可能となっている。
また、スタビライザ29とランス12が幅方向において重なる形態とした場合には、ランス12がスタビライザ29と干渉して、ランス孔28に十分な係止代で係止できなくなることが懸念される。しかし、本実施形態では、ランス12に逃がし凹部14を形成し、端子金具20がランス12によって抜止めされている状態では、逃がし凹部14にスタビライザ29を収容するようにしたので、ランス12とランス孔28との係止代を十分に確保し、抜止め機能の信頼性低下を回避することができる。
また、側板部26の不正な変形を抑制する手段である補強部31は、弾性接触片32に形成した当接部36を当接させることで弾性接触片32の不正な撓みを防止する機能も兼ね備えているので、補強部31とは別に弾性接触片32の不正な撓みを防止するための専用手段を形成する場合に比べると、側板部26の形状を簡素化することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、基板部が、連結部の底板部に連なるようにしたが、基板部は、連結部の底板部とは直接連続しない形態であってもよい。この場合、端子接続部の受け板部が、基板部の底板部に直接連なる形態となる。
(2)上記実施形態では、スタビライザを、後板部の前端部に配置し、ランス孔の後縁(後板部の前端縁)の一部を叩き出す形態としたが、スタビライザは、ランス孔の後縁(後板部の前端縁)より後方に配置してもよい。
(3)上記実施形態では、スタビライザの数を1つとしたが、スタビライザは複数形成してもよい。
(4)上記実施形態では、スタビライザがその全幅に亘って逃がし凹部内に収容されるようにしたが、逃がし凹部内に収容されるのは、スタビライザの幅方向における一部のみとしてもよい。
)上記実施形態では、補強部が、弾性接触片の不正な撓みを規制する機能を兼ね備えるようにしたが、補強部は、弾性接触片の不正な撓みを規制する機能を兼ね備えないものてあってもよい。この場合、補強部とは別に、弾性接触片の不正な撓みを規制する専用の手段を設けてもよい。
)上記実施形態では、前後方向における補強部の形成領域を、ランス孔の開口領域の範囲内としたが、前後方向における補強部の形成領域が、ランス孔の開口領域の範囲を越えていてもよい。この場合、補強部の前端部と後端部のうちいずれか一方の端部のみがランス孔の開口領域から外れる形態としてもよく、補強部の前後両端部がランス孔の開口領域から外れる形態としてもよい。
)上記実施形態では、補強部を、側板部の一部を切り起こした形態としたが、補強部は、側板部の一部を叩き出した形態であってもよい。
)上記実施形態では、1つの側板部に1つの補強部を形成したが、1つの側板部に複数の補強部を形成してもよい。
)上記実施形態では、側板部に補強部を形成したが、側板部に補強部を形成しない形態としてもよい。
10)上記実施形態では、タブが端子接続部に進入していない状態で弾性接触片の後端部が後板部と非接触となるようにしたが、弾性接触片の後端部は、タブが端子接続部に進入していない状態でも後板部と接触して支持された状態となるようにしてもよい。
11)上記実施形態では、ランス孔の開口形状を方形としたが、ランス孔の開口形状は方形以外の形状であってもよい。つまり、ランス孔の前縁(前板部の後縁)を、直線以外の形状(例えば、屈曲した形状)としてもよく、ランス孔の後縁(後板部の前縁)を、直線以外の形状(例えば、屈曲した形状)としてもよい。
<参考例>
(1)上記実施形態では、スタビライザを幅方向においてランスと対応する位置に配置し、スタビライザがランスの逃がし凹部内に収容されるようにしたが、スタビライザは、その幅方向における形成領域の全体がランスと非対応となるような形態でもよい。
10…コネクタハウジング
12…ランス
14…逃がし凹部
20…端子金具
21…端子接続部
25…基板部
25F…前板部
25R…後板部
26…側板部
28…ランス孔
29…スタビライザ
31…補強部
32…弾性接触片
32R…弾性接触片の後端部
36…当接部
40…相手側端子
41…タブ

Claims (4)

  1. コネクタハウジング内に挿入されてランスへの係止により抜止めされるようになっており、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを備えた端子金具であって、
    前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、
    前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、
    前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、
    前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっている端子金具において、
    前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、
    前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、
    前記コネクタハウジングに対する挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部が、前記ランスの形成領域の少なくとも一部と重なっており、
    前記スタビライザは、前記ランス孔を前記ランスに係止させている状態で、前記ランスに形成した逃がし凹部内に収容されるようになっていることを特徴とする端子金具。
  2. 前記端子接続部は、前記基板部の左右両側縁から略直角に立ち上がる一対の側板部を有しており、
    前記側板部のうち前後方向において前記ランス孔と対応する領域には、前記側板部の変形を抑制可能な補強部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
  3. 前記補強部は、前記弾性接触片に形成した当接部を当接させることで前記弾性接触片の不正な撓みを防止するようになっていることを特徴とする請求項2記載の端子金具。
  4. 内部にランスが設けられているコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジング内に挿入されて前記ランスとの係止により抜止めされる端子金具とを備え、
    前記端子金具は、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを有しており、
    前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、
    前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、
    前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、
    前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっているコネクタにおいて、
    前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、
    前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して前記端子金具が不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、
    前記コネクタハウジングに対する前記端子金具の挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部と前記ランスの形成領域の少なくとも一部とが互いに重なっており、
    前記ランスには、前記ランス孔と前記ランスとが係止している状態で、前記スタビライザを収容する逃がし凹部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
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