JP5482557B2 - 端子金具及びコネクタ - Google Patents
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Description
ランス孔は基板部の全幅に亘って開口し、前板部と後板部はランス孔によって分離されているので、端子金具が後方へ引っ張られて前板部が変形しても、この前板部の変形の影響は後板部には及ばない。また、後板部は、その一部を叩き出すことによって形成したスタビライザによって剛性が高められているので、変形を生じ難くなっている。したがって、後端部を後板部によって支持されている弾性接触片の撓み方が不正になる虞がなく、後板部の変形に起因する弾性接触片の接触信頼性低下が防止される。
前板部が変形した場合、その前板部の変形の影響が、側板部に及んで側板部を変形させ、この側板部の変形の影響が後板部に及ぼされることが懸念される。しかし、本発明では、側板部に補強部を形成して側板部の変形を抑制するようにしたので、前板部の変形の影響が、側板部を介して後板部に及ぶことが防止される。
補強部は、側板部を補強する機能の他に、弾性接触片の不正な撓みを防止する機能も兼ね備えているので、補強部とは別に弾性接触片の不正な撓みを防止するための専用手段を形成する場合に比べると、側板部の形状を簡素化することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。図9に示すように、本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のコネクタハウジング10と、コネクタハウジング10内に収容される複数の端子金具20とを備えて構成されている。コネクタハウジング10の内部には、前後方向に貫通する複数のキャビティ11が形成され、キャビティ11の内部は、その内壁に沿って前方(図9における左方)へ片持ち状に延出した形態のランス12が形成されている。キャビティ11に対する端子金具20の挿入方向と直交する幅方向(図面の紙面と直交する方向)において、ランス12は、キャビティ11の中央位置に配されているとともに、幅方向において対称(左右対称)な形状である。ランス12には、その全幅に亘って、キャビティ11側へ突出した形態の係止突起13が形成されている。また、ランス12におけるキャビティ11との対向面には、前後方向に細長い逃がし凹部14が形成されている。前後方向における逃がし凹部14の形成領域は、係止突起13の後端部から、それよりも後方の範囲に亘る。幅方向において、逃がし凹部14は、ランス12の中央位置に配され、左右対称である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、基板部が、連結部の底板部に連なるようにしたが、基板部は、連結部の底板部とは直接連続しない形態であってもよい。この場合、端子接続部の受け板部が、基板部の底板部に直接連なる形態となる。
(2)上記実施形態では、スタビライザを、後板部の前端部に配置し、ランス孔の後縁(後板部の前端縁)の一部を叩き出す形態としたが、スタビライザは、ランス孔の後縁(後板部の前端縁)より後方に配置してもよい。
(3)上記実施形態では、スタビライザの数を1つとしたが、スタビライザは複数形成してもよい。
(4)上記実施形態では、スタビライザがその全幅に亘って逃がし凹部内に収容されるようにしたが、逃がし凹部内に収容されるのは、スタビライザの幅方向における一部のみとしてもよい。
(5)上記実施形態では、補強部が、弾性接触片の不正な撓みを規制する機能を兼ね備えるようにしたが、補強部は、弾性接触片の不正な撓みを規制する機能を兼ね備えないものてあってもよい。この場合、補強部とは別に、弾性接触片の不正な撓みを規制する専用の手段を設けてもよい。
(6)上記実施形態では、前後方向における補強部の形成領域を、ランス孔の開口領域の範囲内としたが、前後方向における補強部の形成領域が、ランス孔の開口領域の範囲を越えていてもよい。この場合、補強部の前端部と後端部のうちいずれか一方の端部のみがランス孔の開口領域から外れる形態としてもよく、補強部の前後両端部がランス孔の開口領域から外れる形態としてもよい。
(7)上記実施形態では、補強部を、側板部の一部を切り起こした形態としたが、補強部は、側板部の一部を叩き出した形態であってもよい。
(8)上記実施形態では、1つの側板部に1つの補強部を形成したが、1つの側板部に複数の補強部を形成してもよい。
(9)上記実施形態では、側板部に補強部を形成したが、側板部に補強部を形成しない形態としてもよい。
(10)上記実施形態では、タブが端子接続部に進入していない状態で弾性接触片の後端部が後板部と非接触となるようにしたが、弾性接触片の後端部は、タブが端子接続部に進入していない状態でも後板部と接触して支持された状態となるようにしてもよい。
(11)上記実施形態では、ランス孔の開口形状を方形としたが、ランス孔の開口形状は方形以外の形状であってもよい。つまり、ランス孔の前縁(前板部の後縁)を、直線以外の形状(例えば、屈曲した形状)としてもよく、ランス孔の後縁(後板部の前縁)を、直線以外の形状(例えば、屈曲した形状)としてもよい。
<参考例>
(1)上記実施形態では、スタビライザを幅方向においてランスと対応する位置に配置し、スタビライザがランスの逃がし凹部内に収容されるようにしたが、スタビライザは、その幅方向における形成領域の全体がランスと非対応となるような形態でもよい。
12…ランス
14…逃がし凹部
20…端子金具
21…端子接続部
25…基板部
25F…前板部
25R…後板部
26…側板部
28…ランス孔
29…スタビライザ
31…補強部
32…弾性接触片
32R…弾性接触片の後端部
36…当接部
40…相手側端子
41…タブ
Claims (4)
- コネクタハウジング内に挿入されてランスへの係止により抜止めされるようになっており、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを備えた端子金具であって、
前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、
前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、
前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、
前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっている端子金具において、
前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、
前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、
前記コネクタハウジングに対する挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部が、前記ランスの形成領域の少なくとも一部と重なっており、
前記スタビライザは、前記ランス孔を前記ランスに係止させている状態で、前記ランスに形成した逃がし凹部内に収容されるようになっていることを特徴とする端子金具。 - 前記端子接続部は、前記基板部の左右両側縁から略直角に立ち上がる一対の側板部を有しており、
前記側板部のうち前後方向において前記ランス孔と対応する領域には、前記側板部の変形を抑制可能な補強部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子金具。 - 前記補強部は、前記弾性接触片に形成した当接部を当接させることで前記弾性接触片の不正な撓みを防止するようになっていることを特徴とする請求項2記載の端子金具。
- 内部にランスが設けられているコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジング内に挿入されて前記ランスとの係止により抜止めされる端子金具とを備え、
前記端子金具は、前方から相手側端子のタブが進入する角筒状の端子接続部と、前記端子接続部内に進入した前記タブに対して弾性接触する弾性接触片とを有しており、
前記端子接続部を構成する基板部には、前記ランスに係止されるランス孔が形成され、
前記基板部のうち前記ランス孔よりも前方の領域は前板部となっているとともに、前記ランス孔よりも後方の領域は後板部となっており、
前記弾性接触片は、前記基板部の前端縁から後方へ折り返されるように延出して、後端部を前記後板部と対応させた形態であり、
前記弾性接触片と前記タブが弾性接触するときには、前記弾性接触片が、前記前板部と前記後板部とによって2点支持された状態で弾性変形するようになっているコネクタにおいて、
前記ランス孔は、前記基板部の全幅に亘って開口した形態であり、
前記後板部には、前記後板部を部分的に叩き出した形態であって、前記コネクタハウジングに対して前記端子金具が不正な姿勢で挿入されるのを防止するスタビライザが形成され、
前記コネクタハウジングに対する前記端子金具の挿入方向と交差する幅方向において、前記スタビライザの形成領域の少なくとも一部と前記ランスの形成領域の少なくとも一部とが互いに重なっており、
前記ランスには、前記ランス孔と前記ランスとが係止している状態で、前記スタビライザを収容する逃がし凹部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
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