JP7332561B2 - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)炭素/水素の質量比が10.0~20.0である原料油と、酸素含有ガスおよび燃料を混合し燃焼させた燃焼ガスとを、前記原料油供給量1kgあたり前記酸素含有ガス中の酸素量が1.26Nm3を超え1.80Nm3以下となるように接触させる一次反応を行って一次反応物を生成した後、
得られた一次反応物に対し、炭素/水素の質量比が5.0以上10.0未満である添加油を、前記原料油の質量の0.30~1.00倍の量反応させて二次反応を行うことを特徴とするカーボンブラックの製造方法、
(2)ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および添加油導入帯域が順次設けられた反応炉を用い、
前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料油を導入し一次反応を行って一次反応物を生成した後、添加油導入帯域で添加油を導入して二次反応を行う
上記(1)に記載のカーボンブラックの製造方法、
(3)得られるカーボンブラックが、
励起波長を532nmとしたときに1340~1360cm-1の範囲に出現するラマン散乱ピークの半値全幅と、窒素ガスを吸着させたときの比表面積との積で表される総活性点が8.20×104(cm-1・m2/g)を超え11.50×104(cm-1・m2/g)以下であり、
ソリッドエコー法により観測されるスピン‐スピン緩和過程の核磁気共鳴シグナルが第1のシグナルと前記第1のシグナルよりも時定数が大きい第2のシグナルとの和で表されるとき、前記第1のシグナルの時間0における単位質量当たりのシグナル強度で表される水素量が25.0~125.0(/g)である
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のカーボンブラックの製造方法
を提供するものである。
得られた一次反応物に対し、炭素/水素の質量比が5.0以上10.0未満である添加油を、前記原料油の質量の0.30~1.00倍の量反応させて二次反応を行うことを特徴とするものである。
本発明において、原料油は、上記炭化水素等を二種以上混合したものであってもよい。
10.0~20.0である原料油と酸素含有ガスおよび燃料を混合し燃焼させた燃焼ガスとを接触させる一次反応を行って一次反応物を生成する。
上記酸素含有ガスとしては酸素、空気またはこれらの混合物からなるガスを挙げることができ、燃料としては、水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス、FCC残渣油等、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料を挙げることができる。
本発明に係るカーボンブラックの製造方法において、酸素含有ガスとして空気を用いる場合、原料油供給量と空気供給量とは、原料油供給量1kgに対して空気供給量が6.1~8.3Nm3であることが好ましく、原料油供給量1kgに対して空気供給量が6.2~7.8Nm3であることがより好ましく、原料油供給量1kgに対して空気供給量が6.2~7.6Nm3であることがことがさらに好ましい。
一次反応に供給する原料油と酸素含有ガスとは、タイヤトレッドゴム組成物等のゴム組成物に配合したときにゴム成分と強い親和力を発揮し高いグリップ性能を発揮する上では、原料油供給量1kgあたり酸素含有ガス中の酸素量が1.28~1.74Nm3となるように接触させることが好ましく、タイヤトレッドゴム組成物等のゴム組成物に配合したときにゴム成分と安定した強い親和力を発揮し高いグリップ性能を発揮する上では、原料油供給量1kgあたり酸素含有ガス中の酸素量が1.30~1.64Nm3となるように接触させることがより好ましく、タイヤトレッドゴム組成物等のゴム組成物に配合したときにゴム成分と安定した強い親和力を発揮し安定した高いグリップ性能を発揮する上では、原料油供給量1kgあたり酸素含有ガス中の酸素量が1.30~1.60Nm3となるように接触させることがさらに好ましい。
前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料油を導入し一次反応を行って一次反応物を生成した後、添加油導入帯域で添加油を導入して二次反応を行う形態を挙げることができる。
以下、本発明のカーボンブラックの製造方法を、図1に示す反応炉を適宜例にとって説明する。
酸素含有ガスとしては、酸素、空気またはこれらの混合物からなるガスを挙げることができ、燃料としては、水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス、FCC残渣油等、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料を挙げることができる。
燃焼ガスの生成源となる燃料としては、上述した燃焼ガスを生成し得るものと同様のものを挙げることができる。
燃料燃焼帯域3においては、例えば、400℃~600℃に予熱した酸素含有ガスを供給しつつ燃料を供給することにより、両者を混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させることができる。
また、上記原料油導入ノズルとしては一流体ノズルを挙げることができる。
添加油導入帯域における添加油の導入量が上記範囲内にあることにより、得られるカーボンブラック表面における水素量を所望範囲に制御することができる。
本発明のカーボンブラックの製造方法においては、二次反応帯域9を有さない反応炉を用いてもよい。
冷却液としては水等を挙げることができ、冷却液を噴霧することにより、高温燃焼ガス中に浮遊懸濁したカーボンブラック粒子が冷却される。冷却液の噴霧は、例えば図1に示す冷却液導入ノズル7から冷却液を噴霧することにより行うことができる。
本発明の製造方法で得られるカーボンブラックは、
励起波長を532nmとしたときに1340~1360cm-1の範囲に出現するラマン散乱ピークの半値全幅と、窒素ガスを吸着させたときの比表面積との積で表される総活性点が8.20×104(cm-1・m2/g)を超え11.50×104(cm-1・m2/g)以下であり、
ソリッドエコー法により観測されるスピン‐スピン緩和過程の核磁気共鳴シグナルが第1のシグナルと前記第1のシグナルよりも時定数が大きい第2のシグナルとの和で表されるとき、前記第1のシグナルの時間0における単位質量当たりのシグナル強度で表される水素量が25.0~125.0(/g)である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る製造方法で得られるカーボンブラックは、より詳細には、下記式(I)
ΔD×N2SA (I)
(ただし、ΔDは、レーザーラマン分光装置を用いて励起波長532nmで測定したときに得られるラマンスペクトルにおいて、1350±10cm-1の範囲にピークトップを有するピークの半値全幅(cm-1)であり、N2SAは、窒素吸着法により測定される窒素吸着比表面積(m2/g)である。)
で表される総活性点が8.20×104(cm-1・m2/g)を超え11.50×104(cm-1・m2/g)以下であり、
パルス核磁気共鳴装置を用い、ソリッドエコー法により観測核を1Hとしてスピン-スピン緩和時間T2を測定したときに得られるT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を、下記式f(t)
f(t)=A(1)exp(-t/T2(1)) + A(2)exp(-t/T2(2))
(ただし、T2(1)は緩和時間の短い成分の緩和時間、T2(2)は緩和時間の長い成分の緩和時間であり、A(1)は緩和時間の短い成分のt=0における信号強度、A(2)は緩和時間の長い成分のt=0における信号強度である)
により表したときに、
下記式(II)
A(1)/w (II)
(ただし、wは測定試料の質量(g)である。)
で表される水素量が25.0~125.0(/g)である
ことを特徴とするものである。
本発明に係る製造方法で得られるカーボンブラックにおいて、半値全幅(半値全幅ΔD)が上記範囲内にあることにより、カーボンブラック表面の活性点数を所望範囲に制御して、後述するΔD×N2SAを所望範囲内に容易に制御し得るとともに、ゴム成分に配合したときにカーボンブラックの凝集を抑制して分散性を容易に向上させることができる。
図2に示すように、本発明に係る製造方法で得られるカーボンブラックは、レーザーラマン分光法により、励起波長532nmで測定することで得られるラマンスペクトルにおいて、1350±10cm-1の範囲にピークトップを有するピークが検出される。
そして、上記ピークトップ位置における測定波長をDmax(cm-1)とし、得られたスペクトルにおいて、上記Dmaxにおけるピーク強度の半分の検出強度を有する低波長(低ラマンシフト)側の検出位置をD50(cm-1)としたときに、下記式により算出される値を、本出願における半値全幅ΔD(cm-1)とする。
ΔD=(Dmax-D50)×2
本発明者等の検討によれば、上記Dバンドのピークの半値全幅ΔDはカーボンブラック表面における結晶構造の乱雑さの程度を表し、この為に本発明においてΔDが所望範囲内にあることはカーボンブラック表面におけるエッジ、すなわちゴム成分に対して親和性を示す官能基の形成箇所(活性点)が多数存在することを意味する。
(1)レーザーラマン分光装置として(株)堀場製作所製 HR-800を用い、測定対象となるカーボンブラック試料を数粒スライドグラス上に載置し、スパチュラで数回こすり表面を平らにした状態のものを、以下の測定条件で測定する。
YAGレーザー(励起波長):532nm
刻線数 :600gr/mm
フィルター :D0.6
対物レンズ倍率 :100倍
露光時間 :150秒
積算回数 :2回
このとき得られるスペクトル例を図3に示す。
(2)得られたスペクトルの測定波長(Raman Shift)2100cm-1における信号強度を0とし、スペクトルを構成するデータ点のうち、隣接する39点毎に平均値を求め、次いでスムージング処理して上記各平均値を結ぶスペクトル曲線を得る。次いで、各サンプル毎の比較を容易にするために、測定波長1350±10cm-1の範囲に観察されるピークトップ強度を100とする。
このとき得られるラマンスぺクトル例が、図2に例示するようなラマンスペクトルである。
ΔD×N2SA (I)
(ただし、ΔDは、レーザーラマン分光装置を用いて励起波長532nmで測定したときに得られるラマンスペクトルにおいて、1350±10cm-1の範囲にピークトップを有するピークの半値全幅(cm-1)であり、N2SAは、窒素吸着法により測定される窒素吸着比表面積(m2/g)である。)
で表される総活性点が8.20×104(cm-1・m2/g)を超え11.500×104(cm-1・m2/g)以下である。
加工性に優れたカーボンブラックを得ようとする場合、上記式(I)で表されるカーボンブラックの総活性点は、9.50×104(cm-1・m2/g)を超え11.50×104(cm-1・m2/g)以下が好ましく、9.55×104~11.45×104(cm-1・m2/g)がより好ましく、9.60×104~11.40×104(cm-1・m2/g)がさらに好ましい。
f(t)=A(1)exp(-t/T2(1)) + A(2)exp(-t/T2(2))
(ただし、T2(1)は緩和時間の短い成分の緩和時間、T2(2)は緩和時間の長い成分の緩和時間であり、A(1)は緩和時間の短い成分のt=0における信号強度、A(2)は緩和時間の長い成分のt=0における信号強度である)
により表したときに、
下記式(II)
A(1)/w (II)
(ただし、wは測定試料の質量(g)である。)
で表される水素量が25.0~125.0(/g)であるものである。
40.0~110.0(/g)であることが好ましく、50.0~100.0(/g)であることがより好ましい。
このため、上記総活性点(上記式(I)で表される総活性点)および上記水素量(上記式(II)で表される水素量)が各々所定範囲内にある本発明に係る製造方法で得られるカーボンブラックは、ゴム組成物の構成成分として使用したときに、損失係数が高く(グリップ性能が高く)操縦安定性を優れるとともに、ゴム成分と適度な結合力(親和性)を有し優れた耐摩耗性を容易に発揮することができる。
(1)パルス核磁気共鳴装置としてブルカー・バイオスピン(株)Minispec mq20を用い、測定対象となるカーボンブラックを110℃で30分間乾燥した後、ガラス製サンプル管に0.2g充填したものを測定試料とし、以下の測定条件によりスピン-スピン緩和時間(横緩和時間)T2を測定して、T2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を得る。
<測定条件>
測定核種 :1H
パルスモード :ソリッドエコー法(90°×-τ-90°y)
90°パルス幅:2.7μs
測定時間:2ms
待ち時間:500ms
積算回数:52回
測定温度:40℃
Gain:90
カーボンブラックの質量は0.2gで一定であり、装置関数も一定(Gainn=90)であるため、得られるT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)の信号強度は測定対象の1H濃度に比例して増減することになる。
(2)得られた自由誘導減衰曲線を、上記パルス核磁気共鳴装置(ブルカー・バイオスピン(株)Minispec mq20)付属のフィッティングソフト(TD-NMR-A for Windows7)を用いた線形最小二乗法によるフィッティングにより、下記式f(t)
f(t)=A(1)exp(-t/T2(1)) + A(2)exp(-t/T2(2))
(ただし、T2(1)は緩和時間の短い成分の緩和時間、T2(2)は緩和時間の長い成分の緩和時間であり、A(1)は緩和時間の短い成分のt=0における信号強度、A(2)は緩和時間の長い成分のt=0における信号強度である)
で表される近似曲線を得る。
(3)上記信号強度A(1)を測定試料の質量w(g)で割る。
図4に示すように、90°パルスにより励起した時間をt=0とすると、y軸方向の磁化(信号強度)が時間とともに減衰するシグナルが得られることが分かる。
図5は、図4に示すT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)を線形最小二乗法によりフィッティングした場合のフィッティング曲線を実線で示すものであり、図5に示すように、得られたT2緩和曲線(自由誘導減衰曲線)は、フィッティングにより2つの指数関数の和として表することができる。
ここで、時定数の違いにより液体と固体とを区別できるので、緩和時間の短い成分に係る指数関数においてt=0(90°パルスによる励起時)における信号強度A(1)はカーボンブラック表面の水素原子(-COOH、-OH、表面の-H、炭素骨格中の-H等)と特定できる。同様に、緩和時間の短い成分に係る指数関数においてt=0(90°パルスによる励起時)における信号強度A(2)はカーボンブラック表面に吸着した水分や液状の多環芳香族炭化水素化合物等と特定できる。
上記信号強度A(1)(a.u.)を測定に供したカーボンブラックの質量w(0.2g)で割ることにより、カーボンブラック単位質量当たりの水素量「A(1)/w」を求めることができる。
本発明者等の検討によれば、上記式(II)(A(1)/w)で表される水素量は、従来カーボンブラック表面の水素量を測定する方法として知られていた熱分解法により得られる水素量と高い相関性を示すことが見出されており、このためにカーボンブラック表面の水素量を表す指標として好適に使用することができる。
DBP吸収量が80ml/100g未満であると、ゴム組成物に配合した際にカーボンブラックの分散性が悪化して得られるゴムの補強性が低下し易くなり、140ml/100gを超えるとゴム組成物に配合した際にゴム組成物が硬くなり加工性が悪化する場合がある。
(実施例1)
図1に示すような概略円筒形状を有する反応炉を用いてカーボンブラックを作製した。
図1に示す反応炉には、炉内に形成されたガス流路の上流から下流方向に向かって連通する、燃料燃焼帯域3、原料導入および一次反応帯域5、添加油導入帯域8、二次反応帯域9および反応停止帯域が順次設けられている。
添加油導入帯域8は、炉軸方向に垂直な方向から添加油を供給する添加油導入ノズル6である一流体ノズルを備え、原料導入および一次反応帯域5と同軸的に連通して設けられており、さらに、二次反応帯域9は、添加油導入帯域8に同軸的に連通して設けられている。また、反応停止帯域は、炉軸方向に垂直な方向から冷却水を供給する図の上下方向に位置変更可能な冷却液導入ノズル7(水冷クエンチ)を備え、二次反応帯域9に同軸的に連通して設けられている。
このとき、上記原料油供給量1kgあたりの上記空気中の酸素量(4100(Nm3/h)×0.21/675(kg/h))は1.28であった。
また、得られたカーボンブラックにおける、ΔD、窒素吸着比表面積N2SA(m2/g)、総活性点(ΔD×N2SA)、水素量(A(1)/w)およびDBP吸収量(ml/100g)を表3に示す。
実施例1において、反応条件を表1および表2に記載するとおり各々変更した以外は、実施例1と同様にしてカーボンブラックを調製した。
得られたカーボンブラックにおける、ΔD、窒素吸着比表面積N2SA(m2
/g)、総活性点(ΔD×N2SA)、水素量(A(1)/w)およびDBP吸収量(ml/100g)を表3に示す。
実施例1において、反応条件を表4および表5に記載するとおり各々変更した以外は、実施例1と同様にしてカーボンブラックを調製した。
得られたカーボンブラックにおける、ΔD、窒素吸着比表面積N2SA(m2/g)、総活性点(ΔD×N2SA)、水素量(A(1)/w)およびDBP吸
収量(ml/100g)を表6に示す。
表7に示すように、ゴム成分である天然ゴム(RSS#1)100質量部、上記実施例および比較例で得られた何れかのカーボンブラック45質量部、ステアリン酸3質量部、老化防止剤(川口化学(株)製 アンテージ6C)1質量部、亜鉛華4質量部とを、密閉型ミキサー(神戸製鋼(株)製MIXTRON BB-2)で混練した後、得られた混練物に対し、加硫促進剤(川口化学工業(株)製アクセルNS)0.5質量部と、硫黄1.5質量部とをオープンロールで混練することにより、各々表7に示す組成を有するゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴムを用い、以下に示す方法により、摩耗量、損失係数(tanδ)およびムーニー粘度Mv(M)を測定した。結果を表8に示す。
なお、表8においては、使用した各カーボンブラックが得られた実施例および比較例毎に摩耗量および損失係数(tanδ)の結果を示している。
ランボーン摩耗試験機(機械スリップ機構、(株)上島製作所製AB-1152)を用い、JIS K6264「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐摩耗性の求め方-」に規定される方法に準拠し、以下の測定条件で測定した。
試験片 :厚さ10mm、外径48mm
研磨紙 :粒度A80
スリップ率 :10%
試験片表面速度:72m/min
試験荷重 :3kg
なお、摩耗量は、値が小さい程耐摩耗性に優れることを示している。
得られた各加硫ゴムから切り出した、厚さ2mm、長さ40mm、幅4mmの試験片を用い、粘弾性スペクトロメータ((株)上島製作所製VR-7110)を用い、周波数50Hz、動的歪率1.26%、測定温度60℃の測定条件で、損失係数(tanδ)を測定した。
なお、損失係数(tanδ)は、値が大きいほどグリップ性能が高いことを示している。
ムーニー粘度計((株)東洋精機製作所製AM-3)を用い、JIS K6300に準拠し、未加硫ゴム組成物を130℃で1分間予熱した後、ローターの回転開始4分経過時のムーニー粘度Mv(M)を測定した。
なお、ムーニー粘度Mv(M)は値が小さいほど加工性が良いことを示している。
また、実施例7~実施例12で得られたカーボンブラックを各々用いて作製された加硫ゴムは、ムーニー粘度Mvの値が低く加工性に優れるものであることが分かる。
2 燃焼用バーナー
3 燃料燃焼帯域
4 原料油導入ノズル
5 原料導入および一次反応帯域
6 添加油導入ノズル
7 冷却液導入ノズル
8 添加油導入帯域
9 二次反応帯域
Claims (3)
- 炭素/水素の質量比が10.0~20.0である原料油と、酸素含有ガスおよび燃料を混合し燃焼させた燃焼ガスとを、前記原料油供給量1kgあたり前記酸素含有ガス中の酸素量が1.26Nm3を超え1.80Nm3以下となるように接触させる一次反応を行って一次反応物を生成した後、
得られた一次反応物に対し、炭素/水素の質量比が5.0以上10.0未満である添加油を、前記原料油の質量の0.30~1.00倍の量反応させて二次反応を行うことを特徴とするカーボンブラックの製造方法。 - ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および添加油導入帯域が順次設けられた反応炉を用い、
前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料油を導入し一次反応を行って一次反応物を生成した後、添加油導入帯域で添加油を導入して二次反応を行う
請求項1に記載のカーボンブラックの製造方法。 - 得られるカーボンブラックが、
励起波長を532nmとしたときに1340~1360cm-1の範囲に出現するラマン散乱ピークの半値全幅と、窒素ガスを吸着させたときの比表面積との積で表される総活性点が8.20×104(cm-1・m2/g)を超え11.50×104(cm-1・m2/g)以下であり、
ソリッドエコー法により観測されるスピン‐スピン緩和過程の核磁気共鳴シグナルが第1のシグナルと前記第1のシグナルよりも時定数が大きい第2のシグナルとの和で表されるとき、前記第1のシグナルの時間0における単位質量当たりのシグナル強度で表される水素量が25.0~125.0(/g)である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカーボンブラックの製造方法。
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