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JP7314684B2 - マルチコアファイバの光接続構造 - Google Patents

マルチコアファイバの光接続構造 Download PDF

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JP7314684B2 JP2019135482A JP2019135482A JP7314684B2 JP 7314684 B2 JP7314684 B2 JP 7314684B2 JP 2019135482 A JP2019135482 A JP 2019135482A JP 2019135482 A JP2019135482 A JP 2019135482A JP 7314684 B2 JP7314684 B2 JP 7314684B2
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Description

本開示は、マルチコアファイバの光接続構造に関する。
特許文献1には、1つの光ファイバ内に複数のコアが設けられたマルチコアファイバが開示されている。特許文献2には、1つのマルチコアファイバを複数のシングルコアファイバに結合する光学装置が開示されている。特許文献3及び4には、複数の光ファイバをクロスコネクトする配線構造が開示されている。
特開2013-228548号公報 特開2013-020227号公報 特開2017-187644号公報 米国特許出願公開第2014/0093211号明細書
特許文献2は、1つのマルチコアファイバと複数のシングルコアファイバとの光接続構造の一例を開示している。しかしながら、複数のマルチコアファイバと別の複数のマルチコアファイバとの光接続構造に特許文献2の光接続構造をそのまま用いることはできない。一方、マルチコアファイバの各コアからの光線をファンアウトを用いて一旦シングルコアファイバに分離した後、相互接続する構成も考えられるが、この場合、光接続構造が大きくなってしまう。
本開示は、複数のマルチコアファイバと別の複数のマルチコアファイバとの光接続を小型の装置を用いて実現することができる光接続構造を提供することを目的とする。
本開示は、マルチコアファイバの光接続構造を提供する。この光接続構造は、各光ファイバが複数のコアを有する、複数の第1マルチコアファイバと、各光ファイバが複数のコアを有する、複数の第2マルチコアファイバと、各第1マルチコアファイバの各コアから出射される各光線のうち少なくとも一部の光線の伝搬方向を異ならせる第1光学系と、各第1マルチコアファイバから出射され、第1光学系を介して伝搬される各光線を複数の第2マルチコアファイバに集光させる第2光学系と、を備える。第1光学系の光軸方向に交差する面において、複数の第1マルチコアファイバの第1ファイバ配列は、第1マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第1コア配列に対応している。第2光学系の光軸方向に交差する面において、複数の第2マルチコアファイバの第2ファイバ配列は、第2マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第2コア配列に対応している。
本開示の一態様によれば、マルチコアファイバの光接続構造を小型化することができる。
図1の(a)は、第1実施形態に係る光接続構造によって相互に接続される第1マルチコアファイバ群と第2マルチコアファイバ群とを示す平面図であり、図1の(b)は、図1の(a)のb-b線に沿った第1マルチコアファイバ群の断面図であり、図1の(c)は、図1の(a)のc-c線に沿った第2マルチコアファイバ群の断面図である。 図2は、第1実施形態に係る光接続構造を模式的に示す平面図である。 図3の(a)は、図2に示す光接続構造における第1マルチコアファイバ群の各マルチコアファイバと集光レンズとの位置関係を示す図であり、図3の(b)は、図2に示す光接続構造における第2マルチコアファイバ群の各マルチコアファイバと集光レンズとの位置関係を示す図である。 図4の(a)~(c)は、図2に示す光接続構造によって光接続される第1マルチコアファイバ群と第2マルチコアファイバ群との間での光結合状態について示す図である。 図5は、第1マルチコアファイバ群からの光の出射の一例を拡大して示す図である。 図6は、第2マルチコアファイバ群での光の入射の一例を拡大して示す図である。 図7は、第1マルチコアファイバ群からの光の出射の別の例を拡大して示す図である。 図8は、第2マルチコアファイバ群での光の入射の別の例を拡大して示す図である。 図9は、第1マルチコアファイバ群からの光の出射の更に別の例を拡大して示す図である。 図10は、第1マルチコアファイバ群の1つのマルチコアファイバからの光線が第2マルチコアファイバ群の各マルチコアファイバに入射される一例を示す図である。 図11は、第2実施形態に係る光接続構造の例を示す斜視図である。 図12の(a)は、第2実施形態に係る第1マルチコアファイバ群のファイバ配列及びコア配列を模式的に示す断面図であり、図12の(b)は、第2実施形態に係る第2マルチコアファイバ群のファイバ配列及びコア配列を模式的に示す断面図である。 図13は、第2実施形態に係る光接続構造におけるマルチコアファイバと集光レンズとの位置関係を示す図であり、(a)は第1マルチコアファイバ群での位置関係を示し、(b)は第2マルチコアファイバ群での位置関係を示す。 図14は、第2実施形態に係る光接続構造の例を示す斜視図である。 図15は、図14に示す光接続構造の一部断面Pに沿った断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態を列記して説明する。本開示の一実施形態に係るマルチコアファイバの光接続構造は、各光ファイバが複数のコアを有する、複数の第1マルチコアファイバと、各光ファイバが複数のコアを有する、複数の第2マルチコアファイバと、各第1マルチコアファイバの各コアから出射される各光線のうち少なくとも一部の光線の伝搬方向を異ならせる第1光学系と、各第1マルチコアファイバから出射され、第1光学系を介して伝搬される各光線を複数の第2マルチコアファイバに集光させる第2光学系と、を備える。第1光学系の光軸方向に交差する面において、複数の第1マルチコアファイバの第1ファイバ配列は、第1マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第1コア配列に対応している。また、第2光学系の光軸方向に交差する面において、複数の第2マルチコアファイバの第2ファイバ配列は、第2マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第2コア配列に対応している。
このマルチコアファイバの光接続構造では、第1マルチコアファイバの第1ファイバ配列が第1マルチコアファイバの第1コア配列に対応し、第2マルチコアファイバの第2ファイバ配列が第2マルチコアファイバの第2コア配列に対応している。このように、各光ファイバ内のコア配列と、各光ファイバ自体のファイバ配列とを対応づけることにより、第1光学系と第2光学系とを用いて、複数の第1マルチコアファイバと複数の第2マルチコアファイバとを簡易な構成で光接続することができる。特に1の第1マルチコアファイバの各コアを複数の第2マルチコアファイバに分岐するような光接続構造においては、上述した配列関係を採用することにより、接続構造を簡素なものにしてその小型化を図ることが可能となる。
一実施形態として、第1光学系は、その焦点位置が複数の第1マルチコアファイバの端面となるように構成され、第2光学系は、その焦点位置が複数の第2マルチコアファイバの端面となるように構成されてもよい。この場合、第1光学系と第2光学系との間の光線がコリメート光になり、光学設計が容易になる。
一実施形態として、第1光学系は、各第1マルチコアファイバに対応する第1レンズを含み、第2光学系は、各第2マルチコアファイバに対応する第2レンズを含んでもよい。この場合、各マルチコアファイバから出射される光線の伝搬方向をより精度よくすることができる。この実施形態において、各第1レンズはレンズアレイから構成され、各第2レンズはレンズアレイから構成されてもよい。この場合、光学設計や装置の製造等が容易になる。
一実施形態として、第1マルチコアファイバは、第2マルチコアファイバと同じコア配列及び屈折率分布を有していてもよい。この場合、光接続構造全体の光学設計を容易なものとすることができる。
一実施形態として、第1ファイバ配列は、第1コア配列と相似しており、第2ファイバ配列は、第2コア配列と相似していてもよい。この場合、複数の第1マルチコアファイバと複数の第2マルチコアファイバとの光接続構造の設計を容易なものとすることができる。この実施形態において、第1ファイバ配列、第1コア配列、第2ファイバ配列、及び、第2コア配列は、一次元状の配列であってもよい。
一実施形態として、第1ファイバ配列は、第1コア配列をファイバ光軸を中心として180°回転させた配列と相似しており、第2ファイバ配列は、第2コア配列をファイバ光軸を中心として180°回転させた配列と相似していてもよい。この場合、各マルチコアファイバやファイバ内の各コアを二次元状に配列することが行い易くなるため、より実装密度を高めた光接続構造とすることができ、小型化も図ることが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るマルチコアファイバの光接続構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1の(a)は、第1実施形態に係る光接続構造によって相互に光接続される第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bとの位置関係を示す平面図であり、図1の(b)は、第1マルチコアファイバ群Aに含まれる各マルチコアファイバの断面を示す図であり、図1の(c)は、第2マルチコアファイバ群Bに含まれる各マルチコアファイバの断面を示す図である。図1の(a)~(c)に示すように、本実施形態に係る光接続構造では、複数のマルチコアファイバA1,A2,A3を含む第1マルチコアファイバ群Aと、複数のマルチコアファイバB1,B2,B3を含む第2マルチコアファイバ群Bとを空間光学系を用いて光接続する。各マルチコアファイバA1からA3はそれぞれ複数のコア11,12,13、コア21,22,23、及びコア31,32,33を含む。コア11から13、コア21から23及びコア31から33はそれぞれクラッド14、クラッド24及びクラッド34によって覆われ、これによりマルチコアファイバを構成する。各マルチコアファイバB1からB3はそれぞれ、マルチコアファイバA1からA3と同様に、複数のコア16,17,18、コア26,27,28、及びコア36,37,38を含む。コア16から18、コア26から28及びコア36から38はそれぞれクラッド19、クラッド29及びクラッド39によって覆われ、これによりマルチコアファイバを構成する。本実施形態では、このようにマルチコアファイバA1からA3のファイバ配列がマルチコアファイバA1からA3のコア配列に対応し、マルチコアファイバB1からB3のファイバ配列がマルチコアファイバB1からB3のコア配列に対応している。
本実施形態に係る光接続構造は、第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bとが後述する空間光学系により以下の表1に示すように相互に光結合されるように、構成されている(図4も参照)。具体的には、マルチコアファイバA1のコア11、コア12及びコア13は、マルチコアファイバB3のコア38、マルチコアファイバB2のコア28、及び、マルチコアファイバB1のコア18にそれぞれ光結合される。また、マルチコアファイバA2のコア21、コア22及びコア23は、マルチコアファイバB3のコア37、マルチコアファイバB2のコア27、及び、マルチコアファイバB1のコア17にそれぞれ光結合される。また、マルチコアファイバA3のコア31、コア32及びコア33は、マルチコアファイバB3のコア36、マルチコアファイバB2のコア26、及び、マルチコアファイバB1のコア16にそれぞれ光結合される。
Figure 0007314684000001
図2は、上述した第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bとを光接続する光接続構造の一例を示す平面図である。図2に示すように、光接続構造1は、第1マルチコアファイバ群のマルチコアファイバA1からA3と、第2マルチコアファイバ群のマルチコアファイバB1からB3とを相互に光接続させる。光接続構造1には、マルチコアファイバA1からA3に対向するように配置される第1光学系100と、マルチコアファイバB1からB3に対向するように配置される第2光学系110とが設けられている。本実施形態では、一例として三本のマルチコアファイバ同士を接続する構成を説明するが、本開示はこれに限定されるものではなく、相互に接続されるマルチコアファイバの数は二本以上であればよく、同数のマルチコアファイバであることが好ましい。また、各マルチコアファイバ内に配置されるコアの数が三個である構成について説明するが、これに限定されるものではなく、各マルチコアファイバ内に配置されるコアの数は二個以上であればよい。
第1光学系100は、各マルチコアファイバA1からA3それぞれに対応する集光レンズ101,102,103を有している。集光レンズ101から103のそれぞれは光軸X1,X2,X3を有しており、各焦点が対応するマルチコアファイバA1からA3の端面に位置するように構成されている。集光レンズ101から103の光軸X1からX3(図3の(a)を参照)は、各マルチコアファイバA1からA3の各コアの何れかの位置に一致するように配置されている。但し、光軸X1からX3がマルチコアファイバA1からA3の各コアの何れかの位置に一致しないように配置してもよい。また、集光レンズ101から103は、1つのレンズアレイから構成されてもよいし、各集光レンズ101から103が別々の部材から構成されてもよい。前者の場合、集光レンズ101から103を一体品として形成した配置することができるため、構成や製造方法が容易になる。
第2光学系110は、各マルチコアファイバB1からB3それぞれに対応する集光レンズ111,112,113を有している。集光レンズ111から113のそれぞれは光軸X1,X2,X3を有しており、各焦点が対応するマルチコアファイバB1からB3の端面に位置するように構成されている。集光レンズ111から113の光軸X1からX3(図3の(b)を参照)は、各マルチコアファイバB1からB3の各コアの何れかの位置に一致するように配置されている。但し、光軸X1からX3がマルチコアファイバB1からB3の各コアの何れかの位置に一致しないように配置してもよい。また、集光レンズ111から113は、1つのレンズアレイから構成されてもよいし、各集光レンズ111から113が別々の部材から構成されてもよい。前者の場合、集光レンズ111から113を一体品として形成した配置することができるため、構成や製造方法が容易になる。なお、集光レンズ111の光軸X1は、集光レンズ101の光軸X1に一致し、集光レンズ112の光軸X2は、集光レンズ102の光軸X2に一致し、集光レンズ113の光軸X3は、集光レンズ103の光軸X3に一致する。
次に、図3の(a)及び(b)を参照して、光接続構造1における、各集光レンズと各マルチコアファイバのコアとの位置関係、及び、コア配列とファイバ配列との関係について説明する。図3の(a)は、第1マルチコアファイバ群Aにおける各集光レンズと各マルチコアファイバのコアとの位置関係を示す図であり、図3の(b)は、第2マルチコアファイバ群Bにおける各集光レンズと各マルチコアファイバのコアとの位置関係を示す図である。図3の(a)に示すように、マルチコアファイバA1は、対応する集光レンズ101に対してその光軸X1からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA1の図示左端のコア13の中心が集光レンズ101の光軸X1に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバA2は、対応する集光レンズ102に対してその光軸X2とマルチコアファイバA2の中心とが一致するように同軸上に配置される。より具体的には、マルチコアファイバA2の図示中央のコア22の中心が集光レンズ102の光軸X2に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバA3は、対応する集光レンズ103に対してその光軸X3からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA3の図示右端のコア31の中心が集光レンズ103の光軸X3に一致するように、両者の位置関係が規定される。
また、第2マルチコアファイバ群Bにおける各集光レンズと各マルチコアファイバのコアとの位置関係は、第1マルチコアファイバ群Aと対称となるように構成されている。即ち、図3の(b)に示すように、マルチコアファイバB1は、対応する集光レンズ111に対してその光軸X1からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバB1の図示右端のコア18の中心が集光レンズ111の光軸X1に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバB2は、対応する集光レンズ112に対してその光軸X2とマルチコアファイバB2の中心とが一致するように同軸上に配置される。より具体的には、マルチコアファイバB2の図示中央のコア27の中心が集光レンズ112の光軸X2に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバB3は、対応する集光レンズ113に対してその光軸X3からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバB3の図示左端のコア36の中心が集光レンズ113の光軸X3に一致するように、両者の位置関係が規定される。
また、マルチコアファイバA1からA3は、図3の(a)に示すように、一次元状に一列に配列されている。コア11から13、コア21から23及びコア31から33も各ファイバ内において一次元状に配列されている。このように光接続構造1では、マルチコアファイバA1からA3は、マルチコアファイバA1からA3の各ファイバ内に配置されているコア11から13、コア21から23及びコア31から33のコア配列と同じである。つまり、第1マルチコアファイバ群A側において、マルチコアファイバA1からA3のファイバ配列は、各コア11から13、コア21から23及びコア31から33のコア配列に相似する。同様に、マルチコアファイバB1からB3は、図3の(b)に示すように、一次元状に一列に配列されている。コア16から18、コア26から28及びコア36から38も各ファイバ内において一次元状に配列されている。このように光接続構造1では、マルチコアファイバB1からB3も、マルチコアファイバB1からB3の各ファイバ内に配置されているコア16から18、コア26から28及びコア36から38のコア配列と同じである。つまり、第2マルチコアファイバ群B側においても、マルチコアファイバB1からB3のファイバ配列は、各コア16から18、コア26から28及びコア36から38のコア配列に相似する。なお、マルチコアファイバA1からA3は、マルチコアファイバB1からB3と同じコア配列であるが、各ファイバにおける屈折率分布も同じであることが好ましい。
図4の(a)~(c)は、光接続構造1によって光接続される第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bとの間での光結合状態について示す図である。図4の(a)は、マルチコアファイバA2の3つのコア21,22及び23から出力された光線L21、L22及びL23が、マルチコアファイバB3、B2及びB1の各コア37,27及び17に結合する状態を示している。図4の(a)に示す光結合では、マルチコアファイバA2から出力された光線L21及びL23は、第1光学系100(集光レンズ102)によってその伝搬方向を異ならせ(より具体的には光軸X2に対して逆側に向かい)、光線L22は第1光学系100(集光レンズ102)をそのまま直進する。そしてこれらの光線L21、L22及びL23は、入射した第2光学系110の各集光レンズ113、112及び111によって各マルチコアファイバB3、B2及びB1の端面に集光され、各コア37、27及び17に光が伝搬される。
同様に、図4の(b)は、マルチコアファイバA1の3つのコア11,12及び13から出力された光線L11、L12及びL13が、マルチコアファイバB3、B2及びB1の各コア38,28及び18に結合する状態を示している。図4の(b)に示す光結合では、マルチコアファイバA1から出力された光線L11及びL12は、第1光学系100(集光レンズ101)によってその伝搬方向を異ならせ(より具体的には光軸X1に対して逆側に向かい)、光線L13は第1光学系100(集光レンズ101)をそのまま直進する。そしてこれらの光線L11、L12及びL13は、入射した第2光学系110の各集光レンズ113、112及び111によって各マルチコアファイバB3、B2及びB1の端面に集光され、各コア38、28及び18に光が伝搬される。
同様に、図4の(c)は、マルチコアファイバA3の3つのコア31,32及び33から出力された光線L31、L32及びL33が、マルチコアファイバB1、B2及びB3の各コア36,26及び16に結合する状態を示している。図4の(c)に示す光結合では、マルチコアファイバA3から出力された光線L32及びL33は、第1光学系100(集光レンズ103)によってその伝搬方向を異ならせ(より具体的には光軸X3に対して逆側に向かい)、光線L31は第1光学系100(集光レンズ103)をそのまま直進する。そしてこれらの光線L31、L32及びL33は、入射した第2光学系110の各集光レンズ113、112及び111によって各マルチコアファイバB3、B2及びB1の端面に集光され、各コア36、26及び16に光が伝搬される。なお、第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bは、左右対称の構成であり、第2マルチコアファイバ群Bからの光が第1マルチコアファイバ群Aに伝搬される場合は、上述した光路が逆になって光が伝搬される。
ここで、図5から図10を参照して、第1マルチコアファイバ群Aから出射された光線が第2マルチコアファイバ群Bに入射される光路の例について、より詳細に説明する。
図5に示すように、第1マルチコアファイバ群AのマルチコアファイバA3の前面には集光レンズ103が配置されている。集光レンズ103は焦点距離fのレンズであり、集光レンズ103の焦点がマルチコアファイバA3の端面に位置するように構成されている。ここで光軸X3から外側に距離d離れたコア32から出射された光線L32は、集光レンズ103を透過した際、逆側焦点位置を通過することから、光軸X3に対して角度θ(=d/f)を為して伝搬する。そして、図6に示すように、光軸X2に対して角度θで逆側焦点位置を通過する光線L32は、光軸X2からd(=θ/f)だけずれた位置に集光し、コア26に光が伝搬される。なお、第1光学系100から第2光学系110へ伝搬される光線L32はコリメート光である。また、ここで、光軸X2と光軸X3とは平行である。
また、図7に示すように、第1マルチコアファイバ群AのマルチコアファイバA3の前面には、上記同様に、集光レンズ103が配置されている。集光レンズ103は焦点距離fのレンズであり、集光レンズ103の焦点がマルチコアファイバA3の端面に位置するようになっている。ここで光軸X3から外側に距離2d離れたコア33から出射された光線L33は、集光レンズ103を透過した際、逆側焦点位置を通過することから、光軸X3に対して角度2θ(=2d/f)を為して伝搬する。そして、図8に示すように、光軸X1に対して角度θで逆側焦点位置を通過する光線L33は、光軸X1から2d(=2θ/f)だけずれた位置に集光し、コア16に光が伝搬される。なお、第1光学系100から第2光学系110へ伝搬される光線L33はコリメート光である。また、ここで、光軸X1と光軸X3とは平行である。
また、図9に示すように、光軸X3上に位置するコア31から出射された光線L31は、集光レンズ103を透過した際、コリメート光となり、そのまま光軸X3上を直進し、第2光学系110(集光レンズ113)により集光されて、マルチコアファイバB3のコア36に光が伝搬される。図10は、上述した光結合をまとめた図である。図10に示すように、第1光学系100の内側の焦点と第2光学系110の内側の焦点との距離をLとした場合、分岐された各光線間の距離はLθとなり、各光線が干渉し合わないようになっている。なお、他のマルチコアファイバA1やA2からの光線が第2マルチコアファイバ群Bの各マルチコアファイバへ結合される具体的な光路は、上述した説明から当業者には明らかであるため、その説明を省略する。
以上、本実施形態に係るマルチコアファイバの光接続構造では、第1マルチコアファイバ群Aのファイバ配列がマルチコアファイバA1からA3のコア配列に対応し、第2マルチコアファイバ群Bのファイバ配列がマルチコアファイバB1からB3のコア配列に対応して、相互に光結合されている。このように、各光ファイバ内のコア配列と、各光ファイバ自体のファイバ配列とを対応づけることにより、第1光学系100と第2光学系110とを用いて、マルチコアファイバA1からA3とマルチコアファイバB1からB3とを簡易な構成で光接続することができる。特に1のマルチコアファイバA1、A2又はA3の各コアをマルチコアファイバB1~B3の各コアに分岐するような光接続構造においては、上述した配列関係を採用することにより、接続構造を簡素なものにしてその小型化を図ることが可能となる。
本実施形態では、より具体的には、マルチコアファイバA1からA3のファイバ配列は、各マルチコアファイバA1からA3のコア配列と相似しており、また、マルチコアファイバB1からB3のファイバ配列は、マルチコアファイバB1~B3のコア配列と相似している。このため、複数のマルチコアファイバA1からA3と複数のマルチコアファイバB1からB3との光接続構造の設計を容易なものとすることができる。なお、本実施形態では、マルチコアファイバA1からA3のファイバ配列、マルチコアファイバA1からA3の各ファイバにおけるコア配列、マルチコアファイバB1からB3のファイバ配列、及び、マルチコアファイバB1からB3の各ファイバにおけるコア配列を一次元状の配列としており、配置構成がより一層簡素化しているため、更なる小型化を図ることも可能である。
本実施形態では、第1光学系100は、その焦点位置がマルチコアファイバA1からA3の端面となるように構成されており、第2光学系110は、その焦点位置がマルチコアファイバB1からB3の端面となるように構成されている。このため、第1光学系100と第2光学系110との間の光線がコリメート光になり、光学設計が容易になる。
本実施形態では、第1光学系100は、マルチコアファイバA1からA3に対応する集光レンズ101から103を含み、第2光学系110は、マルチコアファイバB1からB3に対応する集光レンズ111から113を含んでいる。このため、各マルチコアファイバから出射される光線の伝搬方向をより精度よくすることができる。この実施形態において、集光レンズ101から103はレンズアレイから構成され、集光レンズ111から113はレンズアレイから構成されている。このため、光学設計や装置の製造等が容易になる。
本実施形態では、マルチコアファイバA1からA3は、マルチコアファイバB1からB3と同じコア配列及び屈折率分布を有している。このため、光接続構造全体の光学設計を容易なものとすることができる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る光接続構造では、光ファイバ配列と各光ファイバ内におけるコア配列とが第1実施形態に係る光接続構造と相違している。以下、主に第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
図11は、第2実施形態に係る光接続構造の一例を示す斜視図である。図12の(a)及び(b)は、第2実施形態に係る光接続構造に用いられるマルチコアファイバA4、A5、A6及びマルチコアファイバB4、B5、B6のファイバ配列及びコア配列を模式的に示す断面図である。図13は、第2実施形態に係る光接続構造におけるマルチコアファイバと集光レンズとの位置関係を示す図であり、(a)は第1マルチコアファイバ群Aでの位置関係を示し、(b)は第2マルチコアファイバ群Bでの位置関係を示す。
図11~図13に示すように、本実施形態に係る光接続構造1aでは、マルチコアファイバ及び各コアは、光軸に直交する平面において、二次元状になるように配列されている。より具体的には、マルチコアファイバA4からA6は、図12の(a)及び図13の(a)に示すように、二次元状に配列されている。コア41から43、コア51から53及びコア61から63も各ファイバ内において二次元状に配列されている。このように光接続構造1aでは、マルチコアファイバA4からA6の配列は、マルチコアファイバA4からA6の各ファイバ内に配置されているコア41から43、コア51から53及びコア61から63のコア配列を各光軸X4からX6を中心として180°回転させた配列と相似している。なお、コア41から43、コア51から53及びコア61から63はそれぞれクラッド44、クラッド54及びクラッド64によって覆われ、これによりマルチコアファイバを構成する。
同様に、マルチコアファイバB4からB6は、図12の(b)及び図13の(b)に示すように、二次元状に配列されている。コア46から48、コア56から58及びコア66から68も各ファイバ内において二次元状に配列されている。このように光接続構造1aでは、マルチコアファイバB4からB6のファイバ配列も、マルチコアファイバB4からB6の各ファイバ内に配置されているコア46から48、コア56から58及びコア66から68のコア配列を各光軸X4からX6を中心として180°回転させた配列と相似している。なお、コア46から48、コア56から58及びコア66から68はそれぞれクラッド49、クラッド59及びクラッド69によって覆われ、これによりマルチコアファイバを構成する。
次に、図13の(a)及び(b)を参照して、第2実施形態における各集光レンズと各マルチコアファイバのコアとの位置関係について説明する。図13の(a)に示すように、マルチコアファイバA4は、対応する集光レンズ101に対してその光軸X4からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA4の図示左端のコア43の中心が集光レンズ101の光軸X4に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバA5は、対応する集光レンズ102に対してその光軸X5からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA5の図示右端のコア52の中心が集光レンズ102の光軸X5に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバA6は、対応する集光レンズ103に対してその光軸X6からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA6の図示上側のコア61の中心が集光レンズ103の光軸X6に一致するように、両者の位置関係が規定される。このように第2実施形態では、中心側のコア43,52,61が各光軸と一致する。ただし、中心側のコアが各光軸に一致しない構成であってもよい。
また、図13の(b)に示すように、第2マルチコアファイバ群B側では、マルチコアファイバB4は、対応する集光レンズ111に対してその光軸X4からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバB4の図示右端のコア48の中心が集光レンズ111の光軸X4に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバB5は、対応する集光レンズ112に対してその光軸X5からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバA5の図示左端のコア57の中心が集光レンズ112の光軸X5に一致するように、両者の位置関係が規定される。マルチコアファイバB6は、対応する集光レンズ113に対してその光軸X6からやや外側にずれるように配置される。より具体的には、マルチコアファイバB6の図示上側のコア66の中心が集光レンズ113の光軸X6に一致するように、両者の位置関係が規定される。このように第2実施形態では、中心側のコア48,57,66が各光軸と一致する。ただし、中心側のコアが各光軸に一致しない構成であってもよい。
次に、第2実施形態に係る光接続構造1aの全体構成について、図11~図15を参照して説明する。図14は、第2実施形態に係る光接続構造の例を示す斜視図である。図15は、図14に示す光接続構造の仮想断面Pに沿った断面図であり、図13の(a)及び(b)の各XV-XV線に沿ったコア間の光結合の例を示している。図11~図13に示すように、第2実施形態において、第1マルチコアファイバ群AのマルチコアファイバA4からA6は、第1光学系100(集光レンズ101から103)及び第2光学系110(集光レンズ111から113)を介して、第2マルチコアファイバ群BのマルチコアファイバB4からB6に光結合される。
このような第1マルチコアファイバ群Aと第2マルチコアファイバ群Bとは、具体的には以下の表2に示すように相互に光結合される。まず、マルチコアファイバA4のコア41、コア42及びコア43は、マルチコアファイバB6のコア68、マルチコアファイバB5のコア58、及び、マルチコアファイバB4のコア48にそれぞれ光結合される。また、マルチコアファイバA5のコア51、コア52及びコア53は、マルチコアファイバB6のコア67、マルチコアファイバB5のコア57、及び、マルチコアファイバB4のコア47にそれぞれ光結合される。また、マルチコアファイバA6のコア61、コア62及びコア63は、マルチコアファイバB6のコア66、マルチコアファイバB5のコア56、及び、マルチコアファイバB4のコア46にそれぞれ光結合される。
Figure 0007314684000002
上述した光結合の例として、例えば、図13から図15に示すように、マルチコアファイバA4からの各光線がマルチコアファイバB4からB6の各コアに入射され、マルチコアファイバA5からの各光線がマルチコアファイバB4からB6の別の各コアに入射される。なお、図15では、マルチコアファイバA4のコア41からマルチコアファイバB6のコア68への光結合と、マルチコアファイバA5のコア51からマルチコアファイバB6のコア67への光結合については点線で記載されている。図14に示す仮想断面P1及びP2に沿った断面におけるマルチコアファイバA4からA6とマルチコアファイバB4からB6との光結合も同様な図で示すことが可能である。
以上、本実施形態に係る光接続構造では、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、本実施形態では、第1マルチコアファイバ群Aでのファイバ配列が、各マルチコアファイバA4からA6でのコア配列を光軸を中心として180°回転させた配列と相似しており、また、第2マルチコアファイバ群Bでのファイバ配列が、各マルチコアファイバB4からB6でのコア配列を光軸を中心として180°回転させた配列と相似している。このため、第2実施形態によれば、各マルチコアファイバやファイバ内の各コアを二次元状に配列することが行い易くなるため、より実装密度を高めた光接続構造とすることができ、更なる小型化も図ることが可能となる。
以上、本開示の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態に適用することができる。例えば上記の実施形態では、各光ファイバ内のコアが三個の場合について説明したが、各光ファイバ内のコアは七個や八個であってもよい。また、上述した実施形態では、一方のマルチコアファイバの数が三本の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、二本の場合や四本以上の場合であってもよい。
1,1a…光接続構造、11から13,16から18,21から23,26から28,31から33,36から38,41から43,46から48,51から53,56から58、61から63,66から68…コア、14,19,24,29,34,39,44,49,54,59,64,69…クラッド、100…第1光学系、101から103…集光レンズ(第1レンズ)、110…第2光学系、111から113…集光レンズ(第2レンズ)、A…第1マルチコアファイバ群、B…第2マルチ子ファイバ群、A1からA6…マルチコアファイバ(第1マルチコアファイバ)、B1からB6…マルチコアファイバ(第2マルチコアファイバ)、L11からL13…光線、L21からL23…光線、L31からL33…光線。

Claims (7)

  1. 各光ファイバが3個以上のコアを有する、複数の第1マルチコアファイバと、
    各光ファイバが3個以上のコアを有する、複数の第2マルチコアファイバと、
    各前記第1マルチコアファイバの各前記コアから出射される各光線のうち少なくとも一部の光線の伝搬方向を異ならせる第1光学系と、
    各前記第1マルチコアファイバから出射され、前記第1光学系を介して伝搬される各前記光線を前記複数の第2マルチコアファイバに集光させる第2光学系と、
    を備え、
    前記複数の第1マルチコアファイバは、3本以上のマルチコアファイバであり、
    前記複数の第2マルチコアファイバは、3本以上のマルチコアファイバであり、
    前記第1光学系の光軸方向に交差する面において、前記複数の第1マルチコアファイバの第1ファイバ配列は、前記第1マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第1コア配列、または、前記第1コア配列を180°回転させた配列と相似しており、
    前記第2光学系の光軸方向に交差する面において、前記複数の第2マルチコアファイバの第2ファイバ配列は、前記第2マルチコアファイバの各光ファイバ内における各コアの第2コア配列、または、前記第2コア配列を180°回転させた配列と相似している、
    マルチコアファイバの光接続構造。
  2. 前記第1光学系は、その焦点位置が前記複数の第1マルチコアファイバの端面となるように構成され、
    前記第2光学系は、その焦点位置が前記複数の第2マルチコアファイバの端面となるように構成される、
    請求項1に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
  3. 前記第1光学系は、各前記第1マルチコアファイバに対応する第1レンズを含み、
    前記第2光学系は、各前記第2マルチコアファイバに対応する第2レンズを含む、
    請求項1または請求項2に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
  4. 各前記第1レンズはレンズアレイから構成され、各前記第2レンズはレンズアレイから構成される、
    請求項3に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
  5. 前記第1マルチコアファイバは、前記第2マルチコアファイバと同じコア配列及び屈折率分布を有している、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
  6. 前記第1ファイバ配列は、前記第1コア配列と相似しており、
    前記第2ファイバ配列は、前記第2コア配列と相似している、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
  7. 前記第1ファイバ配列は、前記第1コア配列をファイバ光軸を中心として180°回転させた配列と相似しており、
    前記第2ファイバ配列は、前記第2コア配列をファイバ光軸を中心として180°回転させた配列と相似している、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマルチコアファイバの光接続構造。
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