JP7218533B2 - 鋼材およびその製造方法 - Google Patents
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C:1.00%以下、
Si:3.00%以下、
Mn:0.2~7.0%、
P:0.10%以下、
S:0.030%以下、
Al:3.00%以下、
N:0.010%以下、
Ni:0~10.0%、
Cu:0~3.0%、
Cr:0~10.0%、
Ti:0~1.0%、
Nb:0~1.0%、
V:0~1.0%、
Mo:0~2.0%、
W:0~1.0%、
B:0~0.01%、
Co:0~1.0%、
Ca:0~0.01%、
Mg:0~0.01%、
REM:0~0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるCeqが0.10~1.00であり、
金属組織が、体積%で、40%以上の焼戻しマルテンサイト、10%以上のベイナイト、5%以上の残留オーステナイト、5%以上のフェライトを含み、
焼戻しマルテンサイトのブロックまたはフェライト結晶粒の内部に存在する残留オーステナイトの面積割合が、鋼材中の残留オーステナイトの総量に対して15%以上であり、
1150MPa以上の引張強度を有する、
鋼材。
Ceq=C+1/24Si+1/6Mn+1/40Ni+1/5Cr+1/4Mo+1/14V ・・・(i)
但し、式中の各元素記号は、鋼素材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
上記(1)に記載の鋼材。
Ni:0.1~10.0%、
Cu:0.3~3.0%、および
Cr:0.1~10.0%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)または(2)に記載の鋼材。
Ti:0.01~1.0%、
Nb:0.01~1.0%、
V:0.01~1.0%、
Mo:0.05~2.0%、
W:0.05~1.0%、
B:0.0003~0.01%、および
Co:0.05~1.0%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の鋼材。
Ca:0.0001~0.01%、
Mg:0.0001~0.01%、および
REM:0.0001~0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の鋼材。
マルテンサイトを主体とする金属組織を有する鋼素材に対して、焼戻し工程および焼鈍工程を順に行い、
前記焼戻し工程において、550℃~Ac1点の範囲の温度域で60min以上保持し、
前記焼鈍工程において、500℃/s以上の平均昇温速度でAc3点~Ac3点+100℃の温度範囲まで加熱した後、5~30s保持してから冷却を開始し、10℃/s以上100℃/s未満の平均冷却速度でMs点-50℃~Ms点-200℃の温度域まで冷却した後、300~500℃の温度範囲まで再加熱して30~500s保持した後、室温まで冷却する、
鋼材の製造方法。
上記(6)に記載の鋼材の製造方法。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは鋼材の強度を向上させる元素である。C含有量は鋼材に要求される特性に応じて選定されるが、1.00%を超えるとMf点が低下しすぎて、加熱中に生じたオーステナイトの一部または全部が冷却中に変態せずに、必要量のマルテンサイトが得られず、十分な強度が得られなくなる。そのため、C含有量は1.00%以下とする。C含有量は0.50%以下であるのが好ましく、0.35%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得るためには、C含有量は0.03%以上であるのが好ましい。
Siは残留オーステナイトを安定化させるために含有させる。しかしながら、その含有量が3.00%を超えると、熱間加工性が劣化して圧延時に割れやすくなる。そのため、Si含有量は3.00%以下とする。Si含有量は2.50%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Si含有量は0.10%以上であるのが好ましく、0.30%以上であるのがより好ましい。
MnはA1変態点を低下させてオーステナイト生成温度域を低くすることによって、オーステナイト相の成長粗大化速度を低下させるのに有効な元素である。また、Mnはオーステナイト相へ分配される元素である。さらに、残留オーステナイトを活用したい場合には有効な元素となる。超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するためには、0.2%以上含有させる必要がある。一方、Mn含有量が7.0%を超えると、Mf点が低下しすぎて、加熱中に生じたオーステナイトの一部または全部が冷却中に変態せずに、必要量のマルテンサイトが得られず、十分な強度が得られなくなる。そのため、Mn含有量は0.2~7.0%とする。Mn含有量は5.0%以下であるのが好ましく、3.0%以下であるのがより好ましい。
Pは、一般に不純物として含有される元素であるが、固溶強化により強度を高める効果を有する元素でもある。したがって、Pを積極的に含有させてもよい。しかし、Pは偏析し易い元素であり、その含有量が0.10%を超えると、粒界偏析に起因する成形性および靭性の低下が顕著となる。したがって、P含有量は0.10%以下とする。P含有量は0.050%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。P含有量の下限は特に規定する必要はないが、上記の効果を得たい場合には、0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、不純物として含有される元素であり、鋼中に硫化物系介在物を形成して鋼板の成形性を低下させる。S含有量が0.030%を超えると、成形性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.030%以下とする。S含有量は0.010%以下であるのが好ましく、0.005%以下であるのがより好ましく、0.001%以下であるのがさらに好ましい。S含有量の下限は特に規定する必要はないが、精錬コストの上昇を抑制する観点からは0.0001%以上とすることが好ましい。
Alはフェライト相へ分配される元素であって、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するには、脱酸のために通常含有される量より多く含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が3.00%を超えると、熱間加工性が劣化して圧延時に割れやすくなる。そのため、Al含有量は3.00%以下とする。Al含有量は2.50%以下であるのが好ましく、2.00%以下であるのがより好ましい。上記の効果を得るためには、Al含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.03%以上であるのがより好ましい。
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼板の成形性を低下させる作用を有する。N含有量が0.010%を超えると、成形性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.010%以下とする。N含有量は0.0080%以下であるのが好ましく、0.0070%以下であるのがより好ましい。N含有量の下限は特に規定する必要はないが、後述するようにTi、NbおよびVの1種以上を含有させて鋼組織の微細化を図る場合を考慮すると、炭窒化物の析出を促進させるためにN含有量は、0.0010%以上とすることが好ましく、0.0020%以上とすることがより好ましい。
NiはA1変態点を低下させてオーステナイト生成温度域を低くすることによって、オーステナイト相の成長粗大化速度を低下させるのに有効な元素である。また、Niはオーステナイト相へ分配される元素である。そのため必要に応じてNiを含有させてもよい。しかしながら、Ni含有量が10.0%を超えると、粒成長の抑制効果が飽和してくる。したがって、Ni含有量は10.0%以下とする。Ni含有量は5.0%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Ni含有量は0.1%以上とするのが好ましい。
CuはA1変態点を低下させてオーステナイト生成温度域を低くすることによって、オーステナイト相の成長粗大化速度を低下させるのに有効な元素である。また、Cuはオーステナイト相へ分配される元素である。そのため必要に応じてCuを含有させてもよい。しかしながら、Cu含有量が3.0%を超えると、加工性が劣化して圧延時に割れやすくなる。したがって、Cu含有量は3.0%以下とする。Cu含有量は2.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Cu含有量は0.3%以上とするのが好ましい。
Crはオーステナイト相へ分配される元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてCrを含有させてもよい。しかしながら、Cr含有量が10.0%を超えると、強度と延性または強度と靱性とのアンバランスが生じる。したがって、Cr含有量は10.0%以下とする。Cr含有量は8.0%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Cr含有量は0.1%以上とするのが好ましい。
Tiはフェライト相へ分配され、かつ、拡散の遅い元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてTiを含有させてもよい。しかしながら、Ti含有量が1.0%を超えると、鋼が脆化してくる。したがって、Ti含有量は1.0%以下とする。Ti含有量は0.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Ti含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Nbはフェライト相へ分配され、かつ、拡散の遅い元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてNbを含有させてもよい。しかしながら、Nb含有量が1.0%を超えると、鋼が脆化してくる。したがって、Nb含有量は1.0%以下とする。Nb含有量は0.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Nb含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Vはフェライト相へ分配される元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてVを含有させてもよい。しかしながら、V含有量が1.0%を超えると、鋼が脆化してくる。したがって、V含有量は1.0%以下とする。V含有量は0.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、V含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Moはフェライト相へ分配され、かつ、拡散の遅い元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてMoを含有させてもよい。しかしながら、Mo含有量が2.0%を超えると、粒成長の抑制効果が飽和してくる。したがって、Mo含有量は2.0%以下とする。Mo含有量は1.0%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Mo含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Wはフェライト相へ分配され、かつ、拡散の遅い元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてWを含有させてもよい。しかしながら、W含有量が1.0%を超えると、粒成長の抑制効果が飽和してくる。したがって、W含有量は1.0%以下とする。W含有量は0.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、W含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Bは焼入れ性が向上する元素で、マルテンサイトを含む組織を得るには有効な元素である。そのため必要に応じてBを含有させてもよい。しかしながら、B含有量が0.01%を超えると、靱性が悪化する。したがって、B含有量は0.01%以下とする。B含有量は0.005%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、B含有量は0.0003%以上とするのが好ましい。
Coはフェライト相へ分配される元素であり、超微細オーステナイト組織の成長粗大化を抑制するのに有効な元素である。そのため必要に応じてCoを含有させてもよい。しかしながら、Co含有量が1.0%を超えると、粒成長の抑制効果が飽和してくる。したがって、Co含有量は1.0%以下とする。Co含有量は0.5%以下であるのが好ましい。上記の効果を得るためには、Co含有量は0.05%以上とするのが好ましい。
Mg:0~0.01%
REM:0~0.01%
Ca、MgおよびREMは、オーステナイト粒成長を抑制するピン留め効果を有し、オーステナイト粒を微細化する効果を有する。そのため必要に応じてこれらの元素から選択される1種以上を含有させてもよい。しかしながら、これらの元素の含有量がそれぞれ0.01%を超えると、脆化して加工性が劣化する。したがって、各元素ともその含有量を0.01%以下とする。また、2種以上を複合的に含有させる場合、その合計含有量は0.03%であってもよい。上記の効果を得るためには、Ca、MgおよびREMから選択される1種以上を0.0001%以上含有させるのが好ましい。
Ceqは炭素当量を意味し、下記(i)式で定義される。Ceqが0.10未満では、鋼材の強度が十分に得られない。一方、Ceqが1.00を超えると、靭性および延性が悪化するだけでなく、溶接を行う場合には溶接性および溶接部特性が劣化する。したがって、Ceqは0.10~1.00とする。Ceqは0.20以上であるのが好ましく、0.30以上であるのがより好ましい。また、Ceqは0.90以下であるのが好ましい。
Ceq=C+1/24Si+1/6Mn+1/40Ni+1/5Cr+1/4Mo+1/14V ・・・(i)
但し、式中の各元素記号は、鋼素材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
本発明に係る鋼材の金属組織は、体積%で、40%以上の焼戻しマルテンサイト、10%以上のベイナイト、5%以上の残留オーステナイト、5%以上のフェライトを含む。それぞれの組織の限定理由について説明する。
焼戻しマルテンサイトは、硬質な組織であり、鋼の強度を向上する。そのため、焼戻しマルテンサイトの体積率を40%以上とする。延性より強度を重視したい場合には、その体積率は50%以上であるのが好ましく、60%以上であるのがより好ましい。なお、焼戻しマルテンサイトは適度な靭性を有するので、より硬質な組織であるマルテンサイトと異なり、延性を阻害する影響が比較的に小さい。
ベイナイトは、硬質かつ靱性に富む組織である。そのため、ベイナイトの体積率を10%以上とする。上限は特に設けないが、他の組織との関係から実質的に40%未満となる。なお、ベイナイトとは鉄の体心立方構造からなるベイニティックフェライトと、鉄炭化物(Fe3Cの化学成分を有するセメンタイト)の混合組織である。このうちのベイニティックフェライトは後述のフェライトとは区別される。
残留オーステナイトは、TRIP効果により、鋼の延性を向上する組織である。そのため、残留オーステナイトの体積率を5%以上とする。なお、残留オーステナイトの体積率について、上限は特に設けないが、他の組織との関係から実質的に45%以下となる。また、残留オーステナイトの体積率が過剰であると、強度が低下するおそれがある。そのため、残留オーステナイトの体積率は40%以下であるのが好ましく、30%以下であるのがより好ましく、20%以下であるのがさらに好ましい。
フェライトは、軟質な組織であり、鋼の延性を向上する。そのため、フェライトの体積率を5%以上とする。フェライトは軟質な組織であるため、強度より延性を重視したい場合には、その体積率は10%以上であるのが好ましい。一方、その量が過剰であると鋼の強度が低下するおそれがあることから、フェライトの体積率は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。なお、フェライトは急速加熱・保持後の冷却過程においてオーステナイトの一部が相変態することで生成する。なお、フェライトの平均結晶粒径は3.0μm以下であることが好ましい。
本発明においては、鋼材の引張強さは1150MPa以上とする。引張強さは1200MPa以上であるのが好ましい。また、強度および延性のバランスを確保する観点から、引張強さと伸びとの積が20000MPa・%以上であることが好ましい。
本発明に係る鋼材は、上述の化学組成を有し、所定の金属組織を有する鋼素材に対して、焼戻し工程およびオーステナイト単相となる温度域へ急速に加熱した後、Ms点以下へ冷却し、その後再加熱する焼鈍工程を順に行うことによって製造することが可能である。各条件について、以下に詳しく説明する。
熱処理を施す前の鋼素材としては、マルテンサイトを主体とする金属組織を有するものを用いる。
上記の鋼素材に対して、550℃~Ac1点の範囲の温度域で60min以上保持する。このような条件で熱処理を行うことにより、上記の各組織の結晶粒内にセメンタイトが析出するとともに、セメンタイト中にMn等の元素が濃化する。この工程での保持温度が550℃未満であるかまたは保持時間が60min未満では、セメンタイトの析出およびセメンタイト中への元素の濃化が不十分となる。一方、保持温度がAc1点を超えると、オーステナイト変態が生じ、セメンタイトが析出しにくくなる。
上記の鋼素材に対して、焼鈍工程を行う。焼鈍工程は、さらに昇温工程、保持工程、冷却工程および再加熱工程の4つに細分化することができる。それぞれの工程における条件について、以下に詳しく説明する。
前述の化学組成および金属組織を有する鋼素材を、まず500℃/s以上の平均昇温速度でAc3点~Ac3点+100℃の温度域まで加熱する。Ac3点以上のオーステナイト単相域まで加熱することで、均一な組織を得ることができる。一方、Ac3点+100℃を超えて加熱すると粒成長の速度が大きくなり粗大なオーステナイト粒に成長してしまう。
上記の条件で加熱し、5~30s保持した後に冷却を開始する。Ac3点~Ac3点+100℃の温度域で保持することでセメンタイトを溶解させる。保持時間が5s未満であると、セメンタイトが十分に溶解せず、最終組織まで残存してしまい、十分な量の残留オーステナイトが得られなくなるおそれがある。一方、保持時間が30sを超えると、保持中における元素の拡散が顕著になる。
冷却工程では、前記Ac3点~Ac3点+100℃の温度域から、10℃/s以上100℃/s未満の平均冷却速度でMs点-50℃~Ms点-200℃の温度域まで冷却する。この冷却の途中において、オーステナイトの一部がフェライトに変態する。さらに、Ms点-50℃~Ms点-200℃の温度域に到達し保持することで、残りのオーステナイトの一部がマルテンサイトに変態する。Ms点-50℃~Ms点-200℃の温度域に保持する時間は特に制限されないが、5~300s程度とすることが好ましい。
その後、鋼材を300~500℃に再加熱して30~500s保持する。この時、マルテンサイトが焼戻されるため、高強度でありながら靭性に優れた組織が得られる。さらに、300~500℃で保持中に、未変態のオーステナイトに炭素が拡散し、オーステナイトの安定性を高める。この現象よって、最終組織において5%以上の残留オーステナイトが得られ、鋼の伸びを高めることができる。再加熱した後の鋼板は、室温へ任意の冷却速度で冷却する。
さらに微細な組織を得たい場合には、上記の焼戻し工程の前、または上記の焼戻し工程と焼鈍工程との間に、冷間加工工程を行うことが望ましい。その理由は以下のとおりである。
Claims (6)
- 化学組成が、質量%で、
C:1.00%以下、
Si:3.00%以下、
Mn:0.2~7.0%、
P:0.10%以下、
S:0.030%以下、
Al:3.00%以下、
N:0.010%以下、
Ni:0~10.0%、
Cu:0~3.0%、
Cr:0~10.0%、
Ti:0~1.0%、
Nb:0~1.0%、
V:0~1.0%、
Mo:0~2.0%、
W:0~1.0%、
B:0~0.01%、
Co:0~1.0%、
Ca:0~0.01%、
Mg:0~0.01%、
REM:0~0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるCeqが0.10~1.00であり、
金属組織が、体積%で、40%以上の焼戻しマルテンサイト、10%以上のベイナイト、5%以上の残留オーステナイト、5%以上のフェライトを含み、残部が1%以上であり、
焼戻しマルテンサイトのブロックまたはフェライト結晶粒の内部に存在する残留オーステナイトの面積割合が、鋼材中の残留オーステナイトの総量に対して15%以上であり、
前記金属組織中のフェライト粒の平均結晶粒径が3.0μm以下であり、
1150MPa以上の引張強度を有する、
鋼材。
Ceq=C+1/24Si+1/6Mn+1/40Ni+1/5Cr+1/4Mo+1/14V ・・・(i)
但し、式中の各元素記号は、鋼素材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ni:0.1~10.0%、
Cu:0.3~3.0%、および
Cr:0.1~10.0%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載の鋼材。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.01~1.0%、
Nb:0.01~1.0%、
V:0.01~1.0%、
Mo:0.05~2.0%、
W:0.05~1.0%、
B:0.0003~0.01%、および
Co:0.05~1.0%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1または請求項2に記載の鋼材。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ca:0.0001~0.01%、
Mg:0.0001~0.01%、および
REM:0.0001~0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の鋼材。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の鋼材を製造する方法であって、
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化学組成を有し、
マルテンサイトの体積率が95.0%以上である金属組織を有する鋼素材に対して、焼戻し工程および焼鈍工程を順に行い、
前記焼戻し工程において、550℃~Ac1点の範囲の温度域で60min以上保持し、
前記焼鈍工程において、500℃/s以上の平均昇温速度でAc3点~Ac3点+100℃の温度範囲まで加熱した後、5~30s保持してから冷却を開始し、10℃/s以上100℃/s未満の平均冷却速度でMs点-50℃~Ms点-200℃の温度域まで冷却した後、300~500℃の温度範囲まで再加熱して30~500s保持した後、室温まで冷却する、
鋼材の製造方法。 - 前記焼戻し工程の前、または前記焼戻し工程と前記焼鈍工程との間に、さらに冷間加工工程を行う、
請求項5に記載の鋼材の製造方法。
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