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JP7293820B2 - 注出口栓およびこれを備える包装容器 - Google Patents

注出口栓およびこれを備える包装容器 Download PDF

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Description

本発明は、包装容器の注出位置に設けられる注出口栓に関する。
液体、粉体あるいは粒体等の流動性のある内容物の包装容器として、樹脂製の注出口栓を設けたものが広く使用されている。注出口栓は、円筒形の筒部およびその内部を閉塞する隔壁を含む口栓本体と、口栓本体に被せるキャップとを備える。隔壁には円状の薄肉部とプルリングとが設けられ、キャップを外して、プルリングを引っ張ることにより、隔壁が薄肉部に沿って破断するため、開栓することができる。また、キャップを被せることにより、再封することができる(特許文献1参照)。
特開2000-296865号公報
このような、注出口栓によれば、隔壁によって開栓前までの密封性とタンパーエビデンス性とを実現することができる一方で、隔壁の薄肉部を破断するために要するプルリングを引っ張る力が比較的大きくなり易く、力の弱いユーザーには負荷が高い場合があった。開栓の際の負荷を抑制するために隔壁の薄肉部を薄く形成することが考えられるが、この場合、薄肉部にピンホールが発生して密封性が低下するおそれがあった。また、開栓後にプルリングを廃棄する手間がかかり、利便性にも改善の余地があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、密封性とタンパーエビデンス性とを有しながら、負荷や手間がかからずに容易に開栓できる注出口栓およびこれを用いた包装容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、外ネジが形成された円筒形の筒部を有する口栓本体と、外ネジと螺合する内ネジが形成された円筒形の側壁、および側壁の一端を覆う天面部を有し、筒部の一端に被せて外ネジと内ネジとが螺合された状態で取り付けられたキャップとからなる注出口栓であって、口栓本体は、筒部の内周面に全周にわたって形成された環状突出部と、環状突出部から筒部の内方に向かって延出し、周方向に所定の間隔を有するように設けられた複数の連接部により、筒部の内方であって、筒部の中心軸の延伸方向において環状突出部よりも筒部の一端側に保持された円筒形状の閉塞部材と、閉塞部材から内方に突出する係合爪とを備え、キャップは、外周面に周方向にわたる凹溝が形成されて、一端が天面部に覆われた円柱状のキャップ側係合部を有し、キャップが口栓本体に取り付けられた状態において、キャップ側係合部が、閉塞部材の内部に挿入され、係合爪が、凹溝に係合して、閉塞部材、筒部の一端側がキャップ側係合部に当接するとともに、筒部の他端側が全周にわたって環状突出部に密着することで、キャップ側係合部の外周面と筒部の内周面との間の空間を閉塞し、キャップを、螺合を解除する方向に回転させることにより、凹溝に係合した閉塞部材が、キャップとともに筒部の一端側へ向かって移動し、閉塞部材と環状突出部との密着が解除され、連接部が破断して開栓される、注出口栓である。
また、本発明の他の局面は、上述の注出口栓を備えた包装容器である。
本発明によれば、密封性とタンパーエビデンス性とを有しながら、負荷や手間がかからずに容易に開栓できる注出口栓およびこれを用いた包装容器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る注出口栓の断面図 本発明の一実施形態に係る注出口栓の部分拡大断面図 本発明の一実施形態に係る口栓本体の平面図 本発明の一実施形態に係る注出口栓の断面図 本発明の一実施形態に係る注出口栓の部分拡大断面図 本発明の一実施形態に係る注出口栓の部分拡大断面図 本発明の一実施形態に係る注出口栓の断面図
本発明の一実施形態に係る注出口栓100を、図を参照して説明する。注出口栓100は、口栓本体10と、口栓本体10に取り付けることが可能なキャップ20とを含んで構成される。キャップ20は、口栓本体10の後述する筒部11の一端側に被せて、口栓本体10に設けた外ネジ12とキャップ20に設けた内ネジ22とが螺合された状態で取り付けられる。
図1は、口栓本体10にキャップ20が取り付けられていない状態の注出口栓100の断面図であり、図2は、図1の点線で囲ったB部の部分拡大断面図であり、図3は、注出口栓100の平面図であって、図1のA-A’線で切断した部分の断面を示している。図4は、口栓本体10にキャップ20が取り付けられた状態の注出口栓100の断面図であり、図5は、図4の点線で囲ったD部の部分拡大断面図であり、図6は、図4の点線で囲ったE部の部分拡大断面図である。なお、図1、図4は、図3のC-C’線で切断した断面図である。
注出口栓100は、取り付けられたキャップ20を螺合解除方向(例えば、一端側から見て左回り)に回転することにより開栓され、開栓後はキャップ20を口栓本体10に螺合することにより再栓される。以下では、図1、図4に示すように、口栓本体10の、キャップ20を被せて取り付ける側を一端側と定義するとともにこれとは反対側を他端側と定義し、この定義に従って説明する。
(口栓本体)
口栓本体10は、外ネジ12が形成された円筒形の筒部11と、環状突出部13と、閉塞部材15と、係合爪15aとを備える。注出口栓100は、一例として筒部11の他端縁から外方に延出するフランジ17を備えてもよい。フランジ17を設けることで、注出口栓100を、図示しない容器本体に溶着等により取り付けて用いることができる。
環状突出部13は、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、閉塞部材15とともに筒部11の内周を閉塞するために設けられている。環状突出部13は、筒部11の内周面に全周にわたって突出するように形成されている。
閉塞部材15は、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、環状突出部13とともに筒部11の内周を閉塞するために設けられている。閉塞部材15は、円筒形状であって、外径は、筒部11の内径よりも小さく、かつ、環状突出部13の内径よりも大きく形成されている。また、閉塞部材15の内径は、後述するキャップ側係合部24の外径よりも大きく形成されている。さらに、閉塞部材15は、筒部11の内部に設けられた複数の連接部14により、筒部11の内方であって、筒部11の中心軸CLの延伸方向において環状突出部13よりも筒部11の一端側に保持されている。
複数の連接部14は、閉塞部材15を筒部11の内方に保持するとともに、開栓に際して破断されることで、破断時の衝撃によりユーザーにクリック感を感知させるために設けられる。複数の連接部14は、図1~図3に示すように、一例として、環状突出部13から筒部11の内方に向かって延出し、周方向に所定の間隔を有するように設けられている。複数の連接部14は、一例として、周方向に90°の間隔を有するように4個形成されているが、隣接する連接部14の間隔および連接部14の数はこれに限定されず、開栓をするためにキャップ20に加える力(トルク)の大きさおよび必要なクリック感の大きさに応じて適宜調整することができる。
閉塞部材15は、一例として、図1~図3に示すように、内部に筒部11の一端側と他端側とを隔てる隔壁16を備える。隔壁16を備えることにより、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、容器本体に収容された内容物がキャップ20に触れることを防ぐことができるため、注出口栓100を衛生的な状態に維持しやすい。
係合爪15aは、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、閉塞部材15をキャップ20に係合するために設けられる。係合爪15aは、図4、図6に示すように、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、後述するキャップ20のキャップ側係合部24に形成された凹溝24aに係合することができるように、閉塞部材15の隔壁16とは反対側の端部から内方に突出するように形成されている。係合爪15aの内径は、後述するキャップ側係合部24の外径よりも小さく形成されている。
(キャップ)
キャップ20は、外ネジ12と螺合する内ネジ22が形成された円筒形の側壁21と、側壁21の一端を覆う天面部23と、キャップ側係合部24とを有する。
キャップ側係合部24は、図4に示すように、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、閉塞部材15を環状突出部13に密着させるとともに、開栓に際して、閉塞部材15と環状突出部13との密着を解除し、連接部14を破断させるために設けられる。キャップ側係合部24は、外周面に周方向にわたる凹溝24aが形成されて、一端が天面部23に覆われた円柱状である。凹溝24aは、係合爪15aが係合可能な深さに形成されている。キャップ側係合部24は、図1、図4に示すように、内部に空間を有さなくてもよいし、内部に空間を有する円筒状であってもよい。
(キャップの取り付けについて)
キャップ20の口栓本体10への最初の取り付けは、例えば、位置決め後、中心軸CLの延伸方向に一定の勢いでキャップ20を打ちこんだり(打栓)、筒部11の一端に被せたキャップ20を螺合方向に回転させることにより外ネジ12と内ネジ22とを螺合させたりすることにより行うことができる。これにより、キャップ側係合部24を、閉塞部材15の内部(内側)に挿入して係合爪15aをキャップ側係合部24の外周面に沿わせて拡げた後、図4、図6に示すように、係合爪15aをキャップ側係合部24の凹溝24aに係合させることができる。閉塞部材15は、一端側がキャップ側係合部24の凹溝24aを構成する面の一部に当接するとともに、他端側が、図5に示すように、全周にわたって環状突出部13に密着する。これにより、キャップ側係合部24の外周面と筒部11の内周面との間の空間が閉塞されるため、注出口栓100は密封性を有することができる。このとき、連接部14は、閉塞部材15と環状突出部13との密着を阻害しないように、図5に示すように、筒部11の内方へむかって屈曲していることが好ましい。
キャップ側係合部24には、一例として、図1、図4に示すように、他端において、キャップ側係合部24の一端側から離れるにつれて外径が小さくなる傾斜面24bを形成してもよい。これにより、キャップ20の口栓本体10への最初の取り付けに際して、係合爪15aが傾斜面24bに沿うことで滑らかに外方に拡げられるため、スムーズにキャップ側係合部24を閉塞部材15の内部に挿入して、係合爪15aと凹溝24aと係合することができる。
また、キャップ20の口栓本体10への最初の取り付けに際して、係合爪15aをキャップ側係合部24の外周面に沿わせて拡げるために、閉塞部材15の内部に設けた隔壁16は、中心軸CLから外方に向かって一様に伸びて拡がることが好ましい。このために、例えば、隔壁16に、図1、図3に示すように、中心軸CLを中心とした同心円状の山折り部と谷折り部とを交互に設けることができる。これにより、係合爪15aが外方に拡げられるのにともない隔壁16も外方に拡がることができるため、隔壁16によりキャップ20の口栓本体10へ取り付けが阻害されることを抑制できる。また、隔壁16を、係合爪15aとともに一様に拡がることができる材料により形成してもよい。
キャップ20の天面部23には、一例として、図4に示すように、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、外周面が、口栓本体10の筒部11の内周面と密着する円筒形状のインナーリング25を形成してもよい。また、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、口栓本体10の筒部11の一端に密着するコンタクトリング26を設けてもよい。インナーリング25およびコンタクトリング26の少なくともいずれかを設けることにより、キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態における密封性をさらに向上させることができる。なお、インナーリング25およびコンタクトリング26は、必須ではない。
(開栓について)
次に、注出口栓100の開栓について、図を参照して説明する。図7は、開栓された状態の注出口栓100の断面図である。なお、図7は、図3のC-C’線で切断した断面図である。
キャップ20が口栓本体10に取り付けられた状態において、キャップ20に螺合解除方向にトルクを加えることにより、図7に示すように、キャップ20は螺合解除方向に向かって回転をしながら筒部11の一端側へ向かって移動する。このとき、係合爪15aと凹溝24aとの係合により、閉塞部材15もキャップ20とともに一端側へ移動する。この結果、閉塞部材15と環状突出部13との密着が解除される。
キャップ20の回転がさらに進行すると、連接部14が一端側へ向かって引き延ばされる。そして、キャップ20の移動距離が所定の距離を超えた状態で、所定のトルクでキャップ20を回転させることにより、図7に示すように、連接部14が破断する。このとき、連接部14が破断する際の衝撃が、キャップ20を介してユーザーにクリック感として伝わる。これにより、注出口栓100は、タンパーエビデンス性を有することができる。
連接部14の破断後さらにキャップ20を回転させると、係合爪15aと凹溝24aとの係合により、閉塞部材15はキャップ20に随伴して口栓本体10から離脱し開栓が完了する。
このようにして開栓した注出口栓100では、係合爪15aとキャップ側係合部24との係合により、離脱した閉塞部材15をキャップ20内に残留させることができるため、キャップ20を口栓本体10の筒部11に被せて螺合方向に回転させることで再栓をすることができる。再栓をすることで、閉塞部材15と環状突出部13とが、再び全周にわたって密着するため、再栓時においても密封性を有することができる。
凹溝24aには、一例として、図6に示すように、キャップ側係合部24の他端側に、キャップ側係合部24の内方から外方に向かうにつれてキャップ側係合部24の一端側に近づくように傾斜している接触面24cを設けてもよい。接触面24cを設けることにより、係合爪15aの他端側の面と閉塞部材15の内周面とからなる角部に、接触面24cの外方側の端部を係合させることができるため、開栓に際して係合爪15aが凹溝24aから外れることを抑制でき、確実な開栓が可能になる。
また、図示はしないが、係合部15aと凹溝24aとに、互いに係合して中心軸CLを中心にした周方向へ相対的な回転を規制する回り止め機構を設けてもよい。回り止め機構を設けることによりキャップ20の回転を凹溝24aおよび係合部15aを介して閉塞部材15に伝えることができるため、開栓に際して、閉塞部材15をキャップ20とともに螺合解除方向へ回転させることができる。これにより、連接部14を一端側だけでなくキャップ20の回転方向へも引き伸ばすことができるため、連接部14をより容易に、かつ小さなトルクで破断させることができる。
このように、注出口栓100は、密封性とタンパーエビデンス性とを有しながらも、キャップ20を回転させて取り外した時点で開栓が完了するため、プルリングで開栓する方式のように筒部11を閉塞する隔壁を除去する必要がない。また、キャップ20はつまみやすく、トルクを与えやすいので、プルリングを引っ張って隔壁を破断するのに比べてユーザーの負担が小さい。
また、係合爪15aとキャップ側係合部24とが係合することで、離脱した閉塞部材15をキャップ20内に残留させることができるため、開栓後に外れた注出口栓100の一部を廃棄する必要が生じない。
また、注出口栓100では、開栓をするためにキャップ20に加えるトルク(開栓強度)および開栓に際してのクリック感を、連接部14の数、太さを調整することにより容易に調整することができる。
また、注出口栓100では、閉塞部材15と環状突出部13とを密着させることにより密封性を実現しているため、連接部14の数、太さを調整することにより開栓強度を低く設計しても密封性が低下することがない。
口栓本体10の材料としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレンが挙げられ、キャップ20の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、包装容器等に有用である。
10 口栓本体
11 筒部
12 外ネジ
13 環状突出部
14 連接部
15 閉塞部材
15a 係合爪
16 隔壁
17 フランジ
20 キャップ
21 側壁
22 内ネジ
23 天面部
24 キャップ側係合部
24a 凹溝
24b 傾斜面
24c 接触面
25 インナーリング
26 コンタクトリング
100 注出口栓
CL 中心軸

Claims (5)

  1. 外ネジが形成された円筒形の筒部を有する口栓本体と、
    前記外ネジと螺合する内ネジが形成された円筒形の側壁、および前記側壁の一端を覆う天面部を有し、前記筒部の一端に被せて前記外ネジと前記内ネジとが螺合された状態で取り付けられたキャップとからなる注出口栓であって、
    前記口栓本体は、
    前記筒部の内周面に全周にわたって形成された環状突出部と、
    前記環状突出部から前記筒部の内方に向かって延出し、周方向に所定の間隔を有するように設けられた複数の連接部により、前記筒部の内方であって、前記筒部の中心軸の延伸方向において前記環状突出部よりも前記筒部の前記一端側に保持された円筒形状の閉塞部材と、
    前記閉塞部材から内方に突出する係合爪とを備え、
    前記キャップは、
    外周面に周方向にわたる凹溝が形成されて、一端が前記天面部に覆われた円柱状のキャップ側係合部を有し、
    前記キャップが前記口栓本体に取り付けられた状態において、
    前記キャップ側係合部が、前記閉塞部材の内部に挿入され、
    記係合爪が、前記凹溝に係合して、
    前記閉塞部材、前記筒部の前記一端側が前記キャップ側係合部に当接するとともに、前記筒部の他端側が全周にわたって前記環状突出部に密着することで、前記キャップ側係合部の外周面と前記筒部の内周面との間の空間を閉塞し
    前記キャップを、前記螺合を解除する方向に回転させることにより、
    前記凹溝に係合した前記閉塞部材が、前記キャップとともに前記筒部の前記一端側へ向かって移動し、
    前記閉塞部材と前記環状突出部との密着が解除され、前記連接部が破断して開栓される、
    注出口栓。
  2. 前記閉塞部材は、
    内部に前記筒部の前記一端側と他端側とを隔てる隔壁を備える、
    請求項1に記載の注出口栓。
  3. 前記キャップ側係合部は、
    他端において、前記キャップ側係合部の前記一端側から離れるにつれて外径が小さくなる、
    請求項1または2に記載の注出口栓。
  4. 前記凹溝は、
    前記キャップ側係合部の前記他端側に、前記係合爪が前記凹溝に係合したときに前記係合爪と接触する接触面を有し、
    前記接触面は、
    前記キャップ側係合部の内方から外方に向かうにつれて前記キャップ側係合部の前記一端側に近づくように傾斜している、
    請求項1から3のいずれかに記載の注出口栓。
  5. 請求項1~3のいずれかに記載された注出口栓を備える、包装容器。
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