JP7272245B2 - 回転電機のロータ - Google Patents
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Description
本発明の目的は、ロータコアを構成する電磁鋼板を強固に固定することができるとともに容易に回転バランスをとることができる回転電機のロータを提供することにある。
また、回転電機のロータにおいて、前記永久磁石挿入孔は、前記軸方向に延びるとともに径方向外側に配置される外径側永久磁石挿入孔と、前記軸方向に延びるとともに前記外径側永久磁石挿入孔よりも内径側に配置される内径側永久磁石挿入孔とを含み、前記外径側永久磁石挿入孔に外径側永久磁石が挿入されるとともに前記内径側永久磁石挿入孔に内径側永久磁石が挿入され、前記ロータコアにおける前記内径側永久磁石挿入孔の周方向外側にフラックスバリアが連続して形成され、前記充填孔は、前記ロータコアにおいて隣り合う磁極間における前記フラックスバリアに挟まれた領域に軸方向に延びるように形成されているとよい。
外径側永久磁石挿入孔及び内径側永久磁石挿入孔が円弧状をなす場合に特に有用である。
図1に示すように、回転電機10は、永久磁石埋込型同期モータであって、ロータ(回転子)20と、ステータ(固定子)100とを備える。円筒状をなすロータ20の外周側にステータ100が配置されている。ステータ100の内周面は、ロータ20の外周面とギャップを介して対向している。なお、図は何れも模式図であり、形状を強調して記載している。回転電機10は極数が「4」であり、永久磁石が周方向において90°毎に配置されている。
図2、図3、図4、図6に示すように、ロータコア21における永久磁石挿入孔25,26及びダイカスト孔31,33,35が形成された電磁鋼板22と挟持部24a,24bとの間に、外径側永久磁石挿入孔25及び内径側永久磁石挿入孔26が形成されておらず、ダイカスト孔31,33,35のみが形成された蓋部材23a,23bが配置されている。ダイカスト孔31,33,35に対し図7、図8に示す状態から図4、図5、図6に示すようにアルミダイカストによりアルミを注入することができるようになっている。
回転電機が駆動される場合は、ステータ100のコイル104に電流が供給されてステータ100に回転磁界が発生し、ロータ20に回転磁界が作用する。そして、回転磁界と永久磁石27,28との間の磁気的な吸引力および反発力によりロータ20が回転磁界と同期して回転する。
内径側永久磁石挿入孔の長さが大きくなりやすく性能と強度のバランスが不十分であり、具体的には遠心力により電磁鋼板がめくれあがりやすく、薄肉ブリッジ部に曲げ応力が加わると、強度の低下が大きい。この場合、ロータコアの強度対策のためにロータ端部に厚みのある非磁性端板などを追加するとコストアップを招く。つまり、外径側と内径側に2層にわたり永久磁石を配列するとシャフトの焼嵌めによる内部応力により、断面直角方向に反ることでロータコアとシャフトの嵌合締結力が低下する。この反りを抑制すべくロータ端面に剛性のある端板を配設固定する場合、剛性のある端板によるコストアップおよびその固定手段(ネジやカシメなど)により、製造コストが上昇する。
(1)コイル104を巻装したステータ100の内周側に円筒状のロータコア21の外周面が対向するように配置された回転電機10のロータ20の構成として、ロータコア21は、電磁鋼板22を積層して構成され、中心にシャフト50が貫挿されている。ロータコア21には、軸方向に延びる永久磁石挿入孔25,26が磁極ごとに形成され、永久磁石挿入孔25,26に永久磁石27,28が挿入されている。ロータコア21において隣り合う磁極間に軸方向に延びる充填孔としてのダイカスト孔31が形成され、ダイカスト孔31に充填された非磁性金属としての純アルミ32により電磁鋼板22が固定されている。ロータコア21の軸方向の両端面に、非磁性金属としての純アルミによる挟持部24a,24bが一体成形されている。挟持部24a,24bは、ダイカスト孔31に充填された純アルミによる棒状部39と連結される厚肉部42と、周方向において複数箇所に形成された薄肉部43と、を有する。薄肉部43において回転バランスをとるためのピン44が軸方向外側に突出するよう一体成形されている。
○ 非磁性金属は純アルミであったが、これに限るものではない。非磁性金属として、ADC12などのアルミ合金、他にも、銅などを用いてもよい。また、非磁性金属以外にも樹脂を用いて、樹脂モールドにより構成してもよい。
○ 永久磁石は円弧状でなくてもV字状でもよい。
○ ロータコア21には、外径側永久磁石挿入孔25と内径側永久磁石挿入孔26とが形成され、外径側永久磁石挿入孔25に外径側永久磁石27が挿入されるとともに内径側永久磁石挿入孔26に内径側永久磁石28が挿入されていたが、この構造に限るものではなく、永久磁石挿入孔及び永久磁石を径方向において二層にわたり配した構造でなく永久磁石挿入孔及び永久磁石を径方向において一層にわたり配した構造でもよい。要は、ロータコア21には、軸方向に延びる永久磁石挿入孔が磁極ごとに形成され、永久磁石挿入孔に永久磁石が挿入されていればよい。
Claims (5)
- コイルを巻装したステータの内周側に円筒状のロータコアの外周面が対向するように配置された回転電機のロータであって、
前記ロータコアは、電磁鋼板を積層して構成され、中心にシャフトが貫挿され、
前記ロータコアには、軸方向に延びる永久磁石挿入孔が磁極ごとに形成され、
前記永久磁石挿入孔に永久磁石が挿入され、
前記ロータコアにおいて隣り合う磁極間又は磁極内に軸方向に延びる充填孔が形成され、前記充填孔に充填された非磁性金属又は樹脂により前記電磁鋼板が固定され、
前記ロータコアの軸方向の両端面に、前記非磁性金属又は樹脂による挟持部が一体成形され、
前記挟持部は、
前記充填孔に充填された非磁性金属又は樹脂による棒状部と連結される厚肉部と、周方向において複数箇所に形成された薄肉部と、を有し、
前記薄肉部において回転バランスをとるためのピンが軸方向外側に突出するよう一体成形されていることを特徴とする回転電機のロータ。 - 前記ロータコアにおける前記永久磁石挿入孔及び前記充填孔が形成された前記電磁鋼板と前記挟持部との間には、蓋部材が配置されており、
前記蓋部材には、前記充填孔に対応する位置に充填孔が形成されているだけで、前記永久磁石挿入孔に対応する位置に永久磁石挿入孔が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の回転電機のロータ。 - 前記永久磁石挿入孔は、前記軸方向に延びるとともに径方向外側に配置される外径側永久磁石挿入孔と、前記軸方向に延びるとともに前記外径側永久磁石挿入孔よりも内径側に配置される内径側永久磁石挿入孔とを含み、
前記外径側永久磁石挿入孔に外径側永久磁石が挿入されるとともに前記内径側永久磁石挿入孔に内径側永久磁石が挿入され、
前記ロータコアにおける前記内径側永久磁石挿入孔の周方向外側にフラックスバリアが連続して形成され、
前記充填孔は、前記ロータコアにおいて隣り合う磁極間における前記フラックスバリアに挟まれた領域に軸方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機のロータ。 - 前記各磁極における前記外径側永久磁石挿入孔及び前記内径側永久磁石挿入孔は、円弧状をなすことを特徴とする請求項3に記載の回転電機のロータ。
- 前記ロータコアにおける前記フラックスバリアの周方向外側に離間して軸方向に延びる充填孔が更に形成され、当該充填孔に充填された非磁性金属又は樹脂により前記電磁鋼板が固定されていることを特徴とする請求項4に記載の回転電機のロータ。
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