以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装ライン、自走部品補給装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図1における上下方向)が示される。図4、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(図4における上下方向)が示される。Z方向は、部品実装装置が水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、フロアFに配設された3本の部品実装ラインL1~L3および部品保管装置Sを通信ネットワーク2によって接続し、管理コンピュータ3によって管理される構成となっている。各部品実装ラインL1~L3は、後述するように部品実装装置を含む複数の部品実装関連装置を連結して構成され、基板に部品を実装した実装基板を生産する機能を有している。なお、部品実装システム1が備える部品実装ラインL1は3本である必要はなく、1本、2本及び4本以上でも良い。
部品保管装置Sは、後述するキャリアテープを巻回して収納する複数のテープカセットC(図6参照)を受け取って内部の保管棚に保管して、管理コンピュータ3からの指示に従って所定のテープカセットCを内部の保管棚から取り出す。すなわち、部品保管装置Sは、テープカセットC(収納容器)を保管する部品保管部である。フロアFには、使用済みカセット回収装置Uおよびテープくず廃棄部Gが配設されている。さらに、フロアFには、自走部品補給装置V(ここでは4台)が配備されている。自走部品補給装置Vには、無線通信部Tが内蔵されており、管理コンピュータ3が備える無線通信部3aを介して、管理コンピュータ3との間で信号、情報を送受信している。
自走部品補給装置Vは、管理コンピュータ3からの指示と、図示省略するフロアFに設置されたビーコンや、自走部品補給装置Vが内蔵する各種センサ(GPS、障害物センサ等)、カメラなどを使用して自ら収集する情報とに基づいて、自律してフロアFの所定の位置間を移動する。ここで、フロアFに設置された複数のビーコン、各自走部品補給装置Vに設けられる各ビーコンの電波を受信する受信手段及び受信手段により受信された電波情報から自走部品補給装置Vの位置を算出する位置算出手段(図示省略)は、自走部品補給装置VのフロアF内での位置を検出する位置検出手段として機能する。
位置検出手段としては、各自走部品補給装置Vに設けられたGPS及びGPSの位置情報から自走部品補給装置Vの位置を算出する位置算出手段(図示省略)により構成されても良い。また、自走部品補給装置Vは、部品保管装置Sから取り出される複数の補給用のテープカセットCを保持し、部品実装ラインL1~L3の部品実装装置に補給するとともに、空となったテープカセットCを回収して、使用済みカセット回収装置Uに返却する。また、自走部品補給装置Vは、部品実装装置からテープくずを回収して、テープくず廃棄部Gに廃棄する。
次に図2を参照して、部品実装ラインL1~L3の詳細な構成を説明する。部品実装ラインL1~L3は同様の構成をしており、以下、部品実装ラインL1について説明する。部品実装ラインL1は、基板搬送方向(X方向)の上流側(紙面左側)から下流側(紙面右側)に向けて、はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8を直列に連結して構成されている。
はんだ印刷装置M1、印刷検査装置M2、部品実装装置M3~M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3に接続されている。はんだ印刷装置M1は、はんだ印刷作業部によって上流側から搬入された基板Bにはんだを印刷するはんだ印刷作業を実行する。印刷検査装置M2は、はんだ検査カメラを含む印刷検査作業部によって基板Bに印刷されたはんだの状態を検査する印刷検査作業を実行する。
部品実装装置M3~M6は、部品実装作業部によって基板Bに部品Dを実装する部品実装作業を実行する。なお、部品実装ラインL1は、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。実装検査装置M7は、部品検査カメラを含む実装検査作業部によって基板Bに搭載された部品Dの状態を検査する実装検査作業を実行する。リフロー装置M8は、装置内に搬入された基板Bを基板加熱部によって加熱して、基板B上のはんだを硬化させ、基板Bの電極部と部品Dとを接合する基板加熱作業を実行する。
次に図3、図4を参照して、部品実装装置M3~M6の構成を説明する。部品実装装置M3~M6は同様の構成であり、ここでは部品実装装置M3について説明する。図4は、図3におけるA-A断面を部分的に示している。部品実装装置M3は、部品Dを基板Bに実装する機能を有している。
図3において、基台4の中央にはX方向に基板搬送機構5が配設されている。基板搬送機構5は上流側から搬入された基板Bを搬送し、部品実装作業を実行するための位置に位置決めして保持する。基板搬送機構5の両側方には、部品供給部6が配置されている。それぞれの部品供給部6には複数のテープフィーダ7がX方向に並列に配置されている。テープフィーダ7は、部品Dを収納したキャリアテープをテープ送り方向にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッドによる部品取り出し位置に部品Dを供給する。すなわち、テープフィーダ7は、部品実装装置M3に搭載され部品Dを供給する部品供給装置となる。
基台4上面においてX方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム8がY方向に沿って配設されている。Y軸ビーム8には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸ビーム9が、Y方向に移動自在に結合されている。X軸ビーム9はX方向に沿って配設されている。2基のX軸ビーム9には、それぞれ実装ヘッド10がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド10は、図4に示すように、部品Dを吸着して保持し昇降可能な複数の吸着ユニット10aを備える。吸着ユニット10aのそれぞれの先端には、吸着ノズル10bが設けられている。
図3において、Y軸ビーム8、X軸ビーム9を駆動することにより、実装ヘッド10はX方向、Y方向に移動する。これにより2つの実装ヘッド10は、それぞれ対応した部品供給部6に配置されたテープフィーダ7の部品取り出し位置から部品Dを吸着ノズル10bによって吸着して取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの実装点に実装する。Y軸ビーム8、X軸ビーム9および実装ヘッド10は、部品Dを保持した実装ヘッド10を移動させることにより、部品Dを基板Bに実装する部品実装機構を構成する。
部品供給部6と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ11が配設されている。部品供給部6から部品を取り出した実装ヘッド10が部品認識カメラ11の上方を移動する際に、部品認識カメラ11は実装ヘッド10に保持された状態の部品Dを撮像して部品Dの保持姿勢を認識する。実装ヘッド10が取り付けられたプレート9aには基板認識カメラ12が取り付けられている。基板認識カメラ12は、実装ヘッド10と一体的に移動する。
実装ヘッド10が移動することにより、基板認識カメラ12は基板搬送機構5に位置決めされた基板Bの上方に移動し、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)を撮像して基板Bの位置を認識する。実装ヘッド10による基板Bへの部品実装動作においては、部品認識カメラ11による部品Dの認識結果と、基板認識カメラ12による基板位置の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
図4おいて、部品供給部6は、フィーダベース13aに予め複数のテープフィーダ7が装着された台車13で構成されている。台車13は、基台4に対して着脱自在に構成されている。台車13は、キャリアテープ14を巻回状態で収納するテープカセットCを複数個保持可能なカセットホルダ15を備えている。カセットホルダ15は、テープカセットCを保持する、上方保持位置Huと下方保持位置Hdとをそれぞれ複数備えている。すなわち、カセットホルダ15は、テープカセットC(収納容器)を保持する収納容器保持装置となる。カセットホルダ15が保持するテープカセットCから引き出されたキャリアテープ14は、テープフィーダ7に装着される。
このように、部品実装装置M3は、テープカセットC(収納容器)を保持するカセットホルダ15(収納容器保持装置)を備えている。そして、部品実装装置M3において、基板搬送機構5、部品供給部6、部品実装機構(Y軸ビーム8、X軸ビーム9、実装ヘッド10)、部品認識カメラ11、基板認識カメラ12は、テープフィーダ7が供給する部品Dを搬送した基板Bに実装する部品実装作業部16(図14参照)を構成する。
次に図5を参照して、テープフィーダ7の構成および機能を説明する。テープフィーダ7(部品供給装置)は、部品Dを収納してカバーテープで覆ったキャリアテープ14を部品取り出し位置まで搬送し、部品取り出し位置の手前でカバーテープを剥離して収納された部品Dを部品実装装置M3~M6に供給する機能を有している。本実施の形態に示すテープフィーダ7(部品供給装置)は、キャリアテープ14の先端をテープ挿入口に挿入することにより自動的にキャリアテープ14(部品D)をテープフィーダ7に装着可能な、いわゆるオートロードフィーダである。
オートロードフィーダは、テープフィーダ7に既装着の先行するキャリアテープ14(以下、「先行テープ14(1)」と略記する)が部品Dを供給中に、後続のキャリアテープ14(以下、「後続テープ14(2)」と略記する)をテープ挿入口に挿入することで部品の補給をすることも可能である。
図5において、テープフィーダ7は、本体部7aおよび本体部7aの下面から下方に凸設された装着部7bを備えた構成となっている。本体部7aの下面をフィーダベース13aに沿わせてテープフィーダ7を装着した状態では、テープフィーダ7は部品供給部6に固定装着されるとともに、テープフィーダ7におけるテープ送りを制御するために内蔵されたフィーダ制御部21は、部品実装装置M3~M6の実装制御部22と電気的に接続される。
本体部7aの内部には、テープカセットCから引き出されて本体部7a内に取り込まれたキャリアテープ14を案内するテープ搬送路7cが設けられている。テープ搬送路7cは、本体部7aにおいてテープ送り方向の上流端部に開口したキャリアテープ14が挿入されるテープ挿入口7dから、実装ヘッド10によって部品を取り出す部品取り出し位置より下流側に開口したテープ排出口7eまで連通して設けられている。
テープ挿入口7dの下流側には、シャッタ機構23が配設されている。シャッタ機構23は、シャッタ機構23が備えるシャッタ23aを上下動させることにより、テープ挿入口7dから挿入されたキャリアテープ14が下流側のテープ搬送路7cへ進入することを許容・禁止する機能を有している。シャッタ23aの上下動は、フィーダ制御部21によって制御される。このように、テープフィーダ7のテープ挿入口7dには、キャリアテープ14の挿入を許容・禁止するシャッタ23aが設けられている。
図5において、テープ搬送路7cにおける上流側、下流側には、先行テープ14(1)、後続テープ14(2)をテープ送りするための第1のテープ送り機構24A、第2のテープ送り機構24Bが配設されている。上流側に設けられた第1のテープ送り機構24Aは、新たに装着される後続テープ14(2)をテープ挿入口7d側から第2のテープ送り機構24B側に連続的にテープ送りする機能を有している。第1のテープ送り機構24Aは、スプロケット25Aをモータ26Aで回転駆動する構成となっている。モータ26Aの回転駆動は、フィーダ制御部21によって制御される。
第1のテープ送り機構24Aのスプロケット25Aの下方には、付勢機構27が配設されている。付勢機構27は、テープ挿入口7dから挿入された後続テープ14(2)をスプロケット25Aに付勢して、キャリアテープ14の送り穴14a(図7(a)参照)をスプロケット25Aに継合させる機能を有している。スプロケット25Aの下流側には、テープ挿入口7dから挿入されてスプロケット25Aに係合した後続テープ14(2)の先端を検出する挿入検出センサQが配設されている。
挿入検出センサQによる検出結果は、フィーダ制御部21に送信される。すなわち、挿入検出センサQは、後続テープ14(2)(キャリアテープ14)が正常に挿入されたことを検出するテープ挿入検出部となる。なお、キャリアテープ14が正常に挿入されたことを検出する方法としては、テープが挿入されたことにより回転するスプロケット25Aの回転を検出するようにしても良い。
図5において、下流側に設けられた第2のテープ送り機構24Bは、先行テープ14(1)を所定の送りピッチで実装ヘッド10が部品Dを取り出す部品取り出し位置にピッチ送りする機能を有している。第2のテープ送り機構24Bは、スプロケット25Bをモータ26Bで回転駆動する構成となっている。モータ26Bの回転駆動は、フィーダ制御部21によって制御される。第2のテープ送り機構24Bの上方には、先行テープ14(1)を上方から押さえるとともにカバーテープを剥離して先行テープ14(1)に収納された部品Dを露出させる機能を有する押さえ部材28が装着されている。
部品取り出し位置28aにピッチ送りされた部品Dは、押さえ部材28に形成された部品取り出し開口を介して実装ヘッド10の吸着ノズル10bによって真空吸着によりピックアップされる。このように、第1のテープ送り機構24Aと第2のテープ送り機構24Bは、キャリアテープ14(先行テープ14(1)、後続テープ(2))を搬送し、収納された部品Dを部品取り出し位置28aに搬送するテープ送り機構24(図15参照)となる。
図5において、テープフィーダ7の上流側の上面には、フィーダ制御部21に接続された操作・表示パネル29が配置されている。操作・表示パネル29には、第1のテープ送り機構24A、第2のテープ送り機構24Bによるテープ送り動作を操作するための操作ボタン、シャッタ機構23におけるシャッタ開閉操作のための操作ボタンなど、各種の操作ボタンが設けられている。さらに操作・表示パネル29には、LEDや液晶表示などの表示パネルが設けられている。このように、テープフィーダ7(部品供給装置)は、オートロードフィーダであり、補給されるキャリアテープ14の先端が挿入されるテープ挿入口7dを備えている。
次に図6、図7を参照して、テープカセットCの構成および機能を説明する。図6(a)はテープカセットCにおいてカバー30を装着した状態、図6(b)はカバー30を外した状態を示している。図6(b)において、芯部31には、芯部31を芯として複数の部品Dを保持するキャリアテープ14が巻回されている。キャリアテープ14が巻回された芯部31は、テープカセットCの芯保持部32に回転自在に装着されている。テープカセットCの上方には、テープ押出し機構33が配設されている。テープ押出し機構33は、上部押出し機構33aと下部押出し機構33bを含んで構成されている。上部押出し機構33aと下部押出し機構33bの間には、押し出されるキャリアテープ14をガイドするテープガイド路33cが形成されている。
芯部31に巻回されたキャリアテープ14は、テープ押出し機構33のテープガイド路33cを通じて取出し口34から外部に取り出される。テープカセットCには、取り出し口34の反対側よりアクセス可能な位置に、把持部35が配設されている。把持部35は、テープカセットCをカセットホルダ15に補給する際、またはカセットホルダ15から回収する際に、自走部品補給装置Vによって把持される。また、テープカセットCには、取り出し口34の反対側よりアクセス可能な位置に、テープカセットCの識別情報Nを無線で送受信するRFID36が配設されている。このように、テープカセットCは、複数の部品Dを収納する収納容器となる。
図7(a)において、上部押出し機構33aの本体部37には、本体部37に形成されたガイド37aに沿って、テープガイド路33cを前後に摺動する略L字型の押出し部材38が配設されている。また、本体部37には、取り出し口34の反対側より挿入される押出し棒39が摺動する挿入孔37bが形成されている。挿入孔37bより挿入された押出し棒39の一端は、押出し部材38の取り出し口34の反対側に位置する面38aに取り付けられている。これにより、押出し棒39と押出し部材38は、一体となってテープガイド路33cに沿って前後に移動する(矢印b1、矢印b2)。また、同じ面38aには、押出し部材38を取り出し口34とは反対側に付勢する弾性体であるバネ40の一端が取り付けられている。バネ40の反対の端部は、本体部37に接続されている。
押出し部材38のテープガイド路33cに対向する下面38bの取り出し口34に近い側には、テープガイド路33cに突き出る2本の歯38cが形成されている。2本の歯38cの間隔はキャリアテープ14の送り穴14aの間隔と同じに形成されており、2本の歯38cはテープガイド路33cに挿入されたキャリアテープ14の送り穴14aにそれぞれ係合する。2本の歯38cの下面は、それぞれ取り出し口34の反対側に切れ上がる傾斜を持っている。また、押出し部材38において2本の歯38c側は、上下(矢印b3)に搖動可能になっている。
押出し部材38は、2本の歯38cが送り穴14aに係合した状態で取り出し口34に移動することにより、キャリアテープ14を取り出し口34から外部に押し出すことができる。一方、押出し部材38が取り出し口34とは反対側に戻る際は、押出し部材38は2本の歯38cの下面の傾斜が送り穴14aに沿う状態で上下に搖動することにより、2本の歯38cと送り穴14aの係合が外れる。このように、押出し棒39と押出し部材38は、一端が収納するキャリアテープ14に係合し、他端がテープカセットC(収納容器)の外部に突き出たキャリアテープ押出し部材となる。
図7(a)において、下部押出し機構33bの本体部41に形成された空間41aには、略L字型の搖動部材42が配設されている。搖動部材42の取り出し口34の反対側には、本体部41に取り付けられた搖動軸43が接続されている。搖動部材42は、搖動軸43を中心に、取り出し口34側が上下(矢印b4)に搖動する。搖動部材42の取り出し口34側の下方には、搖動部材42を上方に付勢する弾性体であるバネ44が配設されている。搖動部材42の上方への搖動は、本体部41の空間41aに形成された規制面41bによって規制される。
搖動部材42のテープガイド路33cに対向する上面の取り出し口34に近い側には、規制面41bによって上方への搖動が規制された状態でテープガイド路33cに突き出る2本の歯42bが形成されている。2本の歯42bの間隔はキャリアテープ14の送り穴14aの間隔と同じに形成されている。2本の歯42bは、テープガイド路33cに挿入されたキャリアテープ14の送り穴14aにそれぞれ係合する。2本の歯42bの上面は、それぞれ取り出し口34の反対側に切れ下がる傾斜を持っている。
2本の歯42bが送り穴14aに係合する状態でキャリアテープ14が取り出し口34の方向に押し出されると、搖動部材42は2本の歯42bの上面の傾斜が送り穴14aに沿う状態で上下に搖動し、2本の歯42bと送り穴14aの係合が外れる。これにより、押し出されるキャリアテープ14は、搖動部材42によって外部への移動を阻害されることがない。一方、キャリアテープ14が取り出し口34とは反対方向(内部)に移動しようとすると、搖動部材42は2本の歯42bが送り穴14aに係合してキャリアテープ14の移動を抑制する。
次に図7(a)~(c)を参照して、テープカセットCにおけるキャリアテープ14の押出し工程について説明する。図7(a)において、テープカセットCに収納されているキャリアテープ14は、送り穴14aが押出し部材38の2本の歯38cと搖動部材42の2本の歯42bに係合し、キャリアテープ14の先端14bが取り出し口34の外側にある。そして、押出し部材38は、取り出し口34から遠い側に位置している。
この状態から、図7(b)において、押出し棒39が外力により外部から内部に押し込まれると(矢印c1)、押出し部材38は2本の歯38cがキャリアテープ14の送り穴14aに係合した状態で取り出し口34の方向に押されて移動する(矢印c2)。これに伴ってキャリアテープ14が取り出し口34の方向に移動する。その際、搖動部材42は上下(矢印c3)に搖動し、2本の歯42bが送り穴14aから外れることにより、キャリアテープ14の移動は阻害されない。このようにして、キャリアテープ14が取り出し口34から外部に向かって押し出される(矢印c4)。
図7(c)において、押出し棒39は、内部に押し込む力が除去されている。そのため、上部押出し機構33aのバネ40によって押出し部材38が取り出し口34とは反対側に引き戻される。その際、キャリアテープ14は2本の歯42bが送り穴14aに係合する搖動部材42によって移動が阻止されている。そのため、押出し部材38は2本の歯38cが送り穴14aとの係合が外れるように上下(矢印d1)に搖動しながら取り出し口34とは反対側に移動する(矢印d2)。そして、押出し棒39は、押出し部材38に押されて取り出し口34とは反対側に押し戻される(矢印d3)。
テープカセットCからキャリアテープ14を押し出す際は、所望の長さが押し出されるように、上記の図7(b)に示す押し込み工程と図7(c)に示す戻り工程を繰り返して実行する。なお、テープフィーダ7によってキャリアテープ14が取り出し口34から外に向かってテープ送りされる際は、図7(a)に示す状態において、押出し部材38と搖動部材42がそれぞれ上下(矢印b3、矢印b4)に搖動する。これにより、押出し部材38の2本の歯38cと、搖動部材42の2本の歯42bの送り穴14aとの係合がそれぞれ外れて、キャリアテープ14のテープフィーダ7に向かう方向の移動は阻害されない。
このようなテープカセットCにより、キャリアテープ14の先端14bを精度良く所定の方向に送り出すことができ、テープフィーダ7へキャリアテープ14の先端14bを挿入することができる。また、外力によりキャリアテープ14の送り出しを行うことができるため、テープカセットCに駆動源を設けなくてもテープを送り出すことができるため、装置をコンパクトにすることができる。
次に図8、図9を参照して、カセットホルダ15においてテープカセットCを交換(補給)する方法について説明する。図8、図9では、便宜上、台車13、カセットホルダ15の構造を簡略化して表している。図8(a)に示すように、カセットホルダ15には、先行テープ14(1)を巻回収納するテープカセットC(1)を保持する下方保持位置Hdが設けられている。また、カセットホルダ15には、下方保持位置Hdより上方に、後続テープ14(2)を巻回収納するテープカセットC(2)を保持する上方保持位置Huが設けられている。
すなわち、カセットホルダ15(収納容器保持装置)は、テープカセットC(2)(収納容器)を保持する上方保持位置Hu(第1の保持位置)と、上方保持位置Hu(第1の保持位置)に保持されるテープカセットC(2)(収納容器)より先に補給されたテープカセットC(1)(収納容器)を保持する下方保持位置Hd(第2の保持位置)とを有している。また、カセットホルダ15の内壁には、テープカセットCをガイドする溝15aが形成されている。なお図8、図9では、便宜上、溝15aは簡略化して一点鎖線で表している。カセットホルダ15に補給されたテープカセットCは、内壁の溝15aに沿って、重力により下方に移動する。
図8(a)において、テープフィーダ7のテープ挿入口7dには、先行テープ14(1)および後続テープ14(2)が挿入されている。テープフィーダ7では、先行テープ14(1)に収納された部品Dが部品取り出し位置28aに供給されている。部品実装作業を継続実行する過程において、先行テープ14(1)の部品Dが消費され尽くすと、続けて、後続テープ14(2)に収納された部品Dが部品取り出し位置28aに供給される。
図8(b)において、部品Dが消費され尽くして空となった先行のテープカセットC(1)は、後述する自走部品補給装置Vの回収ヘッド60(図10参照)によりカセットホルダ15の下方保持位置Hdから水平方向(矢印e1)に引き出されて回収される(先行カセット回収工程)。その後、後続のテープカセットC(2)は、上方保持位置Huより空となった下方保持位置Hdに、溝15aに沿って(矢印e2)移動する(後続カセット移動工程)。
すなわち、下方保持位置Hd(第2の保持位置)に保持されるテープカセットC(1)(収納容器)が抜き取られると、上方保持位置Hu(第1の保持位置)に保持されていたテープカセットC(2)(収納容器)が下方保持位置Hd(第2の保持位置)に移動する。このように、上方保持位置HuのテープカセットCが重力により下方保持位置Hdに移動するようになっているため、引き抜き動作のみでテープカセットCの位置の切り替えができる。
図9(a)において、次いで、補給されるテープカセットC(3)が、テープフィーダ7の後方であって、テープカセットC(3)の取り出し口34から突出したキャリアテープ14(3)の先端14bがテープフィーダ7のテープ挿入口7dの後方に位置するカセットホルダ15の補給位置Hsに配置される(矢印f1)(補給カセット配置工程)。ここで、テープカセットC(3)は、後述する自走部品補給装置Vの把持装置57b(図10参照)により、補給位置Hsに保持されている。
次いでテープカセットC(3)が保持された状態で押出し棒39をテープカセットC(3)の内部に押し込んで(矢印f2)、キャリアテープ14(3)を押し出しながら(矢印f3)、キャリアテープ14(3)の先端14bをテープ挿入口7dよりテープフィーダ7に挿入する(補給テープ挿入工程)。ここで、押出し棒39は、後述する自走部品補給装置Vに設けられたテープ挿入手段57a(図10参照)により押し込まれる。なお、押出し棒39を押し込む手段は、これに限られず、部品実装装置M3~M6に設けられていても良く、また自走部品補給装置V及び部品実装装置M3~M6とは別の装置に設けられた手段により押し込んでも良い。
また、テープカセットCを補給位置Hsに保持する手段は、カセットホルダ15に設けられていても良い。キャリアテープ14は、少なくともテープフィーダ7の第1のテープ送り機構24Aによりテープ送りが可能となる位置まで、テープカセットCの押出し機構33により押し出される。ここでは、テープフィーダ7の挿入検出センサQがキャリアテープ14の先端14bを検出するまで押出し機構33によるキャリアテープ14の押し出しを繰り返すことでキャリアテープ14を上記位置に位置させることができる。
図9(b)において、補給されたテープカセットC(3)が収納するキャリアテープ14(3)のテープフィーダ7への装着が完了すると、テープカセットC(3)の保持が解除される。これによって、テープカセットC(3)は、補給位置Hsより上方保持位置Huに、溝15aに沿って(矢印g1)移動する(補給カセット移動工程)。このようにして、部品実装装置M3~M6より空となったテープカセットC(1)が回収されて、補給されるテープカセットC(3)が補給される。
本実施の形態のカセットホルダ15は、図9(b)に示すように、テープカセットC(3)が補給位置Hsから上方保持位置Huに移動する過程で、水平方向(本実施の形態においてはX方向)を回転軸としてテープカセットC(3)を45度回転させて、テープカセットC(3)の取り出し口34が斜め上方を向くようにしている。そして、下方保持位置Hdでは、テープカセットC(2)の取り出し口34が斜め上方を向く角度を維持するように保持している。
なお、補給位置Hsと上方保持位置HuはX方向から見たYZ平面視において、重ならない位置関係に位置している。これは、後述する補給ヘッド57(図10参照)によるテープカセットCのテープフィーダ7への位置あわせ動作を上方保持位置Huに位置する他のテープカセットCが阻害しないためである。
さらに、下方保持位置HdのテープカセットC(2)の取り出し口34は、上方保持位置HuのテープカセットC(3)の取り出し口34より水平方向(本実施の形態においてはY方向)でテープフィーダ7に近い位置となるように設定されている。これによって、下方保持位置HdのテープカセットC(2)が供給するキャリアテープ14(2)と上方保持位置HuのテープカセットC(3)が供給するキャリアテープ14(3)が干渉することがなく、テープフィーダ7のテープ挿入口7dに供給することができる。
次に図10、図11を参照して、自走部品補給装置Vと台車13の構成について説明する。図10において、自走部品補給装置Vは、下方から台車部50、支持部51、格納部52を積層して構成される。台車部50には、車輪53、車輪53を駆動するモータ、車輪53の方向変換機構、自走部品補給装置Vの位置、姿勢を検出するセンサ、カメラ(図示省略)を含む走行機構54(図15参照)を備えている。また、台車部50には、走行機構54を制御する補給制御部55(図15参照)、管理コンピュータ3と無線で通信する無線通信部T、バッテリ(図示省略)が配置されている。
補給制御部55の走行制御部55a(図15参照)は、走行機構54を制御して、管理コンピュータ3からの指示と、自ら収集した情報とに基づいて、自走部品補給装置Vを移動させる。なお、台車部50の車輪53は方向を自在に変更することが可能であり、自走部品補給装置Vの姿勢を変更させることなく、水平方向に自在に移動可能である。すなわち自走部品補給装置Vは、図10に示す部品実装装置M3~M6と平行な姿勢を保ったまま、X方向にもY方向にも移動することができる。
また、走行機構54は電磁ブレーキ(図示省略)を備えており、電磁ブレーキを掛けた状態で所定の位置に停止し続けることも可能である。このように、走行機構54と走行制御部55aは、支持部51を上部に備えて自動で移動または停止する走行手段となる。
支持部51は、下部が台車部50に固定され、上部が格納部52に固定されて格納部52を下方から支持している。支持部51の上部は、下部に対して水平方向(X方向、Y方向)および垂直方向(Z方向)に対してスライド自在に構成されている。これにより、格納部52に外力を加えると、格納部52は台車部50に対して水平方向および垂直方向に移動する。
また、支持部51は、外力が掛からない場合は格納部52を所定の中心位置に戻すようにバネなどの弾性体(図示省略)によって付勢されている。また、支持部51は、格納部52が所定の中心位置にある状態で台車部50に対する位置を固定するロック機構(図示省略)が内蔵されている。格納部52が所定の中心位置で固定された状態で、自走部品補給装置Vが移動(走行)する。このように、支持部51は、格納部52(収納容器格納部)を水平方向および垂直方向に移動自在に下方より支持している。
図10において、格納部52は、上方の補給カセット格納部52aと、下方の回収カセット格納部52bを含んで構成される。補給カセット格納部52aには、部品実装装置M3~M6に補給される複数のテープカセットCが格納される。回収カセット格納部52bには、部品実装装置M3~M6から回収した複数のテープカセットCが格納される。すなわち、格納部52は、補給するテープカセットC(収納容器)を格納する補給カセット格納部52a(第1のエリア)と、使用済みのテープカセットC(収納容器)を格納する回収カセット格納部52b(第2のエリア)とを有す、収納容器格納部となる。
図10において、補給カセット格納部52aの天井には、X軸ビーム56xがX方向(自走部品補給装置Vの走行方向)に沿って配設されている。X軸ビーム56xには、X軸リニア駆動機構により駆動されるX軸スライダ56aがX軸ビーム56xに沿ってX方向に移動自在(図11の矢印j1)に設けられている。X軸ビーム56x、X軸スライダ56a及びX軸リニア駆動機構によりX軸移動機構が構成される。
X軸スライダ56aの下部には、Y軸ビーム56yがY方向(自走部品補給装置Vの走行方向に直交する方向)に沿って配設されている。Y軸ビーム56yには、リニア駆動機構により駆動されるY軸スライダ56bがY軸ビーム56yに沿ってY方向に移動自在(矢印h1)に設けられている。Y軸ビーム56y、Y軸スライダ56b及びY軸リニア駆動機構によりY軸移動機構が構成される。Y軸スライダ56bには、補給ヘッド57が装着されている。補給ヘッド57には、テープ挿入手段57a、把持装置57b、RFリーダRが備えられている。
把持装置57bは、補給カセット格納部52aに格納される補給対象のテープカセットCの把持部35を把持する。テープ挿入手段57aは、電磁ピストンとロッドを含んで構成される。補給ヘッド57がテープカセットCを把持した状態でテープ挿入手段57aがロッドを突き出させることで、テープカセットCの押出し棒39をテープカセットCの内部に押し込んで、キャリアテープ14を取り出し口34から押し出すことができる。このように、X軸移動機構、Y軸移動機構、補給ヘッド57は、所定の位置に格納されている補給対象のテープカセットCを把持し、補給カセット格納部52aより外部に取出し、補給カセット格納部52aの外部でX方向、Y方向に移動させ、テープカセットCからキャリアテープ14を押し出すカセット補給機構58(図15参照)となる。
RFリーダRは、テープカセットCに配設されたRFID36より識別情報Nを読み取る。補給ヘッド57を格納されるテープカセットCから所定の距離を離した状態で、補給ヘッド57をX方向に移動させることで、RFリーダRによって、補給カセット格納部52aに格納されるテープカセットCの識別情報Nを一度に読み取ることができる。このように、自走部品補給装置Vは、テープカセットC(収納容器)に付された識別情報Nを読み取るRFリーダR(情報読取部)が、補給カセット格納部52a(第1のエリア)に設けられている。
図10において、回収カセット格納部52bの天井には、X軸ビーム59xがX方向(自走部品補給装置Vの走行方向)に沿って配設されている。X軸ビーム59xには、X軸リニア駆動機構により駆動されるX軸スライダ59aがX軸ビーム59xに沿ってX方向に移動自在(図11の矢印j2)に設けられている。X軸ビーム59x、X軸スライダ59a及びX軸リニア駆動機構によりX軸移動機構が構成される。
X軸スライダ59aの下部には、Y軸ビーム59yがY方向(自走部品補給装置Vの走行方向に直交する方向)に沿って配設されている。Y軸ビーム59yには、リニア駆動機構により駆動されるY軸スライダ59bがY軸ビーム59yに沿ってY方向に移動自在(矢印h2)に設けられている。Y軸ビーム59y、Y軸スライダ59b及びY軸リニア駆動機構によりY軸移動機構が構成される。Y軸スライダ59bには、回収ヘッド60が装着されている。
回収ヘッド60には、把持装置60aが備えられている。把持装置60aは、部品実装装置M3~M6のカセットホルダ15の下方保持位置Hdに保持されている回収対象のテープカセットCの把持部35を把持する。そして、回収ヘッド60は、把持したテープカセットCを回収カセット格納部52bの所定の位置まで引き込んだ後、把持を解除して回収対象のテープカセットCを格納する。このように、X軸移動機構、Y軸移動機構、回収ヘッド60は、回収カセット格納部52bの外部でX方向、Y方向に移動し、回収対象のテープカセットCを把持し、回収カセット格納部52bの所定の位置に格納するカセット回収機構61(図15参照)となる。
図11において、格納部52において、補給カセット格納部52aからテープカセットCを取り出し、回収カセット格納部52bにテープカセットCを回収する側は、テープカセットCを出し入れする際に干渉しないように、外壁が除去されている。自走部品補給装置Vは、部品実装装置M3~M6にテープカセットCを補給・回収する際は、テープカセットCを出し入れする面が部品供給部6と並行となるように走行しながら自動で位置合わせを行う。
図10において、格納部52のX方向の外壁には、それぞれ、連結用ローラ62aと連結用フック62bが配設されている(図11も参照)。連結用ローラ62aと連結用フック62bは、Y方向に所定の距離を離して配設されている。また、複数のテープフィーダ7が装着される台車13のカセットホルダ15の前面(カセットホルダ15を挟んでテープフィーダ7とは反対の位置)には、連結部63が配設されている。連結部63は、台車13に固定的に配設されている。連結部63のX方向の両端には、一対のガイド部64が備えられている。
ガイド部64は、それぞれ位置決めブロック65と連結機構66を備えている。位置決めブロック65は、自走部品補給装置Vの格納部52を連結部63に連結させる際に格納部52の連結用ローラ62aを当接させて、格納部52をZ方向に位置決めする。連結機構66は、略L字型の連結部材66aと、連結部材66aを斜め上方に持ち上げるエアシリンダ66bを含んで構成される。また、連結機構66は、自走部品補給装置Vの格納部52を連結部63に連結させる際に、格納部52の連結用フック62bが連結部材66aに当接したことを検出するセンサ(図示省略)が内蔵されている。
次に図12を参照して、自走部品補給装置Vの格納部52が連結部63に連結する方法について説明する。図12(a)において、自走部品補給装置Vは、部品実装装置M3~M6の台車13に対して並行となる向きで走行して接近し、格納部52が連結部63の一対のガイド部64の間に収まる位置にX方向を合わせて一時停止する。そして、自走部品補給装置Vは、支持部51のロック機構を解除する。次いで自走部品補給装置Vは、姿勢を台車13に並行に保ったまま、低速でY方向に移動する(矢印k1)。そして、自走部品補給装置Vは、格納部52の連結用フック62bが連結部材66aに当接する停止位置に到達すると、移動を停止して走行機構54の電磁ブレーキを作動させる。
図12(b)において、次いで連結機構66は、連結用フック62bに連結した連結部材66aを斜め上方(矢印k2)に持ち上げる。これにより、格納部52は連結部63を介して台車13に乗り移り(矢印k3)、格納部52によるテープカセットCの補給作業、回収作業が可能な状態となる(交換準備作業が完了)。
上記説明したように、自走部品補給装置Vは、複数の部品Dを収納するテープカセットC(収納容器)を保持して自動で移動し、テープカセットCの部品Dをテープフィーダ7(部品供給装置)に補給する機能を有している。より詳しく述べると、自走部品補給装置Vは、テープカセットCを格納する格納部52(収納容器格納部)と、テープカセットCを格納部52とカセットホルダ15(収納容器保持装置)との間で移動させるカセット補給機構58およびカセット回収機構61(収納容器移転部)とを備えている。
また、部品実装装置M3~M6は、格納部52に連結して保持する連結部63を備えている。そして、テープカセットCを収納容器移転部により格納部52とカセットホルダ15との間で移動させる際は、走行手段(走行機構54、走行制御部55a)は、自走部品補給装置Vを部品実装装置M3~M6に対する所定の停止位置で停止させ、連結部63は、格納部52に連結して格納部52を保持している。
次に図13を参照して、テープフィーダ7において部品Dを供給してテープ排出口7eより排出された使用済みのキャリアテープ14を切断したテープくずWの回収について説明する。まず、図13(a)を参照して、テープくずWを回収する第1の実施例について説明する。テープ排出口7eより排出され、適度な長さに切断されたテープくずWは、台車13に固定された回収容器70に溜められる。自走部品補給装置Vは、回収容器70からテープくずWを真空吸引する吸引装置71、先端の位置を移動可能で先端からテープくずWを真空吸引するノズル部72、真空吸引したテープくずWを保管する保管箱73を備えている。
テープくずWが回収容器70に所定以上に溜まると、自走部品補給装置VがテープカセットCを補給するタイミングに合わせて、ノズル部72の先端を回収容器70の中に移動させ、吸引装置71によってテープくずWを吸引して保管箱73に回収する。このように、吸引装置71、ノズル部72は、部品実装装置M3~M6からテープくずWを回収するくず回収機構74A(図15参照)となる。すなわち、自走部品補給装置Vは、部品供給後のテープくずWを回収するくず回収機構74A(テープくず回収手段)を備えており、テープくず回収手段は、テープくずWを吸引する吸引装置71を備えている。これにより、作業者によらずに自動でテープくずWを回収することができる。
次に図13(b)を参照して、テープくずWを回収する第2の実施例について説明する。本実施例では、テープくずWが移動可能なテープくず収容箱76で回収されるところが、第1の実施例と異なる。部品実装作業中、テープくず収容箱76は、台車13の所定の位置に載置されている。自走部品補給装置Vは、テープくず収容箱76を把持する把持具77aを有する多関節ロボットなどの収容箱移動装置77と、テープくず収容箱76を回収する収容箱保管部78を備えている。
テープくずWがテープくず収容箱76に所定以上に溜まると、自走部品補給装置VがテープカセットCを補給するタイミングに合わせて、収容箱移動装置77によってテープくず収容箱76を収容箱保管部78に回収する(矢印m1)。そして、あらかじめ収容箱保管部78に保管してあった空のテープくず収容箱76を、台車13の所定の位置に載置する。このように、テープくず収容箱76、収容箱移動装置77、収容箱保管部78は、部品実装装置M3~M6からテープくずWを回収するくず回収機構74B(図15参照)となる。
すなわち、自走部品補給装置Vは、部品供給後のテープくずWを回収するくず回収機構74B(テープくず回収手段)を備えており、テープくず回収手段は、テープくずWがたまるテープくず収容箱76を自走部品補給装置Vに回収する収容箱移動装置77(回収装置)を備えている。これにより、テープくずWの回収が短時間で実現できる。なお、テープくず収容箱76を自走部品補給装置Vに回収する回収装置は、多関節ロボットに限定されることはない。回収装置は、部品実装装置M3~M6の台車13と自走部品補給装置Vの間でテープくず収容箱76を交換可能であればよい。また、回収装置は、自走部品補給装置Vではなく部品実装装置M3~M6(台車13)に配置してもよい。
次に図14、図15を参照して、部品実装システム1の制御系の構成について説明する。部品実装システム1が備える部品実装ラインL1~L3は同様の構成をしており、以下、部品実装ラインL1について説明する。部品実装ラインL1が備える部品実装装置M3~M6は同様の構成をしており、以下、部品実装装置M3について説明する。
図14において、部品実装装置M3は、実装制御部22、実装記憶部80、テープフィーダ7、部品実装作業部16、連結機構66、通信部81を備えている。通信部81は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して他の部品実装装置M4~M6、他の部品実装ラインL2,L3、管理コンピュータ3、部品保管装置Sとの間で信号、データの授受を行う。実装制御部22は、実装記憶部80が記憶する部品実装データに基づいてテープフィーダ7、部品実装作業部16を制御することにより、部品実装装置M3による部品実装作業を実行させる。
また、実装制御部22は、管理コンピュータ3を介して自走部品補給装置Vと通信しながら連動し、連結機構66を制御することにより、連結部63を自走部品補給装置Vの格納部52に連結する連結作業を実行させる。また、実装制御部22は、部品実装装置M3の部品Dの消費数(残数)を含む実装状況を、管理コンピュータ3に逐次送信する。
図14において、管理コンピュータ3は、管理制御部82、管理記憶部83、入力部84、表示部85、通信部86、無線通信部3aを備えている。入力部84は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部85は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部84による操作のための操作画面などの各種画面の他、各種情報を表示する。通信部86は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して部品実装ラインL1~L3の部品実装装置M3~M6、部品保管装置Sとの間で信号、データの授受を行う。無線通信部3aは、自走部品補給装置Vとの間で無線による信号、データの授受を行う。
管理制御部82はCPUなどの演算装置であり、管理記憶部83が記憶する情報に基づいて部品実装システム1を管理する。管理制御部82は、内部処理機能として部品切れ管理部82a、部品補給計画作成部82b、部品補給管理部82c、回収タイミング算出部82dを備えている。管理記憶部83は記憶装置であり、部品実装データの他、部品管理情報83a、部品補給計画情報83bなどを記憶する。
図14において、部品管理情報83aには、各テープカセットCの識別情報Nと収納される部品Dを紐付けする情報、各テープカセットCの所在、収納する部品Dの残数、部品切れまでの予測時間などが含まれている。テープカセットCの所在する場所としては、部品保管装置S、自走部品補給装置V、部品実装装置M3~M6が有り得る。そして、部品管理情報83aには、テープカセットCが部品保管装置Sに所在する場合は、その部品保管装置Sを特定する情報と、保管される棚の位置が含まれる。
また、部品管理情報83aには、テープカセットCが自走部品補給装置Vに所在する場合は、その自走部品補給装置Vを特定する情報と、格納部52(補給カセット格納部52a、回収カセット格納部52b)内の格納位置が含まれる。すなわち、管理コンピュータ3(部品情報管理部)は、格納部52(収納容器格納部)に格納されているテープカセットC(収納容器)の位置と識別情報Nとを記憶する。また、部品管理情報83aには、テープカセットCが部品実装装置M3~M6に所在する場合は、部品実装装置M3~M6を特定する情報(部品実装ラインL1~L3を特定する情報も含む)と、部品供給部6内の位置および対応するテープフィーダ7の情報が含まれる。
図14において、管理制御部82は、部品保管装置S、自走部品補給装置V、部品実装装置M3~M6から送信される情報に基づいて、部品管理情報83aを更新する。部品切れ管理部82aは、部品管理情報83a、部品実装データに基づいて、各テープフィーダ7での部品Dの消費を予測して部品切れまでの予測時間を算出して部品管理情報83aを更新する。
部品補給計画作成部82bは、部品管理情報83aと部品実装データに基づいて、各テープフィーダ7にテープカセットCを用いて部品Dを補給する部品補給計画を含む部品補給計画情報83bを作成する。部品補給計画情報83bには、補給するテープカセットCの所在、テープカセットCを補給するテープフィーダ7の位置(部品実装ラインL1~L3、部品実装装置M3~M6、部品供給部6内の位置)、補給するテープカセットCを搬送する自走部品補給装置Vを特定する情報とフロアF内での移動経路などが含まれる。
図14において、部品補給管理部82cは、作成された部品補給計画情報83bに基づいて、部品保管装置S、自走部品補給装置V、部品実装装置M3~M6に補給作業に関する指示を送信する。具体的には、部品補給管理部82cは、部品保管装置Sに対して自走部品補給装置Vに格納させるテープカセットCを指示する。すなわち、管理コンピュータ3(部品情報管理部)は、部品保管装置S(部品保管部)に対して、供給すべきテープカセットC(収納容器)の情報を送信する。
部品補給管理部82cは、自走部品補給装置Vに対して格納するテープカセットC、フロアF内での移動経路、テープカセットCを補給するテープフィーダ7の位置(部品実装ラインL1~L3、部品実装装置M3~M6、部品供給部6内の位置)を指示する。部品補給管理部82cは、部品実装装置M3~M6に対してテープカセットCを補給するテープフィーダ7の位置(部品供給部6内の位置)を指示する。
また、部品補給管理部82cは、自走部品補給装置Vがテープフィーダ7にテープカセットCを補給するに際し、自走部品補給装置Vおよびテープフィーダ7から必要な情報を受信して、自走部品補給装置Vおよびテープフィーダ7に対して指示を送信する。具体的には、自走部品補給装置Vが読み取ったテープカセットCの識別情報Nを受信して、部品補給計画情報83bに含まれる情報と照合して補給を指示したテープカセットCであるか否かを確認する。すなわち、管理コンピュータ3(部品情報管理部)は、自走部品補給装置Vから送信された識別情報Nを基にテープカセットC(収納容器)が移動させるべきテープカセットCか否かを確認する。
また、部品補給管理部82cは、自走部品補給装置Vが補給しようとしているテープカセットCが正しいことが確認されると、テープフィーダ7に部品Dの補給を受け入れることを指示する情報を送信する。すなわち、管理コンピュータ3(部品情報管理部)は、テープカセットC(収納容器)の部品Dを補給する対象のテープフィーダ7(部品供給装置)に部品Dの補給を受け入れることを指示する情報を送信する。また、部品補給管理部82cは、テープフィーダ7からキャリアテープ14が正常に挿入された旨の情報を受信すると、自走部品補給装置Vに対してキャリアテープ14の押し出しを停止する指示を送信する。
図14において、回収タイミング算出部82dは、部品管理情報83a、部品実装データ、回収容器70またはテープくず収容箱76のテープくずWの許容保管容量に基づいて、各部品実装装置M3~M4(あるいは、部品供給部6)のテープくずWの回収タイミングを算出する。回収タイミング算出部82dは、算出結果に基づいて、部品補給計画情報83bにテープくずWの回収の指示を追加する。すなわち、回収タイミング算出部82dは、部品管理情報83aおよび部品実装データに含まれる部品実装装置M3~M6の実装情報に基づいてテープくずWの回収タイミングを算出する。このように、管理コンピュータ3は、部品Dの情報を記憶して管理する部品情報管理部となる。
図14において、部品保管装置Sは、部品保管制御部91、部品保管記憶部92、部品保管作業部93、識別情報読み取り部94、通信部95を備えている。部品保管作業部93は、保管するテープカセットCやキャリアテープ14を巻回収納するリールL(図19参照)を受け取って、部品保管装置Sが備える保管棚に移動させ、その保管棚から取り出して自走部品補給装置Vの格納部52に受け渡す移送機構を備えている。
識別情報読み取り部94は、部品保管装置Sが保管するテープカセットCやリールLに付されたRFID36やバーコードの識別情報Nを読み取るRFリーダRやバーコードリーダなどである。通信部95は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を管理コンピュータ3、部品実装装置M3~M6との間で信号、データの授受を行う。すなわち、部品保管装置S(部品保管部)は、管理コンピュータ3(部品情報管理部)と通信可能である。部品保管記憶部92は、識別情報読み取り部94が読み取った識別情報Nと保管棚を紐付けした情報を記憶する。部品保管記憶部92が記憶する保管するテープカセットC(部品D)の各種情報は、通信部95を介して管理コンピュータ3に送信される。
部品保管制御部91は、部品保管作業部93と識別情報読み取り部94を制御して、テープカセットCまたはリールLを受け取って識別情報Nを読み取って保管棚に保管する保管作業を実行させる。また、部品保管制御部91は、管理コンピュータ3からの指示に基づいて部品保管作業部93を制御して、保管棚より指示されたテープカセットCまたはリールLを取り出して自走部品補給装置Vに受け渡す。すなわち、部品保管装置S(部品保管部)は、管理コンピュータ3(部品情報管理部)からの情報に基づき、供給すべきテープカセットCまたはリールL(収納容器)を自走部品補給装置Vのカセット補給機構58およびカセット回収機構61(収納容器移転部)が移動可能な位置に位置させる。
図15において、テープフィーダ7は、フィーダ制御部21、フィーダ記憶部96、テープ送り機構24、シャッタ機構23、操作・表示パネル29、挿入検出センサQ、通信部97を備えている。フィーダ記憶部96には、装着されているテープカセットCの識別情報N、部品Dの消費数、残数などの各種情報が記憶されている。通信部97は通信インターフェースであり、実装制御部22との間で信号、データの授受を行う。さらに通信部97は、部品実装装置M3~M6の通信部81を介して、管理コンピュータ3との間で信号、データの授受を行う。
フィーダ制御部21は、テープ送り機構24、シャッタ機構23、挿入検出センサQを制御して、先行テープ14(1)の搬送、後続テープ14(2)の挿入、先行テープ14(1)から後続テープ14(2)への移行を実行させる。その際、フィーダ制御部21は、管理コンピュータ3から自走部品補給装置Vにおける後続テープ14(2)の挿入準備が整った旨の情報を受信すると、シャッタ23aを開放させる。
すなわち、テープフィーダ7(部品供給装置)は、部品Dの補給を受け入れることを指示する情報を受信したら、部品Dを受け入れるための動作として、テープ挿入口7dに設けられたシャッタ23aを開放する。また、フィーダ制御部21は、挿入検出センサQが後続テープ14(2)の先端14bが挿入されたことを検出すると、その旨を管理コンピュータ3に送信する。これにより、補給対象でないテープフィーダ7にキャリアテープ14(部品D)が誤挿入されることを防止することができる。
図15において、自走部品補給装置Vは、補給制御部55、補給記憶部98、走行機構54、カセット補給機構58、カセット回収機構61、RFリーダR、くず回収機構74A(または、くず回収機構74B)、無線通信部Tを備えている。無線通信部Tは、管理コンピュータ3との間で無線による信号、データの授受を行う。すなわち、自走部品補給装置Vは、管理コンピュータ3(部品情報管理部)と無線通信可能な無線通信部Tを備えている。
補給記憶部98は、補給部品情報98aなどを記憶する。補給部品情報98aには、格納部52に格納するテープカセットCの識別情報N、格納される位置の他、管理コンピュータ3から部品補給計画情報83bに基づいて送信された補給するテープカセットCとテープフィーダ7の対応や補給する順番、フロアF内での走行経路、テープくずWの回収タイミングなどの情報が含まれる。すなわち、自走部品補給装置Vは、格納部52(収納容器格納部)に格納されているテープカセットC(収納容器)の位置と識別情報Nとを記憶する。補給制御部55はCPUなどの演算装置であり、内部処理機能として走行制御部55a、交換制御部55b、くず回収制御部55cを備えている。
走行制御部55aは、補給部品情報98aに基づいて走行機構54を制御して、指定された経路に従って自走部品補給装置Vを走行させ、指定された部品実装装置M3~M4の前の停止位置に停止させる。交換制御部55bは、補給部品情報98aに基づいてカセット補給機構58を制御して、部品保管装置Sから補給対象のテープカセットCを受け取って補給カセット格納部52aに格納させ、補給対象のテープフィーダ7に補給させる。また、交換制御部55bは、補給部品情報98aに基づいてカセット回収機構61を制御して、使用済みのテープカセットCを回収して回収カセット格納部52bに格納し、フロアF内に配置された使用済みカセット回収装置Uに回収したテープカセットCを返却させる。
また、交換制御部55bはカセット補給機構58とRFリーダR(情報読取部)を制御して、部品保管装置S(部品保管部)から補給カセット格納部52a(収納容器格納部)へテープカセットC(収納容器)を移動させる際、または、部品保管装置Sから補給カセット格納部52aに移動させた後の少なくともいずれかで、識別情報Nを読み取る。補給制御部55は、読み取られた識別情報Nを管理コンピュータ3に送信する。すなわち、自走部品補給装置Vは、RFリーダR(情報読取部)により読み取った識別情報Nを無線通信部Tを介して管理コンピュータ3(部品情報管理部)に送信する。
くず回収制御部55cは、補給部品情報98aに基づいてくず回収機構74A(くず回収機構74B)を制御して、回収を指示された部品実装装置M3~M6からテープくずWを回収させる。すなわち、管理コンピュータ3の回収タイミング算出部82dの算出結果に基づき、自走部品補給装置Vはくず回収機構74A(くず回収機構74B)(テープくず回収手段)によりテープくずWを回収する。くず回収制御部55cは、回収したテープくずWをフロアF内に配置されたテープくず廃棄部Gに廃棄させる。
次に図16、図17のフローに則して、図18、図19を参照しながら、部品実装システム1における部品補給方法について説明する。図16において、管理コンピュータ3の管理制御部82は、部品実装システム1が備える部品実装装置M3~M6から部品Dの消費状況の情報を取得して部品管理情報83aを更新する(ST1)。次いで部品補給計画作成部82bは、更新された部品管理情報83aと部品実装データに基づいて部品補給計画情報83bを作成する(ST2:部品補給計画作成工程)。
次いで管理コンピュータ3より指示された自走部品補給装置Vは部品保管装置Sまで移動し、同じく管理コンピュータ3より指示を受けた部品保管装置Sより補給するテープカセットCを受け取って補給カセット格納部52aに格納させる(ST3:補給カセット格納工程)。その際、自走部品補給装置Vが備えるRFリーダRによってテープカセットCの識別情報Nが読み取られ、読み取られた識別情報Nは格納された位置の情報と紐付けされて管理コンピュータ3に送信される。
図16において、自走部品補給装置Vは、管理コンピュータ3からの指示に従って補給対象の部品実装装置M3~M6の停止位置まで移動し、テープカセットCを交換する準備作業を行う(ST4:交換準備工程)。交換準備工程(ST4)では、連結機構66によって格納部52が部品実装装置M3~M6に連結される。
交換準備が完了すると、テープカセットCの交換作業が開始される。図17を参照して、使用済みのテープカセットCを回収して、補給対象のテープカセットCをテープフィーダ7に装着するテープカセット交換方法について説明する。図17において、自走部品補給装置Vの交換制御部55bは、カセット補給機構58の補給ヘッド57を補給対象のテープカセットCの後方に移動させる。次いで交換制御部55bは、RFリーダRによって補給対象のテープカセットCの識別情報Nを読み取り、管理コンピュータ3に送信する。すなわち、自走部品補給装置Vは、格納されている一のテープカセットC(収納容器)の部品Dを補給することを表す情報を管理コンピュータ3(部品情報管理部)に送信する。
管理コンピュータ3の部品補給管理部82cは、送信された識別情報Nを記憶される部品補給計画情報83bと照合して(ST11)、所望のテープカセットCであるか否かを確認する(ST12:カセット照合工程)。すなわち、自走部品補給装置Vは、RFリーダR(情報読取部)により読み取った識別情報Nを無線通信部Tを介して管理コンピュータ3(部品情報管理部)に送信し、管理コンピュータ3は、送信された識別情報Nを基にテープカセットC(収納容器)が移動させるべきテープカセットCか否かを確認する。
所望のテープカセットCではない場合(ST12においてNo)、管理コンピュータ3にその旨を送信して、当該テープフィーダ7への部品補給をスキップする(ST11)。なお、自走部品補給装置Vでの識別情報Nの読み取り工程(ST11)と管理コンピュータ3でのカセット照合工程(ST12)は省略してもよい。その場合、補給部品情報98aに含まれる管理コンピュータ3から送信された部品補給計画情報83bの補給順番に従って、自走部品補給装置Vにおいて補給対象のテープカセットCを補給する準備が整うと、その旨(格納されている一のテープカセットCの部品Dを補給することを表す情報)が管理コンピュータ3に送信される。
図17において、カセット照合工程(ST12)において所望のテープカセットCであることが確認された場合(Yes)、部品補給管理部82cは、部品管理情報83aに基づいて回収対象のテープカセットCの上方保持位置HuにテープカセットCがあるか否かを確認する(ST13)。上方保持位置HuにテープカセットCがある場合(ST13においてYes)、自走部品補給装置Vの交換制御部55bはカセット回収機構61を制御して、下方保持位置Hdにある使用済みのテープカセットCを回収する(ST14:カセット回収工程)。
ここで、図18(a)を参照して、カセット回収機構61によるカセット回収工程(ST14)について具体的に説明する。図18(a)において、カセット回収機構61の回収ヘッド60は、回収カセット格納部52bのテープカセットCが格納されておらず空いている位置(空きスロット)から外部の下方移動位置HmまでY方向に移動する。下方移動位置Hmは、カセットホルダ15の下方保持位置Hdの後方(カセットホルダ15と自走部品補給装置Vの間)であって、テープカセットCを把持した状態の回収ヘッド60がX方向に往復移動する際に、回収ヘッド60と把持されたテープカセットCが周囲のテープカセットCなどと干渉しない位置である。
次いで回収ヘッド60は下方移動位置Hmにおいて、回収対象のテープカセットC(1)の後方に位置するまでX方向に移動する。次いで回収ヘッド60はカセットホルダ15に向かってY方向に移動して下方保持位置HdにあるテープカセットC(1)を把持する。次いでテープカセットC(1)を把持した回収ヘッド60は、下方移動位置HmまでY方向に移動する(矢印n1)。下方保持位置HdからテープカセットC(1)が回収されると、上方保持位置HuにあったテープカセットC(2)は下方保持位置Hdまで移動する(矢印n2)。
次いでテープカセットC(1)を把持した回収ヘッド60は、下方移動位置Hmにおいて回収カセット格納部52bの空きスロットの前までX方向に移動する。次いでテープカセットC(1)を把持した回収ヘッド60はY方向に移動して、テープカセットC(1)を回収カセット格納部52bの空きスロットに載置させて把持を解除する。
図17において、次いでテープフィーダ7のフィーダ制御部21は、管理コンピュータ3からの指示に従って、シャッタ23aを開放する(ST15:シャッタ開放工程)。図18(b)において、テープフィーダ7のシャッタ23aが開放される(矢印n3)。
図17において、上方保持位置HuにテープカセットCがない場合は(ST13においてNo)、カセットホルダ15にはテープカセットCが1つしか存在しないことになるため、下方保持位置HdにあるテープカセットCは回収することなくシャッタ開放工程(ST15)が実行される。このように、管理コンピュータ3(部品情報管理部)は、テープカセットC(3)(収納容器)の部品Dを補給する対象のテープフィーダ7(部品供給装置)に部品Dの補給を受け入れることを指示する情報を送信し、テープフィーダ7は、部品Dの補給を受け入れることを指示する情報を受信したら部品Dを受け入れるための動作(ST15)を実行する。
図17において、次いで自走部品補給装置Vの交換制御部55bは、カセット補給機構58を制御して補給対象のテープカセットC(3)を補給対象のテープフィーダ7の補給位置Hsに移動させる(ST16)。具体的には、補給カセット格納部52aにおいて補給ヘッド57は補給対象のテープカセットC(3)を把持し、前方の補給位置HsまでY方向に移動する。次いでテープカセットC(3)を把持した補給ヘッド57が、補給位置Hsにおいて補給対象のテープフィーダ7の後方に位置するまでX方向に移動する。このように、補給対象のテープカセットC(3)が補給対象のテープフィーダ7の後方の補給位置Hsまで移動する。
次いで交換制御部55bは、カセット補給機構58を制御してテープカセットC(3)よりキャリアテープ14(3)を押し出させて、キャリアテープ14(3)の先端14bをテープフィーダ7のテープ挿入口7dより挿入させる(ST17)。その後、テープフィーダ7の挿入検出センサQがキャリアテープ14(3)の先端14bを検出するまで(ST18においてYes)、(ST17)を継続させてキャリアテープ14(3)を押し出し続ける(ST18においてNo)。
図18(b)において、補給ヘッド57がテープカセットC(3)を把持して補給位置Hsまで移動させる(矢印n4)。その後、図19(a)において、テープ挿入手段57aがテープカセットC(3)の押出し棒39をテープカセットC(3)の内部に押し込み(矢印n5)、キャリアテープ14(3)をテープフィーダ7に向かって押し出て、テープフィーダ7のテープ挿入口7dより挿入させる(矢印n6)。すなわち、自走部品補給装置Vは、テープカセットC(3)(収納容器)が収納するキャリアテープ14(3)の先端14bをテープフィーダ7(オートロードフィーダ)のテープ挿入口7dに挿入して押し込むテープ挿入手段57aを備えている。
そして、テープ挿入手段57aは、押し込み棒39(キャリアテープ押し出し部材)をテープカセットC(3)(収納容器)の内部に押し込むことによって、テープカセットC(3)よりキャリアテープ14(3)を押し出している。テープフィーダ7のテープ挿入口7dに挿入されたキャリアテープ14(3)の先端14bが挿入検出センサQまで到達する。挿入検出センサQによって先端14bが検出されると、管理コンピュータ3にその旨が送信され、管理コンピュータ3から自走部品補給装置Vにキャリアテープ14(3)の押し出しの終了が指示される。すなわち、挿入検出センサQ(テープ挿入検出部)はキャリアテープ14(3)が正常に挿入されたことを検出したら、自走部品補給装置Vへその旨を伝え、テープ挿入手段57aはキャリアテープ14(3)の押込みを停止する。
図17において、キャリアテープ14(3)の押し出しが完了すると(ST18においてYes)、交換制御部55bは、カセット補給機構58を制御してテープカセットC(3)の把持を解除して(ST19:把持解除工程)、補給ヘッド57を補給カセット格納部52aの内部に移動させる。
具体的には、図19(b)において、把持を解除したテープカセットC(3)は補給位置Hsのやや後方に移動し(矢印n7)、補給カセット格納部52aの空きスロット(例えば、補給したテープカセットC(3)が格納されていたスロット)の前までX方向に移動する。次いで補給ヘッド57は、Y方向に移動して補給カセット格納部52aの内部に移動する。把持が解除されたテープカセットC(3)は、補給位置Hsから上方保持位置Huに移動する(矢印n8)。
上記のように、シャッタ開放工程(ST15)から把持解除工程(ST19)は、自走部品補給装置Vによって補給対象のテープカセットC(3)を補給するカセット補給工程となる。このようして、カセット補給機構58およびカセット回収機構61(収納容器移転部)は、補給するテープカセットC(3)(収納容器)を補給カセット格納部52a(第1のエリア)から上方保持位置Hu(第1の保持位置)へ移動させ、使用済みのテープカセットC(1)(収納容器)を下方保持位置Hd(第2の保持位置)から回収カセット格納部52b(第2のエリア)へ移動させる。
図16において、連結している部品実装装置M3~M6におけるカセット交換工程(ST5)が終了すると、自走部品補給装置Vのくず回収制御部55cは、管理コンピュータ3の回収タイミング算出部82dの算出結果に基づき、くず回収機構74A(くず回収機構74B)を制御してテープくずWを回収する(ST6:テープくず回収工程)。次いで管理コンピュータ3の部品補給管理部82c、または、自走部品補給装置Vの補給制御部55は、予定される補給が完了したか否かを判断する(ST7)。補給が完了していない場合(ST7においてNo)、自走部品補給装置Vは次の補給対象となる部品実装装置M3~M6まで移動して、交換準備工程(ST4)からテープくず回収工程(ST6)が実行される。
予定されていた部品実装装置M3~M6においてテープカセットC(部品D)の補給が完了している場合(ST7においてYes)、自走部品補給装置Vはテープくず廃棄部Gまで移動して回収したテープくずWを廃棄する(ST8)。次いで自走部品補給装置Vは使用済みカセット回収装置Uまで移動して、回収カセット格納部52bに格納する使用済みのテープカセットCを使用済みカセット回収装置Uに受け渡す。
上記説明したように、本実施の形態の部品実装システム1は、基板Bに部品Dを実装する部品実装装置M3~M6と、部品実装装置M3~M6に搭載され部品Dを供給するテープフィーダ7(部品供給装置)と、複数の部品Dを収納するテープカセットC(収納容器)を保持して自動で移動し、テープカセットCに巻回収納されるキャリアテープ14の部品Dをテープフィーダ7に補給する自走部品補給装置Vとを備えている。これによって、部品保管装置S(部品保管部)から部品Dを自動で取り出して部品実装装置M3~M6に補給することができる。
次に図20を参照して、キャリアテープ14を巻回収納してテープフィーダ7に供給するテープカセットC1の第2の実施例について説明する。以下、図6、図7に示す第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。第2の実施例のテープカセットC1は、キャリアテープ14を巻回収納するリールLを内部に格納するところが第1の実施例とは異なっている。図20(a)はテープカセットC1において透明カバー101および不透明カバー102を装着した状態、図20(b)は透明カバー101および不透明カバー102を外した状態を示している。
図20(a)において、テープカセットC1に格納されたリールLの前面は、アクリル板などの透明カバー101が装着されている。テープ押出し機構33の前面は、金属板などの不透明カバー102が装着されている。リールLの側面にはバーコード103が付されており、バーコード103は透明カバー101を透して読取が可能である。すなわち、テープカセットC1は、透明カバー101および不透明カバー102を装着した状態で、バーコードリーダによってバーコード103を読み取ることで識別情報Nを読み取ることができる。テープカセットC1は、業者から納入されたキャリアテープ14をリールLのままテープカセットC1に格納することで、キャリアテープ14の移し替えの工数を削減することができる。
次に図21、図22を参照して、自走部品補給装置V1と台車110の第2の実施例について説明する。以下、図10、図11に示す第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。第2の実施例の自走部品補給装置V1と台車110は、格納部52を台車110へ連結させずにテープカセットCの交換を実行するところが第1の実施例とは異なっている。
図21において、自走部品補給装置V1は、下方から台車部50、支持装置111、格納部52を積層して構成される。支持装置111は、下部が台車部50に固定され、上部が格納部52に固定されて格納部52を下方から支持している。支持装置111は、上部を下部に対して水平方向(X方向、Y方向)および垂直方向(Z方向)に対して移動させるスライダとモータを内蔵しており、補給制御部55によってモータが駆動制御されて格納部52を移動させる。
図22において、台車部50において、テープカセットCの交換時に台車110に対向する位置には、2つの遮光センサ112が配設されている。図21において、台車110において、テープカセットCの交換時に台車部50に対向する位置には、遮光センサ112を遮光する2つのドグ113が配設されている。テープカセットCの交換時は、ドグ113がそれぞれ遮光センサ112を遮光する。遮光センサ112の検出結果は、補給制御部55に送られる。
図22において、格納部52において、テープカセットCの交換時に台車110に対向する位置には、2つのレーザ変位計114が配設されている。図21において、台車110において、テープカセットCの交換時に格納部52に対向する位置には、レーザ変位計114から照射されたレーザ光115を反射する2つのターゲット116が配設されている。テープカセットCの交換時は、レーザ変位計114がターゲット116に照射して戻ってきたレーザ光115によって、台車110に対する格納部52の位置が計測される。計測結果は、補給制御部55に送られる。
次に、自走部品補給装置V1における交換準備工程(ST4)について説明する。まず自走部品補給装置V1は補給対象となるテープフィーダ7が搭載される台車110の前方まで移動する。その後、遮光センサ112が遮光を検出するまで台車110の方向(Y方向)に低速で移動する。これによって、台車110に対する自走部品補給装置V1の粗い位置合せが完了する。この位置が、停止位置となる。次いでレーザ変位計114によって台車110に対する格納部52の位置が計測され、計測結果に基づいて、補給制御部55は支持装置111を制御して、台車110に対する自走部品補給装置V1の精密な位置合せを行う。
このように、自走部品補給装置V1は、格納部52(収納容器格納部)を上方に備えて自動で移動または停止する台車部50(走行手段)と、部品実装装置M3~M6に対する位置を計測する位置計測手段(遮光センサ112、レーザ変位計114)とを備えている。そして、テープカセットC(収納容器)を収納容器移転部(カセット補給機構58、カセット回収機構61)により格納部52とカセットホルダ15(収納容器保持装置)との間で移動させる際は、台車部50は、位置計測手段の計測結果に基づいて自走部品補給装置V1を部品実装装置M3~M6に対する所定の停止位置で停止させている。
また、補給制御部55は、テープカセットCの交換中もレーザ変位計114の計測結果をモニタしている。そして、作業者が自走部品補給装置V1ぶつかるなどして格納部52が停止位置から外れると、交換作業を中断して、台車部50、支持装置111を制御して停止位置に位置合わせする。すなわち、自走部品補給装置V1が停止位置から外れると、収納容器移転部はテープカセットC(収納容器)の移動を中断し、台車部50(走行手段)および支持装置111は、自走部品補給装置V1の位置が停止位置となるように補正する。このように、台車110には連結部63が不要となるため、台車110の構造が簡易となる。
次に図23を参照して、自走部品補給装置V2の第3の実施例について説明する。以下、図10、図11に示す第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。第3の実施例の自走部品補給装置V2は、テープカセットCの代わりにリールL(収納容器)を補給・回収するところが、また、収納容器移転部が多関節ロボットであるところが第1の実施例とは異なっている。
自走部品補給装置V2は、下方から台車部50、格納部120を積層して構成される。格納部120は、台車部50に対して固定されている。格納部120には、補給するリールLを格納する補給リール格納棚121aと、回収したリールLを格納する回収リール格納棚121bが上下に配設されている。また、格納部120の上部には、多関節ロボット122が配設されている。多関節ロボット122の先端部123は、リールLを把持する把持装置、多関節ロボット122の先端部123の位置情報の認識とテープフィーダ7のテープ挿入口7dなどを認識するカメラまたはセンサ、リールLに巻回収納されるキャリアテープ14をテープ挿入口7dに挿入する挿入装置(テープ挿入手段)が配設されている。
自走部品補給装置V2がリールLを交換する際は、対象となる部品実装装置M3~M6の前面に移動し、多関節ロボット122および先端部123によって、部品実装装置本体または台車131に設けられた位置決めマーク(図示せず)を認識して、多関節ロボット122および先端部123の位置情報を認識する。次いで多関節ロボット122および先端部123によって、補給するリールLを補給リール格納棚121aより取り出して、カセットホルダ15に載置し、テープフィーダ7のテープ挿入口7dをカメラで認識して、キャリアテープ14をテープ挿入口7dに挿入させる。また、多関節ロボット122および先端部123によって、使用済みのリールLをカセットホルダ15より回収して回収リール格納棚121bに載置させる。
自走部品補給装置V2は、先端部123に設けられたカメラもしくはセンサにより、部品実装装置本体または台車131の位置を認識して補正、かつ多関節ロボット122および先端部123によって把持するリールLの位置、テープフィーダ7の位置などを認識して自走部品補給装置V2は自身と台車131との間の位置関係を認識して補正するため、自走部品補給装置V2と台車131とを機械的に連結せずに位置合せが可能となる。なお、位置決めマークは台車131ではなく、台車131が連結された部品実装装置本体に設けるようにしても良い。ここで、先端部123に設けられたカメラもしくはセンサは、部品実装装置M3~M6(台車131も含む)に設けられた位置決めマークを認識する認識手段となる。
なお、本実施例においては、格納部120に、補給リール格納棚121aと回収リール格納棚121bとを上下に配置しているが、棚の配置はこれに限定されることはない。上下の棚それぞれに補給リール・回収リールを混在して配置できるようにしても良いし、上下いずれか一段のみ補給リールと回収リールを混在して配置できる格納棚を設けても良い。
なお、本実施の形態において、収納容器(テープカセットC、リールL)を保管する部品保管部は部品保管装置Sに限定されることはない。作業者が管理コンピュータ3と無線で通信可能な携帯端末によって収納容器の識別情報Nを読み取って、部品倉庫(部品保管部)に保管し、管理コンピュータ3から携帯端末に送信された指示に従って収納容器を取り出して自走部品補給装置Vに格納させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、部品実装装置M3~M6に搭載された部品供給装置(テープフィーダ7)に対して部品Dを収納する収納容器(テープカセットC、リールL)を補給及び回収しているが、これに限らず、部品D(キャリアテープ14)を内蔵する部品供給装置(以下、「内蔵型テープフィーダ130」と称する)自体を自走部品補給装置Vによって部品実装装置M3~M4に補給・回収するようにしても良い。また、リールLを保持するリールホルダを備えて、リールLに巻回収納されるキャリアテープ14(部品D)と一体的に移動可能な部品供給装置によって補給・回収するようにしてもよい。
以下に図24~図27を用いて、内蔵型テープフィーダ130を例に挙げて部品供給装置を部品実装装置M3~M6に補給・回収する自走部品補給装置Vの構成と補給・回収する際の動作について説明する。なお、基本的な動作・構成はテープカセットCの際とほぼ同様であるため、自走部品補給装置Vの位置合わせ及び内蔵型テープフィーダ130を部品実装装置M3~M6に補給・回収する動作の部分のみ説明する。
まず図24、図25を参照して、内蔵型テープフィーダ130を補給・回収する自走部品補給装置V3と台車131の第4の実施例について説明する。以下、図10、図11に示す第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。台車131の上方には、複数の内蔵型テープフィーダ130がX方向に並列に着脱可能に装着されている。内蔵型テープフィーダ130の前面(部品実装装置M3~M6に装着された状態で外側の面)には、把持部130aが設けられている。台車131において、内蔵型テープフィーダ130の前方には、連結部63が配設されている。
図24において、自走部品補給装置V3は、下方から台車部50、支持部51、格納部132を積層して構成される。図25において、格納部132は、補給する内蔵型テープフィーダ130を格納する補給フィーダ格納棚132aと回収した内蔵型テープフィーダ130を格納する回収フィーダ格納棚132bがX方向(自走部品補給装置V3の走行方向)に並んで設けられている。格納部132のX方向の外壁には、それぞれ、連結用ローラ62aと連結用フック62bが配設されている(図25も参照)。
図24において、格納部132の天井には、X軸ビーム133xがX方向に沿って配設されている。X軸ビーム133xには、X軸リニア駆動機構により駆動されるX軸スライダ133aがX軸ビーム133xに沿ってX方向に移動自在(図25の矢印p2)に設けられている。X軸ビーム133x、X軸スライダ133a及びX軸リニア駆動機構によりX軸移動機構が構成される。
X軸スライダ133aの下部には、Y軸ビーム133yがY方向(自走部品補給装置Vの走行方向に直交する方向)に沿って配設されている。Y軸ビーム133yには、リニア駆動機構により駆動されるY軸スライダ133bがY軸ビーム133yに沿ってY方向に移動自在(矢印p1)に設けられている。Y軸ビーム133y、Y軸スライダ133b及びY軸リニア駆動機構によりY軸移動機構が構成される。
Y軸スライダ133bには、移送ヘッド134が装着されている。移送ヘッド134には、把持装置134aが備えられている。把持装置134aは、台車131、補給フィーダ格納棚132a、回収フィーダ格納棚132bにある内蔵型テープフィーダ130の把持部130aを把持する。
X軸移動機構、Y軸移動機構、移送ヘッド134は、フィーダ移送機構を構成する。フィーダ移送機構は、補給フィーダ格納棚132aの所定位置に格納されている補給対象の内蔵型テープフィーダ130を把持し、格納部132より外部に取出し、格納部132の外部でX方向、Y方向に移動させ、台車131に装着する。また、フィーダ移送機構は、台車131に装着されている回収対象の内蔵型テープフィーダ130を把持し、格納部132の外部でX方向、Y方向に移動し、回収フィーダ格納棚132bの所定位置に格納する。
次に自走部品補給装置V3が、内蔵型テープフィーダ130を補給・回収する動作について説明する。自走部品補給装置V3が、補給対象の内蔵型テープフィーダ130を格納する工程(補給カセット格納工程(ST3))、連結部63に連結する工程(交換準備工程(ST4))は、それぞれ第1の実施例と同様であり、説明を省略する。格納部132が連結部63に連結されると、フィーダ移送機構は、台車131より回収対象の内蔵型テープフィーダ130を回収フィーダ格納棚132bに移送して格納し、補給フィーダ格納棚132aより補給対象の内蔵型テープフィーダ130を台車131まで移送して台車131に装着する。
次に図26、図27を参照して、内蔵型テープフィーダ130を補給・回収する自走部品補給装置V4と台車141の第5の実施例について説明する。以下、図21、図22に示す第2の実施例、および前述の第4の実施例と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。台車141の上方には、複数の内蔵型テープフィーダ130がX方向に並列に着脱可能に装着されている。自走部品補給装置V4は、下方から台車部50、支持装置111、格納部132を積層して構成される。遮光センサ112が台車部50に、ドグ113が台車141に、レーザ変位計114が格納部132に、ターゲット116が台車141にそれぞれ配設されている。
交換準備工程(ST4)において、自走部品補給装置V4が台車141に対して位置合わせを行う動作は、第2の実施例(自走部品補給装置V1と台車110)と同様であり、説明を省略する。位置合わせ後、自走部品補給装置V4が内蔵型テープフィーダ130を補給・回収する動作は、第4の実施例の自走部品補給装置V3と同様であり、説明を省略する。
なお、上記で説明した各実施例は、それぞれ適宜組みあわせて実施することが可能である。