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JP7250663B2 - プラズマ処理装置及びインピーダンスの整合方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びインピーダンスの整合方法 Download PDF

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Description

本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置、インピーダンスの整合方法、及びプラズマ処理方法に関するものである。
電子デバイスの製造においてはプラズマ処理装置が用いられている.プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持台、第1の高周波電源、第1の整合器、第2の高周波電源、及び第2の整合器を備える。基板支持台は、下部電極を有し、チャンバ内に設けられている。第1の高周波電源は、第1の高周波電力を第1の整合器を介して下部電極に供給する。第1の整合器は、第1の高周波電源の負荷側のインピダースを第1の高周波電源の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。第1の高周波電力は、バイアス高周波電力である。第2の高周波電源は、プラズマ生成用の第2の高周波電力を第2の整合器を介して供給する。第2の整合器は、第2の高周波電源の負荷側のインピダースを第2の高周波電源の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。このようなプラズマ処理装置は、特許文献1に記載されている。
特開2016-096342号公報
プラズマ処理装置を用いて実行されるプラズマ処理には、所望のイオンエネルギーを有するイオンを効率的に基板に供給することが求められる。
一つの例示的実施形態においては、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持台、第1の高周波電源、第1の整合器、第2の高周波電源、及び第2の整合器を備える。基板支持台は、下部電極を有し、チャンバ内に設けられている。第1の高周波電源は、第1の高周波電力を下部電極に供給するように構成されている。第1の高周波電力はバイアス高周波電力である。第1の整合器は、第1の高周波電源と第1の高周波電源の負荷との間で接続されている。第2の高周波電源は、プラズマ生成用の第2の高周波電力を供給するように構成されている。第2の整合器は、第2の高周波電源と第2の高周波電源の負荷との間で接続されている。第2の整合器は、整合回路及びコントローラを有する。整合回路は、可変インピーダンスを有する。コントローラは、第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるために、整合回路のインピーダンスを設定するよう構成されている。
一つの例示的実施形態によれば、所望のイオンエネルギーを有するイオンを効率的に基板に供給することが可能となる。
一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図1に示すプラズマ処理装置の二つの整合器を含む電源系の構成の一例を示す図である。 高周波電力LF、高周波電力HF、及び同期信号SSに関する一例のタイミングチャートである。 図1に示すプラズマ処理装置の二つの整合器を含む電源系の構成の別の一例を示す図である。 第1の高周波電力に基づく基板の電位及びプラズマの電位を示す一例のタイミングチャートである。 一つの例示的実施形態に係るインピーダンスの整合方法を示す流れ図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図8の(a)は一例の基板の一部拡大断面図であり、図8の(b)及び図8の(c)は図7に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図10の(a)は、例の基板の一部拡大断面図であり、図10の(b)~図10の(e)は図9に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図12の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図であり、図12の(b)は、図11に示すプラズマ処理方法の工程ST31の実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図14の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図であり、図14の(b)~図14の(d)は、図13に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図16の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図であり、図16の(b)~図16の(d)は、図15に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。 図18の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図であり、図18の(b)及び図18の(c)は、図17に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。 別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 電源61Aの出力電圧VO、高周波電力HF、及び同期信号SSに関する一例のタイミングチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態においては、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持台、第1の高周波電源、第1の整合器、第2の高周波電源、及び第2の整合器を備える。基板支持台は、下部電極を有し、チャンバ内に設けられている。第1の高周波電源は、第1の高周波電力を下部電極に供給するように構成されている。第1の高周波電力はバイアス高周波電力である。第1の整合器は、第1の高周波電源と第1の高周波電源の負荷との間で接続されている。第2の高周波電源は、プラズマ生成用の第2の高周波電力を供給するように構成されている。第2の整合器は、第2の高周波電源と第2の高周波電源の負荷との間で接続されている。第2の整合器は、整合回路及びコントローラを有する。整合回路は、可変インピーダンスを有する。コントローラは、第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるために、整合回路のインピーダンスを設定するよう構成されている。
第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正極性を有する期間では、基板とプラズマとの間の電位差が小さく、シースが薄い。したがって、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正極性を有する期間では、プラズマから基板に供給されるイオンのエネルギーは低い。一方、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負極性を有する期間では、基板とプラズマとの間の電位差が大きく、シースが厚い。したがって、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負極性を有する期間では、プラズマから基板に供給されるイオンのエネルギーは高い。一つの例示的実施形態では、第1の高周波電力の各周期内の部分期間において反射が低減され、プラズマの生成効率が高くなる。一方、第1の高周波電力の各周期内の部分期間以外の期間では、第2の高周波電力の反射が増加し、プラズマの生成効率が低下する。故に、この実施形態では、第1の高周波電力の各周期内における部分期間の指定により、所望のイオンエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて基板に供給される。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、センサを更に備えてもよい。センサは、整合回路と第2の高周波電源との間の電気経路における電圧及び電流を測定するように構成されている。コントローラは、センサによって取得される電圧及び電流から、部分期間内の第2の高周波電源の負荷側のインピーダンスを決定する。コントローラは、決定したインピーダンスと第2の高周波電源の出力インピーダンスとの差を減少させるために、整合回路のインピーダンスを設定するように構成されている。
別の例示的実施形態においては、プラズマ処理装置において実行されるインピーダンスの整合方法が提供される。整合方法は、プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられた支持台の下部電極に、第1の整合器を介して第1の高周波電源からバイアス高周波電力である第1の高周波電力を供給する工程を含む。整合方法は、第2の整合器を介して第2の高周波電源からプラズマ生成用の第2の高周波電力を供給する工程を更に含む。整合方法は、第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるために、第2の整合器の整合回路のインピーダンスを設定する工程を更に含む。
一つの例示的実施形態においては、部分期間内の第2の高周波電源の負荷側のインピーダンスが、整合回路と第2の高周波電源との間の電気経路における電圧及び電流から決定される。電圧及び電流は、センサによって取得される。整合回路のインピーダンは、決定したインピーダンスと第2の高周波電源の出力インピーダンスとの差を減少させるために、設定される。
一つの例示的実施形態においては、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間であってもよい。この実施形態によれば、高いエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて、基板に供給される。
一つの例示的実施形態においては、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間であってもよい。この実施形態によれば、低いエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて、基板に供給される。
更に別の例示的実施形態においては、プラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理方法は、第1の期間においてプラズマ処理装置のチャンバ内で第1のプラズマ処理を実行する工程を含む。プラズマ処理方法は、第1の期間の後の又は該第1の期間に続く第2の期間においてチャンバ内で第2のプラズマ処理を実行する工程を更に含む。第1のプラズマ処理を実行する工程及び第2のプラズマ処理を実行する工程の各々は、チャンバ内に設けられた支持台の下部電極に、第1の整合器を介して第1の高周波電源からバイアス高周波電力である第1の高周波電力を供給する工程を含む。第1のプラズマ処理を実行する工程及び第2のプラズマ処理を実行する工程の各々は、第2の整合器を介して第2の高周波電源からプラズマ生成用の第2の高周波電力を供給する工程を更に含む。第1のプラズマ処理を実行する工程及び第2のプラズマ処理を実行する工程の各々は、第2の整合器の整合回路のインピーダンスを設定する工程を更に含む。第2の整合器の整合回路のインピーダンスは、第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるように、設定される。第1のプラズマ処理を実行する工程及び第2のプラズマ処理を実行する工程のうち一方において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間である。第1のプラズマ処理を実行する工程及び第2のプラズマ処理を実行する工程のうち他方において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間である。
第1のプラズマ処理を実行する工程において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間であってもよい。この場合に、第2のプラズマ処理を実行する工程において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間であってもよい。
第1のプラズマ処理を実行する工程において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間であってもよい。この場合に、第2のプラズマ処理を実行する工程において、部分期間は、第1の高周波電源から出力される第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間であってもよい。
一つの例示的実施形態において、第1の期間及び第2の期間にわたって、基板がチャンバ内に配置されてもよい。基板は、下地領域及び該下地領域上に設けられた膜を有し得る。第1のプラズマ処理を実行する工程において、下地領域を露出させるよう処理ガスのプラズマを用いて膜がエッチングされてもよい。第2のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて膜が更にエッチングされてもよい。
一つの例示的実施形態において、第1の期間及び第2の期間にわたって、基板がチャンバ内に配置されてもよい。基板は、第1の膜及び第2の膜を有し得る。第1の膜は、第2の膜上に設けられていてもよい。第1のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて第1の膜がエッチングされてもよい。第2のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて第2の膜がエッチングされてもよい。
一つの例示的実施形態において、基板が第1の期間においてチャンバ内に配置されてもよい。第1のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて基板の膜がエッチングされてもよい。第2の期間において基板はチャンバ内に配置されていなくてもよい。チャンバの内壁面に付着した堆積物が、第2のプラズマ処理を実行する工程において処理ガスのプラズマを用いて除去されてもよい。
一つの例示的実施形態において、第1の期間及び第2の期間にわたって、基板がチャンバ内に配置され得る。第1のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて基板の膜が側壁面を提供するようにエッチングされてもよい。第2のプラズマ処理を実行する工程において、第1のプラズマ処理を実行する工程でその膜がエッチングされた基板の表面上に、処理ガスのプラズマからの化学種又は別の処理ガスのプラズマからの化学種を含む堆積物が形成されてもよい。第1のプラズマ処理を実行する工程と第2のプラズマ処理を実行する工程とが交互に繰り返されてもよい。
一つの例示的実施形態において、第1の期間及び第2の期間にわたって、基板がチャンバ内に配置されてもよい。第1のプラズマ処理を実行する工程において、処理ガスのプラズマを用いて基板の膜が側壁面を提供するようにエッチングされてもよい。第2のプラズマ処理を実行する工程において、第1のプラズマ処理を実行する工程でエッチングされた膜の表面を、処理ガスのプラズマ又は別の処理ガスのプラズマを用いて変質させてもよい。第1のプラズマ処理を実行する工程と第2のプラズマ処理を実行する工程とが交互に繰り返されてもよい。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型プラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、チャンバ10を備えている。チャンバ10は、その中に内部空間10sを提供している。
チャンバ10は、チャンバ本体12を含んでいる。チャンバ本体12は、略円筒形状を有している。内部空間10sは、チャンバ本体12の内側に提供されている。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムから形成されている。チャンバ本体12の内壁面上には、耐腐食性を有する膜が設けられている。耐腐食性を有する膜は、酸化アルミニウム、酸化イットリウムといったセラミックから形成された膜であり得る。
チャンバ本体12の側壁には、通路12pが形成されている。基板Wは、内部空間10sとチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、通路12pを通過する。通路12pは、ゲートバルブ12gにより開閉可能となっている。ゲートバルブ12gは、チャンバ本体12の側壁に沿って設けられている。
チャンバ本体12の底部上には、支持部13が設けられている。支持部13は、絶縁材料から形成されている。支持部13は、略円筒形状を有している。支持部13は、内部空間10sの中で、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。支持部13は、基板支持台、即ち支持台14を支持している。支持台14は、内部空間10sの中に設けられている。支持台14は、チャンバ10内、即ち内部空間10sの中で、基板Wを支持するように構成されている。
支持台14は、下部電極18及び静電チャック20を有している。支持台14は、電極プレート16を更に有し得る。電極プレート16は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16上に設けられている。下部電極18は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16に電気的に接続されている。
静電チャック20は、下部電極18上に設けられている。静電チャック20の上面の上には、基板Wが載置される。静電チャック20は、本体及び電極を有する。静電チャック20の本体は、略円盤形状を有し、誘電体から形成されている。静電チャック20の電極は、膜状の電極であり、静電チャック20の本体内に設けられている。静電チャック20の電極は、スイッチ20sを介して直流電源20pに接続されている。静電チャック20の電極に直流電源20pからの電圧が印加されると、静電チャック20と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは、静電チャック20に引き付けられ、静電チャック20によって保持される。
支持台14は、フォーカスリングFRを支持している。フォーカスリングFRは、基板Wのエッジを囲むように、配置される。フォーカスリングFRは、基板Wに対するプラズマ処理の面内均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、限定されるものではないが、シリコン、炭化シリコン、又は石英から形成され得る。
下部電極18の内部には、流路18fが設けられている。流路18fには、チャンバ10の外部に設けられているチラーユニット22から配管22aを介して熱交換媒体(例えば冷媒)が供給される。流路18fに供給された熱交換媒体は、配管22bを介してチラーユニット22に戻される。プラズマ処理装置1では、静電チャック20上に載置された基板Wの温度が、熱交換媒体と下部電極18との熱交換により、調整される。
プラズマ処理装置1には、ガス供給ライン24が設けられている。ガス供給ライン24は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばHeガス)を、静電チャック20の上面と基板Wの裏面との間の間隙に供給する。
プラズマ処理装置1は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、支持台14の上方に設けられている。上部電極30は、部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持されている。部材32は、絶縁性を有する材料から形成されている。上部電極30と部材32は、チャンバ本体12の上部開口を閉じている。
上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34の下面は、内部空間10sの側の下面であり、内部空間10sを画成している。天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から形成され得る。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aは、天板34をその板厚方向に貫通している。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持する。支持体36は、アルミニウムといった導電性材料から形成される。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。支持体36には、複数のガス孔36bが形成されている。複数のガス孔36bは、ガス拡散室36aから下方に延びている。複数のガス孔36bは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通している。支持体36には、ガス導入口36cが形成されている。ガス導入口36cは、ガス拡散室36aに接続している。ガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43は、ガス供給部GSを構成している。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。バルブ群41及びバルブ群43の各々は、複数の開閉バルブを含んでいる。流量制御器群42は、複数の流量制御器を含んでいる。流量制御器群42の複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースの各々は、バルブ群41の対応の開閉バルブ、流量制御器群42の対応の流量制御器、及びバルブ群43の対応の開閉バルブを介して、ガス供給管38に接続されている。
プラズマ処理装置1では、チャンバ本体12の内壁面に沿って、シールド46が着脱自在に設けられている。シールド46は、支持部13の外周にも設けられている。シールド46は、チャンバ本体12にエッチング副生物が付着することを防止する。シールド46は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐腐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウムといったセラミックから形成された膜であり得る。
支持部13とチャンバ本体12の側壁との間には、バッフルプレート48が設けられている。バッフルプレート48は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐腐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウムといったセラミックから形成された膜であり得る。バッフルプレート48には、複数の貫通孔が形成されている。バッフルプレート48の下方、且つ、チャンバ本体12の底部には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁及びターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、発光分析器54を更に備え得る。発光分析器54は、チャンバ10の外側に設けられている。発光分析器54は、チャンバ10に設けられた光学的に透明な窓部材を介して、プラズマからの光を受ける。発光分析器54は、プラズマの一以上の波長の発光強度を取得する。後述する制御部80は、後述する種々の実施形態のプラズマ処理方法の工程を、発光分析器54によって取得された発光強度に基づいて終了させることができる。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、第1の高周波電源61を備えている。第1の高周波電源61は、第1の高周波電力、即ち高周波電力LFを出力するように構成されている。高周波電力LFは、バイアス高周波電力である。高周波電力LFは、主としてイオンを基板Wに引き込むことに適した周波数を有する。高周波電力LFの周波数は、例えば400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数である。一例では、高周波電力LFの周波数は、400kHzである。
第1の高周波電源61は、高周波電力LFを下部電極18に供給するように構成されている。第1の高周波電源61は、第1の整合器63及びローパスフィルタ65を介して下部電極18に電気的に接続されている。図2は、図1に示すプラズマ処理装置の二つの整合器を含む電源系の構成の一例を示す図である。図2に示すように、第1の整合器63は、第1の高周波電源61と第1の高周波電源61の負荷との間で接続されている。第1の整合器63は、整合回路63aを有している。第1の整合器63は、コントローラ63b及びセンサ63sを更に有している。
整合回路63aは、可変インピーダンスを有する。整合回路63aのインピーダンスは、第1の高周波電源61の負荷からの反射を低減させるように、設定される。例えば、整合回路63aのインピーダンスは、第1の高周波電源61の負荷側(下部電極側)のインピーダンスを、第1の高周波電源61の出力インピーダンスに整合させるように設定される。
一実施形態において、整合回路63aは、可変インピーダンスを提供するために、一以上の可変リアクタンス素子を有する。整合回路63aは、一以上の可変リアクタンス素子として、コンデンサ63c1及びコンデンサ63c2を有していてもよい。整合回路63aは、インダクタ63iを更に有していてもよい。コンデンサ63c1の一端は、ノード63nに接続されている。ノード63nは、第1の高周波電源61と下部電極18との間の電気的パスに設けられている。コンデンサ63c1の他端は、グランドに接続されている。コンデンサ63c2の一端は、ノード63nに接続されている。コンデンサ63c2の他端は、インダクタ63iを介して下部電極18に電気的に接続されている。
別の実施形態において、整合回路63aは、可変インピーダンスを提供するために、各々が固定インピーダンス素子とスイッチング素子を含む複数の直列回路を並列接続することにより構成されていてもよい。固定インピーダンス素子は、例えば固定容量コンデンサである。
コントローラ63bは、第1の高周波電源61の負荷からの反射を低減させるために、整合回路63aのインピーダンスを設定するように構成されている。コントローラ63bは、例えばプロセッサから構成される。
一実施形態では、コントローラ63bは、第1の高周波電源61の負荷側のインピーダンスZを取得するように構成されている。コントローラ63bは、取得したインピーダンスZと第1の高周波電源61の出力インピーダンスとの間の差を減少させるよう、整合回路63aのインピーダンスを設定する。別の実施形態では、コントローラ63bは、第1の高周波電源61の負荷からの反射波のパワーを取得するように構成されている。コントローラ63bは、取得した反射波のパワーを低減させるよう、整合回路63aのインピーダンスを設定する。
一実施形態において、コントローラ63bは、整合回路63aのインピーダンスを設定するために、整合回路63aの上述の一以上の可変リアクタンス素子の各々のリアクタンスを設定する。一例において、コンデンサ63c1及びコンデンサ63c2の各々は、機械式の可変容量コンデンサである。コンデンサ63c1の静電容量は、モータ63m1によって調整される。コンデンサ63c2の静電容量は、モータ63m2によって調整される。コントローラ63bは、コンデンサ63c1の静電容量及びコンデンサ63c1の静電容量を設定するために、モータ63m1及びモータ63m2を制御するように構成されている。別の実施形態において、コントローラ63bは、整合回路63aのインピーダンスを設定するために、整合回路63aの上述の複数の直列回路の各々のスイッチング素子の導通状態を設定する。
一実施形態において、センサ63sは、第1の高周波電源61と整合回路63aとの間の電気的パス上の電圧及び当該電気的パス上で流れる電流を測定するように構成されている。コントローラ63bは、センサ63sによって測定された電圧及び電流から、インピーダンスZを特定するように構成されている。
インピーダンスZは、例えばV/Iによって求められる。V、Iは、センサ63sによって取得された電圧、電流であってもよい。V、Iは、センサ63sによって取得された電圧の平均値、電流の平均値であってもよい。電圧の平均値及び電流の平均値の各々は、コントローラ63bとセンサ63sとの間に設けられたサンプルホールド回路によって生成されてもよい。或いは、電圧の平均値は、センサ63sによって取得された電圧に対してコントローラ63bが平均化処理を行うことで生成されてもよい。また、電流の平均値は、センサ63sによって取得された電流に対してコントローラ63bが平均化処理を行うことで生成されてもよい。なお、平均化されるべき電圧及び電流の各々がセンサ63sによって取得される期間の時間長は、所定の時間長であり得る。
別の実施形態において、センサ63sは、第1の高周波電源61の負荷からの反射波のパワーを反映するパラメータを求めるように構成されていてもよい。コントローラ63bは、センサ63sによって求められたパラメータに応じて、反射波のパワーを低減させるように、整合回路63aのインピーダンスを設定する。
プラズマ処理装置1は、第2の高周波電源62を更に備えている。第2の高周波電源62は、第2の高周波電力、即ち高周波電力HFを出力するように構成されている。高周波電力HFは、プラズマ生成用の高周波電力である。高周波電力HFの周波数は、高周波電力LFの周波数よりも高い。高周波電力HFの周波数は、例えば27MHz~100MHzの範囲内の周波数である。一例では、高周波電力HFの周波数は、40.68MHzである。
第2の高周波電源62は、第2の整合器64を介して下部電極18に電気的に接続されている。別の実施形態では、第2の高周波電源62は、第2の整合器64を介して上部電極30に電気的に接続されていてもよい。第2の整合器64は、整合回路64aを有している。第2の整合器64は、コントローラ64b及びセンサ64sを更に有している。コントローラ64bは、例えばプロセッサから構成される。
整合回路64aは、可変インピーダンスを有する。整合回路64aのインピーダンスは、第2の高周波電源62の負荷からの反射を低減させるように、設定される。例えば、整合回路64aのインピーダンスは、第2の高周波電源62の負荷側(下部電極側)のインピーダンスを、第2の高周波電源62の出力インピーダンスに整合させるように設定される。
一実施形態において、整合回路64aは、可変インピーダンスを提供するために、一以上の可変リアクタンス素子を有する。整合回路64aは、一以上の可変リアクタンス素子として、コンデンサ64c1及びコンデンサ64c2を有していてもよい。整合回路64aは、インダクタ64iを更に有していてもよい。コンデンサ64c1の一端は、ノード64nに接続されている。ノード64nは、第2の高周波電源62と下部電極18との間の電気的上に設けられている。コンデンサ64c1の他端は、グランドに接続されている。コンデンサ64c2の一端は、ノード64nに接続されている。コンデンサ64c2の他端は、インダクタ64iを介して下部電極18に電気的に接続されている。
別の実施形態において、整合回路64aは、可変インピーダンスを提供するために、各々が固定インピーダンス素子とスイッチング素子を含む複数の直列回路を並列接続することにより構成されていてもよい。固定インピーダンス素子は、例えば固定容量コンデンサである。
以下、図1及び図2と共に、図3を参照する。図3は、高周波電力LF、高周波電力HF、及び同期信号SSに関する一例のタイミングチャートである。コントローラ64bは、高周波電力LFの各周期PLF内の指定された部分期間P(図5参照)における第2の高周波電源62の負荷からの反射を低減させるために、整合回路64aのインピーダンスを設定するように構成されている。以下、各周期PLF内において一つの部分期間Pが設定される例について説明するが、各周期PLF内において二以上の部分期間Pが設定されていてもよい。
部分期間Pは、各周期PLF内の一部期間であれば、その開始時点及び時間長は限定されるものではない。部分期間Pの開始時点及び時間長は、後述する制御部80からの指定により、任意に設定可能である。
各周期PLFは、期間Pと期間Pを含む。期間Pは、第1の高周波電源61から出力される高周波電力HFの電圧が正極性を有する期間である。期間Pは、第1の高周波電源61から出力される高周波電力HFの電圧が負極性を有する期間である。一実施形態では、部分期間Pは、期間P内の期間である。別の実施形態では、部分期間Pは、期間P内の期間である。
一実施形態において、コントローラ64bは、同期信号SSを用いて、部分期間Pを特定する。一例において、同期信号SSは、図3に示すように、高周波電力LFの各周期PLFの開始時点において同期パルスを有する信号であり得る。同期信号SSは、第1の高周波電源61によって生成され、コントローラ64bに与えられてもよい。同期信号SSは、第1の高周波電源61とコントローラ64bとの間に設けられた同期信号生成器70によって生成されてもよい。同期信号生成器70は、高周波電力LFと同期された高周波信号を第1の高周波電源61から受けて、当該高周波信号から同期信号SSを生成するように構成されている。
図4は、図1に示すプラズマ処理装置の二つの整合器を含む電源系の構成の別の一例を示す図である。図4に示すように、同期信号SSは、別の同期信号生成器72によって生成されてもよい。同期信号生成器72によって生成された同期信号SSは、第1の高周波電源61及びコントローラ64bに与えられる。この例では、第1の高周波電源61は、同期信号生成器72によって生成された同期信号SSと同期するように、高周波電力LFを出力する。
コントローラ64bは、同期信号SS並びに制御部80から与えられる遅延時間及び時間長を用いて、部分期間Pを特定する。部分期間Pの開始時点は、同期信号SSの同期パルスのタイミングと制御部80から与えられる遅延時間から特定される。部分期間Pの時間長は、制御部80から与えられる時間長から特定される。
一実施形態では、コントローラ64bは、各周期PLF内の部分期間Pにおける第2の高周波電源62の負荷側のインピーダンスZを取得するように構成されている。コントローラ64bは、部分期間PにおけるインピーダンスZと第2の高周波電源62の出力インピーダンスとの間の差を減少させるよう、整合回路64aのインピーダンスを設定する。別の実施形態では、コントローラ64bは、第2の高周波電源62の負荷からの反射波のパワーを取得するように構成されている。コントローラ64bは、取得した反射波のパワーを低減させるよう、整合回路64aのインピーダンスを設定する。
一実施形態において、コントローラ64bは、整合回路64aのインピーダンスを設定するために、整合回路64aの上述の一以上の可変リアクタンス素子の各々のリアクタンスを設定する。一例において、コンデンサ64c1及びコンデンサ64c2の各々は、機械式の可変容量コンデンサである。コンデンサ64c1の静電容量は、モータ64m1によって調整される。コンデンサ64c2の静電容量は、モータ64m2によって調整される。コントローラ64bは、コンデンサ64c1の静電容量及びコンデンサ64c1の静電容量を設定するために、モータ64m1及びモータ64m2を制御するように構成されている。設定された整合回路64aの一以上の可変リアクタンス素子の各々のリアクタンスは、当該一以上の可変リアクタンス素子の各々のリアクタンスが設定された後の一以上の周期PLF内において、部分期間Pに加えて部分期間P以外の期間でも維持され得る。
別の実施形態において、コントローラ64bは、整合回路64aのインピーダンスを設定するために、整合回路64aの上述の複数の直列回路の各々のスイッチング素子の導通状態を設定する。設定された複数の直列回路の各々のスイッチング素子の導通状態は、複数の直列回路の各々のスイッチング素子の導通状態は、それが設定された後の一以上の周期PLF内において、部分期間Pに加えて部分期間P以外の期間においても維持され得る。
一実施形態において、センサ64sは、第2の高周波電源62と整合回路64aとの間の電気的パス上の電圧及び当該電気的パス上で流れる電流を測定するように構成されている。コントローラ64bは、部分期間Pにおいてセンサ64sによって測定された電圧及び電流からインピーダンスZを特定するように構成されている。
インピーダンスZは、例えばV/Iによって求められる。V、Iは、部分期間Pにおいてセンサ64sによって取得された電圧、電流であってもよい。V、Iは、部分期間Pにおいてセンサ64sによって取得された電圧の平均値、電流の平均値であってもよい。電圧の平均値及び電流の平均値の各々は、コントローラ64bとセンサ64sとの間に設けられたサンプルホールド回路によって生成されてもよい。或いは、電圧の平均値は、部分期間Pにおいてセンサ64sによって取得された電圧に対してコントローラ64bが平均化処理を行うことで生成されてもよい。また、電流の平均値は、部分期間Pにおいてセンサ64sによって取得された電流に対してコントローラ64bが平均化処理を行うことで生成されてもよい。或いは、V、Iは、過去の幾つかの部分期間Pにおいてセンサ64sによって取得された電圧の移動平均値、電流の移動平均値であってもよい。
別の実施形態において、センサ64sは、第2の高周波電源62の負荷からの反射波のパワーを反映するパラメータを求めるように構成されていてもよい。コントローラ64bは、センサ64sによって求められたパラメータに応じて、反射波を低減させるように、整合回路64aのインピーダンスを設定する。
プラズマ処理装置1は、制御部80を更に備え得る。制御部80は、プロセッサ、メモリといった記憶部、入力装置、表示装置、信号の入出力インターフェイス等を備えるコンピュータであり得る。制御部80は、プラズマ処理装置1の各部を制御する。制御部80では、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができる。また、制御部80では、表示装置により、プラズマ処理装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部80の記憶部には、制御プログラム及びレシピデータが格納されている。制御プログラムは、プラズマ処理装置1で各種処理を実行するために、制御部80のプロセッサによって実行される。制御部80のプロセッサが、制御プログラムを実行し、レシピデータに従ってプラズマ処理装置1の各部を制御することにより、後述する方法MT及び種々の実施形態のプラズマ処理方法がプラズマ処理装置1で実行される。
以下、図5を参照する。図5は、第1の高周波電力に基づく基板の電位及びプラズマの電位を示す一例のタイミングチャートである。第1の高周波電源61から出力される高周波電力LFの電圧が正極性を有する期間(期間P)内では、高周波電力LFに基づく基板Wの電位VLFは正極性の電位となる。期間Pでは、プラズマの電位Vは、電位VLFよりも若干高い。したがって、期間P内では、基板Wとプラズマとの間の電位差が小さく、シース(プラズマシース)が薄い。故に、期間Pでは、プラズマから基板Wに供給されるイオンのエネルギーは低い。
一方、第1の高周波電源61から出力される高周波電力LFの電圧が負極性を有する期間Pでは、高周波電力LFに基づく基板Wの電位VLFは負極性の電位となる。期間Pでは、プラズマの電位は低くなるものの正の極性を有する。したがって、期間Pでは、基板Wとプラズマとの間の電位差が大きく、シース(プラズマシース)が厚い。故に、期間Pでは、プラズマから基板に供給されるイオンのエネルギーは高い。
プラズマ処理装置1では、各周期PLF内の部分期間Pにおいて、高周波電力HFに対する反射が低減され、プラズマの生成効率が高くなる。一方、各周期PLF内の部分期間P以外の期間では、高周波電力HFに対する反射が増加し、プラズマの生成効率が低下する。故に、プラズマ処理装置1では、高周波電力LFの各周期PLF内における部分期間Pの指定により、所望のイオンエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて基板に供給される。また、所望のイオンエネルギーを有するイオンの効率的な生成を部分期間Pの指定により実現可能であるので、比較的低いコスト、且つ、比較的簡易な構成のプラズマ処理装置が提供される。
一実施形態においては、部分期間Pは、高周波電力LFの電圧が負の極性を有する期間P内の期間であってもよい。この実施形態によれば、高いエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて、基板Wに供給される。
一実施形態においては、部分期間Pは、高周波電力LFの電圧が正の極性を有する期間P内の期間であってもよい。この実施形態によれば、低いエネルギーを有するイオンが効率的に生成されて、基板に供給される。
なお、部分期間Pが高周波電力LFの電圧が負の極性を有する期間P内の期間である場合には、高周波電力HFに基づく電位が基板Wの電位において支配的となる。一方、部分期間Pが高周波電力LFの電圧が正の極性を有する期間P内の期間である場合には、高周波電力LFに基づく電位が基板Wの電位において支配的となる。基板Wの電位に対して支配的な影響を及ぼす高周波電力の周波数が高いほど、基板Wの中心における電位よりも基板Wのエッジにおける電位は小さくなる。したがって、基板Wの電位に対して支配的な影響を及ぼす高周波電力の周波数が高いほど、基板Wの処理速度(例えば、エッチングレート)の均一性は低くなる。上述したように、プラズマ処理装置1では、高周波電力LFの各周期PLF内で部分期間Pが指定可能ある。故に、プラズマ処理装置1によれば、高周波電力LFの各周期PLF内での部分期間Pの指定により、基板Wの処理速度の径方向における均一性もが調整され得る。
プラズマ処理装置1に関して上述した部分期間Pとイオンのエネルギーとの関係及び部分期間Pと基板Wの処理速度の径方向における均一性との関係の各々は、チャンバ10内で正性プラズマが生成される場合の関係である。正性プラズマとは、その中において負イオンに対して正イオンが支配的に存在するプラズマである。一方、チャンバ10内で負性プラズマが生成される場合には、部分期間Pとイオンのエネルギーとの関係及び部分期間Pと基板Wの処理速度の径方向における均一性との関係の各々は、正性プラズマが生成される場合について上述した関係とは逆の関係となる。なお、負性プラズマとは、その中において正イオンに対して負イオンが支配的に存在するプラズマである。
以下、図6を参照して、一つの例示的実施形態に係るインピーダンスの整合方法について説明する。図6は、一つの例示的実施形態に係るインピーダンスの整合方法を示す流れ図である。以下、プラズマ処理装置1が用いられる場合を例として、図6に示すインピーダンスの整合方法(以下、「方法MT」という)について説明する。
方法MTの実行中には、基板Wが支持台14(静電チャック20)上に載置される。方法MTの実行中には、ガスがプラズマ処理装置1のガス供給部GSからチャンバ10内に供給される。また、方法MTの実行中には、チャンバ10内の圧力が指定された圧力に排気装置50によって調整される。
方法MTの工程ST1では、下部電極18に、第1の高周波電源61から第1の整合器63を介して高周波電力LFが供給される。方法MTの工程ST2は、工程ST1の実行中に実行される。工程ST2では、第2の整合器64を介して第2の高周波電源62から高周波電力HFが供給される。
工程ST3では、高周波電力LFの各周期PLF内の部分期間Pにおける第2の高周波電源62の負荷からの反射を低減させるために、上述したように、整合回路64aのインピーダンスが設定される。工程ST1~工程ST3は、プラズマ処理が終了されるまで、継続して実行される。
以下、種々の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法について説明する。図7は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図8の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図8の(b)及び図8の(c)は、図7に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図7に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT1」という)は、工程ST11及び工程ST12を含む。工程ST11は、第1の期間において実行される。第1の期間の時間長は、高周波電力LFの一周期の時間長のm倍であり得る。mは自然数である。工程ST11では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST12は、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間に続く期間である。工程ST12では、第2のプラズマ処理が実行される。第2の期間の時間長は、高周波電力LFの一周期の時間長のn倍であり得る。nは自然数である。
工程ST11及び工程ST12では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST11及び工程ST12では、ガス供給部GSが、処理ガスを供給するために、制御部80によって制御される。工程ST11及び工程ST12では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。チャンバ10内の圧力は、例えば数mTorr~1000mTorrの範囲内の圧力に設定される。
工程ST11及び工程ST12の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST11及び工程ST12の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST11では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST11では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST12では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST12では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST11及び工程ST12では、チャンバ10内で処理ガスからプラズマが形成される。工程ST11では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。一方、工程ST12では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなる。
図8の(a)に示すように、方法MT1が適用され得る基板WAは、下地領域URA及び膜FAを有する。膜FAは、下地領域URA上に設けられている。基板WAは、マスクMKAを更に有し得る。マスクMKAは、膜FA上に設けられている。マスクMKAは、膜FAを部分的に露出させるようにパターニングされている。一例において、下地領域URAはシリコンから形成されており、膜FAは酸化シリコンから形成されており、マスクMKAは、フォトレジスト膜及び反射防止膜を含む多層構造を有する。マスクMKAの反射防止膜は、膜FA上に設けられている。マスクMKAの反射防止膜は、シリコンを含有する。マスクMKAのフォトレジスト膜は、マスクMKAの反射防止膜上に設けられている。マスクMKAは、アモルファスカーボン膜から形成されていてもよい。
方法MT1では、基板WAは、第1の期間及び第2の期間にわたって、チャンバ10内に配置される。基板WAは、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。工程ST11及び工程ST12で用いられる処理ガスは、Cガスといったフルオロカーボンガスを含み得る。工程ST11及び工程ST12で用いられる処理ガスは、Oガスといった酸素含有ガス及び/又はアルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
図8の(b)に示すように、工程ST11では、下地領域URAを露出させるように、プラズマからのイオンによって膜FAがエッチングされる。工程ST11は、発光分析器54によって取得される発光強度から膜FAのエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。例えば、発光分析器54によって取得されるCOの発光強度が所定値以下であると判定される場合に、工程ST11が終了される。或いは、工程ST11は、所定時間の経過後に終了される。工程ST11では、基板WAに対して高いエネルギーのイオンが供給されるので、膜FAは高速にエッチングされる。
続く工程ST12では、図8の(c)に示すように、膜FAのオーバーエッチングが行われる。工程ST12では、基板WAに対して低いエネルギーのイオンが供給されるので、下地領域URAの損傷を抑制しつつ、膜FAのオーバーエッチングを行うことができる。
次に、図9、図10の(a)、図10の(b)、図10の(c)、図10の(d)、及び図10の(e)を参照する。図9は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図10の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図10の(b)~図10の(e)は、図9に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図9に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT2」という)は、工程ST21及び工程ST22を含む。工程ST21は、方法MT1の工程ST11と同じく、第1の期間において実行される。工程ST21では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST22は、方法MT1の工程ST12と同じく、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間に続く期間である。工程ST22では、第2のプラズマ処理が実行される。
方法MT2は、工程ST23及び工程ST24を更に含み得る。工程ST23は、第3の期間において実行される。第3の期間は第2の期間に続く期間である。第3の期間の時間長は、高周波電力LFの一周期の時間長のp倍であり得る。pは自然数である。工程ST23では、第3のプラズマ処理が実行される。工程ST24は、第4の期間において実行される。第4の期間は第3の期間に続く期間である。第4の期間の時間長は、高周波電力LFの一周期の時間長のq倍であり得る。qは自然数である。工程ST24では、第4のプラズマ処理が実行される。
工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24では、ガス供給部GSが、処理ガスを供給するために、制御部80によって制御される。工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。チャンバ10内の圧力は、例えば数mTorr~1000mTorrの範囲内の圧力に設定される。
工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST21及び工程ST23の各々では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST21及び工程ST23の各々では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST22及び工程ST24の各々では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST22及び工程ST24の各々では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24の各々では、チャンバ10内で処理ガスからプラズマが形成される。工程ST21及び工程ST23の各々では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。一方、工程ST22及び工程ST24の各々では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなる。
図10の(a)に示すように、方法MT2が適用され得る基板WBは、第1の膜FB1、及び第2の膜FB2を有する。第1の膜FB1は、第2の膜FB2上に設けられている。基板WBは、下地領域URB、第3の膜FB3、及びマスクMKBを更に有し得る。第3の膜FB3は、下地領域URB上に設けられている。第2の膜FB2は、第3の膜FB3上に設けられている。マスクMKBは、第1の膜FB1上に設けられている。マスクMKBは、第1の膜FB1を部分的に露出させるようにパターニングされている。一例において、下地領域URBはシリコンから形成されている。第1の膜FB1及び第3の膜FB3は、酸化シリコンから形成されている。第2の膜FB2は、窒化シリコンから形成されている。マスクMKBは、フォトレジスト膜から形成されている。マスクMKBは、アモルファスカーボン膜から形成されていてもよい。
方法MT2では、基板WBは、第1の期間~第4の期間にわたって、チャンバ10内に配置される。基板WBは、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24で用いられる処理ガスは、Cガスといったフルオロカーボンガスを含み得る。工程ST21、工程ST22、工程ST23、及び工程ST24で用いられる処理ガスは、Oガスといった酸素含有ガス及び/又はアルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
図10の(b)に示すように、工程ST21では、プラズマからのイオンが第1の膜FB1に照射され、ケミカルイオンエッチングによって第2の膜FB2を露出させるように第1の膜FB1がエッチングされる。工程ST21は、発光分析器54によって取得される発光強度から第1の膜FB1のエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。例えば、工程ST21は、発光分析器54によって取得されるCOの発光強度が所定値以下であると判定される場合に、或いは、工程ST21は、発光分析器54によって取得されるCNの発光強度が別の所定値以上であると判定される場合に、終了される。或いは、工程ST21は、所定時間の経過後に終了される。
図10の(c)に示すように、工程ST22では、プラズマからのイオンが第2の膜FB2に照射され、ケミカルイオンエッチングによって第3の膜FB3を露出させるように第2の膜FB2がエッチングされる。工程ST22は、発光分析器54によって取得される発光強度から第2の膜FB2のエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。例えば、工程ST22は、発光分析器54によって取得されるCNの発光強度が所定値以下であると判定される場合に、或いは、工程ST22は、発光分析器54によって取得されるCOの発光強度が別の所定値以上であると判定される場合に、終了される。或いは、工程ST22は、所定時間の経過後に終了される。
図10の(d)に示すように、工程ST23では、プラズマからのイオンが第3の膜FB3に照射され、ケミカルイオンエッチングによって下地領域URBを露出させるように第3の膜FB3がエッチングされる。工程ST23は、発光分析器54によって取得される発光強度から第3の膜FB3のエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。例えば、工程ST23は、発光分析器54によって取得されるCOの発光強度が所定値以下であると判定される場合に、終了される。或いは、工程ST23は、所定時間の経過後に終了される。
続く工程ST24では、図10の(e)に示すように、第3の膜FB3のオーバーエッチングが行われる。工程ST24では、基板WBに対して低いエネルギーのイオンが供給されるので、下地領域URBの損傷を抑制しつつ、第3の膜FB3のオーバーエッチングを行うことができる。
この方法MT2によれば、そのエッチングに比較的高いエネルギーを要する膜を第1の膜FB1として有し、比較的低いエネルギーでエッチングされ得る膜を第2の膜FB2として有する多層膜のエッチングが可能となる。また、第2の膜FB2と下地領域URBとの間に、そのエッチングに比較的高いエネルギーを要する膜を第3の膜FB3として更に有する多層膜のエッチングが可能となる。
次に、図11、図12の(a)、及び図12の(b)を参照する。図11は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図12の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図12の(b)は、図11に示すプラズマ処理方法の工程ST31の実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図11に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT3」という)は、工程ST31及び工程ST32を含む。工程ST31は、方法MT1の工程ST11と同じく、第1の期間において実行される。工程ST31では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST32は、方法MT1の工程ST12と同じく、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間の後の又は第1の期間に続く期間である。工程ST32では、第2のプラズマ処理が実行される。
工程ST31及び工程ST32では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST31及び工程ST32では、ガス供給部GSが、処理ガスを供給するために、制御部80によって制御される。工程ST31及び工程ST32では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。
工程ST31及び工程ST32の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST31及び工程ST32の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST31では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST31では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST32では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST32では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST31及び工程ST32では、チャンバ10内で処理ガスからプラズマが形成される。工程ST31では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。一方、工程ST32では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなり、相対的にプラズマからチャンバ10の内壁面に向かうイオンのエネルギーが高くなる。
図12の(a)に示すように、方法MT3が適用され得る基板WCは、下地領域URC及び膜FCを有する。膜FCは、下地領域URC上に設けられている。基板WCは、マスクMKCを更に有し得る。マスクMKCは、膜FC上に設けられている。マスクMKCは、膜FCの表面を部分的に露出させるように、パターニングされている。一例において、下地領域URCはTaNから形成されており、膜FCは幾つかの磁性層を含む多層膜であり、マスクMKCは、酸化シリコンから形成されている。膜FCの多層膜は、例えばMRAM素子部を構成する多層膜であり、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)構造を含む。
方法MT3では、基板WCは、第1の期間において、チャンバ10内に配置される。基板WCは、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。工程ST31及び工程ST32で用いられる処理ガスは、Clガスとアルゴンガスといった希ガスを含む混合ガス、又は、COガスとNHガスを含む混合ガスであり得る。
図12の(b)に示すように、工程ST31では、プラズマからのイオンが膜FCに照射され、ケミカルイオンエッチング及び/又はスパッタリングによって下地領域URCを露出させるように膜FCがエッチングされる。工程ST31は、発光分析器54によって取得される発光強度から膜FCのエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。或いは、工程ST31は、所定時間の経過後に終了される。工程ST31では、基板WCに対して高いエネルギーのイオンが供給されるので、難エッチング材料から形成された膜FCのエッチングが可能となる。
方法MT3は、工程ST3aを更に含んでいてもよい。工程ST3aは、工程ST31と工程ST32との間で実行される。工程ST3aでは、基板WCがチャンバ10の内部空間10sから搬出される。したがって、工程ST32は、基板WCがチャンバ10内に配置されていない状態で実施され得る。方法MT3は、工程ST3bを更に含んでいてもよい。工程ST3bは、工程ST3aと工程ST32との間で実行される。工程ST3bでは、ダミー基板がチャンバ10内に搬入される。ダミー基板は、支持台14上に載置される。したがって、工程ST32は、ダミー基板が支持台14上に載置されている状態で実行されてもよい。
工程ST31では、チャンバ10の内壁面に堆積物が付着する。堆積物はエッチング副生成物であり得る。工程ST32では、チャンバ10の内壁面に付着した堆積物が、プラズマからのイオン及び/又はラジカルといった化学種によって除去される。工程ST32が実行される第2の期間においては、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが低くなり、相対的にプラズマからチャンバ10の内壁面に向かうイオンのエネルギーが高くなる。その結果、チャンバ10の内壁面に付着した堆積物が効率的に除去される。
次に、図13、図14の(a)、図14の(b)、図14の(c)、及び図14の(d)を参照する。図13は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図14の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図14の(b)~図14の(d)は、図13に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図13に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT4」という)は、工程ST41及び工程ST42を含む。工程ST41は、方法MT1の工程ST11と同じく、第1の期間において実行される。第1の期間は単一の周期PLFの時間長と同一の時間長を有する期間であってもよい。工程ST41では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST42は、方法MT1の工程ST12と同じく、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間に続く期間である。第2の期間は単一の周期PLFの時間長と同一の時間長を有する期間であってもよい。工程ST42では、第2のプラズマ処理が実行される。
工程ST41では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST42では、工程ST41で用いられる処理ガスと同じ処理ガス又は別の処理ガスが、チャンバ10内に、供給される。工程ST41及び工程ST42では、ガス供給部GSが制御部80によって制御される。工程ST41及び工程ST42では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。チャンバ10内の圧力は、例えば数mmTorr~1000mTorrの範囲内の圧力に設定される。
工程ST41及び工程ST42の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST41及び工程ST42の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST41では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST41では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST42では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST42では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST41及び工程ST42では、チャンバ10内でプラズマが形成される。工程ST41では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。一方、工程ST42では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなる。
方法MT4では、基板は、第1の期間及び第2の期間にわたって、チャンバ10内に配置される。基板は、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。方法MT4が適用され得る基板WDは、図14の(a)に示すように、下地領域URD及び膜FDを有する。膜FDは、下地領域URD上に設けられている。基板WDは、マスクMKDを更に有し得る。マスクMKDは、膜FD上に設けられている。マスクMKDは、膜FDの表面を部分的に露出させるように、パターニングされている。一例において、下地領域URDは酸化シリコンから形成されており、膜FDは有機膜又はシリコン酸化膜であり、マスクMKDはフォトレジスト膜及び反射防止膜を含む多層構造を有する。マスクMKDの反射防止膜は、膜FD上に設けられている。マスクMKDの反射防止膜は、シリコンを含有する。マスクMKDのフォトレジスト膜は、マスクMKDの反射防止膜上に設けられている。
工程ST41で用いられる処理ガスは、膜FDが有機膜である場合には、Oガスといった酸素含有ガスを含み得る。工程ST41で用いられる処理ガスは、膜FDが有機膜である場合には、アルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。工程ST41で用いられる処理ガスは、膜FDがシリコン酸化膜である場合には、Cガスといったフルオロカーボンガスを含み得る。工程ST41で用いられる処理ガスは、膜FDが有機膜又はシリコン酸化膜の何れであっても、Cガスといったフルオロカーボンガス、Oガスといった酸素含有ガス、及びアルゴンガスといった希ガスを含む混合ガスであってもよい。
工程ST42で用いられる処理ガスは、膜FDが有機膜又はシリコン酸化膜の何れであっても、Cガスといったフルオロカーボンガスを含み得る。工程ST42で用いられる処理ガスは、Oガスといった酸素含有ガス、及びアルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
工程ST41では、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高い。したがって、工程ST41では、プラズマからのイオンが膜FDに照射され、ケミカルイオンエッチングによって膜FDがエッチングされる。図14の(b)に示すように、工程ST41において、膜FDは、側壁面を提供するように、エッチングされる。工程ST42では、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低い。工程ST42では、図14の(c)に示すように、プラズマからの化学種が基板WDの表面上に堆積物DPの膜を形成する。堆積物DPの膜は、炭素及び/又はフルオロカーボンの化学種から形成される。
続く工程ST43では、停止条件が満たされるか否かが判定される。工程ST43において、停止条件は、工程ST41と工程ST42を含むシーケンスの実行回数が所定回数に達している場合に満たされていると判定される。或いは、工程ST43において、停止条件は、発光分析器54によって取得される所定波長の発光強度に基づいて判定されてもよく、工程ST41及び工程ST42を含むシーケンス又は当該シーケンスの繰り返しの実行時間長に基づいて判定されてもよい。工程ST43において停止条件が満たされていないと判定される場合には、工程ST41と工程ST42を含むシーケンスが再び実行される。工程ST41のエッチングは異方性を有する。したがって、工程ST41では、図14の(d)に示すように、基板WDの側壁面上で延在している堆積物DPは残される。一方、工程ST41では、基板Wの他の表面(水平面)上で延在している堆積物DPが除去されて、膜FDが更にエッチングされる。工程ST43において停止条件が満たされていると判定されると、方法MT4は終了する。
方法MT4では、工程ST41と工程ST42が交互に繰り返される。即ち、方法MT4では、堆積物DPの形成(工程ST42)と膜FDのエッチング(工程ST41)が交互に行われる。方法MT4によれば、膜FDのエッチングの実行中には、膜FDの側壁面が堆積物DPによって保護される。
次に、図15、図16の(a)、図16の(b)、図16の(c)、及び図16の(d)を参照する。図15は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図16の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図16の(b)~図16の(d)は、図15に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図15に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT5」という)は、工程ST51及び工程ST52を含む。工程ST51は、方法MT1の工程ST51と同じく、第1の期間において実行される。第1の期間は単一の周期PLFの時間長と同一の時間長を有する期間であってもよい。工程ST51では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST52は、方法MT1の工程ST12と同じく、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間に続く期間である。第2の期間は単一の周期PLFの時間長と同一の時間長を有する期間であってもよい。工程ST52では、第2のプラズマ処理が実行される。
工程ST51では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST52では、工程ST51で用いられる処理ガスと同じ処理ガス又は別の処理ガスが、チャンバ10内に、供給される。工程ST51及び工程ST52では、ガス供給部GSが制御部80によって制御される。工程ST51及び工程ST52では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。チャンバ10内の圧力は、例えば数mTorr~1000mTorrの範囲内の圧力に設定される。
工程ST51及び工程ST52の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST51及び工程ST52の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST51では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST51では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST52では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST52では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST51及び工程ST52では、チャンバ10内でプラズマが形成される。工程ST51では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。一方、工程ST52では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなる。
方法MT5では、基板は、第1の期間及び第2の期間にわたって、チャンバ10内に配置される。基板は、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。方法MT5が適用され得る基板WEは、図16の(a)に示すように、下地領域URE及び膜FEを有する。膜FEは、下地領域URE上に設けられている。基板WEは、マスクMKEを更に有し得る。マスクMKEは、膜FE上に設けられている。マスクMKEは、膜FEの表面を部分的に露出させるように、パターニングされている。一例において、下地領域UREは酸化シリコンから形成されており、膜FEは多結晶シリコンから形成されており、マスクMKEは酸化シリコンから形成されている。
工程ST51で用いられる処理ガスは、Clガス、HBrガス、SFガスといったハロゲン含有ガスを含み得る。工程ST51で用いられる処理ガスは、Oガスといった酸素含有ガスを更に含んでいてもよい。工程ST52で用いられる処理ガスは、工程ST51で用いられる処理ガスと異なる場合には、Oガスといった酸素含有ガスを含み得る。工程ST52で用いられる処理ガスは、アルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
工程ST51では、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高い。したがって、工程ST51では、プラズマからのイオンが膜FEに照射され、ケミカルイオンエッチングによって膜FEがエッチングされる。図16の(b)に示すように、工程ST51において、膜FEは、側壁面を提供するように、エッチングされる。工程ST52では、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低い。工程ST52では、図16の(c)に示すように、膜FEのエッチングが抑制され、膜FEの表面を含む領域が変質して、変質領域MRを形成する。例えば、変質領域MRは、膜FEの表面を含む領域におけるシリコンの酸化によって形成される。
続く工程ST53では、停止条件が満たされるか否かが判定される。工程ST53において、停止条件は、工程ST51と工程ST52を含むシーケンスの実行回数が所定回数に達している場合に満たされていると判定される。或いは、工程ST53において、停止条件は、発光分析器54によって取得される所定波長の発光強度に基づいて判定されてもよく、工程ST51及び工程ST52を含むシーケンス又は当該シーケンスの繰り返しの実行時間長に基づいて判定されてもよい。工程ST53において停止条件が満たされていないと判定される場合には、工程ST51と工程ST52を含むシーケンスが再び実行される。工程ST53において停止条件が満たされていると判定されると、方法MT5は終了する。
方法MT5では、工程ST51と工程ST52が交互に繰り返される。即ち、方法MT5によれば、膜FEの変質処理(工程ST52)と膜FEのエッチング(工程ST51)が交互に行われる。方法MT5では、膜FEの側壁面が変質しているので、図16の(d)に示すように、工程ST51における側壁面のエッチングが抑制される。
次に、図17、図18の(a)、図18の(b)、及び図18の(c)を参照する。図17は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。図18の(a)は、一例の基板の一部拡大断面図である。図18の(b)及び図18の(c)は、図17に示すプラズマ処理方法の複数の工程それぞれの実行後の状態における一例の基板の一部拡大断面図である。
図17に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT6」という)は、工程ST61及び工程ST62を含む。工程ST61は、方法MT1の工程ST11と同じく、第1の期間において実行される。工程ST61では、第1のプラズマ処理が実行される。工程ST62は、方法MT1の工程ST12と同じく、第2の期間において実行される。第2の期間は、第1の期間に続く期間である。工程ST62では、第2のプラズマ処理が実行される。
工程ST61及び工程ST62では、チャンバ10内に処理ガスが供給される。工程ST61及び工程ST62では、ガス供給部GSが、処理ガスを供給するために、制御部80によって制御される。工程ST61及び工程ST62では、排気装置50が、チャンバ10内の圧力を指定された圧力に設定するよう、制御部80によって制御される。チャンバ10内の圧力は、例えば数mTorr~1000mTorrの範囲内の圧力に設定される。
工程ST61及び工程ST62の各々では、工程ST1~工程ST3が実行される。工程ST61及び工程ST62の各々では、制御部80は、工程ST1~工程ST3を実行するよう、第1の高周波電源61、第2の高周波電源62、及び第2の整合器64を制御する。
工程ST61では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST61では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。工程ST62では、部分期間Pは、期間P内に設定される。工程ST62では、制御部80は、部分期間Pを期間P内に設定するよう、第2の整合器64を制御する。
工程ST61及び工程ST62では、チャンバ10内でプラズマが形成される。工程ST61では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的低くなる。一方、工程ST62では、部分期間Pが期間P内に設定されるので、プラズマから支持台14に向かうイオンのエネルギーが比較的高くなる。
図18の(a)に示すように、方法MT6が適用され得る基板WFは、第1の膜FF1及び第2の膜FF2を有する。第1の膜FF1は、第2の膜FF2上に設けられている。基板WFは、下地領域URF及びマスクMKFを更に有し得る。第2の膜FF2は、下地領域URF上に設けられている。マスクMKFは、第1の膜FF1上に設けられている。マスクMKFは、第1の膜FF1を部分的に露出させるように、パターニングされている。一例において、下地領域URFはシリコンから形成されている。第1の膜FF1は、シリコンを含有する反射防止膜である。第2の膜FF2は、酸化シリコンから形成されている。マスクMKFは、フォトレジスト膜から形成されている。
方法MT6では、基板WFは、第1の期間と第2の期間にわたって、チャンバ10内に配置される。基板WFは、チャンバ10内では、支持台14上に載置される。工程ST61及び工程ST62で用いられる処理ガスは、CFガスといったフルオロカーボンガスを含む。工程ST61及び工程ST62で用いられる処理ガスは、アルゴンガスといった希ガスを更に含んでいてもよい。
図18の(b)に示すように、工程ST61では、第2の膜FF2を露出させるように、プラズマからのイオンが第1の膜FF1に照射され、ケミカルイオンエッチングによって第1の膜FF1がエッチングされる。工程ST61は、発光分析器54によって取得される発光強度から第1の膜FF1のエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。或いは、工程ST61は、所定時間の経過後に終了される。
図18の(c)に示すように、工程ST62では、下地領域URFを露出させるように、プラズマからのイオンが第2の膜FF2に照射され、ケミカルイオンエッチングによって第2の膜FF2がエッチングされる。工程ST62は、発光分析器54によって取得される発光強度から第2の膜FF2のエッチング量が減少していると判断される場合に、終了される。例えば、発光分析器54によって取得されるCOの発光強度が所定値以下であると判定される場合に、工程ST62が終了される。或いは、工程ST62は、所定時間の経過後に終了される。
この方法MT6によれば、比較的低いエネルギーでエッチングされ得る膜を第1の膜FF1として有し、そのエッチングに比較的高いエネルギーを要する膜を第2の膜FF2として有する多層膜のエッチングが可能となる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、別の実施形態におけるプラズマ処理装置は、容量結合型以外の任意のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。そのようなプラズマ処理装置としては、誘導結合型のプラズマ処理装置及びマイクロ波といった表面波をプラズマの生成のために用いるプラズマ処理装置が例示される。このようなプラズマ処理装置でも、部分期間Pにおける第2の高周波電源62の負荷からの反射を低減させるために、整合回路64aのインピーダンスが設定される。例えば、部分期間PにおけるインピーダンスZと第2の高周波電源62の出力インピーダンスとの差を減少させるように整合回路64aの可変リアクタンス素子の可変リアクタンスが調整される。なお、誘導結合型のプラズマ処理装置では、第2の高周波電源62からの高周波電力HFが第2の整合器64を介して誘導結合アンテナに供給される。マイクロ波といった表面波をプラズマの生成のために用いるプラズマ処理装置では、第2の高周波電源62からの高周波電力HFは第2の整合器64を介して下部電極18に供給される。
また、プラズマ処理装置1は、図19に示すように、第1の高周波電源61に代えて電源61Aを備えていてもよい。図19は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図19に示すプラズマ処理装置1において、電源61Aは、下部電極18に電気的に接続されている。電源61Aは、パルス状の負の直流電圧BVを発生するように構成されている。
図20は、電源61Aの出力電圧VO、高周波電力HF、及び同期信号SSに関する一例のタイミングチャートである。図20に示すように、電源61Aの出力電圧VOは、周期的に発生されるパルス状の負の直流電圧BVを含む。即ち、電源61Aは、パルス状の負の直流電圧BVを周期的に下部電極18に印加するように構成されている。図20に示す例では、電源61Aは、周期PBVで周期的にパルス状の負の直流電圧BVを下部電極18に印加する。各周期PBVは、期間Pと期間Pを含む。各周期PBVにおいて、期間Pは期間Pの後の期間である。期間Pにおいて、電源61Aは、パルス状の負の直流電圧BVを下部電極18に印加する。期間Pにおいては、電源61Aの出力電圧VOは、0Vであり得る。なお、各周期PBVにおいて、期間Pは期間Pの前の期間であってもよい。
図19に示すプラズマ処理装置1においても、コントローラ64bは、同期信号SSを用いて部分期間Pを特定する。同期信号SSは、パルス状の負の直流電圧BVの各周期PBVの開始時点において同期パルスを有する信号であり得る。同期信号SSは、電源61Aによって生成されてもよい。或いは、同期信号SSは、同期信号生成器70によって生成されてもよい。同期信号生成器70は、パルス状の負の直流電圧BVと同期した信号を電源61Aから受けて、当該信号から同期信号SSを生成するように構成され得る。或いは、同期信号SSは、同期信号生成器72によって生成されてもよい。同期信号生成器72によって生成された同期信号SSは、電源61A及びコントローラ64bに与えられる。この例では、電源61Aは、同期信号生成器72によって生成された同期信号SSと同期するように、周期的にパルス状の負の直流電圧BVを出力する。
図19に示すプラズマ処理装置1においても、各周期PLF内において、一つ以上の部分期間Pが設定されてもよい。また、一つ以上の部分期間Pの各々は、各周期PLF内の一部期間であれば、その開始時点及び時間長は限定されるものではない。部分期間Pの開始時点及び時間長は、後述する制御部80からの指定により、任意に設定可能である。
また、部分期間Pは、期間P内の期間であってもよい。或いは、部分期間Pは、期間P内の期間であってもよい。
また、方法MT、方法MT1、方法MT2、方法MT3、方法MT4、方法MT5、及び方法MT6において用いられるプラズマ処理装置は、容量結合型とは別のタイプのプラズマ処理装置であってもよい。例えば、上述した誘導結合型のプラズマ処理装置、又は、マイクロ波といった表面波をプラズマの生成のために用いるプラズマ処理装置が、方法MT、方法MT1、方法MT2、方法MT3、方法MT4、方法MT5、及び方法MT6において用いられてもよい。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…プラズマ処理装置、10…チャンバ、14…支持台、18…下部電極、61…第1の高周波電源、62…第2の高周波電源、63…第1の整合器、64…第2の整合器、64a…整合回路、64b…コントローラ、PLF…周期、P…部分期間。

Claims (16)

  1. チャンバと、
    下部電極を有し、前記チャンバ内に設けられた基板支持台と、
    バイアス用の第1の高周波電力を前記下部電極に供給するように構成された第1の高周波電源と、
    前記第1の高周波電源と該第1の高周波電源の負荷との間で接続された第1の整合器と、
    プラズマ生成用の第2の高周波電力を供給するように構成された第2の高周波電源と、
    前記第2の高周波電源と該第2の高周波電源の負荷との間で接続された第2の整合器と、
    を備え、
    前記第2の整合器は、可変インピーダンスを有する整合回路及びコントローラを有し、
    前記コントローラは、前記第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における前記第2の高周波電源の前記負荷からの反射を低減させるために、前記整合回路のインピーダンスを設定するよう構成されている、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間である、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間である、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記整合回路と前記第2の高周波電源との間の電気経路における電圧及び電流を測定するように構成されたセンサを更に備え、
    前記コントローラは、前記センサによって取得される前記電圧及び前記電流から、前記部分期間内の前記第2の高周波電源の負荷側のインピーダンスを決定し、決定した該インピーダンスと前記第2の高周波電源の出力インピーダンスとの差を減少させるために、前記整合回路の前記インピーダンスを設定するように構成されている、
    請求項1~3の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記コントローラは、
    第1の期間において前記プラズマ処理装置のチャンバ内で第1のプラズマ処理を実行する工程と、
    前記第1の期間の後の又は該第1の期間に続く第2の期間において前記チャンバ内で第2のプラズマ処理を実行する工程と、
    を行うように構成されており、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程及び第2のプラズマ処理を実行する前記工程の各々は、
    前記下部電極に、前記第1の整合器を介して前記第1の高周波電源から前記第1の高周波電力を供給する工程と、
    前記第2の整合器を介して前記第2の高周波電源から前記第2の高周波電力を供給する工程と、
    前記第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における前記第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるために、前記第2の整合器の整合回路のインピーダンスを設定する工程と、
    を含み、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程及び第2のプラズマ処理を実行する前記工程のうち一方において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間であり、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程及び第2のプラズマ処理を実行する前記工程のうち他方において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間である、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  6. 第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間であり、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間である、
    請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間であり、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間である、
    請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第1の期間及び前記第2の期間にわたって、基板が前記チャンバ内に配置され、
    前記基板は、下地領域及び該下地領域上に設けられた膜を有し、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記下地領域を露出させるよう処理ガスのプラズマを用いて前記膜がエッチングされ、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記処理ガスのプラズマを用いて前記膜が更にエッチングされる、
    請求項5~7の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記第1の期間及び前記第2の期間にわたって、基板が前記チャンバ内に配置され、
    前記基板は、第1の膜及び第2の膜を有し、該第1の膜は前記第2の膜上に設けられており、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、処理ガスのプラズマを用いて前記第1の膜がエッチングされ、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、前記処理ガスのプラズマを用いて第2の膜がエッチングされる、
    請求項5~7の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記第1の期間において基板が前記チャンバ内に配置され、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、処理ガスのプラズマを用いて前記基板の膜がエッチングされ、
    前記第2の期間において前記基板は前記チャンバ内に配置されておらず、
    前記チャンバの内壁面に付着した堆積物が、第2のプラズマ処理を実行する前記工程において前記処理ガスのプラズマを用いて除去される、
    請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記第1の期間及び前記第2の期間にわたって、基板が前記チャンバ内に配置され、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、処理ガスのプラズマを用いて前記基板の膜が側壁面を提供するようにエッチングされ、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、第1のプラズマ処理を実行する前記工程でその前記膜がエッチングされた前記基板の表面上に、前記処理ガスのプラズマからの化学種又は別の処理ガスのプラズマからの化学種を含む堆積物が形成され、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程と第2のプラズマ処理を実行する前記工程とが交互に繰り返される、
    請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記第1の期間及び前記第2の期間にわたって、基板が前記チャンバ内に配置され、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程において、処理ガスのプラズマを用いて前記基板の膜が側壁面を提供するようにエッチングされ、
    第2のプラズマ処理を実行する前記工程において、第1のプラズマ処理を実行する前記工程でエッチングされた前記膜の表面を、前記処理ガスのプラズマ又は別の処理ガスのプラズマを用いて変質させ、
    第1のプラズマ処理を実行する前記工程と第2のプラズマ処理を実行する前記工程とが交互に繰り返される、
    請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  13. プラズマ処理装置において実行されるインピーダンスの整合方法であって、
    前記プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられた支持台の下部電極に、第1の整合器を介して第1の高周波電源からバイアス用の第1の高周波電力を供給する工程と、
    第2の整合器を介して第2の高周波電源からプラズマ生成用の第2の高周波電力を供給する工程と、
    前記第1の高周波電力の各周期内の指定された部分期間における前記第2の高周波電源の負荷からの反射を低減させるために、前記第2の整合器の整合回路のインピーダンスを設定する工程と、
    を含む、インピーダンスの整合方法。
  14. 前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が負の極性を有する期間内の期間である、請求項13に記載のインピーダンスの整合方法。
  15. 前記部分期間は、前記第1の高周波電源から出力される前記第1の高周波電力の電圧が正の極性を有する期間内の期間である、請求項13に記載のインピーダンスの整合方法。
  16. 前記部分期間内の前記第2の高周波電源の負荷側のインピーダンスが、センサによって取得される電圧及び電流であって、前記整合回路と前記第2の高周波電源との間の電気経路における該電圧及び該電流から決定され、
    決定した該インピーダンスと前記第2の高周波電源の出力インピーダンスとの差を減少させるために、前記整合回路の前記インピーダンスが設定される、
    請求項13~15の何れか一項に記載の整合方法。
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