JP7111118B2 - 地図生成用データ収集装置及び地図生成用データ収集方法 - Google Patents

Description

本発明は、地図を生成または更新するために用いられるデータを収集する地図生成用データ収集装置及び地図生成用データ収集方法に関する。

車両の自動運転システムが車両を自動運転制御するために参照する高精度な道路地図には、道路に関する情報を正確に表していることが求められる。そのような正確な道路地図を生成するために、地図生成の対象となる領域内の各所における、道路の形状、道路に表された道路標示といった道路上の地物、及び、道路標識などを表す情報を適宜収集する技術が提案されている（例えば、特許文献１及び２を参照）。

例えば、特許文献１に開示された技術では、路面を撮像した撮像画像から一旦停止の道路記号が検出された場合に、検出された道路記号が示す道路地図情報が車両の位置情報とともに道路地図記憶装置に記憶される。また、特許文献２に開示された技術では、ナビゲーション装置において、地図データに含まれ、かつ、移動の際の周辺に位置する地物に相当する地物情報と、移動の際に取得された地物情報との間に相違が有るか否かが判定され、相違があると判定された場合にその判定結果及び判定の対象となった地物情報がサーバ装置に送信される。そして地図データを更新するための更新データがナビゲーション装置に送信されてきたときのみ、その更新データを用いて地図データが更新される。

特開２００７－３５６８号公報 特開２０１４－２１５２０５号公報

上記の技術では、車両に搭載されたプロセッサにより、画像から地物を検出するといった演算が行われ、その演算結果に依存した処理が実行される。しかし、複雑な形状をした道路地物または交差点といった複雑な道路構造を表した画像に対して、車載のプロセッサが、道路地物または道路構造の検出に失敗し、あるいは、誤検出してしまい、その結果として、地図生成用のデータを適切に収集できないことがある。

そこで、本発明は、地図生成に適したデータを収集できる地図生成用データ収集装置を提供することを目的とする。

一つの実施形態によれば、地図生成用データ収集装置が提供される。この地図生成用データ収集装置は、複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間における、生成される地図に表される地物を表す収集対象データの種別を指定する種別指定情報を記憶する記憶部と、車両に対して、通信部を介して種別指定情報を通知する通知部と、複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間についての指定された種別の収集対象データの収集が完了するとその道路区間における収集対象データの収集を停止するよう、種別指定情報を更新する種別指定情報更新部とを有する。

この地図生成用データ収集装置において、車両は、その車両に搭載され、かつ、その車両の周囲の環境を撮影してその環境が表された画像を生成する撮像部を有し、収集対象データの種別には、画像に表された地物を特定する情報である第１の種別と、画像の一部である部分画像を含む第２の種別と、画像全体を含む第３の種別とが含まれることが好ましい。

またこの地図生成用データ収集装置において、記憶部は、種別指定情報が車両に通知された日時をさらに記憶し、通知部は、記憶部に記憶された、種別指定情報が車両に対して前回通知された日時から一定期間経過した後に限り、車両に対して種別指定情報を再通知することが好ましい。

さらに、この地図生成用データ収集装置において、種別指定情報は、複数の道路区間のそれぞれについて、収集対象データを収集中か否かを示す情報をさらに含み、通知部は、車両から通信部を介して受信した、車両の走行予定ルートが、複数の道路区間のうち、収集対象データを収集中の道路区間と少なくとも部分的に重なる場合に種別指定情報を通知することが好ましい。

本発明の他の形態によれば、地図生成用データ収集方法が提供される。この地図生成用データ収集方法は、車両に対して、通信部を介して、複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間おける、生成される地図に表される収集対象データの種別を指定する種別指定情報を通知し、複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間についての指定された種別の収集対象データの収集が完了するとその道路区間における収集対象データの収集を停止するよう、種別指定情報を更新する、ことを含む。

本発明に係る地図生成用データ収集装置は、地図生成に適したデータを収集できるという効果を奏する。

地図生成用データ収集装置が実装される地図生成用データ収集システムの概略構成図である。 地図生成用データ収集装置の一つの実施形態であるサーバのハードウェア構成図である。 種別指定情報の概要を説明する図である。 地図生成用データ収集処理に関する、サーバのプロセッサの機能ブロック図である。 地図生成用データ収集処理のうちの通知処理に関する動作フローチャートである。 地図生成用データ収集処理のうちの種別指定情報更新処理に関する動作フローチャートである。 車両の概略構成図である。 データ取得装置のハードウェア構成図である。 データ取得装置のプロセッサの機能ブロック図である。

以下、図を参照しつつ、地図生成用データ収集装置、及び、地図生成用データ収集装置にて実行される地図生成用データ収集方法について説明する。この地図生成用データ収集装置は、地図生成の対象となる領域に含まれる複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間について収集対象となる、生成または更新される地図（以下、道路地図と呼ぶこともある）に表される地物を表すデータ（以下、収集対象データまたは地図生成用データと呼ぶ）の種別を指定するとともに、データ収集中か否かを表す種別指定情報を記憶する。なお、生成される地図に表される地物は、例えば、道路そのもの、道路標示、または道路標識である。さらに、この地図生成用データ収集装置は、複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間について収集された、指定された種別の収集対象データの数（以下、カウント数と呼ぶ）を記憶する。そしてこの地図生成用データ収集装置は、車両から、収集対象データに表された地物の位置を表す位置情報とともに、その位置情報で表された位置を含む道路区間についての指定された種別の収集対象データを受信すると、その位置情報で表された道路区間についてのカウント数を更新する。さらに、この地図生成用データ収集装置は、その道路区間についての指定された種別の収集対象データの収集が完了するとその道路区間における収集対象データの収集を停止するよう、種別指定情報を更新する。これにより、この地図生成用データ収集装置は、道路区間ごとに、道路地図の生成または更新のために必要と考えられるデータの種別を指定できるので、道路地図の生成または更新に利用するのに適したデータを収集できるとともに、車両と地図生成用データ収集装置間の通信負荷が増大することを抑制できる。

図１は、地図生成用データ収集装置が実装される地図生成用データ収集システムの概略構成図である。本実施形態では、地図生成用データ収集システム１は、地図生成用データ収集装置の一例であるサーバ２と、少なくとも一つの車両３とを有する。車両３は、例えば、サーバ２が接続される通信ネットワーク４とゲートウェイ（図示せず）などを介して接続される無線基地局５にアクセスすることで、無線基地局５及び通信ネットワーク４を介してサーバ２と接続される。なお、図１では、一つの車両３のみが図示されているが、地図生成用データ収集システム１は複数の車両３を有してもよい。同様に、複数の無線基地局５が通信ネットワーク４に接続されていてもよい。

図２は、地図生成用データ収集装置の一例であるサーバ２のハードウェア構成図である。サーバ２は、通信インターフェース１１と、ストレージ装置１２と、メモリ１３と、プロセッサ１４とを有する。通信インターフェース１１、ストレージ装置１２及びメモリ１３は、プロセッサ１４と信号線を介して接続されている。サーバ２は、キーボード及びマウスといった入力装置と、液晶ディスプレイといった表示装置とをさらに有してもよい。

通信インターフェース１１は、通信部の一例であり、サーバ２を通信ネットワーク４に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信インターフェース１１は、車両３と、通信ネットワーク4及び無線基地局５を介して通信可能に構成される。すなわち、通信インターフェース１１は、プロセッサ１４から受け取った種別指定情報を含む通知信号などを、通信ネットワーク４及び無線基地局５を介して車両３へ送信する。また、通信インターフェース１１は、車両３から無線基地局５及び通信ネットワーク４を介して受信した、車両３の車両位置情報、収集対象データ及び位置情報などをプロセッサ１４へわたす。

ストレージ装置１２は、記憶部の一例であり、例えば、ハードディスク装置または光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。そしてストレージ装置１２は、地図生成または更新の対象となる領域に含まれる複数の道路区間のそれぞれについて、その道路区間について収集すべき収集対象データの種別を指定するとともに、データ収集中か否かを表す種別指定情報、各道路区間について指定された種別の収集対象データ、その収集対象データのカウント数、及び、目標となる、収集対象データの数（以下、目標データ数と呼ぶ）を記憶する。ストレージ装置１２は、車両３の識別情報及び車両３の走行予定ルートをさらに記憶してもよい。さらに、ストレージ装置１２は、プロセッサ１４上で実行される、地図生成用データ収集処理を実行するためのコンピュータプログラムを記憶してもよい。さらにまた、ストレージ装置１２は、収集対象データに基づいて更新される道路地図を記憶してもよい。

図３は、種別指定情報の概要を説明する図である。本実施形態では、種別指定情報３００には、収集対象データが収集される領域が表され、その領域がメッシュ状に複数の区画に区分される。そして個々の区画ごとに、すなわち、個々の区画に含まれる道路区間ごとに、収集対象データの種別が指定される。収集対象データの種別には、例えば、車両３に搭載されたカメラにより得られる車両３の周囲の環境が表された画像に写った、道路地図に表される地物（例えば、道路区画線といった道路標示、道路標識など）を特定する地物情報（第１の種別の一例）、その画像から、道路の路面が表された部分を含むように切り出される部分画像（第２の種別の一例）、及び、画像そのもの（第３の種別の一例、以下、全体画像と呼ぶことがある）が含まれる。例えば、種別指定情報３００に対して、区画ごとに、その区画について収集対象データの種別を表す種別指定フラグが関連付けられる。例えば、収集対象データが全体画像である場合、種別指定フラグの値は'001'となり、収集対象データが部分画像である場合、種別指定フラグの値は'010'となり、収集対象データが地物情報である場合、種別指定フラグの値は'100'であるとする。この場合において、種別指定情報３００に示される区画３０１では、種別指定フラグの値が'100'であるため、区画３０１について指定される収集対象データの種別は地物情報である。また、区画３０２では、種別指定フラグの値が'001'であるため、区画３０２について指定される収集対象データの種別は全体画像である。さらに、区画３０３では、種別指定フラグの値が'010'であるため、区画３０３について指定される収集対象データの種別は部分画像である。

収集対象データの種別は、例えば、オペレータが入力装置（図示せず）を介して区画ごとに指定することで区画ごとに設定される。その際、例えば、五差路のような特殊な形状の交差点といった、複雑な道路形状をしている道路区間が含まれる区画については、収集対象データの種別として、全体画像が指定される。一方、上記のような複雑な形状の道路区間が含まれない区画については、収集対象データの種別として、地物情報が指定される。また、路面といった、道路上の特定の部分の情報が求められる区画については、収集対象データの種別として、部分画像が指定されてもよい。

なお、一つの区画に、収集対象データの種別として、複数の種別が設定されてもよい。例えば、ある区画について、収集対象データの種別として、部分画像と地物情報とが設定されてもよい。また、同じ道路に対して、進行方向ごとに異なる種別が設定されてもよい。例えば、ある区画に東西方向に延伸される道路が含まれている場合、その道路を東へ向けて進行する車両３に対して、収集対象データの種別として部分画像が設定され、一方、その道路を西へ向けて進行する車両３に対して、収集対象データの種別として地物情報が設定されてもよい。さらに、ある区画に含まれる道路が複数の車線を有する場合、車線ごとに異なる種別が設定されてもよい。

また、個々の区画のサイズは同一でもよく、あるいは、互いに異なるサイズの区画が含まれてもよい。例えば、道路の密度が低い区画は相対的に大きく設定され、逆に、道路の密度が高い区画は相対的に小さく設定されてもよい。また、個々の区画の形状は矩形に限られない。例えば、個々の区画は、三角形状あるいは六角形状を有してもよい。さらに、種別指定情報で表される領域には、サイズの異なる複数の区画が設定されてもよい。例えば、地図生成用データの収集対象となる領域が、相対的に大きな複数の区画（以下、便宜上、大区画と呼ぶ）に分割され、個々の大区画は、それぞれ、相対的に小さい複数の区画（以下、便宜上、小区画と呼ぶ）に分割されてもよい。この場合、大区画ごと、あるいは、小区画ごとに、収集対象データの種別が設定されればよい。なお、収取対象データのカウント数は、例えば、小区画ごとに設けられればよい。

また、個々の区画には、データ収集中か否かを表す収集判定フラグが関連付けられてもよい。すなわち、ある区画について収集判定フラグがデータ収集中であることを表す値（例えば、'1'）となっている場合、種別指定情報は、その区画について指定された種別の収集対象データを収集中であることを表す。一方、ある区画について、収集判定フラグがデータ収集停止中であることを表す値（例えば、'0'）となっている場合、種別指定情報は、その区画について収集対象データを収集していないことを表す。なお、収集判定フラグは、各区画について、収集対象データの種別ごとに設けられてもよい。さらに、種別指定フラグが収集判定フラグとしての役割を有するように構成されてもよい。この場合には、種別指定フラグは、収集対象データの種別ごとに、一つのビットを有し、各ビットが、対応する種別について、データ収集中か否かで異なる値に設定されればよい。

メモリ１３は、記憶部の他の一例であり、例えば、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ１３は、地図生成用データ収集処理を実行中に生成される各種データ及び車両３との通信により取得される各種データなどを一時的に記憶する。

プロセッサ１４は、制御部の一例であり、１個または複数個のＣＰＵ(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ１４は、論理演算ユニットあるいは数値演算ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。そしてプロセッサ１４は、地図生成用データ収集処理を実行する。

図４は、地図生成用データ収集処理に関連するプロセッサ１４の機能ブロック図である。プロセッサ１４は、通知部２１と、種別指定情報更新部２２とを有する。プロセッサ１４が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ１４上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ１４が有するこれらの各部は、プロセッサ１４に設けられる、専用の演算回路であってもよい。

通知部２１は、地図生成用データを収集すべき道路区間、及び、収集対象データの種別を車両３に通知するために、車両３に対して、通信インターフェース１１、通信ネットワーク４及び無線基地局５を介して種別指定情報を通知する。

本実施形態では、サーバ２が、車両３から、車両３の現在位置を表す車両位置情報を無線基地局５及び通信ネットワーク４を介して受信すると、通知部２１は、その車両位置情報に示される車両３の現在位置と種別指定情報とを比較する。なお、後述するように、車両位置情報は、例えば、車両３のイグニッションスイッチがオンとなったときに車両３からサーバ２へ送信される。そして通知部２１は、車両３の現在位置が、データ収集中である区画（例えば、対応する収集判定フラグがデータ収集中であることを表す値となっている区画）に含まれる場合、車両３に対して種別指定情報を通知すると判定する。なお、通知部２１は、車両３の現在位置が、データ収集中である区画に隣接する区画に含まれる場合にも、車両３に対して種別指定情報を通知してもよい。また、上記のように、種別指定情報において複数のサイズの区画が設定されていることがある。このような場合、通知部２１は、データ収集中である小区画を一つ以上含む大区画に、車両３の現在位置が含まれると、車両３に対して種別指定情報を通知すると判定してもよい。通知部２１は、車両３に対して種別指定情報を通知すると判定すると、種別指定情報を含む通知信号を生成し、生成した通知信号を通信インターフェース１１、通信ネットワーク４及び無線基地局５を介して車両３へ送信する。

なお、種別指定情報は頻繁には変更されないことが想定される。これに対して、車両３の現在位置が通知される度に、サーバ２が車両３へ種別指定情報を送信すると、同じ内容の種別指定情報が何度もサーバ２から車両３へ通知されるおそれがある。そこで、通知部２１は、一旦種別指定情報を送信した車両３に対しては、前回の種別指定情報の送信から一定期間（例えば、1週間～数か月）が経過するまでは、種別指定情報を再送しないようにしてもよい。これにより、サーバ２と車両３間の通信負荷が軽減される。この場合には、通知部２１は、種別指定情報を含む通知信号を送信する度に、送信先の車両３の識別情報と種別指定情報の送信日時とを対応付けてストレージ装置１２に記憶する。そして通知部２１は、車両３から、車両位置情報またはルート情報を受信したときに、その車両位置情報またはルート情報に含まれる車両３の識別情報と、ストレージ装置１２に記憶されている、その識別情報に対応する種別指定情報の直前の送信日時を参照して、その直前の送信日時から一定期間が経過しているか否か判定する。そして一定期間が経過した場合に限り、通知部２１は、種別指定情報を再通知すると判定してもよい。

なお、サーバ２から車両３へ通知される種別指定情報は、サーバ２が記憶する種別指定情報そのものと完全に同一でなくてもよい。例えば、サーバ２から車両３へ通知される種別指定情報（以下、便宜上、簡易種別指定情報と呼ぶ）には、車両３の現在位置または走行予定ルートを含む区画及びその区画の周囲の区画（例えば、８近傍または２４近傍）についてのみ、収集対象データの種別を表す情報及びデータ収集中か否かを表す情報が含まれてもよい。これにより、サーバ２と車両３間の通信負荷が軽減される。

図５は、地図生成用データ収集処理のうち、通知処理に関する動作フローチャートである。サーバ２のプロセッサ１４は、車両３から車両位置情報を受信する度に、以下に示される動作フローチャートに従って通知処理を実行すればよい。

プロセッサ１４の通知部２１は、車両３の現在位置がデータ収集対象となる区画またはその近傍の区画内に含まれるか否か判定する（ステップＳ１０１）。車両３の現在位置がデータ収集対象となる区画またはその近傍の区画内に含まれる場合（ステップＳ１０１－Ｙｅｓ）、通知部２１は、車両３に対して種別指定情報を前回通知してからの経過時間が一定期間以上か否か判定する（ステップＳ１０２）。種別指定情報を前回通知してからの経過時間が一定期間以上である場合（ステップＳ１０２－Ｙｅｓ）、通知部２１は、車両３に対して、通信インターフェース１１、通信ネットワーク４及び無線基地局５を介して、種別指定情報を含む通知信号を送信する（ステップＳ１０３）。そして通知部２１は、通知処理を終了する。

一方、ステップＳ１０１にて、車両３の現在位置がデータ収集対象となる区画及びその近傍の区画の何れにも含まれない場合（ステップＳ１０１－Ｎｏ）、または、ステップＳ１０２にて、種別指定情報を前回通知してからの経過時間が一定期間未満である場合（ステップＳ１０２－Ｎｏ）、通知部２１は、車両３に種別指定情報を通知せず、通知処理を終了する。なお、ステップＳ１０１の処理とステップＳ１０２の処理の順序は入れ替えられてもよい。

変形例によれば、サーバ２が、車両３から走行予定ルートを含むルート情報を受信している場合には、その走行予定ルートと種別指定情報とを比較して、その車両３に対して種別指定情報を通知するか否かを判定してもよい。この場合、通知部２１は、例えば、走行予定ルートがデータ収集中である区画を通る場合、すなわち、走行予定ルートがデータ収集中である区画に含まれる道路区間と少なくとも部分的に重なる場合、車両３に対して種別指定情報を通知すると判定する。なお、進行方向ごとに異なる種別が指定される場合には、通知部２１は、走行予定ルートに沿った進行方向に関して、その走行予定ルートがデータ収集中である区画を通る場合に限り、車両３に対して種別指定情報を通知すると判定してもよい。

種別指定情報更新部２２は、車両３から、無線基地局５、通信ネットワーク４及び通信インターフェース１１を介して、収集対象データに表された地物の位置を表す位置情報とともに、その位置情報で表された位置を含む区画についての指定された種別の収集対象データを受信すると、その位置情報で表された位置を含む区画と関連付けて収集対象データをストレージ装置１２に記憶する。さらに、種別指定情報更新部２２は、その位置情報で表された位置を含む区画についての、受信した収集対象データの種別のカウント数を１増加させる。さらに、種別指定情報更新部２２は、その区画についての収集対象データの収集が完了すると、その区画における収集対象データの収集を停止するよう、種別指定情報を更新する。すなわち、種別指定情報更新部２２は、何れかの種別の収集対象データについて収集が完了した区画について、種別指定フラグの値を、データ収集が完了した種別が収集対象でないことを表す値に書き換える。また、種別指定フラグと別個に、収集判定フラグが設けられている場合、種別指定情報更新部２２は、何れかの種別の収集対象データについて収集が完了した区画について、収集判定フラグの値も、データ収集が完了した種別については収集対象でないことを表す値に書き換えればよい。

種別指定情報更新部２２は、例えば、受信した対象データの位置が含まれる区画について、更新されたカウント数が予め設定された目標データ数に達すると、データ収集が完了したと判定する。なお、目標データ数は、区画ごとに異なっていてもよい。また、複数の種別が収集対象となっている区画については、目標データ数は種別ごとに設定されてもよい。この場合、種別ごとの目標データ数は互いに異なっていてもよい。そして種別指定情報更新部２２は、サーバ２が新たな収集対象データを車両３から受信する度に、その収集対象データの位置が含まれる区画について、受信した収集対象データの種別の更新されたカウント数を、その区画における、受信した収集対象データの種別について設定された目標データ数と比較し、カウント値が目標データ数に達していれば、その種別について、データ収集が完了したと判定すればよい。

さらに、進行方向ごと、あるいは車線ごとに異なる種別が指定されている区画について、進行方向ごと、あるいは車線ごとに異なる目標データ数が設定されてもよい。この場合、車両３からサーバ２へ送信される位置情報に、収集対象データの取得時における、車両３の進行方向または車両３が走行している車線を表す情報が含められる。そして種別指定情報更新部２２は、位置情報が示す車両３の進行方向または車両３が走行している車線についての目標データ数を、カウント値との比較に利用すればよい。

あるいは、種別指定情報更新部２２は、複数の区画のそれぞれについて、データ収集が開始されてから、すなわち、その区画について種別指定フラグまたは収集判定フラグの値が、何れかの種別についてデータ収集の対象であることを表す値に書き換えられてから、所定の期間が経過すると、その区画についてデータの収集が完了したと判定してもよい。

図６は、地図生成用データ収集処理のうち、種別指定情報更新処理に関する動作フローチャートである。サーバ２のプロセッサ１４は、何れかの車両３から収集対象データを受信する度に、以下に示される動作フローチャートに従って種別指定情報更新処理を実行すればよい。

プロセッサ１４の種別指定情報更新部２２は、収集対象データとともに受信した位置情報で示された地物の位置が含まれる区画を特定する（ステップＳ２０１）。そして種別指定情報更新部２２は、特定した区画について、受信した収集対象データの種別のカウント数を１増加させる（ステップＳ２０２）。また種別指定情報更新部２２は、特定した区画について、データの収集が完了したか否か判定する（ステップＳ２０３）。データの収集が完了した場合（ステップＳ２０３－Ｙｅｓ）、種別指定情報更新部２２は、その区画についてデータ収集を停止するよう種別指定情報を更新する（ステップＳ２０４）。そして種別指定情報更新部２２は、種別指定情報更新処理を終了する。一方、ステップＳ２０３にて、特定した区画についてデータの収集が継続中である場合（ステップＳ２０３－Ｎｏ）、種別指定情報更新部２２は、種別指定情報を更新せずに種別指定情報更新処理を終了する。

なお、何れかの区画についてデータ収集を停止するよう種別指定情報が更新された場合、通知部２１は、データ収集が停止される区画またはその近傍の区画に位置すると推定される車両３に対して、通信インターフェース１１、通信ネットワーク４及び無線基地局５を介して更新された種別指定情報を通知してもよい。この場合、通知部２１は、例えば、種別指定情報が更新されたタイミングの直前の所定期間内に、データ収集が停止される区画またはその近傍の区画に含まれる位置を示す位置情報をサーバ２へ送信した車両３が、データ収集が停止される区画またはその近傍の区画に位置する車両であると推定してもよい。

変形例によれば、種別指定情報更新部２２は、一旦データ収集が停止された区画について、前回のデータ収集の終了から一定期間が経過すると、自動的にデータ収集を再開するように種別指定情報を更新してもよい。あるいは、種別指定情報更新部２２は、オペレータにより指定された、データ収集の再開のための種別指定情報の更新時になると、データ収集が停止された区画について、データ収集を再開するように種別指定情報を更新してもよい。この場合、種別指定情報更新部２２は、前回のデータ収集が完了してからの経過時間（以下、休止期間と呼ぶ）に応じて、収集対象データの種別を決定してもよい。例えば、休止期間が第１の時間閾値よりも長い区画に対して、収集対象データの種別として、全体画像が指定されてもよい。また、休止期間が第１の時間閾値以下、かつ、第１の時間閾値よりも短い第２の時間閾値よりも長い区画に対して、収集対象データの種別として、部分画像が指定されてもよい。さらに、休止期間が第２の時間閾値以下の区画に対して、収集対象データの種別として、地物情報が指定されてもよい。この場合、例えば、ストレージ装置１２は、区画ごとに、データ収集が終了した日時を記憶する。そして種別指定情報更新部２２は、例えば、オペレータにより指示された、データ収集の再開のための種別指定情報の更新時において、区画ごとに、その更新時と前回のデータ収集の終了日時の差を休止期間として算出し、算出した休止期間を第１及び第２の時間閾値と比較することで、自動的に収集対象データの種別を決定すればよい。

さらに、種別指定情報更新部２２は、収集対象データの種別を、道路地図に含める情報（例えば、車線区画線などの道路標示、道路の形状または道路標識）について何らかの変化が検出されたか否かに応じて前回のデータ収集時の種別から変更してもよい。例えば、前回のデータ収集時に地物情報が指定された区画について、データ収集の再開後に収集された地物情報に表された地物の種類（例えば、実線の車線区画線、点線の車線区画線、一時停止線など）または位置と、更新対象となる道路地図に表された、あるいは、前回のデータ収集時に収集された収集対象データに表された、対応する地物の種類または位置とが異なっている場合、種別指定情報更新部２２は、その区画について指定される収集対象データの種別を、部分画像または全体画像に変更してもよい。この場合、種別指定情報更新部２２は、最新の収集対象データとともに受信した位置情報を参照して、その収集対象データに表された地物に対応する、道路地図上、あるいは、前回のデータ収集時に収集された過去の収集対象データに表された地物を特定する。その際、種別指定情報更新部２２は、位置情報で表された、最新の収集対象データに表された地物の位置から所定の範囲内に位置する道路地図上の地物を、対応する地物として特定すればよい。そして道路地図において、その所定の範囲内に地物が存在しなければ、種別指定情報更新部２２は、地物の位置が異なっていると判定すればよい。また、種別指定情報更新部２２は、最新の収集対象データに表された地物の種類と、道路地図上、あるいは、過去の収集対象データに表された対応する地物の種類との間で、互いに異なっているか否かを判定すればよい。

さらに、前回のデータ収集時に全体画像または部分画像が指定された区画について、データ収集の再開後に収集された全体画像または部分画像から検出された地物の位置または種類と、更新対象となる道路地図に表された、あるいは、前回のデータ収集時に収集された収集対象データに表された、対応する地物の種類または位置とが同じであることがある。この場合、種別指定情報更新部２２は、その区画について指定される収集対象データの種別を、地物情報に変更し、あるいは、データ収集を停止するように、種別指定情報を更新してもよい。この場合には、種別指定情報更新部２２は、データ収集の再開後に収集された全体画像または部分画像を、車両３のデータ取得装置に関して後述するように、全体画像または部分画像を識別器に入力することで、地物の種類及び位置を特定すればよい。そして種別指定情報更新部２２は、特定した地物の種類及び位置を、更新対象となる道路地図に表された、あるいは、前回のデータ収集時に収集された収集対象データに表された、対応する地物の種類及び位置と比較することで、それら地物の種類または位置が異なっているか否かを判定すればよい。

次に、車両３について説明する。上記のように、地図生成用データ収集システム１には、車両３が複数含まれてもよいが、地図生成用データ収集処理に関して各車両３は同じ構成を有し、かつ同じ処理を実行すればよいので、以下では、一つの車両３について説明する。

図７は、車両３の概略構成図である。車両３は、車両３の周囲を撮影するためのカメラ３１と、GPS受信機３２と、無線通信端末３３と、データ取得装置３４とを有する。カメラ３１、GPS受信機３２、無線通信端末３３及びデータ取得装置３４は、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワークを介して通信可能に接続される。また、車両３は、車両３の走行予定ルートを探索し、その走行予定ルートに従って車両３が走行するようナビゲートするナビゲーション装置（図示せず）をさらに有してもよい。

カメラ３１は、撮像部の一例であり、CCDあるいはC-MOSなど、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された２次元検出器と、その２次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する結像光学系を有する。そしてカメラ３１は、例えば、車両３の前方を向くように、例えば、車両３の車室内に取り付けられる。そしてカメラ３１は、所定の撮影周期（例えば1/30秒～1/10秒）ごとに車両３の前方領域を撮影し、その前方領域が写った画像を生成する。カメラ３１により得られた画像は、カラー画像であってもよく、あるいは、グレー画像であってもよい。なお、車両３には、撮影方向または焦点距離が異なる複数のカメラ３１が設けられてもよい。

カメラ３１は、画像を生成する度に、その生成した画像を、車内ネットワークを介してデータ取得装置３４へ出力する。

GPS受信機３２は、所定の周期ごとにGPS衛星からのGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両３の自己位置を測位する。そしてGPS受信機３２は、所定の周期ごとに、GPS信号に基づく車両３の自己位置の測位結果を表す測位情報を、車内ネットワークを介してデータ取得装置３４へ出力する。なお、車両３はGPS受信機１１以外の衛星測位システムに準拠した受信機を有していてもよい。この場合、その受信機が車両３の自己位置を測位すればよい。

無線通信端末３３は、通信部の一例であり、所定の無線通信規格に準拠した無線通信処理を実行する機器であり、例えば、無線基地局５にアクセスすることで、無線基地局５及び通信ネットワーク４を介してサーバ２と接続される。そして無線通信端末３３は、サーバ２から受信した、種別指定情報を含むダウンリンクの無線信号を受信し、その種別指定情報をデータ取得装置３４へ出力する。また、無線通信端末３３は、データ取得装置３４から受け取った、車両３の自車位置を表す車両位置情報、または、指定された種別の収集対象データ及び収集対象データに表された地物の位置を表す位置情報などを含むアップリンクの無線信号を生成する。そして無線通信端末３３は、そのアップリンクの無線信号を無線基地局５へ送信することで、車両位置情報、収集対象データ及び位置情報などをサーバ２へ送信する。

図８は、データ取得装置のハードウェア構成図である。データ取得装置３４は、種別指定情報にて指定された種別の収集対象データをカメラ３１により生成された画像から取得する。そのために、データ取得装置３４は、通信インターフェース４１と、メモリ４２と、プロセッサ４３とを有する。

通信インターフェース４１は、車内通信部の一例であり、データ取得装置３４を車内ネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。すなわち、通信インターフェース４１は、車内ネットワークを介して、カメラ３１、GPS受信機３２及び無線通信端末３３と接続される。そして通信インターフェース４１は、カメラ３１から画像を受信する度に、受信した画像をプロセッサ４３へわたす。また、通信インターフェース４１は、GPS受信機３２から測位情報を受信する度に、受信した測位情報をプロセッサ４３へわたす。さらに、通信インターフェース４１は、無線通信端末３３から種別指定情報を含む通知信号といったサーバ２からの情報を受信する度に、その情報をプロセッサ４３へわたす。さらにまた、通信インターフェース４１は、プロセッサ４３から受け取った、車両位置情報、収集対象データ及び位置情報などを、車内ネットワークを介して無線通信端末３３へ出力する。

メモリ４２は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。メモリ４２は、ハードディスク装置といった他の記憶装置をさらに有してもよい。そしてメモリ４２は、データ取得装置３４のプロセッサ４３により実行される地図生成用データ収集に関連する処理において使用される各種のデータ、例えば、車両３の識別情報、カメラ３１の内部パラメータ、サーバ２から受信した種別指定情報、カメラ３１から受信した画像、画像から地物を検出するための識別器を特定するための各種パラメータ、及び、GPS受信機３２から受信した測位情報などを記憶する。さらに、メモリ４２は、プロセッサ４３で実行される各処理を実現するためのコンピュータプログラムなどを記憶してもよい。

プロセッサ４３は、１個または複数個のＣＰＵ(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ４３は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。そしてプロセッサ４３は、カメラ３１から受信した画像、GPS受信機３２から受信した測位情報、サーバ２から無線通信端末３３を介して受信した種別指定情報をメモリ４２に記憶する。さらに、プロセッサ４３は、車両３が走行している間、地図生成用データ収集に関連する処理を実行する。

図９は、データ取得装置３４のプロセッサ４３の機能ブロック図である。プロセッサ４３は、位置通知部５１と、収集判定部５２と、検出部５３と、収集用データ生成部５４とを有する。プロセッサ４３が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ４３上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ４３が有するこれらの各部は、プロセッサ４３に設けられる、専用の演算回路であってもよい。

位置通知部５１は、所定のタイミングにおいて車両３の現在位置をサーバ２へ通知する。例えば、位置通知部５１は、車両３の走行制御を実行する電子制御装置（図示せず）から、通信インターフェース４１を介して車両３のイグニッションスイッチがオンにされたことを示す信号を受信すると、GPS受信機３２から通信インターフェース４１を介して受信した測位情報に表される車両３の自車位置及び車両３の識別情報を含む車両位置情報を生成する。そして位置通知部５１は、車両位置情報を、通信インターフェース４１を介して無線通信端末３３へ出力することで、その車両位置情報を無線基地局５及び通信ネットワーク４を介してサーバ２へ送信する。なお、位置通知部５１は、車両３の自車位置とサーバ２から受信した種別指定情報とを参照して、車両３が、それまで位置していた区画から隣接する区画へ移動したか否かを判定してもよい。そして車両３が、隣接する区画へ移動した場合に、位置通知部５１は、車両位置情報を生成し、生成した車両位置情報をサーバ２へ送信してもよい。また、サーバ２が、走行予定ルートに基づいて、車両３に種別指定情報を通知するか否かを決定する場合には、位置通知部５１は、車両３のナビゲーション装置（図示せず）から通信インターフェース４１を介して受信した走行予定ルートと車両３の識別情報を含むルート情報を生成する。そして位置通知部５１は、車両位置情報のサーバ２への送信と同様に、生成したルート情報をサーバ２へ送信する。

収集判定部５２は、所定の周期（例えば、1秒～1分）ごとに、種別指定情報と車両３の自車位置とを参照して、自車位置が何れかの種別の収集対象データの収集が指定されている区画（以下、便宜上、指定区画と呼ぶ）に含まれているか否か判定する。そして自車位置が指定区画に含まれている場合、収集判定部５２は、指定区画について指定された種別の収集対象データを収集すると判定する。一方、自車位置が指定区画に含まれていない場合、収集判定部５２は、何れの種別の収集対象データも収集しないと判定する。なお、収集判定部５２は、車両３の進行方向、カメラ３１の撮影方向及び画角、及び、自車位置に基づいて、カメラ３１の撮影範囲内の所定点（例えば、撮影範囲の中心（すなわち、画像の中心）または画像上において路面が写ると想定される領域の重心に相当する路面上の位置）が指定区画に含まれるか否か判定してもよい。そして収集判定部５２は、その所定点が指定区画に含まれる場合に、指定区画について指定された種別の収集対象データを収集すると判定してもよい。

さらに、種別指定情報に、指定区画について、進行方向ごと、あるいは、車線ごとに収集対象データの種別が設定されている場合、収集判定部５２は、車両３の進行方向または車両３が走行中の車線及び種別指定情報に基づいて、収集すべき種別を特定すればよい。例えば、収集判定部５２は、直近に得られた複数の測位情報から求められる車両３の位置の変化に基づいて車両３の進行方向を推定できる。また、収集判定部５２は、画像と道路地図とを照合することで、車両３が走行中の車線を特定することができる。

収集判定部５２は、指定区画について指定された種別の収集対象データを収集すると判定した場合、その判定結果及び指定された種別を検出部５３及び収集用データ生成部５４へ通知する。

検出部５３は、収集対象データを収集すると判定され、かつ、指定区画について指定された収集対象データの種別が地物情報である場合、カメラ３１により生成された画像から、所定の地物を検出する。なお、所定の地物は、上記のように、道路地図に表される地物である。そして検出部５３は、画像上で検出された地物の種類及びその地物の位置を表す位置情報を生成する。

例えば、検出部５３は、画像を識別器に入力することで、入力された画像に表された地物を検出する。検出部５３は、そのような識別器として、例えば、入力された画像から、その画像に表された地物を検出するように予め学習されたディープニューラルネットワーク（ＤＮＮ）を用いることができる。検出部５３は、そのようなＤＮＮとして、例えば、Single Shot MultiBox Detector（ＳＳＤ）またはFaster R-CNNといった、コンボリューショナルニューラルネットワーク型のアーキテクチャを持つＤＮＮを用いることができる。この場合、検出部５３が画像を識別器に入力することで、その識別器は、入力された画像上の様々な領域において、検出対象となる地物の種類（例えば、車線区画線、横断歩道、一時停止線など）ごとに、その地物がその領域に表されている確からしさを表す確信度を算出し、何れかの種類の地物についての確信度が所定の検出閾値以上となる領域に、その種類の地物が表されていると判定する。そして識別器は、入力された画像上で検出対象となる地物が含まれる領域（例えば、検出対象となる地物の外接矩形、以下、物体領域と呼ぶ）を表す情報、及び、物体領域に表された地物の種類を表す情報を出力する。

あるいは、検出部５３は、ＤＮＮ以外の識別器を用いてもよい。例えば、検出部５３は、識別器として、画像上に設定されるウィンドウから算出される特徴量（例えば、Histograms of Oriented Gradients, ＨＯＧ）を入力として、そのウィンドウに検出対象となる地物が表される確信度を出力するように予め学習されたサポートベクトルマシン（ＳＶＭ）を用いてもよい。検出部５３は、画像上に設定するウィンドウの位置、サイズ及びアスペクト比を様々に変更しながら、そのウィンドウから特徴量を算出し、算出した特徴量をＳＶＭへ入力することで、そのウィンドウについて確信度を求める。そして検出部５３は、確信度が所定の検出閾値以上である場合、そのウィンドウを、検出対象となる地物が表された物体領域とする。

検出部５３は、画像から検出された物体領域の重心に対応する、カメラ３１からの方位、車両３の自車位置、進行方向及びカメラ３１の撮影方向及び画角といった内部パラメータに基づいて、その物体領域に表された地物の位置を推定する。そして検出部５３は、検出された地物の種類及び推定された位置を収集用データ生成部５４へ出力する。

収集用データ生成部５４は、収集判定部５２から通知された、指定区画について指定された種別の収集対象データ及びその収集対象データに表された地物の位置を表す位置情報を生成する。そして収集用データ生成部５４は、生成した収集対象データ及び位置情報を、車両３の識別情報とともに、通信インターフェース４１を介して無線通信端末３３へ出力することで、その車両３の識別情報、収集対象データ及び位置情報を、無線基地局５及び通信ネットワーク４を介してサーバ２へ送信する。

例えば、指定された種別が全体画像である場合、収集用データ生成部５４は、カメラ３１から得られた指定区画内の道路が表された画像を収集対象データとする。なお、カメラ３１が車両３の前方領域を撮影するように取り付けられている場合には、カメラ３１により得られた画像には、道路が表されていると推定される。また、指定された種別が部分画像である場合、収集用データ生成部５４は、カメラ３１から得られた指定区画内の道路が表された画像から、その画像内で路面が表されていると推定される範囲を切り出した部分画像を生成し、その部分画像を収集対象データとする。なお、画像上で路面が表されていると推定される範囲を表す情報は、メモリ４２に予め記憶されればよい。そして収集用データ生成部５４は、その範囲を表す情報を参照して、画像から切り出す範囲を特定すればよい。あるいはまた、指定された種別が地物情報である場合、収集用データ生成部５４は、検出部５３から受け取った、検出された地物の種類を含む地物情報を、収集対象データとして生成すればよい。

また、収集用データ生成部５４は、収集対象データの生成に用いられた画像の取得時の車両３の自車位置を、収集対象データに表された地物の位置として位置情報に含める。あるいは、収集用データ生成部５４は、収集対象データの種別が地物情報である場合、検出部５３から通知された、検出された地物の推定位置を位置情報に含めてもよい。あるいはまた、収集用データ生成部５４は、収集対象データの種別が全体画像または部分画像である場合、その全体画像または部分画像の中心に対応するカメラ３１からの方位、車両３の自車位置、進行方向及びカメラ３１の撮影方向及び画角といった内部パラメータに基づいて、その全体画像または部分画像の中心に対応する位置を推定し、推定した位置を、収集対象データに表された地物の位置として位置情報に含めてもよい。
種別指定情報に、指定区画について、進行方向ごと、あるいは、車線ごとに収集対象データの種別が設定されている場合、収集用データ生成部５４は、車両３の進行方向または車両３が走行する車線を表す情報を位置情報に含めてもよい。

以上に説明してきたように、この地図生成用データ収集装置は、道路区間ごとに、道路地図の生成または更新のために必要と考えられるデータの種別を指定できるので、道路地図の生成または更新に利用するのに適したデータを収集できるとともに、車両と地図生成用データ収集装置間の通信負荷が増大することを抑制できる。

以上のように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。

１ 地図生成用データ収集システム
２ サーバ
１１ 通信インターフェース
１２ ストレージ装置
１３ メモリ
１４ プロセッサ
２１ 通知部
２２ 種別指定情報更新部
３ 車両
３１ カメラ
３２ GPS受信機
３３ 無線通信端末
３４ データ取得装置
４１ 通信インターフェース
４２ メモリ
４３ プロセッサ
５１ 位置通知部
５２ 収集判定部
５３ 検出部
５４ 収集用データ生成部
４ 通信ネットワーク
５ 無線基地局

Claims (4)

1. 車両と通信可能な通信部と、
   複数の道路区間のそれぞれについて、当該道路区間における、生成または更新される地図に表される地物を表す収集対象データの種別を指定する種別指定情報を記憶する記憶部と、
   前記車両に対して、前記通信部を介して前記種別指定情報を通知する通知部と、
   前記複数の道路区間のそれぞれについて、当該道路区間についての指定された種別の前記収集対象データの収集が完了すると当該道路区間における前記収集対象データの収集を停止するよう、前記種別指定情報を更新する種別指定情報更新部と、
   を有し、
   前記車両は、当該車両に搭載され、かつ、当該車両の周囲の環境を撮影して当該環境が表された画像を生成する撮像部を有し、
   前記収集対象データの種別には、前記画像から検出された前記地物の種類を表す情報である第１の種別と、前記画像の一部である部分画像を含む第２の種別と、前記画像全体を含む第３の種別とが含まれる、
   地図生成用データ収集装置。
2. 前記記憶部は、前記種別指定情報が前記車両に通知された日時をさらに記憶し、
   前記通知部は、前記記憶部に記憶された、前記種別指定情報が前記車両に対して前回通知された日時から一定期間経過した後に限り、前記車両に対して前記種別指定情報を再通知する、請求項１に記載の地図生成用データ収集装置。
3. 前記種別指定情報は、前記複数の道路区間のそれぞれについて、前記収集対象データを収集中か否かを示す情報をさらに含み、
   前記通知部は、前記車両から前記通信部を介して受信した、前記車両の走行予定ルートが、前記複数の道路区間のうち、前記収集対象データを収集中の道路区間と少なくとも部分的に重なる場合に前記種別指定情報を通知する、請求項１または２に記載の地図生成用データ収集装置。
4. 車両に対して、通信部を介して、複数の道路区間のそれぞれについて、当該道路区間における、生成または更新される地図に表される地物を表す収集対象データの種別を指定する種別指定情報を通知し、
   前記複数の道路区間のそれぞれについて、当該道路区間についての指定された種別の前記収集対象データの収集が完了すると当該道路区間における前記収集対象データの収集を停止するよう、前記種別指定情報を更新する、
   ことを含み、
   前記車両は、当該車両に搭載され、かつ、当該車両の周囲の環境を撮影して当該環境が表された画像を生成する撮像部を有し、
   前記収集対象データの種別には、前記画像から検出された前記地物の種類を表す情報である第１の種別と、前記画像の一部である部分画像を含む第２の種別と、前記画像全体を含む第３の種別とが含まれる、
   地図生成用データ収集方法。

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