JP7191578B2 - 偏光子、偏光板、および、画像表示装置 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記バリア部は脱色部である。
1つの実施形態においては、上記切断部は上記染色部の周縁部の少なくとも一部に形成されている。
1つの実施形態においては、上記切断部は上記染色部の周縁部全体に形成されている。
1つの実施形態においては、上記切断部は上記染色部内に形成されている。
本発明の別の局面においては、偏光板が提供される。本発明の偏光板は上記偏光子を備える。
本発明のさらに別の局面においては、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は上記偏光板を備える。
本発明の偏光子は、染色部と、該染色部に形成された切断部と、該染色部と該切断部との間に形成されたバリア部とを有する。このバリア部の幅は1mm以上である。偏光子は、代表的には、樹脂フィルムを二色性物質で染色することにより、偏光特性が付与されている。すなわち、偏光子において、その機能を発揮する部分は二色性物質で染色された染色部である。また、この樹脂フィルムを構成する樹脂としては代表的にポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。偏光子の染色部に切断部が形成されている場合、切断端部からの水分の侵入により偏光特性が損なわれること(色抜け)が問題となり得る。本発明の偏光子は、染色部と該染色部に形成された切断部との間に形成されたバリア部とを有する。このバリア部は二色性物質で染色されていない、または、二色性物質の含有量が染色部に比べて格段に低い部分である。そのため、バリア部は染色部のような偏光機能を有さない。切断端部から侵入した水分はこのバリア部に吸収され得る。そのため、偏光子の機能を発揮する部分である染色部にまで水分が到達することを防止し得る。本発明の偏光子において、このバリア部の幅は1mm以上である。染色部と切断部との間に幅1mm以上のバリア部が形成されていることにより、切断端部から水分が侵入した場合であっても水分がバリア部で留まり、染色部に到達することを防止し得る。そのため、偏光子が色抜けし、偏光特性が損なわれることを防止し得る。このバリア部は脱色部であることが好ましい。バリア部が脱色部であることにより、偏光子の色に影響されることなく、様々な色彩を適用することが可能となる。そのため、より多様なデザインの画像表示装置の提供が可能となる。
本発明の偏光子は任意の適切な方法により製造することができる。本発明の偏光子の製造方法は、樹脂フィルムに偏光機能を付与する工程(染色部を形成する工程)、切断部を形成する工程、および、バリア部を形成する工程を含む。これらの工程は、任意の適切な順序で行うことができる。
任意の適切な方法により、樹脂フィルムに偏光機能を付与することができる。代表的には、樹脂フィルムに膨潤処理、延伸処理、ヨウ素等の二色性物質による染色処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等の各種処理を施すことにより偏光機能を付与することができる。なお、樹脂フィルムに偏光機能を付与する処理を施す際、樹脂フィルムは、基材上に形成された樹脂層であってもよい。基材と樹脂層との積層体は、例えば、上記樹脂フィルムの形成材料を含む塗布液を基材に塗布する方法、基材に樹脂フィルムを積層する方法等により得ることができる。
切断部は任意の適切な切断方法で樹脂フィルムを切断することにより形成することができる。切断方法としては、レーザー、カッター、トムソン刃およびピクナル刃等の打ち抜き刃等が挙げられる。
バリア部は任意の適切な方法により形成することができる。上記の通り、バリア部は非染色部または脱色部である。バリア部が非染色部である場合、例えば、バリア部に相当する部分を上記保護材で保護した状態で染色処理を施すことにより、バリア部を形成することができる。また、上記切断部を形成する工程により、バリア部を形成してもよい。具体的には、切断部およびバリア部に相当する部分を保護材で保護した状態で樹脂フィルムに染色処理等の偏光機能を付与するための各種処理を施し、該樹脂フィルムの保護材で保護された部分にバリア部となる部分を残すよう切断部を形成することにより、切断部の形成と同時にバリア部を形成することができる。
本発明の偏光子の製造方法は、上記偏光機能を付与する工程、切断部を形成する工程、および、バリア部を形成する工程以外に、任意の適切な他の処理工程をさらに含んでいてもよい。他の処理工程としては、塩基性溶液および/または酸性溶液の除去、ならびに、洗浄等が挙げられる。
本発明の偏光板は、上記偏光子を有する。本発明の偏光板は、代表的には、少なくともその片側に保護フィルムを積層させて使用される。保護フィルムの形成材料としては、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重体樹脂等が挙げられる。
本発明の画像表示装置は、上記偏光板を備える。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機ELデバイスが挙げられる。具体的には、液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの片側もしくは両側に配置された上記偏光子とを含む液晶パネルを備える。有機ELデバイスは、視認側に上記偏光子が配置された有機ELパネルを備える。上記の通り、本発明の偏光子は切断端部から水分が侵入した場合であっても、水分がバリア部で留まり、染色部に到達することを防止し得る。その結果、偏光子が色抜けし、偏光特性が損なわれることを防止し得る。また、切断部が形成されていても加湿耐久性に優れるため、より複雑な形状に加工した場合であっても、所望の偏光特性が維持され得る。また、バリア部が脱色部である場合、偏光子の色に影響されることなく様々な色彩を適用することができる。そのため、多様なデザインの画像表示装置を提供することができる。
基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)を用いた。基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.5重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
続いて、積層体のPVA系樹脂層表面に、PVA系樹脂水溶液(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー(登録商標)Z-200」、樹脂濃度:3重量%)を塗布して保護フィルム(厚み25μm)を貼り合わせ、これを60℃に維持したオーブンで5分間加熱した。その後、基材をPVA系樹脂層から剥離し、偏光板(偏光子(透過率42.3%、厚み5μm)/保護フィルム)を得た。
実施例1と同様にして幅10mmの脱色部を有する偏光子を得た。偏光子の脱色部(バリア部)の幅が1mmとなるよう、偏光板の四辺に形成された脱色部を裁断機で切断し、染色部と切断部(偏光子周縁部)との間に幅1mmの脱色部(バリア部)が形成された偏光子を得た。
バリア部の幅が0mmとなるよう切断(すなわち、脱色部を全て切断)した以外は実施例2と同様にして偏光子を得た。
実施例1と同様に脱色部にして幅10mmの脱色部を有する偏光子を得た。得られた偏光子の脱色部(バリア部)の幅が-1mm(すなわち、脱色部と染色部との境界部分から1mm染色部側の部分)を切断し偏光子を得た。
(加湿耐久性試験)
実施例および比較例で得られた偏光板を85℃、85%RHの条件下に置き、24時間後および48時間後に偏光子の短辺および長辺において色抜けの有無を光学顕微鏡で確認し、色抜け部分の長さを測定した。なお、色抜けした部分の長さの最も長い部分の長さを偏光子の色抜け部分の長さとした。
(グリセリン試験)
実施例および比較例で得られた偏光板の周縁部全体にグリセリンを塗布した。ついで、偏光板を65℃、90%RHの条件下に72時間置いた。次いで、偏光子の短辺および長辺において色抜けの有無を光学顕微鏡で確認し、色抜け部分の長さを測定した。なお、色抜けした部分の長さの最も長い部分の長さを偏光子の色抜け部分の長さとした。
11 切断部
12 染色部
13 バリア部
Claims (3)
- 二色性物質で染色された単一のポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成され、
該樹脂フィルムのうち二色性物質で染色された部分である染色部と、該樹脂フィルムの周縁部全体および該染色部内に形成された開口部の周縁部全体に形成されたバリア部と、を有し、
該バリア部は偏光機能を有さない脱色部であり、
該バリア部の幅が1mm以上である、
偏光子。 - 請求項1に記載の偏光子を備える、偏光板。
- 請求項2に記載の偏光板を備える、画像表示装置。
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