JP7175066B1 - 管内底蓋構造 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、底蓋と吊下部材の連結は、底蓋の上面に対して一面側からのみの溶接(しかも13mm等の吊下部材の径の円周分しか溶接できない。)であるので接合の強度が不足して、連結が解除(溶接箇所が分離)してしまい易いという問題点があった。なお、吊下部材の下端部が底蓋に沿うように、例えば長さ寸法が65mm、折り曲げられて溶接されるケースもあるが、それでも接合の強度が不足して、連結が解除(溶接箇所が分離)してしまい易いという事情は同様で、さらに折り曲げられ部分から折れて分離してしまうという問題点もあった。
そして、別の観点からは、吊下部材の下端は底蓋に溶接されているので、運搬の際の振動等により大きく振られ、それにつられて中間部の長尺の棒状部分が撓み、折れたり曲がったりしてしまうことがあり、それに耐えられる材質の強度を確保するためには、吊下部材の材質が限定され高コストにつながるという問題点もあった。
第一に、充填されたコンクリートの真ん中に鉄筋コンクリート用の補強鉄筋を通すときに広いスペースが確保できず、吊下部材と補強鉄筋が干渉(ぶつかって)しまい、十分な数の補強鉄筋をスムーズに通すことができない。第二に、吊下部材の長尺の棒状部分は底蓋に対して略垂直ではなく、相当程度に斜めになる位置関係となり(図11参照)、したがって吊下部材の下端面を底蓋に正確にぴったり接する角度に斜めにカットする(或いはぴったりの角度に折り曲げる)加工は困難であるし、角度が甘く底蓋と隙間が生じていれば溶接箇所はより外れやすくなってしまう。
管軸方向を上下方向に向けて設置されコンクリートが充填される管の内部に配置されて前記コンクリートを堰き止める底蓋と、
前記底蓋を前記管の内部の所定の高さに位置決めする4本の吊下部材と、
4個の第一の連結部材と、
4個の第二の連結部材と、
4個の緩み止め部材であって前記第一の連結部材の緩み止めとなる前記緩み止め部材と
を組み立てて完成形となる管内底蓋構造であって、
前記底蓋は、周縁部の四隅にそれぞれ穴部を備え、
前記吊下部材は、略棒状で上方が一部曲げられた形状をなし、前記管の上端縁に係止するための曲げ部と、下端部に所定の長さ寸法にネジ切りされたネジ部を備え、
それぞれの前記第一の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、前記底蓋の下面側に配置されたそれぞれの前記緩み止め部材であってそれぞれの前記ネジ部に嵌合された前記緩み止め部材を介して、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の前記下面側から固定し、
それぞれの前記第二の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の上面側から固定し、
それぞれの前記第一の連結部材およびそれぞれの前記第二の連結部材で挟持することにより前記底蓋にそれぞれの前記吊下部材が連結される。
また、必要な任意のタイミング・場所で各部品を組み立て可能で、現場の作業スペースを広く確保することは不要となり、さらに組立作業も容易で、例えば、現場作業員がスパナ一本で組み立て可能となる。
また、連結はネジと連結部材で実現するため、従来の一体型に形成するための溶接用の機械も電気も不要となり、さらに、溶接作業に熟練していない作業員でも組み立て作業を担当することができる。
また、連結はネジと連結部材で実現するため、従来のように溶接しないので底蓋や吊下部材の材質変化が無く、溶接の際の熱で部材が固くなって、根元から折れるリスクが無くなる。
また、従来のように溶接しないものの、底蓋の下面側は緩み止め部材(スプリングワッシャー等)と第一の連結部材(高ナット等)が連動しているため振動があっても緩んで外れにくい構造となっている。
また、底蓋の周縁部に穴部が設けられ、底蓋に垂直に吊下部材を位置させることができるので、吊下部材の下端面を略水平断面で容易確実に加工形成することができる。すなわち、従来は溶接が必要であり、底蓋の中央寄りの位置を溶接個所としていため、吊下部材の下端面を底蓋にぴったり接する角度に斜めにカットする加工が必要であったがその作業は困難であり、ぴったり接する角度でない場合は外れやすいという問題があった。また、従来は一体型とするために事前の溶接が必要であり、溶接箇所の余裕を作るために底蓋の中央寄りの位置を溶接個所としていたが、上記の本発明の構成によれば、連結はネジとナット構造で実現するため、連結箇所は底蓋の周縁ギリギリで実現することができる。そして、このように、連結箇所を底蓋の周縁ギリギリで実現可能なため、底蓋の中央付近は広くスペースが空くので、鉄筋コンクリート用の補強鉄筋等の設置作業の際などに干渉(ぶつかったり)しないのでスムーズな作業に貢献することができる。
また、連結はネジと第一の連結部材・第二の連結部材で底蓋を上下両面からがっちり挟みこむ構成であるので、強度が確保される。従来の溶接では、底蓋の上面の片面のみ(例えば、吊下部材の13mmの径の円周分しか溶接できない。)なので連結の強度が弱く外れるリスクがあった。
また、吊下部材の柄部が長いので、従来の溶接による一体型では、下端面が溶接で固定なので、運搬の際に振動等(大きく振られる)で柄部が撓むため、それに耐えることができなく柄部が折れたり曲がったりするリスクがあり、その対応策として吊下部材の材質の強度が必要となり、材質が限定され高コストとなっていたが、本発明では、各部品はバラバラであり運搬時に撓むことは考慮する必要が無く、そのための材質の強度は不要である。
また、上記のような各種の要因により、従来の溶接による一体型では、運搬時等において、溶接箇所等が分離・破損・折れたりして、現場で使いものにならなくなるリスクがあり、一定数の予備の製品を併せて製造・運搬する必要があり、労力・時間・費用がその分余計に発生するという根本的な問題もあった。
管軸方向を上下方向に向けて設置されコンクリートが充填される管の内部に配置されて前記コンクリートを堰き止める底蓋と、
前記底蓋を前記管の内部の所定の高さに位置決めする3本の吊下部材と、
3個の第一の連結部材と、
3個の第二の連結部材と、
3個の緩み止め部材であって前記第一の連結部材の緩み止めとなる前記緩み止め部材と
を組み立てて完成形となる管内底蓋構造であって、
前記底蓋は、周縁部の三隅にそれぞれ穴部を備え、
前記吊下部材は、略棒状で上方が一部曲げられた形状をなし、前記管の上端縁に係止するための曲げ部と、下端部に所定の長さ寸法にネジ切りされたネジ部を備え、
それぞれの前記第一の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、前記底蓋の下面側に配置されたそれぞれの前記緩み止め部材であってそれぞれの前記ネジ部に嵌合された前記緩み止め部材を介して、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の前記下面側から固定し、
それぞれの前記第二の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の上面側から固定し、
それぞれの前記第一の連結部材およびそれぞれの前記第二の連結部材で挟持することにより前記底蓋にそれぞれの前記吊下部材が連結される。
図1に、本発明の第一の実施の形態に係る管内底蓋構造の全体構成を示す。
まず、工場等で、底蓋1、吊下部材2、第一の連結部材3、第二の連結部材4および緩み止め部材5の各部品を用意する。
そして、工事現場等において、各部品を組み立てる。
なお、複数の補強鉄筋Hを管Kの内周に沿った位置等に配置することであってもよい(図4も参照)。
図5、図6および図7に、本実施の形態に係る管内底蓋構造の全体構成を示す。なお、上記の第一の実施の形態と基本的な構成は共通するので重複する説明は適宜省略する。
まず、工場等で、底蓋1´、吊下部材2´、第一の連結部材3、第二の連結部材4および緩み止め部材5の各部品を用意する。
そして、工事現場等において、各部品を組み立てる。
この際に、管Kの内部には、ずれ止めリングR(例えば、内側に9mm突出。)のずれ止めストッパーS(例えば、内側に50mm突出。)が三箇所に設けられているが、底蓋1´には、切欠部12が略等間隔に三箇所設けられているため、当該切欠部12をずれ止めストッパーSの凸部に対応する位置関係にして、落とし込むことで、ずれ止めストッパーSとぶつからないようかわすことが可能となっている。なお、ずれ止めリングRおよびずれ止めストッパーSのセットは上下2段に設けられることであってもよい。なお、ずれ止めリングRの位置固定完了後にずれ止めストッパーSは除去される場合もある。
なお、複数の補強鉄筋Hを管Kの内周に沿った位置等に配置することであってもよい(図9も参照)。
また、必要な任意のタイミング・場所で各部品を組み立て可能で、現場の作業スペースを広く確保することは不要となり、さらに組立作業も容易で、例えば、現場作業員がスパナ一本で組み立て可能となる。
また、連結はネジと連結部材で実現するため、従来の一体型に形成するための溶接用の機械も電気も不要となり、さらに、溶接作業に熟練していない作業員でも組み立て作業を担当することができる。
また、連結はネジと連結部材で実現するため、従来のように溶接しないので底蓋や吊下部材の材質変化が無く、溶接の際の熱で部材が固くなって、根元から折れるリスクが無くなる。
また、従来のように溶接しないものの、底蓋の下面側は緩み止め部材(スプリングワッシャー等)と第一の連結部材(高ナット等)が連動しているため振動があっても緩んで外れにくい構造となっている。
また、底蓋の周縁部に穴部が設けられ、底蓋に垂直に吊下部材を位置させることができるので、吊下部材の下端面を略水平断面で容易確実に加工形成することができる。すなわち、従来は溶接が必要であり、底蓋の中央寄りの位置を溶接個所としていため、吊下部材の下端面を底蓋にぴったり接する角度に斜めにカットする加工が必要であったがその作業は困難であり、ぴったり接する角度でない場合は外れやすいという問題があった。また、従来は一体型とするために事前の溶接が必要であり、溶接箇所の余裕を作るために底蓋の中央寄りの位置を溶接個所としていたが、上記の本発明の構成によれば、連結はネジとナット構造で実現するため、連結箇所は底蓋の周縁ギリギリで実現することができる。そして、このように、連結箇所を底蓋の周縁ギリギリで実現可能なため、底蓋の中央付近は広くスペースが空くので、鉄筋コンクリート用の補強鉄筋等の設置作業の際などに干渉(ぶつかったり)しないのでスムーズな作業に貢献することができる。
また、連結はネジと第一の連結部材・第二の連結部材で底蓋を上下両面からがっちり挟みこむ構成であるので、強度が確保される。従来の溶接では、底蓋の上面の片面のみ(例えば、吊下部材の13mmの径の円周分しか溶接できない。)なので連結の強度が弱く外れるリスクがあった。
また、吊下部材の柄部が長いので、従来の溶接による一体型では、下端面が溶接で固定なので、運搬の際に振動等(大きく振られる)で柄部が撓むため、それに耐えることができなく柄部が折れたり曲がったりするリスクがあり、その対応策として吊下部材の材質の強度が必要となり、材質が限定され高コストとなっていたが、本発明では、各部品はバラバラであり運搬時に撓むことは考慮する必要が無く、そのための材質の強度は不要である。
また、上記のような各種の要因により、従来の溶接による一体型では、運搬時等において、溶接箇所等が分離・破損・折れたりして、現場で使いものにならなくなるリスクがあり、一定数の予備の製品を併せて製造・運搬する必要があり、労力・時間・費用がその分余計に発生するという根本的な問題もあったが、そのような問題も生じないという顕著な効果を奏する。
上記の各実施の形態では、吊下部材2や吊下部材2´の本数は4本を前提として、底蓋1の穴部11や底蓋1´の穴部11´、第一の連結部材3、第二の連結部材4および緩み止め部材5の各部品の数を対応する4個としているが、その他の本数として吊下部材2や吊下部材2´の本数を3本として、底蓋1の穴部11や底蓋1´の穴部11´、第一の連結部材3、第二の連結部材4および緩み止め部材5の各部品の数を対応する3個とすることでもよい。
なお、同様に吊下部材2の本数を5本以上とすることも可能であるが、補強鉄筋Hとの干渉の問題が生じてくるので、それとの兼ね合いで、吊下部材2や吊下部材2´の本数は3本又は4本が好適ともいえる。
2、2´ 吊下部材
3 第一の連結部材
4 第二の連結部材
5 緩み止め部材
Claims (2)
- 管軸方向を上下方向に向けて設置されコンクリートが充填される管の内部に配置されて前記コンクリートを堰き止める底蓋と、
前記底蓋を前記管の内部の所定の高さに位置決めする4本の吊下部材と、
4個の第一の連結部材と、
4個の第二の連結部材と、
4個の緩み止め部材であって前記第一の連結部材の緩み止めとなる前記緩み止め部材と
を組み立てて完成形となる管内底蓋構造であって、
前記底蓋は、周縁部の四隅にそれぞれ穴部を備え、
前記吊下部材は、略棒状で上方が一部曲げられた形状をなし、前記管の上端縁に係止するための曲げ部と、下端部に所定の長さ寸法にネジ切りされたネジ部を備え、
それぞれの前記第一の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、前記底蓋の下面側に配置されたそれぞれの前記緩み止め部材であってそれぞれの前記ネジ部に嵌合された前記緩み止め部材を介して、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の前記下面側から固定し、
それぞれの前記第二の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の上面側から固定し、
それぞれの前記第一の連結部材およびそれぞれの前記第二の連結部材で挟持することにより前記底蓋にそれぞれの前記吊下部材が連結される
管内底蓋構造。 - 管軸方向を上下方向に向けて設置されコンクリートが充填される管の内部に配置されて前記コンクリートを堰き止める底蓋と、
前記底蓋を前記管の内部の所定の高さに位置決めする3本の吊下部材と、
3個の第一の連結部材と、
3個の第二の連結部材と、
3個の緩み止め部材であって前記第一の連結部材の緩み止めとなる前記緩み止め部材と
を組み立てて完成形となる管内底蓋構造であって、
前記底蓋は、周縁部の三隅にそれぞれ穴部を備え、
前記吊下部材は、略棒状で上方が一部曲げられた形状をなし、前記管の上端縁に係止するための曲げ部と、下端部に所定の長さ寸法にネジ切りされたネジ部を備え、
それぞれの前記第一の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、前記底蓋の下面側に配置されたそれぞれの前記緩み止め部材であってそれぞれの前記ネジ部に嵌合された前記緩み止め部材を介して、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の前記下面側から固定し、
それぞれの前記第二の連結部材はそれぞれの前記ネジ部に嵌合され、それぞれの前記吊下部材が前記底蓋に対して垂直となるように、それぞれの前記ネジ部がそれぞれの前記穴部に挿通されたそれぞれの前記吊下部材を前記底蓋の上面側から固定し、
それぞれの前記第一の連結部材およびそれぞれの前記第二の連結部材で挟持することにより前記底蓋にそれぞれの前記吊下部材が連結される
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