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JP7267805B2 - 組立架台 - Google Patents

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JP7267805B2 JP2019060702A JP2019060702A JP7267805B2 JP 7267805 B2 JP7267805 B2 JP 7267805B2 JP 2019060702 A JP2019060702 A JP 2019060702A JP 2019060702 A JP2019060702 A JP 2019060702A JP 7267805 B2 JP7267805 B2 JP 7267805B2
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Description

本開示は、内槽と外槽からなる二重殻タンクの構築時に内槽外周部を支える仮設の組立架台に関するものである。
一般的に、内槽と外槽とを有する二重殻タンクは、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体の貯蔵に用いられている。この種の二重殻タンクを構築するにあたっては、そのタンク構築に要する工期の短縮を図るために、金属製の内槽とコンクリート製の外槽とを同時に施工するようにしている。
より具体的には、外槽の側壁をある程度の高さまで組み上げた後、当該側壁に仮設サポートを介しジャッキアップ装置を据え付け、該ジャッキアップ装置により内槽屋根を段階的に上昇させながら該内槽屋根に内槽側板を最上段のものから順に継ぎ足していくようにしている。尚、前記内槽屋根の上昇工程中には、該内槽屋根上で外槽屋根を組み立てるようにしている。
尚、このような二重殻タンクにおける内槽と外槽の同時施工について技術開示した先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
特許5732527号 特許6106538号
しかしながら、従来においては、外槽底部の周方向複数箇所に仮設の組立架台として門型架台を設置し、その門型架台の上で、前記内槽屋根に内槽側板を最上段のものから順に継ぎ足して内槽を組み立てていくようにしているため、前記門型架台の支柱部分が邪魔になって該門型架台の下方に十分な作業スペースが確保できないという問題があった。
このため、前記内槽の最下段を除く部分が組み上がった後に、前記門型架台を撤去してから前記内槽の最下段を組み立てるようにしているので、前記内槽の最下段の内槽を除く部分が組み上がってから前記門型架台を撤去するまでの間が内槽構築のクリティカルパスとなり、このような施工手順が工期の短縮化を阻む一つの要因となっていた。
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、内槽の最下段を除く部分の組立作業と、該内槽の最下段の組立作業とを並行して行うことで、二重殻タンクの工期の短縮化を図り得る組立架台を提供することを目的としている。
本開示は、内槽と外槽からなる二重殻タンクの構築時に内槽外周部を支える仮設の組立架台であって、
前記外槽底部の周方向複数箇所における前記内槽の最下段よりも高い支持位置に前記組立架台として片持ち梁を備え、
該片持ち梁は、前記外槽の側壁を形成するコンクリートに埋設された埋金に固定されていることを特徴とするものである。
また、前記組立架台において、前記片持ち梁は、前記外槽内周に沿い高さ方向に延在する鉛直部を一体的に備えたL字型を成していても良い。
更に、前記組立架台において、前記片持ち梁は、前記外槽内周との隅部を斜材により補強されていても良い。
また、前記組立架台において、前記片持ち梁は、前記外槽内周との隅部をリブプレートにより補強されていても良い。
更に、前記組立架台において、前記片持ち梁は、該片持ち梁から立ち上がる吊部材を前記外槽内周の外槽側板に備えた掛止部に対し掛止されていても良い。
上記した本発明の組立架台によれば、内槽の最下段を除く部分の組立作業と、該内槽の最下段の組立作業とを並行して行うことで、工期の短縮化を図ることができる。
本開示の一実施例を示す断面図である。 ジャッキアップ装置によるジャッキアップ作業の説明図である。 図1の片持ち梁の固定構造の詳細を示す断面図である。 図1の鉛直部の固定構造の詳細を示す断面図である。 本開示の別の実施例を示す断面図である。 本開示の更に別の実施例を示す断面図である。 本開示の更に別の実施例を示す断面図である。
以下、本開示における本発明の実施例の形態を添付図面を参照して説明する。
図1~図4は本開示の組立架台の一実施例を示すものであるが、先ず図2に概要を示す如く、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)等の低温液体を貯蔵する二重殻タンク1を構築する場合には、工期の短縮を図ることを目的として金属製の内槽2とコンクリート製の外槽3とを同時に施工するようにしている。
即ち、ある程度の高さまで組み上げた外槽3の側壁4に仮設サポート5を介しジャッキアップ装置6を据え付け、該ジャッキアップ装置6により内槽屋根7を段階的に上昇させながら該内槽屋根7にナックルプレート8を介し内槽側板9を最上段のものから順に継ぎ足していくようにしている。
ここで、前記ジャッキアップ装置6による前記内槽屋根7の段階的な上昇は、外槽3の側壁4が組み上がるのに従い吊側のジャッキポイントを随時上方へ盛り替えつつジャッキアップを繰り返すことにより行われ、前記内槽屋根7が所定高さまでジャッキアップされたところで前記内槽側板9の継ぎ足しが行われることになる。
尚、前記ジャッキアップ装置6は、例えば、前記ナックルプレート8の湾曲外周面に取り付けた吊具10をジャッキアップロッド11を介し吊り上げ得るようにしたセンターホールジャッキとすることが可能である。
そして、このようにジャッキアップ装置6により内槽屋根7を段階的に上昇させながら内槽側板9を順に継ぎ足していくのに際し、本実施例にあっては、図1に示す如く、前記外槽3底部の周方向複数箇所における前記内槽2の最下段(図1中に符号9aで示す最下段の内槽側板の高さ範囲)よりも高い支持位置に、該内槽2の最下段を除く部分を組み立てるための組立架台として片持ち梁12を設置している。
ここで、前記片持ち梁12は、前記外槽3内周に沿い高さ方向下側に向かって延在する鉛直部14を一体的に備えたL字型を成しており、前記外槽3の側壁を形成するコンクリートに埋設された埋金15に対し前記片持ち梁12の基端部がボルト16により締結されるようになっている。
即ち、前記片持ち梁12と前記鉛直部14とは、その長手方向の終端に端面を持ち且つ別部品との締結を可能ならしめる多数のボルト穴を備えた溝形鋼で構成されており、前記片持ち梁12と前記鉛直部14との相互連結は、図示しないボルト締結又は溶接で行われている。
そして、図3に詳細を拡大して示す通り、前記埋金15は、前記外槽3の側壁4内周に配設されたベースプレート17と、該ベースプレート17の背面に連結されて前記側壁4のコンクリートに埋設されたアンカーボルト18とを備えて構成されており、前記ベースプレート17は、板状を成して前記側壁4の内周面に沿うように配置され、前記アンカーボルト18は、前記外槽3の側壁4の内周面に対し直角(水平)に埋め込まれている。
ここで、前記外槽3の側壁4を成すコンクリートの内周面には、鋼製ライナからなる外槽側板13が組み上げられていて、前記コンクリートの打設時に型枠を兼ねるようになっているが、前記ベースプレート17は、前記外槽側板13に形成した開口部Oから露出するように配置され且つ該開口部Oとの間を気密に溶接されている。
更に、前記ベースプレート17の背面に対するアンカーボルト18の連結は、該アンカーボルト18に螺着した状態で前記側壁4のコンクリートに埋設され且つ前記ベースプレート17の背面でボルト穴19に合致するよう溶接されて該ボルト穴19に連続する袋小路のねじ穴20を持つ雌ねじ部材21を介して行われている。
即ち、前記雌ねじ部材21は、その長手方向両端部に袋小路のねじ穴20及びねじ穴22を夫々有している。そして、一方のねじ穴20に、前記片持ち梁12の端面のボルト穴23を通したボルト16(締結具)が螺着され、該ボルト16を前記雌ねじ部材21に締結することで前記片持ち梁12が前記ベースプレート17に固定されるようになっている。尚、他方のねじ穴22には、前述したアンカーボルト18が螺着されることになる。
また、ここに図示している片持ち梁12は、前記外槽3内周に沿い高さ方向下側に向かって延在する鉛直部14を一体的に備えたL字型(図1参照)を成しており、内槽2の最下段を除く部分を組み立てる作業により上載荷重が加わっても、これに耐え得るように前記鉛直部14が補強部材として機能するようになっている。
この際、前記鉛直部14には、前記外槽3の側壁4に対し押し付け力が作用するだけなので、前記鉛直部14については、図4に詳細を示す通り、前記ベースプレート17側に形成したねじ穴24に対し前記鉛直部14のウェブのボルト穴25を通してボルト26を直接締め込むことで固定されるようにしてある。ただし、前記ベースプレート17側に形成したねじ穴24の背面にはキャップ27が溶接されていて、該キャップ27により前記ねじ穴24が気密に塞がれるようにしてある。
而して、このようにすれば、従来の門型架台を組立架台として採用していた場合と比較して、支柱部分が無くなることで片持ち梁12の下方に十分な作業スペースが確保されるので、前記片持ち梁12の上で前記内槽2の最下段を除く部分が組み上がるのを待たずに、この作業と並行して前記内槽2の最下段を組み立てることが可能となる。
より具体的には、タンク周方向で隣り合う内槽側板9同士を溶接して全体で円筒状になるように繋ぎ合わせ、その下端をアニュラー部A(図1参照)のアニュラープレートに隅肉溶接(図1中にwで示す)するといった組立作業が並行して行われる結果、従来よりも工期が大幅に短くなる。
従って、上記実施例によれば、内槽2の最下段を除く部分の組立作業と、該内槽2の最下段の組立作業とを並行して行うことで、二重殻タンクの工期の短縮化を図ることができる。
尚、図1中に二点鎖線で示す如く、外槽3内周に沿い高さ方向上側に向かって延在する鉛直部14’を一体的に片持ち梁12に備えて前述の例とは逆向きのL字型を成すようにしても良く、このような構成とすると、片持ち梁12に対し鉛直部14’が補強部材として機能する上、片持ち梁12下の作業スペースがより広くなるというメリットがある。
この場合、前記鉛直部14’には、前記外槽3の側壁4に対し引っ張り力が作用することになるので、該側壁4に対する前記鉛直部14’の固定については、前記片持ち梁12の基端部における固定方式と同様に、アンカーボルト等を用いた強固な抜け止め構造を採用しておくと良い。
図5は前述した図1~図4の実施例における鉛直部14に代えて、片持ち梁12と外槽3内周との隅部を斜材28により補強した別の実施例を示している。本実施例にあっては、片持ち梁12より上方に延ばしたベースプレート17上端のブラケット29と、前記片持ち梁12の基端部寄りの上面に設けたブラケット30との間を前記斜材28により斜めに連結して吊り支持するようにしている。
この場合、前記上側のブラケット29には、前記外槽3の側壁4に対し引っ張り力が作用することになるので、前記ベースプレート17上端の背面には、アンカーボルト32に螺着した状態で前記側壁4のコンクリートに埋設された雌ねじ部材31が溶接され、これにより強固な抜け止め構造が構成されるようになっており、前記上側のブラケット29が前記雌ねじ部材31に対しボルト16’で締結されるようにしてある。
このような構成とすると、片持ち梁12に対し斜材28が補強部材として機能する上、片持ち梁12下の作業スペースがより広くなるというメリットが得られ、しかも、前述した図1~図4の実施例における鉛直部14よりもコンパクトな補強構造となるので、片持ち梁12上の作業スペースへの影響も少なくなる。
ただし、図5中に二点鎖線で示す如く、前記片持ち梁12の下方に斜材28’を配置し、突っ張り作用により前記片持ち梁12の基端部を下から支えて補強するようにしても良く、このようにした場合には、より確実に前記片持ち梁12の強度向上を図ることができる。
図6は前述した図5の実施例における斜材28に代えて、片持ち梁12と外槽3内周との隅部をリブプレート33により補強した更に別の実施例を示している。本実施例にあっては、片持ち梁12より上方に延ばしたベースプレート17と、前記片持ち梁12の基端部寄りの上面との間に前記リブプレート33を配置し、例えば、溶接等を用いて相互間を固定するようにしている。
この場合、前記リブプレート33上端には、前記外槽3の側壁4に対し引っ張り力が作用することになるので、前述の図5の実施例の場合と同様に、前記ベースプレート17上端の背面に、アンカーボルト32に螺着した状態で前記側壁4のコンクリートに埋設された雌ねじ部材31が溶接され、これにより強固な抜け止め構造が構成されるようになっており、前記リブプレート33上端が前記雌ねじ部材31に対しボルト16’で締結されるようにしてある。
このように構成すると、片持ち梁12に対しリブプレート33が補強部材として機能する上、片持ち梁12下の作業スペースがより広くなるというメリットが得られ、しかも、前述した図5の実施例における斜材28よりも高い強度が確保できるので、比較的大型のタンクを建設する場合に採用すると効果的である。
ただし、図6中に二点鎖線で示す如く、前記片持ち梁12の下方にリブプレート33’を配置し、突っ張り作用により前記片持ち梁12の基端部を下から支えて補強するようにしても良く、このようにした場合には、より確実に前記片持ち梁12の強度向上を図ることができる。
図7は前述した図6の実施例におけるリブプレート33に代えて、片持ち梁12の基端部を吊部材34により懸吊して補強した別の実施例を示している。本実施例にあっては、片持ち梁12の基端部寄りの上面にブラケット35を介し下端を連結して立ち上がる吊部材34の上端を、ベースプレート17上端に備えた掛止部36に対し掛止させて懸吊するようしている。
即ち、前記掛止部36は上面視でU字形を成すように形成されて前記ベースプレート17側から張り出されており、この掛止部36の内側の穴部分を通し前記吊部材34が貫通配置される一方、該吊部材34の下端が前記ブラケット35に連結され且つ前記吊部材34のヘッド部34aが座金37を介し前記掛止部36上面に穴部分から抜け落ちないよう掛止されている。
この場合、前記掛止部36基端には、前記外槽3の側壁4に対し引っ張り力が作用することになるので、前述の図5や図6の実施例の場合と同様に、前記ベースプレート17上端の背面に、アンカーボルト32に螺着した状態で前記側壁4のコンクリートに埋設された雌ねじ部材31が溶接され、これにより強固な抜け止め構造が構成されるようになっており、前記掛止部36基端が前記雌ねじ部材31に対しボルト16’で締結されるようにしてある。
このように構成すると、片持ち梁12に対し吊部材34が補強部材として機能する上、片持ち梁12下の作業スペースがより広くなるというメリットが得られ、しかも、前述した図5の実施例における斜材28よりも高い強度が確保でき、しかも、前記リブプレート33よりも前記外槽3の側壁4に対する着脱が行い易いというメリットがある。尚、前記外槽側板13に前記掛止部36に類する足場設置用の金具が既に設けられている場合には、この金具を前記掛止部36として代用することも可能である。
尚、本発明の組立架台は、本開示にて説明した上述の実施例にのみ限定されるものではなく、外槽内周に対する片持ち梁及び鉛直部、斜材、リブプレート、掛止部の固定方式には、溶接、ボルト締結、アンカー止め等といった各種の方式を任意に採用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 二重殻タンク
2 内槽
3 外槽
4 側壁
5 仮設サポート
6 ジャッキアップ装置
7 内槽屋根
8 ナックルプレート
9 内槽側板
9a 最下段の内槽側板
10 吊具
11 ジャッキアップロッド
12 片持ち梁
13 外槽側板
14 鉛直部
14’ 鉛直部
15 埋金
16 ボルト
17 ベースプレート
18 アンカーボルト
19 ボルト穴
20 ねじ穴
21 雌ねじ部材
22 ねじ穴
23 ボルト穴
24 ねじ穴
25 ボルト穴
26 ボルト
27 キャップ
28 斜材
28’ 斜材
29 ブラケット
30 ブラケット
31 雌ねじ部材
32 アンカーボルト
33 リブプレート
33’ リブプレート
34 吊部材
34a ヘッド部
35 ブラケット
36 掛止部
37 座金
A アニュラー部
w 隅肉溶接
O 開口部

Claims (5)

  1. 内槽と外槽からなる二重殻タンクの構築時に内槽外周部を支える仮設の組立架台であって、
    前記外槽底部の周方向複数箇所における前記内槽の最下段よりも高い支持位置に前記組立架台として片持ち梁を備え、
    該片持ち梁は、前記外槽の側壁を形成するコンクリートに埋設された埋金に固定されていることを特徴とする組立架台。
  2. 前記片持ち梁は、前記外槽内周に沿い高さ方向に延在する鉛直部を一体的に備えたL字型を成していることを特徴とする請求項1記載の組立架台。
  3. 前記片持ち梁は、前記外槽内周との隅部を斜材により補強されていることを特徴とする請求項1記載の組立架台。
  4. 前記片持ち梁は、前記外槽内周との隅部をリブプレートにより補強されていることを特徴とする請求項1記載の組立架台。
  5. 前記片持ち梁は、該片持ち梁から立ち上がる吊部材を前記外槽内周の外槽側板に備えた掛止部に対し掛止されていることを特徴とする請求項1記載の組立架台。
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