JP7081178B2 - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents
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Description
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面についても同様である。
図1は、実施形態の映像表示装置1を示す図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、画面上に映像を表示する反射スクリーンである。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
本実施形態では、一例として、映像表示装置1は、室内用の透明板によって構成されたパーテーションに適用され、スクリーン10がその透明板に固定される例を挙げて説明する。なお、このような透明板としては、ガラス製や樹脂製等の透明性の高い板状の部材が用いられる。
また、スクリーン10の映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て水平方向の右側に向かう方向を+X方向、鉛直方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側に位置している。
映像源LSは、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の表面からの距離が、従来のスクリーンの画面正面方向に位置する汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光Lがスクリーン10に入射する入射角度が大きく、入射角度の変化量(入射角度の最小値から最大値までの変化量)も大きい。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。また、スクリーン10は、その画面サイズが対角40~100インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。
なお、これに限らず、スクリーン10は、例えば、観察者O1側から見た形状を他の形状としてもよいし、その画面サイズを40インチ以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
支持板50は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。本実施形態の支持板50は、室内用パーテーションのガラス製の透明板ある。
なお、これに限らず、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
図3は、実施形態の第1光学形状層12を説明する図である。図3では、第1光学形状層12を背面側(-Z側)から見た図であり、理解を容易にするために、反射層13等を省略して示している。
スクリーン10は、図2に示すように、厚み方向(Z方向)において、その映像源側(+Z側)から順に、基材層11、第1光学形状層12、反射層13、第2光学形状層14、保護層15、粘着層30、調光層20等を備えている。
基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル・スチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
基材層11は、スクリーン10の画面サイズ等に応じてその厚さを適宜設定してよい。
単位光学形状12Aは、図3に示すように、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点Cを中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、点Cを中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を、その背面側に有している。
本実施形態では、図3に示すように、第1光学形状層12をスクリーン面の法線方向背面側から見たときに、点Cは、画面左右方向の中央であって画面外下方に位置しており、点Cと点Aとは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。
単位光学形状12Aは、背面側(-Z側)に凸であり、映像光が入射する第1斜面(第1の面)12Aaと、これに対向する第2斜面(第2の面)12Abとを有している。1つの単位光学形状12Aにおいて、第1斜面12Aaは、頂点aを挟んで第2斜面12Abの上側(+Y側)に位置している。
この単位光学形状12Aの第1斜面12Aa及び第2斜面12Abは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等が不規則である。
理解を容易にするために、図2では、単位光学形状12Aの配列ピッチP1、角度θ1,θ2は、単位光学形状12Aの配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状12Aは、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度θ1が単位光学形状12Aの配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
また、角度θ1,θ2、配列ピッチP1等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源LSの画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状12Aの配列方向に沿って、配列ピッチP1や角度θ1等が変化する形態としてもよい。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
前述のように、第1斜面12Aa及び第2斜面12Ab(単位光学形状12Aの表面)には、微細な凹凸形状が形成されており、反射層13は、この微細な凹凸形状に追従して形成され、かつ、単位光学形状12A側とは反対側の面にも、この微細かつ不規則な凹凸形状が維持された状態で成膜されている。したがって、反射層13の映像源側の面(第1光学形状層12側の面)と、背面側の面(第2光学形状層14側の面)とは、微細かつ不規則な凹凸形状を有するマット面(粗面)となっている。
この反射層13は、入射した光の一部を反射面の微細な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光を拡散しないで透過するという機能を有する。
反射層13は、金属を用いる場合、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成され、その厚さは、数10Å程度である。反射層13は、これに限らず、例えば、上述のような光反射性の高い金属をスパッタリングして形成してもよい。
また、金属を用いた反射層13の反射率及び透過率は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の光(例えば、太陽光等の外界からの光)を良好に透過させる観点から、例えば、透過率が30~80%程度、反射率が5~60%程度の範囲とすることができる。なお、上記透過率を含めて、以下に示す各層の透過率に関する数値は、空気界面における反射については考慮していない値を示している。また、スクリーン10の表面(空気界面)における反射は、その表面処理によって大きく左右されるが、例えば、10%程度を考慮するとよい。本実施形態のスクリーン10では、反射スクリーン部分(11~15)と調光層20とを別々に設けずに接合していることから、入射する光については空気界面が1つ減るので、その分、透過率を高めるためには有利な構成となっている。
本実施形態で金属を用いて構成した反射層13は、アルミニウムを蒸着することにより形成されており、反射層13のみでの透過率が約70%、反射率が約5%、吸収率が約25%のハーフミラー状である。
高屈折率誘電体膜は、例えば、TiO2(二酸化チタン)、Nb2O5(五酸化ニオブ)、Ta2O5(五酸化タンタル)等により形成される。高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.0~2.6程度である。
低屈折率誘電体膜は、例えば、SiO2(二酸化ケイ素)、MgF2(フッ化マグネシウム)等により形成される。低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.3~1.5程度である。
高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体膜の膜厚は、約5~100nmであり、これらが交互に2~10層程積層されて形成されており、誘電体多層膜の総厚は、10~1000nm程度である。
この誘電体多層膜を用いて構成された反射層13は、波長域400~800nmの光に対して、その透過率が90%程度、反射率が10%程度である。
この反射層13は、単位光学形状12A上(第1斜面12Aa及び第2斜面12Ab上)に、上述のような誘電体多層膜を蒸着加工する、スパッタ加工する等により、所定の厚さで形成される。
本実施形態で誘電体多層膜を用いて構成した本実施形態の反射層13は、TiO2(二酸化チタン)により形成された高屈折率誘電体膜と、SiO2により形成された低屈折率誘電体膜を交互に計5層積層(高屈折率誘電体膜が3層、低屈折率誘電体膜が2層)して形成されており、透過率が約90%、反射率が約10のハーフミラー状である。
なお、反射層13の厚さは、その材質や所望する光学性能等によって適宜設定してよい。
第2光学形状層14は、単位光学形状12A間の谷部を埋めるように充填され、第1光学形状層12の背面側(-Z側)の面を平坦化している。この第2光学形状層14の映像源側(+Z側)の面は、第1光学形状層12の単位光学形状12Aの略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第2光学形状層14を設けることにより、反射層13を保護することができる。また、このような第2光学形状層14を設けることにより、スクリーン10の背面側に保護層15等を積層しやすくなり、また、後述の調光層20の接合も容易となる。
本実施形態の第2光学形状層14は、第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂により形成されている。
保護層15は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。保護層15は、例えば、前述の基材層11と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
この保護層15は、本実施形態のように背面側に調光層20を接合するので、製造工程によっては、設けない形態としてもよい。
図4は、保護層15を設けずに、第2光学形状層14に粘着層30が直接設けられている形態を示す図である。
図4に示すように、第2光学形状層14に粘着層30を直接設けて、調光層20を接合する形態とすれば、積層される層の数が減るので、光学特性において有利である。
スクリーン10の下方に位置する映像源LSから投射され、スクリーン10に入射した映像光L1のうち、一部の映像光L2は、その単位光学形状12Aの第1斜面12Aaに入射し、反射層13によって拡散反射され、観察者O1側へ出射する。
また、映像源LSから投射された映像光L1うち、一部の映像光L4は、スクリーン10の映像源側表面で反射するが、スクリーン10上方へ向かうので、観察者O1の映像の視認の妨げにはならない。
なお、本実施形態では、映像源LSがスクリーン10よりも下方に位置し、映像光L1がスクリーン10の下方から投射され、かつ、第2斜面12Abの角度θ2(図2参照)がスクリーン10の画面上下方向の各点における映像光の入射角度よりも大きいので、映像光が第2斜面12Abに直接入射することはなく、第2斜面12Abは、映像光の反射には殆ど影響しない。
図5に示すように、スクリーン10に入射する外光G1,G5のうち、一部の外光G2,G6は、スクリーン10の表面で反射し、スクリーン下方側へ向かう。また、一部の外光G3,G7は、反射層13で反射し、例えば、外光G3は、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面で全反射してスクリーン10内下方へ向かい、外光G7は、背面側(-Z側)のスクリーン外上方側へ出射する。また、反射層13で反射しなかった他の外光G4,G8は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。このとき、映像源側へ出射する外光G2,G3,G8は、観察者Oには到達しないので、映像のコントラスト低下を抑制できる。
また、他の外光G9,G10は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。スクリーン10は、拡散粒子を含有する拡散材等を含有していないので、このスクリーン10を透過する外光G9,G10は、拡散されない。したがって、スクリーン10を通して、スクリーン10の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン10の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
図2に示す調光層20は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。
この調光層20は、保護層15の背面側に、粘着層30を介して接合されており、透過光の光量を制御することができる。
液晶用第2積層体20Bは、基材21Bに、透明電極22B、配向層23B、ビーズスペーサー24を積層して形成される。
液晶用第1積層体20Aは、基材21Aに、透明電極22A、配向層23Aを積層して形成される。
調光層20は、この液晶用第1積層体20A及び液晶用第2積層体20Bに設けられた透明電極22B、22Aの駆動により、液晶層26に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。
特に、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂が好ましい。
基材21B、21Aは、種々の厚みの透明樹脂フィルムを適用することができる。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化インジウム(In2O3)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide)により透明導電膜が形成される。
ただし、液晶層26の厚みを規定するスペーサーとしては、ビーズスペーサー24に限定されず、例えば、フォトレジストを基材21A側に塗工して露光、現像することにより円柱形状等に作製してもよい。
なお、上述の説明では、スペーサーは、液晶用第2積層体20Bに設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、液晶用第1積層体20A、液晶用第2積層体20Bの両方、又は、液晶用第1積層体20Aにのみ設けられるようにしてもよい。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
また、本実施形態では、調光層20は、配向層23A,23Bを備える形態を示したが、これに限らず、配向層23A,23Bを備えない形態としてもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
図6に示すスクリーン10の液晶層27は、図2に示したスクリーン10の液晶層26に用いた二色性色素組成物を使用したゲストホスト液晶組成物ではない液晶を用いている。以下、このタイプの調光層20について、「非ゲストホスト型」と呼び、図2に示したタイプの調光層20は、「ゲストホスト型」と呼ぶこととする。
ネマチック液晶化合物としては、例えば、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、フェニルシクロヘキシル系化合物、ビフェニルシクロヘキシル系化合物、フェニルビシクロヘキシル系化合物、トリフルオロ系化合物、安息香酸フェニル系化合物、シクロヘキシル安息香酸フェニル系化合物、フェニル安息香酸フェニル系化合物、ビシクロヘキシルカルボン酸フェニル系化合物、アゾメチン系化合物、アゾ系化合物、及びアゾオキシ系化合物、スチルベン系化合物、トラン系化合物、エステル系化合物、ビシクロヘキシル系化合物、フェニルピリミジン系化合物、ビフェニルピリミジン系化合物、ピリミジン系化合物、及びビフェニルエチン系化合物等を挙げることができる。
スメクチック液晶化合物としては、例えば、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリクロロアクリレート系、ポリオキシラン系、ポリシロキサン系、ポリエステル系等の強誘電性高分子液晶化合物を挙げることができる。
コレステリック液晶化合物としては、例えば、コレステリルリノレート、コレステリルオレエート、セルロース、セルロース誘導体、ポリペプチド等を挙げることができる。
また、市販品としては、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。
また、液晶の駆動方式として、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の各種駆動方式が知られているが、ゲストホスト型及び非ゲストホスト型のいずれにおいても、これら公知の駆動方式を適宜選択して用いることができる。
(実施例1)
実施例1のスクリーン10は、調光層20は、図2に示したゲストホスト型とした。
単位光学形状12Aは、配列ピッチPが100μmである。
反射層13は、アルミニウムの蒸着膜により形成され、厚さ約5Å、透過率70%、反射率5%である。
基材層11は、PET樹脂製であり、厚さt11=100μmとした。
第1光学形状層12及び第2光学形状層14は、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂(屈折率1.52)を素材とした。
第1光学形状層12と反射層13と第2光学形状層14とを合せた厚さt121314=100μmとした。
第2光学形状層14の背面側の面から反射層13までの最短距離t14=300μmとした。
保護層15は、PET樹脂製であり、厚さt15=約100μmである。
粘着層30は、厚さt30=10μmとした。
基材21A、21Bは、ポリカーボネートフィルムを素材とし、厚さt21=100μmとした。
透明電極22A、22Bは、ITOを素材とし、厚さt22=100μmとした。
配向層23A、23Bは、ポリイミド樹脂を素材とし、厚さt23=0.1μmとした。
液晶層26は、二色性色素組成物を使用したゲストホスト液晶組成物を用いた液晶としており、厚さt26=6.2μmとした。液晶層26は、ノーマリークリアの構成である。
以上の構成により、反射層13と液晶層26との間の最短距離は、0.1mmとなり、0.5mm以下に収まっている。
実施例2のスクリーン10については、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
実施例2のスクリーン10では、調光層20は、図6に示した非ゲストホスト型とした。
反射層13は、誘電体多層膜により構成されており、具体的には、TiO2と、SiO2とを積層した構成とした。
直線偏光板29A,29Bは、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される、厚さt29=200μmとした。
液晶層27は、誘電率異方性が負の液晶を用いた液晶としており、厚さt27=3.5μmとした。
なお、液晶層27は、実施例1とは異なり、ノーマリーダークの構成である。
以上の構成により、反射層13と液晶層26との間の最短距離は、0.3mmとなり、実施例2においても0.5mm以下に収まっている。
図7に示すように、実施例1では、調光層20へ通電を行えば、スクリーン10全体での透過率を14%に下げることができ、映像を投影していない領域については僅かに背景を視認できるようにしながら、映像を投影する領域では、背景の影響を抑えてコントラストの高い映像を観察可能である。また、背景側への抜け光も抑えることができる。
また、実施例2では、調光層20への通電をOFFとすれば、背景からの透過光を略全て遮断することができ、背景の影響を略完全に排除して映像を観察することができる。なお、実施例2では、反射層13の反射率が低下してしまうが、背景の影響がなくなるので、十分に良好な映像を観察できるが、映像源LSの光量を高めるとより良好な映像を観察可能である。
さらに、実施例2の形態であれば、光源の偏光状態を揃えることにより、直線偏光板29A,29Bによって抜け光の発生を防止できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン10の使用環境や使用目的等に応じて、スクリーン10に、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、基材層11の映像源側にタッチパネル層等を設けてもよい。
特に、スクリーン10の映像源側の表面に反射防止層を設けた場合には、反射層13で反射した映像光が、映像源側の空気との界面で反射して、背面側から出射して背面側に映像が漏れたように表示されることを防止できる。
また、スクリーン10は、基材層11や保護層15について、ガラス板等の光透過性を有する板状の部材としてもよい。
この場合、単位光学形状12Aの配列方向は、映像源LSの位置に合わせて傾けた形態とする。このような形態とすることにより、映像源LSの位置等を自由に設定することができる。
また、単位光学形状12Aは、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
また、第1斜面12Aa及び第2斜面12Abは、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている例を示したが、これに限らず、第1斜面12Aaにのみ微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている形態としてもよい。
また、反射層13,23は、単位光学形状12Aの第1斜面12Aa及び第2斜面12Abに形成される例を示したが、これに限らず、例えば、第1斜面12Aaの少なくとも一部に形成される形態としてもよい。
EC方式(Electro chromic)を用いた調光フィルムは、一対の電極で調光層(電解質層)を挟んだ構造を有する。電極間の電位差に応じ、酸化還元反応を利用して調光層の色が透明と濃紺との間で変化する。
SPD方式(Suspended Particle Device)を用いた調光フィルムは、微粒子の配向を利用し、通常濃紺色に着色しているが、電圧を印加すると透明に変化し、電位を切ると元の濃紺色に戻るものであり、電圧によって濃淡を調整できる。
PDLC方式(Polymer Dispersed Liquid Crystal)を用いた調光フィルムは、液晶層中に特殊なポリマーによるネットワーク構造体を形成させたもので、ポリマーネットワークの作用により、液晶分子の配列が不規則な状態を誘起して光を散乱させる。そして、電圧を印加することで、液晶分子を電界方向に配列させると、光が散乱されず、透明な状態となる。
10 スクリーン
11 基材層
12 第1光学形状層
12A 単位光学形状
12Aa 第1斜面
12Ab 第2斜面
13 反射層
14 第2光学形状層
15 保護層
20 調光層
20A 液晶用第1積層体
20B 液晶用第2積層体
21A 基材
21B 基材
22A 透明電極(第1電極)
22B 透明電極(第2電極)
23 反射層
23A 配向層
23B 配向層
24 ビーズスペーサー
25 シール材
26 液晶層
27 液晶層
28 スペーサー
29A 直線偏光板
29B 直線偏光板
30 粘着層
40 対角
50 支持板
51 接合層
Claims (10)
- 映像源から投射された映像光を反射して映像を表示し、かつ、透明性を有する反射スクリーンであって、
光透過性を有する層であって、当該反射スクリーンの厚み方向の背面側の面に、映像光が入射する第1の面とこれに交差する第2の面とを有する単位光学形状が複数配列されて前記第1の面と前記第2の面とが連続的に繋がって規則的なフレネル形状が形成された光学形状層と、
前記単位光学形状の少なくとも前記第1の面の一部に形成され、入射した光の少なくとも一部を反射し、その他の光を透過する機能を有する反射層と、
を備え、
前記第1の面がスクリーン面に平行な面となす角度をθ1とし、
前記第2の面がスクリーン面に平行な面となす角度をθ2とするとき、θ2>θ1という関係を満たし、
前記単位光学形状は、その表面に微細かつ不規則な凹凸形状を有し、
前記反射層の少なくとも前記単位光学形状側の面は、前記凹凸形状に対応した凹凸形状を有しており、
当該反射スクリーンの厚み方向において、前記反射層よりも背面側には、
透明な第1電極と、
前記第1電極と対向配置された透明な第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させる調光材料と、
を有する調光層をさらに備え、
前記調光層は、ノーマリークリアとして構成され、
前記調光材料の透過率が最も高くなる状態における当該反射スクリーンの透過率は、30%以上、50%以下の範囲にある反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層と前記調光材料との間の最短距離は、0.5mm以下であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記調光材料は、二色性色素を有する液晶であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、誘電体多層膜により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
前記光学形状層は、前記単位光学形状が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有すること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項5に記載の反射スクリーンにおいて、
前記サーキュラーフレネルレンズ形状の中心は、当該反射スクリーンの外に設けられていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
当該反射スクリーンの厚み方向において前記反射層よりも背面側に、光透過性を有し、前記単位光学形状の間の谷部を充填するように積層された第2光学形状層を備えること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項7に記載の反射スクリーンにおいて、
前記調光層は、前記第2光学形状層に粘着層を介して接合されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の反射スクリーンにおいて、
光を拡散する機能を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに対して、映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示装置。
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