JP7063023B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
これまで、カラーフィルタ形成用材料として、顔料を用いた着色樹脂組成物が主に使用されているが、高輝度及び高コントラストとするために、例えば、非特許文献1では顔料粒子の粒径をその呈色波長の1/2以下にまで微分散する方法が開示されている。
本発明者らが検討したところ、カラーフィルタの赤色画素用途においては、560~650nm付近において高い透過率を有することが必要であることから、輝度を高くするためには、溶剤に十分に溶解する染料を用いる必要があることが見出された。
特許文献1に記載されている着色樹脂組成物は、青色画素用途を想定したものであり、赤色画素用途については何らの検討もなされていない。また、本発明者らの検討によって、特許文献1に記載されている染料は赤色画素用途における輝度が実用上十分ではないことが見出された。
即ち本発明は以下を要旨とする。
前記(A)色材が、下記一般式(I)で表されるキサンテン系染料を含有することを特徴とする着色樹脂組成物。
h~kは各々独立に0~5の整数を表し、l及びmは各々独立に0~3の整数を表す。
X1及びX2は各々独立に置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、アルキレン基を構成するメチレン基の1つ以上が、-O-、-S-、-CO-、及び-NR7-からなる群から選ばれる少なくとも1種で置き換わっている。ただし、X1及びX2の主鎖を構成する原子数は4以上である。)
[3] さらに(D)重合性モノマーを含有する、[1]又は[2]に記載の着色樹脂組成物。
[4] さらに(E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[5] さらに酸化防止剤を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の着色樹脂組成物。
[7] [6]に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一方」、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一方」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一方」を意味するものとする。
更に、「芳香族環」とは、「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を意味するものとする。
また、「C.I.ピグメントグリーン」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)所収の色材名称を意味する。
(一般式(I)で表されるキサンテン系染料)
本発明の着色樹脂組成物に含まれる(A)色材は、下記一般式(I)で表されるキサンテン系染料(以下、「キサンテン系染料(I)」と称する場合がある。)を含有する。
h~kは各々独立に0~5の整数を表し、l及びmは各々独立に0~3の整数を表す。
X1及びX2は各々独立に置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、アルキレン基を構成するメチレン基の1つ以上が、-O-、-S-、-CO-、及び-NR7-からなる群から選ばれる少なくとも1種で置き換わっている。ただし、X1及びX2の主鎖を構成する原子数は4以上である。
また一方で、X1及びX2の主鎖を構成する原子数が4以上であることにより、結合のねじれや回転運動が容易となることで、光励起されても内部変換や振動緩和で無輻射失活しやすく、耐光性も向上すると考えられる。更に、X1及びX2に結合したベンゼン環により、分子間でπ-π相互作用や疎水性相互作用によりスタッキングしやすく、励起状態の失活を引き起こしやすくなって耐光性が向上すると考えられる。
前記式(I)中、X1及びX2は各々独立に置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、アルキレン基を構成するメチレン基の1つ以上が、-O-、-S-、-CO-、及び-NR7-からなる群から選ばれる少なくとも1種で置き換わっている。ただし、X1及びX2の主鎖を構成する原子数は4以上である。
アルキレン基の炭素数としては、通常4以上、5以上が好ましく、また、15以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、7以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで溶解度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成が容易となる傾向がある。
X1及びX2の主鎖を構成する原子数は4以上であるが、5以上が好ましく、また、15以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、7以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで溶解度が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成が容易となる傾向がある。
前記式(I-1)中、X3は炭素数3以上のアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基、環状のアルキレン基、又はこれらを結合した基が挙げられるが、溶解性の観点から直鎖状のアルキレン基が好ましい。
アルキレン基の炭素数としては、通常3以上、4以上が好ましく、5以上がより好ましく、また、14以下が好ましく、11以下がより好ましく、9以下がさらに好ましく、7以下がよりさらに好ましく、5以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで溶解度がより向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成が容易となる傾向がある。
前記式(I-1)中、X4は-O-、-S-、-CO-、及び-NR7-からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。-O-、-S-、-CO-、及び-NR7-からなる群から選ばれる1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。2種以上の組み合わせとしては、-O-CO-、-CO-O-、-CO-NR7などが挙げられる。
前記式(I)中、R1~R6は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
前記式(I)において、h~kは各々独立に0~5の整数を表す。
h及びiは各々独立に1以上が好ましく、また、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成容易となる傾向がある。
h及びiが1以上の場合、その置換位置は特に限定されないが、2位、4位が好ましく、4位がより好ましい。
j及びkが1以上の場合、その置換位置は特に限定されないが、2位、4位、6位が好ましく、2位、6位がより好ましい。
前記式(I)において、l及びmは各々独立に0~3の整数を表す。
耐熱性の観点から、l及びmは各々独立に0~2が好ましく、0~1がより好ましい。
また、一方で、合成の容易さの観点ではl及びmは0であることが好ましい。
フッ素原子、塩素原子、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2~9のアルキルカルボニルオキシ基、スルファモイル基、炭素数2~9のアルキルスルファモイル基、炭素数2~9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1~4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1~8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1~8のアルキルチオ基。
中でも、好ましくは炭素数1~8のアルコキシル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2~8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2~9のアルキルスルファモイル基、及びフッ素原子である。
前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料の分子量は特に限定されないが、600以上が好ましく、700以上がより好ましく、750以上がさらに好ましく、800以上が特に好ましく、また、1500以下が好ましく、1400以下がより好ましく、1300以下がさらに好ましく、1250以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで耐熱性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで合成が容易となる傾向がある。
前記式(I)で表されるキサンテン系染料の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
本発明のキサンテン系染料は、市販されているキサンテン系染料(例えば、中外化成(株)製の「DCSF」)を出発原料として、特開2013-253168号公報を参考に合成することもできる。
本発明の着色樹脂組成物における(A)色材は、式(I)で表されるキサンテン系染料を1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
着色樹脂組成物における(A)色材の含有割合は特に限定されないが、全固形分中5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がよりさらに好ましく、35質量%以上が特に好ましく、38質量%以上が最も好ましく、また、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで所望の色特性にしやすい傾向があり、また、前記上限値以下とすることで感光性が向上する傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物における(A)色材は、前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料以外に、その他の色材を含有していてもよい。その他の色材としては、その他の染料や顔料が挙げられる。
その他の色材の含有割合は特に限定されないが、全固形分中、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましく、また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、40質量%以下が特に好ましい。また、(A)色材におけるその他の色材の含有割合も特に限定されないが、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで耐久性と色特性が両立しやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで感光性が向上する傾向がある。
その他の染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料、キサンテン系染料等が好ましく挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号に記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
特に赤色画素を形成する際には、輝度および耐熱性の観点からキサンテン系染料が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物中には、その他の染料が1種だけ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
顔料としては、例えばカラーフィルタの赤色画素等を形成する場合には、赤色、黄色等各種の色の顔料を使用することができる。
また、顔料の化学構造としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
なお、ここで、顔料の平均一次粒径は以下の方法により測定・算出された値とすることができる。
得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し、平均粒径を求める。
本発明の着色樹脂組成物に含有される(B)溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100~200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120~170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール-モノt-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3-メトキシプロピオン酸、3-エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば任意成分として前述のその他の顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、着色樹脂組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。尚、顔料を含む着色樹脂組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数~数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50質量%以上であることが好ましい。前記下限値以上とすることで、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮される傾向がある。
本発明の着色樹脂組成物において(C)バインダー樹脂は、前述の溶剤に可溶で、十分な硬化度の硬化膜を形成できるようなものであれば何ら限定されないが、アルカリ現像してパターンを形成するとの観点からは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。例えば、特開平7-207211号公報、特開平8-259876号公報、特開平10-300922号公報、特開平11-140144号公報、特開平11-174224号公報、特開2000-56118号公報、特開2003-233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C-1)~(C-5)の樹脂などが挙げられる。
(C-2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C-2)(以下、「樹脂(C-2)」と称す場合がある。)
(C-3):前記樹脂(C-2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C-3)」と称す場合がある。)
(C-4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C-4)」と称す場合がある。)
(C-5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C-5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C-1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C-1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C-1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5~90モル%と、他のラジカル重合性単量体10~95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10~100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10~100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5~6であることが好ましい。
中でも、式(IV)で表される構造としては、特に下記構造式(IVa)、(IVb)、又は(IVc)で表されるものが好ましい。
前記式(IV)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5~90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10~95モル%と、からなるものが好ましく、前者20~80モル%と、後者80~20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30~70モル%と、後者70~30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10~100モル%に付加させるが、好ましくは30~100モル%、より好ましくは50~100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10~100モル%に付加させるが、好ましくは20~90モル%、より好ましくは30~80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8-297366号公報や特開2001-89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0~5.0が好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は(D)重合性モノマーを含有することが好ましい。(D)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)であることが好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(D)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(D)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1~100mg-KOH/gであり、特に好ましくは5~80mg-KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(D)重合性モノマーの(A)色材100質量部に対する比率は、通常1質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上、よりさらに好ましくは40質量部以上、特に好ましくは45質量部以上であり、また、通常500質量部以下、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び(E’)熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中では、α-アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1-オクタノン、O-アセチル-1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノンオキシム及び下記式(V)で表される化合物等が挙げられる。
R102は、炭素数2~20のアルカノイル基、炭素数3~25のアルケノイル基、炭素数4~8のシクロアルカノイル基、炭素数7~20のアリーロイル基、炭素数2~10のアルコキシカルボニル基、炭素数7~20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2~20のヘテロアリール基、炭素数3~20のヘテロアリーロイル基または炭素数2~20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族環基を示す。)
なお、前記式(V)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(VI)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(VII)で表される化合物が特に好ましい。
R102aは、炭素数2~4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1~4のアルキル基で置換されていてもよい3,6-カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4-221958号公報、特開平4-219756号公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3-239703号公報、特開平5-289335号公報等に記載の3-ケトクマリン系色素;特開平6-19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47-2528号公報、特開昭54-155292号公報、特公昭45-37377号公報、特開昭48-84183号公報、特開昭52-112681号公報、特開昭58-15503号公報、特開昭60-88005号公報、特開昭59-56403号公報、特開平2-69号公報、特開昭57-168088号公報、特開平5-107761号公報、特開平5-210240号公報、特開平4-288818号公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
(E3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E’)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、消光剤、酸化防止剤を含有していてもよい。また、界面活性剤、有機カルボン酸及び有機カルボン酸無水物のうち少なくとも一方、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。これら任意成分としては、例えば特開2007-113000号公報記載の各種化合物を使用することができる。また、顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。
消光剤としては、前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料が発する蛍光の波長付近に吸収をもつものであれば特に限定されないが、例えば、金属錯塩染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、テトラアザポルフィリン系染料、トリアリールメタン系染料、金属錯塩染料等が好ましく挙げられる。
ましい。前記金属原子としては、クロム、コバルト、ニッケル等が挙げられ、クロム、コバルトが好ましい。
金属錯塩染料としては、金属原子と染料分子との結合比が1:1である1:1形金属錯塩染料と、該比が1:2である1:2形金属錯塩染料とが挙げられ、1:2形金属錯塩染料が好ましい。
酸化防止剤は、前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料等の染料の輝度の低下を抑制する化合物を意味する。染料の輝度の低下を抑制できるものであれば特に限定されないが、染料の分解を促進するパーオキシラジカルを捕捉する能力が高く、且つ着色樹脂組成物での相溶性が高いという点、および入手が容易である点で、下記式(i)で表される化合物であることが好ましい。
Lは、水素原子、炭素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
Zは、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキレン基及び/又はエステル結合からなる2価の基を表す。
mは、1~4の整数を表す。
また、mが2以上の整数の場合には、一分子中に含まれる複数の
RA及びRBは、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基を表す。
アルキル基は、直鎖であっても分岐であってもよいが、パーオキシラジカル捕捉能が高く、捕捉後に化学構造が安定であるとの観点から分岐アルキル基であることが好ましい。
また、炭素数は、ラジカル捕捉後に安定であるために、多くの化学共役構造がとれるという観点から好ましくは1~20、更に好ましくは3~10である。
Lは、水素原子、炭素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよい芳香族環基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
Lにおける芳香族環としては、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられる。
芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5~10であれば特に制限はないが、例えば、m個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
一方、複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよい。複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
前記Lにおける芳香環及び複素環の中で、着色樹脂組成物中のバインダー樹脂などとの相溶性に優れる点、及びラジカル捕捉後に安定構造であるという点で、下記<群A>で表される基が特に好ましい。
Zは、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキレン基及び/又はエステル結合からなる2価の基である。
つまり、Zは、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキレン基或いはエステル結合のみで形成されてもよく、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキレンとエステル結合との組み合わされた基であってもよい。
組み合わされた基としては、例えば、-CH2-C(=O)O-CH2-、などの基も含まれる。
前記式(i)中のベンゼン環は、RA、RB、-OH、及びZ以外に、任意の置換基を有していてもよいが、ラジカルとの結合力が高い点で、置換基を有していないのが好ましい。
RA及びRBにおけるアルキル基、Lにおける芳香族環基及び複素環基、Zにおけるアルキレン基、更に前記式中のベンゼン環が有していてもよい置換基としては、下記(置換群W2)が挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシル基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2~9のアルキルカルボキシル基、スルホン酸アミド基、炭素数2~9のスルホンアルキルアミド基、炭素数2~9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1~4のアルキル基が結合してなるジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1~8のトリアルキルシリル基、ニトロ基、炭素数1~8のアルキルチオ基。
前記式(i)中のmは、1~4の整数を表す。
溶剤に対する溶解性が高く、ラジカル捕捉能が高いとの観点から、mは2~4であることが好ましい。
nは、1~10の整数を表す。
lは、0~5の整数を表す。
上記式中のベンゼン環は、RA及びRB、-OH、並びに-(CH2)n-以外に、任意の置換基を有していてもよい。
尚、lが、1以上である場合、-CH2-と-C(=O)O-の並びは順不同である。
また、mが2以上の整数の場合には、一分子中に含まれる複数の
*は、Lとの結合部位を表す。
nは、1~10の整数を表す。
バインダー樹脂等との相溶性が高く、且つ酸化防止性能が良好な点から、好ましくは1~5の整数である。
lは、0~5の整数を表す。
バインダー樹脂等との相溶性が高く、且つ酸化防止性能が良好な点から、好ましくは0~1の整数である。
酸化防止剤の分子量は特に限定されないが、通常90以上、好ましくは150以上、更に好ましくは250以上、また通常3000以下、好ましくは2000以下、更に好ましくは1300以下である。上記範囲内であると、ラジカルとの結合力が高い点で好ましい。
前記式(i)で表される化合物中で、好ましい具体例を以下に示す。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基及びアミノ基のうち少なくとも一方を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009-025813号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の含有割合は、顔料の総含有量100質量部に対して2~1000質量部、特に5~500質量部、とりわけ10~250質量部の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001-220520号公報、特開2001-271004号公報、特開2002-179976号公報、特開2007-113000号公報、及び特開2007-186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料を含有する(A)色材及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、キサンテン系染料(I)、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び熱重合開始成分のうち少なくとも一方、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
一方で、顔料を含まない場合、例えば色材として染料のみを用いる場合の調製方法としては、分散剤や分散助剤を必要とせず、また煩雑な顔料の分散工程が不要であるため、着色樹脂組成物を安価に製造することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた画像表示装置について説明する。画像表示装置としては、具体的には液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190~450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ-エタノールアミン、ジ-エタノールアミン、トリ-エタノールアミン、モノ-メチルアミン、ジ-メチルアミン、トリ-メチルアミン、モノ-エチルアミン、ジ-エチルアミン、トリ-エチルアミン、モノ-イソプロピルアミン、ジ-イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、モノ-イソプロパノールアミン、ジ-イソプロパノールアミン、トリ-イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5~300秒が好ましい。
本発明の画像表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを有するものである。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機EL表示装置が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図7に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
<染料の合成>
(合成例1:染料Aの合成)
{化合物1の合成}
染料Aをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は546nmで、グラム吸光係数(g)は122.9g-1cm-1であった。この染料Aの液体クロマトグラフィー質量分析の結果を下記に示す。
LCMS(ESI、posi)m/z 939((M+ C55H52Cl2N2O6S)
{化合物3の合成}
染料Bをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は544nmで、グラム吸光係数(g)は125.2g-1cm-1であった。この染料Bの液体クロマトグラフィー質量分析の結果を下記に示す。
LCMS(ESI、posi)m/z 968((M+ C55H48Cl2N2O8S)
{化合物4の合成}
染料Cをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は544nmで、グラム吸光係数(g)は112Lg-1cm-1であった。この染料Cの液体クロマトグラフィー質量分析の結果を下記に示す。
LCMS(ESI、posi)m/z 1039((M+ C65H70N2O8S)
{化合物5の合成}
染料Dをプロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=35/65(体積比)に10質量ppmだけ溶解させた。このときの極大吸収波長(λmax)は544nmで、グラム吸光係数(g)は110Lg-1cm-1であった。この染料Dの液体クロマトグラフ-質量分析の結果を下記に示す。
LCMS(ESI、posi)m/z 1011((M+ C63H66N2O8S)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2質量部、グリシジルメタクリレート132質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA-513M(日立化成社製)4.4質量部および2.2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル8.47質量部の混合液を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1質量部およびハイドロキノン0.19質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2質量部、トリエチルアミン0.2質量部を加え、100℃で3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000、酸価は25mgKOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Aとして用いた。
「NC3000H」(エポキシ当量288、軟化点69℃、日本化薬社製)400質量部、アクリル酸102質量部、p-メトキシフェノール0.3質量部、トリフェニルホスフィン5質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)264質量部を反応容器に仕込み、95℃で酸価が3mg-KOH/g以下になるまで撹拌した。酸価が目標に達するまで9時間を要した(酸価2.2mgKOH/g)。次いで、更にテトラヒドロ無水フタル酸151質量部を添加し、95℃で4時間反応させ、酸価102mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)3900の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が44質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Bとして用いた。
スチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート85.3質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA-513M(日立化成社製)61.9質量部、アクリル酸43.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)59.3質量部を用いた以外、合成例5と同様の方法で合成した。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約8400、酸価は76mgKOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Cとして用いた。
スチレン10.4質量部、グリシジルメタクリレート85.3質量部、トリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレートFA-513M(日立化成社製)61.9質量部、アクリル酸43.2質量部、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)19.8質量部を用いた以外、合成例5と同様の方法で合成した。こうして得られた樹脂溶液のGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約8200、酸価は30mgKOH/gであった。この樹脂溶液に固形分が40質量%になるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、樹脂Dとして用いた。
開始剤Aとして、国際公開第2009/131189号記載の方法で3-(2-アセトキシイミノ-1,5-ジオキソ-5-メトキシペンチル)-9-エチル-6-(o-トルオイル)-9H-カルバゾールを合成した。
前記合成例1~4で得られた染料A~D、合成例5及び6で得られた樹脂A及びBを下記表1に記載された組成となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物1~4を調製した。混合に際しては、各成分が十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
尚、表1中の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色樹脂組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
RS72K:メガファックRS-72-K、パーフルオロアルキル基含有ポリマー、DIC社製
Irganox1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジーtert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート]、BASF社製
JPP-100:テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、城北化学工業社製
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色樹脂組成物1~4の調製]にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法によりポストベーク後の色度y値が0.175となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で30分間ポストベークした。得られた膜の分光透過率を分光光度計U-3310(日立製作所社製)にて測定し、XYZ表色系における色度x,y(C光源)および輝度LYと、ポストベーク前後の色差ΔE*abを算出した。結果を表2に示す。
5cm角に切断したガラス基板上に、上記[着色樹脂組成物1~4の調製]にて調製した各着色樹脂組成物をスピンコート法によりポストベーク後の色度y値が0.175になるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し、クリーンオーブンにて230℃で30分間ポストベークした。得られた膜の分光透過率を分光光度計U-3310(日立製作所社製)にて測定し、色度x,y(C光源)を算出した。次に、図2に示した透過率を有する偏光板を介して、ウエザオメータCi4000(アトラス社製)にセットし、擬似太陽光を20時間照射した。その後、照射後の膜の分光透過率を同様に測定し、色度x,y(C光源)を算出した。照射前後の色差(ΔE*ab)を耐光性として評価した。その結果を表3に示す。
上記合成した染料A~Dについて、以下の手順でプロピレングリコールモノメチルエテルアセテート(ダイセル化学社製)への溶解性の評価を行った。
まず、5mLのガラス製容器にて50mgの染料とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート450mgを混合し、1時間撹拌した後、室温で1時間静置した。そのガラス製容器を目視観察し、以下の基準にて溶解性を評価した。その結果を表4に示す。
○(溶解性):容器底部に残渣なし
×(不溶性):容器底部に残渣あり
(合成例10:赤色顔料1の合成)
200質量部のt-アミルアルコールとナトリウム-t-アミルアルコキシド140質量部を窒素雰囲気下100℃で反応させてアルコラートを合成した。これを60℃に加熱し、4-ブロモベンゾニトリル154質量部とコハク酸ジイソプロピル88質量部の混合液を加え、液温が85℃以下になるように2時間攪拌した。この懸濁液をさらに15時間以上攪拌し、その後、-5℃に冷却したメタノール200質量部と水1000質量部と硫酸50質量部の混合液に加えた。この混合液を0℃で更に5時間攪拌した後、濾過した。固形分をメタノールと水で繰り返し着色がなくなるまで洗浄した。80℃の真空乾燥機で恒量になるまで乾燥し、赤色顔料1(150質量部)を得た。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400質量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート30質量部、メタクリル酸60質量部、メタクリル酸シクロヘキシル110質量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn-ドデシルメルカプタン5.2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27質量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間、110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル39.6部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で9時間反応させた。室温まで冷却し、重量平均分子量Mwが8000、酸価が101mgKOH/gのPGMEA溶液として樹脂Eを得た。
赤色顔料1を9.47質量部、分散剤としてBYK-LPN6919(ビックケミー社製)を固形分換算で2.37質量部、樹脂Eを固形分換算で3.15質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60.00質量部(分散剤及び樹脂E由来のものも含む)、直径0.5mmのジルコニアビーズ225質量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて色素分散液1を調製した。
赤色顔料1を含む色素分散液1、前記合成例2で得られた染料B、合成例7及び8で得られた樹脂C及びDを下記表5に記載された組成となるように他の成分と混合して、着色樹脂組成物5を調製した。調製に際しては、まず染料B、消光剤A、及び溶剤をよく攪拌して溶解させ、そこに色素分散液1を添加して20分間攪拌し、さらに10分間超音波分散させた赤色液をまず得てから、それに他の成分を添加して十分に混合するまで1時間以上攪拌し、最後に5μmの駒型フィルターによって濾過し、異物を取り除いた。
尚、表5中の上段の数値は、いずれも添加する各成分の着色樹脂組成物中の含有割合(質量%)を表し、下段の数値は各成分の全固形分中の含有割合(質量%)を表す。
BYK330:BYK-330、シリコン系界面活性剤(DIC社製)
消光剤A:Valifast Orange 3209(オリエント化学社製)
5cm角に切断したガラス基板上に、上記着色樹脂組成物5をスピンコート法によりポストベーク後の色度y値が0.326となるように塗布し、減圧乾燥させた後、ホットプレート上にて80℃で3分間プリベークした。その後、40mJ/cm2の露光量にて全面露光した後に、クリーンオーブンにて230℃で20分間ポストベークした。得られた膜の分光透過率を分光光度計U-3310(日立製作所社製)にて測定し、XYZ表色系における色度x,y(C光源)および輝度LYと、ポストベーク前後の色差ΔE*abを算出した。結果を表6に示す。
前記[耐熱性の評価]にて得られた着色樹脂組成物5のポストベーク後の膜を、その膜面を下にして、コントラスト測定装置(コントラストテスタCT-1(壺坂電機社製)、BM-5AS(トプコン社製、輝度計)、F-10光源(偏光板挿入))に設置し、ブランク値を18000としてコントラストを測定した。その結果を表6に示す。
前記[耐熱性の評価]にて得られた着色樹脂組成物5のポストベーク後の膜を、図2に示した透過率を有する偏光板を介して、ウエザオメータCi4000(アトラス社製)にセットし、擬似太陽光を40時間照射した。その後、照射後の膜の分光透過率を前記[耐熱性の評価]と同様に測定し、色度x,y(C光源)を算出した。照射前後の色差(ΔE*ab)を耐光性として評価し、その結果を表6に示す。
実施例1~5の着色樹脂組成物は、前記一般式(I)で表されるキサンテン系染料を含有するものであるが、X1及びX2における主鎖を構成する原子数が4以上であることによって側鎖のねじれや回転運動が容易となっており、また、X1及びX2におけるアルキレン基を構成するメチレン基の1つ以上が極性基で置き換わっていることにより、溶剤との親和性がより高くなり、溶解性が高くなっていると考えられる。
10 透明支持基板
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
50 透明陽極
Claims (7)
- (A)色材、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含有する着色樹脂組成物であって
、
前記(A)色材が、下記一般式(I)で表されるキサンテン系染料を含有することを特
徴とする着色樹脂組成物。
基を有していてもよいアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
h~kは各々独立に0~5の整数を表し、l及びmは各々独立に0~3の整数を表す。
X1及びX2は各々独立に置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、アルキレン基
を構成するメチレン基の1つ以上が、-O-、-CO-、及び-NR7-からなる群から
選ばれる少なくとも1種で置き換わっている(ただし、前記アルキレン基のうち、アルキ
レン基を構成するメチレン基が-S-で置き換わっているものを除く)。ただし、X1及
びX2の主鎖を構成する原子数は4以上である。
R7は水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。) - 前記(A)色材がさらに赤色顔料を含む、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- さらに(D)重合性モノマーを含有する、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- さらに(E)光重合開始成分及び/又は(E’)熱重合開始成分を含有する、請求項1
~3のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物。 - さらに酸化防止剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有する
、カラーフィルタ。 - 請求項6に記載のカラーフィルタを有する、画像表示装置。
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