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JP7061888B2 - 硬化性組成物、硬化物、接着剤及び塗膜 - Google Patents

硬化性組成物、硬化物、接着剤及び塗膜 Download PDF

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JP7061888B2 JP2018021068A JP2018021068A JP7061888B2 JP 7061888 B2 JP7061888 B2 JP 7061888B2 JP 2018021068 A JP2018021068 A JP 2018021068A JP 2018021068 A JP2018021068 A JP 2018021068A JP 7061888 B2 JP7061888 B2 JP 7061888B2
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Description

本発明は、硬化性組成物、硬化物、接着剤及び塗膜に関する。
環状シラノールは、シロキサン結合によって環状構造を形成した骨格を有する化合物であり、当該環状シラノールを含む硬化性組成物は、コーティング剤に使用されている。
近年、構造が精密に制御された環状シラノールが報告されている。例えば、非特許文献1には、all-cis体のテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンが開示されている。
また、トリアルコキシシランを原料とし、加水分解及び重縮合によりゾルゲル反応により硬化させた塗膜が開発されている。例えば、非特許文献2にはメチルトリメトキシシランを原料とした塗膜が開示されている。
さらに、特許文献1にはナノインデーション法を用い、荷重を材料に加えた後に除荷する垂直押し込み試験によって自己修復性を評価する方法が開示されている。
Inorganic Chemistry Vol.49, No.2,2010 DNTコーティング技報 No.13 ポリシロキサン自己支持膜のクラックに対するUV光の影響
特開2013-244650号公報
しかしながら、非特許文献1に開示されているall-cis体のテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンは、結晶性化合物のため、塗膜用の材料としては不適当であるという問題を有している。
また、非特許文献2に開示されているトリアルコキシシシランを原料に用いた塗膜は、高い硬度、及び高い弾性変形仕事率を両立することが困難であり、この特性を解決するべく、トリアルコキシシシランにコロイダルシリカを添加することにより、硬度及び弾性回復仕事率を向上することができるが、高荷重下で特許文献1に記載されているような試験を行った場合、高い硬度及び高い弾性回復仕事率を両立することは困難であるという問題を有している。
そこで、本発明は、高荷重下でも高い硬度及び高い弾性回復率を両立することができ、高い自己修復性を有する硬化物を実現可能な硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、環状シラノール及び当該環状シラノールの脱水縮合物を含み、環状シラノールのシス-トランス異性体の割合が適切な範囲に調整された硬化性組成物は、高荷重下でも高い硬度及び高い弾性回復率を両立でき、かつ自己修復性に優れる硬化物を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
下記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)と、
Figure 0007061888000001
Figure 0007061888000002
Figure 0007061888000003
Figure 0007061888000004
(式(1)~(4)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。)
前記環状シラノールの脱水縮合物(A5)と、
を、含有し、
前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A2)の割合(モル%)をbとしたとき、0<b≦20を満たす、硬化性組成物。
〔2〕
前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A1)の割合(モル%)をaとした場合に、0<a≦20を満たす、前記〔1〕に記載の硬化性組成物。
〔3〕
溶媒を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の硬化性組成物。
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の硬化性組成物を含有する硬化物。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の硬化性組成物を含有する接着剤。
〔6〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の硬化性組成物を含有する塗膜。
本発明によれば、高荷重下でも高い硬度及び高い弾性回復率を両立でき、自己修復性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔硬化性組成物〕
本実施形態の硬化性組成物は、
下記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)と、
前記環状シラノールの脱水縮合物(A5)と、
を、含有し、
前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A2)の割合(モル%)をbとしたとき、0<b≦20を満たす硬化性組成物である。
Figure 0007061888000005
Figure 0007061888000006
Figure 0007061888000007
Figure 0007061888000008
(式(1)~(4)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。)
前記アリール基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記フッ素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
CF3
CF3CF2
CF3CF2CF2
(CF32CF-
CF3CF2CF2CF2
HCF2CF2CF2CF2
(CF32CFCF2
前記非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びtert-ブチル基等が挙げられる。
前記式(1)~(4)中のRは、耐候性の観点から、好ましくは非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。
本実施形態の硬化性組成物においては、前記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する環状シラノール(A2)の割合b(モル%)が、0<b≦20であり、このように、硬化性組成物におけるシス-トランス異性体比率を制御する方法としては、例えば、結晶性の高い異性体の割合を低下させる方法や増加させ、所定の割合に調整する方法が挙げられる。
具体的には、異性体混合物を溶媒に溶解させた後、冷却操作を行うことで、結晶性の高い異性体を濾過等の方法により除く再結晶操作等の方法が挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物は、前記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)の脱水縮合物(A5)を含有する。
前記式(1)~(4)で表される環状シラノールの脱水縮合物(A5)とは、式(1)~(4)で表される環状シラノールが有するシラノール基の少なくとも一つが、少なくとも一つの式(1)~(4)で表される別の環状シラノール分子における少なくとも一つのシラノール基と脱水縮合し、シロキサン結合を生成する反応により得られる化合物である。
式(1)~(4)で表される環状シラノールの脱水縮合物は、例えば、以下の式(5)で表すことができる。
Figure 0007061888000009
式(5)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基であり、mは、2以上の整数である。aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、aとbとの合計は2~10の整数である。
また、aが2以上且つbが1以上の整数、あるいは、aが1以上且つbが2以上の整数である場合、aの繰り返し数を有する-Si-O-単位と、bの繰り返し数を有する-Si-O-単位との、順序は制限されず、ランダムである。すなわち、環状シラノールにおける脱水縮合するシラノール基は、いずれのシラノール基であってもよい。
またさらに、式(5)で表される脱水縮合物には、mが2以上であり、且つ、aが2以上の整数である場合、環状シラノール構造間で2以上のシロキサン結合が形成されていてもよい。すなわち、本実施形態の硬化性組成物に含有される脱水縮合物(A5)は、2分子以上の環状シラノールの間において、2以上のシロキサン結合が形成されていてもよい。
式(1)~(4)で表される環状シラノールの脱水縮合物(A5)としては、具体的には、以下の化合物(I)~(VI)が挙げられる。
ただし、式(1)~(4)で表される環状シラノールの脱水縮合物(A5)は以下の化合物に限定されるものではない。
なお、以下の化合物における、環状シラノール骨格に対するヒドロキシ基(-OH)及びR基の配向は制限されない。
Figure 0007061888000010
Figure 0007061888000011
Figure 0007061888000012
Figure 0007061888000013
Figure 0007061888000014
Figure 0007061888000015
式(1)~(4)で表される環状シラノールの脱水縮合物(A5)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定によって算出した分子量が、好ましくは500~1,000,000であり、より好ましくは500~100,000であり、さらに好ましくは500~10,000である。
本実施形態の硬化性組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定において、前記脱水縮合物(A5)の面積が、前記環状シラノール(A1)~(A4)及び前記脱水縮合物(A5)の総面積に対して、0%超過50%以下であることが好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの測定により求められる各化合物の面積は、硬化性組成物中の各化合物の含有量を表す。
脱水縮合物(A5)の面積が0%超過50%以下であることにより、硬化性組成物を製造する際に、粘度が高くなり過ぎず、有機溶媒や水を含む硬化性組成物から有機溶媒や水を除去しやすくなる傾向にある。
脱水縮合物(A5)の面積は、より好ましくは0%超過40%以下であり、さらに好ましくは0%超過25%以下である。
脱水縮合物(A5)の面積、すなわち(A5)の含有量は、例えば、硬化性組成物の製造において、ヒドロシラン化合物を酸化させ環状シラノールを得るとき、酸化反応後の精製により制御することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる(A1)~(A4)及び(A5)の面積、すなわち、(A1)~(A4)及び(A5)の含有量の測定は、具体的には実施例に記載の方法によって行うことができる。
本実施形態の硬化性組成物は、例えば、水又はアルコールの存在下で、ヒドロシラン化合物を酸化させること等によって調製することができる。
前記ヒドロシラン化合物は、水素を含有する有機シランオリゴマーであればいずれも使用することができ、市販品を使用することができる。
ヒドロシラン化合物としては、例えば、下記式(6)で表される環状ヒドロシランオリゴマーが、好ましいものとして挙げられる。
Figure 0007061888000016
前記式(6)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。
前記式(6)の環状ヒドロシラン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメチルテトラシクロシロキサンが挙げられる。
一般的に、前記ヒドロシラン化合物は、ヒドロキシ又はアルコキシ官能基を有していないが、このような官能基は、酸化反応前に一定量含まれていてもよい。
ヒドロシラン化合物を酸化する方法としては、例えば、触媒及び/又は酸化剤を使用する方法等が挙げられる。
触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、Pd、Pt及びRh等の金属触媒が挙げられる。これらの金属触媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの金属触媒は、担体に担持されていてもよい。
酸化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペルオキシド類等を使用することができる。ペルオキシド類としては、公知のものをいずれも使用することができ、例えば、ジメチルジオキシランのようなオキシラン類等が挙げられる。
ヒドロシラン化合物を酸化する方法としては、反応性が良好で、反応後の触媒除去が容易であるという観点から、Pd/カーボンを触媒として用いた酸化を行うことが好ましい。
水又はアルコールの存在下で、ヒドロシラン化合物を酸化させることによって調製される環状シラノールは、環状構造であるために、原料のSiH基の水素原子のシス、トランスに由来する、種々の異性体を含む。
前記式(6)で表される環状ヒドロシラン化合物は、クロロシランの加水分解や、ポリメチルシロキサンの平衡化重合反応により得られるが、シス、トランスに由来する異性体の割合を制御することは困難であるため、環状ヒドロシラン化合物中には様々なシス、トランスに由来した異性体が混在する。
環状ヒドロシラン化合物のシス及びトランスとは、それぞれ、隣接する2つのヒドロキシ基又は隣接する2つのR基が環状シロキサン骨格に対し同じ配向であることを「シス」といい、隣接する2つのヒドロキシ基又は隣接する2つのR基が環状シロキサン骨格に対し異なる配向であることを「トランス」という。
上述の酸化反応により製造した環状シラノールに含まれる異性体としては、環状シラノール(A1)である下記式(1)で表されるall-cis型の環状シラノールが挙げられる。all-cis型の環状シラノールは、式(1)によって示されるように、すべてのヒドロキシ基及びR基が、それぞれ環状シロキサン骨格に対し同じ向きで配置する。
Figure 0007061888000017
(式(1)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。)
式(1)で表されるall-cis型の環状シラノールを含むことによって、酸化反応により環状ヒドロシラン化合物から合成した環状シラノールが白濁する傾向にある。この現象は、all-cis型の環状シラノールが結晶性を有するためであると考えられ、特に、保存中や、-30℃にて冷凍保管した場合に顕著である。結晶性が高い環状シラノールを除去することにより、硬化性組成物中で当該シラノールが結晶化して析出することを防ぎ、透明性の高い硬化性組成物が得られ、自己修復性の高い硬化物も得ることができる。
また、結晶性の高い環状シラノールを除去することにより、硬化性組成物の自己修復性が向上する。
本実施形態の硬化性組成物においては、前記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記式(1)で表される環状シラノール(A1)の割合(モル%)をaとした場合に、自己修復性の高い硬化性組成物を得る観点から、0<a≦20であることが好ましく、0<a≦10であることがより好ましく、0<a<9であることがさらに好ましく、1≦a<9であることがさらにより好ましい。
式(1)で表される環状シラノール(A1)の割合を20モル%以下にする方法としては、例えば、再結晶操作と結晶の除去とを組み合わせる方法等が挙げられる。
より具体的には、環状シラノールの合成で得られた生成物の良溶媒溶液に、貧溶媒を添加することにより、前記式(1)で表される環状シラノール(A1)が結晶として析出する。析出した式(1)で表される環状シラノール(A1)を除去し、可溶部の溶液を濃縮することにより、非晶性の高い硬化性組成物を得ることができるため、塗膜等の硬化物としての自己修復性が向上する。
再結晶操作を行う際、透明性の高い硬化性組成物を得る観点から、冷却することが好ましく、冷却温度は10℃未満が好ましい。また、式(1)で表される環状シラノール(A1)の収量を向上させ、これを除去して最終的に自己修復性の高い硬化性組成物及び硬化物を得る観点から、析出工程における貧溶媒の量(体積)は、良溶媒の等量以上20倍以下が好ましい。
良溶媒としては、以下に限定されるものではなにが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グリセリン、エチレングリコール、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの良溶媒は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
貧溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、ジクロロメタン、キシレン等が挙げられる。これらの貧溶媒は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記式(1)で表される環状シラノール(A1)の割合a(モル%)は、合成により得られた環状シラノールを、1H NMR測定することより算出することができる。具体的には、1H NMR測定において、前記式(1)で表される環状シラノール(A1)が有するR基中の水素は、環状シラノールの他の異性体が有するR基中の水素に対して、最も高磁場側にて観測されるため、かかる水素の積分値から前記式(1)で表される環状シラノールの割合(aモル%)を算出することができる。
また、本実施形態の硬化性組成物は、上述したように、前記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記式(2)で表される環状シラノール(A2)の割合(モル%)をbとしたとき、塗膜等の硬化物の自己修復性が向上する観点から、0<b≦20を満たす。前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A2)の割合bは、0<b≦15であることが好ましく、0<b<15であることがより好ましい。
環状シラノールを調製する工程において、ヒドロシラン化合物として、例えばテトラメチルテトラシクロシロキサンを原料に用いて酸化させた場合、得られるテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンは、all-cis型のテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン(下記式(1-1)で表される環状シラノールともいう)が混在している。
これらの異性体中で、下記式(1-1)で表される環状シラノールは、結晶性を有し、反応溶液に良溶媒を用いた場合、貧溶媒を添加することにより結晶として析出する。ただし、前記酸化反応で用いることで生成するall-cis体の含有割合は、同様の化合物をゾルゲル法で合成した場合に得られるall-cis体の含有割合と比べて少ないことが特徴として挙げられる。
Figure 0007061888000018
また、環状シラノールを調製する工程において、ヒドロシラン化合物としてテトラメチルテトラシクロシロキサンを原料に用いて酸化させた場合、得られるテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンは、下記式(2-1)で表されるcis-trans-cis型のテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン(式(2-1)で表される環状シラノールともいう)も混在している。下記式(2-1)で表される環状シラノールもまた結晶性を有するため、反応溶液に良溶媒を用いた場合、貧溶媒を添加することにより結晶として析出する。下記式(2-1)で表される環状シラノールにより、合成した環状シラノールが白濁する傾向にある。この現象は、cis-trans-cis型のテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンが結晶性を有するためであると考えられ、特に、保存中や、-30℃にて冷凍保管した場合に顕著である。
Figure 0007061888000019
前記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記式(2)で表される環状シラノール(A2)の割合b(モル%)、及び式(1)で表される環状シラノール(A1)の割合a(モル%)を、各々20モル%以下に抑える方法としては、上述と同様に、例えば、再結晶操作と結晶の除去とを組み合わせる方法等が挙げられる。
ヒドロシラン化合物として例えばテトラメチルテトラシクロシロキサンを原料に用いて酸化させた場合、得られるテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンの1H-NMRを測定した場合、6種類の異性体が観測される。R基中の水素は、高磁場側から、all-cis、trans-trans-cis、trans-trans-cis、cis-trans-cis、all-trans、trans-trans-cis型の順に観測されるため、かかる水素の積分値から、式(1)で表されるall-cis型の環状シラノール中の割合及び式(2)で表されるcis-trans-cis型の環状シラノール中の割合を算出することができる。
本実施形態の硬化性組成物は、上述したように、水又はアルコールの存在下で、ヒドロシラン化合物を酸化させることによって環状シラノールを調製し、当該環状シラノールの合成で得られた生成物の良溶媒溶液に貧溶媒を添加することによる再結晶、ろ過を経て、ろ過により得られる可溶部の溶液を濃縮することにより、好適に製造される。
本実施形態の硬化性組成物の製造において、可溶部の溶液の濃縮は任意で行えばよく、可溶部の溶液そのものを硬化性組成物として使用してもよい。また、可溶部の溶液の濃縮では当該溶液に含まれるすべての溶媒を除去する必要はないため、本実施形態の硬化性組成物は、可溶部の溶液に含まれる溶媒の一部を留去して得られる粗濃縮物であってもよい。またさらに、本実施形態の硬化性組成物は、可溶部の溶液を濃縮した後に、溶媒で再希釈したものであってもよい。以上のように、本実施形態の好ましい態様の一つは、溶媒を含む硬化性組成物である。
溶媒を含む硬化性組成物における溶媒の量は、特に制限されないが、硬化性組成物全量に対し、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以下である。溶媒の量の下限値は特に限定されないが、通常1質量%以上である。
本実施形態の硬化性組成物が溶媒を含む場合、当該溶媒としては、反応に使用した水やアルコール、再結晶時に使用した良溶媒及び貧溶媒等が挙げられる。
溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グリセリン、エチレングリコール、メチルエチルケトン、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、ジクロロメタン、キシレン等が挙げられる。
これらの溶媒は、一種単独であってもよく、二種以上の組み合わせであってもよい。
〔硬化物〕
本実施形態の硬化物は、本実施形態の硬化性組成物を含む。
本実施形態の硬化物は、本実施形態の硬化性組成物を硬化させることにより得られる。すなわち、本実施形態の硬化性組成物に含まれるシラノール基(-Si-OH)の脱水縮合反応により、シロキサン結合(-Si-O-Si-)を形成させることにより得られ、テトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒に不溶なものである。
本実施形態の硬化物は、上述した硬化性組成物に含まれる環状シラノールを重合することによって得られるが、この際、触媒非存在下で重合してもよく、触媒を添加して重合してもよい。
環状シラノールの重合に使用される触媒は、環状シラノールの加水分解及び縮合反応を促進させる作用をする。
触媒としては、酸触媒又はアルカリ触媒を使用することができる。
酸触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸、ホルム酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、オレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸酸、p-アミノ安息香酸、及びp-トルエンスルホン酸等が好適なものとして挙げられる。
アルカリ触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニア水及び有機アミン等が好適なものとして挙げられる。
酸触媒及びアルカリ触媒は、それぞれ、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒の添加量は、反応条件によって調節することができ、環状シラノールの水酸基1モルに対して、好ましくは0.000001~2モルである。添加量が環状シラノールの水酸基1モルに対して2モル以下であると、反応速度が速くなりすぎることを抑制でき、分子量の調節を容易に行うことができ、ゲルの発生を効果的に防止できる傾向にある。
硬化物を得る際に、酸触媒及びアルカリ触媒を利用することにより、硬化性組成物を段階的に加水分解及び縮合反応することができる。具体的には、硬化性組成物を酸で加水分解及び縮合反応を行った後、塩基で再び反応させたり、あるいは、塩基で先に加水分解及び縮合反応を行って、再び酸で反応させたりして、硬化物を得ることができる。また、酸触媒とアルカリ触媒とで各々反応させた後、縮合物を混合して硬化性組成物として使用することもできる。
硬化性組成物を硬化させるとき、加熱してもよい。
硬化物を硬化させる際の温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは60~250℃であり、より好ましくは80~200℃である。
〔用途〕
本実施形態の硬化組成物の好適な用途としては、接着剤、塗布膜等が挙げられる。
例えば、本実施形態の硬化性組成物を基材上に塗布し、接着層を形成させ、硬化性組成物を含む接着層を硬化させることにより接着する。
また、塗膜としては、本実施形態の硬化性組成物を基材上に塗布し、硬化させ、例えば所定の保護膜や、封止材として利用できる。
基材としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス、シリコンウエハー、SiO2ウエハー、SiNウエハー、化合物半導体等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて、本実施形態を、さらに具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例、比較例により得られる硬化性組成物及び硬化板の、物性の測定方法、特性の評価方法は以下のとおりである。
(NMR測定によるシス-トランス異性体割合の算出)
日本電子株式会社製ECZ400S、プローブはTFHプローブを用いて、以下のようにしてNMR測定を行った。
後述する実施例及び比較例で得られた硬化性組成物に、生成物0.1g、及び重アセトン1gを添加し、1H-NMRを測定した。
なお、重溶媒の基準ピークを2.05ppmとし、積算回数は64回で測定を行った。
ヒドロシラン化合物としてテトラメチルテトラシクロシロキサンを原料に用いて酸化させた場合、得られるテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンの1H-NMRでは、0.04-0.95ppmの領域に6種類の異性体に由来するSiに結合するメチル基のピークが観測された。
メチル基の水素は、高磁場側から、all-cis型(0.057ppm)、trans-trans-cis型(0.064ppm)、trans-trans-cis型(0.067ppm)、cis-trans-cis型(0.074ppm)、all-trans型(0.080ppm)、trans-trans-cis型(0.087ppm)の順に観測された。
これらの水素の積分値から、式(1)で表されるall-cis型や、式(2)で表されるcis-trans-cis型、式(3)で表されるtrans-trans-cis型、式(4)で表されるall-trans型の環状シラノールの割合を算出した。
(硬化性組成物溶液の質量分率の算出)
サンプル0.02gに重アセトン0.6g添加し、1H-NMRを測定し、積分値から以下の式により、硬化性組成物溶液の質量分率を算出した。
硬化性組成物溶液の質量分率=
((0ppm付近のメチル基の積分値)/12)×304.51/[((0ppm付近のメチル基の積分値)/12)×304.51+(4.0ppm付近のイソプロパノールのプロトンの積分値)×60.1]×100
(硬化物の膜厚)
塗布に用いたアズワン製のバーコーターを用いて、以下の式により硬化物の膜厚を求めた。
バーコーターNo.×1.75×(硬化性組成物溶液の質量分率)
(ナノインデンター測定による自己修復性評価)
Nanomechanics社製 iMicro型ナノインデンターを用い、以下の測定条件にて、測定モードを連続剛性測定法(CSM/CSR)とし、垂直押し込み試験を行った。
最大押し込み荷重:30mN、300mN、又は1000mN
振幅:2nm
ひずみ速度:0.2/秒
最大荷重保持時間:10秒
除荷時間:5秒
ポアソン比:0.35を使用
測定により、1μmの深さでの硬度(GPa)、ヤング率(GPa)、硬度/ヤング率、弾性変形仕事率(%)を算出した。
なお、弾性変形仕事率は、得られた「荷重-変位曲線:から以下の式で求めた。
弾性変形仕事率(%)=(弾性変形仕事/全変形仕事)×100
(化合物(A1)~(A4)及び化合物(A5)のGPCによる面積%の測定)
硬化性組成物0.03gに対して、1.5mLの割合でテトラヒドロフラン溶媒に溶解した溶液を測定試料とした。
この測定試料を用いて、東ソー社製HLC-8220GPCで測定した。
カラムは東ソー社製のTSKガードカラムSuperH-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH1000を直列に連結して使用し、テトラヒドロフランを移動相として0.35mL/分の速度で分析した。
検出器はRIディテクターを使用し、American Polymer Standards Corporation製ポリメタクリル酸メチル標準試料(分子量:2100000、322000、87800、20850、2000、670000、130000、46300、11800、860)、及び1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(分子量240.5、東京化成製)を標準物質として数平均分子量及び重量平均分子量を求め、p=0及び、p≧1のピークを特定し、それぞれのピークの面積比を算出し、(A5)/〔(A1)+(A2)+(A3)+(A4)〕を算出した。
〔実施例1〕
(硬化性組成物の調製)
反応容器に、蒸溜水28g、テトラヒドロフラン(和光純薬製)960mL、Pd/C(10%)(エヌ・イー ケムキャット社製)3.7gを入れて混合した後、反応容器の温度を5℃に維持した。
前記反応容器に、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン81g(東京化成製、D4Hとも記載する)を徐々に加え、2時間撹拌後、NMRにてSiH基が消失するまでPd/C(10%)1.8gずつ3回に分け、計17時間反応を行った。
SiH基の消失は、反応液を、日本電子製NMR(ECZ400S)を用いて反応液1wt%濃度の重アセトン溶液で1H NMRを測定し4~5ppmのSiH基の消失を確認した。
反応液に硫酸マグネシウム75gを添加し、5℃で30分撹拌後、セライトNo.545(和光純薬製)450gを、テトラヒドロフランを用いて漏斗へ充填した。続いて、反応液を、当該セライトを通過させ、テトラヒドロフラン1.5Lによってセライトを洗浄し、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン(以下、D4OHとも記載する)含有THF溶液2057gを得た。この溶液をエバポレーターで水浴15℃にて残量587(649mL)となるまで濃縮し、テトラヒドロフラン4.4Lとジクロロメタン217mLとの混合溶媒中へ投じた。混合液を5℃で4時間静置後、析出した不溶物を減圧濾過し、結晶固体を22g回収した。可溶部のろ液6169gを減圧下で濃縮し、硬化性組成物の濃縮液(891g)を得た。
硬化性組成物における、(A1)~(A4)の環状シラノール及び(A5)の環状シラノールの脱水縮合物の割合を、1H NMRにより測定した。
前記硬化性組成物の濃縮液44gを100mLナスフラスコに加え、エバポレーターで40℃にて6.7gとなるまで濃縮した。その後、イソプロパノールを65g添加し、硬化性組成物の濃度が60質量%のイソプロパノール溶液となるように調整した。
得られた硬化性組成物の60質量%溶液を用いてナノインデンター測定用サンプル及び耐摩耗性評価用サンプルの硬化板を作製した。
ナノインデンター測定時の荷重は30mNを選択した。
(ナノインデンター測定用サンプル、耐摩耗性評価用サンプルの硬化板の作製)
2cm角、厚さ1ミリのポリカーボネート板(タキロン1600)にプライマーSHP470FT2050(モメンティブ製)をバーコーターNo.16(アズワン製)で塗布後、30℃30分、120℃30分オーブンで硬化し、2μmのプライマーを塗布したポリカーボネートを得た。
前記ポリカーボネート板に、〔実施例1〕で製造した硬化性組成物を、バーコーターNo.6で前記プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布した後、60℃で減圧乾燥を5時間行った。その後、100℃で2時間、次いで120℃で3時間、オーブンにて硬化することにより硬化板を得た。
〔実施例2〕
ナノインデンター測定時の荷重を300mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例3〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.16とし、ナノインデンター測定時の荷重を300mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例4〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.40とし、ナノインデンター測定時の荷重を300mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例5〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.75とし、ナノインデンター測定時の荷重を300mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例6〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.16とし、ナノインデンター測定時の荷重を1000mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例7〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.40とし、ナノインデンター測定時の荷重を1000mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔実施例8〕
プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布時のバーコーターをNo.75とし、ナノインデンター測定時の荷重を1000mNとした以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例1〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例1〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例2〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例2〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例3〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例3〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例4〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例4〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例5〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例5〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例6〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例6〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例7〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例7〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例8〕
再結晶操作を行わなかった以外は、〔実施例8〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例9〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例2〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例10〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例3〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例11〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例4〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例12〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例5〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例13〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例6〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例14〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例7〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例15〕
硬化性組成物溶液にシリコーン系ハードコート液(モメンティブ社AS4700F)を用いた以外は、〔実施例8〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例16〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例2〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例17〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例3〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例18〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例4〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例19〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例5〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例20〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例6〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例21〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例7〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
〔比較例22〕
硬化性組成物溶液として、メチルトリメトキシシラン(東京化成製)3.58gに、イオン交換水1.40g、及び酢酸0.05gを添加し、1日撹拌した溶液を用いた以外は、〔実施例8〕と同様として硬化性組成物、及び硬化板を作製して評価を行った。
実施例1~8、比較例1~22で得られた硬化性組成物及び硬化物の物性及び評価結果を表1~表4に示す。
Figure 0007061888000020
Figure 0007061888000021
Figure 0007061888000022
Figure 0007061888000023
本発明の硬化性組成物は、発光ダイオード素子等の半導体素子の保護、封止、及び接着や、発光ダイオード素子から発せられる光の波長の変更又は調整、並びに、レンズ等の分野において産業上の利用可能性を有する。さらに、本発明の硬化性組成物は、レンズ材料、光学デバイス、光学部品用材料、ディスプレイ材料等の各種の光学用材料、電子デバイス、電子部品用絶縁材料、コーティング材料等の分野において産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. 下記式(1)~(4)で表される環状シラノール(A1)~(A4)と、
    Figure 0007061888000024
    Figure 0007061888000025
    Figure 0007061888000026
    Figure 0007061888000027
    (式(1)~(4)中、Rは、各々独立して、水素、フッ素、アリール基、ビニル基、アリル基、フッ素で置換された直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又は、非置換の直鎖状若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基である。)
    前記環状シラノールの脱水縮合物(A5)と、
    を、含有し、
    前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A2)の割合(モル%)をbとしたとき、0<b≦20を満たす、硬化性組成物。
  2. 前記環状シラノール(A1)~(A4)の総量に対する前記環状シラノール(A1)の割合(モル%)をaとした場合に、0<a≦20を満たす、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 溶媒を含有する、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有する硬化物。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有する接着剤。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有する塗膜。
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