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JP6977489B2 - 電線接続装置 - Google Patents

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JP6977489B2 JP2017213792A JP2017213792A JP6977489B2 JP 6977489 B2 JP6977489 B2 JP 6977489B2 JP 2017213792 A JP2017213792 A JP 2017213792A JP 2017213792 A JP2017213792 A JP 2017213792A JP 6977489 B2 JP6977489 B2 JP 6977489B2
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Description

本発明は、電線を圧接端子に嵌合して電気的接続を得る電線接続装置に関する。
例えば自動車等の車両に搭載されるモータにおいては、ステータの巻線と制御基板との間の電気的接続に圧接端子を用いることが行われる。この種の圧接端子は、例えば特許文献1に示すように、ばね性を有する板状の金具に嵌合用のスロットを有して構成されている。そして、絶縁被覆が付いたままの電線をスロットに挿入して嵌合させると、金具のスロットの両側部分が絶縁被覆を切込むようにして電線の導体に圧接し、電気的接続が得られる。この場合、電線との接触抵抗を下げる必要があり、圧接端子のばね力を大きくして、電線に対する大きな嵌合力(接触荷重)を得るようにしている。
ところで、上記した圧接端子における嵌合力は、金属や樹脂などおける元の形状に戻ろうとする内部エネルギーを利用して得るようにしている。このとき、嵌合後の時間経過と共に、応力(嵌合力)が減少していく応力緩和という現象が生じ、次第に電線に対する接触荷重が低下していき、遂には必要な嵌合力が得られなくなって圧着端子の役割を果たせなくなる問題が生ずる。特に、この応力緩和現象は、雰囲気温度が大きいほど加速されるので、常温使用では十分な寿命であっても、使用環境温度が高い場合に所望の寿命を満たせなくなる場合が生ずる。
米国特許出願公開第2001/0039139号公報
上記問題点に対処する方法として、圧接端子の初期の嵌合力をより大きくすることが考えられる。上記特許文献1では、金具の上にばねクリップを追加することで、初期の嵌合力を大きくするようにしている。しかし、この方法では、嵌合された電線に対し、より大きな力が作用して応力集中による変形等が発生し、例えば外力によって電線がその部分で破断する虞がある。尚、別の方法として、圧接端子の材料として、応力緩和の起こりにくいものを選定することが考えられる。例えば、Cuに、Ni、Sn、P等の添加元素を加えたCu合金を採用する等である。ところが、そのような材質では圧接端子の電気抵抗値が大きくなるため、良い解決方法とはならなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電線を圧接端子に嵌合して電気的接続を得るものにあって、圧接端子による電線に対する嵌合力を長期間に渡って維持することができ、長寿命化を図ることが可能な電線接続装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の電線接続装置(1、11、21)は、導体(5)の外周に絶縁被覆(6)を備える電線(2)と、前記電線(2)が嵌合されるスロット(7、13)を有し、そのスロット(7、13)の両側部が該電線(2)の絶縁被覆(6)を突き破るようにして前記導体(5)に弾塑性的に圧接することにより該電線(2)と接続される圧接端子(3、12)と、前記圧接端子(3、12)のスロット(7、13)内に嵌合され前記電線(2)に対する該圧接端子(3、12)の応力の低下を抑制するための応力緩和部材(4、22)とを備え、前記応力緩和部材(4、22)は、時間経過と共に、応力緩和により前記圧接端子(3、12)に対する接触荷重が低下して、前記電線(2)に対する該圧接端子(3、12)による接触荷重がその分だけ付加されるようにすることにより、前記圧接端子(3、12)の応力緩和に伴う前記電線(2)に対する接触荷重の低下を抑制する
これによれば、圧接端子のスロット内には、電線と共に応力緩和部材が嵌合され、それら2つの部材が圧接端子の嵌合力によって嵌合保持される。このとき、電線に対する接触荷重(圧接する応力)と、応力緩和部材に対する接触荷重との和が、圧接端子の嵌合力に一致する。ここで、応力緩和部材は、時間経過と共に、応力緩和により接触荷重が低下していくので、電線に対する接触荷重がその分だけ付加されることになる。従って、圧接端子の応力緩和に伴う電線に対する嵌合力(接触荷重)の低下を抑制することができる。
この結果、電線を圧接端子に嵌合して電気的接続を得るものにあって、圧接端子による電線に対する嵌合力を長期間に渡って維持することができ、長寿命化を図ることが可能になる。このことは、使用環境温度が高い場合でも、十分な寿命を確保することにつながる。尚、応力緩和部材としては、一般に、金属よりも応力緩和の大きい合成樹脂を採用することが望ましい。
第1の実施形態を示すもので、電線接続装置の要部構成を示す縦断面図 電線接続装置の要部構成を示す横断面図 電線及び応力緩和部材を嵌合させる前の様子を示す縦断面図 各部の寸法関係を説明するための縦断面図 時間経過に伴う接触荷重の変動の様子を説明するための図 第2の実施形態を示すもので、電線接続装置の要部構成を示す縦断面図 応力緩和部材を幅広部に挿入した様子を示す縦断面図 各部の寸法関係を説明するための縦断面図 第3の実施形態を示すもので、電線接続装置の要部構成を示す縦断面図 圧接端子の挿入前の様子及び各部の寸法関係を説明するための縦断面図
(1)第1の実施形態
以下、例えば自動車に搭載される車載モータと制御基板との接続に適用した第1の実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。図1、図2は、本実施形態に係る電線接続装置1の要部構成を示している。この電線接続装置1は、電線2と、この電線2が嵌合により接続される圧接端子3と、応力緩和部材4と、絶縁材製のホルダ(図示せず)等を備えて構成される。尚、前記ホルダには、電線2を保持する保持部や、圧接端子3が挿入支持される挿入部が設けられている。
図3、図4にも示すように、そのうち電線2は、導体5の外周に絶縁被覆6を備えて構成されている。前記導体5は、例えば細線を束ねて構成されているが、1本の太い金属線材からなるものであっても良い。詳しく図示はしないが、この電線2は、例えば車載モータのステータ巻線に対する給電を行うためのもので、一端側が電線接続装置1のホルダに保持されて後述の圧接端子3を介してステータ巻線に接続され、他端側が制御基板に接続される。
前記圧接端子3は、例えば厚み寸法が1mm程度の金属薄板から、図でやや横長な矩形板状に構成されると共に、前記電線2が嵌合されるスロット7を有している。図1等に示すように、スロット7は、圧接端子3の図で左辺部で開放し、右方に延びて設けられている。このスロット7のうち奥側が溝幅の狭い嵌合部7aとされ、入口側は、溝幅がそれよりやや広い導入部7bとされている。導入部7bと嵌合部7aとの境界部は、やや尖った形態とされ、電線2の絶縁被覆6を切込むようになる剥離部7cとされている。スロット7の奥側端部は丸みを帯びた半円形状に構成されている。尚、圧接端子3の材質としては、例えば銅や銅合金等の導電性に優れたものが採用される。
このとき、図4に示すように、スロット7の嵌合部7aの幅寸法hs0は、前記電線2が嵌合から開放された状態の幅寸法hw1よりも小さく構成されている。また、スロット7の導入部7bの幅寸法hs2は、電線2の太さ(直径寸法)よりもやや大きく構成されている。これにて、電線2はスロット7に対し、相対的に、入口から導入部7bを通されて嵌合部7aに圧入されるようにして嵌合される。スロット7の嵌合部7aの両側部分が、電線2の絶縁被覆6を突き破るようにして導体5に両側から弾塑性的に圧接し、電線2を弾塑性的に挟み込んで挟持することにより、電線2と圧接端子3との接続がなされる。
さて、前記応力緩和部材4は、前記圧接端子3に嵌合された電線2に対する応力(接触荷重)の低下を抑制するためのもので、圧接端子3のスロット7内(嵌合部7a)に嵌合される。この応力緩和部材4は、図1及び図2に示すように、前後方向(図2で上下方向)にやや長い直方体形状をなしている。本実施形態では、応力緩和部材4は、一般に金属よりも応力緩和の大きい合成樹脂からなり、例えばPPS、PBTなどが採用される。後述するように、この応力緩和部材4を構成する材料の応力緩和の緩和時間は、前記圧接端子3の材料(銅や銅合金)の応力緩和の緩和時間よりも小さな値となっている。
この応力緩和部材4は、図1、図2に示すように、前記電線2と共に、圧接端子3のスロット7の嵌合部7aに嵌合される。これら電線2及び応力緩和部材4は、圧接端子3のスロット7内に、圧接力の作用軸(図1で軸A)に対して直交方向に並んで嵌合される。また本実施形態では、スロット7の嵌合部7aの奥側に前記電線2が配置され、嵌合部7aの入口側に応力緩和部材4が配置されている。
このとき、図4に示すように、応力緩和部材4のスロット7への嵌合前の幅寸法hr0が、スロット7の嵌合部の幅寸法hs0よりも大きく、嵌合後の幅寸法が、嵌合から開放された電線7の幅寸法hw1よりも小さな値とされている。つまり、図4に示す各部の寸法の大小関係を整理すると、
hs0<hr0<hw1<hs2
となる。尚、これらの各寸法差は、全て、0.数mm程度とされている。
次に、上記構成の電線接続装置1の作用について述べる。本実施形態の電線接続装置1において、電線2と圧接端子3とを接続するにあたっては、まず、図3に示すように、電線2が宙に浮いた状態でホルダの保持部に保持されると共に、電線2の奥側(図で左側)に並ぶようにして応力緩和部材4が仮保持状態に配置される。この状態で、圧接端子3が、スロット7の開口部を前方にして、ホルダの挿入部に対する挿入方向(矢印S方向)に移動される。
すると、まず電線2が、圧接端子3のスロット7に相対的に挿入され、導入部7b、剥離部7cを通って嵌合部7aに嵌合される。このとき、電線2は、導入部7bは通過するが、剥離部7cによって絶縁被覆6に切り込みが入れられつつ、嵌合部7aに圧入されるように嵌合される。スロット7の嵌合部7aの両側部が導体5に接触し、電気的接続が図られる。引続き、応力緩和部材4が、圧接端子3のスロット7に相対的に挿入され、導入部7bを通って嵌合部7aに圧入され、図1等に示すように、嵌合部7aに電線2と並んで嵌合される。
このとき、圧接端子3のスロット7(嵌合部7a)の両側部が、電線2及び応力緩和部材4によって幅方向に拡げられるようにしてたわみ、ばね力が発生する。そのばね力が応力(接触荷重)となって、電線2及び応力緩和部材4が嵌合保持される。このとき、電線2に対する接触荷重と、応力緩和部材4に対する接触荷重との和が、圧接端子3の嵌合力に一致する。ここで、圧接端子3の嵌合力は、嵌合後の時間経過と共に、応力緩和により低下していくことが知られている。
ところが、圧接端子3における応力緩和と同時に、合成樹脂製の応力緩和部材4にあっても、時間経過と共に、応力緩和により、圧接端子3のばね力に対する反力が次第に低下していく。そのため、応力緩和部材4の接触荷重が低下していくので、電線2に対する接触荷重がその分だけ付加されることになる。図5は、嵌合後の時間経過tに伴う電線に作用する接触荷重fの変化の様子を示すもので、(a)は応力緩和部材4を設けない従来構成の場合、(b)は応力緩和部材4を設けた本実施形態の場合を夫々示している。ここで、図5(a)に示すように、従来構成では、圧接端子の嵌合力aと電線の接触荷重bとが一致し、時間経過tに伴い次第に荷重fが低下していく。この場合、圧接端子の嵌合力aが、初期値f0の1/e(=1/2.72)まで低下するに要する時間が、緩和時間tτと定義される。
これに対し、本実施形態では、図5(b)に示すように、圧接端子3の嵌合力a´は、電線2の接触荷重b´と、応力緩和部材4の接触荷重c´との和に一致する。このとき、応力緩和部材4の緩和時間trが、上記緩和時間tτを下回ることで、圧接端子3の嵌合力a´と応力緩和部材4の接触荷重c´との差分が、電線2の接触荷重b´として付加されるようになる。これにより、応力緩和部材4を設けない場合と比較して、電線2の接触荷重b´の低下が抑制される。また、圧接端子3の嵌合力a´の初期値f0´を、上記f0よりも大きくしているので、応力緩和部材4を設けていても、電線2の接触荷重b´の初期値を、従来のものと同等(f0)となるようにしている。
このように本実施形態によれば、電線2を圧接端子3に嵌合して電気的接続を得るものにあって、圧接端子3のスロット7内に嵌合され前記電線2に対する応力の低下を抑制するための応力緩和部材4を設けたので、圧接端子3による電線2に対する嵌合力を長期間に渡って維持することができ、長寿命化を図ることが可能になるという優れた効果を得ることができる。また、これにより、車載用といった高温環境においても、必要な寿命を十分に満たすことができるようになる。
本実施形態においては、電線2及び応力緩和部材4を、圧接端子3のスロット7内に、圧接力の作用軸Aに対して直交方向に並んで嵌合させる構成とした。これにより、電線2の接触荷重と応力緩和部材4の接触荷重との和を、圧接端子3の嵌合力に一致させることができ、所期の目的を達成することができた。このとき、スロット7内には、奥側に電線2が配置され、入口側に応力緩和部材4が配置される構成としたので、電線2よりも先に応力緩和部材4が嵌合(挿入)されることに伴う、スロット7の嵌合部7aの両側部の汚染や異物付着による電気抵抗の増大等の悪影響を未然に防止することができる。
また本実施形態では、応力緩和部材4を、応力緩和の緩和時間が、前記圧接端子3の応力緩和の緩和時間よりも小さな値となる材料、この場合合成樹脂から構成するようにした。これにより、応力緩和部材4は、嵌合後比較的短い期間で応力緩和が進むので、早期から長い期間に渡って電線2に対する大きな接触荷重を維持することができるようになる。更に本実施形態では、応力緩和部材4のスロット7への嵌合前の幅寸法hr0が、スロット7の嵌合部の幅寸法hs0よりも大きく、嵌合後の幅寸法が、嵌合から開放された電線7の幅寸法hw1よりも小さな値とされている。これにより、応力緩和部材4の幅寸法hr0を適切なものとすることができ、圧接端子3による電線2に対する嵌合力を長期間に渡って維持するに有効なものとなる。
(2)第2、第3の実施形態、その他の実施形態
次に、図6から図8を参照して第2の実施形態について述べる。尚、以下に述べる各実施形態においては、上記第1の実施形態と同一部分については、詳しい説明等を省略すると共に、符号も共通して使用し、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとする。
本実施形態に係る電線接続装置11が上記第1の実施形態と異なる点は、圧接端子12の構成にある。即ち、圧接端子12は、金属薄板から図でやや横長な矩形板状に構成されると共に、図で左辺部で開放し右方に延びるスロット13を有している。スロット13のうち入口側は、溝幅がやや大きい導入部13aとされ、中間部分が、剥離部13bを介して第1の嵌合部13cとされ、途中部の幅広部13dを介して奥側に第2の嵌合部13eが設けられている。
本実施形態では、圧接端子12のスロット13内には、奥側の第2の嵌合部13eに、応力緩和部材4が嵌合され、入口側の第1の嵌合部13cに、電線2が嵌合されるようになっている。前記幅広部13dは、スロット13の入口部や第1の嵌合部13cを通さずに、応力緩和部材4を通して第2の嵌合部13eに嵌合させることを可能とするために設けられている。図7に示すように、幅広部13dは、応力緩和部材4を圧接端子12の面方向から挿入させ、応力緩和部材4を奥方にスライドさせて第2の嵌合部13eに嵌合させることが可能な大きさとされている。
このとき、図8に示すように、スロット13の第1の嵌合部13c及び第2嵌合部13eの幅寸法hs1は、前記電線2の導体5の幅(直径)寸法hw0よりもやや小さく構成されている。また、電線2の導体5の幅(直径)寸法hw0は、嵌合から開放された応力緩和部材4の幅寸法hr1よりもやや小さく構成されている。これにて、電線2は、相対的に、スロット13に対し、入口から導入部13aを通されて剥離部13bで絶縁被覆6を破られるようにしながら、第1の嵌合部13cに圧入されるようにして嵌合される。
この第2の実施形態の電線接続装置11においては、まず図7に示すように、圧接端子12のスロット13の幅広部13dを通して、予め応力緩和部材4をスロット13の第2の嵌合部13eに嵌合させておくことができる。そして、その状態で、図8に示すように、ホルダに保持された電線2に対し、圧接端子12を矢印S方向に挿入する。すると、電線2が、スロット13に相対的に挿入され、導入部13a、剥離部13bを通って第1の嵌合部13cに嵌合される。これにて、図6に示すように、スロット13に電線2と応力緩和部材4とが並んで嵌合されるのである。
このような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、電線2を圧接端子12に嵌合して電気的接続を得るものにあって、圧接端子12のスロット13内に嵌合され電線2に対する応力の低下を抑制するための応力緩和部材4を設けたので、圧接端子12による電線2に対する嵌合力を長期間に渡って維持することができ、長寿命化を図ることが可能になる等の優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、スロット13の途中部に、応力緩和部材4を通して嵌合させることが可能な幅広部13dを設けるようにした。この幅広部13dの使い方によって、電線2及び応力緩和部材4の、嵌合位置や嵌合作業の順序にバラエティが生ずるので、ユーザの所望する嵌合位置、嵌合作業順序を実現できる。例えば、予め応力緩和部材4を幅広部13dを通してスロット13の奥側の第2の嵌合部13eに嵌合させておくことができ、その後、電線2をスロット13の第1の嵌合部13cに嵌合させることにより、作業性の向上を図ることができる。尚、応力緩和部材4及び電線2の嵌合作業の順序を逆にするように構成しても良い。
図9及び図10は、第3の実施形態を示すものである。この第3の実施形態に係る電線接続装置21が上記第1の実施形態等と異なる点は、応力緩和部材22を、ホルダ23に一体に設けるようにした構成にある。ホルダ23は、合成樹脂からなり、図で右壁部が開口した矩形箱状をなし、圧接端子3が挿入支持される挿入部23aを有すると共に、その挿入部23aの図で前後の壁が、電線2のうち圧接端子3と接続される部分の近傍を保持する保持部23bとされている。
本実施形態では、圧接端子3は、上記第1の実施形態と同様に、導入部7b、剥離部7c、嵌合部7aを備えるスロット7を有している。この圧接端子3は、ホルダ23の挿入部23aに対して、矢印S方向に挿入され、このとき、電線2が相対的にスロット7内に挿入されて嵌合部7aに嵌合されると共に、ホルダ23の挿入部23aに保持されるようになる。そして、前記応力緩和部材22は、挿入部23aの左内壁部から図で右方に突出するように、ホルダ23に一体に設けられており、前記スロット7の入口部である導入部7bに嵌合(圧入)されることにより、電線2に対する応力の低下を抑制するように構成されている。
このとき、本実施形態では、前記応力緩和部材22の嵌合前の幅寸法hcは、前記スロット7の入口部(導入部7b)の幅寸法hs2よりも大きく、嵌合から開放された電線2の幅寸法hw2と該スロット7の奥側部分(嵌合部7a)の幅寸法hs0との差を、前記入口部の幅寸法hs2に加算した値より小さな値である。つまり、それらの寸法関係は、
hs2<hc<{hs2+(hw2−hs0)}
となる。
本実施形態の電線接続装置21においては、圧接端子3の、ホルダ23の挿入部23aに対する挿入作業を行うことにより、電線2が相対的にスロット7内に挿入されて嵌合部7aに嵌合されると共に、応力緩和部材22が相対的にスロット7の入口部に挿入されて導入部7bに嵌合されるようになる。これにより、上記第1の実施形態等と同様に、圧接端子3のスロット7に、電線2及び応力緩和部材22が嵌合保持される。従って、応力緩和部材22を設けたことにより、応力緩和部材22を設けない場合と比較して、電線2の接触荷重の低下が抑制される。
このような第3の実施形態においても、第1の実施形態等と同様に、電線2を圧接端子3に嵌合して電気的接続を得るものにあって、圧接端子3のスロット7内に嵌合され電線2に対する応力の低下を抑制するための応力緩和部材22を設けたので、圧接端子3による電線2に対する嵌合力を長期間に渡って維持することができ、長寿命化を図ることが可能になる等の優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、応力緩和部材22を、ホルダ23に一体に設ける構成としたので、応力緩和部材を別途設けなくとも良くなり、その分構成が簡単になる。しかも、圧接端子3のホルダ23への挿入時に、いわば自動的にスロット7に応力緩和部材22を嵌合させることができるので、応力緩和部材22の嵌合の作業も簡単になる。また、本実施形態では、応力緩和部材22の幅寸法hcを適切なものとすることができ、圧接端子3による電線2に対する嵌合力を長期間に渡って維持するに有効なものとなる。
尚、上記実施形態で説明した、応力緩和部材の材質や形状、圧接端子のスロットの形状などは、一例をあげたものに過ぎず、様々な変更が可能である。また電線接続装置の用途についても、車載用のモータに限らず、各種機器の電線の電気的な接続を行うもの全般に適用することができる。本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1、11、21は電線接続装置、2は電線、3、12は圧接端子、4、22は応力緩和部材、5は導体、6は絶縁被覆、7,12はスロット、13dは幅広部、23はホルダを示す。

Claims (9)

  1. 導体(5)の外周に絶縁被覆(6)を備える電線(2)と、
    前記電線(2)が嵌合されるスロット(7、13)を有し、そのスロット(7、13)の両側部が該電線(2)の絶縁被覆(6)を突き破るようにして前記導体(5)に弾塑性的に圧接することにより該電線(2)と接続される圧接端子(3、12)と、
    前記圧接端子(3、12)のスロット(7、13)内に嵌合され前記電線(2)に対する該圧接端子(3、12)の応力の低下を抑制するための応力緩和部材(4、22)とを備え
    前記応力緩和部材(4、22)は、時間経過と共に、応力緩和により前記圧接端子(3、12)に対する接触荷重が低下して、前記電線(2)に対する該圧接端子(3、12)による接触荷重がその分だけ付加されるようにすることにより、前記圧接端子(3、12)の応力緩和に伴う前記電線(2)に対する接触荷重の低下を抑制する電線接続装置。
  2. 前記電線(2)及び応力緩和部材(4、22)は、前記圧接端子(3、12)のスロット(7、13)内に、圧接力の作用軸に対して直交に並んで嵌合される請求項1記載の電線接続装置。
  3. 前記応力緩和部材(4、22)は、応力緩和の緩和時間が、前記圧接端子(3、12)の応力緩和の緩和時間よりも小さな値となる材料から構成される請求項1又は2に記載の電線接続装置。
  4. 前記応力緩和部材(4、22)は、前記スロット(7、13)への嵌合前の幅寸法が、該スロット(7、13)に嵌合された電線(2)の幅寸法よりも大きく、嵌合後の幅寸法が、嵌合から開放された電線(2)の幅寸法よりも小さな値である請求項1から3のいずれか一項に記載の電線接続装置。
  5. 前記圧接端子(3、12)のスロット(7、13)内には、奥側に前記電線(2)が配置され、入口側に前記応力緩和部材(4、22)が配置される請求項1から4のいずれか一項に記載の電線接続装置。
  6. 前記圧接端子(12)のスロット(13)の途中部には、該スロット(13)の入口部を通さずに前記応力緩和部材(4)を通して嵌合させることが可能な幅広部(13d)を有している請求項1から4のいずれか一項に記載の電線接続装置。
  7. 前記圧接端子(3、12)のスロット(7、13)内には、奥側に前記応力緩和部材(4)が配置され、入口側に前記電線(2)が配置される請求項6記載の電線接続装置。
  8. 前記電線(2)のうち前記圧接端子(3、12)と接続される部分の近傍を保持するホルダ(23)を備え、該ホルダ(23)内に前記圧接端子(3、12)が挿入支持されるものであって、
    前記応力緩和部材(22)は、前記ホルダ(23)に一体に設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の電線接続装置。
  9. 前記圧接端子(3)のスロット(7)は、入口部が、前記電線(2)が嵌合する奥側部分よりも幅広に構成され、前記応力緩和部材(22)は該入口部に嵌合されると共に、
    前記応力緩和部材(22)の嵌合前の幅寸法は、前記スロット(7)の入口部の幅寸法よりも大きく、嵌合から開放された電線(2)の幅寸法と該スロット(7)の奥側部分の幅寸法との差を前記入口部の幅寸法に加算した値より小さな値である請求項8記載の電線接続装置。
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