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JP6959932B2 - 殺微生物性キノリン(チオ)カルボキサミド誘導体 - Google Patents

殺微生物性キノリン(チオ)カルボキサミド誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、例えば活性成分として殺微生物活性、特には殺菌(fungicidal)活性を有する殺微生物性キノリン(チオ)カルボキサミド誘導体に関する。本発明はまた、これらのキノリン(チオ)カルボキサミド誘導体の合成、これらのキノリン(チオ)カルボキサミド誘導体の合成に有用な中間体、これらの中間体の合成、少なくとも1種のキノリン(チオ)カルボキサミド誘導体を含有する農芸化学組成物、これらの組成物の調製、および、農業または園芸における、植物、収穫された食品作物、種子、または非生体材料に対する植物病原性微生物による、特には真菌(fungi)による外寄生(infestation)を防除もしくは予防するためのキノリン(チオ)カルボキサミド誘導体または組成物の使用に関する。
特定の殺菌性キノリン(チオ)カルボキサミド化合物が国際公開第04039783号に記載されている。
今回、驚くべきことには、特定の新規なキノリン(チオ)カルボキサミド誘導体が好ましい殺菌特性を有することが見出された。
本発明はしたがって、式(I)の化合物
Figure 0006959932
(式中、
XはOまたはSであり;
1は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
2およびR3は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、またはメチルであり;
4は、水素、シアノ、C1〜C4アルキル、またはC3〜C4シクロアルキルであり、これらのアルキルおよびシクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
5およびR6は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、およびC1〜C4アルキルチオから選択されるか;
5およびR6は、これらが結合している炭素原子と一緒になってC=O、C=NORc、C3〜C5シクロアルキル、またはC2〜C5アルケニルを表し、これらのシクロアルキルおよびアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
7は、水素、C1〜C5アルキル、C3〜C5シクロアルキル、C2〜C5アルケニル、C3〜C5シクロアルケニル、またはC2〜C5アルキニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ヒドロキシル、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜4個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
8およびR9は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、およびC1〜C4アルコキシから選択されるか;
8およびR9は、これらが結合している炭素原子と一緒になってC3〜C5シクロアルキルを表し、このシクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
各R10は、独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C5アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、C3〜C5アルケニルオキシ、C3〜C5アルキニルオキシ、C1〜C5アルキルチオ、−C(=NORc)C1〜C5アルキル、またはC1〜C5アルキルカルボニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、およびアルキルチオは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜5個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、2、3、4、または5であり;
各Rcは、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C4アルキニル、C3〜C4シクロアルキル(C1〜C2)アルキル、およびC3〜C4シクロアルキルから独立して選択され、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、ハロゲンおよびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;
11は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
12およびR13は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはヒドロキシルから選択される)
であるが、次の化合物:
Figure 0006959932
のうちの1つではないことを条件とする化合物、ならびにその塩および/またはN−オキシドを提供する。
第2の態様において、本発明は、式(I)の化合物を含む農芸化学組成物を提供する。
式(I)の化合物は植物病原性微生物の防除に用いられ得る。それ故、植物病原体を防除するために、本発明に係る式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む組成物は、植物病原体に直接、または、植物病原体の生息地(特に植物病原体による被害を受けやすい植物)に適用され得る。
それ故、第3の態様において、本発明は、植物病原体を防除するための本明細書に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む組成物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む組成物を、前記植物病原体、または、前記植物病原体の生息地(特に植物病原体による被害を受けやすい植物)に適用するステップを含む植物病原体の防除方法を提供する。
式(I)の化合物は、植物病原性真菌の防除に特に効果的である。
それ故、さらなる態様において、本発明は、植物病原性真菌を防除するための本明細書に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む組成物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物を含む組成物を、前記植物病原性真菌、または、前記植物病原性真菌の生息地(特に植物病原性真菌による被害を受けやすい植物)に適用するステップを含む植物病原性真菌の防除方法を提供する。
置換基が任意選択により置換されていると示されている場合、これは、これらの置換基が、1個以上の同等もしくは異なる置換基、例えば1〜3個の置換基を有していてもいなくてもよいことを意味する。通常、3個以下のこのような任意選択の置換基が同時に存在する。1個の基が置換されていると示されている場合(例えばアルキル)、これは、他の基の一部であるこれらの基を含む(例えばアルキルチオ中のアルキル)。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指し、好ましくはフッ素、塩素または臭素を指す。
アルキル置換基(単独で、または、例えばアルコキシ−、アルキルチオ−などのより大きな基の一部として)は直鎖または分岐であり得る。アルキルは、それ自体、または、他の置換基の一部として、記載されている炭素原子の数に応じて、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびこれらの異性体、例えば、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルまたはイソ−アミルである。
アルケニル置換基(単独で、または、例えばアルケニルオキシなどのより大きな基の一部として)は直鎖または分岐鎖の形態であることが可能であり、このアルケニル部分は、適切な場合、(E)−または(Z)−立体構成のものであることが可能である。例はビニルおよびアリルである。アルケニル基は、好ましくはC2〜C6、より好ましくはC2〜C4、および、最も好ましくはC2〜C3アルケニル基である。
アルキニル置換基(単独で、または、例えばアルキニルオキシなどのより大きな基の一部として)は、直鎖または分岐鎖の形態であることが可能である。例はエチニルおよびプロパルギルである。アルキニル基は、好ましくはC2〜C6、より好ましくはC2〜C4、および、最も好ましくはC2〜C3アルキニル基である。
シクロアルキル置換基は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよく、好ましくは完全に飽和であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
ハロアルキル基(単独で、または、例えばハロアルキルオキシなどのより大きな基の一部として)は1個以上の同等または異なるハロゲン原子を含有し得、例えば、CH2Cl、CHCl2、CCl3、CH2F、CHF2、CF3、CF3CH2、CH3CF2、CF3CF2またはCCl3CCl2を表し得る。
ハロアルケニル基(単独で、または、例えばハロアルケニルオキシなどのより大きな基の一部として)はそれぞれアルケニル基であり、これらは、1つ以上の同一または異なるハロゲン原子で置換されており、例えば、2,2−ジフルオロビニルまたは1,2−ジクロロ−2−フルオロ−ビニルである。
ハロアルキニル基(単独で、あるいはより大きな基(例えばハロアルキニルオキシ)の一部として)は、それぞれ1つ以上の同じまたは異なるハロゲン原子で置換されているアルキニル基であり、例えば1−クロロ−プロプ−2−イニルである。
アルコキシはラジカル−ORを意味し、式中、例えば上記に定義されているとおり、Rはアルキルである。アルコキシ基としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、1−メチルエトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシおよび2−メチルプロポキシが挙げられる。
シアノは−CN基を意味する。
アミノは−NH2基を意味する。
ヒドロキシルまたはヒドロキシは、−OH基を指す。
アリール基(単独で、または、例えばアリールオキシ、アリール−アルキルなどのより大きな基の一部として)は、単環式、二環式または三環式の形態であることが可能である芳香族環系である。このような環の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、インデニルまたはフェナントレニルが挙げられる。好ましいアリール基はフェニルおよびナフチルであり、フェニルが最も好ましい。アリール部分が置換されていると言われる場合、このアリール部分は、好ましくは1〜4個の置換基、最も好ましくは1〜3個の置換基で置換されている。
ヘテロアリール基(単独で、または、例えばヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール−アルキルなどのより大きな基の一部として)は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有すると共に、単一の環または2つ以上の縮合環から構成される芳香族環系である。好ましくは、単一の環は3個以下のヘテロ原子を含有し、二環系は4個以下のヘテロ原子を含有することとなり、これらは、窒素、酸素および硫黄から好ましく選択されることとなる。単環式基の例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(例えば[1,2,4]トリアゾリル)、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。二環式基の例としては、プリニル、キノリニル、シノリニル、キノキサリニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニルおよびベンゾチアゾリルが挙げられる。単環式ヘテロアリール基が好ましく、ピリジルが最も好ましい。ヘテロアリール部分が置換されていると言われる場合、このヘテロアリール部分は、好ましくは1〜4個の置換基、最も好ましくは1〜3個の置換基で置換されている。
ヘテロシクリル基または複素環(単独で、または、ヘテロシクリル−アルキルなどのより大きな基の一部として)は、O、SおよびNから選択される1個以上(好ましくは1個、2個または3個)のヘテロ原子を含む10個以下の原子を含有する非芳香族環構造である。単環式基の例としては、オキセタニル、4,5−ジヒドロ−イソオキサゾリル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、[1,3]ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[1,4]ジオキサニル、イミダゾリジニル、[1,3,5]オキサジアジナニル、ヘキサヒドロ−ピリミジニル、[1,3,5]トリアジナニルおよびモルホリニル、または、1−オキソ−チエタニルおよび1,1−ジオキソ−チエタニルなどのこれらの酸化型が挙げられる。二環式基の例としては、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニル、ベンゾ[1,4]ジオキソラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソラニル、クロメニルおよび2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルが挙げられる。ヘテロシクリル部分が置換されていると言われる場合、このヘテロシクリル部分は、好ましくは1〜4個の置換基、最も好ましくは1〜3個の置換基で置換されている。
式(I)の化合物中に1個以上の不斉炭素原子の存在が可能であるとは、その化合物が光学異性形態、すなわち、鏡像異性形態またはジアステレオ異性形態をとり得ることを意味する。また、単結合に係る回転の制限によってアストロプ異性体が生じ得る。式(I)は、すべてのこれらの可能性のある異性形態およびその混合物を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべてのこれらの可能性のある異性形態およびその混合物を含む。同様に、式(I)は、すべての可能性のある互変異性体を含むことが意図されている。本発明は、式(I)の化合物に係るすべての可能性のある互変異性形態を含む。
各事例において、本発明に係る式(I)の化合物は、遊離形態、N−オキシドとしての酸化型、または、例えば農業経済学的に使用可能な塩形態といった塩形態である。
N−オキシドは、第三級アミンの酸化型、または、窒素含有芳香族複素環式化合物の酸化型である。これらは、例えば、書籍“Heterocyclic N−oxides”,A.Albini and S.Pietra,CRC Press,Boca Raton 1991に記載されている。
X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、nおよびRCの好ましい値は、任意のこれらの組み合わせで、以下に規定されているとおりである;
好ましくは、XはOである。
好ましくは、R1は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである。
より好ましくは、R1は、水素、フルオロ、メチル、またはシアノである。
最も好ましくは、R1は水素またはフルオロである。
好ましくは、R2およびR3は、それぞれ独立して水素またはメチルである。
より好ましくは、R2が水素でR3が水素またはメチルであるか;R2が水素またはメチルでR3が水素である。
最も好ましくは、R2とR3の両方が水素である。
好ましくは、R4は、水素、シアノ、C1〜C3アルキル、またはシクロプロピルであり、これらのアルキルおよびシクロアルキルは、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
より好ましくは、R4は、水素、シアノ、メチル、またはエチルであり、これらのメチルおよびエチルは、フルオロおよびメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
最も好ましくは、R4は、メチルまたはエチル(これらのメチルおよびエチルは、1〜3個のフルオロ置換基またはメトキシで任意選択的に置換されていてもよい)である。
好ましくは、R5およびR6は、それぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、およびC1〜C2アルキルチオから選択されるか;R5およびR6は、これらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、このシクロプロピルは、フルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
より好ましくは、R5およびR6は、それぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから選択されるか;R5およびR6は、これらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表す。
最も好ましくは、R5およびR6は、それぞれ独立して水素およびフルオロから選択される。
好ましくは、R7は、C1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、またはC2〜C3アルキニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルは、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
より好ましくは、R7は、C1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、およびアルケニルは、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
最も好ましくは、R7は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロアルキル、およびアルケニルは、フルオロ、クロロ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
好ましくは、R8およびR9は、それぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから選択されるか;R8およびR9は、これらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、このシクロプロピルは、フルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
より好ましくは、R8およびR9は、それぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択されるか;R8およびR9は、これらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表す。
最も好ましくは、R8およびR9は、それぞれ独立して水素またはフルオロから選択される。
好ましくは、各R10は、独立に、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC1〜C2アルキルチオを表し、これらのアルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオは、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、2、または3である。
より好ましくは、各R10は、独立に、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、シクロプロピル、メトキシ、またはメチルチオを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオは、フルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、または2である。
最も好ましくは、各R10は、独立に、フルオロ、クロロ、シアノ、またはメチルを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオは、1〜3個のフルオロ置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、または2である。
好ましくは、各Rcは、水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチルから独立して選択され、これらのメチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチル基は、フルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
最も好ましくは、各Rcは、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチルから独立して選択され、これらのメチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチル基は、フルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。
好ましくは、R11は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである。
より好ましくは、R11は、水素、フルオロ、メチル、またはクロロである。
最も好ましくは、R11は、水素またはフルオロである。
好ましくは、R12およびR13は、それぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される。
より好ましくは、R12およびR13は、それぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択される。
最も好ましくは、R12とR13の両方が水素である。
本発明に係る実施形態は、以下に規定されているとおり提供される。
実施形態1は、上に定義されているとおりの式(I)の化合物、またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態2は、式中のR1が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである、実施形態1に記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態3は、式中のR2およびR3がそれぞれ独立して水素またはメチルである、実施形態1または2に記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態4は、式中のR4が水素、シアノ、C1〜C3アルキル、またはシクロプロピルであり、これらのアルキルおよびシクロアルキルがフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、または3のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態5は、式中のR5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、およびC1〜C2アルキルチオから選択されるか;R5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、このシクロプロピルがフルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、または4のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態6は、式中のR7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、またはC2〜C3アルキニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルがフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、または5のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態7は、式中のR8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから選択されるか;R8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、このシクロプロピルがフルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、または6のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態8は、式中の各R10が独立にハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC1〜C2アルキルチオを表し、これらのアルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nが0、1、2、または3である、実施形態1、2、3、4、5、6、または7のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態9は、式中の各Rcが水素、メチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチルから独立して選択され、これらのメチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチル基が、フルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、または8のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態10は、式中のR1が水素、フルオロ、メチル、またはシアノである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、または9のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態11は、式中のR2が水素でR3が水素またはメチルであるか;R2が水素またはメチルでR3が水素である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態12は、式中のR4が水素、シアノ、メチル、またはエチルであり、これらのメチルおよびエチルがフルオロおよびメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態13は、式中のR5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから選択されるか;R5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表す、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態14は、式中のR7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、およびアルケニルが、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態15は、式中のR8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択されるか;R8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表す、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態16は、各R10が独立に、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、シクロプロピル、メトキシ、またはメチルチオを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオは、フルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、または2である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態17は、式中の各Rcがメチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチルから独立して選択され、これらのメチル、エチル、アリル、プロパルギル、およびシクロプロピルメチル基がフルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態18は、式中のR1がハロゲンまたはフルオロである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態19は、式中のR2とR3の両方が水素である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態20は、式中のR4がメチルまたはエチル(このメチルおよびエチルは、1〜3個のフルオロ置換基で任意選択的に置換されていてもよい)である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態21は、式中のR5およびR6がそれぞれ独立して水素およびフルオロから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態22は、式中のR7がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロアルキル、およびアルケニルがフルオロ、クロロ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態23は、式中のR8およびR9がそれぞれ独立して水素またはフルオロから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態24は、式中の各R10が独立に、フルオロ、クロロ、シアノ、またはメチルを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオが1〜3個のフルオロ置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nは0、1、または2である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態25は、式中のR11が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。実施形態26は、式中のR12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、またはヒドロキシルから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態27は、式中のR11が水素、フルオロ、メチル、またはクロロである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態28は、式中のR12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択される、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26または27のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態29は、式中のR11が水素またはフルオロである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
実施形態30は、式中のR12とR13の両方が水素である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29のいずれか1つに記載の化合物またはその塩もしくはN−オキシドを提供する。
本発明に係る化合物の1つの群は、式(I’)のものである:
Figure 0006959932
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、n、およびRcは、式(I)の化合物またはその塩もしくはN−オキシドについて定義したとおりである)。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、n、およびRcの好ましい定義は、式(I)の化合物について定義したとおりである。
本発明に係る化合物の1つの群は、式(I’’)のものである:
Figure 0006959932
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、n、およびRcは、式(I)の化合物またはその塩もしくはN−オキシドについて定義したとおりである)。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、n、およびRcの好ましい定義は式(I)の化合物について定義したとおりである。
本発明に係る化合物の好ましい群は、式中のXがOまたはSであり;R1が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R2およびR3がそれぞれ独立して水素またはメチルであり;R4が水素、シアノ、C1〜C3アルキル、またはシクロプロピルであり、これらのアルキルおよびシクロアルキルがフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、およびC1〜C2アルキルチオから選択されるか;R5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、このシクロプロピルがフルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、またはC2〜C3アルキニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルがフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから選択されるか;R8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、このシクロプロピルがフルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;各R10が独立にハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC1〜C2アルキルチオを表し、これらのアルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nが0、1、2、または3であり;R11が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される式(I)の化合物である式(I−1)のもの、またはその塩もしくはN−オキシドである。
この実施形態に係る化合物の1つの群は、式中のXがOである式(I−1)の化合物である式(I−1a)の化合物である。
この実施形態に係る化合物のもう1つの群は、式中のXがSである式(I−1)の化合物である式(I−1b)の化合物である。
本発明に係る化合物のさらに好ましい群は、式中のXがOまたはSであり;R1が水素、フルオロ、メチル、またはシアノであり;R2が水素でR3が水素またはメチルであるか、R2が水素またはメチルでR3が水素であり;R4が水素、シアノ、メチル、またはエチルであり、これらのメチルおよびエチルがフルオロおよびメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから選択されるか;R5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;R7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、およびアルケニルがフルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択されるか;R8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;各R10が独立にフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、シクロプロピル、メトキシ、またはメチルチオを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオはフルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nが0、1、または2であり;R11が水素、フルオロ、メチル、またはクロロであり;R12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択される式(I)の化合物である式(I−2)のもの、またはその塩もしくはN−オキシドである。
この実施形態に係る化合物の1つの群は、式中のXがOである式(I−2)の化合物である式(I−2a)の化合物である。
この実施形態に係る化合物のもう1つの群は、式中のXがSである式(I−2)の化合物である式(I−2b)の化合物である。
本発明に係る化合物のさらに好ましい群は、式中のXがOまたはSであり;R1が水素またはフルオロであり;R2とR3の両方が水素であり;R4がメチルまたはエチル(このメチルおよびエチルは、1〜3個のフルオロ置換基で任意選択的に置換されていてもよい)であり;R5およびR6がそれぞれ独立して水素およびフルオロから選択され;R7がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、これらのメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロアルキル、およびアルケニルがフルオロ、クロロ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素またはフルオロから選択され;各R10がフルオロ、クロロ、シアノ、またはメチルを表し、これらのメチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオが1〜3個のフルオロ置換基で任意選択的に置換されていてもよく;nが0、1、または2であり;R11が水素またはフルオロであり;R12とR13の両方が水素である式(I)の化合物である式(I−3)のもの、またはその塩もしくはN−オキシドである。
この実施形態に係る化合物の1つの群は、式中のXがOである式(I−3)の化合物である式(I−3a)の化合物である。
この実施形態に係る化合物のもう1つの群は、式中のXがSである式(I−3)の化合物である式(I−3b)の化合物である。
本発明に係る化合物は、とりわけ、真菌によって引き起こされる病害からの植物の保護のための有利なレベルの生物学的活性、または、農芸化学活性成分としての使用のための優れた特性(例えば、高い生物学的活性、有利な活性スペクトル、増加した安全プロファイル、改善された物理化学的特性、または改善された生分解性)を含む、多数の利点を有し得る。
式(I)の化合物の特定の例が、以下の表A1〜A13に例示されている:
表A1は、式(I−a)の248個の化合物
Figure 0006959932
(式中、R1、R2、およびR3はすべてHであり、R11、R12、およびR13はすべてHである)を提示し、式中のR4、R5、R6、R7、R8、R9、ならびにR10およびn(R10およびnが存在する場合)の値は下の表Z中で定義されているとおりである:
Figure 0006959932
Figure 0006959932
Figure 0006959932
Figure 0006959932
Figure 0006959932
Figure 0006959932
Figure 0006959932
表A2は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R1がフルオロであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A3は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R1がクロロであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A4は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R1がブロモであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A5は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R1がメチルであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A6は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R1がシアノであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A7は、式中のR11がフルオロであり、R1がHであり、R2およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A8は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R2がメチルであり、R1およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A9は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R3がメチルであり、R1およびR2がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A10は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R2がメチルであり、R1がフルオロであり、R3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A11は、式中のR11、R12、R13がすべてHであり、R3がメチルであり、R1がフルオロであり、R2がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A12は、式中のR12、R13がHであり、R2およびR3がHであり、R1およびR11がフルオロであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−a)の248個の化合物を提示する。
表A13は、式(I−b)の248個の化合物
Figure 0006959932
(式中、R11、R12、R13、R1、R2、およびR3はすべてHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値は上の表Z中で定義されているとおりである)を提示する。
表A14は、式中のR1がフルオロであり、R11、R12、R13、R2、およびR3がHであり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10の値が上の表Z中で定義されているとおりである式(I−b)の248個の化合物を提示する。
本発明の化合物は以下のスキームにおいて示されているとおり製造することが可能であり、ここで、別段の定めがある場合を除き、各可変要素の定義は、式(I)の化合物について上に定義されているとおりである。
スキーム1中に示されているように、式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびnが式(I)の化合物について定義したとおりでありXがOである一般式(I−a)の化合物は、式中のR1、R2、R3、R11、R12、およびR13が式(I)の化合物について定義したとおりである式(II)の化合物と、式中のR4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびnが式(I)の化合物について定義したとおりである式(III)のアミンとの反応によって合成することができる。
Figure 0006959932
この変換のために報告されている様々な方法の中でも、最も広く採用されているものは、Chem.Soc.Rev.,2009,606−631またはTetrahedron 2005,10827−10852に記載されているような、テトラヒドロフラン(THF)またはジメチルホルムアミド(DMF)などの不活性有機溶媒中で塩化チオニルなどの活性化剤またはジシクロヘキシルカルボジイミドなどのアミドカップリング剤でカルボン酸(II)を処理し、ジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下でアミン(III)と反応させることを含む。
スキーム2中に示されているように、式中のXがOである一般式(I−a)の化合物は、Eur.J.Org.Chem.2015,2727−2732およびSynthesis 2000,1709−1712に記載のとおり、ジクロロメタンまたは酢酸などの溶媒中、−20℃〜+50℃の温度で、硫酸またはトリフルオロメタンスルホン酸などのブレンステッド酸の存在下で式(IV)および(V)の化合物の反応により合成することもできる。
Figure 0006959932
あるいは、式中のXがOである一般式(I−a)の化合物は、Org.Lett.,2014,4296−4299(およびその中の参照文献)に記載のとおり、およびスキーム3中に示されているように、20℃〜110℃の温度で1,4−ジオキサンなどの不活性有機溶媒中、式(VI)の化合物を、式(III)のアミン、一酸化炭素、塩基(トリエチルアミンまたは炭酸カリウム等)、および適切に担持されている遷移金属触媒(パラジウム等)と反応させることにより合成することもできる。
Figure 0006959932
あるいは、式中のXがOである一般式(I−a)の化合物は、Angew.Chem. Int.Ed.2012,9173−9175に記載のとおり、およびスキーム4中に示されているように、ジエチルエーテルまたはTHFなどの不活性有機溶媒中、−78℃〜+40℃の温度で式(VIa)の有機金属化合物を式(IIIa)のイソシアネートと反応させることにより合成することもできる。
Figure 0006959932
THFなどのエーテル系溶媒中、−90℃〜+20℃の温度での、s−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬を用いたリチウム−ハロゲン交換またはトリ−nブチルマグネシウム酸塩を用いたマグネシウム−ハロゲン交換による式(VI)の化合物からの式(VIa)の有機金属化合物の合成は、当業者に広く知られており、またMarch’s Advanced Organic Chemistryなどの合成化学の教科書に記載されている。
スキーム5に示されているように、式(II)のカルボン酸は様々な方法によって合成することができ、また多くは市販されている。これらの合成についての多くの報告されている方法の中でも、次のものを広く適用することができる:
Figure 0006959932
1)米国特許出願公開第20070015758号明細書に記載のとおりにジフェニルエーテルなどの不活性溶媒中で100℃〜260℃の温度で式(VIIa)のマロネート誘導体と反応させ、引き続き当業者に広く知られており国際公開第2007133637号にも記載されている周知の官能基変換を行うことによる、式(VII)のアニリンの式(VIIb)のキノロンへの変換。
2)THFなどのエーテル系溶媒中、−90℃〜+20℃の温度での、s−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム試薬を用いたリチウム−ハロゲン交換またはトリ−nブチルマグネシウム酸塩を用いたマグネシウム−ハロゲン交換、およびその後のCO2との反応による式(VI)の化合物の式(VIa)の有機金属中間体への変換。
3)J.Am.Chem.Soc.2013,2891−2894(およびこの中の参照文献)またはTetrahedron 2003,8629−8640に記載のような、一酸化炭素源、塩基(トリエチルアミン等)、水またはその等価物、および適切な配位子を有する遷移金属触媒(例えばパラジウムを含むもの)の存在下での式(VI)の化合物の変換。
スキーム6に示されているように、式(IV)の化合物は、J.Org.Chem.2011,665−668、またはBull.Chem.Soc.Jpn.1993,2776−8に記載のとおり、DMFなどの不活性溶媒中、20℃〜150℃の温度で、パラジウム、ニッケル、または銅触媒の存在下、シアン化物源(シアン化亜鉛等)で処理することにより式(VI)の化合物から合成することができる。
Figure 0006959932
スキーム7に示されているように、式(VI)の化合物は、国際公開第2005113539号または特開2001−322979号公報に記載のとおり、不活性溶媒中、N−ヨードコハク酸イミド、臭素、または塩素などのハロゲン化剤を用いて式(VIa)の化合物を処理することによって合成することができる。あるいは、式(VI)の化合物は、Org.Lett.2005,763−766に記載のとおり、0℃〜80℃の温度で不活性溶媒(アセトニトリル等)および塩基(炭酸水素ナトリウム等)の中で、ヨウ素などのハロゲン化剤を用いて式(VIb)のプロパルギル化アニリンを処理することによって合成することができる。
Figure 0006959932
対応する市販のアニリンからの式(VIb)のプロパルギル化アニリンの合成は、当業者に自明であり、またMarch’s Advanced Organic Chemistry,Smith and March,6th edition,Wiley,2007に記載されている。
式(VIa)の化合物の合成は当業者に広く知られており、また幅広い選択肢の化合物が市販されている。
スキーム8に示されているように、式(V)の化合物は、ジエチルエーテルなどの不活性溶媒中、−90℃〜60℃の温度で、式(Vb)または(Vd)の有機金属種(それぞれXはリチウム塩、アルミニウム塩、またはマグネシウム塩である)を用いて処理することにより式(Va)または(Vc)のカルボニル化合物から合成することができる。
Figure 0006959932
式(Vb)および(Vd)の試薬の一般的な合成、取り扱い、および反応性は、March’s Advanced Organic Chemistry,Smith and March,6th edition,Wiley,2007に記載されており、また当業者に広く知られている。R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10が上で定義したとおりである幅広い選択肢の式(Va)および(Vc)の化合物が商業的にも入手可能であり、またこれらの合成は科学文献および合成化学の教科書(March’s Advanced Organic Chemistry等)の中で詳しく記載されており、さらにこれらは当業者に広く知られている。
スキーム9中に示されているように、式(III)のアミンは、式(Vc)の化合物から、THFなどの不活性溶媒中、−78℃〜+70℃の温度で、脱水剤(Ti(OEt)4等)の存在下でtertブチルスルフィンアミドと縮合して式(Ve)のスルフィミン(これはその後式(Vd)の有機金属試薬(式中のXはリチウム塩、アルミニウム塩、またはマグネシウム塩である)で処理されてもよい)を形成し、その後スルホンアミドの酸加水分解を行うことにより合成することができ;手順は当業者に広く知られており、またChem.Rev.2010,3600−3740にも記載されている。
あるいは、式(III)のアミンは、式(Vcc)の化合物から、THFなどの不活性溶媒中、−78℃〜+70℃の温度で、脱水剤(Ti(OEt)4等)の存在下でtertブチルスルフィンアミドと縮合して式(Vee)のスルフィミン(これはその後式(Vdd)の有機金属試薬(式中のXはリチウム塩、アルミニウム塩、またはマグネシウム塩である)で処理されてもよい)を形成し、その後スルホンアミドの酸加水分解を行うことにより合成することができる。
Figure 0006959932
あるいは、式(III)のアミンは、Synthesis 2000,1709−1712に記載のとおり、およびスキーム10に示されているように、式(V)のアルコールから、酢酸などの有機溶媒中、−10℃〜50℃の温度で、クロロアセトニトリルの存在下で硫酸などの強酸で処理して式(IIIb)のアミド(これはエタノールまたは酢酸などの有機溶媒中、20℃〜100℃の温度でチオ尿素を用いて脱保護することができる)を得ることにより、合成することもできる。
Figure 0006959932
あるいは、式(III)のアミンは、スキーム11に示されているように、式(IX)のカルボン酸から、式(IIIa)の中間体イソシアネートまたは式(IIIc)のカルバメート(式中のR14はC1〜C4アルキルであり、これは0℃〜100℃の温度で酸性または塩基性の水溶液を用いて加水分解することができる)を経由して合成することもできる。
Figure 0006959932
酸(IX)のイソシアネート(IIIa)への変換に関して報告されている様々な手順の中でも、次のものが幅広く適用されることが見出された:
1)Aust.J.Chem.,1973,1591−3に記載のように、トルエンなどの不活性有機溶媒中、50℃〜120℃の温度で酸(IX)をジフェニルホスホリルアジドおよびアミン塩基(トリブチルアミン等)で処理してイソシアネート(IIIa)を得ること。
2)Synthesis 2011,1477−1483に記載のような、THFなどの不活性溶媒中、20℃〜100℃の温度での、アジド源(アジ化ナトリウム等)およびアミン塩基(トリエチルアミン等)の存在下での活性化剤(塩化チオニルまたはプロピルホスホン酸無水物等)を用いた酸(IX)の処理。
3)トルエンなどの不活性有機溶媒中、20℃〜120℃の温度での、対応するヒドロキサム酸(これはその後、脱水剤(パラ−トルエンスルホニルクロリド等)および塩基(トリエチルアミン等)で処理することができる)への酸(IX)の変換。
4)J.Org.Chem.1984,4212−4216に記載のような、アセトニトリルなどの溶媒中、0℃〜100℃の温度での、対応する一級カルボキサミド(これはその後、酸化剤(ジアセトキシヨードベンゼン等)および酸(トリフルオロ酢酸またはパラ−トルエンスルホン酸等)で処理することができる)への酸(IX)の変換。
5)水またはメタノールなどの溶媒中、0℃〜100℃の温度での、対応する一級カルボキサミド(これはその後、酸化剤(臭素等)および塩基(水酸化ナトリウム等)で処理することができる)への酸(IX)の変換。
当業者は、対応するエステルから式(IX)のカルボン酸を合成できることを理解するであろう。同様に、当業者は、これらのエステルのα位が、March’s Advanced Organic Chemistry,Smith and March,6th edition,Wiley,2007に記載のように、THFなどの不活性溶媒中、−78℃〜20℃の温度での強塩基(リチウムジイソプロピルアミン等)を用いた脱プロトン化およびその後の求電子試薬(ヨウ化アルキル等)との反応により官能基化できることを理解するであろう。この反応は、市販のエステルから式(IX)の酸を合成するために繰り返してもよい。
あるいは、式(III)のアミンは、スキーム12中に示されているように、酢酸などの有機溶媒中、20℃〜120℃の温度で、鉄などの還元剤で式(Xa)のニトロ化合物を還元することにより合成することもできる。式(Xa)のニトロ化合物については、J.Am.Chem.Soc.2012,9942−9945に記載のとおり、ヘキサンなどの不活性溶媒中、20℃〜100℃の温度で、銅触媒の存在下で臭化ベンジルおよび塩基(ナトリウムtert−ブトキシド等)で処理することにより、より単純な式(X)のニトロ化合物から合成することができる。
Figure 0006959932
式(X)の化合物の合成は、当業者に広く知られており、幅広い選択肢で市販されている。
あるいは、式(III)のアミンは、スキーム13中に示されているように、J.Am.Chem.Soc.2015,9555−9558に記載のとおりに、トルエンなどの不活性溶媒中、0℃〜100℃の温度で、トリメチルシリルアジドおよびルイス酸触媒(B(C663等)で式(V)の化合物を処理し、その後メタノールなどの有機溶媒中、0℃〜80℃の温度で、式(XI)の中間体アジドを還元剤(水素/パラジウム等)で還元することにより合成することもできる。
Figure 0006959932
スキーム14中に示されているように、式中のXがSである一般式(I−b)の化合物は、トルエンなどの不活性有機溶媒中、20℃〜150℃の温度でデオキソチオ化剤(P410等)またはローソン試薬を用いて処理することにより、一般式(I−a)の化合物から合成することができる。
Figure 0006959932
あるいは、式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、7、R8、9、R10、R11、12、R13、およびnが式(I)の化合物について定義されたとおりでありXがOである式(I−a)の化合物は、塩基の存在下または不存在下、かつカップリング試薬および金属触媒の存在下、溶媒中で式I−iの化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、7、R8、9、R11、12、R13、およびnは式(I)の化合物について定義されたとおりであり、XはOであり、Zは塩素、臭素、またはヨウ素を表す)を変換することによって得ることができる。カップリング試薬、触媒、溶媒、および塩基は、宮浦憲夫およびS.L.Buchwald編集の「Cross−Coupling Reactions:A Practical Guide(Topics in Current Chemistry)」(Springer編)、またはArmin de MeijereおよびFrancois Diederich編集の「Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions」(WILEY−VCH編)に記載されているもののように通常のカップリング反応で使用される限り、特に限定されない。これはスキーム15に示されている。
Figure 0006959932
あるいは、式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、7、R8、9、R10、R11、12、R13、およびnが式(I)の化合物について定義されたとおりでありXがOである式(I−a)の化合物は、当業者に公知の標準的な合成技術を使用して、式(I−a)の化合物と近い関係にある別の化合物を変換することによって得ることができる。非網羅的な例としては、酸化反応、還元反応、加水分解反応、カップリング反応、芳香族求核置換もしくは求電子置換反応、求核置換反応、求核付加反応、およびハロゲン化反応が挙げられる。
上のスキームに記載されている特定の中間体は新規であり、それ自体が本発明の追加的な態様を形成する。
式(I)の化合物は、農業部門および関連する使用分野において、例えば、植物有害生物または非生体材料の防除、ヒトに対して潜在的に有害である腐敗性微生物もしくは生物の防除に係る活性成分として用いられることが可能である。新規化合物は、低施用量での優れた活性、植物による優れた耐容性、および、環境に対して安全であることにより際だって優れたものである。これらはきわめて有用な治療的特性、予防的特性および浸透移行特性を有すると共に、数多くの栽培植物の保護に用いられ得る。式(I)の化合物は、有用な植物の異なる作物の植物または植物の一部(果実、花、葉、茎、塊茎、根)に生じる有害生物を阻害または駆除するために、他方では、同時に、後に成長する植物のこれらの部位をも例えば植物病原性微生物から保護するために用いられることが可能である。
式(I)の化合物を殺菌剤(殺真菌剤)(fungicide)として用いることも可能である。「殺菌剤」という用語は、本明細書において用いられるところ、真菌の増殖を防除し、変性させ、または、防止する化合物を意味する。「殺菌的に有効な量」という用語は、真菌の増殖に効果をもたらすことが可能である、このような化合物またはこのような化合物の組み合わせの量を意味する。防除または変性効果は、死滅、遅滞等などの自然の発育からの逸脱のすべてを含み、予防は、真菌による感染を予防するための植物におけるバリアまたは他の防御形成を含む。
土壌中で発生する真菌性感染症、ならびに、植物病原性真菌に対する保護のために、例えば果実、塊茎もしくは穀粒などの種子または植物挿穂(例えばイネ)といった植物繁殖体を処理する粉衣剤として式(I)の化合物を用いることも可能である。この繁殖体は、植え付け前に式(I)の化合物を含む組成物で処理することが可能である:例えば、種子は、播種される前に粉衣されることが可能である。式(I)の化合物はまた、種子を液体配合物中に含浸させるか、または、種子を固体配合物でコーティングすることにより穀粒に適用(コーティング)することが可能である。組成物はまた、繁殖体が植え付けられる際に植え付け箇所に適用が可能であり、例えば、播種の最中において蒔き溝に適用が可能である。本発明はまた、このような植物繁殖体の処理方法、および、このようにして処理された植物繁殖体にも関する。
さらに、本発明に係る化合物は、例えば、木材および木材系工業用製品を含む工業用材料の保護、食品保管、衛生管理といった関連する分野における真菌の防除に用いられることが可能である。
加えて、本発明は、例えば材木、壁板および塗料といった非生体材料を真菌による作用から保護するために用いられることが可能である。
これらを含有する式(I)の化合物および殺菌組成物を用いて、広範囲の真菌性植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除し得る。これらは、観賞用作物、芝生、野菜、農作物、穀類および果実作物の葉病原体などの広範囲の植物病害の防除において効果的である。
防除され得る、これらの病害に係る真菌および真菌媒介物、ならびに、植物病原性バクテリアおよびウイルスは、例えば以下のとおりである。
アブシジアコリムビフェラ(Absidia corymbifera)、アルテルナリア属の一種(Alternaria spp)、アファノミセス属の一種(Aphanomyces spp)、アスコキタ属の一種(Ascochyta spp)、A.フラバス(A.flavus)、A.フミガーツス(A.fumigatus)、A.ニズランス(A.nidulans)、A.ニガー(A.niger)、A.テルス(A.terrus)を含むアスペルギルス属の一種(Aspergillus spp.)、A.プルランス(A.pullulans)を含むアウレオバシジウム属の一種(Aureobasidium spp.)、ブラストミセスデルマチチディス(Blastomyces dermatitidis)、ブルメリアグラミニス(Blumeria graminis)、ブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)、B.ドチデア(B.dothidea)、B.オブツサ(B.obtusa)のボトリオスファエリア属の一種(Botryosphaeria spp.)、B.シネレア(B.cinerea)を含むボトリチス属の一種(Botrytis spp.)、C.アルビカンス(C.albicans)、C.グラブラータ(C.glabrata)、C.クルセイ(C.krusei)、C.ルシタニエ(C.lusitaniae)、C.パラプシロシス(C.parapsilosis)、C.トロピカリス(C.tropicalis)のカンジダ属の一種(Candida spp.)、セファロアスクスフラグランス(Cephaloascus fragrans)、セラトシスチス属の一種(Ceratocystis spp)、C.アラキジコラ(C.arachidicola)を含むセルコスポラ属の一種(Cercospora spp.)、セルコスポリジウムペルソナツム(Cercosporidium personatum)、クラドスポリウム属の一種(Cladosporium spp)、クラビセプスプルプレア(Claviceps purpurea)、
コクシジオイデスイミティス(Coccidioides immitis)、コクリオボルス属の一種(Cochliobolus spp)、C.ムサエ(C.musae)を含むコレトトリカム属の一種(Colletotrichum spp.)、
クリプトコッカスネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ジアポルテ属の一種(Diaporthe spp)、ジディメラ属の一種(Didymella spp)、ドレックスレラ属の一種(Drechslera spp)、エルシノエ属の一種(Elsinoe spp)、
エピデルモフィトン属の一種(Epidermophyton spp)、エルウィニアアミロボラ(Erwinia amylovora)、E.シコラセアルム(E.cichoracearum)を含むエリシフェ種(Erysiphe spp.)、
ユーチパラタ(Eutypa lata)、F.クルモルム(F.culmorum)、F.グラミネアルム(F.graminearum)、F.ラングセチエ(F.langsethiae)、F.モニリホルメ(F.moniliforme)、F.オキシスポルム(F.oxysporum)、F.プロリフェラツム(F.proliferatum)、F.スブグルチナンス(F.subglutinans)、F.ソラニ(F.solani)を含むフザリウム属の一種(Fusarium spp.)、ゲウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)、ギベレラフジクロイ(Gibberella fujikuroi)、グロエオデスポミゲナ(Gloeodes pomigena)、グロエオスポリウムムサルム(Gloeosporium musarum)、グロメレラシングレート(Glomerella cingulate)、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、ギムノスポランギウム ジュニペリ−ヴィルギニアネ(Gymnosporangium juniperi−virginianae)、ヘルミントスポリウム属の一種(Helminthosporium spp)、ヘミレイア属の一種(Hemileia spp)、H.カプスラツム(H.capsulatum)を含むヒストプラズマ属の一種(Histoplasma spp.)、ラエチサリアフシホルミス(Laetisaria fuciformis)、レプトグラフィウムリンドベルギ(Leptographium lindbergi)、レベイルラタウリカ(Leveillula taurica)、ロフォデルミウムセディチオスム(Lophodermium seditiosum)、コムギ赤かび病菌(Microdochium nivale)、ミクロスポルム属の一種(Microsporum spp)、モニリニア属の一種(Monilinia spp)、ムコール属の一種(Mucor spp)、コムギ葉枯病菌(M.graminicola)、M.ポミ(M.pomi)を含むミコスファエレラ属の一種(Mycosphaerella spp.)、オンコバシジウムテオブロマエオン(Oncobasidium theobromaeon)、オフィオストマピセエ(Ophiostoma piceae)、パラコジディオイデス属の一種(Paracoccidioides spp)、P.ディジタツム(P.digitatum)、P.イタリクム(P.italicum)を含むペニシリウム属の一種(Penicillium spp.)、ペトリエリジウム属の一種(Petriellidium spp)、P.メイディス(P.maydis)、P.フィリピネンシス(P.philippinensis)およびP.ソルギ(P.sorghi)を含むペロノスクレロスポラ属の一種(Peronosclerospora spp.)、ペロノスポラ属の一種(Peronospora spp)、コムギふ枯病菌(Phaeosphaeria nodorum)、ファコプソラパチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、フェリヌスイグニアルス(Phellinus igniarus)、フィアロフォラ属の一種(Phialophora spp)、フォーマ属の一種(Phoma spp)、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)、P.インフェスタンス(P.infestans)を含むフィトフトラ属の一種(Phytophthora spp.)、P.ハルステジイ(P.halstedii)、P.ビチコラ(P.viticola)を含むプラスモパラ属の一種(Plasmopara spp.)、プレオスポラ属の一種(Pleospora spp.)、リンゴうどんこ病菌(P.leucotricha)を含むポドスファエラ属の一種(Podosphaera spp.)、ポリミキサグラミニス(Polymyxa graminis)、ポリミキサベタエ(Polymyxa betae)、シュードセルコスポレラヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides)、シュードモナス属の一種(Pseudomonas spp)、P.クベンシス(P.cubensis)、P.フムリ(P.humuli)を含むシュードペロノスポラ属の一種(Pseudoperonospora spp.)、シュードペジザトラケイフィラ(Pseudopeziza tracheiphila)、P.ホルデイ(P.hordei)、P.レコンディタ(P.recondita)、P.ストリイホルミス(P.striiformis)、P.トリチシナ(P.triticina)を含むプッシニア属の一種(Puccinia spp.)、ピレノペジザ属の一種(Pyrenopeziza spp)、ピレノフォラ属の一種(Pyrenophora spp)、イネいもち病菌(P.oryzae)を含むピリクラリア属の一種(Pyricularia spp.)、P.ウルチムム(P.ultimum)を含むピシウム属の一種(Pythium spp.)、ラムラリア属の一種(Ramularia spp)、リゾクトニア属の一種(Rhizoctonia spp)、リゾムコールプシルス(Rhizomucor pusillus)、リゾプスアリズス(Rhizopus arrhizus)、リンコスポリウム属の一種(Rhynchosporium spp)、S.アピオスペルムム(S.apiospermum)およびS.プロリフィカンス(S.prolificans)を含むセドスポリウム属の一種(Scedosporium spp.)、スキゾチリウムポミ(Schizothyrium pomi)、
スクレロチニア属の一種(Sclerotinia spp)、スクレロチウム属の一種(Sclerotium spp)、S.ノドルム(S.nodorum)、S.トリティシ(S.tritici)を含むセプトリア属の一種(Septoria spp)、スファエロテカマクラリス(Sphaerotheca macularis)、スファエロテカフスカ(Sphaerotheca fusca)(スファエロテカフリギネア(Sphaerotheca fuliginea))、スポロトリクス属の一種(Sporothorix spp)、スタゴノスポラノドルム(Stagonospora nodorum)、ステムフィリウム属の一種(Stemphylium spp.)、ステレウムヒルスツム(Stereum hirsutum)、タナテホルスククメリス(Thanatephorus cucumeris)、チエラビオプシスバシコラ(Thielaviopsis basicola)、チレチア属の一種(Tilletia spp)、T.ハルジアヌム(T.harzianum)、T.シュードコニンギイ(T.pseudokoningii)、T.ヴィリデ(T.viride)を含むトリコデルマ属の一種(Trichoderma spp.)、
トリコフィトン属の一種(Trichophyton spp)、チフラ属の一種(Typhula spp)、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)、ウロシスチス(Urocystis spp)、ウスチラゴ属の一種(Ustilago spp)、V.イナエクアリス(V.inaequalis)を含むベンチュリア属の一種(Venturia spp.)、ベルチシリウム属の一種(Verticillium spp)およびキサントモナス属の一種(Xanthomonas spp)。
特に、これらを含有する式(I)の化合物および殺菌組成物を用いて、担子菌綱(Basidiomycete)、子嚢菌綱(Ascomycete)、卵菌綱(Oomycete)および/または不完全菌類、ブラソクラディオマイセート(Blasocladiomycete)、ツボカビ綱(Chrytidiomycete)、グロムス門(Glomeromycete)および/またはケカビ綱(Mucoromycete)における広範囲の真菌性植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除し得る。
これらの病原体としては以下が挙げられ得る。
卵菌綱(Oomycete)であって、以下を含む。フィトフトラカプシシ(Phytophthora capsici)、フィトフトラインフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラソヤエ(Phytophthora sojae)、フィトフトラフラガリエ(Phytophthora fragariae)、フィトフトラニコチアネ(Phytophthora nicotianae)、フィトフトラシンナモミ(Phytophthora cinnamomi)、フィトフトラシトリコラ(Phytophthora citricola)、フィトフトラシトロフトラ(Phytophthora citrophthora)およびフィトフトラエリトロセプチカ(Phytophthora erythroseptica)によって引き起こされるものなどのフィトフトラ(Phytophthora)病害;ピシウムアファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、ピシウムアレノマネス(Pythium arrhenomanes)、ピシウムグラミニコラ(Pythium graminicola)、ピシウムイレグラレ(Pythium irregulare)およびピシウムウルチマム(Pythium ultimum)によって引き起こされるものなどのピシウム(Pythium)病害;ペロノスポラデストルクトル(Peronospora destructor)、ペロノスポラパラシティカ(Peronospora parasitica)、プラズモパラビチコーラ(Plasmopara viticola)、プラズモパラハルステジイ(Plasmopara halstedii)、シュードペロノスポラクベンシス(Pseudoperonospora cubensis)、アルブゴカンジダ(Albugo candida)、スクレログトラマクロスポラ(Sclerophthora macrospora)およびブレミアラクツカエ(Bremia lactucae)などのツユカビ目(Peronosporales)によって引き起こされる病害;ならびに、アファノミセスコクリオイデス(Aphanomyces cochlioides)、ラビリンツラゾステラエ(Labyrinthula zosterae)、ペロノスクレロスポラソルギ(Peronosclerospora sorghi)およびスクレロスポラグラミニコラ(Sclerospora graminicola)などの他のもの。
子嚢菌綱(Ascomycetes)であって、例えば、ステムフィリウムソラニ(Stemphylium solani)、スタゴノスポラタイナネンシス(Stagonospora tainanensis)、スピロカエアオレアギネア(Spilocaea oleaginea)、セトスファエリアツルシカ(Setosphaeria turcica)、ピレノカエタリコペリシチ(Pyrenochaeta lycoperisici)、プレオスポラヘルバルム(Pleospora herbarum)、フォマデストルクティバ(Phoma destructiva)、ファエオスファエリアヘルポトリコイデス(Phaeosphaeria herpotrichoides)、ファエオクリプトクスガエウマンニイ(Phaeocryptocus gaeumannii)、オフィオスファエレラグラミニコラ(Ophiosphaerella graminicola)、オフィボルスグラミニス(Ophiobolus graminis)、レプトスファエリアマクランス(Leptosphaeria maculans)、ヘンデルソニアクレベリマ(Hendersonia creberrima)、ヘルミントスポリウムトリティシレペンティス(Helminthosporium triticirepentis)、セトスファエリアツルシカ(Setosphaeria turcica)、ドレックスレラグリシネス(Drechslera glycines)、ジディメラブリオニエ(Didymella bryoniae)、シクロコニウムオレアギネウム(Cycloconium oleagineum)、コリネスポラカッシイコラ(Corynespora cassiicola)、コクリオボルスサチブス(Cochliobolus sativus)、ビポラリスカクティボラ(Bipolaris cactivora)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ピレノフォラ テレス(Pyrenophora teres)、コムギ黄斑病菌(Pyrenophora tritici−repentis)、アルテルナリアアルテナタ(Alternaria alternata)、アルテルナリアブラッシシコラ(Alternaria brassicicola)、アルテルナリアソラニ(Alternaria solani)およびアルテルナリアトマトフィラ(Alternaria tomatophila)などのプレオスポラ目(Pleosporales);セプトリア トリチシ(Septoria tritici)、セプトリアノドルム(Septoria nodorum)、セプトリアグリシネス(Septoria glycines)、セルコスポラアラキディコーラ(Cercospora arachidicola)、セルコスポラソジナ(Cercospora sojina)、セルコスポラセアエマイディス(Cercospora zeae−maydis)、セルコスポレラカプセラエ(Cercosporella capsellae)およびセルコスポレラヘルポトリコイデス(Cercosporella herpotrichoides)などのカプノディウム目(Capnodiales);クラドスポリウムカルポフィルム(Cladosporium carpophilum)、クラドスポリウムエフスム(Cladosporium effusum)、パッサロラフルバ(Passalora fulva)、クラドスポリウムオキシスポルム(Cladosporium oxysporum)、ドチストロマッセプトスポルム(Dothistroma septosporum)、イサリオプシスクラビスポラ(Isariopsis clavispora)、マイコスファエレラフィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、コムギ葉枯病菌(Mycosphaerella graminicola)、マイコベロシエラコエプケイイ(Mycovellosiella koepkeii)、ファエオイサリオプシスバタチコラ(Phaeoisariopsis bataticola)、シュードセルコスポラビチス(Pseudocercospora vitis)、シュードセルコスポレラヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides)、ラムラリアベチコラ(Ramularia beticola)、ラムラリアコロシグニ(Ramularia collo−cygni)、ゲウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)、マグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea)、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)などのマグナポルテ目(Magnaporthales);アニソグラマアノマラ(Anisogramma anomala)、アピオグノモニアエラブンダ(Apiognomonia errabunda)、サイトスポラプラタニ(Cytospora platani)、ジアポルテファセオロルム(Diaporthe phaseolorum)、ディスクラデストルクティバ(Discula destructiva)、グノモニアフルクティコーラ(Gnomonia fructicola)、グリネリアウビコーラ(Greeneria uvicola)、メランコニウムジュグランディヌム(Melanconium juglandinum)、ホモプシスビティコーラ(Phomopsis viticola)、シロコッカスクラビギグネンティ−ジュグランダセアラム(Sirococcus clavigignenti−juglandacearum)、ツバキアドリイナ(Tubakia dryina)、ディカルペラ属の一種(Dicarpella spp.)、バルサセラトスペルマ(Valsa ceratosperma)などのジアポルテ目(Diaporthales);ならびに、アクチノチリウムグラミニス(Actinothyrium graminis)、アスコキタピシ(Ascochyta pisi)、アスペルギルスフラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルスフミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルスニズランス(Aspergillus nidulans)、アスペリスポリウムカリカエ(Asperisporium caricae)、ブルメリエラジャアピイ(Blumeriella jaapii)、カンジダ属の一種(Candida spp.)、カプノジウムラモスム(Capnodium ramosum)、セファロアスクス属の一種(Cephaloascus spp.)、セファロスポリウムグラミネウム(Cephalosporium gramineum)、セラトシスティスパラドクサ(Ceratocystis paradoxa)、キトミウム属の一種(Chaetomium spp.)、ヒメノシフスシュードアルビヅス(Hymenoscyphus pseudoalbidus)、コッシディオイデス属の一種(Coccidioides spp.)、シリンドロスポリウムパディ(Cylindrosporium padi)、ジプロカルポンマラエ(Diplocarpon malae)、ドレパノペジザカンペストリス(Drepanopeziza campestris)、エルシノエアンペリナ(Elsinoe ampelina)、エピコッカムニグラム(Epicoccum nigrum)、エピデルモフィトン属の一種(Epidermophyton spp.)、ユーチパラタ(Eutypa lata)、ゲオトリクムカンジズム(Geotrichum candidum)、ギベリナセレアリス(Gibellina cerealis)、グロエオセルコスポラソルギ(Gloeocercospora sorghi)、グロエオデスポミゲナ(Gloeodes pomigena)、グロエオスポリウムペレナンス(Gloeosporium perennans)などの他のものによって引き起こされるものといった汚斑病、斑点病、イモチ病または胴枯れ病および/または腐敗病;グロエオチニアテムレンタ(Gloeotinia temulenta)、グリフォスパエリアコルチコラ(Griphospaeria corticola)、カバチエラリニ(Kabatiella lini)、レプトグラフィウムミクロスポルム(Leptographium microsporum)、レプトスファエルリニアクラッスアスカ(Leptosphaerulinia crassiasca)、ロフォデルミウムセディチオスム(Lophodermium seditiosum)、マルソニナグラミニコラ(Marssonina graminicola)、コムギ赤かび病菌(Microdochium nivale)、モニリニアフルクティコーラ(Monilinia fructicola)、モノグラフェラアルベセンス(Monographella albescens)、モノスポラスクスカノンバルス(Monosporascus cannonballus)、ナエマシクルス属の一種(Naemacyclus spp.)、オフィオストマノボウルミ(Ophiostomanovo−ulmi)、パラコシジオイデスブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、ペニシリウムエクソパンスム(Penicillium expansum)、ペスタロチアロドデンドリ(Pestalotia rhododendri)、ペトリエリジウム属の一種(Petriellidium spp.)、ペジクラ属の一種(Pezicula spp.)、フィアロホラグレガタ(Phialophora gregata)、フィラコラポミゲナ(Phyllachora pomigena)、フィマトトリクムオムニボラ(Phymatotrichum omnivora)、フィサロスポラアブディタ(Physalospora abdita)、プレクトスポリウムタバシヌム(Plectosporium tabacinum)、ポリシタルムプスツランス(Polyscytalum pustulans)、シュードペジザメディカギニス(Pseudopeziza medicaginis)、ピレノペジザブラッシカエ(Pyrenopeziza brassicae)、ラムリスポラソルギ(Ramulispora sorghi)、ラブドクリンシュードツガエ(Rhabdocline pseudotsugae)、リンコスポリウムセカリス(Rhynchosporium secalis)、イネ葉しょう腐敗病菌(Sacrocladium oryzae)、スケドスポリウム属の一種(Scedosporium spp.)、スキゾチリウムポミ(Schizothyrium pomi)、スクレロチニアスクレロティオルム(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアミノル(Sclerotinia minor);スクレロチウム属の一種(Sclerotium spp)、チフライシカリエンシス(Typhula ishikariensis)、セイマトスポリウムマリエ(Seimatosporium mariae)、レプテウチパクプレッシ(Lepteutypa cupressi)、セプトシタルボルム(Septocyta ruborum)、スファセロマペルセー(Sphaceloma perseae)、スポロネマファシディオイデス(Sporonema phacidioides)、スティグミナパルミボラ(Stigmina palmivora)、タペシアヤルンデ(Tapesia yallundae)、タフリナブラタ(Taphrina bullata)、チエビオプシスバシコラ(Thielviopsis basicola)、トリコセプトリアグルクチゲナ(Trichoseptoria fructigena)
、ジゴフィアラジャミセンシス(Zygophiala jamaicensis);例えばブルメリアグラミニス(Blumeria graminis)、エリシフェポリゴニ(Erysiphe polygoni)、ウンシヌラネカトル(Uncinula necator)、スファエロテカフリゲナ(Sphaerotheca fuligena)、リンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha)、ポドスパエラマクラリス(Podospaera macularis)、ゴロビノマイセスシコラセルム(Golovinomyces cichoracearum)、レベイルラタウリカ(Leveillula taurica)、ミクロスファエラディフッサ(Microsphaera diffusa)、オイディオプシスゴッシピイ(Oidiopsis gossypii)、フィラクチニアグッタタ(Phyllactinia guttata)およびオイジウムアラキディス(Oidium arachidis)などのウドンコカビ目(Erysiphales)によって引き起こされるものといったウドンコ病病害;例えばドチオレラアロマチカ(Dothiorella aromatica)、ジプロディアセリアタ(Diplodia seriata)、ガイグナルディアビドウェリイ(Guignardia bidwellii)、トリティス シネレア(Botrytis cinerea)、ボトリオチニアアリイ(Botryotinia allii)、ボトリオチニアファビ(Botryotinia fabae)、フシコクムアミグダリ(Fusicoccum amygdali)、ラシオジプロディアテオブロマエ(Lasiodiplodia theobromae)、マクロフォーマテイコラ(Macrophoma theicola)、マクロフォミナファセオリナ(Macrophomina phaseolina)、フィロスティクタククルビタセアルム(Phyllosticta cucurbitacearum)などのボトリオスフェリア目(Botryosphaeriales)によって引き起こされるものといったかび類;例えばコレトトリカムグロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリカムラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium)、コレトトリカムゴッシピイ(Colletotrichum gossypii)、グロメレラシングラタ(Glomerella cingulata)およびコレトトリカムグラミニコラ(Colletotrichum graminicola)などのグロメレラレス属(Glommerelales)によって引き起こされるものといった炭疽病;ならびに、例えばアクレモニウムストリクツム(Acremonium strictum)、クラビセプスプルプレア(Claviceps purpurea)、フザリウムクルモルム(Fusarium culmorum)、フザリウムグラミネアルム(Fusarium graminearum)、フザリウムビルグリホルメ(Fusarium virguliforme)、フザリウムオキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フザリウムスブグルチナンス(Fusarium subglutinans)、フザリウムオキシスポルム(Fusarium oxysporum f.sp.cubense)、ゲルラキアニバレ(Gerlachia nivale)、ギベレラフジクロイ(Gibberella fujikuroi)、ギベレラゼアエ(Gibberella zeae)、グリオクラジウム属の一種(Gliocladium spp.)、ミロテシウムベルカリア(Myrothecium verrucaria)、ネクトリアラムラライエ(Nectria ramulariae)、トリコデルマビリデ(Trichoderma viride)、トリコテシウムロセウム(Trichothecium roseum)およびベルチシリウムテオブロマエ(Verticillium theobromae)などの肉座菌目(Hypocreales)によって引き起こされるものといった萎凋病または胴枯れ病。
例えばウスチラギノイデアビレンス(Ustilaginoidea virens)、ウスチラゴヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴトリティシ(Ustilago tritici)、ウスチラゴゼアエ(Ustilago zeae)などのクロボキン目(Ustilaginales)によって引き起こされるものといった黒穂病菌を含む担子菌綱(Basidiomycete)、例えばセロテリウムフィチ(Cerotelium fici)、クリソミクサアルクトスタフィリ(Chrysomyxa arctostaphyli)、コレオスポリウムイポモエアエ(Coleosporium ipomoeae)、ヘミレイアバスタトリクス(Hemileia vastatrix)、プッシニアアラキディス(Puccinia arachidis)、プッシニアカカバタ(Puccinia cacabata)、プッシニアグラミニス(Puccinia graminis)、プッシニアレコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニアソルギ(Puccinia sorghi)、プッシニアホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニアストリイフォルミス(Puccinia striiformis f.sp.Hordei)、プッシニアストリイフォルミス(Puccinia striiformis f.sp.Secalis)、プッシニアストルムコリリ(Pucciniastrum coryli)などのサビキン目(Pucciniales)、または、クロナルチウムリビコラ(Cronartium ribicola)、ジムノスポランギウムジュニペリ−ビジニアネ(Gymnosporangium juniperi−viginianae)、メランプソラメデュサエ(Melampsora medusae)、ファコプソラパチリジ(Phakopsora pachyrhizi)、フラグミジウムムクロナツム(Phragmidium mucronatum)、フィソペラアンペロシディス(Physopella ampelosidis)、トランスケリアディスコロル(Tranzschelia discolor)およびウロマイセスビシエ−ファビエ(Uromyces viciae−fabae)などのサビキン目(Uredinales)によって引き起こされるものといったサビ病菌;ならびに、クリプトコックス属の一種(Cryptococcus spp.)、エクソバシジウムベクサンス(Exobasidium vexans)、マラスミエルスイノデルマ(Marasmiellus inoderma)、マイセナ属の一種(Mycena spp.)、スファセロテカレイリアナ(Sphacelotheca reiliana)、チフライシカリエンシス(Typhula ishikariensis)、ウロシスチスアグロピリ(Urocystis agropyri)、イテルソニリアペルプレキサンス(Itersonilia perplexans)、クルチシウムインビスム(Corticium invisum)、ラエチサリアフシホルミス(Laetisaria fuciformis)、ワイテアシルシナタ(Waitea circinata)、イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、テンサイ根腐病菌(Thanetephorus cucurmeris)、エンチロマダリアエ(Entyloma dahliae)、エンチロメラミクロスポラ(Entylomella microspora)、ネオボシアモリニアエ(Neovossia moliniae)およびチレチアカリエス(Tilletia caries)によって引き起こされるものなどの他の腐敗病および病害。
フィソデルママイディス(Physoderma maydis)などのコウマクノウキン目(Blastocladiomycetes)。
コアネフォラククリビタルム(Choanephora cucurbitarum);ムコール属の一種(Mucor spp.);リゾプスアルヒズス(Rhizopus arrhizus)などのケカビ綱(Mucoromycetes)。
ならびに、上記に列挙されているものと近縁の他の種および属によって引き起こされる病害。
その殺菌活性に追加して、化合物およびこれらを含む組成物はまた、エルウィニアアミロボラ(Erwinia amylovora)、エルウィニアカラトボラ(Erwinia caratovora)、キサントモナスカムペストリス(Xanthomonas campestris)、シュードモナスシリンガエ(Pseudomonas syringae)、ストルプトマイセススカビイス(Strptomyces scabies)などのバクテリアおよび他の関連する種、ならびに、一定の原生動物に対する活性を有し得る。
本発明の範囲内においては、保護されるべき標的作物および/または有用な植物は、典型的には、例えばブラックベリー、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーおよびイチゴといった液果植物;例えばオオムギ、トウモロコシ(コーン)、キビ、カラスムギ、イネ、ライ麦、モロコシ属(sorghum)ライコムギおよびコムギといった穀類;例えば綿、亜麻、アサ、ジュートおよびサイザルといった繊維植物;例えば糖質および飼料ビート、コーヒー、ホップ、マスタード、アブラナ(カノーラ)、ケシ、サトウキビ、ヒマワリ、チャおよびタバコといった農作物;例えばリンゴ、アンズ、アボカド、バナナ、サクランボ、柑橘類、ネクタリン、モモ、セイヨウナシおよびセイヨウスモモといった果樹;例えばバミューダグラス、イチゴツナギ、ベントグラス、センチピードグラス、ウシノケグサ、ライグラス、アメリカシバおよびノシバといった草;バジル、ルリジサ、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、ラベージ、ミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージおよびタイムなどのハーブ;例えばインゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズ、インゲンマメといったマメ科植物;例えばアーモンド、カシュー、落花生、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカン、ピスタチオおよびクルミといった堅果;例えばアブラヤシといったヤシ;例えば花、低木および高木といった観賞用植物;例えばカカオ、ココナツ、オリーヴおよびゴムといった他の高木;例えばアスパラガス、ナス、ブロッコリ、キャベツ、ニンジン、キュウリ、ニンニク、レタス、ペポカボチャ、メロン、オクラ、タマネギ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ、ダイオウ、ホウレンソウおよびトマトといった野菜;ならびに、例えばブドウといったつる植物などの多年生および1年生作物を含む。
本発明に係る有用な植物および/または標的作物は、例えば、昆虫抵抗性(例えばBt.およびVIP品種)ならびに病害抵抗性、除草剤耐性(商品名RoundupReady(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されている例えばグリホサート−およびグルホシネート−耐性トウモロコシ品種)および線虫抵抗性品種などの従来の品種、ならびに、遺伝子的に強化または遺伝子操作された品種を含む。一例として、好適に遺伝子的に強化または遺伝子操作された品種は、Stoneville 5599BR綿およびStoneville 4892BR綿品種を含む。
「有用な植物」および/または「標的作物」という用語は、従来の交配または遺伝子操作方法によって、ブロモキシニルのような除草剤、または、ある分類の除草剤(例えば、HPPD抑制剤、ALS抑制剤、例えばプリミスルフロン、プロスルフロンおよびトリフロキシスルフロン、EPSPS(5−エノール−ピロビル−シキメート−3−リン酸塩−シンターゼ)抑制剤、GS(グルタミンシンテターゼ)抑制剤またはPPO(プロトポルフィリノーゲン−オキシダーゼ)抑制剤など)に対する耐性がもたらされた有用な植物をも含むと理解されるべきである。従来の交配方法(突然変異誘発)によって、例えばイマザモックスといったイミダゾリノンに対する耐性がもたらされた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(カノーラ)である。遺伝子操作方法によって除草剤またはあるクラスの除草剤に対する耐性がもたらされた作物の例としては、商品名RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)で市販されているグリホサート−およびグルホシネート−耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
「有用な植物」および/または「標的作物」という用語は、自然発生的なもの、または、有害な昆虫に対する抵抗性が与えられたものを含むと理解されるべきである。これは、トキシン−産生バクテリア由来として公知であるものなどの1種以上の選択的に作用するトキシンの合成能を例えば有するよう、組換えDNA技術を用いることで形質転換された植物を含む。発現されることが可能であるトキシンの例としては、δ−エンドトキシン、栄養型殺虫性タンパク質(Vip)、線虫共生バクテリアの殺虫性タンパク質、ならびに、サソリ、蛛形類、大型のハチ(wasp)および真菌によって産生されるトキシンが挙げられる。バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現するよう変性された作物の一例は、BtトウモロコシKnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫性耐性をコードする2種以上の遺伝子を含み、それ故、2種以上のトキシンを発現する作物の一例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。作物またはその種子材料もまた、複数種の有害生物に対して耐性であることが可能である(いわゆる、遺伝子修飾により形成される場合の重畳的なトランスジェニックイベント)。例えば、植物は、例えばHerculex I(登録商標)(Dow AgroSciences,Pioneer Hi−Bred International)のように除草剤耐性であると同時に、殺虫性タンパク質の発現能を有していることが可能である。
用語「有用な植物」および/または「標的作物」は、例えば、いわゆる「感染特異的タンパク質」(PRP、例えば欧州特許出願公開第0 392 225号明細書を参照のこと)などの選択的な作用を有する抗病原性物質を合成することが可能であるよう組換えDNA技術を用いて形質転換された有用な植物をも含むと理解されるべきである。このような抗病原性物質およびこのような抗病原性物質を合成可能である形質転換植物の例は、例えば、欧州特許出願公開第0 392 225号明細書、国際公開第95/33818号および欧州特許出願公開第0 353 191号明細書から公知である。このような形質転換植物を製造する方法は一般に当業者に公知であると共に、例えば、上記の公報に記載されている。
形質転換植物によって発現されることが可能であるトキシンとしては、例えば、セレウス菌(Bacillus cereus)またはバチルスポピリエ(Bacillus popilliae)由来の殺虫性タンパク質;または、例えばCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1もしくはCry9Cといったδ−エンドトキシンなどのバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の殺虫性タンパク質、または、例えばVip1、Vip2、Vip3もしくはVip3Aといった栄養型殺虫性タンパク質(Vip);または、フォトラブダスルミネッセンス(Photorhabdus luminescens)、ゼノラブダスネマトフィルス(Xenorhabdus nematophilus)などの、例えばフォトラブダス属の一種(Photorhabdus spp.)もしくはゼノラブダス属の一種(Xenorhabdus spp.)といった線虫共生バクテリアの殺虫性タンパク質;サソリトキシン、クモトキシン、大型のハチ(wasp)トキシンおよび他の昆虫特異的神経トキシンなどの動物によって生成されるトキシン;ストレプトミセス(Streptomycete)トキシンなどの真菌によって生成されるトキシン、エンドウマメレクチン、オオムギレクチンまたはマツユキソウレクチンなどの植物レクチン;アグルチニン;トリプシン抑制剤、セリンタンパク分解酵素抑制剤、パタチン、シスタチン、パパイン抑制剤などのプロテイナーゼ抑制剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリンまたはブリオジンなどのリボソーム−不活性化タンパク質(RIP);3−ヒドロキシステロイドキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グリコシル−トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン抑制剤、HMG−COA−レダクターゼなどのステロイド代謝酵素、ナトリウムまたはカルシウム遮断剤などのイオンチャネル遮断剤、幼虫ホルモンエステラーゼ、利尿ホルモン受容体、スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼおよびグルカナーゼが挙げられる。
さらに、本発明の文脈においては、例えばCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1もしくはCry9Cといったδ−エンドトキシン、または、例えばVip1、Vip2、Vip3もしくはVip3Aといった栄養型殺虫性タンパク質(Vip)とは、特にハイブリッドトキシン、切断型トキシンおよび修飾トキシンでもあることが理解されるべきである。ハイブリッドトキシンは、これらのタンパク質の異なるドメインの新たな組み合わせによって組換えで生成される(例えば、国際公開第02/15701号を参照のこと)。例えば切断型Cry1Abといった切断型トキシンが公知である。修飾トキシンの場合、天然トキシンの1種以上のアミノ酸が置換される。このようなアミノ酸置換において、好ましくは自然に存在しないタンパク分解酵素認識配列がトキシンに挿入され、例えば、Cry3A055の場合には、カテプシン−G−認識配列がCry3Aトキシンに挿入される(国際公開第03/018810号を参照のこと)。
このようなトキシン、または、このようなトキシンを合成可能な形質転換植物のさらなる例が、例えば、欧州特許出願公開第A−0 374 753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、欧州特許出願公開第A−0 427 529号明細書、欧州特許出願公開第A−451 878号明細書および国際公開第03/052073号に開示されている。
このような形質転換植物の調製プロセスは一般に当業者に公知であり、例えば、上記の刊行物において記載されている。CryI−タイプデオキシリボ核酸およびその調製は、例えば、国際公開第95/34656号、欧州特許出願公開第A−0 367 474号明細書、欧州特許出願公開第A−0 401 979号明細書および国際公開第90/13651号から公知である。
形質転換植物に含有されるトキシンは、有害な昆虫に対する耐性を植物に付与する。このような昆虫は昆虫の分類群のいずれかのものであることが可能であるが、特に、甲虫(鞘翅目)、双翅昆虫(双翅目)および蝶(鱗翅目)に通例見出される。
殺虫耐性をコードし、1種以上のトキシンを発現する1種以上の遺伝子を含有する形質転換植物は公知であり、そのいくつかは市販されている。このような植物の例は:YieldGard(登録商標)(Cry1Abトキシンを発現するトウモロコシ品種);YieldGard Rootworm(登録商標)(Cry3Bb1トキシンを発現するトウモロコシ品種);YieldGard Plus(登録商標)(Cry1AbおよびCry3Bb1トキシンを発現するトウモロコシ品種);Starlink(登録商標)(Cry9Cトキシンを発現するトウモロコシ品種);Herculex I(登録商標)(Cry1Fa2トキシンおよび酵素ホスフィノトリシンN−アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成されているトウモロコシ品種);NuCOTN 33B(登録商標)(Cry1Acトキシンを発現する綿品種);Bollgard I(登録商標)(Cry1Acトキシンを発現する綿品種);Bollgard II(登録商標)(Cry1AcおよびCry2Abトキシンを発現する綿品種);VipCot(登録商標)(Vip3AおよびCry1Abトキシンを発現する綿品種);NewLeaf(登録商標)(Cry3Aトキシンを発現するジャガイモ品種);NatureGard(登録商標)、Agrisure(登録商標)GT Advantage(GA21グリホサート−耐性形質)、Agrisure(登録商標)CB Advantage(Bt11コーン穿孔性害虫(CB)形質)およびProtecta(登録商標)である。
このような形質転換作物のさらなる例は以下のとおりである:
1.Syngenta Seeds SAS,Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France製Bt11トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。切断型Cry1Abトキシンのトランスジェニック発現により、アワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)およびセサミアノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))に対する耐性が付与された遺伝子操作されたトウモロコシ(Zea mays)。Bt11トウモロコシはまた、酵素PATをトランスジェニック発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成している。
2.Syngenta Seeds SAS,Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France製Bt176トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。Cry1Abトキシンのトランスジェニック発現によって、アワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)およびセサミアノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))に対する耐性が付与された遺伝子操作されたトウモロコシ(Zea mays)。Bt176トウモロコシはまた、酵素PATをトランスジェニック発現して除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成している。
3.Syngenta Seeds SAS,Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France製MIR604トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10。修飾Cry3Aトキシンのトランスジェニック発現により昆虫耐性が付与されたトウモロコシ。このトキシンは、カテプシン−G−タンパク分解酵素認識配列の挿入により修飾されたCry3A055である。このような形質転換トウモロコシ植物の調製は、国際公開第03/018810号に記載されている。
4.Monsanto Europe S.A.270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium製MON863トウモロコシ、登録番号C/DE/02/9。MON863は、Cry3Bb1トキシンを発現し、一定の鞘翅目昆虫に対する耐性を有する。
5.Monsanto Europe S.A.270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium製IPC531綿、登録番号C/ES/96/02。
6.Pioneer Overseas Corporation,Avenue Tedesco,7 B−1160 Brussels,Belgium製1507トウモロコシ、登録番号C/NL/00/10。一定の鱗翅目昆虫に対する耐性を達成するタンパク質Cry1Fの発現、および、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を達成するためのPATタンパク質の発現のために遺伝子操作されたトウモロコシ。
7.Monsanto Europe S.A.270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium製NK603×MON810トウモロコシ、登録番号C/GB/02/M3/03。遺伝子操作品種NK603およびMON810を交配させることによる従来交配型ハイブリッドトウモロコシ品種からなる。NK603×MON810トウモロコシは、アグロバクテリウム属の一種(Agrobacterium sp.)の菌株CP4から得られるタンパク質CP4 EPSPSをトランスジェニック発現し、これにより、除草剤Roundup(登録商標)(グリホサートを含有)に対する耐性が付与され、また、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)から得られるCry1Abトキシンをトランスジェニック発現し、これにより、アワノメイガを含む一定の鱗翅目に対する耐性がもたらされる。
本明細書において用いられるところ、「生息地(locus)」という用語は、植物が成長している圃場、または、栽培されている植物の種子が播種された圃場、または、種子が土壌に蒔かれることとなる圃場を意味する。これは、土壌、種子および実生、ならびに、確立した植生を含む。
「植物」という用語は、種子、実生、苗、根、塊茎、茎、柄、群葉および果実を含む植物のすべての物理的な部分を指す。
「植物繁殖体(plant propagation material)」という用語は、その増殖に用いられることが可能である種子などの植物の生殖部、および、挿し木もしくは例えばジャガイモといった塊茎などの栄養体を表すと理解される。例えば種子(厳密な意味で)、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎および植物の部分が挙げられ得る。発芽後もしくは土壌から出芽した後に移植されることとなる発芽した植物および若芽もまた挙げられる。これらの若芽は、移植前に浸漬による完全または部分的な処置によって保護されてもよい。好ましくは、「植物繁殖体」は種子を表すと理解される。
慣用名を用いて本明細書において言及される有害生物防除剤は、例えば、“The Pesticide Manual”,15th Ed.,British Crop Protection Council 2009から公知である。
式(I)の化合物は、そのままの形態で、または、好ましくは、配合技術分野において簡便に採用される補助剤と一緒に用いられ得る。この目的のためにこれらは、公知の様式で、乳化性濃縮物、コーティング用ペースト、直接噴射可能もしくは希釈可能な溶液または懸濁液、希釈エマルジョン、水和剤、可溶性粉末、粉剤、粒質物、および、例えば高分子物質中のカプセルに簡便に配合され得る。組成物のタイプと同様に、吹付け、霧吹き、散粉、散布、コーティングまたは掛け流しなどの適用方法が、意図される目的およびその時点での状況に応じて選択される。組成物はまた、安定化剤、消泡剤、粘度調節剤、バインダまたは粘着剤、ならびに、肥料、微量元素の供給源、または、特別な効果を得るための他の配合物などのさらなる補助剤を含有していてもよい。
例えば農業に用いられる好適なキャリアおよび補助剤は、固体または液体であることが可能であり、配合技術において有用な物質であり、例えば天然もしくは再生ミネラル物質、溶剤、分散剤、湿潤剤、粘着剤、増粘剤、バインダまたは肥料である。このようなキャリアは、例えば国際公開第97/33890号に記載されている。
懸濁液濃縮物は、活性な化合物の微細な固体粒子が懸濁した水性配合物である。このような配合物は沈降防止剤および分散剤を含むと共に、活性を高めるために湿潤剤、ならびに、消泡剤および結晶成長抑制剤をさらに含み得る。使用においては、これらの濃縮物は水中で希釈され、通常は処理されるべき領域にスプレーで適用される。活性成分の量は濃縮物の0.5%〜95%の範囲内であり得る。
水和剤は、水または他の液体キャリア中に容易に分散する微細粒子の形態である。これらの粒子は、固体マトリックスに保持された活性成分を含有する。典型的な固体マトリックスとしては、フーラー土、カオリンクレイ、シリカおよび他の易湿性の有機もしくは無機固形分が挙げられる。水和剤は通常、5%〜95%の活性成分と少量の湿潤剤、分散剤または乳化剤とを含有する。
乳化性濃縮物は水または他の液体中に分散性である均質な液体組成物であって、活性な化合物と液体もしくは固体乳化剤とからのみ構成されていてもよく、または、キシレン、高沸点芳香族ナフサ、イソホロンおよび他の不揮発性有機溶剤などの液体キャリアを含有していてもよい。使用においては、これらの濃縮物は水または他の液体中に分散され、通常は処理されるべき領域にスプレーで適用される。活性成分の量は濃縮物の0.5%〜95%の範囲内であり得る。
粒状配合物は押出物および比較的粗大な粒子の両方を含み、通常は、処理が必要とされる領域に希釈されることなく適用される。粒状配合物に係る典型的なキャリアとしては、活性な化合物を吸収するか活性な化合物でコーティング可能である、砂、フーラー土、アタパルジャイトクレイ、ベントナイトクレイ、モンモリロナイトクレイ、バーミキュライト、パーライト、炭酸カルシウム、れんが、軽石、葉ろう石、カオリン、ドロマイト、焼き石膏、木粉、粉砕したトウモロコシ穂軸、粉砕したピーナッツの外殻、砂糖、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ナトリウムケイ酸、ホウ酸ナトリウム、マグネシア、雲母、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏、珪藻土、硫酸カルシウムおよび他の有機もしくは無機材料が挙げられる。粒状配合物は通常5%〜25%の活性成分を含有し、これは、高沸点芳香族ナフサ、ケロシンおよび他の石油留分などの表面活性剤、もしくは、植物油;ならびに/または、デキストリン、膠もしくは合成樹脂などの展着剤を含んでいてもよい。
粉剤は、活性成分と、分散剤およびキャリアとして作用するタルク、クレイ、粉末ならびに他の有機および無機固形分などの微細固形分との易流動性の混和物である。
マイクロカプセルは、典型的には、内包された材料を制御された速度で周囲に放出させることが可能である不活性の多孔性シェルに内包された活性成分の小滴または顆粒である。カプセル化された小滴は、直径が典型的には1〜50ミクロンである。内包された液体は典型的には、カプセルの重量の50〜95%を構成し、活性な化合物に追加して溶剤を含んでいてもよい。カプセル化された顆粒は一般に、顆粒の孔部開口をシールして、液体形態の活性種を顆粒の孔部内に保持する多孔性メンブランを有する多孔性顆粒である。顆粒は典型的には、直径が1ミリメートル〜1センチメートル、好ましくは1〜2ミリメートルの範囲内である。顆粒は、押出し成形、凝塊もしくはプリルによって形成されるか、または、天然のものである。このような材料の例は、バーミキュライト、焼成クレイ、カオリン、アタパルジャイトクレイ、おがくずおよび粒状炭素である。シェルまたはメンブラン材料は、天然および合成ゴム、セルロース系材料、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタンおよびデンプンザンデートを含む。
農芸化学用途に係る他の有用な配合物は、アセトン、アルキル化ナフタレン、キシレンおよび他の有機溶剤などの、所望の濃度での完全な溶解が達成される溶剤中における活性成分の単なる溶液を含む。低沸点分散剤溶剤キャリアの蒸発に伴って活性成分が微細に分離された形態に散布される加圧散布機もまた用いられ得る。
上記の配合物タイプの本発明の組成物の配合に有用である好適な農業用補助剤およびキャリアは、当業者に周知である。
利用可能である液体キャリアとしては、例えば、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ油、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2−ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、アルキル酢酸塩、ジアセトンアルコール、1,2−ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p−ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2−エチルヘキサノール、エチレンカーボネート、1,1,1−トリクロロエタン、2−ヘプタノン、αピネン、d−リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、グリセロール、グリセロール二酢酸、グリセロール一酢酸、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシ−プロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m−キシレン、n−ヘキサン、n−オクチルアミン、クタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o−キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p−キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、および、アミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール等などの高分子量アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびN−メチル−2−ピロリジノンが挙げられる。濃縮物の希釈には、水が一般的に選択されるキャリアである。
好適な固体キャリアとしては、例えば、タルク、二酸化チタン、葉ろう石クレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ、キースラガー、チョーク、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレイ、フーラー土、綿実の外殻、小麦粉、ダイズ粉、軽石、木粉、クルミの外殻粉およびリグニンが挙げられる。
幅広い範囲の表面活性剤が、特に適用前にキャリアで希釈されるよう設計されたものといった、前記液体および固体組成物の両方において有利に利用される。これらの表面活性剤は通常、使用される際、0.1%〜15重量%の配合物を含む。これらはアニオン性、カチオン性、ノニオン性または高分子特性であることが可能であり、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、または、他の目的のために利用されることが可能である。典型的な表面活性剤としては、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなどのアルキル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホネート塩;ノニルフェノール−C.sub.18エトキシレートなどのアルキルフェノール−アルキレンオキシド付加生成物;トリデシルアルコール−C.sub.16エトキシレートなどのアルコール−アルキレンオキシド付加生成物;ステアリン酸ナトリウムなどの石鹸;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル;ソルビトールオレエートなどのソルビトールエステル;ラウリルトリメチル塩化アンモニウムなどの第4級アミン;ステアリン酸ポリエチレングリコールなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー;ならびに、モノおよびジアルキルリン酸エステルの塩が挙げられる。
農業用組成物において通例利用される他の補助剤としては、結晶化抑制剤、粘度変性剤、懸濁剤、噴霧粒調節剤、顔料、酸化防止剤、発泡剤、消泡剤、遮光剤、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食抑制剤、染料、臭気剤、展着剤、浸透助剤、微量元素、緩和剤、潤滑剤および固着剤が挙げられる。
また、追加的な別の殺生物活性な成分または組成物を本発明の組成物と組み合わせて本発明の方法で使用してもよく、これらは本発明の組成物と同時にあるいは逐次的に適用してもよい。同時に適用する場合、これらの追加の活性成分は、本発明の組成物と共に配合されてもよいし、あるいは例えばスプレータンクなどの中で混合されてもよい。これらの追加の殺生物活性な成分は、殺菌剤(殺真菌剤)(fungicide)、除草剤、殺虫剤、殺菌剤(bactericide)、ダニ駆除剤、殺線虫剤、および/または植物成長調整剤であってもよい。
さらに、本発明の組成物は、1種以上の全身獲得抵抗性誘導剤(「SAR」誘導剤)と共に適用されてもよい。SAR誘導剤は公知であり、例えば米国特許第6,919,298号明細書に記載されており、例えばサリチル酸塩および市販のSAR誘導剤であるアシベンラル−S−メチルが挙げられる。
式(I)の化合物は通常は組成物の形態で使用され、追加的な化合物と同時に、あるいは連続して、処理すべき作物の領域または植物に適用することができる。これらの追加的な化合物は、例えば肥料、または微量栄養素供与体、または植物の成長に影響を与える他の製剤であってもよい。これらは、必要に応じて製剤の分野で習慣的に利用されている追加的なキャリア、界面活性剤、または適用を促進する補助剤と併用された、選択的除草剤もしくは非選択的除草剤、ならびに殺虫剤、殺菌剤(殺真菌剤)、殺菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、またはこれからの複数の製剤の混合物であってもよい。
式(I)の化合物は、遊離形態または農芸化学的に利用可能な塩の形態の、活性成分としての少なくとも1種の式(I)の化合物または上で定義した少なくとも1種の好ましい個々の化合物と少なくとも1種の上述した補助剤とを含有する、植物病原性微生物の防除またはこれからの保護のための(殺菌性)組成物の形態で使用されてもよい。
したがって、本発明は、少なくとも1種の式(I)の化合物と、農業的に許容されるキャリアと、任意選択的な補助剤とを含有する組成物、好ましくは殺菌性組成物を提供する。農業的に許容されるキャリアは、例えば農業用途に適切なキャリアである。農業用キャリアは当該技術分野で周知である。好ましくは、前記組成物は、式(I)の化合物に加えて、例えば追加の殺菌活性成分などの少なくとも1種以上の殺虫活性化合物を含有していてもよい。
式(I)の化合物は組成物の唯一の活性成分であってもよく、あるいは適切な場合には、これは殺虫剤、殺菌剤、共力剤、除草剤、または植物成長調整剤等の1種以上の追加の活性成分と混合されてもよい。追加の活性成分は、いくつかの事例においては予想外の相乗的な活性をもたらす。
好適な追加の活性成分の例としては次のものが挙げられる:1,2,4−チアジアゾール、2,6−ジニトロアニリン、アシルアラニン、脂肪族窒素化合物、アミジン、アミノピリミジノール、アニリド、アニリノ−ピリミジン、アントラキノン、抗生物質、アリール−フェニルケトン、ベンズアミド、ベンゼン−スルホンアミド、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチオジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾイルピリジン、ベンズチアジアゾール、ベンジルカルバメート、ブチルアミン、カルバメート、カルボキサミド、カプロパミド、クロロニトリル、桂皮酸アミド、銅含有化合物、シアノアセタミドオキシム、シアノアクリレート、シアノイミダゾール、シアノメチレン−チアゾリジン、ジカルボニトリル、ジカルボキサミド、ジカルボキシイミド、ジメチルスルファメート、ジニトロフェノール炭酸塩、ジニトロフェニシル(dinitrophenysl)、クロトン酸ジニトロフェニル、ジフェニルリン酸塩、ジチイノ化合物、ジチオカルバメート、ジチオエーテル、ジチオラン、エチル−アミノ−チアゾールカルボキサミド、エチル−ホスホネート、フランカルボキサミド、グルコピラノシル、グルコピラノキシル、グルタロニトリル、グアニジン、除草剤/植物成長調節剤、ヘキソピラノシル抗生物質、ヒドロキシ(2−アミノ)ピリミジン、ヒドロキシアニリド、ヒドロキシイソキサゾール、イミダゾール、イミダゾリノン、殺虫剤/植物成長調節剤、イソベンゾフラノン、イソキサゾリジニル−ピリジン、イソオキサゾリン、マレイミド、マンデル酸アミド、メクチン誘導体、モルホリン、ノルホリン、n−フェニルカルバメート、有機スズ化合物、オキサチインカルボキサミド、オキサゾール、オキサゾリジン−ジオン、フェノール、フェノキシキノリン、フェニルアセトアミド、フェニルアミド、フェニルベンズアミド、フェニル−オキソ−エチル−チオフェンアミド、フェニルピロール、フェニルウレア、ホスホロチオレート、リン酸、フタルアミド酸、フタルイミド、ピコリンアミド、ピペラジン、ピペリジン、植物抽出物、ポリオキシン、プロピオンアミド、フタルイミド、ピラゾール−4−カルボキサミド、ピラゾリノン、ピリダジノン、ピリジン、ピリジンカルボキサミド、ピリジニル−エチルベンズアミド、ピリミジンアミン、ピリミジン、ピリミジン−アミン、ピリミジオン−ヒドラゾン、ピロリジン、ピロールキノリオン、キナゾリノン、キノリン、キノリン誘導体、キノリン−7−カルボン酸、キノキサリン、スピロケタールアミン、ストロビルリン、スルファモイルトリアゾール、スルファミド、テトラゾリルオキシム、チアジアジン、チアジアゾールカルボキサミド、チアゾールカルボキサニド(thiazole carboxanide)、チオシアネート、チオフェンカルボキサミド、トルアミド、トリアジン、トリアゾベンチアゾール、トリアゾール、トリアゾール−チオン、トリアゾロ−ピリミジルアミン、バリンアミドカルバメート、アンモニウムメチルホスホン酸塩、砒素含有化合物、ベニイミダゾリルカルバメート、カルボニトリル、カルボキシアニリド、カルボキシイミドアミド、カルボキシルフェニルアミド、ジフェニルピリジン、フラニリド、ヒドラジンカルボキサミド、イミダゾリン酢酸塩、イソフタレート、イソキサゾロン、水銀塩、有機水銀化合物、有機リン酸塩、オキサゾリジンジオン、ペンチルスルホニルベンゼン、フェニルベンズアミド、ホスホノチオネート、ホスホロチオエート、ピリジルカルボキサミド、ピリジルフルフリルエーテル、ピリジルメチルエーテル、SDHI、チアジアジナンチオン、チアゾリジン。
本発明のさらなる態様は、作物植物、例えば種子といったその繁殖体、例えば収穫された食品作物といった収穫された作物などの例えば有用な植物といった植物、または、特に真菌性生物といった植物病原性もしくはヒトに対して潜在的に有害である腐敗性微生物もしくは生物による非生体材料に係る外寄生を防除もしくは予防する方法に関し、この方法は、式(I)の化合物もしくは上記に定義されている好ましい個別の化合物を、活性成分として植物、植物の一部もしくはその生息地、その繁殖体、または、非生体材料のいずれかの部分に適用するステップを含む。
防除もしくは予防とは、昆虫による、または、特に真菌性生物といった植物病原性もしくはヒトに対して潜在的に有害である腐敗性微生物もしくは生物による外寄生を、向上が実証されるレベルまで低減させることを意味する。
特に真菌性生物といった植物病原性微生物または昆虫による作物植物の外寄生を防除もしくは予防する好ましい方法であって、式(I)の化合物または前記化合物の少なくとも1種を含有する農芸化学組成物の適用を含む方法は、葉面処理である。適用頻度および適用量は、対応する病原体または昆虫による外寄生のリスクに応じることとなる。しかしながら、式(I)の化合物はまた、植物の生息地に液体配合物を灌注することにより、または、例えば粒状形態(土壌施用)の固体形態で化合物を土壌に適用することにより、土壌(浸透移行作用)を介して根から植物に浸透させることが可能である。水稲作物の場合、このような粒質物を湛水した水田に適用することが可能である。式(I)の化合物はまた、種子または塊茎を殺菌剤の液体配合物に含浸させることにより、または、これらを固体配合物でコーティングすることにより、種子に適用(コーティング)され得る。
例えば、式(I)の化合物と、所望の場合に、式(I)の化合物をカプセル化する固体または液体補助剤またはモノマーとを含有する組成物といった配合物は、公知の様式で、典型的には、化合物を例えば溶剤、固体キャリアおよび任意選択により表面活性化合物(界面活性剤)といった増量剤と一緒に均質に混合し、および/または、粉砕することにより調製され得る。
流行している状況における意図される目的、および、上述の種類の有害生物を防除するための組成物の使用に適合するよう選択されるべきである、吹付け、噴霧、散粉、はけ塗り、粉衣、拡散または流しかけなどの上述の種類の有害生物の防除方法である組成物の適用方法が本発明の他の主題である。典型的な濃度割合は、0.1〜1000ppm、好ましくは0.1〜500ppmの活性成分である。1ヘクタール当たりの適用量は、好ましくは1g〜2000gの活性成分/ヘクタール、より好ましくは10〜1000g/ha、最も好ましくは10〜600g/haである。種子灌注剤として用いられる場合、簡便な投与量は、1kgの種子に対して10mg〜1gの活性物質である。
本発明の組み合わせが種子の処理に用いられる場合、1kgの種子に対して0.001〜50gの式Iの化合物、好ましくは、1kgの種子に対して0.01〜10gの量が一般に十分とされる。
好適には、本発明に係る式(I)の化合物を含む組成物は、病害の発生前を意味する予防的に、または、病害の発生後を意味する治療的に適用される。
本発明の組成物は、いずれかの従来の形態、例えば、二液系、乾燥種子処理用粉末(DS)、種子処理用エマルジョン(ES)、種子処理用流動性濃縮物(FS)、種子処理用溶液(LS)、種子処理用水分散性粉末(WS)、種子処理用カプセル懸濁液(CF)、種子処理用ゲル(GF)、エマルジョン濃縮物(EC)、懸濁液濃縮物(SC)、サスポエマルジョン(SE)、カプセル懸濁液(CS)、水分散性顆粒(WG)、乳化性顆粒(EG)、エマルジョン、油中水型(EO)、エマルジョン、水中油型(EW)、マイクロエマルジョン(ME)、油分散体(OD)、油混和性の流動体(OF)、混油性液体(OL)、可溶性濃縮物(SL)、超低体積懸濁液(SU)、超低体積液体(UL)、工業用濃縮物(TK)、分散性濃縮物(DC)、水和剤(WP)、または、農学的に許容可能な補助剤と組み合わされるいずれかの技術的に好ましい配合物の形態で採用され得る。
このような組成物は、従来の様式で、例えば活性成分を、適切な不活性配合物(希釈剤、溶剤、充填材、ならびに、界面活性剤、殺生剤、不凍剤、展着剤、増粘剤およびアジュバント活性効果をもたらす化合物などの任意により他の配合成分)と混合することにより、生成され得る。また、従来の緩効性配合物は、長期にわたって持続する効力が意図される場合に採用され得る。特に、水分散性濃縮物(例えばEC、SC、DC、OD、SE、EW、EO等)、水和剤および顆粒などの吹付け形態で適用される配合物は、例えばホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸塩との縮合物、アルキルアリールスルホネート、リグニンスルホン酸塩、脂肪アルキルスルフェート、およびエトキシル化アルキルフェノールおよびエトキシル化脂肪族アルコールといった、湿潤剤および分散剤およびアジュバント効果をもたらす他の化合物などの界面活性剤を含有していてもよい。
種子粉衣配合物は種子にそれ自体公知である様式で適用され、例えば水性懸濁液または種子に良好な接着性を有する乾燥粉末形態といった好適な種子粉衣配合物形態で、本発明の組み合わせおよび希釈剤を利用する。このような種子粉衣配合物は技術分野において公知である。種子粉衣配合物は、単一種の活性成分を含有していても、または、例えば緩効性カプセルもしくはマイクロカプセルとしてカプセル化形態で活性成分の組み合わせを含有していてもよい。
普通、配合物は、0.01〜90重量%の活性薬剤、0〜20%の農学的に許容可能な界面活性剤、ならびに、10〜99.99%の固体または液体不活性配合物および補助剤を含み、活性薬剤は、少なくとも式(I)の化合物を、コンポーネント(B)および(C)、および、任意により他の活性薬剤、特に殺菌剤または防腐剤等を一緒に伴って構成されている。組成物の濃縮形態は、一般に、約2〜80%、好ましくは約5〜70重量%の活性薬剤を含有する。配合物の適用形態は、例えば0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%の活性薬剤を含有し得る。市販製品は濃縮物として配合されていることが好ましいであろうが、エンドユーザーは通常希釈した配合物を利用することとなる。
市販の製品を濃縮物として配合することが好ましいが、エンドユーザーは通常配合物を希釈して使用するであろう。
以下の実施例は本発明を例示するものである。本発明の一定の化合物は低施用量でのより高い効力により公知の化合物から区別可能であり、これは、実施例において概説されている実験手法を用い、必要に応じて、例えば50ppm、12.5ppm、6ppm、3ppm、1.5ppm、0.8ppmまたは0.2ppmといったより少ない施用量を用いることで当業者により検証可能である。
本記載を通じて、温度は摂氏度で示されており、「m.p.」は融点を意味する。LC/MSは液体クロマトグラフィ質量分析を意味し、用いた装置および方法の説明は以下のとおりである。
方法G
スペクトルは、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンおよび陰イオン)、キャピラリ:3.00kV、コーン範囲:30V、抽出器:2.00V、ソース温度:150℃、脱溶媒温度:350℃、コーンガス流:50l/h、脱溶媒ガス流:650l/h、質量範囲:100〜900Da)およびWaters製Acquity UPLC:バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメント、ダイオード−アレイ検出器、およびELSD検出器を備えるWaters製の質量分析装置(SQD、SQDIIシングル四重極型質量分析計)で記録した。カラム:Waters UPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH、勾配:1.2分間で10〜100%のB;流量(ml/分)0.85
方法H
スペクトルは、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンおよび陰イオン)、キャピラリ:3.00kV、コーン範囲:30V、抽出器:2.00V、ソース温度:150℃、脱溶媒温度:350℃、コーンガス流:50l/h、脱溶媒ガス流:650l/h、質量範囲:100〜900Da)およびWaters製Acquity UPLC:バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメント、ダイオード−アレイ検出器、およびELSD検出器を備えるWaters製の質量分析装置(SQD、SQDIIシングル四重極型質量分析計)で記録した。カラム:Waters UPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH、勾配:2.7分間で10〜100%のB;流量(ml/分)0.85
方法W
スペクトルは、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンまたは陰イオン)、キャピラリ:3.0kV、コーン:30V、抽出器:3.00V、ソース温度:150℃、脱溶媒温度:400℃、コーンガス流:60L/Hr、脱溶媒ガス流700L/Hr、質量範囲:140〜800Da)、DAD波長範囲(nm):210〜400、およびWaters製Acquity UPLC:溶媒脱気装置、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメント、およびダイオード−アレイ検出器を備えるWaters製の質量分析装置(ACQUITY UPLC)(SQD、SQDIIシングル四重極型質量分析計)で記録した。カラム:Waters UPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水/メタノール9:1、0.1%ギ酸、B=アセトニトリル+0.1%ギ酸、勾配:2.5分間で0〜100%のB;流量(ml/分)0.75
配合物実施例
Figure 0006959932
活性成分を補助剤と十分に混合すると共に混合物を好適なミルで十分に粉砕して、水で希釈された所望の濃度の懸濁液をもたらすことが可能である水和剤を得る。
Figure 0006959932
活性成分を補助剤と十分に混合すると共に混合物を好適なミルで十分に粉砕して、種子処理に直接用いることが可能である粉末を得る。
乳剤
活性成分[式(I)の化合物] 10%
オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル 3%
(4〜5molのエチレンオキシド)
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3%
ヒマシ油ポリグリコールエーテル(35molのエチレンオキシド) 4%
シクロヘキサノン 30%
キシレン混合物 50%
植物の保護において用いられることが可能である、任意の必要とされる希釈率のエマルジョンを、この濃縮物から水による希釈で得ることが可能である。
Figure 0006959932
すぐに使用可能な粉剤は、活性成分とキャリアとを混合し、この混合物を好適なミルで粉砕することにより得られる。このような粉末は、種子の乾燥粉衣に用いることも可能である。
押出し顆粒
活性成分[式(I)の化合物] 15%
リグノスルホン酸ナトリウム 2%
カルボキシメチルセルロース 1%
カオリン 82%
活性成分を補助剤と混合および粉砕し、この混合物を水で湿らせる。この混合物を押し出し、次いで、空気流中で乾燥させる。
コーティングされた顆粒
活性成分[式(I)の化合物] 8%
ポリエチレングリコール(分子量200) 3%
カオリン 89%
細かく粉砕した活性成分を、ミキサ中において、ポリエチレングリコールで湿らせたカオリンに均一に適用する。粉末を発生しないコーティングされた顆粒がこのようにして得られる。
懸濁液濃縮物
活性成分[式(I)の化合物] 40%
プロピレングリコール 10%
ノニルフェノールポリエチレングリコールエーテル 6%
(15molのエチレンオキシド)
リグノスルホン酸ナトリウム 10%
カルボキシメチルセルロース 1%
シリコーン油(75%水中エマルジョンの形態) 1%
水 32%
細かく粉砕した活性成分を補助剤と均質に混合して懸濁液濃縮物を得、水で希釈することによって、この懸濁液を任意の所望の濃度で得ることが可能である。このような希釈を用いることで、吹付け、注ぎかけ、または、浸漬により、微生物による外寄生から、生存している植物ならびに植物繁殖体を処理および保護可能である。
種子処理に係る流動性濃縮物
活性成分[式(I)の化合物] 40%
プロピレングリコール 5%
コポリマーブタノールPO/EO 2%
10−20モルのEOを伴うトリスチレンフェノール 2%
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(20%水溶液の形態) 0.5%
モノアゾ−顔料カルシウム塩 5%
シリコーンオイル(75%水中エマルジョンの形態) 0.2%
水 45.3%
細かく粉砕した活性成分を補助剤と均質に混合して懸濁液濃縮物を得、水で希釈することによって、この懸濁液を任意の所望の濃度で得ることが可能である。このような希釈を用いることで、吹付け、注ぎかけ、または、浸漬により、微生物による外寄生から、生存している植物ならびに植物繁殖体を処理および保護可能である。
緩効性カプセル懸濁液
28部の組み合わせた式(I)の化合物を、2部の芳香族溶剤および7部のトルエンジイソシアネート/ポリメチレン−ポリフェニルイソシアネート混合物(8:1)と混合する。この混合物を、1.2部のポリビニルアルコール、0.05部の脱泡剤および51.6部の水の混合物中において、所望の粒径が達成されるまで乳化させる。このエマルジョンに、5.3部の水中の2.8部の1,6−ジアミノヘキサンの混合物を添加する。この混合物を、重合反応が完了するまで撹拌する。
得られるカプセル懸濁液を、0.25部の増粘剤および3部の分散剤を添加することにより安定化させる。カプセル懸濁液配合物は、28%の活性成分を含有する。中程度のカプセル径は8〜15ミクロンである。
得られる配合物を、目的に好適な装置中において、水性懸濁液として種子に適用する。
調製例
実施例1:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル)キノリン−3−カルボキサミドの合成
工程1:2,4−ジメチル−1−フェニル−ペンタン−2−オールの合成
Figure 0006959932
4−メチル−2−ペンタノン(3.0g,29.4mmol)のジエチルエーテル(25mL)溶液を、テトラヒドロフラン中のベンジルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中2M,22mL,44mmol)に室温で滴下した。その後、反応混合物を35℃に温め、この温度で3時間おいた。室温まで冷却した後、反応にHCl水溶液(2M)を添加し、混合物を水と酢酸エチルの間で分離させた。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィによって精製することで、表題の化合物を無色液体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.18−7.34(m,5H),2.65−2.85(m,2H),1.81−1.99(m,1H),1.42(dd,2H),1.15(s,3H),0.98(dd,6H).
工程2:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル)−2−クロロ−アセトアミドの合成
Figure 0006959932
0〜5℃に冷却した2,4−ジメチル−1−フェニル−ペンタン−2−オール(3.6g,19mmol)およびクロロアセトニトリル(2.4mL,37mmol)の酢酸(11mL)溶液に、濃硫酸(3.1mL,56mmol)を滴下した。得られたスラリーを20℃まで温め、この温度で3時間撹拌した。その後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaHCO3水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィによって精製することで、表題の化合物を無色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.20−7.34(m,3H),7.08−7.16(m,2H),6.13(br.s.,1H),3.94(s,2H),3.21(d,1H),2.90(d,1H),1.86−1.95(m,1H),1.73−1.86(m,1H),1.54(dd,1H),1.31(s,3H),0.96(dd,6H).
工程3:2,4−ジメチル−1−フェニル−ペンタン−2−アミンの合成
Figure 0006959932
N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル)−2−クロロ−アセトアミド(3.0g,11.2mmol)、酢酸(3.9mL,67mmol)、およびチオ尿素(1.02g,13.4mmol)のエタノール(30mL)溶液を80℃まで温め、この温度で18時間撹拌した。その後反応混合物を20℃まで冷却し、HCl(0.5M)水溶液で希釈し、セライトのショートパッドを通して濾過した。濾液を酢酸エチルで洗浄し、次いで水層を4MのNaOHで塩基性にし、n−ヘキサンで抽出した。n−ヘキサン層を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することで、表題の化合物を淡褐色オイルとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.14−7.34(m,5H),2.59−2.71(m,2H),1.78−1.94(m,1H),1.26−1.41(m,2H),1.05(s,3H),1.03(br.s,2H),0.98(dd,6H).
工程4:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル)キノリン−3−カルボキサミドの合成
Figure 0006959932
キノリン−3−カルボン酸(0.20g,1.15mmol)、2,4−ジメチル−1−フェニル−ペンタン−2−アミン(0.22g,1.15mmol)、トリエチルアミン(0.14g,1.4mmol)、および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.16g,1.15mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドHCl(0.22g,1.15mmol)を室温で添加し、得られた溶液を20℃で18時間おいた。水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのクロマトグラフィにより精製することで、表題の化合物を白色固体(融点121℃)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.12(d,1H),8.40(d,1H),8.13(d,1H),7.86(d,1H),7.74−7.82(m,1H),7.56−7.64(m,1H),7.16−7.30(m,5H),5.73(s,1H),3.46(d,1H),2.98(d,1H),2.17(dd,1H),1.84−1.99(m,1H),1.67(dd,1H),1.43(s,3H),1.02(d,6H).
実施例2:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブト−3−エニル)−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドの合成
工程1:2−メチル−N−(1−メチル−2−フェニル−エチリデン)プロパン−2−スルフィンアミドの合成
Figure 0006959932
1−フェニルプロパン−2−オン(8.30g,61.9mmol)をテトラヒドロフラン(75mL)の中に溶解させ、チタン(IV)エトキシド(32.6g,92.8mmol)および2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(7.50g,61.9mmol)を室温で逐次的に添加し、得られた混合物を60℃まで温めた。60℃で2時間撹拌した後、反応を室温まで冷却し、NaHCO3水溶液でクエンチした。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。併せた濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することで、表題の化合物を淡黄色オイルとして得た(純度>80%,シス−トランス異性体の比率約4:1)。これはそのまま次の工程で使用した。
1H NMR(400MHz,CDCl3,メジャー異性体)δ 7.17−7.43(m,5H),3.72(d,1H),3.70(d,1H),2.32(s,3H),1.23(s,9H)
工程2:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブト−3−エニル)−2−メチル−プロパン−2−スルフィンアミドの合成
Figure 0006959932
未精製の2−メチル−N−(1−メチル−2−フェニル−エチリデン)プロパン−2−スルフィンアミド(純度80%,7.4g,24.9mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、−50℃に維持された市販の2−メチルアリルマグネシウムクロリドのTHF溶液(0.5M,75mL,37.4mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を4時間かけて20℃まで徐々に温め、20℃で終夜撹拌した。その後飽和NH4Cl溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィにより精製することで、表題の化合物をジアステレオ異性体混合物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3,メジャー異性体)δ 6.94−7.18(m,5H),4.82(s,1H),4.71(s,1H),3.39(s,1H),2.76(d,1H),2.55(d,1H),2.21(d,2H),1.63(s,3H),1.06(s,3H),0.94(s,9H).
工程3:N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブト−3−エニル)−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドの合成
Figure 0006959932
氷冷したN−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブト−3−エニル)−2−メチル−プロパン−2−スルフィンアミド(5.2g,15.9mmol)のメタノール(16mL)溶液に、1,4−ジオキサンの中に入っているHCl(4M,6mL,24mmol)を添加し、得られた溶液を0〜5℃で2時間撹拌した。その後、すべての揮発物を真空で除去することで、褐色のゴム状の残渣を得た。これをジエチルエーテル/ヘプタンの混合物で粉状にした。得られた淡褐色固体を真空中で乾燥させ、そのまま次の工程で使用した。
上で得た固体の塩酸塩の一部(2g,8.0mmol)をジクロロメタン(40mL)の中に懸濁させ、8−フルオロキノリン−3−カルボン酸(1.68g,8.8mmol)、トリエチルアミン(2.8mL,19.9mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(1.2g,8.8mmol)、およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド−HCl(1.72g,8.8mmol)を、周囲温度で逐次的に添加した。得られた混合物を20℃で2時間おいた。その後、水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィにより精製することで、表題の化合物を白色固体(融点115〜117℃)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.11−9.26(m,1H),8.50(s,1H),7.72(d,1H),7.45−7.64(m,2H),7.19−7.37(m,5H),5.96(s,1H),5.01(s,1H),4.84(s,1H),3.57(d,1H),3.08(dd,2H),2.46(d,1H),1.89(s,3H),1.47(s,3H).
19F NMR(377MHz,CDCl3)δ −124.64(s).
実施例3:N−(1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル)−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
工程1:エチル2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−ブタノエートの合成
Figure 0006959932
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,100mL,248.9mmol)を、ジイソプロピルアミン(35.2mL,248.9mmol)のテトラヒドロフラン(400mL)溶液に−70℃でゆっくり添加した。得られた溶液を−70℃で30分寝かせ、その後エチル4,4,4−トリフルオロブチレート(36g,207.4mmol)を滴下した。反応を−70℃で2時間撹拌し、ベンジルブロミド(43.2g,248.9mmol)を添加し、反応混合物を約2時間かけて室温まで徐々に温めた。飽和NH4Cl溶液を添加し、混合物をメチルtertブチルエーテルで抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣のオイルをシリカゲルのショートパッドに通し、パッドをシクロヘキサン:酢酸エチル(2:1)で洗い流し、濾液を真空で濃縮することで、エチル4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−ブタノエートを淡いオレンジ色のオイルとして得た。
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,99mL,247.2mmol)を、ジイソプロピルアミン(35mL,247.2mmol)のテトラヒドロフラン(380mL)溶液に−70℃でゆっくり添加した。得られた溶液を−70℃で30分間寝かせ、その後、上で得た粗生成物(49.5g,190.2mmol,テトラヒドロフラン(30mL)で希釈)を−70℃でゆっくり添加した。得られた暗色の溶液を−70℃で2時間撹拌した後、ヨウ化メチル(13.1mL,209.3mmol)を添加した。反応混合物を約3時間かけて20℃まで徐々に温め、その後飽和NH4Cl溶液でクエンチし、メチルtertブチルエーテルで抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣のオイルをシリカゲルのショートパッドに通し、パッドをシクロヘキサン:酢酸エチル(2:1)で洗い流し、濾液を真空で濃縮することで、表題の化合物を淡褐色オイルとして得た(純度約80%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.05−7.33(m,5H),4.13(q,2H),2.98(d,1H),2.81−2.72(m,2H),2.11−2.32(m,1H),1.28(s,3H),1.21(t,3H).
工程2:2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−ブタンアミドの合成
Figure 0006959932
エチル2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−ブタノエート(25.5g,93.0mmol)の1,4−ジオキサン(45mL)/エタノール(45mL)溶液を、室温でNaOH(7.6g,186mmol)で処理し、得られた溶液を90℃まで温めて90℃で1時間おいた。室温まで冷却した後、反応混合物をもとの体積の約50%まで濃縮した。残渣を水で希釈し、シクロヘキサンで洗浄した。その後、25℃未満の温度で氷冷しながら水層を濃HClで酸性にし、混合物をDCMで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することで、2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−酪酸を暗い黄色のオイルとして得た。
未精製の2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−酪酸(6.7g,27.2mmol)およびジメチルホルムアミド(0.1mL,1.4mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液に、塩化オキサリル(2.5mL,28.6mmol)を20℃で添加した。得られた溶液を20℃で1時間撹拌し、その後すべての揮発性物質を真空で除去した。残渣をジクロロメタン(25mL)に溶解させ、得られた溶液を、氷冷され高速撹拌されている状態のアンモニア水溶液(25重量%,21mL)の中にゆっくり入れた。得られた混合物を室温まで徐々に温め、30分間撹拌した。その後水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することで、表題の化合物を淡褐色オイルとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.13−7.44(m,5H),5.42(br s,2H),3.13(d,1H),2.97−3.09(m,1H),2.67(d,1H),2.18(qd,1H),1.33(s,3H).
工程3:4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−1−フェニル−ブタン−2−アミンの合成
Figure 0006959932
2−ベンジル−4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−ブタンアミド(6.6g,26.9mmol)のアセトニトリル(25mL)/水(25mL)溶液に、室温でジアセトキシヨードベンゼン(9.73g,29.6mmol)およびトリフルオロ酢酸(4.6mL,59.2mmol)を添加し、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。その後、アセトニトリルを真空で除去し、残った水性エマルジョンを濃HClでpH1に調整し、メチルtertブチルエーテルで洗浄した。水層をNaOH(8M)を用いてpH12まで塩基性にし、メチルtertブチルエーテルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮することで、表題の化合物を黄色オイルとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.16−7.50(m,5H),2.81(s,2H),2.13−2.41(m,2H),1.28(s,3H).
工程4:N−(1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル)−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミドの合成
Figure 0006959932
7,8−ジフルオロキノリン−3−カルボン酸(0.35g,1.67mmol)、4,4,4−トリフルオロ−2−メチル−1−フェニル−ブタン−2−アミン(0.40g,0.84mmol)、トリエチルアミン(0.6mL,4.2mmol)、および1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.27g,2.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温でN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド−HCl(0.39g,2.0mmol)を添加した。得られた混合物を室温で15時間撹拌し、その後水でクエンチした。混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を水、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィにより精製することで、表題の化合物を白色固体(融点158〜160℃)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.07(d,1H),8.38(t,1H),7.62(ddd,1H),7.47(dt,1H),7.11−7.38(m,5H),6.14(s,1H),3.62(d,1H),3.46(dd,1H),2.96(d,1H),2.58(qd,1H),1.50(s,3H).
19F NMR(377MHz,CDCl3)δ −59.75(s,1F),−132.03(d,1F),−150.23(d,1F).
実施例4:単一の異性体の調製:
N−[(1S)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミド、および
N−[(1R)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
N−(1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル)−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミドのラセミ混合物を、以降で説明する条件を使用して分取HPLCクロマトグラフィによりキラル分割した。
分析HPLC法
SFC:Waters Acquity UPC2/QDa
PDA検出器 Waters Acquity UPC2
カラム:Daicel SFC CHIRALPAK(登録商標) OZ,3μm,0.3cm×10cm,40℃
移動相: A:CO2 B:iPr 勾配:2.8分で10%のB
ABPR:1800psi
流量:2.0ml/分
検出:233nm
試料濃度:ACN/iPr50/50中、1mg/mL
注入量:1μL
分取HPLC法
Waters製の自動精製システム:2767サンプルマネージャ,2489UV/可視検出器,2545クオータナリグラジエントモジュール。
カラム:Daicel CHIRALPAK(登録商標) IF,5μm,1.0cm×25cm
移動相:TBME/EtOH 98/02
流量:10mL/分
検出:UV 265nm
試料濃度:EE/ACN中、165mg/mL
注入量:30〜90μl,5〜15mg
結果:
Figure 0006959932
溶出時間が1.05分の化合物は、化合物F−38に対応するN−[(1R)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
溶出時間が1.51分の化合物は、化合物F−37に対応するN−[(1S)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−7,8−ジフルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
実施例5:単一の異性体の調製:
N−[(1S)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
N−[(1R)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
N−(1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル)−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドのラセミ混合物を、以降で説明する条件を使用して分取HPLCクロマトグラフィによりキラル分割した。
分析HPLC法
SFC:Waters Acquity UPC2/QDa
PDA検出器 Waters Acquity UPC2
カラム:Daicel SFC CHIRALPAK(登録商標) ID,3μm,0.3cm×10cm,40℃
移動相: A:CO2 B:iPr 勾配:2.8分で15%のB
ABPR:1800psi
流量:2.0ml/分
検出:235nm
試料濃度:ACN/iPr 50/50中、1mg/mL
注入量:1μL
分取HPLC法
Waters製の自動精製システム:2767サンプルマネージャ,2489UV/可視検出器,2545クオータナリグラジエントモジュール。
カラム:Daicel CHIRALPAK(登録商標) IF,5μm,1.0cm×25cm
移動相:Hept/EtOH 95/05
流量:10ml/分
検出:UV 265nm
試料濃度:MeOH/DCM(1/1)中、10mg/mL
注入量:500μl
結果:
Figure 0006959932
溶出時間が1.49分の化合物は、化合物F−11に対応するN−[(1S)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
溶出時間が1.88分の化合物は、化合物F−12に対応するN−[(1R)−1−ベンジル−3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロピル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
実施例6:単一の異性体の調製:
N−[(1R)−1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド、および
N−[(1S)−1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
N−(1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル)−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドのラセミ混合物を、以降で説明する条件を使用して分取HPLCクロマトグラフィによりキラル分割した。
分析HPLC法
SFC:Waters Acquity UPC2/QDa
PDA検出器 Waters Acquity UPC2
カラム:Daicel SFC CHIRALPAK(登録商標) IA,3μm,0.3cm×10cm,40℃
移動相: A:CO2 B:MeOH 勾配:1.8分で25%のB
ABPR:1800psi
流量:2.0ml/分
検出:240nm
試料濃度:Hept/EtOH 90/10中、1mg/mL
注入量:3μL
分取HPLC法
Waters製の自動精製システム:2767サンプルマネージャ,2489UV/可視検出器,2545クオータナリグラジエントモジュール。
カラム:Daicel CHIRALPAK(登録商標) IE,5μm,1.0cm×25cm
移動相:Hept/EtOH 90/10
流量:10ml/分
検出:UV 265nm
試料濃度:MeOH/DCM(1/3)中、100mg/mL(濾過)
注入量:150μl〜250μl
Figure 0006959932
溶出時間が0.97分の化合物は、化合物F−1に対応するN−[(1S)−1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
溶出時間が1.88分の化合物は、化合物F−2に対応するN−[(1R)−1−ベンジル−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
実施例7:単一の異性体の調製:
N−[(1R)−1−ベンジル−3−フルオロ−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド、および
N−[(1S)−1−ベンジル−3−フルオロ−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミド
N−(1−ベンジル−3−フルオロ−1,3−ジメチル−ブチル)−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドのラセミ混合物を、以降で説明する条件を使用して分取HPLCクロマトグラフィによりキラル分割した。
分析HPLC法
SFC:Waters Acquity UPC2/QDa
PDA検出器 Waters Acquity UPC2
カラム:Daicel SFC CHIRALPAK(登録商標) IA,3μm,0.3cm×10cm,40℃
移動相: A:CO2 B:MeOH 勾配:1.8分で30%のB
ABPR:1800psi
流量:2.0ml/分
検出:230nm
試料濃度:ACN/iPr 50/50中、1mg/mL
注入量:1μL
分取HPLC法
Waters製の自動精製システム:2767サンプルマネージャ,2489UV/可視検出器,2545クオータナリグラジエントモジュール。
カラム:Daicel CHIRALPAK(登録商標) IA,5□m,1.0cm×25cm
移動相:Hept/EtOH 90/10
流量:10mL/分
検出:UV 265nm
試料濃度:EE中、127mg/mL
注入量:40〜160μl,5〜20mg
Figure 0006959932
溶出時間が0.88分の化合物は、化合物F−23に対応するN−[(1R)−1−ベンジル−3−フルオロ−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
溶出時間が1.51分の化合物は、化合物F−24に対応するN−[(1S)−1−ベンジル−3−フルオロ−1,3−ジメチル−ブチル]−8−フルオロ−キノリン−3−カルボキサミドである。
Figure 0006959932
Figure 0006959932
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生物学的実施例
ボトリオチニア フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana)(ボトリティス シネレア(Botrytis cinerea))/液体培養物(灰色かび病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(Vogels培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して3〜4日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のボトリオチニア フッケリアナ(Botryotinia fuckeliana)の防除をもたらした:
E−1、E−2、E−3、E−5、E−6、E−7、E−8、E−10、E−11、E−12、E−13、E−14、E−15、E−16、E−17、E−18、E−19、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−27、E−28、E−29、E−30、E−31、E−32、E−33、E−34、E−35、E−36、E−37、E−38、E−39、E−40、E−41、E−42、E−43、E−44、E−45、E−46、E−47、E−48、E−49、E−50、E−51、E−52、E−53、E−54、E−55、E−56、E−57、E−58、E−59、E−60、E−61、E−62、E−63、E−64、E−65、E−66、E−67、E−69、E−70、E−71、E−72、E−73、E−74、E−75、E−76、E−77、E−79、E−80、E−81、E−82、E−84、E−85、E−86、E−87、E−88、E−89、E−90、E−91、E−92、E−93、E−94、E−95、E−96、E−97、E−98、E−99、E−100、E−101、E−102、E−103、E−104、E−106、E−107、E−109、E−110、E−111、E−112、E−113、E−114、E−115、E−116、E−117、E−118、E−119、E−121、E−123、E−124、E−125、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、F−13、F−14、F−16、F−17、F−18、F−19、F−20、F−21、F−22、F−23、F−24、F−25、F−26、F−27、F−28、F−29、F−30、F−31、F−32、F−33、F−34、F−35、F−36、F−37、F−38、F−39、F−40
フザリウム クルモラム(Fusarium culmorum)/液体培養物(赤かび病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して3〜4日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のフザリウム クルモラム(Fusarium culmorum)の防除をもたらした:
E−1、E−2、E−4、E−5、E−6、E−7、E−8、E−10、E−11、E−12、E−13、E−14、E−15、E−16、E−17、E−18、E−19、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−27、E−28、E−29、E−30、E−31、E−32、E−33、E−34、E−35、E−36、E−37、E−38、E−39、E−40、E−41、E−42、E−43、E−44、E−45、E−46、E−47、E−48、E−49、E−50、E−51、E−52、E−53、E−54、E−55、E−56、E−57、E−58、E−59、E−60、E−61、E−62、E−64、E−65、E−66、E−67、E−68、E−69、E−70、E−71、E−72、E−73、E−74、E−75、E−76、E−77、E−78、E−79、E−80、E−81、E−82、E−84、E−85、E−86、E−87、E−88、E−89、E−90、E−91、E−92、E−93、E−94、E−95、E−96、E−97、E−98、E−99、E−100、E−101、E−102、E−103、E−104、E−105、E−106、E−107、E−109、E−110、E−111、E−112、E−113、E−114、E−115、E−116、E−117、E−118、E−119、E−120、E−121、E−123、E−124、E−125、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、F−13、F−14、F−16、F−17、F−18、F−19、F−20、F−21、F−22、F−23、F−24、F−25、F−26、F−27、F−28、F−29、F−30、F−31、F−32、F−33、F−34、F−35、F−36、F−37、F−38、F−39、F−40
フザリウム クルモラム(Fusarium culmorum)/コムギ/小穂の予防(赤かび病)
コムギ小穂(cv.Monsun)をマルチウェルプレート(24ウェル型)中の寒天の上に載せ、 水で希釈した配合した試験化合物を噴霧する。適用から1日後に、菌の胞子懸濁液を小穂に播種する。播種した小穂を、気候室の中で、72時間の半暗闇およびそれに続く12時間の光/12時間の暗闇の光条件下、20℃および60%の相対湿度でインキュベートし、化合物の活性を、未処理の検査用の小穂に適切なレベルの病害による損傷が現れた時点で(適用後6〜8日)、未処理のものと比した病害防除率として評価する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のフザリウム クルモラム(Fusarium culmorum)の防除をもたらした:
E−1、E−5、E−6、E−10、E−11、E−12、E−13、E−15、E−16、E−17、E−19、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−28、E−29、E−30、E−35、E−36、E−38、E−39、E−42、E−43、E−44、E−48、E−49、E−50、E−51、E−52、E−55、E−56、E−57、E−58、E−59、E−60、E−61、E−62、E−66、E−67、E−69、E−70、E−71、E−72、E−74、E−75、E−76、E−77、E−79、E−80、E−81、E−82、E−84、E−85、E−86、E−88、E−89、E−90、E−91、E−92、E−93、E−94、E−95、E−96、E−97、E−98、E−99、E−100、E−101、E−102、E−103、E−104、E−105、E−106、E−107、E−109、E−113、E−114、E−125、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−9、F−10、F−11、F−12、F−13、F−14、F−16、F−17、F−18、F−19、F−20、F−21、F−23、F−24、F−25、F−26、F−27、F−28、F−29、F−31、F−32、F−33、F−35、F−36、F−37、F−39、F−40
グロメレラ ラゲナリウム(Glomerella lagenarium)(コレトトリウム ラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium))/液体培養物(炭そ病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して3〜4日後に光度測定により生育の阻害を測定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のグロメレラ ラゲナリウム(Glomerella lagenarium)の防除をもたらした:
E−1、E−2、E−5、E−6、E−12、E−13、E−14、E−15、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−27、E−28、E−29、E−30、E−31、E−32、E−33、E−34、E−35、E−36、E−37、E−38、E−39、E−40、E−42、E−43、E−44、E−45、E−46、E−47、E−48、E−49、E−50、E−51、E−52、E−53、E−54、E−55、E−56、E−57、E−58、E−60、E−61、E−62、E−66、E−69、E−79、E−86、E−87、E−89、E−90、E−91、E−92、E−93、E−94、E−95、E−96、E−97、E−98、E−99、E−100、E−101、E−102、E−103、E−104、E−106、E−111、E−112、E−113、E−114、E−115、E−118、E−125、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、F−13、F−14、F−16、F−17、F−18、F−19、F−20、F−21、F−22、F−23、F−24、F−25、F−26、F−27、F−28、F−29、F−30、F−31、F−32、F−33、F−34、F−35、F−36、F−37、F−38、F−39、F−40
ゲウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)/液体培養物(穀物の立ち枯れ病)
低温貯蔵庫からの菌の菌糸断片を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して4〜5日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のゲウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)の防除をもたらした:
E−1、E−2、E−6、E−7、E−8、E−10、E−13、E−14、E−17、E−19、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−27、E−28、E−35、E−37、E−38、E−39、E−40、E−42、E−43、E−45、E−46、E−47、E−48、E−53、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−10、F−16、F−17、F−18
モノグラフェラ ニバリス(Monographella nivalis)(ミクロドキウム ニバレ(Microdochium nivale))/液体培養物(穀物の角斑病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して4〜5日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のモノグラフェラ ニバリス(Monographella nivalis)の防除をもたらした:
E−1、E−2、E−5、E−6、E−12、E−13、E−14、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−26、E−27、E−28、E−30、E−31、E−33、E−34、E−35、E−36、E−37、E−38、E−42、E−43、E−45、E−48、E−49、E−53、E−54、E−55、E−56、E−57、E−58、E−59、E−60、E−61、E−88、E−92、E−97、E−99、E−103、E−112、E−114、E−116、E−117、E−118、E−121、E−122、E−123、F−1、F−2、F−4、F−5、F−8、F−9、F−10、F−18、F−20、F−23、F−24、F−25、F−26、F−27、F−29、F−30、F−32、F−39
ミコスファエレラ アラキジス(Mycosphaerella arachidis)(セルコスポラ アラキディコラ(Cercospora arachidicola))/液体培養物(褐斑病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して4〜5日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のミコスファエレラ アラキジス(Mycosphaerella arachidis)の防除をもたらした:
E−2、E−35、E−55、F−26
マグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea)(ピリクラリア オリゼー(Pyricularia oryzae))/液体培養物(イネいもち病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して3〜4日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のマグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea)の防除をもたらした:
E−5、E−6、E−12、E−14、E−15、E−16、E−17、E−19、E−20、E−21、E−22、E−23、E−24、E−25、E−26、E−27、E−28、E−29、E−30、E−31、E−32、E−33、E−34、E−35、E−36、E−37、E−38、E−39、E−40、E−42、E−43、E−44、E−45、E−46、E−47、E−48、E−49、E−50、E−51、E−52、E−53、E−54、E−55、E−56、E−57、E−58、E−59、E−60、E−61、E−62、E−65、E−66、E−69、E−114、F−1、F−37、F−38、F−39、F−40。
ピレノフォラ テレス(Pyrenophora teres)/オオムギ/葉片予防(網斑病)
オオムギの葉切片(cv.Hasso)をマルチウェルプレート(24ウェル型)中の寒天の上に載せ、水で希釈した配合した試験化合物を噴霧する。適用から2日後に、菌の胞子懸濁液を葉片に播種した。播種した葉切片を、気候キャビネットの中で、12時間の光/12時間の暗闇の光条件下、20℃および65%の相対湿度でインキュベートし、化合物の活性を、未処理の検査用の葉切片に適切なレベルの病害による損傷が現れた時点で(適用後5〜7日)、未処理のものと比した病害防除として評価した。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のピレノフォラ テレス(Pyrenophora teres)の防除をもたらした:
E−14、E−26、E−55、E−114
ミコスファエレラ グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)(セプトリア トリチシ(Septoria tritici))/液体培養物(葉枯病)
低温貯蔵庫からの菌の分生胞子を、普通ブイヨン培地(PDBポテトデキストロース培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌の胞子を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して4〜5日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、200ppmで少なくとも80%のミコスファエレラ グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)の防除をもたらした:
E−2、E−6、E−55、E−58、E−61、F−2、F−3、F−6、F−24、F−26
スクレロチニア スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)/液体培養物(菌核病)
新たに培養した菌の液体培養物の菌糸断片を、普通ブイヨン培地(Vogels培地)の中に直接混合する。マイクロタイタープレート(96ウェル型)の中に試験化合物の(DMSO)溶液を入れた後、菌材料を含む普通ブイヨン培地を添加する。試験プレートを24℃でインキュベートし、適用して3〜4日後に光度測定により生育の阻害を決定する。
表EおよびFの次の化合物が、同一の条件下において、広範な病害の発生が見られた未処理の対照と比して、20ppmで少なくとも80%のスクレロチニア スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)の防除をもたらした:
E−6、E−14、E−15、E−20、E−24、E−25、E−26、E−28、E−29、E−34、E−35、E−36、E−39、E−47、E−114、F−1、F−2、F−3、F−10
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)の化合物:
Figure 0006959932
(式中、
XはOまたはSであり;
1 は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
2 およびR 3 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはメチルであり;
4 は、水素、シアノ、C 1 〜C 4 アルキル、またはC 3 〜C 4 シクロアルキルであり、該アルキルおよびシクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 1 〜C 3 アルコキシ、およびC 1 〜C 3 アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
5 およびR 6 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C 1 〜C 4 アルキル、C 1 〜C 4 アルコキシ、およびC 1 〜C 4 アルキルチオから選択されるか;又は
5 およびR 6 は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NOR c 、C 3 〜C 5 シクロアルキル、またはC 2 〜C 5 アルケニルを表し、該シクロアルキルおよびアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 1 〜C 3 アルコキシ、およびC 1 〜C 3 アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく; R 7 は、水素、C 1 〜C 5 アルキル、C 3 〜C 5 シクロアルキル、C 2 〜C 5 アルケニル、C 3 〜C 5 シクロアルケニル、またはC 2 〜C 5 アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 1 〜C 3 アルコキシ、ヒドロキシル、およびC 1 〜C 3 アルキルチオから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
8 およびR 9 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C 1 〜C 4 アルキル、およびC 1 〜C 4 アルコキシから選択されるか;又は
8 およびR 9 は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、C 3 〜C 5 シクロアルキルを表し、該シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 1 〜C 3 アルコキシ、およびC 1 〜C 3 アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
各R 10 は、独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C 1 〜C 5 アルキル、C 2 〜C 5 アルケニル、C 2 〜C 5 アルキニル、C 3 〜C 6 シクロアルキル、C 1 〜C 5 アルコキシ、C 3 〜C 5 アルケニルオキシ、C 3 〜C 5 アルキニルオキシ、C 1 〜C 5 アルキルチオ、−C(=NOR c )C 1 〜C 5 アルキル、またはC 1 〜C 5 アルキルカルボニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、およびアルキルチオは、ハロゲン、C 1 〜C 3 アルキル、C 1 〜C 3 アルコキシ、シアノ、およびC 1 〜C 3 アルキルチオから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;nは0、1、2、3、4、または5であり;
各R c は、水素、C 1 〜C 4 アルキル、C 2 〜C 4 アルケニル、C 3 〜C 4 アルキニル、C 3 〜C 4 シクロアルキル(C 1 〜C 2 )アルキル、およびC 3 〜C 4 シクロアルキルから独立して選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、ハロゲンおよびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
11 は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
12 およびR 13 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはヒドロキシルから選択される)
であるが、次の化合物:
Figure 0006959932
のうちの1つではない化合物、ならびにその塩および/またはN−オキシド。
〔2〕R 1 が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕R 2 およびR 3 がそれぞれ独立して水素またはメチルである、前記〔1〕または〔2〕に記載の化合物。
〔4〕R 4 が水素、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、またはシクロプロピルであり、該アルキルおよびシクロアルキルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、前記〔1〕、〔2〕または〔3〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔5〕R 5 およびR 6 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C 1 〜C 2 アルキル、C 1 〜C 2 アルコキシ、およびC 1 〜C 2 アルキルチオから選択されるか;又はR 5 およびR 6 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕または〔4〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔6〕R 7 がC 1 〜C 4 アルキル、C 3 〜C 4 シクロアルキル、C 2 〜C 4 アルケニル、またはC 2 〜C 3 アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕または〔5〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔7〕R 8 およびR 9 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C 1 〜C 2 アルキル、およびC 1 〜C 2 アルコキシから選択されるか;又はR 8 およびR 9 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕または〔6〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔8〕各R 10 が独立して、ハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 2 〜C 3 アルケニル、C 2 〜C 3 アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC 1 〜C 2 アルキルチオを表し、該アルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1、2または3である、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕または〔7〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔9〕R 11 が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R 12 およびR 13 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕または〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔10〕XがOまたはSであり;R 1 が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R 2 およびR 3 がそれぞれ独立して水素またはメチルであり;R 4 が水素、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、またはシクロプロピルであり、該アルキルおよびシクロアルキルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R 5 およびR 6 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C 1 〜C 2 アルキル、C 1 〜C 2 アルコキシ、およびC 1 〜C 2 アルキルチオから選択されるか;又はR 5 およびR 6 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;R 7 がC 1 〜C 4 アルキル、C 3 〜C 4 シクロアルキル、C 2 〜C 4 アルケニル、またはC 2 〜C 3 アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R 8 およびR 9 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C 1 〜C 2 アルキル、およびC 1 〜C 2 アルコキシから選択されるか;又はR 8 およびR 9 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;各R 10 が独立にハロゲン、シアノ、C 1 〜C 3 アルキル、C 2 〜C 3 アルケニル、C 2 〜C 3 アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC 1 〜C 2 アルキルチオを表し、該アルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1、2または3であり;R 11 が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R 12 およびR 13 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される、前記〔1〕に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
〔11〕XがOまたはSであり;R 1 が水素、フルオロ、メチル、またはシアノであり;R 2 が水素でR 3 が水素またはメチルであるか;又はR 2 が水素またはメチルでR 3 が水素であり;R 4 が水素、シアノ、メチル、またはエチルであり、該メチルおよびエチルが、フルオロおよびメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R 5 およびR 6 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから選択されるか;又はR 5 およびR 6 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;R 7 がC 1 〜C 4 アルキル、C 3 〜C 4 シクロアルキル、またはC 2 〜C 4 アルケニルであり、該アルキル、シクロアルキル、およびアルケニルが、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R 8 およびR 9 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択されるか;又はR 8 およびR 9 がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;各R 10 が独立にフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、シクロプロピル、メトキシ、またはメチルチオを表し、該メチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオはフルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1または2であり;R 11 が水素、フルオロ、メチル、またはクロロであり;R 12 およびR 13 がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択される、前記〔1〕に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
〔12〕XがOまたはSであり;R 1 が水素またはフルオロであり;R 2 とR 3 の両方が水素であり;R 4 がメチルまたはエチル(該メチルおよびエチルは、1〜3個のフルオロ置換基で置換されていてもよい)であり;R 5 およびR 6 がそれぞれ独立して水素およびフルオロから選択され;R 7 がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、C 3 〜C 4 シクロアルキル、またはC 2 〜C 4 アルケニルであり、該メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロアルキル、およびアルケニルが、フルオロ、クロロ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R 8 およびR 9 がそれぞれ独立して水素またはフルオロから選択され;各R 10 が独立にフルオロ、クロロ、シアノ、またはメチルを表し、該メチルが、1〜3個のフルオロ置換基で置換されていてもよく;nが0、1または2であり;R 11 が水素またはフルオロであり;R 12 とR 13 の両方が水素である、前記〔1〕に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
〔13〕XがOである、前記〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕、〔10〕、〔11〕または〔12〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔14〕殺菌的に有効な量の前記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の式(I)の化合物を含む組成物。
〔15〕少なくとも1種の追加の活性成分および/または希釈剤をさらに含む、前記〔14〕に記載の組成物。
〔16〕植物病原性病害の駆除、予防または防除方法であって、植物病原体、植物病原体の生息地、または、植物病原体による被害を受けやすい植物、または、その繁殖体に、殺菌的に有効な量の前記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の式(I)の化合物、または殺菌的に有効な量の前記〔1〕〜〔13〕に記載の式(I)の化合物を含む組成物を適用することを含む、前記方法。

Claims (17)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 0006959932
    (式中、
    XはOまたはSであり;
    1は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
    2およびR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはメチルであり;
    4は、水素、シアノ、C1〜C4アルキル、またはC3〜C4シクロアルキルであり、該アルキルおよびシクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    5およびR6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、およびC1〜C4アルキルチオから選択されるか;又は
    5およびR6は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、C=O、C=NORc、C3〜C5シクロアルキル、またはC2〜C5アルケニルを表し、該シクロアルキルおよびアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく; R7は、水素、C1〜C5アルキル、C3〜C5シクロアルキル、C2〜C5アルケニル、C3〜C5シクロアルケニル、またはC2〜C5アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、ヒドロキシル、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
    8およびR9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル、およびC1〜C4アルコキシから選択されるか;又は
    8およびR9は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、C3〜C5シクロアルキルを表し、該シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    各R10は、独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C1〜C5アルキル、C2〜C5アルケニル、C2〜C5アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、C3〜C5アルケニルオキシ、C3〜C5アルキニルオキシ、C1〜C5アルキルチオ、−C(=NORc)C1〜C5アルキル、またはC1〜C5アルキルカルボニルを表し、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、およびアルキルチオは、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、シアノ、およびC1〜C3アルキルチオから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく;nは0、1、2、3、4、または5であり;
    各Rcは、水素、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C3〜C4アルキニル、C3〜C4シクロアルキル(C1〜C2)アルキル、およびC3〜C4シクロアルキルから独立して選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、ハロゲンおよびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    11は、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはシアノであり;
    12およびR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、メトキシ、またはヒドロキシルから選択される)
    またはその塩および/またはN−オキシド
    であるが、次の化合物:
    Figure 0006959932
    Figure 0006959932

    のうちの1つではない、前記化合物、またはその塩および/またはN−オキシド。
  2. 1が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノである、請求項1に記載の化合物。
  3. 2およびR3がそれぞれ独立して水素またはメチルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 4が水素、シアノ、C1〜C3アルキル、またはシクロプロピルであり、該アルキルおよびシクロアルキルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、およびC1〜C2アルキルチオから選択されるか;又はR5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい、請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、またはC2〜C3アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから選択されるか;又はR8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよい、請求項1、2、3、4、5または6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 各R10が独立して、ハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC1〜C2アルキルチオを表し、該アルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1、2または3である、請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 11が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される、請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. XがOまたはSであり;R1が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R2およびR3がそれぞれ独立して水素またはメチルであり;R4が水素、シアノ、C1〜C3アルキル、またはシクロプロピルであり、該アルキルおよびシクロアルキルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、およびC1〜C2アルキルチオから選択されるか;又はR5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oまたはシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;R7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、C2〜C4アルケニル、またはC2〜C3アルキニルであり、該アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニルが、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、ヒドロキシル、およびメチルチオから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから選択されるか;又はR8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し、該シクロプロピルが、フルオロ、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;各R10が独立にハロゲン、シアノ、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、またはC1〜C2アルキルチオを表し、該アルキル、シクロプロピル、アルケニル、アルキニル、メトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、およびアルキルチオが、フルオロ、クロロ、メチル、およびシアノから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1、2または3であり;R11が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはシアノであり;R12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、およびヒドロキシルから選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
  11. XがOまたはSであり;R1が水素、フルオロ、メチル、またはシアノであり;R2が水素でR3が水素またはメチルであるか;又はR2が水素またはメチルでR3が水素であり;R4が水素、シアノ、メチル、またはエチルであり、該メチルおよびエチルが、フルオロおよびメトキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R5およびR6がそれぞれ独立して水素、フルオロ、メチル、メトキシ、およびメチルチオから選択されるか;又はR5およびR6がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;R7がC1〜C4アルキル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、該アルキル、シクロアルキル、およびアルケニルが、フルオロ、クロロ、ヒドロキシル、シアノ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択されるか;又はR8およびR9がこれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピルを表し;各R10が独立にフルオロ、クロロ、シアノ、メチル、シクロプロピル、メトキシ、またはメチルチオを表し、該メチル、シクロプロピル、メトキシ、およびメチルチオはフルオロおよびクロロから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;nが0、1または2であり;R11が水素、フルオロ、メチル、またはクロロであり;R12およびR13がそれぞれ独立して水素、フルオロ、およびメチルから選択される、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
  12. XがOまたはSであり;R1が水素またはフルオロであり;R2とR3の両方が水素であり;R4がメチルまたはエチル(該メチルおよびエチルは、1〜3個のフルオロ置換基で置換されていてもよい)であり;R5およびR6がそれぞれ独立して水素およびフルオロから選択され;R7がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、C3〜C4シクロアルキル、またはC2〜C4アルケニルであり、該メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロアルキル、およびアルケニルが、フルオロ、クロロ、およびメチルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;R8およびR9がそれぞれ独立して水素またはフルオロから選択され;各R10が独立にフルオロ、クロロ、シアノ、またはメチルを表し、該メチルが、1〜3個のフルオロ置換基で置換されていてもよく;nが0、1または2であり;R11が水素またはフルオロであり;R12とR13の両方が水素である、請求項1に記載の化合物、またはその塩もしくはN−オキシド。
  13. XがOである、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. N-[1-ベンジル-1-メチル-2-(1-メチルシクロプロピル)エチル]-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-47)、
    N-(1-ベンジル-3,3,3-トリフルオロ-1-メチル-プロピル)-8-メチル-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-61)、
    N-(1-ベンジル-3,3,3-トリフルオロ-1-メチル-プロピル)-8-クロロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-60)、
    N-(1-ベンジル-3,3,3-トリフルオロ-1-メチル-プロピル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-39)、
    N-(1-ベンジル-3,3,3-トリフルオロ-1-メチル-プロピル)-7,8-ジフルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-102)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブチル)-7,8-ジフルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-48)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブト-3-エニル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-35)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブト-3-エニル)-7,8-ジフルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-55)、
    8-フルオロ-N-[1-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1,3-ジメチル-ブチル]キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-26)、
    8-フルオロ-N-[3,3,3-トリフルオロ-1-[(3-フルオロフェニル)メチル]-1-メチル-プロピル]キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-99)、
    N-(1-ベンジル-3,3-ジフルオロ-1-メチル-ブチル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-50)、
    N-(1-ベンジル-3-フルオロ-1,3-ジメチル-ブチル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-56)、
    N-(1-ベンジル-1,3,3-トリメチル-ブチル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-34)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブチル)-8-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-6)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブチル)-8-メチル-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-20)、
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブチル)-8-クロロ-キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-14)、及び
    N-(1-ベンジル-1,3-ジメチル-ブチル)キノリン-3-カルボキサミド(化合物E-13)
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  15. 殺菌的に有効な量の請求項1〜14のいずれかに記載の式(I)の化合物を含む組成物。
  16. 少なくとも1種の追加の活性成分および/または希釈剤をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 植物病原性病害の駆除、予防または防除方法であって、植物病原体、植物病原体の生息地、または、植物病原体による被害を受けやすい植物、または、その繁殖体に、殺菌的に有効な量の請求項1〜14のいずれかに記載の式(I)の化合物、または殺菌的に有効な量の請求項1〜14に記載の式(I)の化合物を含む組成物を適用することを含む、前記方法。
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