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JP6957844B2 - 核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液 - Google Patents

核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液 Download PDF

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Description

本発明は、生体試料中に含まれる核酸の増幅及び検出に関する。
従来、核酸の検出法の1つとして、PCR(polymerase chain reaction)などの核酸増幅法によって標的領域を増幅し、得られた核酸増幅産物を、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)などを用いて検出する方法が知られている。
この方法では、例えば核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸(以下、プローブと称する場合がある)を予めDNAチップに固定化しておき、PCRによって得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、核酸増幅産物をプローブと結合させるハイブリダイゼーションを行うことにより、検出対象の核酸が検出される。
このとき、核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下するのに先立って、ハイブリダイゼーション用のバッファーをPCR反応液に混合し、得られた混合液をDNAチップ上に滴下してDNAチップカバーを被せ、ハイブリダイゼーションが行われていた。
しかしながら、このような方法では、ハイブリダイゼーションを行うために、ハイブリダイゼーション用バッファーを別途調製して、PCR反応液に混合する必要があった。このようなバッファー調製や混合の作業は煩雑であるのみならず、混合液に気泡が混入してハイブリダイゼーションが阻害されたり、バッファーの添加忘れによる検査ミスが生じる場合があるという問題があった。
このため、このようなバッファー調製や混合の作業を無くすことができれば、作業スピードを向上することができ、気泡の混入を防止することが可能になる。また、バッファーの添加忘れによる検査ミスを防止でき、バッファーによって核酸増幅産物が希釈されないという効果を得ることもできる。
さらに、核酸増幅産物を含むPCR反応液をそのままDNAチップ上に直接滴下してハイブリダイゼーションを行うことができれば、検査工程を簡略化することも可能になる。
特開平8−154678号公報 特表2008−526226号公報 特開2009−284783号公報
しかしながら、核酸増幅産物を含むPCR反応液を、そのままDNAチップ上に滴下することは望ましくない。
その理由は、ハイブリダイゼーションを十分に進行させるためには、DNAチップ上に滴下する溶液の塩濃度(陽イオン濃度)を、通常のPCR反応液よりも高くすることが好ましいためである。
そこで、従来は、一般に、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合して塩濃度を高めてからDNAチップに滴下することにより、ハイブリダイゼーションを進行し易くすることが行われていた。
なお、ハイブリダイゼーションにおいて高い塩濃度が好ましい理由は、DNA分子におけるリン酸基が負電荷を帯びていることから、これらが互いに反発することでDNAの2本鎖が不安定となるが、ハイブリダイゼーションに用いる溶液の陽イオン濃度が高いと、その負電荷が遮蔽されて2本鎖が安定し、検出精度が向上するためであると考えられる。
一方、PCRの実施に先立って、PCR反応液に予めハイブリダイゼーション用バッファーを混合し、この混合液を用いてPCRを行うと、PCRは適切に進行しない。
その理由は、ハイブリダイゼーション用バッファーは塩濃度が高く、また一般に界面活性剤が含まれているが、PCRは核酸合成酵素を用いて行われるため、PCR反応液の塩濃度が高くなり、界面活性剤が混合されると、核酸合成酵素の活性が阻害されて、核酸増幅反応を適切に行うことができないためである。
そこで、本発明者らは鋭意研究して、PCR反応液に特定の物質を混合させることにより、PCRを適切に実施でき、かつ、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をそのまま用いて、ハイブリダイゼーション用バッファーの調製や混合を行うことなく、ハイブリダイゼーションを十分に行うことに成功し、本発明を完成させた。
具体的には、PCR反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させることにより、該PCR反応液を用いてPCRを適切に実施でき、かつ、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をそのまま用いることで、ハイブリダイゼーションを十分に行うことができた。
このようにPCR反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させ、このPCR反応液を用いて核酸増幅とハイブリダイゼーションを一連で行う技術はこれまで存在しておらず、当該技術が記載された文献は、見当たらなかった。
ここで、核酸増幅反応に関連して、金属塩及び/又は水溶性高分子を用いる技術としては、特許文献1に記載のPCR核酸増幅産物の精製方法や、特許文献2に記載のDNA分析のための生物学的サンプルの保管方法を挙げることができる。また、ハイブリダイゼーションに関連して、金属塩及び/又は水溶性高分子を用いる技術としては、特許文献3に記載のハイブリダイゼーション用溶液の調製方法を挙げることができる。
しかしながら、これらはいずれもPCRなどの反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を混合した後、核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いて、ハイブリダイゼーションを十分に行うことを可能にするものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、PCRなどによる核酸増幅反応後、得られた核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを実施可能な核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の核酸増幅及び検出方法は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、核酸増幅用の反応液に金属塩を含有させて、前記反応液を用いて核酸増幅反応を行い、核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整し、前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整し、又は、前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整する方法としてある。
また、本発明の核酸増幅及び検出方法は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、DNAチップに滴下して、得られた核酸増幅産物を、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、核酸増幅用の反応液に水溶性高分子を含有させて、前記反応液を用いて核酸増幅反応を行い、核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整する方法としてある。
また、本発明の核酸増幅及び検出方法は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、核酸増幅用の反応液に金属塩及び水溶性高分子を含有させて、前記反応液を用いて核酸増幅反応を行い、核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整し、前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整し、又は、前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整し、前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整する方法としてある。
また、本発明の核酸増幅及び検出用溶液は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に金属塩を含有させてなり、前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整され、前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整され、又は、前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整されている構成としてある。
また、本発明の核酸増幅及び検出用溶液は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に水溶性高分子を含有させてなり、前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整されている構成としてある。
また、本発明の核酸増幅及び検出用溶液は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に金属塩水溶性高分子を含有させてなり、前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整され、前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整され、又は、前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整され、前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整されている構成としてある。
本発明によれば、PCRなどによる核酸増幅反応後、得られた核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを実施することが可能となる。
本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にNaClを添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にKClを添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にMgClを添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にNaSOを添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にCHCOONaを添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にPEG6000を添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液に様々な水溶性高分子を添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にNaClとPEG6000を添加した場合)を示す図である。 本発明の実施形態に係る核酸増幅及び検出方法によって得られた核酸増幅産物のDNAチップによる検出結果(PCR反応液にNaClと様々な水溶性高分子を添加した場合)を示す図である。
以下、本発明の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態及び後述する実施例の具体的な内容に限定されるものではない。
本実施形態の核酸増幅及び検出方法は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、核酸増幅用の反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させて、該反応液を用いて核酸増幅反応を行い、核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む反応液に、バッファーを添加することなく、該反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うことを特徴とする。
すなわち、本実施形態の核酸増幅及び検出方法は、試料中に含まれる核酸における標的領域をPCRなどにより増幅させる核酸増幅工程と、得られた核酸増幅産物をこれと相補的な塩基配列を有する核酸と結合させることによって検出するハイブリダイゼーション工程とを有している。そして、核酸増幅工程において反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させ、該反応液を用いて核酸増幅反応を行い、次いで、ハイブリダイゼーション工程において該反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行う。
核酸増幅工程は、具体的には、例えば以下のように行うことができる。
まず、生体試料からからゲノムDNAを抽出する。ゲノムDNAの抽出は、CTAB法(Cetyl trimethyl ammonium bromide)による方法やDNA抽出装置を用いる方法など、一般的な手法により行うことができる。
次に、抽出したゲノムDNAにおける特定の遺伝子などを標的領域として、PCR法などによって増幅し、核酸増幅産物を得る。核酸増幅法としては、PCR法に限定されず、例えばRT−PCR、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)、TMA(Transcription Mediated Amplification)、LCR(ligase chain reaction)等のその他の方法を用いても良い。
PCR法では、標的領域を増幅させるためのプライマーセットを含有するPCR反応液を用いて、標的領域を増幅させる。PCR装置としては、一般的なサーマルサイクラーなどを用いることができる。
PCR反応は、例えば以下のような反応条件で行うことができる。
(a)95℃ 2分、(b)95℃(DNA変性工程) 10秒、(c)60℃(アニーリング工程) 20秒、(d)72℃(DNA合成工程) 30秒((b)〜(d)を40サイクル)、(e)72℃ 2分
本実施形態の核酸増幅及び検出方法において、PCR反応液には金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させる。また、PCR反応液として、金属塩及び/又は水溶性高分子以外に、例えば、核酸合成基質(dNTPmixture(dCTP、dATP、dTTP、dGTP))、プライマーセット、核酸合成酵素(EX Taq HotStart DNA polymeraseなど)、試料のゲノムDNA、緩衝液、及び残りの成分として水を含有するものを好適に使用することができる。
本実施形態の核酸増幅及び検出用溶液は、試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液にバッファーを添加することなく該反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、反応液に金属塩及び/又は水溶性高分子を含有させてなることを特徴とする。
すなわち、本実施形態の核酸増幅及び検出用溶液は、本実施形態の核酸増幅及び検出方法において用いられる、金属塩及び/又は水溶性高分子を含有する核酸増幅用の反応液に相当する。
本実施形態の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液において、金属塩としては、例えば、NaCl、KCl、MgCl、NaSO、及びCHCOONa等を好適に用いることができる。
本実施形態の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液において、水溶性高分子としては、例えば、非イオン性水溶性高分子などを好適に用いることができる。また、非イオン性水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びこれらの誘導体を好適に用いることができる。
ポリエチレングリコールの誘導体としては、例えばTween系界面活性剤(非イオン性界面活性剤の一種、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)や、Triton系界面活性剤(非イオン性界面活性剤の一種、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル)などを挙げることができる。
本実施形態の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液において、PCR用の反応液に含有させるプライマーセットとしては、特に限定されるものではなく、試料中に含まれる核酸における標的領域をPCRにより増幅させるためのフォワードプライマーとリバースプライマーからなるプライマーセットが用いられる。標的領域が複数ある場合は、それぞれの対応するプライマーセットを、一のPCR反応液において、又は別個のPCR反応液において用いることができる。
核酸増幅産物を蛍光標識する場合、例えば蛍光色素のCy5を用いて、リバースプライマー及び/又はフォワードプライマーの5’末端に標識を行うことができる。
ハイブリダイゼーション工程は、具体的には、例えば以下のように行うことができる。
すなわち、PCRにより得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液などを、当該核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有するプローブが固定化されたDNAチップ等に滴下して、核酸増幅産物をプローブに結合させる。
このとき、本実施形態の核酸増幅及び検出方法では、核酸増幅産物を含むPCR反応液を、そのままハイブリダイゼーションに使用するのであり、従来のように、ハイブリダイゼーション用に別途バッファーを調製して、該PCR反応液に混合することは行わない。
また、ハイブリダイゼーションは、DNAチップを使用する方法に限定されず、その他に、例えばサザンハイブリダイゼーションやノーザンハイブリダイゼーション等を用いても良い。
DNAチップを使用してハイブリダイゼーションを行う場合は、例えばさらに以下のような方法で行うことができる。
まず、検査対象の生物のDNAにおける標的領域を増幅して得られる核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有するプローブを、予めDNAチップに固定化する。
このとき、プローブは、一般的なDNA合成装置により合成できる。また、DNAチップとして、貼り付け型のDNAチップを作成する場合は、DNAスポッターによりプローブをガラス基板上に固定化して、各プローブに対応するスポットを形成することにより作成することができる。また、合成型DNAチップを作成する場合は、光リソグラフィ技術により、ガラス基板上で上記配列を備えた一本鎖オリゴDNAを合成することにより作成することができる。さらに、基板はガラス製に限定されず、プラスチック基板やシリコンウエハー等を用いることもできる。また、基板の形状は平板状のものに限定されず、様々な立体形状のものとすることもでき、その表面に化学反応が可能となるように官能基を導入したものなどを用いることもできる。
次に、核酸増幅産物を含む反応液をそのままDNAチップに滴下して、DNAチップに固定化されたプローブに結合した核酸増幅産物の蛍光標識を検出することで、核酸増幅産物の有無を確認する。これによって、試料中における検査対象の生物の存否を判定することができる。
蛍光標識の検出は、蛍光スキャニング装置など一般的な標識検出装置を用いて行うことができ、例えば東洋製罐グループホールディングス株式会社のGENOGATE(登録商標)readerを用いて、核酸増幅産物の蛍光強度を測定することにより行うことができる。測定結果は、蛍光強度のメディアン値などとして取得することができる。また、S/N比(Signal to Noise ratio)値として得ることもできる。なお、標識としては蛍光に限定されず、その他のものを用いることもできる。
このように、本実施形態の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液によれば、核酸増幅産物を含む反応液をそのままハイブリダイゼーションに使用することができるため、ハイブリダイゼーション用に別途バッファーを調製して、該反応液に混合する作業を省略することができ、作業スピードを向上することが可能になる。
また、バッファーの添加忘れによる検査ミスを防止できると共に、バッファーを反応液に混合する場合に生じ得る気泡の混入によるハイブリダイゼーションの阻害を防止でき、バッファーによって核酸増幅産物が希釈されないという効果を得ることも可能になる。
さらに、このように核酸増幅産物を含む反応液をそのままDNAチップ上に直接滴下してハイブリダイゼーションを行うことができるため、検査工程を簡略化することも可能になる。
以下、本発明の核酸増幅及び検出方法、並びに核酸増幅及び検出用溶液の効果を確認するために行った試験について、具体的に説明する。
(試験1)
以下に示す条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。具体的には、以下のように行った。
検査対象の生物としては、大阪大学微生物病研究所(Research Institute for Microbial Diseases (RIMD), Osaka University)から入手した大腸菌(Escherichia coli)の菌株、RIMD 05091053(血清型O157:H7)を使用した。
この大腸菌の菌株を入れたアンプルに、ニュートリエントブロス(日本ベクトン・ディッキソン株式会社)を注ぎ、均一な菌液になるまで静かなピペッティング操作で懸濁した。得られた菌懸濁液をハートインヒュージョン寒天培地(日水製薬株式会社)に塗抹し、37℃で一晩好気培養して復生、増菌した。増菌した菌のコロニーを白金耳でかき集め、これをDNA抽出用菌体とした。
次に、DNeasy Blood&Tissue Kit(株式会社キアゲン)を用い、マニュアルに記載のグラム陰性菌の抽出方法に従って、上記DNA抽出用菌体からDNAを抽出した。このDNA抽出液をPCRにおいて使用するテンプレートとした。
そして、PCR法により、vtx1遺伝子を増幅した。プライマーセットとしては、配列番号1に示す塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号2に示す塩基配列からなるリバースプライマーを使用して、PCR反応液に含有させた。このプライマーセットは、シグマアルドリッチジャパン合同会社により合成したものを使用した。リバースプライマーの5’末端には、Cy5により蛍光標識を行った。
また、PCR反応液としては、Ex Taq Buffer(タカラバイオ株式会社製)を使用し、金属塩としてNaCl(和光純薬工業株式会社製)を様々な濃度で添加して、次の組成のものを作成した。NaClの濃度は、0 mM、 25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM、 60 mMの6通りとし、これら6種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
1.10x Ex Taq buffer(20mM Mg2+ plus) 2.5μl
2.dNTP Mixture(各2.5mM) 2.0μl
3.フォワードプライマー(10μM) 0.28μl
4.リバースプライマー(10μM)(Cy5) 0.56μl
5.TaKaRa Ex Taq HotStart DNA polymerase 0.13μl
6.Template DNA(20pg/μl) 5.0μl
7.NaCl(塩化ナトリウム) (終濃度が0, 25, 30, 40, 50, 60 mMとなるよう添加)
8.水(全体が25.0μlになるまで加水)
上記各PCR反応液を使用して、核酸増幅装置(サーマルサイクラーepグラジエント エッペンドルフ株式会社製)により、次の条件でDNAの増幅を行った。
(a)95℃ 2分
(b)95℃ 10秒
(c)60℃ 20秒
(d)72℃ 30秒((b)〜(d)を40サイクル)
(e)72℃ 2分
DNAチップとしては、ジーンシリコン(登録商標)(東洋鋼鈑株式会社製)を用い、配列番号3に示す塩基配列からなるプローブを固定化したものを使用した。プローブは、ライフテクノロジーズジャパン株式会社により合成したものを使用した。また、プローブの基板への固定化は、マイクロアレイヤーにより行った。
このプローブは、検出対象生物のDNAにおけるvtx1遺伝子領域から選択されたものであり、PCRにより得られた核酸増幅産物と相補的に結合することができるものである。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、NaClの濃度が0 mM(金属塩の添加なし)、25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM、 60 mMのPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、NaClの濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度(プローブに結合した核酸増幅産物の蛍光強度)を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図1に示す。
同図に示すように、PCR反応液にNaClを含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(NaClの濃度が25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM)については、NaClの濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られており、またNaClの濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、遜色のない蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験2)
PCR反応液に、金属塩としてNaClに替えて、KCl(和光純薬工業株式会社製)を様々な濃度で添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
PCR反応液におけるKClの濃度は、0 mM、 25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM、 60 mMの6通りとし、これら6種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、KClの濃度が0 mM(金属塩の添加なし)、25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM、 60 mMのPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、KClの濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図2に示す。
同図に示すように、PCR反応液にKClを含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(KClの濃度が25 mM、 30 mM、 40 mM、 50 mM)については、KClの濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られており、またKClの濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、遜色のない蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験3)
PCR反応液に、金属塩としてNaClに替えて、MgCl(ライフテクノロジーズジャパン株式会社製)を様々な濃度で添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
PCR反応液におけるMgClの濃度は、0 mM、 5 mM、 10 mM、 15 mMの4通りとし、これら4種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、MgClの濃度が0 mM(金属塩の添加なし)、5 mM、 10 mM、 15 mMのPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、MgClの濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図3に示す。
同図に示すように、PCR反応液にMgClを含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(MgClの濃度が5 mM、 10 mM)については、MgClの濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られており、またMgClの濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、遜色のない蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験4)
PCR反応液に、金属塩としてNaClに替えて、NaSO(和光純薬工業株式会社製)を様々な濃度で添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
PCR反応液におけるNaSOの濃度は、0 mM、 5 mM、 10 mM、 15 mMの4通りとし、これら4種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、NaSOの濃度が0 mM(金属塩の添加なし)、5 mM、 10 mM、 15 mMのPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、NaSOの濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図4に示す。
同図に示すように、PCR反応液にNaSOを含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(NaSOの濃度が10 mM、 15 mM)については、NaSOの濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較すると蛍光強度が低いものの、NaSOの濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液よりも高い蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いることで、ハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験5)
PCR反応液に、金属塩としてNaClに替えて、CHCOONa(和光純薬工業株式会社製)を様々な濃度で添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
PCR反応液におけるCHCOONaの濃度は、0 mM、 20 mM、 50 mMの3通りとし、これら3種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、CHCOONaの濃度が0 mM(金属塩の添加なし)、20 mM、 50 mMのPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、CHCOONaの濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図5に示す。
同図に示すように、PCR反応液にCHCOONaを含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(CHCOONaの濃度が50 mM)については、CHCOONaの濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られており、またCHCOONaの濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、遜色のない蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、このPCR反応液では、金属塩を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験6)
PCR反応液に、金属塩を添加せず、水溶性高分子としてPEG6000(和光純薬工業株式会社製)を様々な濃度で添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
PCR反応液におけるPEG6000の濃度は、終濃度で0 %(w/v)、5 %(w/v)、10 %(w/v)の3通りとし、これら3種類のPCR反応液を準備して、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、PEG6000の濃度が0 mM(水溶性高分子の添加なし)、5 %(w/v)、10 %(w/v)のPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、PEG6000の濃度が0 mMのPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図6に示す。
同図に示すように、PCR反応液にPEG6000を含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液(PEG6000の濃度が5 %(w/v))については、PEG6000の濃度が0 mMでバッファーを混合したPCR反応液に比較すると蛍光強度が低いものの、PEG6000の濃度が0 mMでバッファーを混合していないPCR反応液よりも高い蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、このPCR反応液では、水溶性高分子を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いることで、ハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験7)
PCR反応液に、金属塩を添加せず、様々な水溶性高分子を添加した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
水溶性高分子としては、PEG6000(和光純薬工業株式会社製)、PEG20000(和光純薬工業株式会社製)、PVP(キシダ化学株式会社製)、Tween20(株式会社エムピーバイオジャパン製)をそれぞれ使用し、いずれも各PCR反応液において、終濃度で5 %(w/v)とした。また、水溶性高分子を添加しないPCR反応液も準備した。そして、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、水溶性高分子を添加しないPCR反応液、PEG6000の濃度が5 %(w/v)、PEG20000の濃度が5 %(w/v)、PVPの濃度が5 %(w/v)、Tween20の濃度が5 %(w/v)のPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、水溶性高分子を添加しないPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間10秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図7に示す。
同図に示すように、PCR反応液に上記の水溶性高分子を含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液については、水溶性高分子を添加しないでバッファーを混合したPCR反応液に比較すると蛍光強度が低いものの、水溶性高分子を添加しないでバッファーを混合していないPCR反応液よりも高く、蛍光強度が10%近くから30%近くまで向上した。すなわち、これらのPCR反応液では、水溶性高分子を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いることで、ハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験8)
PCR反応液に、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加した場合の効果を確認するために、本試験を行った。
具体的には、金属塩を添加したPCR反応液と、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加したPCR反応液とを準備した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
金属塩としては、40 mM のNaClを使用した。また、水溶性高分子としては、PEG6000を使用し、PCR反応液において、終濃度で0 %(w/v)、5 %(w/v)、10 %(w/v)の3通りとした。また、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液も準備した。そして、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液、並びに、金属塩を添加し、かつPEG6000の濃度が0 %(w/v)、5 %(w/v)、10 %(w/v)のPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間5秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図8に示す。なお、本試験の露光時間が、上記各試験の半分の時間である理由は、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加したPCR反応液を使用する場合、蛍光強度が大きくなり過ぎて適切に測定できない場合があるためである。試験9においても同様である。
同図に示すように、PCR反応液に金属塩及び水溶性高分子の両方を含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液については、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩及び水溶性高分子を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
(試験9)
PCR反応液に、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加した場合であって、水溶性高分子として様々なものを使用した場合の効果を確認するために、本試験を行った。
具体的には、金属塩を添加したPCR反応液と、金属塩及び様々な水溶性高分子を添加したPCR反応液とを準備した点以外は、試験1と同じ条件で、PCRによる核酸増幅反応を行い、得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液をDNAチップに滴下して、ハイブリダイゼーションが十分に行われるか否かを確認した。
金属塩としては、40 mM のNaClを使用した。また、水溶性高分子としては、PEG600(ジーエルサイエンス株式会社製)、PEG1000(ジーエルサイエンス株式会社製)、PEG6000(和光純薬工業株式会社製)、PEG12000(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)、PEG20000(和光純薬工業株式会社製)、PVP(キシダ化学株式会社製)、Tween20(株式会社エムピーバイオジャパン製)、Tween80(和光純薬工業株式会社製)をそれぞれ使用し、いずれも各PCR反応液において、終濃度で5 %(w/v)とした。また、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液も準備した。そして、それぞれについてPCRによる核酸増幅反応を行った。
次に、PCRにより得られた核酸増幅産物を含む各PCR反応液のそれぞれ6μlをそのままDNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。すなわち、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液、並びに、金属塩を添加し、かつPEG600、PEG1000、PEG6000、PEG12000、PEG20000、PVP、Tween20、又はTween80を添加したPCR反応液を使用して、PCR反応液にハイブリダイゼーション用バッファーを混合することなく、ハイブリダイゼーションを行った。
また、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないPCR反応液については、別途、核酸増幅産物を含むPCR反応液4μlに、ハイブリダイゼーション用バッファー2μl(3×SSCクエン酸−生理食塩水+0.3%SDS)を混合し、DNAチップに滴下して、45℃で1時間静置し、ハイブリダイゼーションを行った。
そして、標識検出装置(GENOGATE reader)を用いて、プローブが固定化されたスポットにおける蛍光強度を測定して(露光時間5秒)、そのメディアン値を取得した。その結果を図9に示す。
同図に示すように、PCR反応液に金属塩及び水溶性高分子の両方を含有させ、増幅して得られた核酸増幅産物を含むPCR反応液については、金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないでバッファーを混合していないPCR反応液に比較して、優れた蛍光強度が得られており、また金属塩及び水溶性高分子の両方を添加しないでバッファーを混合したPCR反応液に比較して、遜色のない蛍光強度が得られていることが分かる。すなわち、これらのPCR反応液では、金属塩及び水溶性高分子を添加することによって、核酸増幅産物を含む反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを十分に実施できたことが分かる。
本発明は、以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の実施例では、核酸増幅反応による標的領域をvtx1の一領域のみとしているが、その他の領域を対象としても良く、また複数の標的領域を対象として、核酸増幅反応によってこれらを同時に増幅する場合に適用することもでき、適宜変更することが可能である。
本発明は、PCRなどによる核酸増幅反応と、得られた核酸増幅産物を含む反応液を用いたハイブリダイゼーションとを、効率的に行う場合に好適に利用することが可能である。

Claims (12)

  1. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、
    核酸増幅用の反応液に金属塩を含有させて、前記反応液を用いて核酸増幅反応を行い、
    核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、
    前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整し、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整し、又は、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整する
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出方法。
  2. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、当該核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、
    核酸増幅用の反応液に水溶性高分子を含有させて、前記反応液を用いて核酸増幅反応を行い、
    核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、
    前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整する
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出方法。
  3. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、当該核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを行うことによって検出する核酸増幅及び検出方法であって、
    核酸増幅用の反応液に金属塩及び水溶性高分子を含有させて、前記反応液を用いてPCRを行い、
    核酸増幅反応により得られた核酸増幅産物を含む前記反応液をそのまま用いてハイブリダイゼーションを行うにあたり、
    前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整し、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整し、又は、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整し、
    前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整する
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出方法。
  4. 前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整し、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が25mM以上であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整し、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が5mM以上及び10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整する
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の核酸増幅及び検出方法。
  5. 前記金属塩が、NaCl、KCl、MgCl、NaSO、及びCHCOONaからなる群から選択されたいずれかであり、
    前記NaClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が25mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記NaClが含有されるように調整し、
    前記KClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が25mM以上であり、かつ、30mM未満となるように前記KClが含有されるように調整し、
    前記MgClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が5mM以上及び10mM以下となるように前記MgClが含有されるように調整し、
    前記NaSOにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、30mM以下となるように前記NaSOが含有されるように調整し、又は、
    前記CHCOONaにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記CHCOONaが含有されるように調整する
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の核酸増幅及び検出方法。
  6. 前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に5%(w/v)以上であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整することを特徴とする請求項2又は3記載の核酸増幅及び検出方法。
  7. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に金属塩を含有させてなり、
    前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整され、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整され、又は、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整されている
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出用溶液。
  8. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に水溶性高分子を含有させてなり、
    前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整されている
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出用溶液。
  9. 試料中に含まれる核酸における標的領域を核酸増幅反応により増幅させ、得られた核酸増幅産物を、DNAチップに滴下して、前記核酸増幅産物と相補的な塩基配列を有する核酸と結合させるハイブリダイゼーションを、前記核酸増幅産物を含む核酸増幅用の反応液をそのまま用いて行うことにより、検出するために用いる核酸増幅及び検出用溶液であって、前記反応液に金属塩及び水溶性高分子を含有させてなり、
    前記金属塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が0mM超であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整され、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が0mM超であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整され、又は、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が2mM超であり、かつ、10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整され、
    前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及びこれらの誘導体からなる群から選択されたいずれかであり、
    前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に0%(w/v)超であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整されている
    ことを特徴とする核酸増幅及び検出用溶液。
  10. 前記ナトリウム塩にあっては、前記核酸増幅反応に使用される前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記ナトリウム塩が含有されるように調整され、
    前記カリウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が25mM以上であり、かつ、30mM未満となるように前記カリウム塩が含有されるように調整され、
    前記マグネシウム塩にあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が5mM以上及び10mM以下となるように前記マグネシウム塩が含有されるように調整されている
    ことを特徴とする請求項7又は9記載の核酸増幅及び検出用溶液。
  11. 前記金属塩が、NaCl、KCl、MgCl、NaSO、及びCHCOONaからなる群から選択されたいずれかであり、
    前記NaClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオン濃度が25mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記NaClが含有されるように調整され、
    前記KClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のカリウムイオンの濃度が25mM以上であり、かつ、30mM未満となるように前記KClが含有されるように調整され、
    前記MgClにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のマグネシウムイオンの濃度が5mM以上及び10mM以下となるように前記MgClが含有されるように調整され、
    前記NaSOにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、30mM以下となるように前記NaSOが含有されるように調整され、又は、
    前記CHCOONaにあっては、前記核酸増幅用の反応液中のナトリウムイオンの濃度が20mM以上であり、かつ、50mM以下となるように前記CHCOONaが含有されるように調整されている
    ことを特徴とする請求項7又は9記載の核酸増幅及び検出用溶液。
  12. 前記水溶性高分子が、前記核酸増幅用の反応液中に5%(w/v)以上であり、かつ、10%(w/v)未満の濃度で含有されるように調整されていることを特徴とする請求項8又は9記載の核酸増幅及び検出用溶液。
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