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JP6834569B2 - 血圧情報測定装置用カフ - Google Patents

血圧情報測定装置用カフ Download PDF

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Description

本発明は、生体を圧迫するための流体袋とこれを内容する外装カバーとを備えた血圧情報測定装置用カフに関する。
血圧情報を測定することは、被験者の健康状態を知る上で非常に重要なことである。近年においては、従来から健康管理の代表的な指標として広くその有用性が認められている収縮期血圧値(以下、最高血圧)、拡張期血圧値(以下、最低血圧)等を測定することに限られず、脈波を測定することによって心臓負荷や動脈硬化度等を捉える試みがなされている。
血圧情報測定装置は、測定した血圧情報に基づいてこれら健康管理のための指標を得るための装置であり、循環器系疾患の早期発見や予防、治療等の分野においてさらなる活用が期待されている。なお、血圧情報には、最高血圧、最低血圧、平均血圧、脈波、脈拍、動脈硬化度を示す各種指標等、循環器系の種々の情報が広く含まれる。
一般に、血圧情報の測定には、血圧情報測定装置用カフ(以下、単にカフとも称する)が利用される。ここで、カフとは、内空を有する流体袋を含む帯状または環状の構造物であって身体の一部に装着が可能なものを意味し、気体や液体等の流体を上記内空に注入することによって流体袋を膨張および収縮させて血圧情報の測定に利用されるもののことを指す。なお、カフは、腕帯あるいはマンシェットとも呼ばれる。
通常、カフは、その長さ方向に沿って測定対象部位(例えば、上腕)に巻装される。カフの幅方向への長さ(長さ方向に直交する方向の長さ、カフ幅という)が測定対象部位の太さに適合していないと、正確な血圧測定ができない場合がある。
測定対象部位の太さを判断して、血圧情報を測定する血圧情報測定装置が開示された文献として、たとえば、特開2012−147995号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に開示の血圧情報測定装置は、第1空気袋と、第1空気袋に内包された第2空気袋とを含む血圧情報測定装置用カフを備える。血圧情報測定装置によって血圧情報を測定する際には、使用者が予め測定対象部位が太いか細いかを入力し、当該入力情報に従って、第1空気袋および第2空気袋のいずれか一方を加圧する。太いと入力された場合には、第1空気袋を加圧し、細いと入力された場合には第2空気袋が加圧される。
第1空気袋および第2空気袋のいずれか一方を加圧する際に、所定の基準圧力(第1空気袋を加圧する場合にはP1、第2空気袋を加圧する場合にはP2)に達するまでの時間を計測し、予め決定された閾値(第1空気袋を加圧する場合にはTh1、第2空気袋を加圧する場合にはTh2)よりも低い場合には、判断部が、測定対象部位は細いと判断し、当該閾値以上である場合には、判断部が、測定対象部位は太いと判断する。
判断部の判断と初期の入力情報が一致する場合には、入力情報に基づいて加圧した第1空気袋および第2空気袋の一方を継続して加圧して、血圧情報を測定する。判断部の判断と初期の入力情報が異なる場合には、入力情報に基づいて加圧した第1空気袋および第2空気袋の一方の加圧を停止し、第1空気袋および第2空気袋の他方を加圧して、血圧情報を測定する。
特開2012−147995号公報
特許文献1に開示の血圧情報測定装置用カフにあっては、上述のように、使用者が予め測定対象部位は「細い」と入力したにも関わらず、判断部が測定対象部位は「太い」と判断した場合には、第2空気袋を所定の基準圧力まで加圧した後に、第1空気袋に空気を供給することとなる。
しかしながら、特許文献1にあっては、第1空気袋に設けられた第1ニップルと第2空気袋に設けられた第2ニップルとが同軸状に配置され、二重管構造となっているため、基準圧力の如何によっては、先に膨張した第2空気袋が、第1ニップル部を内側から閉塞してしまい、第1空気袋に空気が供給されないことが懸念される。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、第1流体袋と、当該第1流体袋の内部に収容される第2流体袋を備えた構成において、第1流体袋および第2流体袋の双方に流体を確実に供給することができる血圧情報測定装置用カフを提供することにある。
本発明に基づく血圧情報測定装置用カフは、流体を出入りさせるための第1ニップルが設けられ、当該第1ニップルを介して流体が出入りすることで膨縮する帯状の第1流体袋と、流体を出入りさせるための第2ニップルが設けられ、当該第2ニップルを介して流体が出入りすることで膨縮する帯状の第2流体袋とを備える。上記第2流体袋が、上記第1流体袋に収容され、上記第2ニップルが、上記第2流体袋の一対の主表面のうちの一方の主表面に設けられるとともに、上記第1流体袋の一対の主表面のうち、上記第2流体袋の上記一方の主表面に対向する方の主表面を貫通して外部に引き出され、上記第1流体袋および上記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、上記第1ニップルが、上記第2流体袋の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側の位置に配設されている。
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記第1流体袋は、測定対象部位に巻き付けられた状態において周方向となる長さ方向、および上記長さ方向に直交する幅方向を有することが好ましい。この場合には、上記第1流体袋および上記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、上記第2流体袋は、上記第1流体袋の上記幅方向における中央に位置していてもよい。
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記第1流体袋は、測定対象部位に巻き付けられた状態において周方向となる長さ方向、および上記長さ方向に直交する幅方向を有することが好ましい。この場合には、上記第1流体袋および上記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、上記第1ニップルおよび上記第2ニップルは、上記幅方向に平行な方向に沿って配置されていてもよい。
本発明によれば、第1流体袋と、当該第1流体袋の内部に収容される第2流体袋を備えた構成において、第1流体袋および第2流体袋の双方に流体を確実に導入することができる血圧情報測定用カフを提供することができる。
実施の形態に係る血圧計の外観構造を示す斜視図である。 実施の形態に係る第1空気袋および第2空気袋の展開図である。 図2に示す第1空気袋および第2空気袋を加圧した状態を示す断面図である。 実施の形態に係る血圧計の機能ブロックの構成を示す図である。 実施の形態に係る血圧計の測定フローを示すフロー図である。 変形例に係る血圧計の外観構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、血圧情報測定装置用カフとして、最高血圧および最低血圧等の血圧値を測定することが可能に構成された上腕式の血圧計に使用される血圧計用カフを例示して説明を行なう。なお、以下においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る血圧計の外観構造を示す斜視図である。図1を参照して、実施の形態に係る血圧計1の概略的な構成について説明する。
図1に示すように、血圧計1は、本体10と、カフ40と、流体供給路としてのエア管60とを備えている。エア管60は、分離されて構成された本体10とカフ40とを接続している。
エア管60は、第1供給路としての第1エア管61と第2供給路としての第2エア管62とを含む。第1エア管61と第2エア管62とは、たとえば互いに分離されている。第1エア管61および第2エア管62の各々は、たとえば可撓性を有する樹脂製のチューブによって構成されている。
本体10は、箱状のケーシングを有しており、その上面に表示部21および操作部23を有している。本体10は、測定時においてテーブル等の載置面に載置されて使用されるものである。
カフ40は、被装着部位としての上腕に巻き付けが可能な帯状の形状を有している。カフ40は、測定時において上腕に装着されて使用されるものであり、上腕に巻き付けられた装着状態において環状の形態をとる。カフ40は、外装カバー45と、第1流体袋としての第1空気袋41と、第2流体袋としての第2空気袋42とを含む。第1空気袋41および第2空気袋42の詳細については、図2および図3を用いて後述する。
外装カバー45は、展開された状態において平面視略矩形状の帯状かつ袋状の形状を有する。外装カバー45は、装着状態において径方向外側に位置することとなる外側カバー部材45bと、装着状態において径方向内側に位置して上腕の表面に接触することとなる内側カバー部材45aとを含んでいる。
外装カバー45は、外側カバー部材45bと内側カバー部材45aとが重ね合わされてそれらの周縁がバイアステープ(不図示)によって覆われた状態で接合(たとえば縫合や溶着等)されることで袋状に形成されている。
外装カバー45の長手方向の一端部よりの外周面には、面ファスナ46が設けられており、当該一端部とは反対側に位置する外装カバー45の他端部寄りの内周面には、面ファスナ47が設けられている。面ファスナ46は、たとえばフックファスナによって構成されており、面ファスナ47は、たとえばループファスナによって構成されている。
これら面ファスナ46,47は、外装カバー45が上腕に巻き付けられて当該外装カバー45の上記一端部寄りの部分と上記他端部寄りの部分とが上腕の表面上において重ね合わされることにより係止可能なものである。このため、カフ40を上腕に巻き付けた状態において当該面ファスナ46,47を係止させることにより、装着状態において外装カバー45が上腕に対して固定されることになる。
図2は、実施の形態に係る第1空気袋および第2空気袋の展開図である。図3は、図2に示す第1空気袋および第2空気袋を加圧した状態を示す断面図である。図2および図3を参照して、第1空気袋41および第2空気袋42について説明する。
図2に示すように、第1空気袋41は、展開した状態において、平面視略矩形形状の帯状かつ袋状の形状を有する。第1空気袋41は、測定対象部位に巻き付けられた状態において周方向となる長さ方向Lおよび長さ方向Lに直交する幅方向Wを有する。
第1空気袋41は、一対の外表面41a,41bおよび一対の内表面41c,41dを有する。
上記一対の外表面41a,41bのうち一方の外表面41aには、第1ニップル43が設けられている。第1空気袋41は、第1ニップル43を介して空気が出入りすることにより膨縮する。
第2空気袋42は、展開した状態において、平面視略矩形形状の帯状かつ袋状の形状を有する。第2空気袋42の外形は、第1空気袋41の外形よりも小さくなっている。第2空気袋42は、第1空気袋41に収容されている。第2空気袋42は、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第1空気袋41の幅方向Wにおける中央に位置している。また、第2空気袋42は、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第1空気袋41の長さ方向Lにおける中央に位置している。
第2空気袋42は、装着状態において径方向外側に位置することとなる一対の外表面42a,42bおよび装着状態において径方向内側に位置することとなる一対の内表面42c,42dを有する。第2空気袋42の一対の外表面42a,42bは、それぞれ第1空気袋41の一対の内表面41c,41dに対向する。
上記一対の外表面42a,42bのうち一方の外表面42aには、第2ニップル44が設けられている。第2空気袋42は、第2ニップル44を介して空気が出入りすることにより膨縮する。
第2ニップル44は、たとえば、第2空気袋42の長手方向および幅方向の略中央部に設けられている。このような位置に第2ニップル44を設けることにより、第2空気袋42を略均一に膨張させることができる。
第1ニップル43は、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第2空気袋42の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側位置に配置されることが好ましい。
ここで、上記第2空気袋42の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側位置は、装着状態であって第1空気袋41が膨張しておらずかつ第2空気袋42が膨張した状態において、第1ニップル43が、第2空気袋42によって閉塞されることがない位置である。このため、上記第2空気袋42の外縁部に対応した位置とは、第1空気袋41および第2空気袋42を展開した状態において、平面視した場合に、第2空気袋42の外縁部に重なる位置だけでなく、第2空気袋42の外縁部から一定程度内側の位置も含む。
また、第1ニップル43は、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第1空気袋41の幅方向に平行な方向に沿って第2ニップル44と並ぶように配置されていることが好ましい。
実施の形態においては、第1ニップル43は、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、上記第2流体袋の外縁部よりも外側の位置であって、第1空気袋41の幅方向に平行な方向に沿って第2ニップル44と並ぶように配置されている。このように構成することにより、第1エア管61と第2エア管62とを近づけて配置させることができ、嵩張らない構成とすることができる。
第2ニップル44は、第2空気袋42の外表面42aに対向する第1空気袋41の内表面41cを貫通して外部に引き出されている。
第1空気袋41および第2空気袋42は、好適には樹脂シートを用いて形成された袋状の部材にて構成されている。第1空気袋41および第2空気袋42を構成する樹脂シートの材質としては、伸縮性に富んでおり内部の空間からの漏気がないものであればどのようなものでも利用可能である。このような観点から、樹脂シートの好適な材質としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド等が挙げられる。
図3に示すように、血圧の測定時においては、第1空気袋41および第2空気袋42を加圧して膨張させる。また、第2空気袋42の内圧が第1空気袋41の内圧よりも高い状態で測定することが好ましい。第1空気袋41を先に加圧してもよいし、第2空気袋42を先に加圧してもよい。
上述のように、第1ニップル43が、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第2空気袋42の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側位置に配置されることにより、第1空気袋41よりも先に第2空気袋42に空気を導入して第2空気袋42を膨張させた場合であっても、第1ニップル43が、第2空気袋42によって閉塞されることを防止することができる。これにより、第1ニップル43の内部に空気を確実に導入することができる。
また、第2空気袋42の内圧が第1空気袋41の内圧よりも高い状態とすることにより、第1空気袋41への空気の供給量が少ない場合でも、パスカルの原理によって、第1空気袋41が測定対象部位を押圧する力を増幅させることができる。
図4は、実施の形態に係る血圧計の機能ブロックの構成を示す図である。図4を参照して、血圧計1の機能ブロックについて説明する。
図4に示すように、本体10は、上述した表示部21および操作部23に加え、制御部20と、メモリ部22と、電源部24と、圧力センサ31と、加圧ポンプ32と、流路切替バルブ33と、第1排気バルブ34と、第2排気バルブ35と、発振回路51と、加圧ポンプ駆動回路52と、切替バルブ駆動回路53と、第1排気バルブ駆動回路54と、第2排気バルブ駆動回路55とを含む。
加圧ポンプ32、流路切替バルブ33、第1排気バルブ34および第2排気バルブ35は、第1空気袋41および第2空気袋42の内部の空間を加減圧する加減圧機構に相当する。
加減圧機構は、第1空気袋41および第2空気袋42のうち一方の流体袋を加圧して膨張させる第1状態から、一方の流体袋の密閉状態を維持しつつ第1空気袋41および第2空気袋42のうち他方の流体袋を加圧して膨張させる第2状態に切り替え可能に構成されている。
制御部20は、たとえばCPU(Central Processing Unit)にて構成され、血圧計1の全体を制御するための手段である。制御部20は、圧力センサ31によって検知された圧力情報に基づいて血圧を算出する演算部25を有する。
メモリ部22は、たとえばROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)にて構成され、血圧値測定のための処理手順を制御部20等に実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果等を記憶したりするための手段である。
表示部21は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)にて構成され、測定結果等を表示するための手段である。操作部23は、使用者等による操作を受付けてこの外部からの命令を制御部20や電源部24に入力するための手段である。電源部24は、制御部20に電力を供給するための手段である。
制御部20は、加圧ポンプ32、流路切替バルブ33、第1排気バルブ34および第2排気バルブ35を駆動するための制御信号を、加圧ポンプ駆動回路52、切替バルブ駆動回路53、第1排気バルブ駆動回路54および第2排気バルブ駆動回路55にそれぞれ入力する。また、制御部20は、上記演算部25によって算出された血圧値を、測定結果としてメモリ部22や表示部21に入力する。
なお、血圧計1は、測定結果としての血圧値を外部の機器(たとえばPC(Personal Computer)やプリンタ等)に出力する出力部を別途有していてもよい。出力部としては、たとえばシリアル通信回線や各種の記録媒体への書き込み装置等が利用可能である。
加圧ポンプ32は、第1空気袋41および第2空気袋42の内部の空間に空気を供給することにより、第1空気袋41の内圧および第2空気袋42の内圧を加圧する。加圧ポンプ32は、エア管60を介して、第1空気袋41および第2空気袋42に空気を供給する。エア管60の一端側は、加圧ポンプ32に接続されている。エア管60の他端側は、第1空気袋41に接続される第1エア管61と、第2空気袋42に接続される第2エア管62とに分岐している。
第1エア管61は、その先端が上記第1ニップル43に挿入されることで、第1空気袋41に接続される。第2エア管62は、その先端が上記第2ニップル44に挿入されることで、第2空気袋42に接続される。
加圧ポンプ駆動回路52は、制御部20から入力された制御信号に基づいて加圧ポンプ32の動作を制御する。
流路切替バルブ33は、エア管60に設けられている。具体的には、流路切替バルブ33は、第1エア管61と第2エア管62の分岐部に設けられている。流路切替バルブ33は、第1エア管61を介して第1空気袋41に空気が供給される状態(第1空気袋41が加圧される状態)と、第2エア管62を介して第2空気袋42に空気が供給される状態(第2空気袋42が加圧される状態)とを切り替える。
切替バルブ駆動回路53は、制御部20から入力された制御信号に基づいて流路切替バルブ33の動作を制御する。
第1排気バルブ34は、第1エア管61に接続されている。第1排気バルブ34は、閉開することにより、第1空気袋41の内圧を維持したり、第1空気袋41の内部の空間を外部に開放して第1空気袋41の内圧を減圧する。
第1排気バルブ駆動回路54は、制御部20から入力された制御信号に基づいて、第1排気バルブ34の動作を制御する。
第2排気バルブ35は、第2エア管62に接続されている。第2排気バルブ35は、閉開することにより、第2空気袋42の内圧を維持したり、第2空気袋42の内部の空間を外部に開放して第2空気袋42の内圧を減圧する。
第2排気バルブ駆動回路55は、制御部20から入力された制御信号に基づいて、第2排気バルブ35の動作を制御する。
圧力センサ31によって第1空気袋41の内圧または第2空気袋42の内圧を測定することができる。上記流路切替バルブ33によって、第1エア管61と加圧ポンプ32とが連通する場合には、第1空気袋41の内圧を測定可能となる。上記流路切替バルブ33によって、第2エア管62と加圧ポンプ32とが連通する場合には、第2空気袋42の内圧を測定可能となる。
圧力センサ31は、静電容量型のセンサである。圧力センサ31の静電容量は、第1空気袋41の内圧または第2空気袋42の内圧に応じて変化する。発振回路51は、圧力センサ31の静電容量に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号を制御部20に入力する。
図5は、実施の形態に係る血圧計の測定フローを示すフロー図である。図5を参照して、血圧計1の測定フローについて説明する。
血圧値を測定するに際しては、カフ40が予め被験者の上腕に巻き付けられて装着された状態とされる。この状態において、本体10に設けられた操作部23が操作されて血圧計1の電源がオンにされると、制御部20に対して電源部24から電力が供給されて制御部20が駆動する。
図5に示すように、制御部20は、その駆動後において、まず血圧計1の初期化を行なう(ステップS1)。初期化においては、制御部20は、第1排気バルブ34および第2排気バルブ35の動作を制御することで、第1空気袋41および第2空気袋42の内部の空間を外部に対して開放させた開放状態とする。
次に、制御部20は、測定開始の指示を待ち、操作部23が操作されて測定開始の指示が入力されると、第1排気バルブ34および第2排気バルブ35を閉塞させるとともに加圧ポンプ32の駆動を開始する(ステップS2)。
ステップ2においては、制御部20は、第1空気袋41および第2空気袋42のいずれか一方に空気が供給されるように流路切替バルブ33の動作を制御する。第1空気袋41および第2空気袋42のいずれか一方が所定の圧力に達した場合には、制御部20は、第1空気袋41および第2空気袋42の他方に空気が供給されるように流路切替バルブ33の動作を制御する。
なお、所定の圧力とは、第1空気袋41を先に加圧する場合には、基準圧力P1であり、第2空気袋42を先に加圧する場合には、基準圧力P2である。この場合においては、基準圧力P1は、基準圧力P2よりも小さくなる。
第1空気袋41および第2空気袋42の他方に空気が供給されることにより、第1空気袋41および第2空気袋42の双方の内圧が上昇していく。
この加圧過程において、制御部20は、公知の手順で最高血圧および最低血圧を算出する(ステップ3)。具体的には、制御部20は、第1空気袋41および第2空気袋42の双方の内圧が上昇していく過程において、発振回路51から得られる発振周波数より第1空気袋41の内圧を取得し、取得した第1空気袋41の内圧に重畳した脈波情報を抽出する。そして、制御部20は、抽出された脈波情報に基づいて上記血圧値を算出する。
ステップS3において血圧値が算出されると、制御部20は、加圧ポンプ32の駆動を停止するとともに、第1排気バルブ34および第2排気バルブ35を開放することで第1空気袋41および第2空気袋42内の空気を完全に排気する(ステップS4)。
また、測定結果としての血圧値を表示部21に表示するとともに、当該血圧値をメモリ部22に格納する(ステップS5)。
その後、制御部20は、電源オフの指令を待ち、操作部23が操作されて電源オフの指示が入力されると、制御部20に対する電源部24からの電力の供給が遮断されて一連の処理手順が終了する。
ここで、実施の形態に係るカフ40は、上述のように、第1ニップル43が設けられた第1空気袋41と、第1空気袋41に収容されるとともに、第1ニップル43が突出する側に向けて第1空気袋41を貫通する第2ニップル44が設けられた第2空気袋42とを備えた構成を有し、第1空気袋41および第2空気袋42を共に平面状に展開させた状態において、第1ニップル43が、第2空気袋42の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側の位置に配設されている。
第1ニップル43が上述のように配設されることにより、測定フローにおけるステップ2にて、第2空気袋42に先に空気を供給した後に第1空気袋41に空気を供給して、第1空気袋41よりも先に第2空気袋42に空気を導入して第2空気袋42を膨張させた場合であっても、第1ニップル43が、第2空気袋42によって閉塞されることを防止することができる。これにより、第1ニップル43を介して第1空気袋41の内部に空気を確実に供給することができる。
なお、第2空気袋42よりも先に第1空気袋41を膨張させる場合には、第2ニップル44は第1空気袋41によって閉塞されることはないため、当然に、第2ニップル44を介して第2空気袋42に空気を確実に供給することができる。
以上のように、実施の形態に係るカフ40にあっては、第1空気袋41と、当該第1空気袋41の内部に収容される第2空気袋42を備えた構成において、第1空気袋41および第2空気袋42の双方に流体を確実に供給することができる。これにより、安定して血圧情報を測定することができる。
(変形例)
図6は、変形例に係る血圧計の外観構造を示す斜視図である。図6を参照して、変形例に係る血圧計の外観構造について説明する。
図6に示すように、変形例に係る血圧計1Aは、実施の形態に係る血圧計1と比較して、エア管60Aの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。エア管60Aに含まれる第1エア管61と第2エア管62とは、本体10側において、一体化されている。具体的には、本体10側において、第1エア管61の胴部と第2エア管62の胴部とが接続されており、第1エア管61と第2エア管62とが複胴型に構成されている。一方、第1エア管61と第2エア管62とは、第1ニップル43および第2ニップル44側において、分岐されている。このように、エア管60Aが構成されていてもよい。変形例に係る血圧計1Aにおいても、実施の形態とほぼ同様の測定フローにて血圧を測定することができる。
上述した実施の形態および変形例においては、測定方式は、加圧測定方式に基づいたものであるが、第1空気袋41および第2空気袋42の減圧時に脈波を検出するいわゆる減圧測定方式を採用することも当然に可能である。
また、上述した実施の形態および変形例においては、単一の加圧ポンプ32を用い、第1空気袋41および第2空気袋42への空気の供給を流路切替バルブ33で切り替える場合を例示して説明したが、これに限定されず、第1空気袋41を加圧するための第1加圧ポンプおよび第2空気袋42を加圧するための第2加圧ポンプが互いに独立して設けられていてもよい。この場合には、第1加圧ポンプと第1空気袋41とは、第1エア管で接続され、第2加圧ポンプと第2空気袋42とは、第2エア管で接続される。第1エア管と第2エア管は、互いに独立した流路を構成する。
また、上述した実施の形態および変形例においては、圧力センサ31によって、第1空気袋41および第2空気袋42の一方の内圧を測定する場合を例示して説明したがこれに限定されず、第1空気袋41の内圧を測定するための第1圧力センサと第2空気袋42の内圧を測定するための第2圧力センサが独立して設けられていてもよい。
このように上述した実施の形態および変形例において本体10の構成は、適宜変更することができ、第1空気袋41の圧力と第2空気袋42の圧力との圧力差を一定に保った状態で測定を実施する構成であってもよい。たとえば、流路切替バルブ33に換えて差圧弁を用いてもよいし、上述の第1加圧ポンプ、および第2加圧ポンプの動作を調整することで第1空気袋41の圧力と第2空気袋42の圧力との圧力差を一定に保ってもよい。
さらに、上述した実施の形態および変形例においては、第1空気袋41および第2空気袋42の双方を加圧した状態で測定する場合を例示して説明したが、これに限定されず、第1空気袋41および第2空気袋42のいずれか一方のみを加圧した状態で測定してもよい。
上述した実施の形態および変形例においては、流体袋として空気が出入りする空気袋を用いる場合を例示して説明したが、これに限定されず、空気以外の気体または空気以外の非圧縮の粘性流体が出入りする袋を用いてもよい。すなわち、上述した実施の形態においては、流量制御される流体が圧縮空気である場合を例示して説明を行なったが、上記において開示した内容の適用対象はこれに限られるものではなく、流量制御される流体が、圧縮空気以外の高圧の気体や圧縮環境下にある液体等であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1,1A 血圧計、10 本体、20 制御部、21 表示部、22 メモリ部、23 操作部、24 電源部、25 演算部、31 圧力センサ、32 加圧ポンプ、33 流路切替バルブ、34 第1排気バルブ、35 第2排気バルブ、40 カフ、41 第1空気袋、41a,41b 外表面、41c,41d 内表面、42 第2空気袋、42a,42b 外表面、42c,42d 内表面、43 第1ニップル、44 第2ニップル、45 外装カバー、45a 内側カバー部材、45b 外側カバー部材、46,47 面ファスナ、51 発振回路、52 加圧ポンプ駆動回路、53 切替バルブ駆動回路、54 第1排気バルブ駆動回路、55 第2排気バルブ駆動回路、60,60A エア管、61 第1エア管、62 第2エア管。

Claims (3)

  1. 流体を出入りさせるための第1ニップルが設けられ、当該第1ニップルを介して流体が出入りすることで膨縮する帯状の第1流体袋と、
    流体を出入りさせるための第2ニップルが設けられ、当該第2ニップルを介して流体が出入りすることで膨縮する帯状の第2流体袋とを備え、
    前記第2流体袋が、前記第1流体袋に収容され、
    前記第2ニップルが、前記第2流体袋の一対の主表面のうちの一方の主表面に設けられるとともに、前記第1流体袋の一対の主表面のうち、前記第2流体袋の前記一方の主表面に対向する方の主表面を貫通して外部に引き出され、
    前記第1ニップルが、前記第1流体袋の前記一対の主表面のうち、前記第2流体袋の前記一方の主表面に対向する方の前記主表面に設けられており、
    前記第1流体袋および前記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、前記第1ニップルが、前記第2流体袋の外縁部に対応した位置または当該外縁部よりも外側の位置に配設されている、血圧情報測定装置用カフ。
  2. 前記第1流体袋は、被測定部位に巻き付けられた状態において周方向となる長さ方向、および前記長さ方向に直交する幅方向を有し、
    前記第1流体袋および前記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、前記第2流体袋は、前記第1流体袋の前記幅方向における中央に位置している、請求項1に記載の血圧情報測定装置用カフ。
  3. 前記第1流体袋は、被測定部位に巻き付けられた状態において周方向となる長さ方向、および前記長さ方向に直交する幅方向を有し、
    前記第1流体袋および前記第2流体袋を共に平面状に展開させた状態において、前記第1ニップルおよび前記第2ニップルは、前記幅方向に平行な方向に沿って配置されている、請求項1または2に記載の血圧情報測定装置用カフ。
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