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JP4742576B2 - 血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計 - Google Patents

血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計 Download PDF

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Description

本発明は、生体を圧迫することにより動脈を阻血する流体袋を備えた血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計に関する。
通常、血圧値の測定に際しては、生体内部に位置する動脈を圧迫するための流体袋を内包するカフを生体の体表面に巻き付け、巻き付けた流体袋を膨張・収縮させることによって動脈内に生じる動脈圧脈波の検出を行い、これによって血圧値の測定が行なわれる。ここで、カフとは、内腔を有する帯状の構造物であって生体の一部に巻き付けが可能なものを意味し、気体や液体等の流体を内腔に注入することによって上下肢の動脈圧測定に利用されるもののことを指す。したがって、カフは、流体袋とこの流体袋を生体に巻き付けるための巻付手段とを含めた概念を示す言葉であり、特に手首や上腕に巻き付けられて装着されるカフは、腕帯あるいはマンシェットとも呼ばれることもある。
近年、血圧計は、病院等の医療施設において使用されるのみならず、家庭内において日々の健康状態を知る手段として頻繁に利用されている。したがって、血圧計に対する取扱い性の向上、特に装着作業の容易化への要請が強く、これを解決すべくカフの小型化が推し進められている。カフの小型化に際しては、上腕長の短い人でも最適に装着できるように考慮することや、手首への装着性の向上を目的として、特に幅方向(すなわち、カフが巻き付けられる被測定部位(たとえば手首や上腕等)の軸方向と平行な方向)における狭小化が必要である。
血圧計用カフの幅を狭小化する場合には、動脈を十分に圧迫阻血することができるかどうかが問題となる。幅広の血圧計用カフを用いた場合には、カフによって覆われる被測定部位の軸方向における長さが長く確保できるため、十分に動脈を圧迫阻血することが可能である。しかしながら、カフ幅を狭小化した場合には、これに伴ってカフで覆われる被測定部位の軸方向における長さも短くなるため、十分に動脈を圧迫阻血することが困難になる。この点について、以下において詳説する。
図12は、従来例1における血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。なお、図12(A)は、従来例1における血圧計用カフを生体に装着させた状態を示す、血圧計用カフの幅方向における模式断面図であり、図12(B)は、従来例1における血圧計用カフを用いて動脈を圧迫阻血した状態を示す模式断面図である。また、図12(C)は、従来例1における血圧計用カフを用いて生体を圧迫した際の体表面における圧力分布を示す図である。なお、図12(A)および図12(B)においては、空気袋を覆うカバー体の図示は省略している。
図12(A)に示すように、従来例1における血圧計用カフ130Dは、2枚の樹脂シート151,152を重ね合わせてその周縁を溶着することによって形成された空気袋150Dと、この空気袋150Dの外周面に接着手段としての両面テープ171を用いて接着された可撓性部材としてのカーラ160とを備える。空気袋150Dは、内部に膨縮空間157を有しており、幅方向における両端部には、上述の溶着によって形成される溶着部156が位置している。装着時において、空気袋150Dは、生体300の体表面とカーラ160との間に配置される。ここで、空気袋150Dの幅をL1とする。
図12(B)に示すように、空気袋150Dの膨縮空間157内に加圧空気を送り込み、空気袋150Dを膨張させた状態においては、空気袋150Dが図示する如く厚み方向に膨張し、生体300を圧迫する圧迫作用面158が風船状に膨らむ。この際、カーラ160の固定によって、空気袋150Dが外側すなわち生体300とは反対側に膨張することが制限されるとともに、生体300側にのみ空気袋150Dが膨張するようになることにより、生体300が空気袋150Dによって圧迫され、生体300の皮下に位置する動脈301が圧迫阻血されることになる。
動脈301を完全に閉塞させるためには、生体300の体表面に加えられる空気袋150Dによる圧力が所定の大きさ以上であることが必要である。すなわち、動脈301を完全に閉塞させるために必要な生体300の体表面における圧力をPAとした場合には、図12(C)に示すように、体表面における圧力分布曲線200がこの圧力PAを上回る領域においてのみ動脈301が閉塞することになる。ここで、この空気袋150Dの膨張に伴って閉塞する動脈301の延在方向における距離(以下、動脈閉塞距離と称する)をL2とする。
血圧値は、圧迫阻血時における動脈301内の中枢側の圧力P2によって表わされる。血圧計においては、この動脈301内の中枢側の圧力P2を空気袋150D内の圧力P1の変化として読み取ることにより、血圧値を算出するように構成されている。このため、動脈301内の圧力P2と、空気袋150D内の圧力P1との差を可能な限り小さくすることが精度よく血圧値を測定するためには必要であり、そのためには、上述の動脈閉塞距離L2を十分に確保することが必要である。
しかしながら、上述の従来例1における血圧計用カフ130Dに内包される空気袋150Dの如くの構成とした場合には、空気袋150Dが風船状に膨らむため、空気袋150Dの幅L1に対して動脈閉塞距離L2を十分に確保することができず、測定精度の低下の原因となっていた。この問題は、血圧計用カフ130Dの幅L1を狭小化させた場合に特に顕著に現れ、阻血性能の低下に伴う測定精度の低下は非常に大きな問題となっていた。
このカフ幅の狭小化に伴う阻血性能の低下の防止が図られた血圧計用のカフとして、たとえば特開平2−107226号公報(特許文献1)に開示の血圧計用カフや、特開2001−224558号公報(特許文献2)に開示の血圧計用カフが知られている。これら公報に開示の血圧計用カフは、カフ内に配置される流体袋としての空気袋の幅方向における両側端部に襠を設け、空気袋が膨張した際にこの襠が伸びることによって空気袋が幅方向においてより均等に膨張するように構成したものである。特に、上述の特許文献2に開示の構成を採用した場合には、空気袋幅に対して動脈閉塞距離を非常に大きく確保できるようになり、カフ幅の狭小化のためには、必須の技術となっている。以下においては、この特許文献2に開示された血圧計用カフについて、従来例2として詳説する。
図13は、従来例2における血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。なお、図13(A)は、従来例2における血圧計用カフを生体に装着させた状態を示す、血圧計用カフの幅方向における模式断面図であり、図13(B)は、従来例2における血圧計用カフを用いて動脈を圧迫阻血した状態を示す模式断面図である。また、図13(C)は、従来例2における血圧計用カフを用いて生体を圧迫した際の体表面における圧力分布を示す図である。なお、図13(A)および図13(B)においては、空気袋を覆うカバー体の図示は省略している。
図13(A)に示すように、従来例2における血圧計用カフ130Eは、2枚の樹脂シート151,152を重ね合わせてその周縁を溶着することによって形成された袋体と、2枚の樹脂シート153,154を重ね合わせてその周縁を溶着することによって形成された袋体とを、さらに重ね合わせて溶着することによって形成された空気袋150Eと、この空気袋150Eの外周面に接着手段としての両面テープ171を用いて接着された可撓性部材としてのカーラ160とを備える。空気袋150Eは、内部に2層の膨縮空間157a,157bを有しており、これら2層の膨縮空間157a,157bは連通孔159を介して連通している。空気袋150Eの幅方向における両端部には、上述の溶着によって形成される溶着部156a1,156a2が位置している。装着時において、空気袋150Eは、生体300の体表面とカーラ160との間に配置される。
図13(B)に示すように、空気袋150Eの膨縮空間157a,157b内に加圧空気を送り込み、空気袋150Eを膨張させた状態においては、空気袋150Eが図示する如く厚み方向に膨張する。上記空気袋150Eにあっては、幅方向における両端部において襠が形成されるため、この襠が空気袋150Eの厚み方向において伸張することにより、空気袋150Eの生体300への圧迫作用面158が略平面的に膨張することになる。そのため、空気袋150Eの幅方向における両端部およびその近傍においても空気袋150Eの幅方向における中央部と同様に膨張し、生体300の皮下に位置する動脈301をより均等に圧迫することができるようになる。
このように、上述の従来例2における血圧計用カフ130Eに内包される空気袋150Eの如くの構成とした場合には、空気袋150Eの圧迫作用面158が略平面的に膨らむようになるため、上述の従来例1における血圧計用カフ130Dに内容される空気袋150Dの如くの構成とした場合よりも、空気袋の幅L1に対して動脈閉塞距離L2をより大きく確保することができる。その結果、カフ幅を狭小化した場合にも精度よく血圧値を測定することが可能となる。
特開平2−107226号公報 特開2001−224558号公報
しかしながら、上述の従来例2における血圧計用カフ130Eに内容される空気袋150Eの構造は、精度よく血圧値を測定するためには適したものではあるが、多くの樹脂シートを必要とし、かつこれら多くの樹脂シートを数回に分けて接合処理することが必要になるため、製造が煩雑化し、かつ高コスト化するという問題がある。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、製造が容易でかつ低コストに製作が可能な高い圧迫性能および阻血性能を有する、カフ幅の狭小化に適した血圧計用カフおよびそれを備えた血圧計を提供することを目的する。
本発明に基づく血圧計用カフは、流体が出入りすることにより、膨張時において厚み方向に膨らみ、収縮時において上記厚み方向に縮むものである。上記流体袋は、血圧計用カフを生体に巻き付けて装着させた状態において上記厚み方向における外側に位置し、第1の膨縮空間を内部に有する第1の袋体と、血圧計用カフを生体に巻き付けて装着させた状態において上記厚み方向における内側に位置し、第2の膨縮空間を有する第2の袋体とを含む。上記第1の袋体は、複数のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を接合することによって形成され、上記第2の袋体は、上記第1の袋体の生体側外表面に単層のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を上記生体側外表面に接合することによって形成される。上記第1の膨縮空間と上記第2の膨縮空間とは、上記第1の袋体の生体側に位置するシート状部材に設けられた連通孔を介して連通している。上記第1の袋体と上記単層のシート状部材との接合部は、巻き付け方向と直交する幅方向に沿った上記第1の膨縮空間の両端部の内側に設けられ、上記第1の膨縮空間と上記第2の膨縮空間とは、上記第1の袋体の生体側に位置するシート状部材によって区画される。
このように構成することにより、流体袋の膨張時において、第1の膨縮空間の幅方向における両端部の内側に設けられた接合部を基点に、第2の袋体の一部となる単層のシート状部材が膨らむため、厚み方向への流体袋の膨張が大きく確保されるようになる。そのため、生体の広い範囲で一様に強く生体を圧迫することが可能になり、流体袋の幅に対して動脈閉塞距離を長く確保することが可能となる。したがって、非常に簡素な構成で高い阻血性能が実現された血圧計用カフとすることができ、カフ幅の狭小化に適した血圧計用カフとすることができる。
上記本発明に基づく血圧計用カフにあっては、上記第2の袋体の一部となる上記単層のシート状部材が、上記第1の袋体の上記生体側表面を形成する部材よりも高伸縮性であることが好ましい。
このように構成することにより、第2の袋体の一部となる単層のシート状部材が流体袋の幅方向においてより平面的に膨らむようになるため、さらに動脈閉塞距離を大きく確保することが可能となり、高精度に血圧値を測定できるようになる。
上記本発明に基づく血圧計用カフにあっては、上記第2の袋体の一部となる上記単層のシート状部材の材質が、軟質塩化ビニール、エチレン−酢酸ビニール共重合体、ポリウレタン、またはオレフェン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
これらの材質のシート状部材を用いることにより、伸縮性に富んだ流体袋とすることが可能になる。
上記本発明に基づく血圧計用カフにあっては、上記第2の袋体の一部となる上記単層のシート状部材の材質と、上記第1の袋体の上記生体側表面を形成する部材の材質とが、同一であることが好ましい。
このように同一の材質のシート状部材を用いて第1の袋体と第2の袋体とを形成することにより、これらの接合を溶着によって行なうことが可能になるため、安価に高性能の血圧計用カフを製作することができる。
上記本発明に基づく血圧計用カフにあっては、上記第2の袋体の一部となる上記単層のシート状部材の厚みが、上記第1の袋体の上記生体側表面を形成する部材の厚みよりも小さいことが好ましい。
このように構成することにより、同一の材質のシート状部材を用いて第1および第2の袋体を形成した場合にも、第2の袋体の一部となる単層のシート状部材のみを他のシート状部材に比して高伸縮性にすることができる。
上記本発明に基づく血圧計用カフにあっては、上記第1の袋体が、複数のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を接合することによって形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、比較的容易に血圧計用カフを製作することが可能になる。
本発明に基づく血圧計は、上述のいずれかの血圧計用カフと、上記流体袋を膨縮させる膨縮手段と、上記流体袋内の圧力を検知する圧力検知手段と、上記圧力検知手段によって検知された圧力情報に基づいて血圧値を算出する血圧値算出手段とを備える。
このように構成することにより、カフ幅を狭小化させた場合にも精度よく血圧値を測定することが可能になる。したがって、装着が容易でかつ高性能の血圧計とすることができる。
本発明によれば、高い圧迫性能および阻血性能を有する血圧計用カフおよびそれを備えた血圧計を容易にかつ低コストに製作することができるようになる。そのため、カフ幅の狭小化に適した血圧計用カフおよびそれを備えた血圧計とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、手首式の血圧計を例示して説明を行なう。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における血圧計の外観を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1における血圧計100は、装置本体110とカフ130とを備える。装置本体110の表面には、表示部111と操作部112とが配置されており、この装置本体110に上述のカフ130が取付けられている。
図2は、図1に示す血圧計用カフの内部構造を示す縦断面図である。図2に示すように、本実施の形態における血圧計用カフ130は、布等からなる袋状のカバー体140と、このカバー体140の内部に配置された流体袋としての空気袋150と、カバー体140の内部に配置され、装着状態において空気袋150の外側に位置し、当該カフを手首に仮装着させるための湾曲弾性のカーラ160とを主に備える。これらカバー体140、空気袋150およびカーラ160は、カフ130の巻き付け方向を長手方向として延在している。
カバー体140は、装着状態において内側に位置し、伸縮性に優れた布等からなる内側カバー142と、内側カバー142よりも外側に位置し、伸縮性に乏しい布等からなる外側カバー141とを備えており、これら内側カバー142と外側カバー141とを重ね合わせてその周縁を縫合することによって袋状に形成されている。カバー体140の長手方向の一方端の内周面側には、面ファスナ165が設けられており、カバー体140の長手方向の他方端の外周面には、上記面ファスナ165と係合する面ファスナ166が貼り付けられている。これら面ファスナ165,166は、被測定部位である手首にカフ130を装着した状態において、血圧計100を手首に安定的に固定するための手段である。
空気袋150は、シート状部材である樹脂シートを用いて形成された袋状の部材からなり、内部に膨縮空間157を有している。空気袋150の内周面は、手首を圧迫するための圧迫作用面158として機能する。膨縮空間157は、後述する装置本体110の血圧測定用エア系121と、チューブ120を介して接続される(図3参照)。なお、空気袋150の詳細な構造については、後述することとする。
空気袋150を構成する樹脂シートの材質としては、伸縮性に富んでおり溶着後において膨縮空間157からの漏気がないものであればどのようなものでも利用可能である。このような観点から、樹脂シートの最適な材質としては、エチレン−酢酸ビニール共重合体(EVA)、軟質塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、オレフェン系熱可塑性エラストマー(TPE−O)、生ゴム等が挙げられる。
空気袋150の外側には、環状に巻き回されることによって径方向に弾性変形可能に構成された可撓性部材であるカーラ160が配置されている。カーラ160は、空気袋150の外側壁部の外表面に図示しない両面テープ等の接着手段によって接着されている。このカーラ160は、自身の環状形態を維持するように構成されており、装着状態において空気袋150が生体に対してぴったりとフィットするように作用するものである。このカーラ160は、十分な弾性力を発現するように、たとえばポリプロピレン等の樹脂部材にて形成される。
図3は、本実施の形態における血圧計の構成を示すブロック図である。図3に示すように、装置本体110は、上述の空気袋150にチューブ120を介して空気を供給または排出するための血圧測定用エア系121と、血圧測定用エア系121に関連して設けられる発振回路125、ポンプ駆動回路126および弁駆動回路127とを含む。これら各構成要素は、空気袋150を膨縮させるための膨縮手段として機能する。
また、装置本体110は、各部を集中的に制御および監視するためのCPU(Central Processing Unit)113と、CPU113に所定の動作をさせるプログラムや測定された血圧値などの各種情報を記憶するためのメモリ部114と、血圧測定結果を含む各種情報を表示するための表示部111と、測定のための各種指示を入力するために操作される操作部112と、操作部112からの電源ONの指示によりCPU113に電力を供給するための電源部115とを含む。CPU113は、血圧値を算出するための血圧値算出手段として機能する。
血圧測定用エア系121は、空気袋150内の圧力(以下、「カフ圧」という)により出力値が変化する圧力センサ122と、空気袋150に空気を供給するためのポンプ123と、空気袋150の空気を排出しまたは封入するために開閉される弁124とを有する。圧力センサ122は、カフ圧を検知するための圧力検知手段として機能する。発振回路125は、圧力センサ122の出力値に応じた発振周波数の信号をCPU113に出力する。ポンプ駆動回路126は、ポンプ123の駆動をCPU113から与えられる制御信号に基づいて制御する。弁駆動回路127は、弁124の開閉制御をCPU113から与えられる制御信号に基づいて行なう。
図4は、本実施の形態における血圧計の血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに従うプログラムは、メモリ部114に予め記憶されて、CPU113がメモリ部114からこのプログラムを読出し実行することにより血圧測定処理が行なわれる。
図4に示すように、被験者が血圧計100の操作部112の操作ボタンを操作して電源ONすると血圧計100の初期化がなされる(ステップS101)。次に、CPU113は、測定可能状態になると、ポンプ123を駆動開始し、空気袋150のカフ圧を徐々に上昇させる(ステップS102)。徐々に加圧する過程において、血圧測定のための所定レベルにまでカフ圧が達すると、CPU113はポンプ123を停止し、次に閉じていた弁124を徐々に開いて、空気袋150の空気を徐々に排気し、カフ圧を徐々に減圧させる(ステップS103)。本実施の形態ではカフ圧の微速減圧過程において血圧を測定する。
次に、CPU113は公知の手順で血圧(最高血圧値、最低血圧値)を算出する(ステップS104)。具体的には、カフ圧が徐々に減圧する過程において、CPU113は発振回路125から得られる発振周波数に基づき脈波情報を抽出する。そして、抽出された脈波情報により血圧値を算出する。ステップS104において血圧値が算出されると、算出された血圧値を表示部111に表示する(ステップS105)。なお、以上において説明した測定方式は、空気袋の減圧時に脈波を検出するいわゆる減圧測定方式に基づいたものであるが、空気袋の加圧時に脈波を検出するいわゆる加圧測定方式を採用することも当然に可能である。
本実施の形態における血圧計100および血圧計用カフ130は、血圧計用カフ130内に配置される空気袋150の構造において特徴を有している。以下においては、空気袋150の構造について、各実施例ごとに図を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
図5は、本実施の形態に基づく実施例1に係る血圧計用カフの図2中に示すV−V線に沿った概略断面図である。また、図6は、図5中に示す領域VIの拡大図である。
図5に示すように、本実施例に係る血圧計用カフ130Aは、内側カバー142および外側カバー141からなるカバー体140の内部に、流体袋としての空気袋150Aと、空気袋150Aの外周面に接着手段としての両面テープ171を介して接着された可撓性部材としてのカーラ160とを備えている。
空気袋150Aは、3枚の樹脂シート151,152,153を用いて袋状に形成されている。空気袋150Aは、血圧計用カフ130Aが手首に装着された状態において空気袋150Aの厚み方向における外側に位置する第1の袋体と、血圧計用カフ130Aが手首に装着された状態において空気袋150Aの厚み方向における内側に位置する第2の袋体とを含む。第1の袋体は、2枚の樹脂シート151,152によって形成され、内部に第1の膨縮空間157aを有している。第2の袋体は、2枚の樹脂シート152,153によって形成され、内部に第2の膨縮空間157bを有している。これら第1の膨縮空間157aと第2の膨縮空間157bとは、樹脂シート152の所定位置に設けられた連通孔159により、連通している。
樹脂シート153は、空気袋150Aの内側壁部を形成している。また、樹脂シート151は、空気袋150Aの外側壁部を形成している。空気袋150Aの内側壁部の手首側の表面は、手首を圧迫するための圧迫作用面158として機能する。
以上の構成の空気袋150Aは、たとえば、平面視略矩形形状の2枚の樹脂シート151,152を積層し、その周縁を溶着することによって第1の袋体を形成し、さらに平面視略矩形形状の僅かに幅の狭い樹脂シート153を上述の第1の袋体と積層し、樹脂シート153の周縁を第1の袋体の樹脂シート152の外表面の所定位置に溶着することによって形成される。したがって、上述の従来例2における血圧計用カフ130Eに内包される空気袋150E(図13参照)に比べ、少ない枚数の樹脂シートによって2層の積層された膨縮空間を有する空気袋とすることができる。また、樹脂シートの枚数の減少に伴い、溶着箇所も少なくて済むようになる。このため、本実施例において示す空気袋150は、上述の従来例2において示した空気袋150Eよりも簡単にかつ安価に製作することができる。
第1の膨縮空間157aを有する第1の袋体を形成する2枚の樹脂シート151,152は、重ね合わされてその周縁が溶着されることによって接合されている。したがって、図6に示すように、空気袋150Aの幅方向における両端部には、溶着部156aが位置している。これに対し、第2の膨縮空間157bを有する第2の袋体を形成する2枚の樹脂シート152,153の接合部である溶着部156bは、第1の袋体内部に形成された第1の膨縮空間157aの幅方向における両端部の内側に設けられている。すなわち、樹脂シート152,153の溶着部156bは、第1の膨縮空間157aが位置する領域W(図5参照)の両端よりもそれぞれ中央部側に設けられている。そのため、樹脂シート152,153の溶着部156bは、樹脂シート151,152の溶着部156aの内側端部よりも、さらに内側に設けられることになる。そして、好ましくは、樹脂シート152の両端部において、溶着部156aと溶着部156bとが所定の距離をもって離間して位置するように構成される。ここで、所定の距離としては、おおよそ第1の袋体の膨縮空間157aの幅(図5中の符号Wで示される幅)の5%以上25%以下が好適である。
このように構成された血圧計用カフ130Aとした場合には、高い圧迫性能および阻血性能を得ることが可能になる。この点について、以下において詳細に説明する。
図7は、本実施例に係る血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。なお、図7(A)は、本実施例に係る血圧計用カフを生体に装着させた状態を示す、血圧計用カフの幅方向における模式断面図であり、図7(B)は、本実施例に係る血圧計用カフを用いて動脈を圧迫阻血した状態を示す模式断面図である。また、図7(C)は、本実施例に係る血圧計用カフを用いて生体を圧迫した際の体表面における圧力分布を示す図である。なお、図7(A)および図7(B)においては、空気袋を覆うカバー体の図示は省略している。
図7(A)に示すように、血圧計用カフ130Aが生体300に装着された状態においては、空気袋150Aは、生体300の体表面とカーラ160との間に配置される。このとき、生体300の体表面上において、空気袋150Aの第1の袋体が生体300の軸方向と交差する方向において外側に位置し、第2の袋体が内側に位置することになる。
図7(B)に示すように、空気袋150Aの膨縮空間157a内に加圧空気を送り込み、空気袋150Aを膨張させた状態においては、空気袋150Aが図示する如く厚み方向に膨張する。この際、第1の袋体の一部を形成する樹脂シート152は、生体300側に向かって風船状に膨らむ。また、連通孔159を介して第1の膨縮空間157aから第2の膨縮空間157bに加圧空気が流入するため、第2の袋体の一部を形成する樹脂シート153も同様に生体300側に向かって風船状に膨らむ。
ここで、本実施例に係る血圧計用カフ130Aに内包される空気袋150Aにあっては、第1の袋体と第2の袋体との溶着部156bが、第1の袋体内部に形成された膨縮空間157aの幅方向における両端部よりも内側に所定の距離をもって位置しているため、第2の袋体の一部を形成する樹脂シート153は、この溶着部156bを基点に膨らむことになる。そのため、上述の従来例1における血圧計用カフ130Dに内包される空気袋150D(図12参照)に比べ、図中に示す、第1の袋体が膨張する際の溶着部156bの生体方向への移動ストロークtが発生し、第2の袋体の膨張時における生体方向への空気袋の伸張がさらに許容されることになる。
したがって、図7(C)に示すように、生体300の体表面上における圧力分布が生体300の軸方向において均一化し、血圧計用カフ130Aが巻装された手首の広い範囲で一様に強く生体を圧迫することができるようになる。このため、空気袋150Aの幅L1に対して動脈閉塞距離L2を長く確保することが可能となり、血圧値の測定精度の向上が実現可能となる。
なお、本実施例に係る血圧計用カフ130Aに内包される空気袋150Aにあっては、第2の袋体の一部となる樹脂シート153が、第1の袋体を形成する樹脂シート151,152よりも高伸縮性であることが好ましい。このように、樹脂シート153を他の樹脂シート151,152よりも高伸縮性とすることにより、第2の袋体の幅方向における両端部にまで十分に加圧空気が行き渡るようになり、生体300をより平面的に圧迫することが可能になる。なお、第2の袋体の一部となる樹脂シート153を第1の袋体を形成する樹脂シート151,152よりも高伸縮性にするためには、これら3枚の樹脂シート151,152,153を同一の材質とし、かつ第2の袋体の一部となる樹脂シート153を他の樹脂シート151,152よりも薄くするか、あるいは、第2の袋体の一部となる樹脂シート153の材質を他の樹脂シート151,152の材質と異なるより伸縮性の高いものとすること等が考えられる。
以上において説明したように、本実施例に係る血圧計用カフ130Aに内包される空気袋150Aの如くの構成とすることにより、簡素な構成にて高い圧迫性能および阻血性能が実現された血圧計用カフとすることができる。したがって、カフ幅の狭小化に適した血圧計用カフとすることができ、高性能でかつ装着作業が容易な血圧計を提供することができるようになる。
(実施例2)
図8は、本実施の形態に基づく実施例2に係る血圧計用カフの概略断面図である。また、図9は、図8中に示す領域IXの拡大図である。なお、上述の実施例1に係る血圧計用カフ130Aと同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施例に係る血圧計用カフ130Bに内包される空気袋150Bは、上述の実施例1に係る血圧計用カフ130Aに内包される空気袋150Aの生体側外表面にさらに単層の樹脂シート154を付加した構成を有している。
空気袋150Bは、血圧計用カフ130Bが手首に装着された状態において空気袋150Bの厚み方向における外側に位置する第1の袋体と、血圧計用カフ130Bが手首に装着された状態において空気袋150Bの厚み方向における内側に位置する第2の袋体とを含む。第1の袋体は、3枚の樹脂シート151,152,153によって形成され、内部に第1の膨縮空間157a,157bを有している。樹脂シート152によって区画された第1の膨縮空間157a,157bは、樹脂シート152に形成された連通孔159aを介して連通している。第2の袋体は、2枚の樹脂シート153,154によって形成され、内部に第2の膨縮空間157cを有している。生体側に位置する第1の膨縮空間157bと第2の膨縮空間157cとは、樹脂シート153の所定位置に設けられた連通孔159bにより、連通している。
樹脂シート154は、空気袋150Bの内側壁部を形成している。また、樹脂シート151は、空気袋150Bの外側壁部を形成している。空気袋150Bの内側壁部の手首側の表面は、手首を圧迫するための圧迫作用面158として機能する。
以上の構成の空気袋150Bは、たとえば、上述の実施例1に示す空気袋150Aに、平面視略矩形形状の幅の狭い樹脂シート154を積層し、樹脂シート154の周縁を第1の袋体の樹脂シート153の外表面の所定位置に溶着することによって形成される。
図9に示すように、本実施例に係る血圧計用カフ130Bに内包される空気袋150Bにあっては、第2の膨縮空間157cを有する第2の袋体を形成する2枚の樹脂シート153,154の接合部である溶着部156cが、第1の袋体内部に形成された第1の膨縮空間157a,157bの幅方向における両端部の内側に設けられている。すなわち、樹脂シート153,154の溶着部156cは、第1の膨縮空間157aが位置する領域W1(図8参照)の両端よりもそれぞれ中央部側に設けられ、さらに、第1の膨縮空間が位置する領域W2(図8参照)の両端よりもそれぞれ中央部側に設けられている。このため、第2の袋体の一部を形成する樹脂シート154が、この溶着部156cを基点に膨らむことになり、上述の実施例1において説明した効果と同等もしくはそれ以上の効果を奏することとなる。
(実施例3)
図10は、本実施の形態に基づく実施例3に係る血圧計用カフの概略断面図である。また、図11は、図10中に示す領域XIの拡大図である。なお、上述の実施例1に係る血圧計用カフ130Aと同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図10に示すように、本実施例に係る血圧計用カフ130Cに内包される空気袋150Cは、上述の実施例1に係る血圧計用カフ130Aに内包される空気袋150Aの第1の袋体を4枚の樹脂シートを用いて2層の膨縮空間を有する空気袋として構成したものである。
空気袋150Cは、血圧計用カフ130Cが手首に装着された状態において空気袋150Cの厚み方向における外側に位置する第1の袋体と、血圧計用カフ130Cが手首に装着された状態において空気袋150Cの厚み方向における内側に位置する第2の袋体とを含む。第1の袋体は、4枚の樹脂シート151,152,153,154によって形成され、内部に第1の膨縮空間157a,157bを有している。樹脂シート152,153によって区画された第1の膨縮空間157a,157bは、樹脂シート152,153に形成された連通孔159aを介して連通している。第2の袋体は、2枚の樹脂シート154,155によって形成され、内部に第2の膨縮空間157cを有している。生体側に位置する第1の膨縮空間157bと第2の膨縮空間157cとは、樹脂シート154の所定位置に設けられた連通孔159bにより、連通している。
樹脂シート155は、空気袋150Cの内側壁部を形成している。また、樹脂シート151は、空気袋150Cの外側壁部を形成している。空気袋150Cの内側壁部の手首側の表面は、手首を圧迫するための圧迫作用面158として機能する。
以上の構成の空気袋150Bは、たとえば、2枚の樹脂シート151,152を重ね合わせてその周縁を溶着することによって形成された袋体と、2枚の樹脂シート153,154を重ね合わせてその周縁を溶着することによって形成された袋体とを、さらに重ね合わせて溶着することによって形成された第1の袋体に平面視略矩形形状の幅の狭い樹脂シート155を積層し、樹脂シート155の周縁を第1の袋体の樹脂シート154の外表面の所定位置に溶着することによって形成される。
図11に示すように、本実施例に係る血圧計用カフ130Cに内包される空気袋150Cにあっては、第2の膨縮空間157cを有する第2の袋体を形成する2枚の樹脂シート154,155の接合部である溶着部156bが、第1の袋体内部に形成された第1の膨縮空間157a,157bの幅方向における両端部の内側に設けられている。すなわち、樹脂シート154,155の溶着部156bは、第1の膨縮空間157a,157bが位置する領域W(図10参照)の両端よりもそれぞれ中央部側に設けられている。このため、第2の袋体の一部を形成する樹脂シート155が、この溶着部156bを基点に膨らむことになり、上述の実施例1において説明した効果と同様の効果を奏することとなる。
上述の実施の形態に基づく実施例1ないし3においては、樹脂シート同士の接合をすべて溶着で行なった場合を例示して説明を行なったが、必ずしも溶着にて接合される必要はなく、接着剤を用いた接着等の接合方法を利用することも当然に可能である。また、上述の実施例1ないし3においては、複数の樹脂シートを積層して溶着することにより第1の袋体を形成した場合を例示して説明を行なったが、必ずしも複数枚の樹脂シートを用いて第1の袋体を形成する必要はなく、一枚の筒状のシートを用いて空気袋を形成することも可能であり、この場合にも本発明の適用は可能である。
また、上述の実施の形態1においては、両面テープを用いて空気袋にカーラを接着した場合を例示して説明を行なったが、必ずしも接着等することによってこれらを固着する必要はなく、他の手段を用いてこれらを固着してもよいし、あるいは全く固着しない構成としてもよい。
なお、上述の実施の形態においては、被測定部位として手首を想定した手首式の血圧計に用いられる血圧計用カフに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、上腕式のものや指式のもの等どのような形式の血圧計用カフについても本発明の適用が可能である。
このように、今回開示した上記一実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の実施の形態における血圧計の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における血圧計用カフの内部構造を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態における血圧計の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における血圧計の血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に基づく実施例1に係る血圧計用カフの図2中に示すV−V線に沿った概略断面図である。 図5中に示す領域VIの拡大図である。 本発明の実施の形態に基づく実施例1に係る血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。 本発明の実施の形態に基づく実施例2に係る血圧計用カフの概略断面図である。 図8中に示す領域IXの拡大図である。 本発明の実施の形態に基づく実施例3に係る血圧計用カフの概略断面図である。 図10中に示す領域XIの拡大図である。 従来例1における血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。 従来例2における血圧計用カフを用いて生体内部に位置する動脈を圧迫阻血した場合の阻血性能について説明するための概念図である。
符号の説明
100 手首式血圧計、110 装置本体、111 表示部、112 操作部、114 メモリ部、115 電源部、120 チューブ、121 血圧測定用エア系、122 圧力センサ、123 ポンプ、124 弁、125 発振回路、126 ポンプ駆動回路、127 弁駆動回路、130,130A〜130E 血圧計用カフ、140 カバー体、141 外側カバー、142 内側カバー、150,150A〜150E 空気袋、151〜155 樹脂シート、156,156a,156a1,156a2,156b 溶着部、157,157a〜157c 膨縮空間、158 圧迫作用面、159,159a,159b 連通孔、160 カーラ、165,166 面ファスナ、171 両面テープ、200 圧力分布曲線、300 生体、301 動脈。

Claims (7)

  1. 流体が出入りすることにより、膨張時において厚み方向に膨らみ、収縮時において前記厚み方向に縮む流体袋を備えた血圧計用カフであって、
    前記流体袋は、当該血圧計用カフを生体に巻き付けて装着させた状態において前記厚み方向における外側に位置し、第1の膨縮空間を内部に有する第1の袋体と、当該血圧計用カフを生体に巻き付けて装着させた状態において前記厚み方向における内側に位置し、第2の膨縮空間を有する第2の袋体とを含み、
    前記第1の袋体は、複数のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を接合することによって形成され、
    前記第2の袋体は、前記第1の袋体の生体側表面に単層のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を前記生体側表面に接合することによって形成され、
    前記第1の膨縮空間と前記第2の膨縮空間とは、前記第1の袋体の生体側に位置するシート状部材に設けられた連通孔を介して連通し、
    前記第1の袋体と前記単層のシート状部材との接合部は、巻き付け方向と直交する幅方向に沿った前記第1の膨縮空間の両端部の内側に設けられ、
    前記第1の膨縮空間と前記第2の膨縮空間とが、前記第1の袋体の生体側に位置するシート状部材によって区画されている、血圧計用カフ。
  2. 前記第2の袋体の一部となる前記単層のシート状部材が、前記第1の袋体の前記生体側表面を形成する部材よりも高伸縮性である、請求項1に記載の血圧計用カフ。
  3. 前記第2の袋体の一部となる前記単層のシート状部材の材質が、軟質塩化ビニール、エチレン−酢酸ビニール共重合体、ポリウレタン、またはオレフェン系熱可塑性エラストマーである、請求項1または2に記載の血圧計用カフ。
  4. 前記第2の袋体の一部となる前記単層のシート状部材の材質と、前記第1の袋体の前記生体側表面を形成する部材の材質とが、同一である、請求項1から3のいずれかに記載の血圧計用カフ。
  5. 前記第2の袋体の一部となる前記単層のシート状部材の厚みが、前記第1の袋体の前記生体側表面を形成する部材の厚みよりも小さい、請求項4に係る血圧計用カフ。
  6. 前記第1の袋体は、複数のシート状部材を重ね合わせ、その周縁を接合することによって形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の血圧計用カフ。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の血圧計用カフと、
    前記流体袋を膨縮させる膨縮手段と、
    前記流体袋内の圧力を検知する圧力検知手段と、
    前記圧力検知手段によって検知された圧力情報に基づいて血圧値を算出する血圧値算出手段とを備えた、血圧計。
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