JP6831168B2 - 外装部品の取付構造 - Google Patents
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Description
外装部品の裏面から突出する取付片が車体に設けられた孔部に差し込まれた外装部品の取付構造であって、
前記取付片は、
前記孔部の開口縁に係合する先端部と、
前記取付片の根元側に位置し、前記先端部を支持する台座部とを備え、
前記台座部は、
前記外装部品の裏面との間に所定の空間を形成すると共に、前記外装部品の周縁に開口する門型片を備え、
前記車体は、
前記車体の表面における前記孔部の近傍から外方に突出して、前記台座部の開口を塞ぐリブを備える。
上記の外装部品の取付構造では、外装部品の台座部が外装部品の周縁に開口するものの、台座部の開口は車体のリブによって塞がれる。このリブによって、車両の走行時、走行風、特に風速が大きい走行風が、外装部品の周縁と車体における外装部品の取付箇所との間に生じる不可避的な隙間から台座部内に侵入することを防止できる。そのため、台座部内への走行風の侵入に起因する空間共鳴の発生を防止できる。その結果、上記空間共鳴による異音の発生を低減できる。
図1〜図4を参照して、実施形態1の外装部品の取付構造を説明する。
実施形態1の外装部品の取付構造1(図4)は、自動車等の車両において車体3に外装部品2を装着することに利用される。ここでは、外装部品2としてフォグランプを取り付けるベゼル、車体3としてバンパーカバーを例示する。外装部品2は、裏面2bから突出する取付片21,27を備える(図1,図2)。車体3は、取付片21,27が挿入される孔部32を備える(図1,図3)。外装部品の取付構造1は、外装部品2の取付片21が車体3の孔部32に差し込まれることで構築される(図4)。
図2は、外装部品2における取付片21及びその近傍領域を部分的に示す斜視図であり、裏面2b側から見た状態を示す。
図3は、車体3における外装部品2の取付箇所31のうち、孔部32及びその近傍領域を部分的に示す平面図及び斜視図である。
図4は、車体3に外装部品2が取り付けられた状態(以下、外装部品の装着状態と呼ぶ)、即ち、実施形態1の外装部品の取付構造1が構築された状態において、車幅方向に平行な平面で切断した断面図である。図4では、外装部品2の取付片21及びその近傍領域、並びに車体3を部分的に示す。図4の紙面上下方向は、車幅方向に相当する。
主に図1を参照して、車体3の概要を説明する。
本例のバンパーカバーは、自動車等の車両において、前方かつ下方に、車幅方向に沿って設けられるフロントバンパーカバーである。フロントバンパーとは、自動車等の車両の前方かつ下方に設けられる衝撃吸収装置である。代表的には、フロントバンパーは、車幅方向に沿って配置されるリインフォース(図示せず)と、リインフォースの前面に配置されるアブソーバ(図示せず)と、リインフォース及びアブソーバを覆うバンパーカバーとを備える。フロントバンパーカバーは、車両の走行時、その前面から走行風を受ける。
主に図2を参照して、外装部品2を説明する。
外装部品2は、本体20と、本体20の裏面2bから突出する複数の取付片21,27とを備える。更に、本例の外装部品2は、外装部品2の周縁から立設されるフランジ部20fを備え、取付片21の台座部23はフランジ部20fに開口する。本例の外装部品2は、本体20、取付片21,27、及びフランジ部20fが一体に成形された樹脂成形体である。本例の外装部品2であるフォグランプを取り付けるベゼルは、フロントバンパーカバーに装着されると、車両の走行時、その前面から側面に流れるように走行風を受ける。
本例の本体20は、所定の形状(ここでは三角形状)を有する板状材である(図1も参照)。本例では、本体20の中央部にフォグランプ4が配置されるランプ用の貫通孔2hを備える(同)。貫通孔2hは、表面2f(図1,図4)から裏面2bを貫通する。本体20の表面2fは、意匠面として利用される。本体20の裏面2bは、車体3の表面3fのうち、取付箇所31を覆うように配置される。
取付片21は、先端部22と、台座部23とを備える。先端部22は、車体3の孔部32の開口縁に係合する(図4も参照)。台座部23は、取付片21の根元側に位置し、先端部22を支持する。
主に図3を参照して、リブ33及びその周辺構成を説明する。
車体3は、上述のように外装部品2の取付箇所31に、取付片21,27がそれぞれ嵌め込まれる凹部3rを備える。各凹部3rの形状、大きさは、各取付片21,27の台座部23の形状、大きさに応じて設けられる。図3(A)に示すように各凹部3rの底部には、上述のように孔部32が設けられる。外装部品の装着状態では、各孔部32に、各取付片21,27の先端部22が挿入される。各凹部3rを形成する内壁部は、各取付片21の台座部23の側壁部230及び連結壁部231、各取付片27の側壁部230及び上述の開口部を覆う。
外装部品2及び車体3を構成する樹脂は、公知のものを利用できる。また、外装部品2及び車体3は、射出成形といった公知の成形法によって製造できる。
外装部品2の取付片21,27の形成位置、個数、大きさ、形状等は適宜変更できる。車体3の外装部品2の取付箇所31における凹部3r、孔部32の形成位置、個数、大きさ、形状等は、外装部品2の取付片21,27の形成位置、個数、大きさ、形状等に応じて調整するとよい。リブ33の形成位置、個数、大きさ、形状等は、外装部品2の取付片21の形成位置、個数、台座部23の開口235の大きさ、形状等に応じて調整するとよい。
実施形態1の外装部品の取付構造1は、図2に示すように外装部品2の台座部23が外装部品2の周縁(ここではフランジ部20f)に開口する取付片21を備える。しかし、外装部品の取付構造1では、車体3がリブ33を備えており、リブ33が取付片21の台座部23の開口235を塞ぐ。そのため、図4に示すように、車両の走行時、走行風、特に風速が大きい走行風が、外装部品2の周縁と車体3における外装部品2の取付箇所31との間に生じる不可避的な隙間から、取付片21の台座部23内に侵入しようとしても、リブ33によって台座部23内への走行風の侵入を阻止できる。なお、図4の細線矢印は走行風の流れを模式的に示す。
上述した実施形態1の外装部品の取付構造1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
ここでの車体とは、走行風を受ける箇所を構成するものとする。走行風を受ける箇所として、例えば、フロントフェンダー、ボンネット、ルーフ、フロントドア、リアドア、リアフェンダー、アッパーレール、リアバンパー、フロントピラー、センターピラー、バックドア、トランクリッド、フロアパネル、ロッカーパネル等が挙げられる。かつ、ここでの車体とは、外装部品の取付箇所を有するものとする。外装部品の取付箇所を有するものとして、代表的には、上述の各部位におけるアウタパネルやカバー等が挙げられる。
例えば、バンパーカバーに取り付けられる外装部品として、上述のグリル3g、その他、ヘッドライトやイルミネーションランプ、各種センサ等を取り付けるベゼル、ガーニッシュ、フロントスポイラー等が挙げられる。
例えば、フロントドアやリアドアのアウタパネルに取り付けられる外装部品として、サイドストーンガード等が挙げられる。
その他の外装部品として、サイドモール、リヤスポイラー、ルーフレール、アンテナカバー、フェンダーアーチモール、エンジンアンダーカバー、フロアアンダーカバー等が挙げられる。
この形態の具体例として、台座部は外装部品の裏面に一体成形されており、先端部は台座部に対して着脱自在なクリップであることが挙げられる。
この形態の台座部、及びクリップは公知の構成を利用できる(例、特許文献2の図1参照)。台座部は、例えば、実施形態1で説明した台座部23と同様に、一対の側壁部、連結壁部、天井部を備える有底筒状であることが挙げられる。台座部の天井部には、クリップの首部が嵌め込まれる切欠を有する。台座部にクリップが取り付けられた状態では、天井部の切欠がクリップで塞がれるものの、側壁部の周縁等で形成される開口は塞がれず、開口したままである。この台座部の開口を車体のリブで塞ぐことで、実施形態1と同様に、台座部内への走行風の侵入に起因する空間共鳴の発生を防止できる。その結果、上記空間共鳴に起因する異音の発生を低減できる。
台座部の貫通孔は、例えば連結壁部等に設けたり(類似の構成として、特許文献2の図1参照)、連結壁部の周縁と外装部品の裏面との間に隙間を設けたりすることで形成することが挙げられる。貫通孔を備えることで、取付片の軽量化及び材料の低減、ひいては外装部品の軽量化、材料コストの低減を図れる。但し、台座部の内外に抜ける貫通孔を備えると、上述の外装部品の周縁と車体との隙間から侵入した風が貫通孔から台座部内を経て台座部の開口に抜ける、又はその逆に抜けることが考えられる。車体にリブを備えることで、このような走行風の通り抜けを防止できる。また、上記隙間から侵入した風が台座部内を通過する際に、流速を低減できる。これらのことから、台座部に貫通孔がある場合には、走行風の通り抜けに起因する風切り異音の発生を低減できると期待される。更に、上述の走行風の通り抜けを防止することで、走行風の通り抜け(吹き出し)に起因する車両表面からの走行風の剥離を防止できる。特に、車体がフロントバンパーカバーであれば、上記走行風の車両表面からの剥離防止によって、空力特性(Cd値)の向上が期待できる。上述のフォグランプ4等の光源からの光漏れも防止できる。
2 外装部品、20 本体、21,27 取付片、22 先端部、23,28 台座部
2f 表面、2b 裏面、2h 貫通孔、20f フランジ部
220 爪部、221 スリット、222 基部
230 側壁部、231 連結壁部、232 天井部、235 開口
3 車体、30 本体、31 取付箇所、32 孔部、33 リブ
3h 貫通孔、3a 開口、3f 表面、3g グリル、3r 凹部
4 フォグランプ
Claims (1)
- 外装部品の裏面から突出する取付片が車体に設けられた孔部に差し込まれた外装部品の取付構造であって、
前記取付片は、
前記孔部の開口縁に係合する先端部と、
前記取付片の根元側に位置し、前記先端部を支持する台座部とを備え、
前記台座部は、
前記外装部品の裏面との間に所定の空間を形成すると共に、前記外装部品の周縁に開口する門型片を備え、
前記車体は、
前記車体の表面における前記孔部の近傍から外方に突出して、前記台座部の開口を塞ぐリブを備える外装部品の取付構造。
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