JP6825507B2 - 低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法および低炭素鋼薄肉鋳片、並びに低炭素鋼薄鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)大気圧下での脱炭処理に引き続き減圧下での脱炭処理を行って、溶存酸素濃度を0.005〜0.035質量%とした溶鋼に、少なくともAl、Tiの1種または2種を添加して脱酸し、酸可溶Al濃度を0.05質量%以下、酸可溶Ti濃度を0.1質量%以下、かつ酸可溶Al濃度と酸可溶Ti濃度の合計を0%超に成分調整した後、さらにMgを0.0003〜0.01質量%、SeもしくはTeの少なくとも1種以上の合計を0.0002〜0.005質量%添加した溶鋼を双ロール式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
(2)大気圧下での脱炭処理後の溶鋼中のC濃度を0.05質量%以上0.1質量%以下とし、減圧下での脱炭処理後のC濃度を0.01質量%以上0.05質量%未満とすることを特徴とする(1)記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
(3)大気圧下での脱炭処理を転炉で行い、減圧下の脱炭処理を真空脱ガス装置で行うことを特徴とする(1)または(2)記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
(4)少なくともAl、Tiの1種または2種を添加して脱酸し、酸可溶Al濃度を0.05質量%以下、酸可溶Ti濃度を0.1質量%以下に成分調整すると共に、3分以上攪拌を行った後、Mgを0.0003〜0.01質量%、SeもしくはTeの少なくとも1種以上の合計を0.0002〜0.005質量%添加した溶鋼を双ロール式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
(6)さらにNb:0.05質量%以下、V:0.03質量%以下、Mo:0.03質量%以下、Ni:0.05質量%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする(5)に記載の低炭素鋼薄肉鋳片。
一般に、低炭素鋼は転炉等の大気圧下で酸素を吹き付けて脱炭処理し、最終C濃度の溶鋼を溶製している。脱炭処理後の溶鋼中にはC濃度に応じて多量の溶存酸素が含まれており、多い場合には0.1質量%を超える場合もある。この溶存酸素は通常Alの添加により殆ど脱酸されるため、溶鋼中には溶存酸素量に相当する多量のアルミナ介在物が生成し、溶鋼の清浄性を大きく低下させる。また、溶鋼中の溶存酸素濃度が高くなると、同時に取鍋スラグのFeO、MnO等の低級酸化物濃度も上昇するため、脱酸後にスラグによる溶鋼再酸化が生じ、アルミナ介在物量が更に増大する。このアルミナ介在物は溶鋼中で凝集合体しながら浮上分離していくが、タンディッシュ内でも溶鋼中の介在物量は全酸素濃度で0.004質量%程度もあり、溶鋼中には凝集合体で生成した数百μm程度にも達する大型のアルミナ介在物(アルミナクラスター)も含まれている。この溶鋼を双ロール式連続鋳造法で鋳造すると凝固時間が非常に短いため、通常のスラブ用連続鋳造装置とは大きく異なり、鋳型内での介在物浮上分離は殆ど期待できない。また、双ロール式連続鋳造用浸漬ノズルは吐出流を整流化する目的で、整流多孔ノズルやフィルターを設ける等の複雑な構造となっているため、通常の連続鋳造用浸漬ノズルに比べて多量の介在物がノズル内壁、吐出孔やフィルターに付着する。ノズル閉塞が発生すると、浸漬ノズルからの吐出流が不安定となり、ロール間の湯溜まり部で湯面変動に起因する介在物の再巻き込みが生じる。このように、双ロール式連続鋳造法で低炭素鋼を鋳造すると、加工時に割れ発生の原因となる多量のアルミナクラスターが薄肉鋳片内に捕捉されるため、これまで高品質な低炭素鋼薄鋼板を双ロール式連続鋳造法で製造することは非常に難しかった。
2Al+3O=Al2O3 (1)
C+O=CO (2)
比較的清浄性を高めた溶鋼中に強脱酸元素のMgを添加すると、溶鋼中のアルミナ介在物やチタニア介在物の一部または全体が還元され、少なくとも介在物表層にマグネシア、またはアルミナマグネシアスピネルが生成する。この介在物組成は低炭素溶鋼との界面エネルギーを大きく低下させるため、介在物のノズルやフィルター耐火物への付着と介在物同士の凝集合体を同時に抑制する。ここで、介在物制御に適正なMg添加量は、0.0003〜0.01質量%である。これは、Mgの添加量が0.0003質量%未満では、特にチタニア介在物よりも安定なアルミナ介在物で表層部をマグネシアまたはアルミナマグネシアスピネルに改質できないためである。反対にMgの添加量が0.01質量%を超えると介在物表層がマグネシア、アルミナマグネシアスピネルに改質されていても、強脱酸元素であるMgが溶存酸素を更に低下させ介在物と溶鋼との界面エネルギーを上昇させ粗大化とノズル付着を進行させてしまうためである。ここで、Mgの添加量が0.01質量%以下であれば酸化物界面には0.001質量%強の吸着酸素が残存しているが、強脱酸元素のMg添加量が0.01質量%を超えると酸化物界面の吸着酸素までが還元除去され、界面エネルギーを大きく上昇させるものと考えられる。
2.湯溜まり部
3.溶鋼
4.ノズル
5.タンディッシュ
6.薄肉鋳片
7.整流多孔ノズルまたはフィルター
Claims (7)
- 大気圧下での脱炭処理に引き続き減圧下での脱炭処理を行って、溶存酸素濃度を0.005〜0.035質量%とした溶鋼に、少なくともAl、Tiの1種または2種を添加して脱酸し、酸可溶Al濃度を0.05質量%以下、酸可溶Ti濃度を0.1質量%以下、かつ酸可溶Al濃度と酸可溶Ti濃度の合計を0%超に成分調整した後、さらにMgを0.0003〜0.01質量%、SeもしくはTeの少なくとも1種以上の合計を0.0002〜0.005質量%添加した溶鋼を双ロール式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
- 大気圧下での脱炭処理後の溶鋼中のC濃度を0.05質量%以上0.1質量%以下とし、減圧下での脱炭処理後のC濃度を0.01質量%以上0.05質量%未満とすることを特徴とする請求項1に記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
- 大気圧下での脱炭処理を転炉で行い、減圧下の脱炭処理を真空脱ガス装置で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
- 少なくともAl、Tiの1種または2種を添加して脱酸し、酸可溶Al濃度を0.05質量%以下、酸可溶Ti濃度を0.1質量%以下に成分調整すると共に、3分以上攪拌を行った後、Mgを0.0003〜0.01質量%、SeもしくはTeの少なくとも1種以上の合計を0.0002〜0.005質量%添加した溶鋼を双ロール式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
- 質量%で、C:0.01質量%以上0.05質量%未満、Si:0.005〜0.03質量%、Mn:0.6質量%以下、P:0.02質量%以下、S:0.01質量%以下、酸可溶Al:0.05質量%以下、酸可溶Ti:0.1質量%以下、かつ酸可溶Al濃度と酸可溶Ti濃度の合計が0質量%超、N:0.0005〜0.01質量%、Mg:0.0003〜0.01質量%、SeもしくはTeの少なくとも1種以上の合計:0.0002〜0.005質量%、全酸素濃度が0.002質量%以下であり、残部Fe及び不可避的不純物であり、直径30μm超の酸化物が5個/cm2未満であり、且つ等軸晶率が10%以上であることを特徴とする厚みが5mm以下の低炭素鋼薄肉鋳片。
- さらにNb:0.05質量%以下、V:0.03質量%以下、Mo:0.03質量%以下、Ni:0.05質量%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項5に記載の低炭素鋼薄肉鋳片。
- 請求項5又は請求項6に記載の低炭素鋼薄肉鋳片に、冷間圧延、再結晶温度以上での連続焼鈍を行い、引き続き調質圧延を施すことを特徴とする低炭素鋼薄鋼板の製造方法。
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