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JP6892500B2 - 赤外線温度センサ - Google Patents

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JP6892500B2
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Description

本発明は、検知対象物からの赤外線を検知して、検知対象物の温度を検知対象物に接触することなく測定する赤外線温度センサに関する。
検知対象物と接触することなく温度を検知する非接触形の赤外線温度センサは、例えばコピー機やプリンタなどの画像形成装置を構成するトナー定着器の温度を検知するのに用いられる。この赤外線温度センサは、記録紙と記録紙に静電気によって担持させたトナーとを回転しながら搬送するローラを傷つけることなくローラの温度を検知する。この赤外線温度センサは、赤外線検知素子と温度補償素子を備え、検知対象物であるローラの赤外線放射熱量を赤外線検知素子で検知し、さらに温度補償素子により雰囲気温度を検知することで温度補償して、ローラの温度を特定する。赤外線検知素子と温度補償素子は、熱変換フィルムに支持される。この熱変換フィルムは、赤外線が照射されると赤外線が持つエネルギーを熱に変換する。
定着器のローラの温度は、画像品質に大きく影響するので、赤外線温度センサは温度を正確に検知することが要求される。この要求に応える方策が種々提案されている。
例えば、特許文献1の赤外線温度センサは、赤外線検知素子に対応する導光域と温度補償素子に対応する遮光域を、略対称の形態にすることにより、赤外線の照射を除いて赤外線検知素子と温度補償素子が受ける熱エネルギーを同等にできる。これにより、特許文献1の赤外線温度センサは、赤外線の照射による熱エネルギーのみを正確に検知することを通じて、温度を正確に温度できる。
また、特許文献2は、温度の検知中に赤外線検知素子と温度補償素子を支持する熱変換フィルムが膨らみ変形することにより、赤外線の入射量や熱変換フィルムからの放熱量が変化し、赤外線温度センサの出力が変動する問題を解決する手段を提案する。
特許第5207329号公報 特許第5847985号公報
特許文献1及び特許文献2などの提案により赤外線温度センサに対する検知温度の正確性は向上するが、本発明者らの検討によれば、いまだ正確に温度を検知する余地がある。
そこで、本発明は、従来の赤外線温度センサでは考慮されていない要素を加味することで、より高い精度で温度を検知できる赤外線温度センサを提供することを目的とする。
本発明は、検知対象物から放射される赤外線に応じて、検知対象物の温度を非接触で検知する赤外線温度センサに関する。
本発明の赤外線温度センサは、検知対象物から放射される赤外線が照射され、照射された赤外線を熱に変換する熱変換フィルムと、熱変換フィルムに対向して配置され、検知対象物から放射された赤外線が熱変換フィルムの一部に照射されるのを遮る遮光域と、検知対象物から放射される赤外線が照射される熱変換フィルム上の領域に保持された赤外線検知素子と、遮光域により赤外線が遮蔽された熱変換フィルム上の領域に保持された温度補償素子と、検知対象物から放射された赤外線を赤外線検知素子が配置された領域へ導く導光域と、外部からの導光域を介した熱変換フィルムへの通気を遮蔽し、かつ赤外線を透過させる遮蔽体と、を備える、ことを特徴とする。
本発明者らは、赤外線温度センサによる検知温度にずれが生じる要因について検討を行ったところ、例えば画像形成装置を例にすると、装置内に生ずる対流、及び、装置内に設けられる冷却用のファンの回転による気流が検知温度のずれの一要因であることを知見した。つまり、この気流が導光域を通じて赤外線温度センサの内部に進入して、センサ内部の温度バランスを不安定にさせることで、検知温度にずれを生じさせる。
そこで、本発明の赤外線温度センサは、導光域を介した外部からの通気を遮蔽し、かつ赤外線を導光域に透過させる。
本発明における遮蔽体は、第1形態と第2形態の少なくとも二つの形態を含んでいる。二つの形態の前提として、熱変換フィルムを保持するとともに、導光域と遮光域が設けられるケースを備える。
第1形態は、ケースとは別体の遮蔽体がケースの所定位置に取り付けられる。
第2形態は、ケースが樹脂材料から一体的に形成されるとともに、遮蔽体がケースと一体をなしている。
第1形態において、遮蔽体は、赤外線を透過するケースとは別体のフィルム状素材からなり、熱変換フィルムから所定の間隔を隔てた導光域に設けることができる。その一例として、遮蔽体は、導光域の赤外線の入射口に設けられる。
また、本発明における遮蔽体は、導光域と遮光域を区画する成形体に一体的に設けてもよい。
第1形態における具体的なケースとしては、熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、導光域と遮光域が設けられる第1ケースと、熱変換フィルムのうら面側に設けられ、うら面側に赤外線検知素子と温度補償素子を収容する素子収容室を熱変換フィルムとの間に有する第2ケースと、を備える。赤外線検知素子と温度補償素子は、熱変換フィルムのうら面側に保持されて素子収容室に収容される。
このケースを備える赤外線温度センサは、導光域及び遮光域の少なくとも一方と素子収容室との間を連通する第1通気路と、導光域と遮光域との間を連通する第2通気路と、を備えることができる。
第2形態におけるケースは、赤外線を透過する樹脂材料からなり、遮光域に対応する部位は遮光処理がなされるか、又は、導光域に対応する部位は遮光域に比べて薄肉とされる。
第2形態におけるより具体的なケースは、熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、導光域と遮光域が設けられる第1ケースと、熱変換フィルムのうら面側に設けられ、うら面側に赤外線検知素子と温度補償素子を収容する素子収容室を熱変換フィルムとの間に有する第2ケースと、を備える。遮蔽体は、第1ケースと一体をなしている。
赤外線検知素子と温度補償素子は、熱変換フィルムのうら面側に保持されて素子収容室に収容される。
このケースを備える赤外線温度センサは、導光域及び遮光域の少なくとも一方と素子収容室との間を連通する第1通気路と、導光域と遮光域との間を連通する第2通気路と、を備える。
第1形態及び第2実施形態おける第1通気路は、導光域と遮光域の仕切りに設けることができるし、又は、導光域と遮光域の仕切りと熱変換フィルムとの間に設けることができる。
また、第2通気路は、熱変換フィルムの表裏を貫通して設けることができるし、又は、第1ケースと第2ケースを貫通して設けることもできる。
本発明の赤外線温度センサにおいて、ケースが、熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、導光域と遮光域を形成する第1ケースと、熱変換フィルムのうら面側に設けられ、うら面側に赤外線検知素子と温度補償素子を収容する素子収容室を熱変換フィルムとの間に有する第2ケースと、を備える場合に、熱変換フィルムのおもて面に臨む導光域と遮光域の体積と、熱変換フィルムのうら面に臨む素子収容室の体積と、を均等にすることができる。
本発明の赤外線温度センサにおいて、第1ケースは、おもて面及びうら面を有するケース基部と、ケース基部のおもて面及びうら面を貫通して形成される導光域と、ケース基部のおもて面の側から立ち上がる遮光ドームの内部に形成される遮光域と、を有するものにできる。
本発明の赤外線温度センサは、ケースが、熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、導光域と遮光域を形成する第1ケースと、熱変換フィルムのうら面側に、熱変換フィルムと対向するように設けられる偏平な第2ケースと、を備えることができる。
第1ケースと第2ケースを備える本発明の赤外線温度センサは、内部の気密性を確保するために、第1ケースと第2ケースとが互いに突き合わされる境界部分を気密に封止する封止構造を備える、ことが好ましい。
本発明の赤外線温度センサは、遮蔽体に光学的機能を持たせることができる。光学的機能としては、レンズ機能又はフィルタ機能が掲げられる。
本発明の赤外線温度センサは、導光域を介した外部からの通気を遮蔽し、かつ赤外線を導光域に透過させる遮蔽体を備える。これにより、本発明の赤外線温度センサは、装置内に生ずる対流、及び、装置内に設けられる冷却用のファンの回転による気流が導光域を通じて赤外線温度センサの内部に進入して、センサ内部の温度バランスを不安定にさせるのを防ぐことができる。
本発明の第1実施形態に係る赤外線温度センサを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 第1実施形態に係る赤外線温度センサを示し、(a)は図1のII(a)−II(a)線矢視断面図、(b)は図1のII(b)−II(b)線矢視断面図である。 第1実施形態に係る赤外線温度センサの作用及び効果を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る赤外線温度センサを示す、図2(a)に対応する断面図である。 第2実施形態に係る赤外線温度センサを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 第2実施形態に係る赤外線温度センサを示し、(a)は図1のV(a)−V(a)線矢視断面図、(b)は赤外線吸収成形体の平面図、(c)はは赤外線吸収成形体の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る赤外線温度センサを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。 第3実施形態に係る赤外線温度センサを示し、図7のVIII−VIII線矢視断面図である。 本発明に含まれる他の実施形態を示す図である。 本発明に含まれるさらに他の実施形態を示す図である。 本実施形態にかかる定着器の概略構成を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面に示す第1実施形態に係る赤外線温度センサ1に基づいて本発明を詳細に説明する。
赤外線温度センサ1(以下、単に温度センサ1)は、図1及び図2に示すように、第1ケース20と、第1ケース20のうら面側に組み付けられる第2ケース30と、第1ケース20と第2ケース30の間に保持される熱変換フィルム40と、それぞれが熱変換フィルム40に支持される赤外線検知素子43と温度補償素子45と、を備えている。
温度センサ1は、例えば図11に示されるように、コピー機やプリンタ等の画像形成装置を構成するトナー定着器101の定着手段としてのローラ102の温度を、ローラ102から放射される赤外線を赤外線検知素子43で検知し、さらに温度補償素子45により雰囲気温度を検知することで温度補償して、ローラ102の温度を非接触で検知するセンサである。
トナー定着器101は、定着手段としてのローラ102と、加圧手段としてのローラ103と、を備えている。なお、温度センサ1により加圧手段としてのローラ103の温度を検知することもできる。なお、本実施形態の温度センサ1において、検知対象物に対向する側をおもて面側と定義する。
画像形成装置の内部には画像形成装置を構成する機器類の温度差があるために、対流が生じる。また、画像形成装置の内部には機器類を冷却するためのファンが設けられている。したがって、温度センサ1が設けられる雰囲気に気流が生じるが、本実施形態の温度センサ1は、この気流を受けても検知温度の精度が落ちるのを防ぐ構成を備えているところに特徴を有する。
以下、温度センサ1の要素を順に説明した後に、温度センサ1の特徴に言及する。
[第1ケース20]
第1ケース20は、図1(a)〜(c)に示すように、矩形の平面形状を有する基部21と、基部21からおもて面側に向けて突出する外形が直方体状の胴部22と、を備えている。第1ケース20は、例えばアルミニウム、銅のように熱伝導率の高い金属材料により基部21と胴部22とが一体的に形成されている。ただし、高熱伝導率の金属材料は望ましい形態であるが、本発明はこれに限定されるものではない。第2ケース30も同様である。
胴部22は、基部21から立ち上る側壁23と、側壁23の先端に設けられる上壁24と、を備え、その内部にはキャビティ25が形成されている。このキャビティ25は、概ね胴部22と相似形の直方体の形状をなしている。このキャビティ25は第1ケース20(基部21)のうら面側を貫通している。
キャビティ25は、おもて面側において、一部は上壁24に矩形状に開放される赤外線入射口29を介して上壁24を貫通するが、赤外線入射口29以外の部分は上壁24により閉塞されている。
また、キャビティ25は、上壁24から垂れ下がる仕切り26により2つの領域に区画される。一方の空間領域が導光域27をなし、他方の空間領域が遮光域28をなす。導光域27は、入射した赤外線が熱変換フィルム40まで通過するのを許容する。遮光域28は、上壁24に照射された赤外線及び導光域27に入射した赤外線が熱変換フィルム40に照射されるのを妨げる。仕切り26は導光域27に入射した赤外線が熱変換フィルム40に照射されるのを妨げる。ただし、仕切り26の先端と熱変換フィルム40の間には微小な隙間が設けられておりこの隙間が第2通気路48を構成する。
導光域27と遮光域28は、仕切り26を基準にしてほぼ対称の形態をなしている。ここでいう対象の形態とは、導光域27と遮光域28のそれぞれを平面視した形状及び寸法が同じであり、かつ、その体積が同じであることをいう。
第1ケース20は、赤外線入射口29を封止する遮蔽体60を備えている。この遮蔽体60は、前述した第1形態に該当する。
遮蔽体60は、赤外線を透過するが気流を遮蔽するフィルム状の部材であり、赤外線透過率の高い固体材料を用いることができる。典型的には、PPS(Poly Phenylene Sulfide:ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)などの樹脂材料を用いることができるが、Si単結晶、Ge単結晶などの単結晶材料も遮蔽体60として用いることができる。
遮蔽体60は、特定の波長の赤外線を透過する材料から構成されていてもよい。また、遮蔽体60がレンズを構成していてもよい。
遮蔽体60を第1ケース20の先端に固定する手段は任意であり、接着剤又は粘着剤により固定できるし、溶着により固定することもできる。
遮蔽体60は、赤外線入射口29を封止できる形状及び寸法を有していればよく、例えば本実施形態のように赤外線入射口29の周囲を覆う形状及び寸法でよいが、上壁24の全域を覆う形状及び寸法を有していてもよい。このように遮蔽体60が赤外線入射口29を覆うように上壁24に設ける形態は、遮蔽体60の取付けが容易である。
[第2ケース30]
第2ケース30は、図1及び図2に示すように、矩形の平面形状を有する基部31と、基部31からうら面側に向けて突出する素子収容部32と、を備えている。
基部31は、形状及び寸法が第1ケース20の基部21とほぼ同一に形成されている。そして、第1ケース20と第2ケース30は、基部21と基部31が互いの周縁が一致するように位置決めされ、熱変換フィルム40を間に挟んで気密に接合される。
第1ケース20と第2ケース30は、例えばかしめにより接合される。かしめによっても第1ケース20と第2ケース30は気密に接合できるが、基部21と基部31の境界部分に樹脂材料を埋めることにより、境界部分を封止する構造を備えることが好ましい。この樹脂材料として接着剤を用いることもできる。
素子収容部32には、おもて面側に開口する素子収容室33が形成される。熱変換フィルム40に支持される赤外線検知素子43及び温度補償素子45は、素子収容室33を向いて配置される。赤外線検知素子43及び温度補償素子45は、素子収容部32の底床34との直接的な接触が素子収容室33の存在により避けられる。つまり、素子収容室33内に含まれる空気が断熱層の役割を果たし、赤外線検知素子43及び温度補償素子45への外部、特に温度センサ1のうら面側からの熱影響を最小限に抑える。もっとも、本発明において、空気による断熱層を設けることは望ましい形態ではあるが、赤外線検知素子43及び温度補償素子45が第2ケース30と直接接触する形態を排除しない。
[熱変換フィルム40]
熱変換フィルム40は、赤外線が照射されると赤外線が持つエネルギーを熱に変換し、変換された熱が赤外線検知素子43に伝達されることにより、赤外線検知素子43により温度が検知される。
熱変換フィルム40は、赤外線検知素子43と温度補償素子45を保持する。なお、赤外線検知素子43と温度補償素子45は、図示を省略する配線パターンに電気的に接続されている。
熱変換フィルム40が第1ケース20と第2ケース30の間に保持されると、赤外線検知素子43と温度補償素子45は、図2(a)に示すように、第2ケース30の素子収容室33の内部に配置される。特に、本実施形態においては、赤外線検知素子43と温度補償素子45が、幅方向Wの中心である仕切り26を基準に線対称の位置に配置される。
熱変換フィルム40は、高分子材料からなる樹脂により形成される。赤外線を吸収する材料であれば樹脂の材質は問われず、PPS(ポリフェニレンスルフィド),ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン等の公知の樹脂を用いることができる。また、赤外線を吸収する材料であれば、樹脂以外の材料を用いることもできる。
また、熱変換フィルム40は、その厚さは任意であるが、赤外線吸収率を向上できること、及び、第1ケース20と第2ケース30の間に保持させる作業の際にしわが形成されるのを防ぐこと、を考慮すると、5〜50μm程度の厚さにすることが好ましい。
熱変換フィルム40は、導光域27に対応する領域及び遮光域28に対応する領域のそれぞれに、表裏を貫通する第1通気路47,47が設けられている。この第1通気路47,47を通って、導光域27及び遮光域28と素子収容室33が連通して両者間の空気の流れが可能とされる。
[赤外線検知素子43及び温度補償素子45]
赤外線検知素子43は、検知対象物であるローラ102の表面から放射された赤外線が熱変換フィルム40に吸収されて生ずる熱による温度上昇を検知し、温度補償素子45は雰囲気温度を検知する。
赤外線検知素子43及び温度補償素子45としては、小型の例えば薄膜サーミスタ、白金温度センサ等の温度係数を持つ抵抗体を広く使用できる。
赤外線検知素子43は、ローラ102から放射される赤外線に加えて雰囲気温度(第1ケース20、第2ケース30を含む)を検知し、温度補償素子45は、雰囲気温度を検知するので、各素子の熱影響としては下記のようになるのが理想的である。
赤外線検知素子−温度補償素子=
(「直接輻射」+「熱伝導」+「対流」+「再輻射」)−(「熱伝導」+「対流」+「再輻射」)
この時、検知対象物からの熱影響の内、赤外線検知素子43と温度補償素子45の影響の差は、赤外線の「直接輻射」のみとなり、検知対象物から発せられる赤外線を正確に検知できる。ただし、赤外線検知素子43における「熱伝導」+「対流」+「再輻射」による熱影響と、温度補償素子45による「熱伝導」+「対流」+「再輻射」における熱影響が同じであることが前提となる。
したがって、この赤外線検知素子43と温度補償素子45における熱伝導、対流及び再輻射による熱影響を同じにすることが望まれる。
赤外線検知素子43と温度補償素子45は、好ましくは、仕切り26を基準に線対称の位置に配置される。
[温度センサ1]
温度センサ1は、図1に示すように、第1ケース20と第2ケース30が、基部21と基部31が互いの周縁が一致するように位置決めされ、熱変換フィルム40を介して気密に接合される。この接合部分により第1ケース20と第2ケース30の内部が外部に対して封止され、内部と外部の間のエアの流通が阻止される。
温度センサ1は、熱変換フィルム40が第1ケース20と第2ケース30により保持されると、平面視して、赤外線検知素子43は導光域27の略中央に配置され、温度補償素子45は遮光域28の略中央に配置される。しかも、導光域27と遮光域28が、略対称の形態をなしている。したがって、赤外線検知素子43及び温度補償素子45が受ける熱影響を、ローラ102からの赤外線の照射を除けば、略同等にすることができる。
温度センサ1は、図13に示すように、第1ケース20のおもて面側が検知対象物であるローラ102に対向するように配置される。
ローラ102から放射される赤外線は温度センサ1の特に第1ケース20に照射されるが、赤外線入射口29に対応する領域に照射された赤外線は遮蔽体60を透過して、導光域27に進入し、さらに導光域27を通過した後に導光域27に対応する熱変換フィルム40の領域に照射される。導光域27に進入した赤外線は、仕切り26に遮られるので、遮光域28に進入することができない。
一方、第1ケース20の上壁24に照射された赤外線は上壁24を透過することができないので、遮光域28に赤外線が進入することはない。
以上より、赤外線検知素子43は、ローラ102から放射される赤外線に加えて雰囲気温度(第1ケース20、第2ケース30を含む)を検知するのに対して、温度補償素子45は、雰囲気温度のみを検知する。したがって、赤外線検知素子43による検知温度と温度補償素子45の検知温度の差分をとることにより、赤外線の照射による熱エネルギーのみを正確に検知することができる。
[温度センサ1の作用及び効果]
次に、図3を参照して、温度センサ1が奏する作用及び効果を説明する。
温度センサ1は、おもて面側を向いている赤外線入射口29が遮蔽体60で封止されているので、画像形成装置の内部にファンによる気流及び対流による気流Fによる外乱が生じる環境下に置かれても、赤外線入射口29から気流Fが導光域27に進入するのを防ぐことができる。しかも、温度センサ1は、導光域27、遮光域28及び素子収容室33が温度センサ1の外部に対して気密に保たれているので、導光域27、遮光域28及び素子収容室33にも気流Fが進入することがない。
したがって、温度センサ1によれば、気流Fなどの外乱により温度センサ1の内部の温度が不均一になるのを抑えることができる。
以上のように、導光域27を含めた温度センサ1の内部を気密にすることにより外乱の影響を抑えることができる。ところが気密構造を採用することで、熱変換フィルム40を基準として、おもて面側に位置する導光域27及び遮光域28における空気の膨張量とうら面側に位置する素子収容室33における空気の膨張量に差が生じることがある。そうすると、熱変換フィルム40は当初の偏平な形態から湾曲した形態に変形してしまい、これが検知温度の誤差の要因となり得る。以下、より具体的に説明する。
図3(b)に示す温度センサ110は、熱変換フィルム40のおもて面に臨む導光域27と遮光域28を合わせた体積をV11、熱変換フィルム40のうら面に臨む素子収容室33の体積をV12(ただし、V11>V12)とする。この体積V11,V12は常温T1における値であり、常温T1における熱変換フィルム40は偏平をなしている。なお、図3(b)の温度センサ110は、第1通気路47,47を備えていない。
常温T1であった温度センサ110の全体が均一な温度T2まで温まったときの、導光域27と遮光域28の合計の体積をV21とし、素子収容室33の体積をV22とする。シャルルの法則により、体積V12に対する体積V22の体積増加よりも体積V11に対する体積V21の体積増加の方が大きいので、図3(b)に示すように、熱変換フィルム40は素子収容室33に向けて湾曲する。
ところが、図3(a)に示すように、温度センサ1は、熱変換フィルム40に第1通気路47を備えているので、体積V11が体積V12よりも大きいとしても、導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできる。これにより、熱変換フィルム40の変形を防止できる。なお、導光域27と遮光域28は、仕切り26の先端と熱変換フィルム40の間は接合されておらず、かつ、微小な隙間からなる第2通気路48が設けられているので、この第2通気路48及び第1通気路47により導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間は空気の流通が可能となっている。
以上説明した通りであり、温度センサ1は、外乱の影響を遮蔽体60で排除するとともに、導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできるので、外乱が生じる環境下の温度をより正確に検知することができる。
[第2実施形態]
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態に係る赤外線温度センサ2を説明する。
赤外線温度センサ2は、基本的な構成が温度センサ1と一致するが、熱変換フィルム40の湾曲を防止する具体的な解決手段が温度センサ1と相違する。そこで、以下では温度センサ1との相違点を中心に赤外線温度センサ2を説明する。なお、赤外線温度センサ2において温度センサ1と同じ構成要素については温度センサ1と同じ符号を図面に付してその説明を省略することがある。
赤外線温度センサ2は、第1通気路47,47を備えていない。ところが、赤外線温度センサ2は、導光域27と遮光域28を合わせた体積V11と素子収容室33の体積V12とが等しくなるように作製されている。したがって、赤外線温度センサ2は、温度T2まで温められても、体積V21と体積V22も等しいので、熱変換フィルム40の湾曲を防ぐことができる。
[第3実施形態]
次に、図5及び図6を参照して本発明の第3実施形態に係る赤外線温度センサ3を説明する。
赤外線温度センサ3も基本的な構成が温度センサ1と一致するが、装置内に生ずる対流及びファンの回転による気流に対する具体的な解決手段が相違する。なお、赤外線温度センサ3において温度センサ1と同じ構成要素については温度センサ1と同じ符号を図面に付してその説明を省略することがある。
赤外線温度センサ3は区画成形体50を備える。
区画成形体50は、図5及び図6に示されるように、直方体状の外形を有し、外周をなす側壁51を備える。また、区画成形体50は、側壁51に取り囲まれ、かつ区画壁52により区画される第1空隙53と第2空隙54を備えている。第1空隙53と第2空隙54は、高さ方向(胴部22内に配置された状態では前後方向)に貫通し、区画壁52を基準にしてほぼ対称の形態をなしている。側壁51は、第1空隙53に対応する部分が、第2空隙54に対応する部分よりも前方に向けて突出している。
また、区画成形体50は、第1空隙53に対応する領域に遮蔽体60を備える。遮蔽体60は、区画成形体50と一体的に成形されてもよいし、区画成形体50と別体として成形された後に区画成形体50の当該位置に組み付けられてもよい。いずれにしても遮蔽体60は、構造上は区画成形体50と一体をなしている。
以上の構成を備える区画成形体50は、第1ケース20の胴部22の内部に装着される。区画成形体50は、第1空隙53が胴部22の内部で赤外線入射口29を介して上壁24を貫通する領域の側に配置され、第2空隙54が胴部22の内部で上壁24により閉塞される側に配置される。赤外線検知素子43及び温度補償素子45を基準にすると、第1空隙53は赤外線検知素子43に対応する側に配置され、第2空隙は温度補償素子45に対応する側に配置される。
以上のように配置された区画成形体50において、第1空隙53は赤外線入射口29から入射される赤外線が熱変換フィルム40に到達するまで通過する導光域27を構成する。また、第2空隙54は、側壁51、区画壁52、上壁24及び熱変換フィルム40に取り囲まれることにより赤外線の照射が遮られる遮光域28を構成する。第1空隙53と第2空隙54は前述したように略対称の形態をなしているので、導光域27と遮光域28もまた略対称の形態をなすことになる。そして、熱変換フィルム40が第1ケース20と第2ケース30により保持されると、平面視して、赤外線検知素子43は導光域27の略中央に配置され、温度補償素子45は遮光域28の略中央に配置される。したがって、赤外線温度センサ3においても、赤外線検知素子43及び温度補償素子45が受ける熱影響を、ローラ103からの赤外線の照射を除けば、同等にすることができる。赤外線検知素子43及び温度補償素子45を配置した熱変換フィルム40と、第2ケース30とは、熱伝導、対流及び赤外線の再輻射による熱影響が同じになるように、所定の距離を設けて平行に配置される。
区画成形体50は樹脂材料で製造される。
この樹脂材料として赤外線吸収率の高い樹脂材料で形成すれば、第1ケース20の胴部22に配置することで、胴部22の内壁面から反射する赤外線、及び、加熱された胴部22から発せられる赤外線による影響が赤外線検知素子43及び温度補償素子45に及ぶのを回避又は抑制できる。
赤外線温度センサ3は、遮蔽体60を備えているので外乱の影響を排除できる。また、赤外線温度センサ3は、温度センサ1と同様にも熱変換フィルム40に第1通気路47を備えており、導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできるので、外乱が生じる環境下の温度をより正確に検知することができる。
また、赤外線温度センサ3は、区画成形体50と遮蔽体60が一体化されているので、区画成形体50を組み付けるだけで所望する位置に遮蔽体60を装着できる。
[第4実施形態]
次に、図7及び図8を参照して本発明の第4実施形態に係る赤外線温度センサ4を説明する。
赤外線温度センサ4は、温度センサ1〜3に比べて小型化することを目的として作製されており、第1ケース120及び第2ケース130はともに板金加工により形成される。
第1ケース120は、図7に示すように、ケース基部121のおもて面211から突出する遮光ドーム122と、遮光ドーム122と幅方向Wに隣接して設けられ、平面視した開口形状が矩形の赤外線入射口129と、を備えている。
遮光ドーム122は、図8に示すように、外殻が四角錐台状に形成されている。遮光ドーム122は、ケース基部121から傾斜して立ち上る側壁123と、側壁123の先端を繋ぐ上壁124と、を備えている。
遮光ドーム122は、その内部の四角錐台状の空隙が遮光域128をなしている。遮光域128は、四角錐台状の空隙からなるので、平面視した形状は矩形をなしおり、うら面212の側から上壁124、つまり先端に向けて先細りしている。
次に、赤外線入射口129は、図7(a),図8に示すように、ケース基部121のおもて面211に形成されている。
ケース基部121は、おもて面211の開口である赤外線入射口129からうら面212までが貫通することにより、赤外線入射口129に連なる導光域127を備える。
赤外線入射口129及び導光域127は、平面視した形状が矩形をなしているが、遮光ドーム122の遮光域128を平面視した形状と相似形をなしている。
赤外線入射口129及び導光域127と遮光ドーム122とは、図7(a)及び図8に示すように、互いの一つの辺同士が対向するように、かつ、互いの長手方向Lの中央が一致するように、幅方向Wに微小間隔を隔てて並んで配列されている。
図8に示すように、導光域127と遮光域128の境界部分には、側壁123の裾の部分が導光域127と遮光域128を区画する仕切り152として機能しており、この仕切り152により、導光域127に入射した赤外線が遮光域128に照射されるのを遮る。図中の下端である仕切り152の先端は熱変換フィルム40と微小な間隔が設けられている。
第1ケース120は、例えばアルミニウム、銅のように熱伝導率の高い金属材料により、ケース基部121と遮光ドーム122及び赤外線入射口129を含む導光域127とが一体的に形成される。第2ケース130も同様である。
本実施形態において、遮光域128と導光域127は、容積が同等に形成されている。
次に、第2ケース130は、図7(b),(c)に示すように、平面視した形状が矩形のカバー基部131と、カバー基部131のうら面212から突出する素子収容ドーム132と、を備えている。
素子収容ドーム132は、図8に示すように、その内部の四角錐台状の空隙が素子収容室133をなしている。
また、素子収容ドーム132は、図8に示すように、素子収容室133の内部に、熱変換フィルム40に保持される赤外線検知素子43及び温度補償素子45が配置される。
赤外線温度センサ4は、赤外線入射口129が遮蔽体60で封止されているので、温度センサ1〜3と同様に、遮蔽体60を備えているので外乱の影響を排除できる。また、赤外線温度センサ4は、温度センサ1と同様にも熱変換フィルム40に第1通気路47を備えており、かつ、仕切り152の先端が熱変換フィルム40と微小な間隔が設けられている。これにより、赤外線温度センサ4においても、導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできるので、外乱が生じる環境下の温度をより正確に検知することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に置き換えたりすることができる。
例えば、第1実施形態〜第4実施形態は遮蔽体60が熱変換フィルム40から離れた導光域27の先端に設けられる例を示しているが、本発明はこれに限らない。
本発明は、例えば図9(a)に示すように、導光域27の先端から離れ、熱変換フィルム40から所定の間隔だけ離れた位置であって、導光域27の内部に遮蔽体60を設けてもよく、この形態においても外乱の影響を抑えることができる。
次に、第1実施形態〜第4実施形態は熱変換フィルム40の導光域27と遮光域28のそれぞれに対応する第1通気路47,47を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。
本発明は、例えば図9(b)に示すように、遮光域28に対応する位置だけに第1通気路47を設けてもよい。この形態によっても、導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできる。
また、第1実施形態〜第4実施形態は熱変換フィルム40に第1通気路47を設ける例を示したが、本発明はこれに限らない。
本発明は、例えば図9(c)に示すように、第1通気路47を熱変換フィルム40ではなく第1ケース120と第2ケース30を貫通して設けてもよく、この形態によっても導光域27、遮光域28及び素子収容室33の3つの空間の圧力を等しくできる。
また、図示を省略するが、第2通気路48は、仕切り26と熱変換フィルム40の間ではなく、仕切り26の表裏を貫通するように設けることもできる。
また、第1実施形態〜第4実施形態は熱変換フィルム40のうら面側に第2ケース30,130を設けることで素子収容室33を形成する例を示したが、本発明はこれに限らない。
例えば図10(a)に示すように、熱変換フィルム40のおもて面の側に赤外線検知素子43と温度補償素子45を設ける。加えて、素子収容室33を形成する第2ケース130の代わりに、偏平な金属製の背板35を熱変換フィルム40のうら面側に対向して設けることで、熱変換フィルム40を第1ケース120と背板35で支持してもよい。この背板35は、熱変換フィルム40と接しているために、熱変換フィルム40が湾曲するのを阻止できる。また、この背板35は、赤外線が熱変換フィルム40を透過して外部に放射されることにより熱変換効率が低下するのを阻止する。
また、第1実施形態〜第4実施形態は第1ケース20と別体として用意された遮蔽体60を第1ケース20の所定位置に取り付ける第1形態の例を示したが、本発明はこれに限らない。
例えば図10(b)に示すように、遮蔽体60が第1ケース20と一体をなす第2形態を適用できる。この第2形態は、赤外線を透過できる樹脂材料により遮蔽体60を含めて第1ケース20を一体成形する。なお、第2ケース30は金属材料で構成されてもよいし、樹脂材料で構成されてもよい。
図10(b)の例は遮光域28を確保するために、赤外線入射口29に対応する部分を除いて、赤外線の透過を阻止する材料又は赤外線を反射させる材料からなる赤外線不透過膜61を側壁23及び上壁24に設ける。なお、図10(b)において、太い線の部分が赤外線不透過膜61を示している。赤外線の透過を阻止する材料としては、金属、樹脂、セラミックスなどから適宜選択できる。
赤外線不透過膜61を設ける以外にも、上壁24の肉厚を変えることによっても、導光域27及び遮光域28を確保できる。つまり、上壁24の導光域27に対応する部分の肉厚を薄くすることにより赤外線の透過を許容するが、上壁24の遮光域28に対応する部分及びその他の側壁23の部分の肉厚を厚くすることにより赤外線の透過を阻止することができる。
また、本発明は、遮蔽体60に光学的機能を持たせることができる。この光学的機能としては、レンズとしての第一機能及び光学的フィルタとしての第二機能がある。
第一機能の具体例として、フレネルレンズを採用できる。フレネルレンズは表裏の一方の面に複数の同心円状の溝が刻まれ、他方の面は平坦面とされている。赤外線検知素子43に対向する側に同心円状の溝の形成面を配置し、熱源としてのローラ102に対向する側に平坦面を配置すれば、赤外線が平行光線束として導光域27を通過して熱変換フィルムに照射される。これにより、導光域27に入射した赤外線が側壁23の内面から吸収されるのを抑制できるので、高い精度で温度を検知できる。
また、第一機能の具体例として、凹レンズ又は凸レンズを採用できる。そうすれば、赤外線温度センサの外部の特定の波長域の赤外線だけを導光域27に導くことができる。これにより、レンズの仕様及びローラ102からの距離、角度などの条件を適切に設定すれば、熱源としてのローラ102に起因する赤外線を選択的に導光域27に導くことができるので、高い精度で温度を検知できる。
第二機能は、赤外線は透過するが可視光線の透過を阻止する。さらに、第二機能は赤外線の中の特定の波長域だけを透過させる一方、当該波長域以外の波長の赤外線の透過を阻止する。これにより、検知したい領域の波長の赤外線だけを導光域27を通じて熱変換フィルム40に照射できる。したがって、当該波長域を適切に選択することにより、熱源としてのローラ102に起因する赤外線が選択的に熱変換フィルム40に導かれるので、高い精度で温度を検知できる。
1,2,3,4,110 赤外線温度センサ
20 第1ケース
21 基部
22 胴部
23 側壁
24 上壁
25 キャビティ
27 導光域
28 遮光域
29 赤外線入射口
30 第2ケース
32 素子収容部
33 素子収容室
34 底床
35 背板
40 熱変換フィルム
43 赤外線検知素子
45 温度補償素子
47 第1通気路
48 第2通気路
50 区画成形体
51 側壁
52 区画壁
53 第1空隙
54 第2空隙
60 遮蔽体
101 トナー定着器
102,103 ローラ
120 第1ケース
121 ケース基部
122 遮光ドーム
123 側壁
124 上壁
127 導光域
128 遮光域
129 赤外線入射口
130 第2ケース
131 カバー基部
132 素子収容ドーム
133 素子収容室
152 区画壁

Claims (14)

  1. 検知対象物から放射される赤外線に応じて、前記検知対象物の温度を非接触で検知する赤外線温度センサであって、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射され、照射された前記赤外線を熱に変換する熱変換フィルムと、
    前記熱変換フィルムに対向して配置され、前記検知対象物から放射された前記赤外線が前記熱変換フィルムの一部に照射されるのを遮る遮光域と、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射される前記熱変換フィルム上の領域に保持された赤外線検知素子と、
    前記遮光域により前記赤外線が遮蔽された前記熱変換フィルム上の領域に保持される温度補償素子と、
    前記検知対象物から放射された前記赤外線を前記赤外線検知素子が配置された前記領域へ導く導光域と、
    外部からの前記導光域を介した前記熱変換フィルムへの通気を遮蔽し、かつ前記赤外線を透過させる遮蔽体と、
    前記熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、前記検知対象物から放射される前記赤外線が入射する赤外線入射口を有する前記導光域と前記遮光域が仕切りを隔てて設けられる第1ケースと、
    前記第1ケースにおける前記熱変換フィルムのおもて面と前記仕切りとの間に設けられる、前記導光域と前記遮光域とを繋ぐ第2通気路と、
    を備え、
    前記遮蔽体は、前記赤外線入射口を外側から覆って封止するように前記第1ケースに固定され、外部からの前記導光域を介した前記熱変換フィルムへの通気を遮蔽するが前記赤外線は透過させる、
    ことを特徴とする赤外線温度センサ。
  2. 前記遮蔽体は、
    前記赤外線を透過する前記第1ケースとは別体のフィルム状素材からなり、前記熱変換フィルムから所定の間隔を隔てた前記導光域に設けられる、
    請求項1に記載の赤外線温度センサ。
  3. 検知対象物から放射される赤外線に応じて、前記検知対象物の温度を非接触で検知する赤外線温度センサであって、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射され、照射された前記赤外線を熱に変換する熱変換フィルムと、
    前記熱変換フィルムに対向して配置され、前記検知対象物から放射された前記赤外線が前記熱変換フィルムの一部に照射されるのを遮る遮光域と、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射される前記熱変換フィルム上の領域に保持された赤外線検知素子と、
    前記遮光域により前記赤外線が遮蔽された前記熱変換フィルム上の領域に保持される温度補償素子と、
    前記検知対象物から放射された前記赤外線を前記赤外線検知素子が配置された前記領域へ導く、前記赤外線の入射口を備える導光域と、
    外部からの前記導光域を介した前記熱変換フィルムへの通気を遮蔽し、かつ前記赤外線を透過させる遮蔽体と、
    前記熱変換フィルムを保持するとともに、前記導光域と前記遮光域が設けられるケースと、を備え、
    前記ケースは、
    前記熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、前記導光域と前記遮光域が設けられる第1ケースと、
    前記熱変換フィルムのうら面側に設けられ、前記うら面側に前記赤外線検知素子と前記
    温度補償素子を収容する素子収容室を前記熱変換フィルムとの間に有する第2ケースと、
    を備え、
    前記遮蔽体は、
    前記導光域と前記遮光域を区画する成形体に一体的に設けられる、
    ことを特徴とする赤外線温度センサ。
  4. 前記赤外線検知素子と前記温度補償素子は、前記熱変換フィルムの前記うら面側に保持されて前記素子収容室に収容され、
    前記導光域及び前記遮光域の少なくとも一方と前記素子収容室との間を連通する第1通気路と、
    前記導光域と前記遮光域との間を連通する第2通気路と、を備える、
    請求項3に記載の赤外線温度センサ。
  5. 検知対象物から放射される赤外線に応じて、前記検知対象物の温度を非接触で検知する赤外線温度センサであって、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射され、照射された前記赤外線を熱に変換する熱変換フィルムと、
    前記熱変換フィルムに対向して配置され、前記検知対象物から放射された前記赤外線が前記熱変換フィルムの一部に照射されるのを遮る遮光域と、
    前記検知対象物から放射される前記赤外線が照射される前記熱変換フィルム上の領域に保持された赤外線検知素子と、
    前記遮光域により前記赤外線が遮蔽された前記熱変換フィルム上の領域に保持される温度補償素子と、
    前記検知対象物から放射された前記赤外線を前記赤外線検知素子が配置された前記領域へ導く導光域と、
    前記熱変換フィルムのおもて面側に設けられる、赤外線を透過する樹脂材料製の第1ケースと、を備え、
    前記遮光域に対応する部位は赤外線不透過膜が設けられる、
    ことを特徴とする赤外線温度センサ。
  6. 前記熱変換フィルムを保持するとともに、前記導光域と前記遮光域が設けられるケースを備え、
    前記ケースは、
    前記熱変換フィルムのおもて面側に設けられ、前記導光域と前記遮光域が設けられる前記第1ケースと、
    前記熱変換フィルムのうら面側に設けられ、前記うら面側に前記赤外線検知素子と前記温度補償素子を収容する素子収容室を前記熱変換フィルムとの間に有する第2ケースと、
    を備え、
    前記赤外線検知素子と前記温度補償素子は、前記熱変換フィルムの前記うら面側に保持されて前記素子収容室に収容され、
    前記導光域及び前記遮光域の少なくとも一方と前記素子収容室との間を連通する第1通気路と、
    前記導光域と前記遮光域との間を連通する第2通気路と、を備える、
    請求項5に記載の赤外線温度センサ。
  7. 前記第1通気路は、
    前記導光域と前記遮光域の仕切りに設けられるか、又は、
    前記導光域と前記遮光域の前記仕切りと前記熱変換フィルムとの間に設けられる、
    請求項4又は請求項6に記載の赤外線温度センサ。
  8. 前記熱変換フィルムのうら面側に設けられ、前記うら面側に前記赤外線検知素子と前記温度補償素子を収容する素子収容室を前記熱変換フィルムとの間に有する第2ケースを備える、
    請求項1または請求項2に記載の赤外線温度センサ。
  9. 前記第2通気路は、
    前記熱変換フィルムの表裏を貫通して設けられるか、又は、
    前記第1ケースと前記第2ケースを貫通して設けられる、
    請求項4又は請求項6に記載の赤外線温度センサ。
  10. 前記熱変換フィルムのおもて面に臨む前記導光域と前記遮光域を合わせた体積と、前記熱変換フィルムのうら面に臨む前記素子収容室の体積と、が均等である、
    請求項8に記載の赤外線温度センサ。
  11. 前記第1ケースは、
    おもて面及びうら面を有するケース基部と、前記ケース基部の前記おもて面及び前記うら面を貫通して形成される前記導光域と、前記ケース基部の前記おもて面の側から立ち上がる遮光ドームの内部に形成される前記遮光域と、を有する、
    請求項1又は請求項6に記載の赤外線温度センサ。
  12. 前記熱変換フィルムのうら面側に、前記熱変換フィルムと対向するように設けられる偏平な第2ケースと、を備える、
    請求項1又は請求項5に記載の赤外線温度センサ。
  13. 前記第1ケースと前記第2ケースとが互いに突き合わされる境界部分を気密に封止する封止構造を備える、
    請求項8又は請求項12に記載の赤外線温度センサ。
  14. 前記遮蔽体は、光学的機能を有し、
    前記光学的機能は、レンズ機能又はフィルタ機能である、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の赤外線温度センサ。
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